特許第5792249号(P5792249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792249
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】フライトモードを備える頭部装着型デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20150917BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   H04R25/00 Z
   H04R25/00 Q
   H04R1/10 101B
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-197322(P2013-197322)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-90407(P2014-90407A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2013年10月8日
(31)【優先権主張番号】12185947
(32)【優先日】2012年9月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13/633851
(32)【優先日】2012年10月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ リザウンド エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN RESOUND A/S
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペダルセン ブライアン ダム
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン ジェスパー ルンド
【審査官】 武田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−542055(JP,A)
【文献】 特開2003−134562(JP,A)
【文献】 特開2002−141841(JP,A)
【文献】 特開2003−125075(JP,A)
【文献】 特開2003−069669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 25/00
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部装着型デバイスであって、
前記頭部装着型デバイスの他のデバイスとの無線相互接続のためのトランシーバと、
前記頭部装着型デバイスの少なくとも幾つかの部分を収容するためのハウジングを備えており、
前記ハウジングが、前記頭部装着型デバイスの電力供給のためのバッテリを収容するためのバッテリ収容部と、前記バッテリ収容部を閉鎖するバッテリカバーを有しており、
前記バッテリカバーの開閉操作の繰り返しに応じて、前記頭部装着型デバイスの他の部分が動作可能でありながら、前記トランシーバを無効化するように構成されたコントローラをさらに有している、頭部装着型デバイス。
【請求項2】
前記コントローラが、前記頭部装着型デバイスの前記他の部分が動作可能でありながら、前記トランシーバが無効化された後に、前記トランシーバを有効化するように構成されている、請求項1の頭部装着型デバイス。
【請求項3】
前記バッテリカバーが閉鎖されてからの経過時間を監視するタイマを備えている、請求項1または2の頭部装着型デバイス。
【請求項4】
起動時間しきい値が経過する前に前記バッテリカバーが開放される事象をカウントする短期起動カウンタを備えている、請求項3の頭部装着型デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、前記バッテリカバーの少なくとも2回の連続的な開閉操作であって、その際に前記起動時間しきい値よりも短い期間で前記バッテリカバーが閉鎖されている開閉操作に応じて、前記トランシーバを無効化するように構成されている、請求項4の頭部装着型デバイス。
【請求項6】
前記コントローラが、前記トランシーバが無効化された後に、前記バッテリカバーの閉鎖操作であって、その際に前記起動時間しきい値よりも長い期間で前記バッテリカバーが閉鎖されている閉鎖操作に応じて、前記トランシーバを有効化するように構成されている、請求項5の頭部装着型デバイス。
【請求項7】
前記トランシーバが、前記頭部装着型デバイスを無線ネットワークと相互接続するように構成されている、請求項1から6の何れか一項の頭部装着型デバイス。
【請求項8】
前記頭部装着型デバイスが補聴器であって、
前記補聴器が、
音響音声を電気音声信号に変換する入力トランスデューサと、
前記電気音声信号を聴力損失補償済み信号に処理する信号プロセッサと、
前記聴力損失補償済み信号を前記補聴器のユーザの鼓膜に向けて伝送するための音響出力信号に変換する出力トランスデューサを備えている、請求項1から7の何れか一項の頭部装着型デバイス。
【請求項9】
前記補聴器が両耳用補聴器システムの一部を形成している、請求項8の頭部装着型デバイス。
【請求項10】
前記バッテリカバーの開放が、前記バッテリカバーとともに前記バッテリが前記電気端子との接触から外れるように動いて、前記頭部装着型デバイスの電力供給が失われることとして検出される、請求項1から9の何れか一項の頭部装着型デバイス。
【請求項11】
