特許第5792276号(P5792276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792276
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ビデオデータのトリック再生
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20150917BHJP
【FI】
   H04N21/436
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-501584(P2013-501584)
(86)(22)【出願日】2010年3月31日
(65)【公表番号】特表2013-524577(P2013-524577A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】CN2010000413
(87)【国際公開番号】WO2011120195
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2013年3月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】マ,シャオ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジアンフェン
【審査官】 後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−286798(JP,A)
【文献】 特開2009−124298(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/148777(WO,A1)
【文献】 特開2002−330419(JP,A)
【文献】 特開2009−159188(JP,A)
【文献】 特開2007−174245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置におけるビデオデータの再生を第2装置により制御する方法であって、
前記第2装置が、前記第2装置における前記画像の提示状態で前記ビデオデータの一セクションに対応する画像を提示するステップと、
前記第2装置における前記画像の提示状態の変化に応じて、前記第2装置が、前記第1装置にコマンドを送信するステップであって、前記コマンドは前記第1装置での前記ビデオデータのセクションの再生状態を、前記第2装置の前記画像の提示状態の変化に応じて合わせるものであるステップとを有し、
前記画像の提示状態は、前記ビデオデータの再生の進行に関連する、
方法。
【請求項2】
前記第2装置における前記画像の提示は、前記第1装置において前記ビデオデータの対応するセクションが再生されている間に、前記第2装置において表示された複数の画像中の前記画像をハイライトするステップを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2装置における前記画像の提示状態の変化は、前記第2装置に対するユーザ操作によりトリガーされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1装置から受け取ったコマンドに基づき、前記画像の提示状態を、前記第1装置における前記ビデオデータのセクションの再生状態の変化に応じて合わせるステップをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記画像を提示するためのデータを、前記ビデオデータを提供するサーバが生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像を提示するためのデータを、前記第2装置が前記サーバから受信する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記画像を提示するための、前記サーバに格納されたデータにアクセスするロケータを、前記第2装置が前記サーバから受け取る、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記画像を提示するためのデータを、前記第2装置が前記第1装置から受け取る、前記画像を提示するためのデータは前記ビデオデータに組み込まれ、前記サーバから前記第1装置に送信され、前記第1装置が取り出して前記第2装置に送られたものである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
他装置におけるビデオデータの再生を制御する装置であって、
各画像が前記ビデオデータの一セクションに対応する一組の画像を、前記他装置における前記ビデオデータセクションの再生順序で表示する手段と、
