特許第5792352号(P5792352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5792352
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ワーク昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/26 20060101AFI20150917BHJP
   B23Q 1/44 20060101ALI20150917BHJP
   B23Q 1/01 20060101ALI20150917BHJP
   B23Q 1/64 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   B23Q1/26 Z
   B23Q1/44 J
   B23Q1/01 T
   B23Q1/64 D
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-116023(P2014-116023)
(22)【出願日】2014年6月4日
【審査請求日】2015年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩
(72)【発明者】
【氏名】西村 大
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌海
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−143854(JP,A)
【文献】 特開2008−229816(JP,A)
【文献】 特開平04−159040(JP,A)
【文献】 米国特許第06073551(US,A)
【文献】 実開昭59−130897(JP,U)
【文献】 特開2012−228740(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/020164(WO,A1)
【文献】 特開2014−180718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00−1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降可能に支持され、ワークが搭載されるワーク台と、
該ワーク台に連結され、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台を昇降させるリンク機構と、
該リンク機構を伝達部材を介して回転駆動する駆動機構とを備え、
前記リンク機構は、前記ワーク台に連結された一対の第1,第2リンク機構を有し、
前記伝達部材は、前記第1,第2リンク機構に回転運動を伝達する第1,第2伝達部材を有し、
前記駆動機構は、前記第1,第2伝達部材を1つの共通の駆動源により回転駆動し、
さらに前記第1,第2リンク機構は、前記第1,第2伝達部材で回転駆動される第1,第2回転アームと、該第1,第2回転アームの先端部が連結されるカム溝を有し、前記ワーク台が架け渡して固定された第1,第2カムプレートとを有する
ことを特徴とするワーク昇降装置。
【請求項2】
昇降可能に支持され、ワークが搭載されるワーク台と、
該ワーク台に連結され、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台を昇降させるリンク機構と、
該リンク機構を伝達部材を介して回転駆動する駆動機構とを備え、
前記リンク機構は、前記ワーク台に連結された一対の第1,第2リンク機構を有し、
前記伝達部材は、前記第1,第2リンク機構に回転運動を伝達する第1,第2伝達部材を有し、
前記駆動機構は、前記第1,第2伝達部材を1つの共通の駆動源により回転駆動し、
さらに当該ワーク昇降装置は、傾転可能なワーク傾転装置に搭載されており、
前記駆動機構は、前記ワーク昇降装置のフレームと前記ワーク傾転装置の底部との間に配置されている
ことを特徴とするワーク昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工作機械において、ワーク加工位置と該加工位置より上方のワーク搬送位置との間でワークを昇降させるワーク昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械でワークを機械加工する場合に、ワークを昇降可能とする従来のワーク昇降装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来装置では、基台にシリンダ機構を該基台から下方に突出するように配設し、該シリンダ機構のピストンロッドの上端にワーク設置用テーブルを、水平をなすように固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−172532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の従来装置では、昇降ストロークが大きくなるほど前記シリンダ機構が長くなり、工作機械に組み込んだ場合、機械全体が大型化する問題がある。特に、前記ワーク設置用テーブルを旋回させるように構成した場合は、前記シリンダ機構が基台から下方に長く延びている分、旋回半径が大きくなる。
