特許第5792272号(P5792272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792272ネットワークの輻輳に適応するためのシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792272
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ネットワークの輻輳に適応するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/825 20130101AFI20150917BHJP
   H04W 28/12 20090101ALI20150917BHJP
【FI】
   H04L12/825
   H04W28/12
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-264465(P2013-264465)
(22)【出願日】2013年12月20日
(62)【分割の表示】特願2010-542388(P2010-542388)の分割
【原出願日】2009年1月9日
(65)【公開番号】特開2014-131275(P2014-131275A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/020,368
(32)【優先日】2008年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/331,234
(32)【優先日】2008年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ・ケー.・ルン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェラルド・ロット
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセクハー・セラジャンドゥール・サンダラマン
(72)【発明者】
【氏名】ピーラポル・ティンナコルンスリスプハプ
(72)【発明者】
【氏名】セラフィン・ディアズ・スピンドラ
【審査官】 菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−57323(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/119086(WO,A1)
【文献】 QUALCOM,Simulation Results for MTSI Dynamic Video Adaptation Signalling,3GPP TSG-SA WG4 #42 S4-070056,米国,2007年 1月29日,pp.1-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/825
H04W 28/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機でフィードバックメッセージを受信することと、なお、前記フィードバックメッセージは輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信持続可能速度の表示を含む;
前記輻輳の大きさが閾値を満たす時、前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することと;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に、前記非輻輳速度で、データを送信することと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信機で、データ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと;
を備え、
前記輻輳の大きさは、到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値によって測定され、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されるデータの平均受信速度(ARR)によって測定され、前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する
方法。
【請求項2】
前記非輻輳時間の間に前記非輻輳速度で前記送信機から前記受信機に前記データを送信することは、輻輳データ量を除去し、前記除去された輻輳データ量は、実質上、前記ARRと前記非輻輳速度との差と前記非輻輳時間との積に等しい、請求項1の方法。
【請求項3】
前記輻輳の大きさが前記閾値よりも低い時、前記送信機の前記送信速度を、前記データ送信持続可能速度より高い速度に上げることをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項4】
受信機から送信機へのフィードバックメッセージで提供されるパラメータを使用して前記送信機と前記受信機との間の送信経路での輻輳を識別することと、なお、前記パラメータは、輻輳の大きさおよびデータ送信持続可能速度を含む;
前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間とを決定することと;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に前記非輻輳速度でデータを送信することにより、前記送信経路を非輻輳にすることと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信経路でのデータ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと;
を備え、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)であ、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する
方法。
【請求項5】
送信機で、フィードバックメッセージ内の、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信することと;
比例定数Rで検出時間に比例したデータ挿入期間にわたり分布された挿入可能データを加えることと、ここで、前記検出時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例する;
前記送信機での送信速度を、前記検出時間の間、増大された送信速度に上げることと、ここで、前記増大された送信速度は、前記ARR、および、RとFとの積に基づいて決定される
前記検出時間の後、前記増大された送信速度で送信を継続することと;
を備える、
方法。
【請求項6】
送信経路が輻輳になり始める前に、前記送信経路に挿入可能な挿入可能データ量を決定することをさらに備え、前記挿入可能データの前記送信経路への挿入は、比例定数Rで前記検出時間に比例する期間にわたり分布される、
請求項の方法。
【請求項7】
コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能メディアであって、前記命令は、前記コンピュータに:
受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することと、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む;
前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機によって送信されるデータを前記受信機で受信することと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機によって送信されるデータを前記受信機で受信することと;
をさせるために動作
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
コンピュータ読み取り可能記憶メディア。
【請求項8】
前記コンピュータ実行命令は、さらに、前記コンピュータに、前記受信機で付加的な挿入データを受信させるために動作し、前記付加的挿入データは挿入期間内に受信される、
請求項のコンピュータ読み取り可能記憶メディア。
【請求項9】
受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することと、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む;
前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信することと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信することと;
を備え
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する
方法。
【請求項10】
受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信する手段と、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む;
前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信する手段と;
前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信する手段と;
を備え
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項11】
受信機から送信機へ送信するためのフィードバックメッセージを生成するように構成されたプロセッサを備え、
前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含み;
