【実施例】
【0023】
図4、5に、この発明によるハイヒール3を開示する。図面によれば、ハイヒール3はアッパー4と、インソール5と、底面支持板6と、ヒール7とを具えてなる。
【0024】
アッパー4には履き口41が形成され、かつ接着、もしくは縫合などの方式でインソール5に接続する。
【0025】
インソール5は、ベース板51と前部パッド52とによってなる。ベース板51の後端、即ち踵が接触する位置には第1凹溝53を形成する。前部パッド52は、ベース板51の前端部であって、靴底の位置に接着する。また、前部パッド52には第2凹溝54と第3凹溝55とを形成する。
【0026】
第1凹溝53は、長辺がベース板51の長手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして、前述するようにベース板51の後端、即ち、ヒール7の位置に形成する。
【0027】
第2凹溝54は、長辺が前部パッド52の短手方向に沿った角丸長方形を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして前部パッド52の後端側に形成する。
【0028】
第3凹溝55は、長辺が前部パッド52の短手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして前部パッド52の前端側に形成する。
【0029】
以上の構成によればこの発明によるハイヒール3には踵側から爪先側に向かって第1凹溝53、第2凹溝54、第3凹溝55の順に凹溝が形成される。
【0030】
第1凹溝53には、第1凹溝53の形状に合わせて形成した軟性の第1パッド56を設ける。同様に第2凹溝54には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第2パッド57を、第3凹溝55には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第3パッド58をそれぞれ設け、これら第1パッド56、第2パッド57、第3パッド58を設けることによってインソール5の上面は平坦な状態になる。
【0031】
図5、6に開示するように、底面支持板6には、金属材、もしくは複合材によってなるシャンク6aを設ける。即ち、底面支持板6は、シャンク6aを埋設して射出成型によって形成する。また底面支持板6は、インソール5の後端側から前端側に向かって延伸し、かつ底面支持板6の前端はインソール5の前端に至る。さらに、インソール5の前端には、底面側から軟性の補助支持板6bを接着する。補助支持板6bを接着することによって、インソール5の前端部は、柔軟性と、緩衝の作用を具える。
【0032】
底面支持板6は、前端部61がインソール5の前部パッド52と重なりあってインソール5の底面側に設けられる。即ち、底面支持板6の前端部61は、インソール5の前部パッド52と重なり合ってインソール5の底面側に設けられる。このため、底面支持板6の前端部61は、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積を増加させる。
【0033】
底面支持板6の後端部62には複数の固定孔63を穿設する。また底面支持板6の前端部
61は、両端が凸起し、中間が凹状に形成される。即ち、底面支持板6の
前端部
61には、第1凸状支持部611と、第2凸状支持部612と凹状支持部613とが形成される。また底面支持板6の前端
部61は、凹状支持部613から第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とに向かって厚さが漸増する。即ち、底面支持板6の第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とにおける厚さは、凹状支持部613における厚さよりも厚い。
【0034】
第1凸状支持部611と第2凸状支持部612は、インソール5の底面部5bの地面E1への接触面積を増加させる。同時に第1凸状支持部611と第2凸状支持部612との二つの支持点、及び凹状支持部613からシャンク6aに至る支持線とによって、三角形状の力学的支持が形成される。よって、足8の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与えることができる。このため、ハイヒール3aを履いて立った場合、もしくは歩行時において安定性が得られる。
【0035】
図4、7に開示するように、ヒール7は所定の高さを具え、上端面を比較的広くして連結部71とする。連結部71には、底面支持板6の複数の固定孔63に対応する位置にそれぞれ凸柱72を一体に形成する。ヒール7を底面支持板6の後端部62に接続する場合は、連結部に接着剤を塗布し、かつ凸柱72を固定孔63に挿通させて接着する。
【0036】
ハイヒール3を組み立てる場合は、
図7に開示するように、インソール5を底面支持板6に接続し、さらにヒール7を底面支持板6に接続する。また、アッパー4を接着、もしくは縫合などの方式でインソール5に接続して組み立てを完成させる。
【0037】
図8に、この発明によるハイヒール3の使用態様を開示する。使用者が足8をアッパー4の履き口41から入れてハイヒール3を履いた場合、足8の踵81は、インソール5の踵部5aによって支持される。即ち、足8の踵81は第1凹溝53と第1パッド56上位置して、これらを圧迫する。
【0038】
