特許第5792379号(P5792379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許5792379自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更
<>
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000005
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000006
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000007
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000008
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000009
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000010
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000011
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000012
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000013
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000014
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000015
  • 特許5792379-自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792379
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】自律的に自動中断させるネットワーク要素のためのメッセージフロールート変更
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20150928BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H04W24/06
   G06F13/00 351N
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-513015(P2014-513015)
(86)(22)【出願日】2012年5月22日
(65)【公表番号】特表2014-518463(P2014-518463A)
(43)【公表日】2014年7月28日
(86)【国際出願番号】CA2012050334
(87)【国際公開番号】WO2012162823
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2014年1月29日
(31)【優先権主張番号】13/149,514
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チヤガラジヤン,マニツカ
(72)【発明者】
【氏名】ラシユリー,マイケル・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】エスキシオグルー,スアト・アール
(72)【発明者】
【氏名】マートン,シヤバ
(72)【発明者】
【氏名】ナズ,ナウシーン
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−112163(JP,A)
【文献】 特開2005−175915(JP,A)
【文献】 特開2008−171296(JP,A)
【文献】 特開2005−018245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0286439(US,A1)
【文献】 特開2007−174045(JP,A)
【文献】 特開平05−120164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポートバッファを有するポートと、
前記ポートバッファに記憶されたメッセージを処理する標準プロトコルプロセッサと、
前記ポートバッファへのアクセスを有するテストプロトコルプロセッサと
を含むネットワーク要素であって、
前記テストプロトコルプロセッサが、
前記ポートバッファに記憶された第1のプロトコルメッセージが所定のメッセージタイプに対応する場合に、第1の統計的分布に従って第1の値を生成し、
前記第1の値を第1の閾値と比較し、
前記第1の値が前記第1の閾値の一方の側にある場合に、前記第1のプロトコルメッセージを前記ポートバッファから取り除き、
前記ポートバッファの前記第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替えるように
構成されている、ネットワーク要素。
【請求項2】
前記テストプロトコルプロセッサが、
前記第1の値が前記第1の閾値のもう一方の側にある場合に、一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布の組から選択される第2の統計的分布に従って、第2の値を生成し、
前記第2の値を第2の閾値と比較し、
前記第2の値が前記第2の閾値の一方の側にある場合に、前記第1のプロトコルメッセージに遅延を関連付け、
前記第1のプロトコルメッセージを前記ポートバッファから取り除くように
さらに構成されており、
前記第1のプロトコルメッセージを前記対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替える前記ステップが、前記関連付けられた遅延の期間の後で行われる、
請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項3】
前記テストプロトコルプロセッサが、前記取り替えるステップよりも前に、
一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布の組から選択される第3の統計的分布に従って、第3の値を生成し、
前記第3の値を第3の閾値と比較し、
前記第3の値が前記第3の閾値の一方の側にある場合に、メッセージコンテンツにおける変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに関連付け、
メッセージコンテンツにおける前記関連付けられた変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに提供するように
さらに構成されている、請求項2に記載のネットワーク要素。
【請求項4】
前記テストプロトコルプロセッサが、前記取り替えるステップよりも前に、