前記送信機から送信されるデータは、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記受信機で受信され;
前記送信機から送信されるデータは、前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記受信機で受信され
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項12】
データを送信し、フィードバックメッセージ内の測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信するように構成された送信機を備えた装置であって、前記送信機はさらに、前記送信機での送信速度を前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより非輻輳を開始し、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後、前記非輻輳速度での非輻輳送信を終了するように構成され、
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項13】
前記送信機は、単一のフィードバックメッセージ中で前記APTO値および前記ARRを受信するようにさらに構成され、前記送信機は、さらに、比例定数Rで前記非輻輳時間に比例する挿入期間にわたり分布された挿入可能データを加えるように構成され、データを送信する別の速度が前記ARR、および、RとFとの積に基づいて決定される、請求項12の装置。
【請求項14】
送信機での送信速度を、フィードバックメッセージ中で受信される測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)の少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより、非輻輳を開始する手段と;
前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後、前記非輻輳速度での非輻輳送信を終了する手段と;
を備え
前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項15】
送信機でフィードバックメッセージを受信するための手段と、なお、前記フィードバックメッセージは輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信持続可能速度の表示を含む;
前記輻輳の大きさが閾値を満たす時、前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定するための手段と;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に、前記非輻輳速度で、データを送信するための手段と;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信機で、データ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせるための手段と;
を備え、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値であり、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項16】
コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶メディアであって、前記命令は、前記コンピュータに:
送信機でフィードバックメッセージを受信することと、なお、前記フィードバックメッセージは輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信持続可能速度の表示を含む;
前記輻輳の大きさが閾値を満たす時、前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することと;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に、前記非輻輳速度で、データを送信することと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信機で、データ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと;
をさせるために動作し、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値であり、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されるデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
コンピュータ読み取り可能記憶メディア
【請求項17】
送信機でフィードバックメッセージを受信するよう構成されたフィードバックメッセージ受信機と、前記フィードバックメッセージは輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信持続可能速度の表示を含む;
前記輻輳の大きさが閾値を満たす時、前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することと、
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に、前記非輻輳速度で、データを送信することと、
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信機で、データ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと、
のために構成されるプロセッサと;
を備え、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値であり、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されるデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項18】
受信機から送信機へのフィードバックメッセージで提供されるパラメータを使用して前記送信機と前記受信機との間の送信経路での輻輳を識別するための手段と、なお、前記パラメータは、輻輳の大きさおよびデータ送信持続可能速度を含む;
前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間とを決定するための手段と;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に前記非輻輳速度でデータを送信することにより、前記送信経路を非輻輳にするための手段と;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信経路でのデータ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせるための手段と;
を備え、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)であ、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項19】
コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶メディアであって、前記命令は、前記コンピュータに:
受信機から送信機へのフィードバックメッセージで提供されるパラメータを使用して前記送信機と前記受信機との間の送信経路での輻輳を識別することと、なお、前記パラメータは、輻輳の大きさおよびデータ送信持続可能速度を含む;
前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間とを決定することと;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に前記非輻輳速度でデータを送信することにより、前記送信経路を非輻輳にすることと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信経路でのデータ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと;
をさせるために動作し、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)であ、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
コンピュータ読み取り可能記憶メディア。
【請求項20】
受信機から送信機へのフィードバックメッセージで提供されるパラメータを使用して前記送信機と前記受信機との間の送信経路での輻輳を識別することと、なお、前記パラメータは、輻輳の大きさおよびデータ送信持続可能速度を含む;
前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間とを決定することと;
前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に前記非輻輳速度でデータを送信することにより、前記送信経路を非輻輳にすることと;
前記非輻輳時間が終了した後、前記送信経路でのデータ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと;
のために構成されるプロセッサを備え、
前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)であ、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータの平均受信速度(ARR)であ前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、