前記他装置における前記セクションの再生時間中に前記ビデオデータの一セクションに対応する画像の表示状態の変化に応じてビデオデータのセクションの再生状態を前記画像の表示状態の変化に応じて合わせるコマンドを前記他装置に送信する手段とを有し、
前記画像の表示状態は、前記ビデオデータの再生の進行に関連する、
装置。
【請求項10】
前記他装置からの再生状態に関するメッセージを受信したとき、前記画像の表示状態を、前記他装置におけるビデオデータのセクションの再生状態の変化に応じて合わせる手段をさらに有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ビデオデータの一セクションに対応する画像の状態を表示する手段は、前記他装置における前記セクションの再生の時間中に前記画像をハイライトする手段を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記一組の画像を表示するための、前記サーバに格納されたデータにアクセスするロケータを、前記装置が前記サーバから受け取る、請求項9に記載に装置。
【請求項13】
前記一組の画像を表示するためのデータを、前記装置が前記他装置から受け取る、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
装置であって、
ビデオデータの再生をする手段と、
前記装置におけるセクションの再生時間中に前記ビデオデータのセクションに対応する画像の表示状態の変化を通知する、装置からのコマンドに応じて、前記ビデオデータのセクションの再生状態を、前記装置における前記画像の表示状態の変化に応じて合わせる手段とを有し、
前記画像の表示状態は、前記ビデオデータの再生の進行に関連する、
装置。
【請求項15】
前記ビデオデータのセクションの再生状態が変化した時に、前記画像の表示状態を合わせるメッセージを前記装置に送信する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
サーバから前記ビデオデータを受け取る手段をさらに有する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記ビデオデータに組み込まれた前記画像のデータを前記サーバから受け取る手段をさらに有する、請求項16に記載に装置。
【請求項18】
前記ビデオデータから前記画像のデータを取り出し、前記画像のデータを前記装置に送信する手段をさらに有する、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してビデオシステムに関し、より具体的にはビデオデータのトリック再生の方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオ記録(DVR)技術により、従来の時間ベースのトリックモードに加えて、ビデオデータのよりインテリジェントなトリック再生が可能になった。例えば、宣伝ザッピングが提案されている。これは、ビデオが予め記録されて適切なメタデータでインデックスされている場合に、ユーザがある期間をスキップできるものである。
【0003】
ビデオストリームのresp.にresp.関連メタデータを挿入するにはいろいろな方法がある。自動シーン検出は関連技術であり、ビデオストリームのキーシーン変化をマークできる。キーシーンに対してメタデータを生成し、ビデオストリームに挿入する。
【0004】
シーンメタデータを用いてシーンベーストリックモードをサポートできる。シーンベーストリックモードは、早送り、巻き戻し、スロー再生などのすべての再生制御動作に関係する。この制御はタイムスタンプではなくシーンに基づく。シーンベーストリックモードの利点は、キーシーンを見逃さずに、ビデオ中を素早く移動できることである。
【0005】
DVDチャプターブックメニューはシーンベース再生制御をできる。しかし、再生を映画のあるチャプタ/セッションに飛ばすことができる「GOTO」スタイルの機能のみをサポートしている。しかし、これは従来のトリックモードの替わりではない。
【0006】
上記の従来のシーンベーストリックモードの1つの欠点は、リモートコントローラなどの従来のツールを用いた時間ベーストリックモードに慣れた人が混乱することである。
【0007】
他の1つの欠点は、トリックモード生成を改善するメカニズムが無いことに起因する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様により、第1装置のビデオデータの再生を第2装置で制御する方法を提供する。該方法は、前記第2装置のレベルで、次のステップを有する:前記ビデオデータの一セクションに対応する画像を提示するステップ;及び前記画像の提示状態の変化に応じて、前記第1装置にコマンドを送信して、前記第1装置での前記ビデオデータのセクションの再生状態を、前記画像の提示状態の変化の関数として適応させるステップ。