足2の足底82はインソール3の底面部5bの位置で支持され、かつ足底82はインソール5の爪先端5cの位置で支持される。
【0039】
また、足2の爪先83は、第2凹溝55と第3凹溝58上に位置して、これらを圧迫する。さらに、足8の足底弓84は底面支持板6上に位置する。即ち、底面支持板6の支持によって、足8の足底弓84はインソール5に緊密に接触する。
【0040】
したがって、使用者の体重によって第1パッド56と、第2パッド57と、第3パッドが押し圧を受けて下方に向かって圧縮し、ハイヒール3のインソール5上に少なくとも3か所の緩衝点が形成される。即ち、第1凹溝53の前端、つまり第2凹溝54寄りの位置に第1緩衝点Aが形成され、第2凹溝54の前端、つまり第3凹溝寄りの位置に第2緩衝点A1が形成され、第3凹溝55の前端、つまりインソール5の前端寄りの位置に第3緩衝点A2が形成される。
【0041】
具体的に述べると、第1緩衝点Aは足8の踵81の前端に、第2緩衝点A1は足8の足底の前端に、第3緩衝点A2は足8の爪先83の前端に、それぞれ対応する位置に形成される。
【0042】
第1緩衝点Aと、第2緩衝点A1と、第3緩衝点A2とが形成されることによって、足8がハイヒール3内に在って前方に滑って移動する力を緩衝することができる。よって、足8にハイヒール3内における安全性を高め、履き心地を快適なものにすることができる。
【0043】
特に、第2緩衝点A1は足8の足底に対応する位置に在って、歩行時における足8の受ける衝撃を完全に吸収することができる。即ち、歩行時において足8の足底82が全体重によって受ける衝撃を緩衝し、足底82快適感を達成することができる。
【0044】
図9に開示するように、足8の足底弓84は、下方から底面支持板6を具えるインソール5によって支持される。よって、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積が増大する。このため、インソール5の底面部5bの位置において捩じれによる擺動が発生しにくくなり、同時に足底弓84が好ましい支持を得ることができる。即ち、足8のハイヒール3内における履き心地の良さを改善するとともに、傷害の発生を防ぎ安全性を高めることができる。
【0045】
この発明によるハイヒール3は、インソール5に第1凹溝53と第2凹溝54と第3凹溝55とを形成し、かつ第1凹溝53には、第1凹溝53の形状に合わせて形成した軟性の第1パッド56を設ける。同様に第2凹溝54には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第2パッド57を、第3凹溝55には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第3パッド58をそれぞれ設けることによって、インソール5には複数の」緩衝点が形成され、足8がハイヒール3内において滑って前方に移動する理からを緩衝することができる。このため、履き心地を改善し、安全性を高めることができる。
【0046】
また、第2緩点A1が足8の足底82に対応する位置に形成されるため、歩行時における衝撃を完全に吸収することができる。よって、足底82が体重による衝撃を受けることなく、足底82快適感を達成することができる。
【0047】
さらに、この発明によるハイヒール3はインソール5の底面側に底面支持板6を設け、かつ底面支持板6の前端部61は、インソール5の前部パッド52と重なり合ってインソール5の底面側に設けられる。このため、底面支持板6の前端部61は、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積を増加させる。このため、インソール5の底面部5bの位置において捩じれによる擺動が発生しにくくなり、同時に足底弓84が好ましい支持を得ることができる。即ち、足8のハイヒール3内における履き心地の良さを改善するとともに、傷害の発生を防ぎ安全性を高めることができる。
【0048】
また、底面支持板6の後端部62には複数の固定孔63を穿設し、かつヒール7上端面を比較的広くして連結部71とし、底面支持板6の複数の固定孔63に対応する位置にそれぞれ凸柱72を一体に形成する。ヒール7を底面支持板6の後端部62に接続する場合は、連結部に接着剤を塗布し、かつ凸柱72を固定孔63に挿通させて接着する。よってヒール7は極めて安定して底面支持板6に位置決めされ、固定される。このため、ヒール7が手面固定板6から外れることがなく、ヒール7のハイヒール3における効果を十分に達成することができる。
【0049】
さらに、底面支持板6の前端部は、両端が凸起し、中間が凹状に形成される。即ち、底面支持板6の後端部には、第1凸状支持部611と、第2凸状支持部612と凹状支持部613とが形成される。また底面支持板6の前端は、凹状支持部613から第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とに向かって厚さが漸増する。即ち、底面支持板6の1凸状支持部611と第2凸状支持部612とにおける厚さは、凹状支持部613における厚さよりも厚い。即ち、第1凸状態支持部611と第2凸状支持部との二つの支持点、及び凹状支持部613からシャンク6aに至る支持線とによって、三角形状の力学的支持が形成される。よって、足8の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与えることができる。このため、ハイヒール8を履いて立った場合、もしくは歩行時において安定性が得られる