装置。
【請求項21】
コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶メディアであって、前記命令は、前記コンピュータに:
送信機で、フィードバックメッセージ内の、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信することと;
比例定数Rで検出時間に比例したデータ挿入期間にわたり分布された挿入可能データを加えることと、ここで、前記検出時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例する;
前記送信機での送信速度を、前記検出時間の間、増大された送信速度に上げることと、ここで、前記増大された送信速度は、前記ARR、および、RとFとの積に基づいて決定される
前記検出時間の後、前記増大された送信速度で送信を継続することと;
をさせるために動作する
コンピュータ読み取り可能記憶メディア。
【発明の詳細な説明】
【米国特許法119条に基づく優先権の主張】
【0001】
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、2008年1月10日に出願された「METHOD AND APPARATUS FOR ADAPTING RATE-TRAJECTORY TO NETWORK CONGESTION」と題する米国仮出願61/020,368号の優先権を主張する。
【関連出願】
【0002】
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、2005年12月21日に出願された「Methods and Systems for Adaptive Encoding of Real-Time Information in Packet-Switched Wireless Communication Devices」と題する米国出願11/315,399号、および、2008年1月10日に出願された「Content - and Link- Dependent Coding Adaptation for Multimedia Telephony」と題する米国出願11/972,594号に関連する。
【技術分野】
【0003】
本開示は、一般に、ネットワーク輻輳(congestion)に適応するためのシステムと方法に向けられる。
【背景技術】
【0004】
ネットワーク内の送信端末が、ネットワーク中の輻輳または輻輳の緩和を検知する時、送信端末は、送信端末から送られるデータの送信速度をどのように適応させるかを決定する。ネットワーク中の受信機から受信されたフィードバックに基づいてどの送信速度を選ぶかを決定することは興味深い問題である。適応速度の適切な選択は、適応制御ループの収束を改善し、サービスの質を向上させる。しかし、収束に対する速度調整を頻繁に振動させることは、特に実時間サービスにとってサービス経験を低下させる。速度適応の別の課題は、輻輳が緩和された時、どれだけ迅速に送信速度を上げるか決定することである。過度に積極的に速度を上げることは、送信機がチャネル状態を知らない場合には更なる輻輳を急速に引き起こし、それは、更なる輻輳のために、送信速度の増加に続いて、更なる輻輳のために突然送信速度を低下させる必要があり、質の悪いサービス経験をもたらす。過度に控えめに速度を上げることは、輻輳解除された非輻輳(decongestion)チャネルは追加の容量を作り出すので、送信機が非輻輳チャネルを十分に利用することを妨げる。
【0005】
従来のアプローチは、典型的に、別のフィードバックメッセージが受信されて輻輳状態情報がアップデートされるまで送信速度を固定値に変えることにより、複数のフィードバックメッセージを含むフィードバックに適応する。そのような従来のアプローチは、単一のフィードバックメッセージに基づくネットワーク輻輳への適応を試みない。輻輳の間に、持続可能な最大速度での送信を引き起こす非輻輳の多フェーズ適応(multi-phase adaptation)を達成することは、チャネル状態を表す、受信機からの複数のフィードバックメッセージを要求する。輻輳の緩和の間、送信機は、送信機が輻輳を再度引き起こさないことを確実にするために、フィードバックを待つことに加えて、非常に控えめな速度増加を慣習的に使用する。また、輻輳が緩和する時、従来のアプローチは、チャネルの持続可能な最大速度の予測を獲得するために、典型的に、追加データでチャネルをやみくもに調査する。やみくもな調査が輻輳を再び引き起こし、チャネルが追加的に挿入されたデータをタイムリーに移送することができない場合、やみくもな調査は更なる遅延をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
特定の実施形態において、送信機でフィードバックメッセージを受信することを含む方法が開示され、フィードバックメッセージは、輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信の持続可能速度の表示を含む。方法は、また、輻輳の大きさが閾値を満たす時、データ送信の持続可能速度および輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間を決定することを含む。方法は、非輻輳時間の間に、送信機から受信機に非輻輳速度でデータを送信することをさらに含む。方法は、また、非輻輳時間が終了した後に、送信機でのデータ送信速度をデータ送信持続可能速度に合わせることを含む。特定の実施形態において、データ送信の持続可能速度は、推定または予測最大持続可能速度である。
【0007】
別の実施形態において、受信機から送信機へのフィードバックメッセージ内で提供されるパラメータ使用して、送信機と受信機との間の送信経路における輻輳を識別することを含む方法が開示され、パラメータは、輻輳の大きさとデータ送信の持続可能速度を含む。方法は、また、データ送信の持続可能速度および輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することを含む。方法は、非輻輳時間の間に、送信機から受信機に非輻輳速度でデータを送信することにより送信経路を非輻輳することをさらに含む。方法は、また、非輻輳時間が終了した後、送信経路でのデータ送信速度をデータ送信の持続可能速度に合わせることを含む。
【0008】
別の実施形態において、送信機において、フィードバックメッセージ内の、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO:arrival to playout time offset)値および平均受信速度(ARR:average received rate)を受信することを含む方法が開示される。方法は、また、送信機での送信速度を、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される増大された送信速度まで増やすことを含む。方法は、検知時間の後、増大された送信速度で送信を継続することをさらに含み、検知時間は、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0009】
別の実施形態において、コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能メディアが開示される。コンピュータ実行命令は、受信機から送信機へのフィードバックメッセージをコンピュータに送信させるために使用可能であり、フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値と平均受信速度(ARR)を含む。コンピュータ実行命令は、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間に、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、送信機によって送信されたデータをコンピュータに受信機で受信させるために使用可能である。コンピュータ実行命令は、非輻輳時間が終了した後、ARRの持続データ速度で、送信機によって送信されたデータをコンピュータに受信機で受信させるために使用可能である。代替の実施形態において、非輻輳時間は、固定された一定のT_decongestとして設定され、それは、どれだけ迅速に非輻輳が達成されることをサービス/ユーザー経験が要求するかに基づいて決定される。例えば、サービス要求は、ビデオストリームへの多大な妨害を避けるために、非輻輳が約1,000ミリセカンド内に達成されるということである。別の代替実施形態において、非輻輳時間は、受信されたAPTO値を除く別の測定または基準に基づいて、適応的に設定される。
【0010】
別の実施形態において、受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することを含む方法が開示され、フィードバックメッセージは測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値と平均受信速度(ARR)を含む。方法は、また、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間に、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、送信機によって送信されたデータを受信機で受信することを含む。方法は、非輻輳時間が終了した後、ARRの最大持続データ速度で、送信機によって送信されたデータを受信機で受信することをさらに含む。
【0011】
別の実施形態において、フィードバックメッセージを受信機から送信機に送信する手段を含む装置が開示される。フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む。装置は、また、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間に、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、送信機によって送信されたデータを受信機で受信する手段を含む。装置は、非輻輳時間が終了した後に、ARRの最大持続データ速度で、送信機によって送信されたデータを受信機で受信する手段をさらに含む。