一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布の組から選択される第4の統計的分布に従って、第4の値を生成し、
前記第4の値を第4の閾値と比較し、
前記第4の値が前記第4の閾値の一方の側にある場合に、メッセージタイプにおける変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに関連付け、
メッセージタイプにおける前記関連付けられた変化が失敗応答メッセージの関連付けられた変化である、メッセージタイプにおける前記関連付けられた変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに提供するように
さらに構成されている、請求項3に記載のネットワーク要素。
【請求項5】
前記遅延が、下限遅延および上限遅延を有する遅延の範囲から選ばれ、特定の遅延である前記遅延の確率が、ランダム分布によって定義され、前記ランダム分布が、一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布の組から選択される、請求項2に記載のネットワーク要素。
【請求項6】
前記第1の統計的分布が、一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布の組から選択される、請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項7】
前記ポートバッファが、前記ネットワーク要素の入力ポートバッファを含み、前記取り除くステップが、前記標準プロトコルプロセッサが前記第1のプロトコルメッセージを処理するよりも前に行われる、請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項8】
前記ポートバッファが、前記ネットワーク要素の出力ポートバッファを含み、前記取り除くステップが、前記ポートからの前記失敗経路プロトコルメッセージの送信よりも前に行われる、請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項9】
前記所定のメッセージタイプが、複数の所定のメッセージタイプのうちの1つである、請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項10】
ポートバッファを有するポートと、前記ポートバッファに記憶されたメッセージを処理する標準プロトコルプロセッサと、前記ポートバッファへのアクセスを有するテストプロトコルプロセッサとを有するネットワーク要素のためのパフォーマンスインジケータをテストする方法であって、前記テストプロトコルプロセッサが方法を実行するように構成されており、前記方法が、
前記ポートバッファに記憶された第1のプロトコルメッセージが所定のメッセージタイプに対応する場合に、第1の統計的分布に従って第1の値を生成するステップと、
前記第1の値を第1の閾値と比較するステップと、
前記第1の値が前記第1の閾値の一方の側にある場合に、前記第1のプロトコルメッセージを前記ポートバッファから取り除くステップと、
前記ポートバッファの前記第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替えるステップと
を含む、テストする方法。
【請求項11】
前記第1の値が前記第1の閾値のもう一方の側にある場合に、第2の統計的分布に従って、第2の値を生成するステップと、
前記第2の値を第2の閾値と比較するステップと、
前記第2の値が前記第2の閾値の一方の側にある場合に、前記第1のプロトコルメッセージに遅延を関連付けるステップと、
前記第1のプロトコルメッセージを前記ポートバッファから取り除くステップと
をさらに含む方法であって、
前記第1のプロトコルメッセージを前記対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替える前記ステップが、前記関連付けられた遅延の期間の後で行われる、
請求項10に記載のテストする方法。
【請求項12】
第3の統計的分布に従って第3の値を生成するステップと、
前記第3の値を第3の閾値と比較するステップと、
前記第3の値が前記第3の閾値の一方の側にある場合に、メッセージコンテンツにおける変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに関連付けるステップと、
メッセージコンテンツにおける前記関連付けられた変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに提供するステップと
をさらに含む、請求項10に記載のテストする方法。
【請求項13】
前記取り替えるステップよりも前に、
第4の統計的分布に従って第4の値を生成するステップと、
前記第4の値を第4の閾値と比較するステップと、
前記第4の値が前記第4の閾値の一方の側にある場合に、メッセージタイプにおける変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに関連付けるステップと、
メッセージタイプにおける前記関連付けられた変化を、前記失敗経路プロトコルメッセージに提供するステップと
をさらに含む、請求項10に記載のテストする方法。
【請求項14】
前記ポートバッファが、前記ネットワーク要素の入力ポートバッファを含み、前記取り除くステップが、前記標準プロトコルプロセッサが前記第1のプロトコルメッセージを処理するよりも前に行われる、請求項10に記載のテストする方法。
【請求項15】
前記ポートバッファが、前記ネットワーク要素の出力ポートバッファを含み、前記テストプロトコルプロセッサが、前記ポートからの前記失敗経路プロトコルメッセージの送信よりも前に、前記第1のプロトコルメッセージを取り替える、請求項10に記載のテストする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる以下の同時係属出願を相互参照する:2011年5月31日に出願された、出願番号第13/149,473号、代理人整理番号ALC 3728号、Thyagarajanらへの「MESSAGE FLOW REROUTING FOR SELF−DISRUPTING NETWORK ELEMENT」。
【0002】
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる以下の同時係属出願を相互参照する:2011年5月31日に出願された、出願番号第13/149,370号、代理人整理番号ALC 3732号、Nazらへの「AUTONOMOUS SELF−DISRUPTING NETWORK ELEMENT」。
【0003】
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる以下の同時係属出願を相互参照する:2011年5月31日に出願された、出願番号第13/149,414号、代理人整理番号ALC 3727号、Nazらへの「SELF−DISRUPTING NETWORK ELEMENT」。