【0009】
本発明の他の一実施形態により、他装置でのビデオデータの再生を制御する装置を提供する。該装置は次の手段を有する:各々がビデオデータの一セクションに対応する一組の画像を、ビデオデータセクションの再生順序で表示する手段;前記他装置での対応するセクションの再生の時間中に前記画像をハイライトし、前記画像の表示状態の変化に応じて、ビデオデータのセクションの再生状態を、前記画像の表示状態の変化の関数として適応させるコマンドを、前記他装置に送信する手段。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記その他の態様、特徴、及び利点は、添付した図面を参照して以下の説明を読めば、明らかとなるであろう。
図1】本発明の一実施形態によるビデオシステムを示すブロック図である。
図2図1のビデオシステムの動作を示すハイレベルフローチャートである。
図3】第1装置のビデオデコーダ/TVモジュールの動作を示すフローチャートである。
図4】第1装置の同期モジュールの動作を示すフローチャートである。
図5】第1装置の通信モジュールの動作を示すフローチャートである。
図6】第2装置のストーリーブックブラウザの動作を示すフローチャートである。
図7】第2装置の同期モジュールの動作を示すフローチャートである。
図8】第2装置の通信モジュールの動作を示すフローチャートである。
図9a】携帯装置のストーリーブックのユーザインタフェースの一例を示す図である。
図9b】携帯装置のストーリーブックのユーザインタフェースの一例を示す図である。
図10】携帯装置の制御ボタンの詳細メニューを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、本発明の実施形態のいろいろな態様を説明する。よく理解してもらうために、説明を目的として、具体的な構成や詳細事項を記載する。しかし、当業者には言うまでもなく、本発明はこれらの具体的な詳細事項がなくても実施することができる。
【0012】
上記の従来技術の欠点を考慮して、本発明の一実施形態は、第2装置のビジュアルメディアとのインターラクションを用いて、第1装置でのビデオ再生のトリックモードを実現するビデオシステムを提供する。
【0013】
具体的に、ビジュアルメディアは、第1装置でのビデオ再生のビデオクリップまたはビデオセクションに対応し、第2装置で提示される。第2装置でのビジュアルメディアの提示状態は第1装置でのビデオの再生状態に同期している。一方で、第1装置でのビデオセクションの再生により、第2装置での対応するビジュアルメディアの提示がされる。他方、第2装置でのビジュアルメディアの状態変化により、第1装置でのビデオセクションの再生状態の対応する変化が生じる。この意味で、第2装置でのビジュアルメディアの提示状態と第1装置でのビデオの再生状態との間には、双方向で同期している。
【0014】
本発明の一実施形態では、シーンベーストリックモードを実施するために、ビデオストーリーブックを第2装置でのビジュアルメディアとして用いる。ストーリーブックは、ページ(スライド、画像)のコレクションを含む本に似たメディアディスプレイである。各ページは、第1装置で表示されるビデオプログラム中の対応するビデオシーンを表す。ある意味では、ビデオストーリーブックは、第1装置で表示されるビデオの、ユーザがブラウズするビデオサマリーである。ストーリーブックは、モバイルアプリケーションによって特に有益である。トリックプレイのためにフルバージョンのビデオを送信する必要がなく、帯域幅を節約でくるからである。
【0015】
次に、本発明の原理による、第2装置で表示されたストーリーブックにより、第1装置でのシーンベースのトリック再生を実施するビデオシステムの一実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオシステムを示すブロック図である。
【0017】
図1を参照して、ビデオシステム10は、ヘッドエンド11と、ビデオデータ再生のための第1装置12と、第1装置のビデオデータのストーリーブックを提示する第2装置13とを有する。ヘッドエンド11と第1装置12と第2装置13とは、通信ネットワーク(CN)14を介して信号通信する。
【0018】
第1装置12は、セットトップボックス(STB)またはTVセットを含むが、これらに限定されない。第2装置13は、携帯装置、タブレット、PC、ラップトップを含むがこれらに限定されない。CN14は、放送ネットワーク、IPネットワーク、またはこれらの組み合わせなど、ビデオコンテンツを担い送信できるものであれば、どんな通信ネットワークでもよい。
【0019】