【0012】
別の実施形態において、受信機から送信機に送信するフィードバックメッセージを生成するように構成されたプロセッサを含む装置が開示される。フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む。APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間に、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、送信機によって送信されたデータが受信機で受信される。非輻輳時間が終了した後、ARRの最大持続データ速度で、送信機によって送信されたデータが受信機で受信される。
【0013】
別の実施形態において、データを送信し、フィードバックメッセージ内の測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信し、送信機での送信速度を、APTO値およびARRの1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることによって非輻輳を開始し、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後に、非輻輳速度で、非輻輳送信を終了するように構成された送信機を含む装置が開示される。
【0014】
別の実施形態において、送信機での送信速度を、フィードバックメッセージにおいて受信される測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)の少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより、非輻輳を開始する手段を含む装置が開示される。装置は、また、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後、非輻輳速度で、非輻輳送信を終了する手段を含む。
【0015】
開示される実施形態によって提供される1つの顕著な利点は、輻輳状態で、チャネルの非輻輳と最大持続可能速度での送信とが達成されることである。
【0016】
開示される実施形態によって提供される別の利点は、現行送信速度以上の速度の増加が、輻輳緩和状態下で輻輳を再度引き起こすことなく達成されることである。
【0017】
本開示の別の態様、利点、特徴は、下記項目:図面の簡単な説明、発明の詳細な説明、請求項、を含む本明細書全体のレビューの後に明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、ネットワーク輻輳に適応するために送信速度を変更する特定の実例となる実施形態の図である。
図2図2は、ネットワークから除去する輻輳データ量を決定するためのネットワーク輻輳の流体モデルの特定の実例となる実施形態の図である。
図3図3は、送信経路を非輻輳するために、送信速度をネットワーク輻輳に適応させる特定の実例となる実施形態のタイミング図である。
図4図4は、ネットワークに挿入するデータ量を決定するために、輻輳の流体モデルを使用する特定の実例となる実施形態の図である。
図5図5は、データ送信を増やすために、ネットワーク輻輳に送信速度を適応させる特定の実例となる実施形態のタイミング図である。
図6図6は、ネットワーク輻輳に適応する方法の第1の実例となる実施形態のフロー図である。
図7図7は、ネットワーク輻輳に適応する方法の第2の実例となる実施形態のフロー図である。
図8図8は、ネットワーク輻輳に適応する方法の第3の実例となる実施形態のフロー図である。
図9図9は、ネットワーク輻輳に適応する方法の第4の実例となる実施形態のフロー図である。
図10図10は、ネットワーク輻輳に適応可能なシステムの特定の実例となる実施形態の図である。
【発明の詳細な説明】
【0019】
図1を参照すると、ネットワーク輻輳に適応するために送信速度を変更する特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として100で示される。図表100は、時間の関数として、送信機の送信速度を描写する。初めに、送信機は、第1の送信速度101でデータを送信する。フィードバックメッセージが、102に示されるように、送信機で受信される。フィードバックメッセージは、送信ネットワークの輻輳の大きさ(magnitude)および送信機からデータを受信する受信機でのデータ送信の持続可能速度108の表示を含む。非輻輳速度110および非輻輳時間112は、輻輳の大きさが閾値を満たす時、輻輳の大きさおよびデータ送信の持続可能速度108の少なくとも1つに基づいて決定される。輻輳の大きさおよびデータ送信の持続可能速度108を決定した後、104に示されるように、データは、非輻輳時間112の間に非輻輳速度110で送信機から受信機に送信される。送信機でのデータ送信速度は、106で示されるように、非輻輳時間112が終了した後に、データ送信の持続可能速度108に合わせられる。特定の実施形態において、送信機は、無線ネットワークを介して受信機にデータを送信する。特定の実施形態において、データ送信の持続可能速度は、実質上データ送信の最大持続可能速度である。本明細書に使用されるように、「データ送信の最大持続可能速度」という用語は、推定または予測されるデータ送信の最大持続可能速度である。
【0020】
輻輳の大きさ、および、データ送信の最大持続可能速度を含むことは、単一のフィードバックメッセージに基づいて、送信機が速度曲線(rate-trajectories)を決定することを可能にする。送信機は送信経路内の輻輳ビット量を推定する。この推定および単一のフィードバックメッセージにおいて提供されるデータ送信の最大持続可能速度の推定に基づいて、送信機は、チャネルの非輻輳、および輻輳状態の下での最大持続可能速度での送信を達成しうる一連の速度を決定する。
【0021】
特定の実施形態において、輻輳の大きさは、到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値によって測定され、データ送信の最大持続可能速度108は、受信機で受信されるデータの平均受信速度(ARR)によって測定される。特定の実施形態において、アップリンク、ダウンリンク、コアネットワーク内の輻輳は、受信機から送信機への標準化APTO_ARRフィードバックメッセージに反映される。APTO_ARRは、3GPP2 C.P0055-A標準で定義され、3GPP TS 26.114標準に提案されている。標準化APTO_ARRフィードバックメッセージ内の情報は受信機での輻輳を示し、そこではデータパケットが、適切にスケジュールされたプレイアウトに間に合うように受信機に到着しない。標準化APTO_ARRフィードバックメッセージ内の情報は、また、終端間送信経路(end-to-end transmission path)に対して、どの速度が持続可能であるかについてのガイダンスのための推定を提供する。標準化APTO_ARRフィードバックメッセージは、受信機での平均受信速度(ARR)、およびプレイアウトの必要性に基づいてデータパケットの到着時刻(APTO)を進め、または、遅らせる受信機の要求を示す。遅延は、実時間パケット(RTP:real time packet)サービスの外部ループ変数として働く。
【0022】
特定の実施形態において、非輻輳時間112の間に非輻輳速度110で送信機から受信機にデータを送信することは、ある量の輻輳データを除去し、除去された輻輳データ量は、図1で示されるように、実質上、非輻輳時間112と、ARR 108と非輻輳速度110との差の積に等しい。特定の実施形態において、除去された輻輳データ量は、また、APTO値とARR 108との積に等しい。特定の実施形態において、送信機速度は、輻輳の間、初めに輻輳によって生じたバックログを除去し、次に、さらなる輻輳またはバックログを引き起こさないシステムの最大持続可能速度で動作することにより、データパケットがプレイアウトに遅れずに受信機に到達できるように減少適応する。初めにバックログが除去されない場合、最大持続可能速度で動作するだけでは現在の輻輳状態が補正されず、データパケットは遅れたままである。特定の実施形態において、輻輳の緩和の間、送信機速度は、データ送信の質を改善するために増加適応し、データパケットが適切なプレイアウトに間に合うように受信機に到着することを確実にしつつデータ送信の質を改善する。例えば、ビデオエンコーダからのデータパケットの場合、結果として生じるビデオ品質は、それによって改善される。
【0023】
図2を参照すると、ネットワークから除去するための輻輳データ量を決定するために、ネットワーク輻輳の流体モデルの特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として200で示される。噴出口201は、データパケットストリーム202をバケット203に注ぐ。ある量のデータ205は、排出口207を通してバケット203から排出される前にバケット203に蓄積する。噴出口201を通るデータの流入量が排出口207を通るデータの流出量に等しい時、バケット203内のデータ量205は一定のままである。噴出口201を通るデータの流入量が排出口207を通るデータの流出量よりも多い時、バケット203に蓄積しているデータ量205は増加し、それはデータ送信経路での輻輳の状態を示す。噴出口201を通るデータの流入量が排出口207を通るデータの流出量よりも少ない時、バケット203に蓄積しているデータ量205は減少し、データ送信経路を非輻輳にする。
【0024】