前記バッテリカバーの開放が、前記バッテリカバーに関連付けられたスイッチを用いて検出される、請求項1から9の何れか一項の頭部装着型デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
フライトモードを備える頭部装着型デバイス、例えば補聴器が開示される。追加のユーザインターフェースハードウェアを必要とすることなく、フライトモードへ移行するためのユーザコマンドが提供される。
【背景技術】
【0002】
信号を送信または受信するデバイスの動作は、航空機のアビオニクスに及ぼす潜在的な影響と、地上セルラーネットワークとの干渉の可能性のため、飛行中の民間航空機内では一般的に禁止されている。
【0003】
フライトモードは、多くの電子機器において利用可能とされている設定である。フライトモードに設定されると、信号送信を必要としない他の機能、例えば携帯電話のゲームや、内蔵カメラ、MP3プレーヤは利用可能でありながら、デバイスの多くの信号送信機能、例えば携帯電話の通話やテキストメッセージの発着信機能が停止され、それによって無効化される。
【0004】
フライトモードでは、飛行中の民間航空機内で、ユーザがデバイスを操作することを可能にする。
【0005】
その他の名称としては、機内モード、飛行機モード、オフラインモード、スタンドアロンモードなどが含まれる。
【0006】
他のデバイスとの無線通信のためのトランシーバを備えており、無線通信を必要としない他の機能を備えている頭部装着型デバイスとしては、例えば補聴器がよく知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
飛行中の民間航空機において、デバイスの信号送受信の機能が無効化され、デバイスの他の機能の動作が可能である、フライトモードを備える頭部装着型デバイスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本明細書では、頭部装着型デバイスが提供される。その頭部装着型デバイスは、頭部装着型デバイスの他のデバイスとの無線相互接続のためのトランシーバと、頭部装着型デバイスの少なくとも幾つかの部分を収容するためのハウジングを備えている。そのハウジングは、頭部装着型デバイスの電力供給のためのバッテリを収容するためのバッテリ収容部と、バッテリ収容部を閉鎖するためのバッテリカバーを有している。その頭部装着型デバイスはさらに、バッテリカバーの開閉操作の繰り返しに応じて、頭部装着型デバイスの他の部分が動作可能でありながら、トランシーバを無効化するように構成されている。
【0009】
例えばトランシーバをオフにすることによってデバイスのトランシーバを無効化するフライトモードへ移行するように、ユーザがデバイスを操作することができ、それによって飛行中の民間航空機においてデバイスの他の機能の利用を可能にすることは、新規な頭部装着型デバイスの重要な利点である。
【0010】
頭部装着型デバイス、例えば補聴器は、主に美容上の理由から、より小さくなってきている。従って、ユーザインターフェースコントロールのために利用可能なエリアはより小さくなってきており、特に耳あな型(ITE)補聴器においては、補聴器がユーザの耳の内部に挿入されたときに、バッテリカバーはユーザに対して露出するエリアのかなりの部分を占めており、典型的には、さらなるユーザコントロールのための十分なスペースは存在しない。
【0011】
フライトモードへ移行するためのユーザコマンドを提供するために、ユーザインターフェースが追加のハードウェアを必要としないということは、新規な頭部装着型デバイスの重要な利点である。
【0012】
好ましくは、バッテリカバーが閉鎖されてからの経過時間を監視するために、タイマが設けられている。
【0013】
好ましくは、起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放される事象をカウントするために、短期起動カウンタが設けられている。
【0014】
以下では、「短期起動」という用語は、起動時間しきい値よりも短い期間、バッテリカバーが閉鎖していることを意味しており、「長期起動」という用語は、起動時間しきい値よりも長い期間、バッテリカバーが閉鎖していることを意味している。
【0015】
典型的には、バッテリはハウジング内の支持構造によって形成される区画に収容される。支持構造は、バッテリによって頭部装着型デバイスの回路に電力を供給するために、バッテリの電極へアクセスすることを許容する。支持構造は、ユーザが開放することができ、それによってユーザがバッテリへアクセスし、バッテリを交換することを可能とする、バッテリカバー、例えばバッテリリッドやバッテリドアを含んでいる。支持構造は、バッテリが引き出しのようにバッテリリッドと一緒にハウジングの外に引き出されるように設けられていてもよいし、バッテリドアがハウジングにヒンジ結合されていて、バッテリドアを回し開くことによって、回転動作でデバイスのハウジングからバッテリが抜き出されるようになっていてもよい。バッテリカバーが開放されるとデバイスはオフにされ、バッテリカバーが完全に閉鎖されるとデバイスはオンにされる。デバイスへの電力供給のために、バッテリの電極を頭部装着型デバイスの回路と接続するために、電気端子がバッテリ収容部に設けられている。
【0016】
バッテリカバーの開放は、バッテリカバーとともにバッテリが電気端子との接触から外れるように動いて、頭部装着型デバイスの電力供給が失われることとして、検出することができる。この場合、頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間において頭部装着型デバイスがフライトモードにあったか否か、および以前の電力供給期間の継続時間に関連するフラグおよびカウンタの更新された値は、不揮発性メモリ内に継続的に格納されて、頭部装着型デバイスの次回の電力投入時に利用可能とされる。