【0004】
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる以下の同時係属出願を相互参照する:2011年5月31日に出願された、出願番号第13/149,316号、代理人整理番号ALC 3730号、Thyagarajanらへの「FIELD−DEPLOYABLE PROTOCOL MESSAGE INTERCEPTOR」。
【0005】
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる以下の同時係属出願を相互参照する:2011年5月31日に出願された、出願番号第13/149,556号、代理人整理番号ALC 3731号、Thyagarajanらへの「FIELD−DEPLOYABLE MESSAGE COMPROMISER」。
【0006】
本発明は、一般に、ネットワーク要素機器のテストに関し、詳細には、ある統計的条件を想定して、パフォーマンスインジケータに対してネットワーク要素のパフォーマンスを実証するのに好適なテストケースの実行中に、成功経路プロトコルメッセージを、失敗経路プロトコルメッセージに自律的に置換することに関する。
【背景技術】
【0007】
移動電気通信ネットワーク内でのさまざまなタイプのアプリケーションの需要増加につれて、サービスプロバイダは、拡張された機能性を確実に提供するために、そのシステムを絶えずアップグレードしている。かつては単に音声通信のために設計されたシステムだったものが、テキストメッセージング、マルチメディアストリーミング、および一般的なインターネットアクセスを含む、無数のアプリケーションへのアクセスを提供する汎用ネットワークアクセスポイントへと発展している。そのようなアプリケーションをサポートするために、プロバイダは、その既存の音声ネットワークに加えて、新しいネットワークを構築している。第2世代および第3世代のネットワークに見られるように、音声サービスは、専用の音声チャネル上で搬送され、回線交換コアに向けて導かれなければならず、一方、他のサービス通信は、インターネットプロトコル(IP)に従って伝送され、別であるパケット交換コアに向けて導かれる。これが、アプリケーションのプロビジョニング、測定および課金、ならびにユーザ体感品質(QoE)保証に関する特有の問題へとつながった。
【0008】
呼のドロップおよび確立失敗は、エンドユーザ体験に影響を及ぼし、顧客不満足を引き起こす、ワイヤレスネットワークにおける主要な問題のうちの2つである。ネットワークパフォーマンスを評価するために、ネットワークにおけるこれらの統計値を追跡するための測定基準が定義されている。これらの測定基準は、ネットワークキーパフォーマンスインジケータ(N−KPI)と呼ばれる。
【0009】
特定のネットワーク要素によって影響される際のネットワークキーパフォーマンスインジケータを実証することは難しい。たとえば、ユニバーサル移動体通信サービス(UTMS)の無線ネットワークコントローラ(RNC)などの、特定のネットワーク要素がテスト機能に置かれている場合、RNCを実践中のテスト機器が、所与の顧客のネットワークが与え得るさまざまなネットワーク機器を想定した、特定の顧客ネットワークに適合する条件を提供していることを保証するのは難しい。その一方で、一旦ネットワーク機器が顧客のネットワークの中に配置されれば、与えられるコンテキスト条件は表されるものの、相互運用の効果のために、ポジティブまたはネガティブといった、固有のネットワーク機器要素の貢献を見出すことが難しくなる。
【0010】
電気通信システムがより複雑になるにつれて、そのようなシステムのテストおよび検証もまた、複雑さを増す。とりわけ、たとえば、呼を確立する、またはネットワーク要素間でサービスを確立するための、それらの要素間におけるプロトコルメッセージのフローなどの、さまざまなプロトコルメッセージフローを実践するために、およびとりわけ、実際の状況において発生し得るプロトコルメッセージシーケンスのさまざまな考え得る組み合わせを実践するために、より多くのテストケースが必要とされる。したがって、ネットワーク要素が、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージの受信を適切に扱うことができるかどうかを判定するためには、ネットワーク要素の堅牢性をテストできることが重要である。ネットワークテストシステムにおいて使用される一般的なプロトコル生成器は、テスト中のネットワーク機器から受信されたプロトコルメッセージへの成功経路応答を生み出す、プロトコル準拠メッセージを生成するのみである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記を考慮すると、顧客ネットワークにおいてその場でネットワーク要素をテストするために、プロトコルメッセージベースの通信システムのプロトコルメッセージフローに、失敗シナリオを自律的に導入するための方法を提供することが望ましいであろう。とりわけ、与えられた統計型の下で、複数の問題となるメッセージング条件に対する特定のネットワーク要素の応答が実証され得る手段を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、以下を含むネットワーク要素が提供される:ポートバッファを有するポート、ポートバッファに記憶されたメッセージを処理する標準プロトコルプロセッサ、およびポートバッファへのアクセスを有するテストプロトコルプロセッサ。ここで、テストプロトコルプロセッサは、以下を行うように構成されている:ポートバッファに記憶された第1のプロトコルメッセージが所定のメッセージタイプに対応する場合に、第1の統計的分布に従って第1の値を生成し、第1の値を第1の閾値と比較し、第1の値が第1の閾値の一方の側にある場合に、第1のプロトコルメッセージをポートバッファから取り除き、ポートバッファの第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替える。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、テストプロトコルプロセッサは、以下を行うようにさらに構成されている:第1の値が第1の閾値のもう一方の側にある場合に、第2の統計的分布に従って第2の値を生成し、第2の値を第2の閾値と比較し、第2の値が第2の閾値の一方の側にある場合に、第1のプロトコルメッセージに遅延を関連付け、第1のプロトコルメッセージをポートバッファから取り除く。