ビデオエンコーダからのデータパケットは、202に示されるように、データパケットストリームに入る。除去するための輻輳データ量208は、delay_to_adjust時間212と、受信機へのdrain_rate 210との積に等しい。特定の実施形態において、delay_to_adjust時間212は、APTO値に等しく、drain_rate 210は図1のARR 108に等しい。データ送信のエンコーダ速度は、バケット203からデータ量206を除去するために、非輻輳時間112の間、非輻輳速度110に下げられ、バケット203から除去されたデータ量206は、除去するための輻輳データ量208に等しい。データ量206のバックログが除去されると、非輻輳時間112の後に到着するデータパケット204は、適切なプレイアウト時間でバケット203を出る。特定の実施形態において、ARR 108は、バケットのdrain_rateの推定として働き、送信機は、APTO値とARR 108との積に等しい多数のオクテット輻輳データをバケット203から除去する。上に記述されるように、噴出口201を通るデータの流入量(データ送信のエンコーダ速度)が排出口207を通るデータの流出量(drain_rate 210)よりも少ない時、バケット203に蓄積しているデータ量205は減少し、データ送信経路を非輻輳にする。APR 108は、また、システムを通る最大持続可能速度の推定として働き、いったん輻輳が除去されると、ARR 108の最大持続可能速度で送信するために使用される。特定の実施形態において、ARR 108は、ビデオエンコーダが、例えば、速度制御目標速度のためのARR 108を使用することを可能にする、メディア処理量、実時間パケット(RTP)処理量のために測定される。
【0025】
図3を参照すると、どれほど迅速に送信経路を非輻輳にするかを示すことにより、ネットワーク輻輳に適応する方法の特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として300で示される。特定の実施形態において、300は、図1に従って、非輻輳に関連するタイミングを図示する。初めに、304に示されるように、送信速度はARR 108よりも速い。受信機301は、324に示されるように、容認できないAPTO値を測定し、送信機303にAPTO_ARRフィードバックメッセージ310を送信する。APTO_ARRフィードバックメッセージ310は、送信機303で受信され、312で示されるように、APTO_ARRフィードバックメッセージ310に反応する時間T_reactを要する。送信機303は、302に示される非輻輳時間112の間、306に示される送信速度を非輻輳速度110に減速することにより、APTO_ARRフィードバックメッセージ310に反応する。非輻輳フェーズの開始は、314に示されるように受信機301に伝わり、非輻輳フェーズの終了は、316に示されるように受信機301に伝わる。非輻輳時間112が終了した後、送信速度は、308に示されるように、ARR 108まで上げられる。APTO測定フィルタのグループ遅延は320に示される。最小フィードバック送信インターバルは322に示される。最後に、326に示されるように、受信機301は、別のAPTO_ARRフィードバックメッセージ318が送信機303に送信される必要があるか否かを決定するために、APTO測定をチェックする。
【0026】
特定の実施形態において、チャネルは、受信機301が輻輳の状態についての次の決定を出す前に非輻輳にされる。特定の実施形態において、送信経路は、受信機301での輻輳をすばやく緩和するために、可能な限り迅速に非輻輳にされる。しかし、非常に積極的な非輻輳は、データ送信を非常に低い非輻輳速度110まで下げることを要求し、それは、データパケットが符号化ビデオデータを含む時に、容認できないほど非輻輳フェーズ内のビデオパフォーマンスを低下させる。特定の実施形態において、非輻輳速度110は、少なくとも、許容フレーム品質および許容フレームレートを達成する速度に等しい。許容フレーム品質および許容フレームレートを達成する速度は、許容ピーク信号対雑音比(PSNR:peak signal to noise ratio)を維持するビデオフレームを作り出す速度である。なぜならば、そうでない場合、ビデオフレームが可変フレームレート(VFR:variable frame rate)に従って省かれるからである。別の特定の実施形態において、非輻輳速度110は、少なくとも、最小フレーム品質および最小フレームレートを達成する速度に等しい。最小フレーム品質および最小フレームレートを達成する速度は、最小ピーク信号対雑音比(PSNR)を維持するビデオフレームを作り出す速度である。なぜならば、そうでない場合、ビデオフレームが可変フレームレート(VFR)に従って省かれるからである。
【0027】
特定の実施形態において、非輻輳時間112は、比例定数FでAPTO値に比例する。非輻輳時間112は、また、輻輳の量または大きさに比例する。非輻輳速度110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 108に比例する。ビデオデータについて、非輻輳速度110は、ARR 108の目標速度で各フレームを符号化し、次に、全てのF番目フレームを省くことにより達成される。例えば、Fが2の時、非輻輳時間112はAPTO値の2倍であり、非輻輳速度110はARR 108の半分である。ビデオデータについて、ビデオエンコーダは、APTO値の2倍の期間の間、ARR 108の目標速度で符号化された別のフレーム全てを送信することを省く。
【0028】
代替の実施形態において、非輻輳時間は、どれだけ迅速に非輻輳が達成されることをサービス/ユーザー経験が要求するかに基づいて決定される固定された一定の時間T_decongestとして設定される。例えば、サービス要求は、非輻輳が、ビデオストリームへの多大な妨害を避けるために、約1000ミリセカンド内に達成されるということである。それならば、非輻輳速度は、ARRと(1−APTO/T_decongest)との積に等しい。別の代替実施形態において、非輻輳時間は、受信されたAPTO値を除く別の測定または基準に基づいて、T_decongest_adaptに適応設定される。例えば、測定または基準は、サービスの質、トータルネットワーク使用量、ユーザー数、ユーザー毎の使用量、およびそれらと同様のものなどを含む。そして、非輻輳速度はARRと(1−APTO/T_decongest_adapt)との積に等しい。
【0029】
図4を参照すると、輻輳の流体モデルを使用して、ネットワーク非輻輳/輻輳の緩和に適応する方法の特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として400で示される。噴出口401は、バケット403にデータパケットストリーム402を注ぐ。ある量のデータ405が、排出口407を通してバケット403から排出される前に、バケット403に蓄積する。噴出口401を通るデータの流入量が、排出口407を通るデータの流出量に等しい時、バケット403内のデータ量405は一定のままである。噴出口401を通るデータの流入量が、排出口407を通るデータの流出量よりも多い時、バケット403に蓄積しているデータ量405は増加し、それはデータ送信経路での輻輳の状態を示す。噴出口401を通るデータの流入量が、排出口207を通るデータの流出量よりも少ない時、バケット403に蓄積しているデータ量405は減少し、それはシステムの輻輳を増大させることなくデータパケットストリーム402にさらなるデータを挿入する空間があることを示す。
【0030】
ビデオエンコーダからのデータパケットは、402に示されるように、データパケットストリームに入る。挿入するための挿入可能データ量408は、delay_to_adjust時間412と、受信機へのdrain_rate 410との積に等しい。上に記述されるように、噴出口401を通るデータの流入量が、排出口407を通るデータの流出量よりも少ない時、バケット403に蓄積しているデータ量405は減少し、さらなる輻輳を引き起こすことなくデータパケットストリーム402にさらなるデータを挿入する空間があることを示す。特定の実施形態において、delay_to_adjust時間412は、APTO値の絶対値に等しく、drain_rate 410はARR 108よりも大きく、若しくは、少なくとも等しい。データ送信のエンコーダ速度は、データ量406をバケット403に挿入するのに十分に長いデータを送信する別の速度に上げられ、そこでは、バケット403に挿入されたデータ量406は、挿入するために挿入可能なデータ量408に等しい。データ量406が挿入されると、挿入フェーズ後に到着するデータパケット404は、適切なプレイアウト時間でバケット403を出る。特定の実施形態において、送信機の送信速度は、輻輳の大きさが閾値よりも低い時、データ送信の現在の速度よりも高い速度に上げられる。特定の実施形態において、送信機の送信速度は、APTO値が閾値よりも低い時、ARR 108より高い速度に上げられる。
【0031】
特定の実施形態において、APTO値は、ビデオデータについて、ジター(jitter)なしにデータパケットが適当なプレイアウトでスケジュールされる時と比較される、受信機でのデータパケットの到着統計値における差を示す。APTO値は、ビデオ送信機と受信機との間の終端間送信経路における、受信機が調整したい遅延量の表示である。輻輳がある場合、APTO値はポジティブであり、バケット内のバックログパケットは、図2に示されるように、遅延を除去するためにAPTO値だけ排出される。輻輳の緩和である場合、APTO値はネガティブであり、エンコーダは、さらなる帯域幅を使用するために送信速度を上げ、そこでは、図4に示されるように、APTO値の絶対値に等しい遅延量がもたらされる。
【0032】
