特許第5792240号(P5792240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792240注射シミュレータ用模擬剤及びその製造方法と製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792240
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】注射シミュレータ用模擬剤及びその製造方法と製造装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20150917BHJP
   A61J 1/06 20060101ALI20150917BHJP
   G09B 23/28 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G09B9/00 Z
   A61J1/06 B
   G09B23/28
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-169412(P2013-169412)
(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公開番号】特開2014-63146(P2014-63146A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2013年9月2日
【審判番号】不服2014-23273(P2014-23273/J1)
【審判請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】特願2012-200944(P2012-200944)
(32)【優先日】2012年8月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512236814
【氏名又は名称】西 武夫
(72)【発明者】
【氏名】西 武夫
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 関谷 一夫
【審判官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/052322(WO,A1)
【文献】 特表2012−506565(JP,A)
【文献】 特開2011−177242(JP,A)
【文献】 特開2010−83895(JP,A)
【文献】 特開2009−221123(JP,A)
【文献】 特開2004−50103(JP,A)
【文献】 特開2003−225671(JP,A)
【文献】 特表2007−527364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
A61J 1/06
G09B 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤であって、
前記模擬剤は、水道法で規定する水質基準に適合する塩素滅菌操作を受けると
共に残留塩素0.1mg/l以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/l以上)を含有する新鮮な上水道水が、ボトルトップディスペンサーで、アンプル管に分注された模擬剤であり、
前記ボトルトップディスペンサーは、新鮮な上水道水を、新鮮さを損なうことの無いタイミングで分注し終える小容量のボトル瓶に装備され、
前記アンプル管に分注された模擬剤は、残留塩素濃度0.1mg/l以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/l以上)を、余裕をもった状態で保持して冷暗所保存手段により保存され、予め計画された練習又は訓練日程に適合した日程で製造及び納入され、消費されることを特徴とする前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤。
【請求項2】
医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤製造方法において、
水道法で規定する水質基準に適合する塩素滅菌操作を受けると共に残留塩素0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/L以上)を含有する新鮮な上水道水を準備する工程と、
前記新鮮な上水道水を、ボトルトップディスペンサーで、アンプル管に分注する工程であって、前記新鮮な上水道水を、新鮮さを損なうことの無いタイミングで分注し終 える小容量のボトルトップディスペンサー装備ボトル瓶が用いられる工程と、
を有し、
医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤は、冷暗所保存手段により、残留塩素濃度0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/L以上)を、余裕をもった状態で保持して保存され、予め計画された練習又は訓練日程に適合した日程で製造及び納入され、消費される模擬剤あることを特徴とする前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤の製造方法。