ヘッドエンド11は次のものを含む:ビデオコンテンツを提供するビデオコンテンツサーバ(VCS)110;VCS110からビデオコンテンツを受けてケーブルネットワークなどのCN14にブロードキャストするビデオブロードキャスティングサーバ(VBS)111;所定規則(PR)113に基づきVCS110からビデオコンテンツのストーリーブックを生成するストーリーブッククリエータ(SC)112。図1に示すように、ヘッドエンド11は、ユーザアクションコレクタ(UAC)114も有する。UAC114は、ユーザがストーリーブックに行ったアクション統計を、CN14から収集して分析する。また、分析結果をSC112に送る。SC112は、UAC114からの分析結果及び/又は上記の所定規則に基づきストーリーブックを生成できる。図1に示したように、言うまでもなく、SC112は、エディタが手作業でストーリーブックを生成できるエディタインターラクションUIを有していてもよい。生成されたストーリーブックは、CN14に送る前に、ストーリーブックインベントリ(SI)115に格納することもできる。
【0020】
留意点として、システムのCN14が戻りチャンネルを提供しない場合(例えば、放送ネットワークの場合)には、UAC114によりユーザアクション統計は収集されないだろう。
【0021】
第1装置12は、次のものを有する:CN14からのビデオを復号し、ビデオ再生をするビデオデコーダ/TV(VD/TV)121;第1装置12におけるビデオ再生の状態を第2装置13におけるストーリーブックの表示状態に同期させる同期モジュール(SM)122;及び第2装置13と通信する通信モジュール(CM)123。
【0022】
言うまでもなく、VD/TV121におけるビデオ再生の状態は、リモートコントローラ(図示せず)または第1装置12のSM122からのコマンドにより、制御できる。
【0023】
SM122は、それに表示されたストーリーブックの状態の同期の基準として、第1装置12のVD/TV121におけるビデオ再生の状態を、CM123を介して、第2装置13にレポートする。具体的に、レポートは時間駆動でもイベント駆動でもよい。すなわち、一方では、SM22は第2装置13に定期的にレポートを送り、第2装置13が同期する第1装置12のVD/TV121におけるビデオ再生の進行を通知する。レポート送信の期間はアプリケーションの要求に基づいて予め決めておいても良い。他方、SM122は、例えばリモートコントローラからのコマンドにより、VD/TV121におけるビデオ再生の状態に変化があるか検知する(例えば、ユーザがリモートコントローラで早送りアクションをすると、それによりVD/TV121におけるビデオ再生の進行変化があるが、VD/TV121はSM122にメッセージを送り、その変化をSM122にすぐに通知する)。YESであれば、SM122は、第2装置13がそのストーリーブックの状態を対応して変更(同期)できるように、第1装置12の現在のビデオ再生状態に関するレポートを、CM123を介して第2装置13にすぐに送信する。
【0024】
後で説明するように、SM122は、ストーリーブック表示の現在の状態に関するレポートを、第2装置13からCM123を介して受信し、第2装置13におけるストーリーブック表示の状態と同期させるVD/TV121におけるビデオ再生の進行または状態を要求するコマンドを、VD/TV121に送る。
【0025】
第2装置13は次のものと有する:ストーリーブックを表示するストーリーブックブラウザ(SB)131;第2装置13におけるストーリーブック表示の状態を第1装置12におけるビデオ再生の状態と同期させる同期モジュール(SM)132;及び第1装置12と通信する通信モジュール(CM)133。
【0026】
ストーリーブックは、ビデオサービスの必要性に応じて、オンラインで、またはオフラインで生成され送信されてもよい。ヘッドエンド11は、ビデオコンテンツデータから独立にストーリーブックを第2装置13に直接送信できる。あるいは、ストーリーブックは、ヘッドエンド11においてメタデータやマークの形式でビデオストリーム内に埋め込まれ(例えば、MPEG−2ビデオシステムに関しては、MPEG−2トランスポートストリームのadaptationフィールドに予約バイトがあるので、これを用いてストーリーブックのリンクを担うことができる)、第1装置12に送信される。第1装置12は、ストーリーブック関連データを取り出し、それを第2装置13に送信し、メタデータとビデオストリームデータを用いてストーリーブックを作成する(適宜、例えば代表画像を抽出する)。ストーリーブックは(ストーリーブック全体が送信される)内蔵式で、または収集するデータへのリンクによる参照式で送信できる。後者の場合、第2装置13は、リンクを用いて適切なサーバにアクセスすることにより、ストーリーブックデータをフェッチできる。
【0027】
