特許第5792327号(P5792327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792327
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ハイヒール
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/28 20060101AFI20150917BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   A43B13/28
   A43B13/14 A
   A43B13/14 D
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-2798(P2014-2798)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-130930(P2015-130930A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2014年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】513323036
【氏名又は名称】李伯曜
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】李伯曜
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−111072(JP,A)
【文献】 特開2013−146563(JP,A)
【文献】 特開平03−275002(JP,A)
【文献】 特表2001−523981(JP,A)
【文献】 特表2008−536629(JP,A)
【文献】 特開平08−080201(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2601539(CN,Y)
【文献】 登録実用新案第3177013(JP,U)
【文献】 特開2009−101139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00−23/30
A43C 1/00−19/00
A43D 1/00−999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の履き口が設けられたアッパーと、
該アッパーを上面に接続し、かつ後端に第1凹溝を形成したベース板と、及び第2凹溝と第3凹溝が形成され該ベース板の前端部に接続する前部パッドとによってなるインソールと、
前端部と後端部とを具え、かつ該前端部が該前部パッドと重なり合って該インソールの底面側に設けられるとともに、シャンクを有する底面支持板と、
該底面支持板の後端部に接続するヒールと、を具えてなり、
前記第2凹溝は、長辺が該前部パッドの短手方向に沿った角丸長方形を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして該前部パッドの後端側に形成して溝前端に第2緩衝点を形成し、
前記インソールの第1凹溝と、第2凹溝と、第3凹溝とに、溝の形状に合わせて形成した軟性パッドである第1パッド、第2パッド、第3パッドをそれぞれ設け、
前記底面支持板は、
前端部の両端を凸起させ、かつ中間を凹状に形成することによって前端部に第1凸状支持部と、第2凸状支持部と凹状支持部とを形成し、
さらに該底面支持板の前端部は、該凹状支持部から該第1凸状支持部と該第2凸状支持部とに向かつて厚さを漸増させ、
該第1凸状支持部と該第2凸状支持部との二つの支持点、及び該凹状支持部から該シャンクに至る支持線とによって足の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与える三角形状の力学的支持を形成し、
前記第1凸状支持部、第2凸状支持部および凹状支持部の直上に前記第2凹溝および前記第2パッドが位置している
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項2】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記底面支持板がシャンクを埋設して射出成型によって一体に形成され、かつ足の足底弓に対応する位置に設けられる
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項3】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記シャンクが金属材、もしくは複合材によってなる
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項4】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記第1凹溝は、長辺が該ベース板の長手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして、該ベース板の後端の該ヒールを接続する位置に対応する位置に形成して溝前端に第1緩衝点を形成する
