(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792304
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】キャップレスのフィラーネック
(51)【国際特許分類】
B60K 15/04 20060101AFI20150917BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
B60K15/04 C
B60K15/04 E
F02M37/00 301M
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-523637(P2013-523637)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-538149(P2013-538149A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】EP2011063955
(87)【国際公開番号】WO2012020128
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年4月2日
(31)【優先権主張番号】102010036970.5
(32)【優先日】2010年8月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507297938
【氏名又は名称】ゲルデス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】ガーデス ラルフ
【審査官】
芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−173149(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/135954(WO,A2)
【文献】
国際公開第02/026515(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/013325(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04
B60K 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のネックのための、具体的にはネックの中心軸に沿って延びる管材(1)および閉止機構を有する自動車両のタンクのネックのための、上側の閉止フラップ(2)と、その下にこれと距離を隔てて配置された密閉フラップとして構成される下側の閉止フラップ(3)とを有するキャップレスのフィラーネックであって、前記上側の閉止フラップ(2)と前記下側の閉止フラップ(3)とは各々旋回軸を中心として開くように旋回可能に取り付けられ、かつ前記閉止機構を開放するためにフィラー管(4)の前記管材(1)内への導入により復元力に逆らって旋回可能であり、上側の閉止フラップ(2)は、閉止された前記上側の閉止フラップ(2)のままである様に、そして第1の旋回路沿いでは、上記下側の閉止フラップ(3)に直接または間接接触しない様に、そして前記第1の旋回路に隣接する第2の旋回路沿いでは、前記下側の閉止フラップ(3)における可動部の上にある、その旋回軸(S)から距離を置いた前記下側の閉止フラップ(3)における圧力領域(6)の上で力の伝達領域(5)が止まる様に、構成されかつ取り付けられ、前記下側の閉止フラップ(3)もまた、前記上側の閉止フラップ(2)が前記第2の旋回路に沿って移動される間に、前記フィラー管(4)に影響されることなく少なくとも数度の角度で開放されることを特徴とするキャップレスのフィラーネック。
【請求項2】
前記上側の閉止フラップは、前記上側の閉止フラップ(2)の前記旋回軸(S)と前記下側の閉止フラップ(3)の前記圧力領域(6)との距離より大きい幅を有し、前記旋回軸(S)とは反対側に存在する前記上側の閉止フラップ(2)の縁領域には前記力の伝達領域(5)を形成し、前記上側の閉止フラップ(2)の旋回動作の間、前記力の伝達領域(5)を形成する前記縁領域は部分的な円形軌道に沿って移動させられ、前記圧力領域(6)は、前記部分的な円形軌道に交差させるか、または前記部分的な円形軌道より上に存在し、その結果、閉止状態と最大開放角度との間の位置から始動する前記上側の閉止フラップは、前記圧力領域(6)を押してこれを下へ押し退け、かつ前記下側の閉止フラップ(3)を部分的に開放することを特徴とする、請求項1に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項3】