前述の通り、ストーリーブックはヘッドエンド11のSI115にも格納してもよい。この場合、ユーザは、例えば適切なIPアドレスにより、SI115にアクセスすることにより、ストーリーブックにアクセスできる。このIPアドレスは所定のものであって、必ずしもビデオストリームで送る必要はない。ユーザがストーリーブックをブラウズしてそのうちの1つを選択すると、対応するビデオがヘッドエンド11から第1装置12にストリーミングされる。
【0028】
ストーリーブックは、ビデオオンデマンド(VoD)と、またはタイムシフトTVサービスと組み合わせてユーザに提供してもよい。
【0029】
ユーザは、パーソナルビデオレコーダ(PVR)機能を活用して、ビデオを、対応するストーリーブックと結合して、第1装置12に格納できる。
【0030】
変形例の一実施形態では、図1のCN14が戻りチャンネルを有する場合、ストーリーブックとのユーザインターラクションをヘッドエンド11のUAC114に送り、ストーリーブック作成を容易にして改善することができる。例えば、ニュースビデオセクションの毎日のクリックスルー率を、週間ニュースストーリーブックを作成するためのニュース選択に用いることができる。
【0031】
上記の通り、SM132は、ビデオ再生の進行または状態に関する第1装置12からのレポートを受け取ると、SB131におけるストーリーブック表示の進行または状態を、第1装置12におけるビデオ再生のそれに同期させる。
【0032】
SM132は、それにおけるビデオ再生の状態の同期の基準として、第2装置13のSB131におけるストーリーブック表示の状態を、CM133を介して、第1装置12にレポートする。具体的に、SM132は、第2装置13のSB131におけるストーリーブック表示の状態を検知する。状態の変化を検知すると、SM132は、第2装置13のストーリーブック表示の現在の状態を、CM133を介して第1装置12にすぐにレポートする。
【0033】
第2装置13のSB131におけるストーリーブック表示の状態は、第2装置13へのユーザインターラクションにより、変更または制御できる。
【0034】
SM132は、両装置間の同期を促進するために、第2装置13におけるストーリーブック表示の状態に関するレポートを、第1装置12に定期的に送ることもできる。
【0035】
次に、図1のビデオシステムの動作手順の一実施形態を、図2ないし8を参照して詳細に説明する。
【0036】
図2は、図1のビデオシステムの動作を示すハイレベルフローチャートである。
【0037】
図2に示したように、ステップS201において、ヘッドエンド11は、例えば所定規則とユーザインターラクション統計に基づき、ストーリーブックを生成する。
【0038】
ステップS202において、ヘッドエンド11は、ビデオコンテンツを、対応するストーリーブック(またはそのリンク)とともにCN14に送る。
【0039】
ステップS203において、第1装置12は、ビデオコンテンツとそれに対応するストーリーブック(またはそのリンク)を、CN14から受け取る。
【0040】
ステップS204において、第1装置12は、ビデオコンテンツをデコードして画面に表示し、ストーリーブック(またはそのリンク)を第2装置13に配信する。
【0041】
ステップS205において、第2装置13は、ストーリーブックへのリンクを受け取る場合、そのストーリーブックをヘッドエンド11からダウンロードする。
【0042】
ステップS206において、第1装置12は例えばリモートコントローラによりコマンドを受け取り、第2装置13はユーザにストーリーブックとインターラクトさせる。
【0043】
ステップS207において、第1装置12におけるビデオ再生と、第2装置13におけるストーリーブック表示との間で状態同期を取る。このステップでは、将来におけるストーリーブック作成を改善するため、ユーザインターラクションに関するレポートをヘッドエンド11に送ることができる。
【0044】
図3は、第1装置12のビデオデコーダ/TVモジュール121の動作を示すフローチャートである。
【0045】
図3に示したように、ステップS301において、ビデオデコーダ/TVモジュール121はCN14からビデオデータを受け取る。
【0046】
ステップS302において、ビデオデコーダ/TVモジュール121は、ビデオデータをデコードして第1装置12において再生する。
【0047】
ステップS303において、ビデオデコーダ/TVモジュール121は、例えばリモートコントローラからコマンドを受け取ったか判断する。
【0048】
ステップS303の結果がNOであれば、ステップS304に進み、ビデオデコーダ/TVモジュール121はコマンドをSM122から受け取ったかさらに判断する。ステップS304の結果がYESであれば、ステップS305に進み、ビデオデコーダ/TVモジュール121はSM122からのコマンドに基づき、それに対応してビデオ再生状態を変更する。ステップS304の結果がNOであれば、ステップS302に戻る。
