【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本明細書では、頭部装着型デバイスが提供される。その頭部装着型デバイスは、頭部装着型デバイスの他のデバイスとの無線相互接続のためのトランシーバと、頭部装着型デバイスの少なくとも幾つかの部分を収容するためのハウジングを備えている。そのハウジングは、頭部装着型デバイスの電力供給のためのバッテリを収容するためのバッテリ収容部と、バッテリ収容部を閉鎖するためのバッテリカバーを有している。その頭部装着型デバイスはさらに、バッテリカバーの開閉操作の繰り返しに応じて、頭部装着型デバイスの他の部分が動作可能でありながら、トランシーバを無効化するように構成されている。
【0009】
例えばトランシーバをオフにすることによってデバイスのトランシーバを無効化するフライトモードへ移行するように、ユーザがデバイスを操作することができ、それによって飛行中の民間航空機においてデバイスの他の機能の利用を可能にすることは、新規な頭部装着型デバイスの重要な利点である。
【0010】
頭部装着型デバイス、例えば補聴器は、主に美容上の理由から、より小さくなってきている。従って、ユーザインターフェースコントロールのために利用可能なエリアはより小さくなってきており、特に耳あな型(ITE)補聴器においては、補聴器がユーザの耳の内部に挿入されたときに、バッテリカバーはユーザに対して露出するエリアのかなりの部分を占めており、典型的には、さらなるユーザコントロールのための十分なスペースは存在しない。
【0011】
フライトモードへ移行するためのユーザコマンドを提供するために、ユーザインターフェースが追加のハードウェアを必要としないということは、新規な頭部装着型デバイスの重要な利点である。
【0012】
好ましくは、バッテリカバーが閉鎖されてからの経過時間を監視するために、タイマが設けられている。
【0013】
好ましくは、起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放される事象をカウントするために、短期起動カウンタが設けられている。
【0014】
以下では、「短期起動」という用語は、起動時間しきい値よりも短い期間、バッテリカバーが閉鎖していることを意味しており、「長期起動」という用語は、起動時間しきい値よりも長い期間、バッテリカバーが閉鎖していることを意味している。
【0015】
典型的には、バッテリはハウジング内の支持構造によって形成される区画に収容される。支持構造は、バッテリによって頭部装着型デバイスの回路に電力を供給するために、バッテリの電極へアクセスすることを許容する。支持構造は、ユーザが開放することができ、それによってユーザがバッテリへアクセスし、バッテリを交換することを可能とする、バッテリカバー、例えばバッテリリッドやバッテリドアを含んでいる。支持構造は、バッテリが引き出しのようにバッテリリッドと一緒にハウジングの外に引き出されるように設けられていてもよいし、バッテリドアがハウジングにヒンジ結合されていて、バッテリドアを回し開くことによって、回転動作でデバイスのハウジングからバッテリが抜き出されるようになっていてもよい。バッテリカバーが開放されるとデバイスはオフにされ、バッテリカバーが完全に閉鎖されるとデバイスはオンにされる。デバイスへの電力供給のために、バッテリの電極を頭部装着型デバイスの回路と接続するために、電気端子がバッテリ収容部に設けられている。
【0016】
バッテリカバーの開放は、バッテリカバーとともにバッテリが電気端子との接触から外れるように動いて、頭部装着型デバイスの電力供給が失われることとして、検出することができる。この場合、頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間において頭部装着型デバイスがフライトモードにあったか否か、および以前の電力供給期間の継続時間に関連するフラグおよびカウンタの更新された値は、不揮発性メモリ内に継続的に格納されて、頭部装着型デバイスの次回の電力投入時に利用可能とされる。
【0017】
あるいは、バッテリカバーの開放は、当該技術分野でよく知られているような、バッテリカバーに関連付けられたスイッチを用いて検出することができる。スイッチは、ドアと一緒に開閉し、スイッチの出力は頭部装着型デバイスのコントローラに入力される。コントローラは、スイッチの状態に応じて、バッテリカバーの開閉の検出を実行する。このような構成は、電力が失われる前にバッテリカバーの開放の検出を可能にし、それによって、頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間において、頭部装着型デバイスがフライトモードにあったか否か、および以前の電力供給期間の継続時間に関連するフラグおよびカウンタの値を、電力が失われる前に不揮発性メモリに格納することができる。
【0018】
一実施形態において、バッテリドアが閉鎖されたときに、頭部装着型デバイスが以前の電力供給期間においてフライトモードではなかった場合で、かつ頭部装着型デバイスが起動時間しきい値、例えば10秒間よりも長い期間にわたって電力を供給されていた場合、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオンにされ、もし必要であれば有効化される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは、バッテリドアが閉鎖されている限り、オンにされ有効化されたまま維持される。
【0019】
以前の起動が長期起動であり、かつバッテリカバーが閉鎖されてから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放される場合、すなわち1回目の短期起動となる場合、短期起動カウンタの値が0から1へ増分されて不揮発性メモリに格納され、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0020】