前記上側の閉止フラップ(2)と前記下側の閉止フラップ(3)との間に、圧力エレメントが、具体的には力の伝達ピンまたは力の伝達スリーブの形で、前記管材(1)上に変位可能に取り付けられた状態で配置され、前記旋回動作中の前記上側の閉止フラップ(2)は、前記圧力エレメントに当たって停止状態に至らさせ、次にはさらなる旋回動作の間に、前記下側の閉止フラップ(3)を開放方向に下向きに押し、かつ前記下側の閉止フラップ(3)は、前記上側の閉止フラップ(2)により下方へ変位される前記圧力エレメントが、前記下側の閉止フラップ(3)を開放方向に少なくとも僅かに旋回し、故にこれを僅かに開放するように構成かつ配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項4】
前記上側の閉止フラップ(2)は、挿入される前記フィラー管(4)の衝突部位の領域に凸面形状または上側へピン状に突出する変位手段の形状をした隆起を有し、よって、前記上側の閉止フラップ(2)は前記フィラー管(4)のより大きい変位経路に渡って開放されたままであると同時に前記下側の閉止フラップ(3)を僅かに開放して保持することを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項5】
前記上側の閉止フラップ(2)は横方向へ突き出すフランジが円周状に装備されたフラップ本体を有し、前記フラップ本体の上側には前記上側の閉止フラップ(2)のためにシールが配置され、前記旋回軸(S)とは反対側に存在する前記フランジの領域は、その下側で前記力の伝達領域(5)を形成することを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項6】
圧力部位を設け、該圧力部位は、前記力の伝達領域(5)を支持するための前記圧力領域(6)の上部の上に有り、かつ力の伝達エレメントを用いて、旋回軸から距離を置いた前記下側の閉止フラップ(3)における前記可動部を押すことを特徴とする、請求項1、2、3、4又は5に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項7】
前記圧力部位は前記管材(1)内に旋回可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項8】
前記上側の閉止フラップ(2)および前記下側の閉止フラップ(3)は各々前記管材(1)の片側に配置される旋回軸を中心として旋回可能であり、前記両旋回軸は上下しかつ互いに平行して延びることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項9】
前記上側の閉止フラップ(2)および前記下側の閉止フラップ(3)は各々前記管材(1)の異なる、具体的には反対の側面に配置される旋回軸を中心として旋回可能であり、前記両旋回軸は上下しかつ互いに斜めに、または平行して延びることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【請求項10】
容器のネックのための、具体的にはネックの中心軸に沿って延びる管材(1)および閉止機構を有する自動車両のタンクのネックのための、上側の閉止フラップ(2)とその下に配置される下側の閉止フラップ(3)とを有するキャップレスのフィラーネックであって、少なくとも前記下側の閉止フラップ(3)は密閉フラップとして構成され、かつ前記上側の閉止フラップ(2)と前記下側の閉止フラップ(3)とは前記閉止機構を開放するためにフィラー管(4)の前記管材(1)内への導入により復元力に逆らって旋回可能であり、前記上側の閉止フラップ(2)と前記下側の閉止フラップ(3)との間で、前記上側の閉止フラップ(2)の旋回軸(S)とは反対側に存在する前記管材(1)の側面に、開放レバー(7)が旋回軸を中心として旋回可能に配置され、前記開放レバー(7)は、自由端が前記フィラー管(4)の動作経路内へ突き出し、かつ挿入される前記フィラー管(4)により前記下側の閉止フラップ(3)の方向へ旋回され