【0049】
ステップS303の結果がYESであれば、ステップS306に進み、ビデオデコーダ/TVモジュール121はストップコマンドを受け取ったか検知する。
【0050】
ステップS306の結果がNOであれば、ステップS307に進み、ビデオデコーダ/TVモジュール121はビデオ再生状態を変更し、状態レポートをSM122に送る。ステップS306の結果がYESであれば、ステップS308に進み、ビデオデコーダ/TVモジュール121はビデオ再生をストップし、状態レポートをSM122に送る。
【0051】
図4は、第1装置12のSM122の動作を示すフローチャートである。
【0052】
図4に示したように、ステップS401において、SM122は、第1装置12におけるビデオ再生を、第2装置13におけるストーリーブック表示と同期し始める。
【0053】
ステップS402において、SM122は、定期レポートを送る時間か判断する。
【0054】
ステップS402の結果がYESであれば、次のステップS403において、SM122は、ビデオデコーダ/TVモジュール121からビデオ再生状態を読み出し、状態レポートを作成し、そのレポートを、CM123を介して第2装置13に送る。
【0055】
ステップS402の結果がNOであれば、ステップS404に進み、SM122は、ビデオデコーダ/TVモジュール121からレポートを受け取ったか判断する。
【0056】
ステップS404の結果がYESであれば、ステップS409に進み、SM122は、CM123を介して第2装置13にレポートを送る。
【0057】
ステップS404の結果がNOであれば、次のステップS405において、SM122は、CM123を介して第2装置13からレポートを受け取ったか判断する。
【0058】
ステップS405の結果がNOであれば、ステップS402に戻る。ステップS405の結果がYESであれば、次のステップS406において、SM122は、ビデオデコーダ/TVモジュール121から、第1装置11におけるビデオ再生の現在の状態を読み出す。
【0059】
次のステップS407において、SM122は、ビデオ再生状態を変更する必要があるか判断する。ステップS407の結果がNOであれば、ステップS402に戻る。ステップS407の結果がYESであれば、ステップS408において、SM122は、ビデオ再生状態を変更するコマンドを生成し、ビデオデコーダ/TVモジュール121に送る。
【0060】
図5は、第1装置12のCM123の動作を示すフローチャートである。
【0061】
図5に示すように、ステップS501において、CM123は通信を開始する。
【0062】
ステップS502において、CM123は、SM122または第2装置13からの状態レポートを待つ。
【0063】
ステップS503において、SM123は、SM122からレポートを受け取ったか判断する。ステップS503の結果がYESであれば、ステップS506に進み、SM123は、第2装置13にレポートを送る。ステップS503の結果がNOであれば、ステップS504に進み、CM123は、第2装置13からレポートを受け取ったか判断する。
【0064】
ステップS504の結果がYESであれば、ステップS505に進み、CM123は、SM122にレポートを送る。ステップS504の結果がNOであれば、ステップS502に戻る。
【0065】
図6は、第2装置13のSB131の動作を示すフローチャートである。
【0066】
図6に示したように、ステップS601において、SB131はCN14からストーリーブックを受け取る。
【0067】
ステップS602において、SB131は、第2装置13にストーリーブックを表示する。
【0068】
ステップS603において、SB131は、ユーザからコマンドを受け取ったか判断する。
【0069】
ステップS603の結果がNOであれば、ステップS604に進み、SB131はコマンドをSM132から受け取ったかさらに判断する。ステップS604の結果がYESであれば、ステップS605に進み、SB131はSM122からのコマンドに基づき、それに対応してストーリーブック再生状態を変更する。ステップS604の結果がNOであれば、ステップS602に戻る。
【0070】
ステップS603の結果がYESであれば、ステップS606に進み、SB131はストップコマンドを受け取ったか検知する。
【0071】
ステップS606の結果がNOであれば、ステップS607に進み、SB131はストーリーブック再生状態を変更し、SM132に状態レポートを送る。ステップS606の結果がYESであれば、ステップS608に進み、SB131はストーリーブックを閉じて、SM132に状態レポートを送る。
【0072】