【0017】
あるいは、バッテリカバーの開放は、当該技術分野でよく知られているような、バッテリカバーに関連付けられたスイッチを用いて検出することができる。スイッチは、ドアと一緒に開閉し、スイッチの出力は頭部装着型デバイスのコントローラに入力される。コントローラは、スイッチの状態に応じて、バッテリカバーの開閉の検出を実行する。このような構成は、電力が失われる前にバッテリカバーの開放の検出を可能にし、それによって、頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間において、頭部装着型デバイスがフライトモードにあったか否か、および以前の電力供給期間の継続時間に関連するフラグおよびカウンタの値を、電力が失われる前に不揮発性メモリに格納することができる。
【0018】
一実施形態において、バッテリドアが閉鎖されたときに、頭部装着型デバイスが以前の電力供給期間においてフライトモードではなかった場合で、かつ頭部装着型デバイスが起動時間しきい値、例えば10秒間よりも長い期間にわたって電力を供給されていた場合、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオンにされ、もし必要であれば有効化される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは、バッテリドアが閉鎖されている限り、オンにされ有効化されたまま維持される。
【0019】
以前の起動が長期起動であり、かつバッテリカバーが閉鎖されてから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放される場合、すなわち1回目の短期起動となる場合、短期起動カウンタの値が0から1へ増分されて不揮発性メモリに格納され、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0020】
バッテリカバーがその後に閉鎖されると、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは再びオンにされ、もし必要であれば有効化される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスは、バッテリカバーが閉鎖されている限り、オンにされ有効化されたまま維持される。
【0021】
バッテリカバーが閉鎖されてから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放されると、短期起動カウンタの値は1から2へ増分され、不揮発性メモリに格納される。そして、トランシーバを含む頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0022】
バッテリカバーがその後に閉鎖されると、頭部装着型デバイスはオンにされる。しかしながら、短期起動カウンタの値が2以上であるから、トランシーバは有効化されない、例えばオンにされない。そして、フライトモードフラグが、頭部装着型デバイスがフライトモードにある、すなわちトランシーバが無効化されている、例えばオンにされていないことを示すように設定される。さらに、短期起動カウンタの値が0にリセットされる。
【0023】
バッテリカバーを閉鎖してから起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバーが開放されると、短期起動カウンタの値は2より大きな値へ増分され、不揮発性メモリ内に格納される。そして、頭部装着型デバイスはオフにされる。
【0024】
コントローラは、頭部装着型デバイスがフライトモードにあり、かつユーザがバッテリを交換する必要がある場合に、再びフライトモードへ移行するために、ユーザがバッテリカバーの開閉動作を繰り返さなければならないように、構成することができる。
【0025】
コントローラは、フライトモードにおいてバッテリカバーが開放され、その後に閉鎖されたときに、トランシーバを除く頭部装着型デバイスがオンにされ、あるいはトランシーバが無効化されており、さらにバッテリカバーが起動時間しきい値より長く閉鎖されたままである場合に、トランシーバもオンにされ、あるいはトランシーバが有効化されて、フライトモードフラグがリセットされるように、構成することもできる。
【0026】
明らかに、上記の機能は、様々なカウンタ値およびフラグを用いて具現化することができる。例えば、他の実施形態では、フライトモードへの移行は、バッテリカバーの3またはそれ以上の連続的な開閉操作であって、それぞれの閉鎖操作の継続時間が起動時間しきい値より短い開閉操作を必要としてもよい。別の実施例では、一連の連続的な開閉操作において、異なる閉鎖操作に対して、異なる起動時間しきい値が適用されてもよい。また、フライトモードにおいては、起動時間しきい値より長くバッテリカバーを閉鎖することが、フライトモードの維持につながり、バッテリカバーの連続的な開閉操作によって、ノーマルモードまたは非フライトモードへの移行、すなわちトランシーバの有効化がされてもよい。
【0027】
新規な頭部装着型デバイスのコントローラは、ハードウェアまたはソフトウェアに関連して、あるいは、適切な場合には両者の組み合わせと関連して、具現化することができる。
【0028】
本明細書で使用される、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等の用語は、CPUに関連するエンティティ、すなわちハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアを意味している。