【0005】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、昇降ストロークが大きくなっても機械全体の大型化を抑制できるワーク昇降装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、昇降可能に支持され、ワークが搭載されるワーク台と、該ワーク台に連結され、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台を昇降させるリンク機構と、該リンク機構を伝達部材を介して回転駆動する駆動機構とを備え、
前記リンク機構は、前記ワーク台に連結された一対の第1,第2リンク機構を有し、前記伝達部材は、前記第1,第2リンク機構に回転運動を伝達する第1,第2伝達部材を有し、前記駆動機構は、前記第1,第2伝達部材を1つの共通の駆動源により回転駆動し、
さらに前記第1,第2リンク機構は、前記第1,第2伝達部材で回転駆動される第1,第2回転アームと、該第1,第2回転アームの先端部が連結されるカム溝を有し、前記ワーク台が架け渡して固定された第1,第2カムプレートとを有することを特徴とするワーク昇降装置である。
【0007】
請求項2の発明は、昇降可能に支持され、ワークが搭載されるワーク台と、該ワーク台に連結され、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台を昇降させるリンク機構と、該リンク機構を伝達部材を介して回転駆動する駆動機構とを備え、
前記リンク機構は、前記ワーク台に連結された一対の第1,第2リンク機構を有し、前記伝達部材は、前記第1,第2リンク機構に回転運動を伝達する第1,第2伝達部材を有し、前記駆動機構は、前記第1,第2伝達部材を1つの共通の駆動源により回転駆動し、
さらに当該ワーク昇降装置は、傾転可能なワーク傾転装置に搭載されており、
前記駆動機構は、前記ワーク昇降装置のフレームと前記ワーク傾転装置の底部との間に配置されていることを特徴とするワーク昇降装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,2の発明によれば、昇降可能に支持されたワーク台を、駆動機構により伝達部材を介して回転駆動されるリンク機構により回転運動を昇降運動に変えて昇降させるようにしたので、昇降ストロークを拡大し易いことから、前記シリンダ機構によりテーブルを昇降させる場合のように昇降ストロークを拡大するにはそのままシリンダ機構が大きくなり、その結果、機械全体が大型化する従来装置に比較して機械全体の大型化を抑制することができる。
【0011】
請求項1,2の発明によれば、一対の第1,第2リンク機構を第1,第2伝達部材を介して1つの共通の駆動源により回転駆動するようにしたので、駆動源を第1,第2リンク機構の間に設けることで、機械全体の大型化をより一層確実に抑制することができる。また、2つのリンク機構を1つの駆動源で駆動するので、コストの上昇を抑制できる。
【0012】
請求項1の発明によれば、前記第1,第2リンク機構を、前記第1,第2伝達部材で回転駆動される第1,第2回転アームの先端部を第1,第2カムプレートのカム溝に連結し、該第1,第2カムプレートにワーク台を架け渡して固定した構成としたので、第1,第2回転アームのアーム長の2倍の昇降ストロークを確保でき、前記機械全体の大型化をより一層確実に抑制できる。
【0013】
請求項2の発明によれば、ワーク昇降装置をワーク傾転装置に搭載したので、ワーク昇降装置に搭載されたワークをワーク傾転装置の傾転によりそのまま機械加工に適した状態に位置決めして直ちに機械加工を施すことができる。そして機械加工が終了したワークをワーク昇降装置により直ちにワーク搬送位置に上昇させることができ、その結果、ワークを機械加工し、次工程に移動するという一連の動作に必要な時間を短縮することができる。
【0014】
また、駆動機構を、ワーク昇降装置のフレームとワーク傾転装置の底部との間の空間を利用して配置したので、ワーク昇降装置をワーク傾転装置に搭載しながら装置全体の高さ方向寸法の拡大を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係るワーク昇降装置をワーク傾転装置に搭載した状態の正面図である。