【請求項3】
潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミ
ュレータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造装置において、
密封ゴム栓が静置された二個以上の複数個の前記バイアル瓶を収納する減圧室と、
保持手段及び載架手段で構成した一括打栓手段と、
を有し、
前記二個以上の複数個の前記バイアル瓶を一括密栓手段で密封することを特徴とする注射シミュレータ用模擬剤製造装置。
【請求項4】
潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミュ
レータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造装置において、
バイアル瓶を、一括密栓手段で密栓工程を終了した一つの減圧室と、他の減圧手
段で減圧する減圧工程直前の他の減圧室と、を連通接続して予備減圧する開閉手段を配設した連通接続管と、
前記開閉手段を開閉制御する開閉制御手段と、
前記他の減圧手段を本格減圧する減圧制御手段と、
前記他の減圧手段で減圧した前記注射シミュレータ用模擬剤分注バイアル瓶を密栓する一括密栓手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項3記載の注射シミュレータ用模擬剤製造装置。
【請求項5】
潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造方法において、
前記バイアル瓶に密封ゴム栓を静置する準備工程と、
該準備工程を経た二個以上の複数個の前記バイアル瓶を減圧室に収納し、前記準
備工程を経た二個以上の複数個の前記バイアル瓶を、保持手段及び載架手段で構成した一括密栓手段により密封する工程と、
を有することを特徴とする注射シミュレータ用模擬剤製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプル開封トレーニング、注射シミュレータによる注射トレーニングに使用するアンプル及びバイアルの医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤及びその製造方法と製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用内容物を収容するアンプル及びバイアルの医療用注射剤密封容器は、材質、構造等でさまざまな工夫をしたものが開示されていて、アンプルにおいては、口部、破断部及び頭部を覆うオーバーキャップを備えて、取り扱い性が良好で、流通過程で破断部が不用意に破断することを抑制したアンプルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。バイアルにおいては、開閉栓時の安全性に優れると共に薬剤の汚染の懸
念がないバイアルを開示している(例えば、特許文献2参照)。又、発光液化する調製剤を使用した注射剤の調製実習用教材を開示している(例えば、特許文献3参照)。しかし、安価な医療研修・教育・実習用の容器密封模擬注射剤の開示及び市販がされていないため、医薬用の容器密封注射剤を、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤に代替して使用していた。又、薬事法等により、実薬剤が入手出来ない学校が多数存在するが、該学校では、注射の教育・実習を実施出来ない問題が存在する。
【0003】
しかし、あくまでも医療研修・教育・実習用であるから、患者に注射するための実薬剤入りアンプル及びバイアルを使用する必要と必然性は存在しないと共に学校でも注射の教育・実習することが待たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−29598号公報
【特許文献2】特開2010−110378号公報
【特許文献3】特願2011−538308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、安価で、衛生的な模擬注射剤を密閉容器に収容して密閉し、製造工数を低減した、省エネルギーであると共に既存の製品と技術を利用した簡単な製造装置で必要最小限度の衛生性を有する医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤及びその製造方法と製造装置とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤であって、前記模擬剤は、水道法で規定する水質基準に適合する塩素滅菌操作を受けると共に残留塩素0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/L以上)を含有する新鮮な上水道水、ボトルトップディスペンサーで、アンプル管に分注された模擬剤であり前記ボトルトップディスペンサーは、前記新鮮な上水道水を、新鮮さを損なうことの無いタイミングで分注し終える小容量のボトル瓶に装備され、前記アンプル管に分注された模擬剤は、0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/L以上)を、余裕をもった状態で保持して冷暗所保存手段により保存され、予め計画された練習又は訓練日程に適合した日程で製造及び納入され、消費される前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤とすることを第一の発明手段とする。