図7は、第2装置13のSM132の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS701において、SM132は、第2装置13におけるストーリーブック表示を、第1装置12におけるビデオ再生と同期し始める。
【0074】
ステップS702において、SM132は、定期レポートを送る時間か判断する。
【0075】
ステップS702の結果がYESであれば、次のステップS703において、SM132は、SB131からビデオ再生状態を読み出し、状態レポートを作成し、そのレポートを、CM133を介して第1装置12に送る。
【0076】
ステップS702の結果がNOであれば、ステップS704に進み、CM132は、SB131からレポートを受け取ったか判断する。
【0077】
ステップS704の結果がYESであれば、ステップS709に進み、SM132は、CM133を介して第1装置12にレポートを送る。
【0078】
ステップS704の結果がNOであれば、次のステップS705において、SM132は、CM133を介して第1装置12からレポートを受け取ったか判断する。
【0079】
ステップS705の結果がNOであれば、ステップS702に戻る。ステップS705の結果がYESであれば、ステップS706において、SM132は、SB131から、第2装置13におけるストーリーブック再生の現在の状態を読み出す。
【0080】
次のステップS707において、SM132は、ストーリーブック再生状態を変更する必要があるか判断する。ステップS707の結果がNOであれば、ステップS702に戻る。ステップS707の結果がYESであれば、ステップS708において、SM132は、ストーリーブック再生状態を変更するコマンドを生成し、SB131に送る。
【0081】
図8は、第2装置13のCM133の動作を示すフローチャートである。
【0082】
図8に示すように、ステップS801において、CM133は通信を開始する。
【0083】
ステップS802において、CM133は、SM132または第1装置12からの状態レポートを待つ。
【0084】
ステップS803において、CM133は、SM132からレポートを受け取ったか判断する。ステップS803の結果がYESであれば、ステップS806に進み、CM133は、第1装置12にレポートを送る。ステップS803の結果がNOであれば、ステップS804に進み、CM133は、第1装置12からレポートを受け取ったか判断する。
【0085】
ステップS804の結果がYESであれば、ステップS805に進み、CM133は、SM132にレポートを送る。ステップS805の結果がNOであれば、ステップS802に戻る。
【0086】
ストーリーブックのユーザインタフェースの例を図9に示した。この例では、STB/TVにおけるビデオデータのトリック表示を、TVと携帯装置との間のインターラクションにより実施する。
【0087】
図9aに示したように、映画などのビデオデータは、TV画面901に表示される。言うまでもなく、映画データは複数のセクションよりなり、各セクションはキーシーン(key scene)により表せる(キーシーンは本実施形態では一定の画像であるが、ビデオシーケンスやその他の代表アイテムであってもよい)。TV画面901でビデオセクションi(ここでiは0,1,2,...)を再生する時、それに対応するキーシーンiが携帯装置902の画面に表示される。この場合、キーシーンiを、携帯装置902に表示され、TV画面901において再生されるコンテンツを記述する、ストーリーブックの1ページのように見えるので、ページiと呼ぶ。
【0088】
替わりとして、図9bに示すように、順序通りの複数のキーシーンのマトリックスを携帯装置902の画面に提示できる。この場合、TV画面901においてビデオセクションiが再生される場合、対応するキーシーンiが動的にハイライトされる(図9bに太線のブロックで示した)。
【0089】
当業者には言うまでもないが、上記の2つのタイプのユーザインタフェースは組み合わせて一体として実施してもよい。すなわち、TV画面901でビデオセクションiを再生する時、それに対応するキーシーンiが携帯装置902の画面に表示される。同時に、順序通りの複数のキーシーンのリストを、携帯装置902の画面の適当な位置に、対応するキーシーンiをハイライトして提示することもできる。
【0090】
ストーリーブックのコンテンツを示す例を以下のコードにより与える。
【0091】
<外1>
この例では、page idはページインデックスを示し;timestampはページとそれに対応するビデオコンテンツとの間の時間的関係を示し;image_srcはページのピクチャリンクを示し;image_thumbnailはページのサムネイルピクチャリンクを示す。
【0092】