図5を参照すると、どれだけ迅速にデータ送信を増やすかを示すことにより、ネットワーク輻輳に適応する方法の特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として500で示される。初めに、504で示されるように、送信速度はARR 108よりも遅い。別の実施形態において、送信速度はARR 108よりも遅くない。受信機501は、524に示されるように、閾値よりも低いAPTO値を測定し、APTO_ARRフィードバックメッセージ510を送信機503に送信する。APTO_ARRフィードバックメッセージ510は送信機503で受信され、512に示されるように、APTO_ARRフィードバックメッセージ510に反応するために時間T_reactを取る。送信機503は、502に示されるように、少なくとも検出時間の間、508に示されるように、データを送信する別の速度に送信速度を上げることにより、APTO_ARRフィードバックメッセージ510に反応する。速度増大の開始は、514に示されるように、受信機501に伝わり、速度増大が受信機501で検出される検出時間の終了は、516に示されるように、受信機501に伝わる。APTO測定フィルタのグループ遅延は520に示される。最小フィードバック送信インターバルは522に示される。最後に、526で示されるように、受信機501は、別のAPTO_ARRフィードバックメッセージ518が送信機503に送られる必要があるか否かを決定するために、APTO測定をチェックする。
【0033】
特定の実施形態において、便宜上、検出時間は非輻輳時間112に等しく設定される。特定の実施形態において、検出時間は非輻輳時間112に等しく、また、比例定数Fで最後に受信されたAPTO値の絶対値に比例する。特定の実施形態において、比例定数Rで非輻輳時間112に比例する期間にわたって分布されるネットワークへの挿入可能データの追加を達成するために、データを送信する別の速度が決定される。特定の実施形態において、データを送信する別の速度は、RとFとの積の逆数と1との和と、ARR 108との積に等しい。別の特定の実施形態において、データを送信する別の速度は、送信機の現行の送信速度と、RとFとの積の逆数と1との和との積に等しい。別の特定の実施形態において、検出時間は一定であり、または、検出時間は、適応的に設定される。そのため、検出時間は、APTO値、ARR、一定値、または、適応的に設定された値の少なくとも1つに基づいて決定される。
【0034】
図6を参照すると、ネットワーク輻輳に適応する方法の特定の実例となる実施形態のフロー図が描写され、全般として600で示される。方法600は、送信機でフィードバックメッセージを受信することを含み、フィードバックメッセージは、602で示されるように、輻輳の大きさ、および、受信機でのデータ送信の持続可能速度を含む。例えば、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は送信機で受信され、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は、図1および図3で描写されるように、輻輳の大きさ、APTO値、データ送信の持続可能速度、ARR 108を含む。方法600は、604で示されるように、輻輳の大きさが閾値を満たすが否かを決定することを含む。例えば、APTO値がポジティブであれば輻輳を示し、既定量より多い場合は過度の輻輳を示す。輻輳の大きさが閾値を満たさない場合、方法600は、606に示されるように、同等またはより早い速度でデータ送信を継続することを含む。例えば、APTOが閾量よりも少ない場合、送信速度は、図5に描写されるように、データを送信する別の速度に上げられる。
【0035】
輻輳の大きさが閾値を満たす場合、方法600は、608に示されるように、データ送信の持続可能速度および輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて非輻輳速度と非輻輳時間を決定することを含む。例えば、図1の非輻輳時間112は、比例定数FでAPTO値に比例し、非輻輳速度110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 108に比例する。方法600は、610に示されるように、非輻輳時間の間、非輻輳速度で、送信機から受信機にデータを送信することを含む。例えば、データは、図1および図3に描写されるように、非輻輳時間112の間、送信機から受信機に非輻輳速度110で送信される。方法600は、また、612に示されるように、非輻輳時間が終了した後、送信機でのデータ送信速度をデータ送信の持続可能速度に合わせることを含む。例えば、送信機でのデータ送信速度は、図1および図3に描写されるように、非輻輳時間112が終了した後、ARR 108に合わせられる。
【0036】
図7を参照すると、ネットワーク輻輳に適応する方法の別の特定の実例となる実施形態のフロー図が描写され、全般として700で示される。方法700は、受信機から送信機へのフィードバックメッセージにおいて提供されるパラメータを使用して、送信機と受信機との間の送信経路での輻輳を識別することを含み、パラメータは、702に示されるように、輻輳の大きさ、および、データ送信の持続可能速度を含む。例えば、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は送信機で受信され、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は、図1および図3に描写されるように、輻輳の大きさ、APTO値、データ送信の持続可能速度、ARR 108を含む。方法700は、704に示されるように、データ送信の持続可能速度および輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することを含む。例えば、非輻輳時間112は、比例定数FでAPTO値に比例し、非輻輳速度110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 108に比例する。方法700は、706に示されるように、非輻輳時間の間、送信機から受信機に非輻輳速度でデータを送信することにより、送信経路を非輻輳にすることを含む。例えば、データは、図1および図3に描写されるように、非輻輳時間112の間、非輻輳速度110で送信機から受信機に送信される。方法700は、708で示されるように、非輻輳時間が終了した後、送信経路でのデータ送信速度をデータ送信の持続可能速度に合わせることを含む。例えば、送信機でのデータ送信速度は、図1および図3に描写されるように、非輻輳時間112が終了した後、ARR 108に合わせられる。
【0037】
特定の実施形態において、輻輳の大きさは、受信機で測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値である。特定の実施形態において、データ送信の持続可能速度108は、図1に示されるように、受信機で受信されるデータのデータ送信の平均受信速度(ARR)である。特定の実施形態において、データ送信の持続可能速度108は、送信経路の輻輳を引き起こさないデータ送信の最大速度である。特定の実施形態において、送信経路を非輻輳にすることは、ある量のバックログデータを除去する。バックログデータの量は、図1から図3に示されるように、実質上、ARR 108と非輻輳速度110との差と、非輻輳時間112との積に等しい。
【0038】
特定の実施形態において、非輻輳時間112は、比例定数FでAPTO値に比例し、非輻輳時間110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARRに比例する。方法700は、また、送信経路が輻輳状態になり始める前に送信経路に挿入可能な挿入可能データ量を決定することを含み、送信経路への挿入可能データの挿入は、比例定数Rで非輻輳時間112に比例する時間期間にわたって分布される。特定の実施形態において、データを送信する別の速度は、ARR 108およびRとFとの積に基づいて決定される。特定の実施形態において、データを送信する別の速度は、RとFとの積の逆数と1との和と、ARR 108との積に等しい。別の特定の実施形態において、挿入可能データを挿入する期間は一定であり、または、サービスの質、トータルネットワーク使用量、ユーザー数、ユーザー毎の使用量、およびそれらと同様のものなどの別のパラメータまたは基準に基づいて、適応的に設定される。
【0039】
図8を参照すると、ネットワーク輻輳に適応する方法のさらに別の特定の実例となる実施形態のフロー図が描写され、全般として800で示される。方法800は、フィードバックメッセージ内の、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を送信機で受信することを含む。例えば、APTO_ARRフィードバックメッセージ510は送信機で受信され、APTO_ARRフィードバックメッセージ510は、図5に描写されるように、APTO値およびARRを含む。方法800は、804で示されるように、送信機での送信速度を、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される増大された送信速度に上げることを含む。例えば、送信機での送信速度は、図5に示されるように、別の速度508に上げられ、別の速度508はARRに比例する。
【0040】
方法800は、806に示されるように、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて、検出時間を決定することを含む。例えば、図5の検出時間502は、比例定数FでAPTO値の絶対値に比例する。方法800は、808で示されるように、検出時間の後、増大された送信速度で送信を継続することを含む。例えば、データは、図5に描写されるように、検知時間502の後、送信機503から受信機501に別の速度508で送信される。
【0041】
方法800は、また、送信経路が輻輳状態になり始める前に送信経路に挿入されうる挿入可能データ量を決定することを含み、送信経路への挿入可能データの挿入は、比例定数Rで図5の検出時間502に比例する時間期間にわたって分布される。方法800は、また、比例定数Rで図5の検出時間502に比例するデータ挿入期間にわたって分布された挿入可能データを加えることを含み、検出時間502は、比例定数FでAPTO値の絶対値に比例し、増大された送信速度508は、ARRおよびRとFとの積に基づいて決定される。特定の実施形態において、データを送信する増大された送信速度508は、RとFとの積と1との和と、ARRとの積に等しい。別の特定の実施形態において、挿入可能データは、固定された、または、一定の検出時間値にわたり挿入される。