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項5】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記第3凹溝は、長辺が該前部パッドの短手方向に治った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして該前部パッドの前端側に形成して溝前端に第3緩衝点を形成する
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項6】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記底面支持板の後端部に複数の固定孔を穿設し、該ヒールは上端面を連結部とし、該連結部には、該底面支持板の複数の該固定孔に対応する位置にそれぞれ凸柱を一体に形成し、該凸柱を該固定孔に挿通させて該ヒールを該底面支持板に接続する
ことを特徴とするハイヒール。
【請求項7】
請求項1に記載のハイヒールにおいて、
前記インソールの前端には、底面側から軟性の補助支持板を接着する
ことを特徴とするハイヒール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、靴の構造に関するものであって、特に履き心地と安全性を改善したハイヒールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
女性の背を高く見せるため、また女性特有の歩く風情を醸し出すため、ハイヒールが生み出された。図1、2に開示するように、従来のハイヒール1は、アッパー11と、インソール12と、アウトソール13と、ヒール14とを具えてなる。
【0003】
アッパー11には履き口111が形成され、接着、もしくは縫合などの方式でインソール12上に接続され、アッパー11を接続したインソール12は、同様に接着、もしくは縫合などの方式でアウトソール13に接続する。また、インソール12上には軟性のパッド121を設ける。
【0004】
アウトソール13上には、金属材を短冊状にしたシャンク131を設ける。インソール12をアウトソール12に接続すると、シャンク131はインソール12とアウトソール13との間に介在する。
【0005】
シャンク13の踵に当たる位置には固定孔1311を穿設し、固定部材Pを固定孔1311に挿通させてアウトソール13にヒール14を接続する。ヒール13は所定の高さを有し、ハイヒール1の踵の位置に一定の高さを具えさせる。
【0006】
ハイヒール1を履く場合は、アッパー11に形成された履き口111から足2を入れる。この場合、足2は踵21と足底22がインソール12に接触して全体重を支える。よって、インソール12は圧力を受けてアウトソール13に押し付けられる。但し、足底弓は何ら支持をも受けていない。
【0007】
インソール12とアウトソール13の前端部は、いずれも平面状を呈する。よって、従来のハイヒール1を履いた場合、足2の踵21と足底22が前方に滑り、かつ動きを止める何ら構造も有しない。よって、足2の傷害を容易に招く。
【0008】
また、図3に開示するように、従来のハイヒール1は、アウトソール13に接続したヒール14が所定の高さを有するとともに、底面部1aの地面Eに接触する部分は、底面部1aの中央の部分に集中する。言い換えれば、ハイヒール1の底面1aの両側面は地面Eとある程度の間隔が空く。このため、ハイヒール1を履いて歩く場合、ハイヒール1の底面1aが擺動する。しかも、前述するように足底弓は何ら支持を受けていない。このため、歩く際に過大な捩じれの変形量が足底弓23に発生し、足2の違和感を招く。甚だしくは足底弓23の傷害を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、足が前方に滑ることがなく、履き心地を改善し、安全性を高めるハイヒールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者はハイヒールにみられる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アッパーと、インソールと、底面支持板と、ヒールとを具えてなり、該アッパーに少なくとも1以上の履き口が設けられ、該インソール上に該アッパーを接続し、かつ該インソールが後端に第1凹溝を形成したベース板と、及び第2凹溝と第3凹溝が形成され該ベース板の前端部に接続する前部パッドとによってなり、該底面支持板が前端部と後端部とを具え、かつ該前端部が該前部パッドと重なり合って該インソールの底面側に設けられ、該ヒールが該底面支持板の後端部に接続するハイヒールによって欠点を改善できる点に着眼し、係る知見に基づいて本発明を完成させた。
【0011】
本発明のハイヒールは、
少なくとも1以上の履き口が設けられたアッパーと、
該アッパーを上面に接続し、かつ後端に第1凹溝を形成したベース板と、及び第2凹溝と第3凹溝が形成され該ベース板の前端部に接続する前部パッドとによってなるインソールと、
前端部と後端部とを具え、かつ該前端部が該前部パッドと重なり合って該インソールの底面側に設けられるとともに、シャンクを有する底面支持板と、