【0029】
たとえば、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等は、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、命令スレッド、および/またはプログラムであってもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
【0030】
例として、「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等の用語は、プロセッサ上で実行中のプロセスおよびハードウェアプロセッサの両方を意味する。1またはそれ以上の「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等およびそれらの任意の組み合わせは、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在していてもよいし、1またはそれ以上の「プロセッサ」「信号プロセッサ」「コントローラ」「システム」等およびそれらの任意の組み合わせは、場合によっては他のハードウェア回路と組合されている、1つのハードウェアプロセッサ上に偏在していてもよいし、および/または、場合によっては他のハードウェア回路と組合されている、2またはそれ以上のハードウェアプロセッサ上に分散されていてもよい。
【0031】
トランシーバは、頭部装着型デバイスを無線ネットワークと相互接続するように構成されていてもよい。無線ネットワークは、ネットワーク内の複数の他のデバイス、例えばリモコン、フィッティング装置、携帯電話、ヘッドセット、ドアベル、アラームシステム、放送システムなどとの相互接続を容易にすることができる。
【0032】
頭部装着型デバイスは、補聴器であってもよい。その補聴器は、音響音声を電気音声信号に変換する入力トランスデューサと、電気音声信号を聴力損失補償済み信号に処理する信号プロセッサと、聴力損失補償済み信号を補聴器のユーザの鼓膜に向けて伝送するための音響出力信号に変換する出力トランスデューサを備えている。
【0033】
補聴器は、両耳用補聴器システムの一部を形成していてもよい。
【0034】
有利な点として、フライトモードは省電力につながる。デバイスがネットワークへの接続性を持っていないので、受信を継続的に探索する必要がなく、電力が大幅に節約される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下では、新規な頭部装着型デバイスについて、以下の図面を参照しながら、さらに説明する。
図1】新規な頭部装着型デバイスの実施形態を概略的に示す。
図2】バッテリカバーのユーザによる操作を示すプロットである。
図3】ユーザインターフェースのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
新規な頭部装着型デバイスについて、種々の実施形態が示されている添付図面を参照しながら、以下でより詳細に説明する。添付図面は分かりやすくするために概略的で簡略化されており、それらは新規な補聴器の理解に不可欠な詳細のみを示しており、その他の詳細は省略されている。新規な頭部装着型デバイスは、添付図面に示されていない様々な形態に具現化することができ、本明細書に記載の実施形態および実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えることを目的として提供されている。
【0037】
同様の参照番号は、図面において同様の構成要素を指す。
【0038】
図1は、補聴器10の形態の頭部装着型デバイスを概略的に示している。補聴器10は、音響音声を電気音声信号14に変換するための入力トランスデューサ12、典型的にはマイクロホンと、電気音声信号14を聴力損失補償済み信号18に処理するための信号プロセッサ16と、聴力損失補償済み信号18を補聴器10のユーザの鼓膜へ向けて伝送される音響出力信号に変換するための出力トランスデューサ20を備えている。
【0039】
補聴器10は、補聴器10を他のデバイスと無線相互接続するためのトランシーバ22と、補聴機10の少なくとも幾つかの部分を収容するためのハウジング(図示せず)も有している。ハウジングは、補聴器10の電力供給のためのバッテリ28を収容するためのバッテリ収容部(図示せず)と、バッテリ収容部を閉鎖するためのバッテリドア40(破線で示されている)を有している。
【0040】
補聴器10はさらに、当該技術分野においてよく知られているように、トランシーバの有効化または無効化を制御する論理入力26を制御することによって、あるいは(図示されていないが)単にトランシーバ22を電源28と接続または接続解除することによって、トランシーバ22を有効化または無効化するように構成された、コントローラ24を有している。
【0041】
コントローラ24は、以下でさらに説明するように、バッテリドアの開閉操作の繰り返しに応じて、トランシーバ22を有効化または無効化する。
【0042】
ユーザがデバイスをフライトモードに移行させるように操作可能であり、フライトモードでは、例えばトランシーバをオフにすることによって、デバイス10のトランシーバ22が無効化されており、それによって飛行中の民間航空機内でデバイス22の他の機能が使用可能となることは、新規な補聴器10の重要な利点である。
【0043】