【0007】
又、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤製造方法において、水道法で規定する水質基準に適合する塩素滅菌操作を受けると共に残留塩素0.1mg/l以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/l以上)を含有する新鮮な上水道水を準備する工程と、前記新鮮な上水道水を、ボトルトップディスペンサーで、アンプル管に分注する工程であって、前記新鮮な上水道水を、新鮮さを損なうことの無いタイミングで分注し終える小容量のボトルトップディスペンサー装備ボトル瓶が用いられる工程とを有し医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤は、冷暗所保存手段により、残留塩素濃度0.1mg/l以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/l以上)を、余裕をもった状態で保持して保存され、予め計画された練習又は訓練日程に適合した日程で製造及び納入され、消費される模擬剤であることを特徴とする前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤の製造方法とすることを第二の発明手段とする。
【0008】
又、潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造装置において、密封ゴム栓が静置された二個以上の複数個の前記バイアル瓶を収納する減圧室と、保持手段及び載架手段で構成した一括打栓手段と、を有し、前記二個以上の複数個の前記バイアル瓶を一括密栓手段で密封することを特徴とする注射シミュレータ用模擬剤製造装置とすることを第三の発明手段とする。
【0009】
又、潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造装置において、バイアル瓶を、一括密栓手段で密栓工程を終了した一つの減圧室と、他の減圧手段で減圧する減圧工程直前の他の減圧室とを連通接続して予備減圧する開閉手段を配設した連通接続管と、前記開閉手段を開閉制御する開閉制御手段と、前記他の減圧手段を本格減圧する減圧制御手段と、前記他の減圧手段で減圧した前記注射シミュレータ用模擬剤分注バイアル瓶を密栓する一括密栓手段とをさらに有する注射シミュレータ用模擬剤製造装置とすることを第四の発明手段とする。
【0010】
そして又、 潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を、医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ模擬剤として、バイアル瓶に分注し、密封する製造方法において、前記バイアル瓶に密封ゴム栓を静置する準備工程と、該準備工程を経た二個以上の複数個の前記バイアル瓶を減圧室に収納し、前記準備工程を経た二個以上の複数個の前記バイアル瓶を、保持手段及び載架手段で構成した一括密栓手段により密封する工程とを有することを特徴とする注射シミュレータ用模擬剤製造方法とすることを第五の発明手段とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤は、僅かな量の新鮮で、特段な車両運搬等を必要としなく、省エネルギーな素材である上水道水を分注して製造するので、安価な素材である上水道水を使用すると共に省エネルギーで製造し、水道水法で規する残留塩素濃度を0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度を0.4mg/L以上)の余裕ある該残留塩素を保持した状態で、冷暗所に保存すれば、残留塩素の消耗と揮散を抑制し、8日間程度の短期間であれば殺菌効果を保持出来るので、予め計画された練習又は訓練日程に適合した日程で製造及び納入され、消費されることで、安価で衛生的な注射シミュレータ用模擬剤を製造出来る利点がある。
【0012】
又、減圧デシケータ等の既存の製品を改造した簡単な装置を減圧手段として活用し、一括密栓手段を配設した前記減圧手段に、食品添加物としても利用される潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末を計量分注したバイアル瓶を、短時間かつ経済的に減圧密栓することが出来ると共に潮解現象を防止し、良好な注射シミュレータ用模擬剤として保存出来る。又、潮解性の物質特性を有するクエン酸粉末が潮解現象を呈して、団塊状に固形化すると、注射器により前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤である水道水をバイアル瓶に注入しても、溶解に長時間を要して医療研修・教育・実習に支障となるが、模擬剤入りバイアル瓶を減圧することで、前記模擬剤の潮解現象を防止するので、良好な前記医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤とすることが出来る。
【0013】
そして又、減圧手段で減圧した模擬剤入りバイアル瓶を密栓する一括密栓手段で、密栓工程を終了した減圧手段の一つの減圧室と、他の減圧手段で減圧する減圧工程直前の他の減圧室とを連通接続するホースに配設した開閉手段を開の状態にすると、密栓工程を終了した減圧手段の一つの減圧室は真空度が減少し、減圧工程直前の他の減圧室は真空度が増大し、前記両室の真空度が平衡した段階で前記両室を連通接続するホースに配設した前記開閉手段を閉の状態とし、前記真空度が中間段階に増大した他の減圧室を、減圧エネルギーを消費することなしに中間の真空度に達した段階から所期の真空度まで減圧すればよいので、減圧エネルギーを低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は新鮮水道水を分注して密封している、注射シミュレータ用模擬剤密封アンプル製造の流れを示した概略説明図であり、(a)は充填図、(b)は密封図である。(実施例1)
図2図2は本実施例の概略作業説明工程図である。(実施例2)
図3図3は減圧デシケータを手動操作起動の減圧ポンプで減圧する減圧打栓装置の概略説明配置図である。(実施例3)
図4図4は減圧デシケータ内に、バイアル瓶にゴム栓を打栓する打栓装置を組み込んだ概略説明図であって、( a )は(b)のC−C視平断面図であり、( b )は(a)のD−D視縦断面図である。(実施例3)
図5図5の( a )は図4の( b )における電動減速装置14とカム15付近の拡大側面図であり、( b )は( a )のE−E 視立面図 ( c )は( a )のF−F 視縦断面図である。 (実施例3)
図6図6は打栓装置14に、ゴム栓12静置バイアル瓶11を装填し、減圧後に打栓処理密栓する作業処理工程の概略作業説明工程図である。(実施例3)
図7図7は減圧デシケータ台を減圧ポンプ9と三方コック36で並列接続した概略説明縦断面図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0015】
医療研修・教育・実習用の注射シミュレータ用模擬剤を安価な素材で衛生に製造する目的を達成する。
【実施例1】
【0016】
図1の実施例は、本発明における実施例1の製造工程を示した概略説明図であって、図1中の(a)は、図示してない上水道水栓から新鮮上水道水1を洗浄除菌済みのボトル2の口元から前記新鮮上水道水1が溢れ出るまで注入し(本操作図示無し)、続いて素早くボトルトップディスペンサー3を装着し、除菌済みのアンプル瓶4に分注する。
【0017】
(b)は新鮮上水道水1を分注した前記アンプル管4の頭部4aを回転式自動アンプル管熔閉器5で熔閉して密封し、(c)の医療研修・教育・実習用模擬アンプル6が完成する。尚、本実施例では、簡単のために、手動操作での製造装置を例示しているが、医療用注射剤アンプルを製造する既存の自動化装置であっても良い。そして、本実施例では、アンプル管4としているが、バイアル瓶にクエン酸粉末を分注し、密栓する操作に置き換えることも出来る。図1中の(a)のボトルトップディスペンサー3と(b)回転式自動アンプル管熔閉器5とで注射シミュレータ用模擬剤製造装置9を構成する。尚、新鮮上水道水を分注した前記医療研修・教育・実習用模擬アンプル6は、図示しない冷暗所である冷蔵庫に、出荷までと、使用までに保管する。
【実施例2】
【0018】
図2は本実施例の概略作業説明工程図であり、図3は減圧デシケータ7を手動操作により起動して減圧ポンプ8で減圧する注射シミュレータ用模擬剤製造装置9の概略説明縦断面図であり、図4は前記減圧デシケータ7内に、バイアル瓶10にゴム栓11を打栓する打栓装置12を組み込んだ概略説明図で、( a )は( b )におけるC−C視平断面図、( b )は( a )におけるD−D視縦断面図である。図5の( a )は図3の( a )における電動減速装置13とカム14付近の拡大図であり、( b )は( a )のE−E視図 ( c )は( a )のF−F 視図である。図6は、前記打栓装置12に、前記バイアル瓶10にゴム栓11を静置したものを装填し、減圧後に打栓処理密栓する作業処理工程の概略作業説明工程図である。模擬剤のクエン酸粉末15を分注した前記バイアル瓶10の口部10aに密封用のゴム栓11を静置した12組を、前記バイアル瓶10の口部10aを上にし、前記バイアル瓶10の外径より僅かに大きな内径の孔16aを有する円盤状の保持プレート16に挿入すると共に円盤状のテーブル17に載架して配列する。尚、図4のaの概略説明平面図では、バイアル瓶10は12個を配設しているが、図4のbの概略説明縦断面図では、複雑さを避けるために、2個を記載している。