【0042】
図9を参照すると、ネットワーク輻輳に適応する方法のさらに別の特定の実例となる実施形態のフロー図が描写され、全般として900で示される。方法900は、受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することを含み、フィードバックメッセージは、902に示されるように、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む。例えば、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は送信機に送信され、APTO_ARRフィードバックメッセージ310は、図1および図3に描写されるように、APTO値およびARR 108を含む。
【0043】
方法900は、904に示されるように、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、APTO値およびARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、送信機によって送信されたデータを受信機で受信することを含む。例えば、図1および図3で描写されるように、非輻輳時間112の間、非輻輳速度110で送信機によって送信されたデータは受信機で受信される。非輻輳時間112は比例定数FでAPTO値に比例し、非輻輳速度110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 108に比例する。方法900は、906で示されるように、非輻輳時間が終了した後、ARRに等しい持続データ速度で送信機によって送信されたデータを受信機で受信することを含む。例えば、送信機でのデータ送信速度は、図1および図3に描写されるように、非輻輳時間112が終了した後、ARR 108に合わせられる。
【0044】
特定の実施形態において、非輻輳時間112は比例定数FでAPTO値に比例し、非輻輳速度110は(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 108に比例する。方法900は、また、受信機でのさらなる挿入データを受信することを含み、さらなる挿入データは、挿入期間内に受信される。特定の実施形態において、挿入期間は、比例定数Rで非輻輳時間112に比例する。別の特定の実施形態において、挿入期間は一定であり、または、サービスの質、トータルネットワーク使用量、ユーザー数、ユーザー毎の使用量、またはそれらと同様のものなどの測定または基準に基づいて、適応的に設定される。
【0045】
図10を参照すると、ネットワーク輻輳に適応するシステムの特定の実例となる実施形態の図が描写され、全般として1000で示される。システム1000は、データ1006を送信するように構成された送信機1002を含む。システム1000は、また、データ1006を受信する手段、例えば、データ1006を受信するように構成された受信機1004などを含む。受信する手段は、デジタルデータ受信機、デジタルデータパケット受信機、デジタルビデオデータ受信機、デジタルビデオデータパケット受信機、無線データ受信機、無線ビデオデータ受信機、および、同様のものを含む。送信機1002は、さらに、受信機1004からのフィードバックメッセージ1008内の測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値1005、および、平均受信速度(ARR)1007を受信し、送信機1002での送信速度をAPTO値1005およびARR 1007の少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより非輻輳を開始し、APTO値1005とARR 1007の少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後に非輻輳速度での非輻輳送信を終了するように構成される。APTO値1005は、APTO測定デバイス1016を使用して受信機1004で測定される。ARR 1007は、ARR測定デバイス1018を使用して受信機1004で測定される。フィードバックメッセージ1008は、フィードバックメッセージ送信機1020を使用して受信機1004から送信される。フィードバックメッセージ1008は、フィードバックメッセージ受信機1014を使用して送信機1002で受信される。受信機1002での送信速度は、送信速度調整器1010を使用して非輻輳速度に下げられる。非輻輳時間後に、非輻輳速度で非輻輳送信を終了することは、非輻輳タイマ1012を使用して決定される。
【0046】
特定の実施形態において、図1の非輻輳時間112は、比例定数FでAPTO値1005に比例し、非輻輳速度110は、(F-1)対Fの比に等しい比例定数でARR 1007に比例する。特定の実施形態において、送信機1002は、受信機1004からの単一のフィードバックメッセージ1008中でAPTO値1005とARR 1007とを受信するようにさらに構成され、送信機1002は、比例定数Rで非輻輳時間112に比例する挿入期間にわたり分布される挿入可能データを加えるようにさらに構成され、データを送信する別の速度は、ARR 1007およびRとFとの積に基づいて決定される。別の特定の実施形態において、挿入期間は一定であり、または、サービスの質、トータルネットワーク使用量、ユーザー数、ユーザー毎の使用量、およびそれらと同様のものなどの別の測定または基準に基づいて適応的に設定される。
【0047】
送信機1002は、デジタル信号プロセッサ(DSP)1024などのプロセッサに結合されたメモリ1028およびキャッシュメモリ1030を含む。メモリ1028またはキャッシュメモリ1030は、デジタル信号プロセッサ1024などのコンピュータに様々な動作をさせることが可能なコンピュータ実行命令を含む。符号器/復号器(CODEC)1026は、また、デジタル信号プロセッサ1024に結合される。無線コントローラ1022は、デジタル信号プロセッサ1024および無線アンテナ(図示されない)に結合される。入力/出力デバイス1032は、また、デジタル信号プロセッサ1024に結合される。送信速度調節器1010および非輻輳タイマ1012は、専用回路などによりハードウェアにおいて実施され、または、デジタル信号プロセッサ1024によって実行される。
【0048】
受信機1004は、デジタル信号プロセッサ(DSP)1036などのプロセッサに結合されたメモリ1040およびキャッシュメモリ1042を含む。メモリ1040またはキャッシュメモリ1042は、デジタル信号プロセッサ1036などのコンピュータに、フィードバックメッセージ1008を生成することなどの様々な動作をさせることが可能なコンピュータ実行命令を含む。符号器/復号器(CODEC)1038は、また、デジタル信号プロセッサ1036に結合される。無線コントローラ1034は、デジタル信号プロセッサ1036および無線アンテナ(図示されない)に結合される。入力/出力デバイス1044は、また、デジタル信号プロセッサ1036に結合される。APTO測定デバイス1016およびARR測定デバイス1018は、専用回路などによりハードウェアにおいて実施され、または、デジタル信号プロセッサ1036によって実行される。
【0049】
当業者はさらに、本明細書に開示された実施形態と関連して記述されている様々な実例となる論理ブロック、構成、モジュール、回路、アルゴリズムステップ(algorithm steps)が電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたは両方の組み合わせとして実施されることを認識するであろう。このハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、様々な実例となるコンポーネント、ブロック、構成、モジュール、回路、ステップをそれらの機能性という観点から一般的に上に記述されている。ハードウェア、または、ソフトウェアとしてそのような機能性が実施されるか否かは、特定のアプリケーションとシステム全般に課された設計制約とに依存する。当業者は各特定アプリケーションについて様々な方法で上記機能性を実施することができるが、このような実施の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因になるとして解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書に開示された実施形態に関して示される方法またはアルゴリズムのステップは、直接的にハードウェアに、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールに、またはこれら二つの組み合わせに組み込まれうる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または本技術分野において周知の記憶メディアの任意の他の形態を含む。例示的な記憶メディアは、プロセッサが記憶メディアから情報を読み取り、記憶メディアに情報を書き込むことができるプロセッサに結合される。代替において、記憶メディアはプロセッサに一体化される。プロセッサと記憶メディアはASICに存在しうる。ASICは、処理デバイスまたはユーザー端末に存在しうる。代替において、プロセッサと記憶メディアは、個別コンポーネントとして、処理デバイスまたはユーザー端末に存在しうる。
【0051】