補聴器は、主に美容上の理由から、より小さくなってきている。従って、ユーザインターフェースコントロールのために利用可能なエリアはより小さくなってきており、特に耳あな型(ITE)補聴器においては、補聴器がユーザの耳の内部に挿入されたときに、バッテリドアはユーザに対して露出するエリアのかなりの部分を占めており、典型的には、さらなるユーザコントロールのための十分なスペースは存在しない。
【0044】
フライトモードへ移行するためのユーザコマンドを提供するために、ユーザインターフェースが追加のハードウェアを必要としないということは、新規な補聴器10の重要な利点である。
【0045】
バッテリドアが閉鎖されてからの経過時間を監視するために、タイマ(図示せず)が設けられている。
【0046】
起動時間しきい値が経過する前にバッテリドアが開放される事象をカウントするために、短期起動カウンタ(図示せず)が設けられている。
【0047】
図2および図3を参照しながら、図示された補償器10の動作を説明する。
【0048】
図示された補聴器10では、バッテリカバー40を開放することで、バッテリがバッテリカバー40とともに電気端子との接触から外れるように移動して、バッテリ28がバッテリ収容部の電気端子から接続解除され、頭部装着型デバイスの電力供給が失われる。
【0049】
電力が供給されている間、
頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間において、頭部装着型デバイスがフライトモードであった(値=1)か、否(値=0)かを示す、フライトモードフラグと、
起動時間しきい値と比較した、バッテリカバーが閉鎖してからの経過時間をカウントするタイマの現在の値に応じて、頭部装着型デバイスの以前の電力供給期間が、短期起動であった(値=1)か、否(値=0)かを示す、短期起動フラグと、
短期起動の回数をカウントする、短期起動カウンタの更新された値が、
不揮発性メモリ内に継続的に格納されて、頭部装着型デバイスの次回の電力オンの際に利用可能とされる。
【0050】
バッテリカバー40が閉鎖されたときに、コントローラ24はフライトモードフラグの値をチェックする。すなわち、コントローラ24は、頭部装着型デバイス10の以前の電力供給期間において頭部装着型デバイス10がフライトモードであったか否かをテストする。
【0051】
以前にフライトモードではなかった場合、コントローラ24はトランシーバ22を有効化し、バッテリカバー40が閉鎖している限り、トランシーバ22を有効なまま維持する。
【0052】
短期起動カウンタの値は増分されて、更新された値が不揮発性メモリ内に格納されて、現在の期間が短期起動となるか長期起動となるかは未だ不明であるにも関わらず、現在の電力供給期間が短期起動期間として不揮発性メモリ内に格納される。短期起動カウンタの値がしきい値、例えば2を超える場合、コントローラは、現在の電力供給期間が長期起動に突入するのであれば、フライトモードへ移行するように、頭部装着型デバイスを制御する。
【0053】
起動時間しきい値が経過する前にバッテリカバー40が開放される場合、正しく記録された(短期起動)値が不揮発性メモリにすでに格納されている。しかしながら、頭部装着デバイスが起動時間しきい値よりも長い期間にわたって電力供給されている場合、短期起動フラグおよび短期起動カウンタはクリアされて、不揮発性メモリ内に格納されて、その電力供給期間は頭部装着型デバイスがフライトモードではなかった長期起動期間として格納される。
【0054】
補聴器10がフライトモードであり、かつユーザがバッテリを交換する必要がある場合、上述のように、ユーザはバッテリドアの開閉操作を繰り返して、フライトモードに再移行させなければならない。
【0055】
ユーザがフライトモードからノーマルモードに移行させたい場合、ユーザは、フライトモードにおいてバッテリドアを開放して、長期起動を実行するだけでよい。起動時間しきい値が経過すると、トランシーバはオンになる。バッテリドアが早く閉鎖されること、すなわちフライトモードに留まらせるためのユーザコマンドとなる短期起動を考慮に入れるために、それ以前にはオンにならない。
【0056】
明らかに、上述の機能は、他のカウンタ値やフラグを用いて実装することもできる。例えば、他の実施形態では、フライトモードへの移行は、バッテリドアの3またはそれ以上の連続的な開閉操作であって、それぞれの閉鎖操作の継続時間が起動時間しきい値よりも短いものを、必要としてもよい。別の実施例では、一連の連続的な開閉操作において、異なる閉鎖操作に対して異なる起動時間しきい値が適用されてもよい。また、フライトモードでは、起動時間しきい値よりも長くバッテリドアを閉鎖することがフライトモードを維持することにつながり、トランシーバが有効となるノーマルモードまたは非フライトモードには、バッテリドアの連続的な開閉操作によって移行してもよい。
【0057】
トランシーバ22は、補聴器10を無線ネットワークと相互接続させるように構成されていてもよい。無線ネットワークは、ネットワーク内の複数の他のデバイス、例えばリモコン、フィッティング装置、携帯電話、ヘッドセット、ドアベル、アラームシステム、放送システム等との相互接続を円滑にすることができる。
【0058】
補聴器10は、両耳用補聴器システムの一部を形成することができる。
【0059】
有利な点として、フライトモードは省電力につながる。デバイスがネットワークへの接続性を有さないので、受信信号を継続的に探索する必要がなく、電力が大幅に節約される。
【0060】
別の頭部装着型デバイス(図示せず)では、バッテリカバーは、バッテリと回路の間の接続を解除することなく、バッテリカバーが開放されることを示すスイッチ30と協調動作する。スイッチの状態は、コントローラに入力される。コントローラは、上記のものと同様に、スイッチの状態に応じて、ノーマルモードとフライトモードを制御する。
図1
図2
図3