該底面支持板の後端部に接続するヒールと、を具えてなり、
前記第2凹溝は、長辺が該前部パッドの短手方向に沿った角丸長方形を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして該前部パッドの後端側に形成して溝前端に第2緩衝点を形成し、
前記インソールの第1凹溝と、第2凹溝と、第3凹溝とに、溝の形状に合わせて形成した軟性パッドである第1パッド、第2パッド、第3パッドをそれぞれ設け、
前記底面支持板は、
前端部の両端を凸起させ、かつ中間を凹状に形成することによって前端部に第1凸状支持部と、第2凸状支持部と凹状支持部とを形成し、
さらに該底面支持板の前端部は、該凹状支持部から該第1凸状支持部と該第2凸状支持部とに向かつて厚さを漸増させ、
該第1凸状支持部と該第2凸状支持部との二つの支持点、及び該凹状支持部から該シャンクに至る支持線とによって足の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与える三角形状の力学的支持を形成し、
前記第1凸状支持部、第2凸状支持部および凹状支持部の直上に前記第2凹溝および前記第2パッドが位置している
ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載するハイヒールは、請求項1における底面支持板がシャンクを埋設して射出成型によって一体に形成され、かつ足の足底弓に対応する位置に設けられる。
【0013】
請求項3に記載するハイヒールは、請求項1におけるシャンクが金属材、もしくは複合材によってなる。
【0015】
本発明では、
前記第1凹溝は、長辺が該ベース板の長手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして、該ベース板の後端の該ヒールを接続する位置に対応する位置に形成して溝前端に第1緩衝点を形成する
ことが好ましい。
【0017】
本発明では、
前記第3凹溝は、長辺が該前部パッドの短手方向に治った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして該前部パッドの前端側に形成して溝前端に第3緩衝点を形成する
ことが好ましい。
【0018】
本発明では、
前記底面支持板の後端部に複数の固定孔を穿設し、該ヒールは上端面を連結部とし、該連結部には、該底面支持板の複数の該固定孔に対応する位置にそれぞれ凸柱を一体に形成し、該凸柱を該固定孔に挿通させて該ヒールを該底面支持板に接続する
ことが好ましい。
【0020】
本発明では、
前記インソールの前端には、底面側から軟性の補助支持板を接着する
ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のハイヒールの構造と使用態様を示した説明図である。
図2図1に開示するハイヒールの一部分解図である。
図3図1に開示するハイヒールの使用状態を示した説明図である。
図4】この発明によるハイヒールの構造を示した断面図である。
図5】この発明における底面支持板の構造を示した説明図である。
図6】底面側から見た底面支持板の斜視図である。
図7】この発明におけるインソールとヒールを示した説明図である。
図8】この発明によるハイヒールの使用態様を示した説明図である。
図9】この発明によるハイヒールが地面に接触した状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明は、足が前方に滑ることがなく、履き心地を改善し、安全性を高めるハイヒールを提供するものであって、 少なくとも1以上の履き口が設けられたアッパーと、該アッパーを上面に接続し、かつ後端に第1凹溝を形成したベース板と、及び第2凹溝と第3凹溝が形成され該ベース板の前端部に接続する前部パッドとによってなるインソールと、前端部と後端部とを具え、かつ該前端部が該前部パッドと重なり合って該インソールの底面側に設けられる底面支持板と、該底面支持板の後端部に接続するヒールと、を具えてなる。係るハイヒールの構造と特徴を説明するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。
【実施例】
【0023】
図4、5に、この発明によるハイヒール3を開示する。図面によれば、ハイヒール3はアッパー4と、インソール5と、底面支持板6と、ヒール7とを具えてなる。
【0024】
アッパー4には履き口41が形成され、かつ接着、もしくは縫合などの方式でインソール5に接続する。
【0025】
インソール5は、ベース板51と前部パッド52とによってなる。ベース板51の後端、即ち踵が接触する位置には第1凹溝53を形成する。前部パッド52は、ベース板51の前端部であって、靴底の位置に接着する。また、前部パッド52には第2凹溝54と第3凹溝55とを形成する。
【0026】
第1凹溝53は、長辺がベース板51の長手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして、前述するようにベース板51の後端、即ち、ヒール7の位置に形成する。
【0027】
第2凹溝54は、長辺が前部パッド52の短手方向に沿った角丸長方形を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして前部パッド52の後端側に形成する。