バッテリカバーがその後に閉鎖されると、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは再びオンにされ、もし必要であれば有効化される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは、バッテリカバーが閉鎖されている限り、オンにされ有効化されたまま維持される。
【0021】
バッテリカバーが閉鎖されてから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放されると、短期起動カウンタの値は1から2へ増分され、不揮発性メモリに格納される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0022】
バッテリカバーがその後に閉鎖されると、頭部装着型デバイスはオンにされる。しかしながら、短期起動カウンタの値が2以上であるから、トランシーバは有効化されない、例えばオンにされない。そして、フライトモードフラグが、頭部装着型デバイスがフライトモードにある、すなわちトランシーバが無効化されている、例えばオンにされていないことを示すように設定される。さらに、短期起動カウンタの値が0にリセットされる。
【0023】
バッテリカバーを閉鎖してから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放されると、短期起動カウンタの値は2より大きな値へ増分され、不揮発性メモリ内に格納される。そして、頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0024】
コントローラは、頭部装着型デバイスがフライトモードにあり、かつユーザがバッテリを交換する必要がある場合に、再びフライトモードへ移行するために、ユーザがバッテリカバーの開閉動作を繰り返さなければならないように、構成することができる。
【0025】
コントローラは、フライトモードにおいてバッテリカバーが開放され、その後に閉鎖されたときに、トランシーバを除く頭部装着型デバイスがオンにされ、あるいはトランシーバが無効化されており、さらにバッテリカバーが起動時間しきい値より長く閉鎖されたままである場合に、トランシーバもオンにされ、あるいはトランシーバが有効化されて、フライトモードフラグがリセットされるように、構成することもできる。
【0026】
明らかに、上記の機能は、様々なカウンタ値およびフラグを用いて具現化することができる。例えば、他の実施形態では、フライトモードへの移行は、バッテリカバーの3またはそれ以上の連続的な開閉操作であって、それぞれの閉鎖操作の継続時間が起動時間しきい値より短い開閉操作を必要としてもよい。別の実施例では、一連の連続的な開閉操作において、異なる閉鎖操作に対して、異なる起動時間しきい値が適用されてもよい。また、フライトモードにおいては、起動時間しきい値より長くバッテリカバーを閉鎖することが、フライトモードの維持につながり、バッテリカバーの連続的な開閉操作によって、ノーマルモードまたは非フライトモードへの移行、すなわちトランシーバの有効化がされてもよい。
【0027】
新規な頭部装着型デバイスのコントローラは、ハードウェアまたはソフトウェアに関連して、あるいは、適切な場合には両者の組み合わせと関連して、具現化することができる。
【0028】
本明細書で使用される、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等の用語は、CPUに関連するエンティティ、すなわちハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアを意味している。
【0029】
たとえば、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等は、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、命令スレッド、および/またはプログラムであってもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
【0030】
例として、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等の用語は、プロセッサ上で実行中のプロセスおよびハードウェアプロセッサの両方を意味する。1またはそれ以上の「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等およびそれらの任意の組み合わせは、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在していてもよいし、1またはそれ以上の「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等およびそれらの任意の組み合わせは、場合によっては他のハードウェア回路と組合されている、1つのハードウェアプロセッサ上に偏在していてもよいし、および/または、場合によっては他のハードウェア回路と組合されている、2またはそれ以上のハードウェアプロセッサ上に分散されていてもよい。
【0031】
トランシーバは、頭部装着型デバイスを無線ネットワークと相互接続するように構成されていてもよい。無線ネットワークは、ネットワーク内の複数の他のデバイス、例えばリモコン、フィッティング装置、携帯電話、ヘッドセット、ドアベル、アラームシステム、放送システムなどとの相互接続を容易にすることができる。
【0032】
頭部装着型デバイスは、補聴器であってもよい。その補聴器は、音響音声を電気音声信号に変換する入力トランスデューサと、電気音声信号を聴力損失補償済み信号に処理する信号プロセッサと、聴力損失補償済み信号を補聴器のユーザの鼓膜に向けて伝送するための音響出力信号に変換する出力トランスデューサを備えている。
【0033】
補聴器は、両耳用補聴器システムの一部を形成していてもよい。
【0034】
有利な点として、フライトモードは省電力につながる。デバイスがネットワークへの接続性を持っていないので、受信を継続的に探索する必要がなく、電力が大幅に節約される。