前記保持プレート16とテーブル17は、機械基礎板18と、通しボルト19とディスタンスピース20及びナット21とで構成する支持枠22に保持され、さらに、前記機械基礎板18は前記減圧デシケータ7の底板7aの上面7bに挿入固定体23と防振ゴム24で支持して載架されている。前記機械基礎板18上に配設した電動減速装置13の軸13aに装着したカム14の一周回転に伴って該カム14の外周面14a上を下端部25aが摺動することで、支持ロッド25が案内板26の孔26aに沿って下降し、下限で反復上昇すると共に上限で停止する。前記支持ロッド25の上部25bには、円盤状の打栓錘受板27を固着して装備し、該打栓錘受板27の上面27aに円盤状の打栓錘板28を載架している。前記電動減速装置13の軸13aに装着したカム14に隣接して装着した回転円板29には、円周面29aの一個所に、前記支持ロッド25の上限位置にタイミングを合わせて窪み29bを削孔し、リミットスイッチ30のセンサーローラ30aが前記支持ロッド25の上限位置で前記窪み29bと会合して前記電動減速装置13を停止するように構成する。そこで、前記クエン酸粉末15入りバイアル瓶10の口部10aに密封用のゴム栓11を静置した12組を、前記減圧デシケータ7に装填し、前記打栓錘板28及び前記減圧デシケータ7の蓋7aを載架し、前記減圧デシケータ7の大気に連通するコック31を閉にし、前記減圧ポンプ8付属の起動停止スイッチ8aで前記減圧ポンプ8を起動して前記減圧デシケータ7内の空気を、ホース32を経由して所定の真空度まで吸引排出して減圧し、所定の真空度に達すると、前記起動停止スイッチ8aで前記減圧ポンプ8を停止すると共に一斉密栓用の前記打栓錘板28を前記電動減速装置13の起動停止を制御する制御盤33に付属する起動スイッチ33aで起動すると、前記打栓錘受板27は下降し、該打栓錘受板27に載架した打栓錘板28の重力で前記ゴム栓11を打栓して上昇し、上限で停止する。次に前記コック31を開にして前記減圧デシケータ7を大気に解放後に前記蓋7aと打栓錘板28を除去し、必要に応じて前記バイアル瓶10を装填する次周期工程に移る。本実施例では、前記起動停止スイッチ8aを操作することで、前記減圧ポンプ8を停止しているが、本実施例に限定するものでなく、所定の真空度を感知するセンサーを組み込んで制御を有する制御盤を配設することも出来る。尚、本発明に直接には係わらないアルミキャップ締機を使用してアルミキャップを装着して、前記バイアル瓶10の密栓を終了する。尚、前記制御盤33と減圧デシケータ7間には、電源及び制御配線34を配設している。このように、前記減圧デシケータ7内に、バイアル瓶10、前記打栓装置12及び電動減速装置13等を収容しているので、減圧ポンプ8で排出する空気量は少なく、減圧動力を低減出来る。
【実施例3】
【0019】
図7は本実施例の概略説明組立て図であり、図3における減圧デシケータ7を2台配設し、減圧ポンプ8と前記2台の減圧デシケータ7とに配設するホース32に三方コック35を配設して、前記減圧ポンプ8に対して、前記2台の減圧デシケータ7をそれぞれ並列接続し、コック31を装備したホース32で2台の前記減圧デシケータ7を相互に連通接続している。このように構成することにより、1台の前記減圧デシケータ7で減圧打栓処理が終了した段階で、他の前記減圧デシケータ7に付属のコック31を閉にすると共に前記ホース32に装備したコック31を開にして真空度を平準化し、前記三方コック35を切り替えると共に減圧打栓を終了した前記減圧デシケータ7に付属したコック31は開にし、他の前記減圧デシケータ7の減圧打栓処理を行う。このようにすることで、前記減圧ポンプ8の動力費を低減出来る。尚、本実施例では、前記減圧デシケータ7を2台としているが、3台以上とすることは、何ら制限されない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
医療研修教育用アンプルは、医学科、歯学科、看護学科等の学生用教材として、安価に利用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 新鮮上水道水
2 褐色ボトル
3 ボトルトップディスペンサー
アンプル管
4a 頭部
5 回転式自動アンプル熔閉器
6 医療研修・教育・実習用模擬アンプル
7 減圧デシケータ
8 減圧ポンプ
9 注射シミュレータ用模擬剤製造装置
10 バイアル瓶
11 ゴム栓
12 打栓装置
13 電動減速装置
14 カム
15 クエン酸粉末
10a 口部
16a 孔
16 保持プレート
17 テーブル
18 機械基礎板
19 通しボルト
20 ディスタンスピース
21 ナット
22 支持枠
7a 底板
7b 上面
23 挿入固定体
24 防振ゴム
13a 軸
14a 外周面
25a 下端部
25 支持ロッド
26 案内板
26a 孔
25b 上部
27 打栓錘受板
27a 上面
28 打栓錘板
29 回転円板
29a 円周面
29b 窪み
30 リミットスイッチ
30a センサーローラ
7a 蓋
31 コック
8a 起動停止スイッチ
32 ホース
33 制御盤
33a 起動スイッチ
34 電源及び制御配線
35 三方コック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7