、前記自由端は、前記下側の閉止フラップ(3)の旋回軸(S)から距離を隔てた位置で前記下側の閉止フラップ(3)に突き当たりかつ前記下側の閉止フラップ(3)を押し開くほど長く、かつ前記開放レバー(7)および前記管材(1)は、フィラー管(4)が前記下側の閉止フラップ(3)を通ってさらに挿入されると、前記開放レバー(7)が前記フィラー管(4)に隣接して配される様に構成され、かつ前記フィラー管(4)が引き抜かれると、前記開放レバー(7)がまず前記下側の閉止フラップ(3)の動作経路内へ移動し、続いて前記下側の閉止フラップ(3)が停止位置に幾分か遅れて閉止状態に跳ね戻るように構成されていることを特徴とする、キャップレスのフィラーネック。
【請求項11】
前記開放レバー(7)は、湾曲した又は直角に曲げられたベントレバーであり、前記開放レバー(7)は、下向きの自由端に関しては前記管材(1)の内側面に関節でつながれ、同時に前記開放レバー(7)は、停止位置での反対側の自由端に関してはネックの中心軸の方向へ延びていることを特徴とする、請求項10に記載の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のネックのための、具体的にはネックの中心軸に沿って延びる管材および閉止機構を有する自動車両のタンクのネックのための、上側の閉止フラップとその下に配置される下側の閉止フラップとを有する遅延閉止式閉止フラップの付いたキャップレスのフィラーネックに関し、少なくとも下側の閉止フラップは密閉フラップとして構成され、かつ上側の閉止フラップおよび下側の閉止フラップは、閉止機構を開放するために、フィラー管を管材内へ復元力に逆らって挿入することにより押し開かれることが可能である。
【背景技術】
【0002】
この類の遅延閉止式閉止フラップを有するキャップレスのフィラーネックは、2009年11月12日付けの国際公開第2009/135954号(GERDES GMBH)から既知である。これらは、別々のタンクキャップがなくても燃料タンクのフィラーネックを2つの閉止フラップでしっかりと閉止するフィラーネックである。2つの閉止フラップは、この場合、燃料ノズルまたは補給缶の管端部、以後概してフィラー管と称する、によって押し開けられ、通常は偶発的な開放を防止する安全機構が存在する。タンクは、双方の閉止フラップが開放される場合でしか充填され得ない。
【0003】
既知のフィラーネックの欠点は、フィラー管が部分的にのみ挿入された時点で既に、またはフィラー管が既に部分的に引き戻されている場合はタンクの充填後に、ユーザが既に、または引き続き燃料を充填しようとすることにある可能性がある。具体的には、下側の閉止フラップが密閉フラップとして構成される場合、燃料は管ネックにおいて既に閉止されている下側の閉止フラップの上へ充填される可能性があり、よって燃料はもはやタンク内へと流れ下ることができない。これにより、燃料は排気系を介して外界へ到達する可能性があり、環境保護の観点から望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/135954号(GERDES GMBH)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の1つの目的は、ネック端部からの部分的な引き戻しの後に燃料ノズルを作動した際にも、過充填の燃料がタンク内へ流れ込むことを可能な限り保証するネック端部を提供することにある。
【0006】
この課題は、本発明により、上側の閉止フラップが、上側の閉止フラップが閉止された状態でかつ第1の旋回路沿いでは、下側の閉止フラップと直に、または間接的に接触して位置づけられておらず、かつ第1の旋回路に隣接している第2の旋回路沿いでは、力の伝達部位で下側の閉止フラップの圧力領域上に下側の閉止フラップの可動部上のその旋回軸から距離を隔てて置かれるように構成されかつ取り付けられ、よって、上側の閉止フラップが第2の旋回路沿いに移動される間に下側の閉止フラップも、フィラー管に影響されることなく、少なくとも数度の角度だけ開放されることにおいて解決される。
【0007】
請求項10に記載されている機能を有するネック端部は、この課題に対するさらなる解法を示している。全ての場合で、下側の閉止フラップは、本発明による遅延閉止を除いて、本来、燃料ノズルのフィラー管がタンク内へ挿入されるとフィラー管により上側の閉止フラップとは独立して押し開かれる旋回フラップである。