図2】前記ワーク昇降装置をワーク傾転装置に搭載した状態の平面図である。
図3】前記ワーク昇降装置の概略構成を示すための模式斜視図である。
図4】前記ワーク昇降装置の最大ストローク時の正面図である。
図5】前記ワーク昇降装置の最小ストローク時の正面図である。
図6】前記ワーク昇降装置の動作を説明するための模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1図6は、本発明の実施例1に係るワーク昇降装置を説明するための図である。
【0018】
図において、1はワークWを水平の傾転軸A回りに傾転可能とするためのワーク傾転装置であり、該ワーク傾転装置1内に、ワークWを垂直のB方向に昇降可能に構成されたワーク昇降装置2が搭載されている。
【0019】
前記ワーク傾転装置1は、ワーク昇降装置2に固定されたワークWを機械加工に適した角度位置等の最適状態に該ワーク昇降装置2ごと傾転させ、該角度位置に位置決めする。この状態で図示しない工作機械により、ワークWに各種の機械加工が施される。
【0020】
前記ワーク傾転装置1は、左,右の支持壁部1a,1a内に駆動部1b,1bを回転割り出し位置決め可能に配設した概略構造のものである。なお、1cは機体カバーである。
【0021】
前記ワーク昇降装置2は、左,右一対の側壁部3a,3aと、該両側壁部3a,3aの下端部同士に架け渡して固定された底壁部3bとからなるフレーム3を有し、該フレーム3の左,右の側壁部3a,3aが前記ワーク傾転装置1の前記駆動部1b,1bに固定されている。
【0022】
前記フレーム3の前記左,右の側壁部3a,3a間には、ワーク台4が前記B方向に昇降可能に配置されている。このワーク台4には、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台4を昇降させる左,右(第1,第2)のリンク機構5,5が連結されており、該リンク機構5,5は左,右(第1,第2)の伝達ロッド6,6を介して共通の駆動機構7により回転駆動される。
【0023】
前記ワーク台4は、平面視で矩形枠状のもので、前記ワークWの搭載に対応した形状,大きさに設定されている。なお、符号16は、ワークWを前記ワーク台4上に固定するためのクランプ装置である。
【0024】
前記ワーク台4の左,右縁部には左,右の支持部材4a,4aが固定されており、該支持部材4a,4aの前,後端部(図2の上,下端部)には支持プレート4b,4bの一端部が固定されており、該各支持プレート4bの他端部にはガイド筒4cが固定されている。該各ガイド筒4cは前記B方向に延びるガイドロッド4dによりスライド可能に支持されている。該各ガイドロッド4dは前記フレーム3の左,右の側壁部3aの前,後縁部に固定されている。このようにして前記ワーク台4は前記B方向に昇降可能となっている。
【0025】
前記各リンク機構5は、回転アーム8と、該回転アーム8の先端部に取り付けられたカムフォロア9と、該カムフォロア9が転動するカム溝10aを有するカムプレート10とを有する。
【0026】
前記回転アーム8の基端部は回転軸8aに固定されている。この回転軸8aは、前記フレーム3の側壁部3aの内側面に固定されたギヤボックス11a内に挿入され、図示しない軸受により回転自在に支持されている。この回転軸8aには、後述するウォームギヤ機構12のはす歯歯車12aが形成されている。
【0027】
前記カムプレート10の前記カム溝10aは前記昇降方向と直交する水平方向に延びるように形成されている。そしてこのカムプレート10は、前記ワーク台4の左,右の支持部材4aの外面に固定されている。これにより前記ワーク台4は、水平方向に向けて前記左,右のカムプレート5,5に架け渡されていることとなる。
【0028】
前記伝達ロッド6,6は、前記ガイドロッド4dと平行に、かつ回転可能に配置されている。該各伝達ロッド6の上端部は前記ギヤボックス11a内に挿入され、図示しない軸受により回転可能に支持されている。また該伝達ロッド6の上端部にはねじ歯車が形成され、該ねじ歯車12bは前記はす歯歯車12aに噛合しており、これにより伝達ロッド6の回転を該ロッド6に直交する回転軸8aに伝達するウォームギヤ機構12が構成されている。前記伝達ロッド6の下端部は、軸受ボックス11bにより回転可能に支持されており、該軸受ボックス11bから下方への突出部にはスプロケット6aが装着されている。なお、前記軸受ボックス11bは前記フレーム3の底壁部3bにブラケットを介して固定されている。
【0029】