【0028】
第3凹溝55は、長辺が前部パッド52の短手方向に沿った楕円形に近い形状を呈し、中央部を深く、かつ周囲を浅くして前部パッド52の前端側に形成する。
【0029】
以上の構成によればこの発明によるハイヒール3には踵側から爪先側に向かって第1凹溝53、第2凹溝54、第3凹溝55の順に凹溝が形成される。
【0030】
第1凹溝53には、第1凹溝53の形状に合わせて形成した軟性の第1パッド56を設ける。同様に第2凹溝54には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第2パッド57を、第3凹溝55には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第3パッド58をそれぞれ設け、これら第1パッド56、第2パッド57、第3パッド58を設けることによってインソール5の上面は平坦な状態になる。
【0031】
図5、6に開示するように、底面支持板6には、金属材、もしくは複合材によってなるシャンク6aを設ける。即ち、底面支持板6は、シャンク6aを埋設して射出成型によって形成する。また底面支持板6は、インソール5の後端側から前端側に向かって延伸し、かつ底面支持板6の前端はインソール5の前端に至る。さらに、インソール5の前端には、底面側から軟性の補助支持板6bを接着する。補助支持板6bを接着することによって、インソール5の前端部は、柔軟性と、緩衝の作用を具える。
【0032】
底面支持板6は、前端部61がインソール5の前部パッド52と重なりあってインソール5の底面側に設けられる。即ち、底面支持板6の前端部61は、インソール5の前部パッド52と重なり合ってインソール5の底面側に設けられる。このため、底面支持板6の前端部61は、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積を増加させる。
【0033】
底面支持板6の後端部62には複数の固定孔63を穿設する。また底面支持板6の前端部61は、両端が凸起し、中間が凹状に形成される。即ち、底面支持板6の端部61には、第1凸状支持部611と、第2凸状支持部612と凹状支持部613とが形成される。また底面支持板6の前端部61は、凹状支持部613から第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とに向かって厚さが漸増する。即ち、底面支持板6の第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とにおける厚さは、凹状支持部613における厚さよりも厚い。

【0034】
第1凸状支持部611と第2凸状支持部612は、インソール5の底面部5bの地面E1への接触面積を増加させる。同時に第1凸状支持部611と第2凸状支持部612との二つの支持点、及び凹状支持部613からシャンク6aに至る支持線とによって、三角形状の力学的支持が形成される。よって、足8の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与えることができる。このため、ハイヒール3aを履いて立った場合、もしくは歩行時において安定性が得られる。
【0035】
図4、7に開示するように、ヒール7は所定の高さを具え、上端面を比較的広くして連結部71とする。連結部71には、底面支持板6の複数の固定孔63に対応する位置にそれぞれ凸柱72を一体に形成する。ヒール7を底面支持板6の後端部62に接続する場合は、連結部に接着剤を塗布し、かつ凸柱72を固定孔63に挿通させて接着する。
【0036】
ハイヒール3を組み立てる場合は、図7に開示するように、インソール5を底面支持板6に接続し、さらにヒール7を底面支持板6に接続する。また、アッパー4を接着、もしくは縫合などの方式でインソール5に接続して組み立てを完成させる。
【0037】
図8に、この発明によるハイヒール3の使用態様を開示する。使用者が足8をアッパー4の履き口41から入れてハイヒール3を履いた場合、足8の踵81は、インソール5の踵部5aによって支持される。即ち、足8の踵81は第1凹溝53と第1パッド56上位置して、これらを圧迫する。
【0038】
足2の足底82はインソール3の底面部5bの位置で支持され、かつ足底82はインソール5の爪先端5cの位置で支持される。
【0039】
また、足2の爪先83は、第2凹溝55と第3凹溝58上に位置して、これらを圧迫する。さらに、足8の足底弓84は底面支持板6上に位置する。即ち、底面支持板6の支持によって、足8の足底弓84はインソール5に緊密に接触する。
【0040】
したがって、使用者の体重によって第1パッド56と、第2パッド57と、第3パッドが押し圧を受けて下方に向かって圧縮し、ハイヒール3のインソール5上に少なくとも3か所の緩衝点が形成される。即ち、第1凹溝53の前端、つまり第2凹溝54寄りの位置に第1緩衝点Aが形成され、第2凹溝54の前端、つまり第3凹溝寄りの位置に第2緩衝点A1が形成され、第3凹溝55の前端、つまりインソール5の前端寄りの位置に第3緩衝点A2が形成される。
【0041】