開示された実施形態の以上の記述は、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書において定義された包括的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用可能である。従って、本開示は本明細書に記載の実施形態に制限されるものではなく、下記請求項によって定義されるように、原理及び新規な特徴と合致する最も広い範囲が与えられるべきである。
以下に、出願当初の特許請求に範囲に記載された内容を付記する。
[C1] 送信機でフィードバックメッセージを受信することと、なお、前記フィードバックメッセージは輻輳の大きさおよび受信機でのデータ送信持続可能速度の表示を含む; 前記輻輳の大きさが閾値を満たす時、前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度および非輻輳時間を決定することと; 前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に、前記非輻輳速度で、データを送信することと; 前記非輻輳時間が終了した後、前記送信機で、データ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと; を備える方法。
[C2] 前記輻輳の大きさは、到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値によって測定され、前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されるデータの平均受信速度(ARR)によって測定される、[C1]の方法。
[C3] 前記非輻輳時間の間に前記非輻輳速度で前記送信機から前記受信機に前記データを送信することは、輻輳データ量を除去し、前記除去された輻輳データ量は、実質上、前記ARRと前記非輻輳速度との差と前記非輻輳時間との積に等しい、[C2]の方法。
[C4] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTOに比例する、[C2]の方法。
[C5] 前記輻輳の大きさが前記閾値よりも低い時、前記送信機の前記送信速度を、前記データ送信持続可能速度より高い速度に上げることをさらに備える、[C1]の方法。
[C6] 受信機から送信機へのフィードバックメッセージで提供されるパラメータを使用して前記送信機と前記受信機との間の送信経路での輻輳を識別することと、なお、前記パラメータは、輻輳の大きさおよびデータ送信持続可能速度を含む; 前記データ送信持続可能速度および前記輻輳の大きさの少なくとも1つに基づいて、非輻輳速度と非輻輳時間とを決定することと; 前記非輻輳時間の間に、前記送信機から前記受信機に前記非輻輳速度でデータを送信することにより、前記送信経路を非輻輳にすることと; 前記非輻輳時間が終了した後、前記送信経路でのデータ送信速度を前記データ送信持続可能速度に合わせることと; を備える方法。
[C7] 前記輻輳の大きさは、前記受信機で測定される到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)である、[C6]の方法。
[C8] 前記データ送信持続可能速度は、前記受信機で受信されたデータのデータ送信の平均受信速度(ARR)である、[C7]の方法。
[C9] 送信機で、フィードバックメッセージ内の、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信することと; 前記送信機での送信速度を、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される増大された送信速度に上げることと; 検出時間の後、前記増大された送信速度で送信を継続することと、なお前記検出時間は、前記APTO値、前記ARR、定数値、または適応的に設定された値の少なくとも1つに基づいて決定される; を備える方法。
[C10] 送信経路が輻輳になり始める前に、前記送信経路に挿入可能な挿入可能データ量を決定することをさらに備え、前記挿入可能データの前記送信経路への挿入は、比例定数Rで前記検出時間に比例する期間にわたり分布される、 [C9]の方法。
[C11] 比例定数Rで前記検出時間に比例したデータ挿入期間にわたり分布された挿入可能データを加えることをさらに備え、前記検出時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記増大された送信速度は、前記ARR、および、RとFとの積に基づいて決定される、 [C9]の方法。
[C12] コンピュータ実行命令を含むコンピュータ読み取り可能メディアであって、前記命令は、前記コンピュータに: 受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することと、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む; 前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機によって送信されるデータを前記受信機で受信することと; 前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機によって送信されるデータを前記受信機で受信することと; をさせるために動作する、コンピュータ読み取り可能メディア。
[C13] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C12]のコンピュータ読み取り可能メディア。
[C14] 前記コンピュータ実行命令は、さらに、前記コンピュータに、前記受信機で付加的な挿入データを受信させるために動作し、前記付加的挿入データは挿入期間内に受信される、[C13]のコンピュータ読み取り可能メディア。
[C15] 受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信することと、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む; 前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信することと; 前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信することと; を備える方法。
[C16] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C15]の方法。
[C17] 受信機から送信機にフィードバックメッセージを送信する手段と、なお、前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含む; 前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信する手段と; 前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記送信機から送信されるデータを前記受信機で受信する手段と; を備える装置。
[C18] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C17]の装置。
[C19] 受信機から送信機へ送信するためのフィードバックメッセージを生成するように構成されたプロセッサを備え、 前記フィードバックメッセージは、測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を含み; 前記送信機から送信されるデータは、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の間、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度で、前記受信機で受信され; 前記送信機から送信されるデータは、前記非輻輳時間が終了した後、前記ARRの最大持続データ速度で、前記受信機で受信される; 装置。
[C20] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C19]の装置。
[C21] データを送信し、フィードバックメッセージ内の測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)を受信するように構成された送信機を備えた装置であって、前記送信機はさらに、前記送信機での送信速度を前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより非輻輳を開始し、前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後、前記非輻輳速度での非輻輳送信を終了するように構成された、装置。
[C22] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C21]の装置。
[C23] 前記送信機は、単一のフィードバックメッセージ中で前記APTO値および前記ARRを受信するようにさらに構成され、前記送信機は、さらに、比例定数Rで前記非輻輳時間に比例する挿入期間にわたり分布された挿入可能データを加えるように構成され、データを送信する別の速度が前記ARR、および、RとFとの積に基づいて決定される、[C22]の装置。
[C24] 送信機での送信速度を、フィードバックメッセージ中で受信される測定された到着−プレイアウト時間オフセット(APTO)値および平均受信速度(ARR)の少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳速度に下げることにより、非輻輳を開始する手段と; 前記APTO値および前記ARRの少なくとも1つに基づいて決定される非輻輳時間の後、前記非輻輳速度での非輻輳送信を終了する手段と; を備える装置。
[C25] 前記非輻輳時間は、比例定数Fで前記APTO値に比例し、前記非輻輳速度は、(F−1)対Fの比に等しい比例定数で前記ARRに比例する、[C24]の装置。
図1
図2
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図10