前記駆動機構7は、前記フレーム3の底壁部3bとワーク傾転装置1の底部1dとの間に配置されており、具体的には、前記底壁部3bの下面に回転軸13aを下方に向けて配置固定された油圧モータ(駆動源)13と、該油圧モータ13の左,右近傍に回転軸14aを下方に向けて配置固定されたガイドボックス14,14とを備えている。なお、前記駆動機構7は、前記底壁部3bの下面に取り付けられたカバー7aにより囲まれている。
【0030】
前記油圧モータ13の回転軸13aに固定された駆動スプロケット13bと、ガイドボックス14で軸支されたガイド軸14aに固定されガイドスプロケット14b,14bと、前記左,右の伝達ロッド6,6の伝達スプロケット6a,6aとには無端状の駆動チェーン15が巻回されている。なお、前記ガイドスプロケット14b,14bは、前記駆動スプロケット13bの巻き掛け角度を確保するためのものである。
【0031】
なお、図示していないが、前記油圧モータ13への油圧供給通路は、前記ワーク傾転装置1の駆動部1b,1bを貫通し、前記フレーム3の側壁部3aから底壁部3bを通るように形成されている。
【0032】
本実施例のワーク昇降装置2では、油圧モータ13の回転が駆動チェーン15から伝達ロッド6,ウォームギヤ機構12を介して回転アーム8に伝達される。該回転アーム8は、これのカムフォロア9をカムプレート10のカム溝10a内を転動させつつ回転することで該カムプレート10ひいてはワーク台4を、図6に示すように昇降させる。
【0033】
前記昇降動作において、図3に示すように、右側の回転アーム8は反時計回りに回動するのに対し、左側の回転アーム8は時計回りに回動する。即ち、平面視で、左,右のカムフォロア9,9による左,右のカムプレート10,10の支持ポイントは、前記傾転軸Aの前,後に振り分けられている。そのためワーク台4を安定して支持することができる。
【0034】
本実施例1では、駆動機構7により伝達ロッド6を介して回転アーム8を回転させ、該回転アーム8の回転運動をカムフォロア9とカムプレート10とによりワーク台4の昇降運動に変えるように構成したので、回転アーム8の長さの2倍の昇降ストロークを確保できることから、前記従来のシリンダ機構による装置に比較して機械全体の大型化を抑制することができる。
【0035】
また本実施例では、回転アーム8の回転中心高さが固定されており、該回転中心の下側と上側との間でワーク台4を昇降させるようにしているので、ワークW の昇降による重心移動を抑制でき、機械全体の重心バランスが良好となる。
【0036】
また、2つのリンク機構5,5を、該両リンク機構の中間に設けた1つの共通の油圧モータ13により駆動チェーン15及び伝達ロッド6を介して駆動するようにしたので、両リンク機構5,5の動作を容易確実に同期させることができ、さらに上述のように左,右のリンク機構5,5によるワーク台4の支持ポイントが振り分け配置されていることから、ワーク台4の支持状態を安定させることができる。
【0037】
また2つのリンク機構5,5を1つの駆動源で駆動するので、コストの上昇を抑制できる。
【0038】
また本実施例では、ワーク昇降装置2を、ワーク傾転装置1に搭載し、前記駆動機構7をワーク昇降装置2のフレーム3の底壁部3bとワーク傾転装置1の底部との間の空間を利用して配置したので、ワーク昇降装置2を設けたことにより装置全体の高さ方向の寸法が拡大するのを回避できる。
【0039】
またワーク昇降装置2をワーク傾転装置1に搭載したので、ワーク昇降装置2に搭載されたワークWをワーク傾転装置1の傾転によりそのまま機械加工に適した状態に位置決めして直ちに機械加工を施すことができる。そして機械加工が終了したワークWをワーク昇降装置2により直ちにワーク搬送位置に上昇させることができ、その結果、ワークWを機械加工し、次工程に移動するという一連の動作に必要な時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ワーク傾転装置
1d 底部
2 ワーク昇降装置
4 ワーク台
5,5 左,右のリンク機構(第1,第2リンク機構)
6,6 左,右の伝達ロッド(第1,第2伝達部材)
7 駆動機構
8,8 左,右の回転アーム(第1,第2回転アーム)
9 カムフォロア(回転アームの先端部)
10,10 左,右のカムプレート(第1,第2カムプレート)
10a カム溝
13 油圧モータ(駆動源)
W ワーク
【要約】
【課題】昇降ストロークが大きくなっても機械全体の大型化を抑制できるワーク昇降装置を提供する。
【解決手段】
昇降可能に支持され、ワークWが搭載されるワーク台4と、該ワーク台4に連結され、回転運動を昇降運動に変えて該ワーク台4を昇降させるリンク機構5と、該リンク機構5を伝達部材6を介して回転駆動する駆動機構7とを備えた。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6