【0008】
本発明によるネック端部のこの実施形態によれば、下側の閉止フラップはより長い時間期間に渡って開放された状態に留まることができる。この既知の実施形態では、下側の閉止フラップは閉止し、かつ結果的に密閉するわけであるが、燃料ノズルの下縁が下側の閉止フラップの旋回領域から離れた直後の下側の閉止フラップは、より長い時間に渡って開かれたままである。実際のところ、開放角度全体を利用できるわけではないが、ほとんど引き抜かれている燃料ノズルにまだ充填し残されている量の燃料を確実に下側へ流し出させるには残りの開放角度で足りる。その根拠は経験に則したものであり、燃料ノズルの最大注入力は、それがネック内に完全に位置させられていた時にのみ要求される。
【0009】
しかしながら、燃料ノズルを引き抜く際、ユーザは、恐らくはタンクを完全に満たすために、デリバリホースを再度簡単に空にするか、または残りの空き容量を更に充填しがちである。しかし、この「上乗せ」手順は、通常慎重に且つこれ故に燃料ディスペンサの低い注入力で実行され、よって下側の閉止フラップの小さい開放角度は、下側の閉止フラップが密閉状態に閉止するまで、上乗せされる燃料を更に流れ出させておくためには十分である。
【0010】
本発明の極めて重要な特徴は、上側の閉止フラップ、または上側の閉止フラップと下側の閉止フラップとの間の補助エレメントが、部分的に挿入されているフィラー管に起因して、ばね力により閉止位置へ推進される下側の閉止フラップを所定の時間開放させたままにさせる、という事実にある。この時間は、フィラー管の下側領域が2つの閉止フラップ間に位置づけられている限り、その機械的作用によって決定される。したがって、本発明によれば、下側の閉止フラップは、燃料ノズルにより作動されるレバーを介して機械的に押し下げられる。
【0011】
多くの場合、2つの閉止フラップは互いに独立していなければならないことから、これらの2つの閉止フラップを、上側の閉止フラップへの圧力が下側の閉止フラップへの圧力をも直に起動させるように互いに直に結合することは不可能である。
【0012】
そこで本発明は、まずは挿入されているフィラー管により上側の閉止フラップが旋回できること、または下側の閉止フラップが動くことに関して、第1の旋回領域が利用可能であることで、この課題を解決する。この第1の旋回領域に隣接しているのが最終的に第2の旋回領域になり、上側の閉止フラップのさらなる旋回動作が、下側の閉止フラップを少なくとも数度の角度だけ開き、その結果燃料が通れるようになるという意味で、下側の閉止フラップに直接的な圧力または間接的な圧力を加える。
【0013】
上述の機能の意味するところでは、間接的な開放とは、上側の閉止フラップが追加的な作動エレメントを介して下側の閉止フラップに圧力を加えることを意味する。直接的な開放は、本発明の意味するところでは、上側の閉止フラップが下側の閉止フラップに直に当たる部分によって推進され、結果的に、復元力に打ち勝つために必要な開放力自体を下側の閉止フラップに加えることを意味するものと理解されるべきである。
【0014】
理論的に考えれば、上側の閉止フラップは、力の伝達部位を有し、あるいは力の伝達部位が下側の閉止フラップの圧力領域上に載った時点で、下側の閉止フラップを退けるために、別個の作動エレメントの力の伝達部位を、ネック内を下方へ、下側の閉止フラップの方向に銘々に押す。
【0015】
開放力、あるいは旋回軸の観点からすれば開放モーメント、を作用させることができるように、圧力領域はネックの中心軸の方向に旋回軸から距離を隔てて配置されなければならず、よって、開放モーメントは力の伝達部位の圧力によって作用させることが可能である。この場合、両閉止フラップが同じ方向に開くか、もしくは逆に開くか、故に管材の異なる側面で関節でつながれるか、は重要ではない。また、これらの閉止フラップは平らであるように構成される必要はなく、逆に、通常は例えば超過・過少圧力バルブが内部に配置されるフラップ内部空間を有する。
【0016】
閉止フラップは、下側の閉止フラップの開放が可能な限り広い旋回領域に渡って保持されるように成形されることが可能である。ある好適な実施形態では、上側の閉止フラップは略円筒に構成され、かつ下側領域には横方向へ突き出すフランジを有したフラップ本体を備え、フラップ本体を包囲するこのフランジ上に