具体的に述べると、第1緩衝点Aは足8の踵81の前端に、第2緩衝点A1は足8の足底の前端に、第3緩衝点A2は足8の爪先83の前端に、それぞれ対応する位置に形成される。
【0042】
第1緩衝点Aと、第2緩衝点A1と、第3緩衝点A2とが形成されることによって、足8がハイヒール3内に在って前方に滑って移動する力を緩衝することができる。よって、足8にハイヒール3内における安全性を高め、履き心地を快適なものにすることができる。
【0043】
特に、第2緩衝点A1は足8の足底に対応する位置に在って、歩行時における足8の受ける衝撃を完全に吸収することができる。即ち、歩行時において足8の足底82が全体重によって受ける衝撃を緩衝し、足底82快適感を達成することができる。
【0044】
図9に開示するように、足8の足底弓84は、下方から底面支持板6を具えるインソール5によって支持される。よって、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積が増大する。このため、インソール5の底面部5bの位置において捩じれによる擺動が発生しにくくなり、同時に足底弓84が好ましい支持を得ることができる。即ち、足8のハイヒール3内における履き心地の良さを改善するとともに、傷害の発生を防ぎ安全性を高めることができる。
【0045】
この発明によるハイヒール3は、インソール5に第1凹溝53と第2凹溝54と第3凹溝55とを形成し、かつ第1凹溝53には、第1凹溝53の形状に合わせて形成した軟性の第1パッド56を設ける。同様に第2凹溝54には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第2パッド57を、第3凹溝55には、溝の形状に合わせて形成した軟性の第3パッド58をそれぞれ設けることによって、インソール5には複数の」緩衝点が形成され、足8がハイヒール3内において滑って前方に移動する理からを緩衝することができる。このため、履き心地を改善し、安全性を高めることができる。
【0046】
また、第2緩点A1が足8の足底82に対応する位置に形成されるため、歩行時における衝撃を完全に吸収することができる。よって、足底82が体重による衝撃を受けることなく、足底82快適感を達成することができる。
【0047】
さらに、この発明によるハイヒール3はインソール5の底面側に底面支持板6を設け、かつ底面支持板6の前端部61は、インソール5の前部パッド52と重なり合ってインソール5の底面側に設けられる。このため、底面支持板6の前端部61は、インソール5の底面部5bの地面E1に接触する面積を増加させる。このため、インソール5の底面部5bの位置において捩じれによる擺動が発生しにくくなり、同時に足底弓84が好ましい支持を得ることができる。即ち、足8のハイヒール3内における履き心地の良さを改善するとともに、傷害の発生を防ぎ安全性を高めることができる。
【0048】
また、底面支持板6の後端部62には複数の固定孔63を穿設し、かつヒール7上端面を比較的広くして連結部71とし、底面支持板6の複数の固定孔63に対応する位置にそれぞれ凸柱72を一体に形成する。ヒール7を底面支持板6の後端部62に接続する場合は、連結部に接着剤を塗布し、かつ凸柱72を固定孔63に挿通させて接着する。よってヒール7は極めて安定して底面支持板6に位置決めされ、固定される。このため、ヒール7が手面固定板6から外れることがなく、ヒール7のハイヒール3における効果を十分に達成することができる。
【0049】
さらに、底面支持板6の前端部は、両端が凸起し、中間が凹状に形成される。即ち、底面支持板6の後端部には、第1凸状支持部611と、第2凸状支持部612と凹状支持部613とが形成される。また底面支持板6の前端は、凹状支持部613から第1凸状支持部611と第2凸状支持部612とに向かって厚さが漸増する。即ち、底面支持板6の1凸状支持部611と第2凸状支持部612とにおける厚さは、凹状支持部613における厚さよりも厚い。即ち、第1凸状態支持部611と第2凸状支持部との二つの支持点、及び凹状支持部613からシャンク6aに至る支持線とによって、三角形状の力学的支持が形成される。よって、足8の内側縦足弓、外側縦足弓及び横足弓に支持を与えることができる。このため、ハイヒール8を履いて立った場合、もしくは歩行時において安定性が得られる
【符号の説明】
【0050】
1 ハイヒール
1a 底面部
11 アッパー
12 インソール
121 軟性パッド
13 アウトソール
131 シャンク
14 ヒール
2 足
21 踵
22 足底
3 ハイヒール
4 アッパー
41 履き口
5 インソール
5b 底面部
5c 爪先端
51 ベース板
52 前部パッド
53 第1凹溝
54 第2凹溝
55 第3凹溝
56 第1パッド
57 第2パッド
58 第3パッド
6 底面支持板
6a シャンク
6b 補助支持板
61 前端部
611 第1凸状支持部
612 第2凸状支持部
613 凹状支持部
62 後端部
63 固定孔
7 ヒール
71 連結部
72 凸柱
8 足
81 踵
82 足底
83 爪先
84 足底弓
A 第1緩衝点
A1 第2緩衝点
A2 第3緩点
E 地面
E1 地面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9