上記の通り、ストーリーブックは0から11までの12ページを含む。ページ0はtimestampが0から30.08秒までの映画セクション0に対応し、ページ1はtimestampが30.09から114.032秒までの映画セクション1に対応し、以下同様である。
【0093】
本実施形態では、TV画面における映画再生の状態は、携帯装置902の画面におけるシーンの表示状態と「双方向的に」同期している。
【0094】
具体的に、一方では、TVにおいて映画が再生されると、携帯装置902において対応するページ(すなわちキーシーン)が、ビデオセクションのタイムスタンプの範囲により画定される時間の間、動的にハイライトされ、TVにおける映画再生進行を反映する。上記の同期を確実にするため、映画の前進/後進再生とともに、ハイライトされたストーリーブックのページも更新される。ユーザが従来のリモートコントローラを用いてTVで映画を前進/後進の早送りをする場合、携帯装置902においても対応する進行が反映され、ページごとにハイライトが前進/後進する。
【0095】
他方、携帯装置902の画面に表示されるページ(キーシーン)とのユーザインターラクションは、TVにおける映画のシーンベースのトリック再生を実現できる。例えば、ユーザはどれかのページをクリックして、TVにおいて、対応する映画のセクションにすぐに切り換えることができる。また、携帯装置902には、いろいろなトリック再生動作を容易にする、機能ボタンを有するメニューを設けることもできる。
【0096】
携帯装置の制御ボタンの詳細なメニューを図10に示した。以下は、携帯装置により提供されるトリック再生機能の一部である:
GOTO:ユーザは、ストーリーブックのページをタップ/選択することにより、ビデオ再生を対応するシーンから始めさせられる。
【0097】
NEXT/PREV:左にまたは右にスワイプしてストーリーブックの次のまたは前のページに行くことにより、ビデオ再生が、次のまたは前のページの始めから開始される。
【0098】
FF/RW:ユーザは、ストーリーブックを左にまたは右に繰り返しスワイプすることにより、繰り返し回数に比例した速さでビデオを早送り/巻き戻しできる。速さは1秒あたりのシーン数により測ってもよい。
【0099】
PLAY/PAUSE:ユーザは、PLAYとタッピングすることにより、ビデオ再生を開始できる;ストーリーブックのページに指で触れ続けると、ビデオ再生は対応するシーンの静止画上で一時停止する。
【0100】
REPEAT:ユーザは、ストーリーブックのページ上に円を描くことにより、対応するセクションを繰り返し再生できる。
【0101】
SLOW:ユーザは、ストーリーブックのページをゆっくりスライドさせることにより、対応するセクションをスロー再生できる。
【0102】
SCOPE:ユーザは、ストーリーブックの最初のページと最後のページを選択することにより、対応するシーンでビデオを開始および停止できる。
【0103】
ZOOM:ストーリーブックの画像ページにズーム/フォーカスすることにより、再生されているビデオにフォーカスされたズームを行える。ズームの中心はディスプレイのどこにでも動かせる。
【0104】
STB/TVと携帯装置との間のメッセージ交換は次のイベントのうちのどれか1つによりトリガーされる:
リモートコントローラによるSTB/TVへの操作;
ストーリーブックに行われるユーザインターラクション;
STB/TVビデオの状態に関する定期的レポート;及び
携帯装置のストーリーブックの状態に関する定期的レポート。
【0105】
STB/TVと携帯装置の間のメッセージ交換により、装置間でローカル状態情報(local status)がレポートされ、そのため上記の同期を実現できる。下記のメッセージフォーマットを使える:
【表1】
アプリケーションでの必要性に応じてメッセージボディを拡張してもっと多くのフィールドを含めることができる。
【0106】
ユーザが携帯装置のPREVボタンを押した時の携帯装置とSTB/TVの間のメッセージ交換の一例を説明する。この場合、ストーリーブックのハイライトされたページが前のページに行く。
【0107】
ユーザがPREVボタンを押すと、携帯装置からSTB/TVに、以下のメッセージボディを有するレポートが送られ、携帯装置におけるストーリーブックの表示状態の変化が通知される。
【0108】
【表2】
STB/TVは、携帯装置から状態レポートを受け取った後、メッセージ中の情報を用いて、上記の同期を行う。また、STB/TVは、次のメッセージボディを用いて携帯装置に確認メッセージを返信することもできる。
【0109】
【表3】
よって、言うまでもなく、添付した特許請求の範囲に記載した本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示した実施形態に多数の修正を加えてもよく、他の構成を工夫してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10