上側の閉止フラップのシールが配置される。このシールは、下側の閉止フラップが閉止すると対応するネックの縁に押し付けられる。
【0017】
旋回軸は、フランジより幾分か上に配置される。この実施形態では、旋回軸とは反対側に存在するフランジ部分が力の伝達領域を形成する。これは、フランジの下側が、上側の閉止フラップが開くと旋回軸の周囲を第1の旋回路を超えて下側の閉止フラップの圧力領域へ押し当て、かつ開放方向へのさらなる旋回動作で下側の閉止フラップを押し下げ、よってこれを少なくとも僅かに開放することを意味する。
【0018】
上側の閉止フラップは、その上側が平らであるように構成されることが可能である。しかしながら、上側の閉止フラップは、旋回軸が位置づけられる管材の断面平面より前に既に上側の閉止フラップの下の燃料ノズルのフィラー管との間に接触が発生するように、その上側に隆起を有することも可能である。これは、上側の閉止フラップがより早く押し下げられ、かつ逆により遅く閉じるという効果を有する。これは、延ては、第1の旋回路を辿った後に発生する接触力の結果としての下側の閉止フラップの開放または閉止がより早く、またはより遅く発生することを意味する。
【0019】
同様に、下側の閉止フラップは、その表面形状の変化により、下方へ旋回される上側の閉止フラップより早く、または遅く接触するように規定することができる。下側の閉止フラップの圧力領域は、これに合わせて適宜構成されることが可能である。2つの閉止フラップの開放の発生順に関しては、2つのフラップの動作線がいつ出合うかという事実のみが重要である。
【0020】
本発明の代替的な一実施形態は、追加コンポーネントを用いる。このコンポーネントは、例えばベントレバーとして構成され、かつ管材内部で上側の閉止フラップと下側の閉止フラップとの間に下側の閉止フラップの早期開放のための作動手段として設けられることが可能である。このようなベントレバーは、例えば一方の端で管材へ関節でつながれる様に取り付けられるレバーとして構成されることが可能である。
【0021】
よって、レバーの反対側の自由端はネックの中心軸の方向へ、かつ燃料ノズルの動作経路内へ突き出し、よって挿入された燃料ノズルはレバーを下へ押す。レバーは、その適切な配置および長さにより、その自由端で下側の閉止フラップの正圧面を押し、かつ上側の閉止フラップに関連して既に先で述べたようにこれを押し開く。この場合もやはり、レバーおよび下側の閉止フラップの形状によって開放時間を最適化することができる。
【0022】
レバーに代えて、2つの閉止フラップ間に中空の円筒エレメントを変位可能に設けることも可能であり、これは、上側の閉止フラップが所定の角度で開放された後に、燃料ノズルまたは上側の閉止フラップの何れかによって押し下げられ、下側の閉止フラップを僅かに開放する。
【0023】
本発明のさらなる特徴および優位点は、サブクレームから、および図面を用いて行う好適な実施形態例に関する以下の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明によるネック端部の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の代替実施形態を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ネック端部は、その管材1の上側領域に、燃料ノズルのフィラー管4を挿入するための導入漏斗を有する。上側の閉止フラップ2は、この下に設けられる。この上側の閉止フラップ2は、旋回軸Sを中心として旋回可能に取り付けられ、かつ導入される燃料ノズルによって押し開けられることが可能である。下側領域では、上側の閉止フラップ2はシールを支えるフランジを有する。
【0026】
閉止フラップ2のフランジは、旋回軸Sとは反対向きの縁で円形軌道に沿って動く。この動作線は当初、上側を始点とする側方位置から円形形状で、旋回軸Sを中心として下側へ延びる。動作線の最初の角度区分を過ぎると、第1の旋回路が通過され、この間、上側の閉止フラップ2はまだ下側の閉止フラップ3に接触していない。これにより、双方のフラップ2、3は互いに独立して動作し、かつ双方は個々にネックを密閉できることが保証される。
【0027】
上側の閉止フラップ2は、第1の旋回路を通過した後は下側の閉止フラップ3の上側に当たるだけである。フランジの縁、図中では右側の縁、即ち旋回軸Sとは反対側の縁のさらなる動作線が、上側の閉止フラップ2のさらなる開放により下側の閉止フラップ3の上側の平面と交わるにつれて、燃料ノズルのフィラー管4が下側の閉止フラップ3に接触するまでもなく下側の閉止フラップ3内にも僅かな開放が発生する。
【0028】
同様にして、下側の閉止フラップ3は、上側の閉止フラップ2が第1の旋回路の領域へと戻ったときにのみ閉止するが、これは、燃料ノズルのフィラー管4が管材1から比較的遠位へ引き戻される場合にしか発生しない。燃料ノズルのフィラー管4と下側の閉止フラップ3との接触が失われた時点で既に下側の閉止フラップ3は閉止している早期の実施形態に比べて、閉止プロセスは、この場合もやはり事実上遅れて発生し、よって、燃料ノズルからまだ流れ出ている燃料は下側の閉止フラップ3を介してタンク内へ入ることができる。従って、これは、より多くの量の燃料が2つの閉止フラップ2、3間に集まること、またはタンクシステムのベントを介して外界に達することを防止する。
【0029】
上側の閉止フラップ2が下側の閉止フラップ3を押し開けることができるように、上側の閉止フラップ2は、記述されているフランジ領域に力の伝達領域5を有し、これは、第2の旋回路に達した時点で下側の閉止フラップの圧力領域6上に置かれる。
【0030】
圧力領域は、基本的には、力の伝達領域5と接触状態に至ることができる下側の閉止フラップ3の任意の部分から形成されることが可能である。
【0031】
しかしながら、特に好ましい実施形態は
図1に表されているものであって、この場合、上側の閉止フラップの旋回領域は、力の伝達領域5を除いて下側の閉止フラップ3より外側に存在する。またこの場合、力の伝達領域5は下側の閉止フラップ3自体ではなく、密閉領域の外側に配置される圧力領域6上を押すが、この圧力領域はこの場合、旋回軸Sを超えて反対方向へ下側の閉止フラップ3へと半径方向の外向きに方向づけられる、上側の閉止フラップ2の延長部として構成されている。これは、旋回の動作または半径の距離が力の伝達領域5および圧力領域6によって平衡されることに起因して、下側の閉止フラップを管ネック内へより深く配置することを可能にする。
【0032】
またこれは、とりわけ、下側の閉止フラップ3が、車体に影響を与える事故の効果から密閉フラップとして可能な限り十分に保護されるように、事実上フィラー管の領域内に存在しなければならないが、この領域内へ可能な限り深く配置されるべきものであるという理由から重要である。旋回軸から遠位に面する側面で上側の閉止フラップから半径方向へ延びる力の伝達部位により、かつ圧力領域を追加的または代替的に上へ動かして僅かに押し開ける任意選択の圧力領域により、下側の閉止フラップ3はこの場合、最適に配置されることが可能であり、しかも、上側の閉止フラップ2の旋回動作とは独立して開放されるべきフラップとして構成されることが可能である。これは、上側の閉止フラップが損傷されている、または全く不在であるとしても、一方で管ネックは密閉されたままであり、しかも、例えば空にするためにアクセス可能な状態に保たれることを意味する。
【0033】
図2は、本発明の変形例を表している。この場合、下側の閉止フラップ3は、上側の閉止フラップ2ではなく、開放レバー7の形式の補助コンポーネントによって開放状態に保持される。この開放レバー7に隣接して受け溝8が存在し、レバーはフィラー管4によってこの受け溝内へ変位されることが可能であり、かつ自在軸受もこの中に位置づけられる。しかしながら、局所的な空間状態によっては、このような受け溝8は省略されることも可能である。
【0034】
開放レバー7は、ここでは、下側の閉止フラップ3を開放状態に保持することができるように曲げられている。図示されている曲げに代わって、これは、角度付けされて、具体的には直角になるように構成されることも可能である。
【0035】
本発明の全ての実施形態では、下側の閉止フラップ3は、本発明による実施形態を通じてある特定の時間長さに渡って開放されたままであり、よって、フィラー管4からまだ流れ出ている燃料は、
図2の矢印線で表されているように、この開放部からタンクへ流れ込むことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 管材
2 上側の閉止フラップ
3 下側の閉止フラップ
4 フィラー管
5 力の伝達部位
6 圧力領域
7 開放レバー
8 受け溝
S 旋回軸