ここで、第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替えるステップは、関連付けられた遅延の期間の後で行われる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、テストプロトコルプロセッサは、取り替えるステップよりも前に、以下を行うようにさらに構成されている:第3の統計的分布に従って第3の値を生成し、第3の値を第3の閾値と比較し、第3の値が第3の閾値の一方の側にある場合に、メッセージコンテンツにおける変化を、失敗経路プロトコルメッセージに関連付け、メッセージコンテンツにおける関連付けられた変化を、失敗経路プロトコルメッセージに提供する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、テストプロトコルプロセッサは、取り替えるステップよりも前に、以下を行うようにさらに構成されている:第4の統計的分布に従って第4の値を生成し、第4の値を第4の閾値と比較し、第4の値が第4の閾値の一方の側にある場合に、メッセージタイプにおける変化を、失敗経路プロトコルメッセージに関連付け、メッセージタイプにおける関連付けられた変化を、失敗経路プロトコルメッセージに提供する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、メッセージタイプにおける関連付けられた変化は、失敗応答メッセージの関連付けられた変化である。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、遅延は、下限遅延および上限遅延を有する遅延の範囲から選ばれる。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、特定の遅延である遅延の確率は、ランダム分布によって定義される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、ランダム分布は、以下の組から選択される:一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、第1の統計的分布は、以下の組から選択される:一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の統計的分布は、以下の組から選択される:一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、第3の統計的分布は、以下の組から選択される:一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、第4の統計的分布は、以下の組から選択される:一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、および切り詰め指数ランダム分布。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、ポートバッファは、ネットワーク要素の入力ポートバッファを含み、取り除くステップは、標準プロトコルプロセッサが第1のプロトコルメッセージを処理するよりも前に行われる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、ポートバッファは、ネットワーク要素の出力ポートバッファを含み、取り除くステップは、ポートからの失敗経路プロトコルメッセージの送信よりも前に行われる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、所定のメッセージタイプは、複数の所定のメッセージタイプのうちの1つである。
【0027】
本発明の別の態様によれば、ポートバッファを有するポートと、ポートバッファに記憶されたメッセージを処理する標準プロトコルプロセッサと、ポートバッファへのアクセスを有するテストプロトコルプロセッサとを有するネットワーク要素のためのパフォーマンスインジケータをテストする方法が開示され、テストプロトコルプロセッサは、方法を実行するように構成されている。方法は、以下のステップを含む:ポートバッファに記憶された第1のプロトコルメッセージが所定のメッセージタイプに対応する場合に、第1の統計的分布に従って第1の値を生成するステップ、第1の値を第1の閾値と比較するステップ、第1の値が第1の閾値の一方の側にある場合に、第1のプロトコルメッセージをポートバッファから取り除くステップ、およびポートバッファの第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替えるステップ。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、以下のステップをさらに含む:第1の値が第1の閾値のもう一方の側にある場合に、第2の統計的分布に従って第2の値を生成するステップ、第2の値を第2の閾値と比較するステップ、第2の値が第2の閾値の一方の側にある場合に、第1のプロトコルメッセージに遅延を関連付けるステップ、第1のプロトコルメッセージをポートバッファから取り除くステップ。ここで、第1のプロトコルメッセージを対応する失敗経路プロトコルメッセージと取り替えるステップは、関連付けられた遅延の期間の後で行われる。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態は、以下のステップをさらに含む:第3の統計的分布に従って第3の値を生成するステップ、第3の値を第3の閾値と比較するステップ、第3の値が第3の閾値の一方の側にある場合に、メッセージコンテンツにおける変化を、失敗経路プロトコルメッセージに関連付けるステップ、およびメッセージコンテンツにおける関連付けられた変化を、失敗経路プロトコルメッセージに提供するステップ。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態は、取り替えるステップよりも前に、以下のステップをさらに含む:第4の統計的分布に従って第4の値を生成するステップ、第4の値を第4の閾値と比較するステップ、および第4の値が第4の閾値の一方の側にある場合に、メッセージタイプにおける変化を、失敗経路プロトコルメッセージに関連付けるステップ、メッセージタイプにおける関連付けられた変化を、失敗経路プロトコルメッセージに提供するステップ。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、ポートバッファは、ネットワーク要素の入力ポートバッファを含み、取り除くステップは、標準プロトコルプロセッサが第1のプロトコルメッセージを処理するよりも前に行われる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、ポートバッファは、ネットワーク要素の出力ポートバッファを含み、ここで、テストプロトコルプロセッサは、ポートからの失敗経路プロトコルメッセージの送信よりも前に、第1のプロトコルメッセージを取り替える。
【0033】
注記:以下において、説明および図面は、本発明の原理を例証するにすぎない。したがって、本明細書において明示的に説明されなくても、または示されなくても、本発明の原理を具体化するさまざまなアレンジメントを当業者が考案することができること、およびそれらが本発明の趣旨および範囲内に含まれることが認識されるであろう。さらに、本明細書で挙げられるすべての例は、主に、本発明の原理、および当技術分野の促進に対し本発明者によって貢献される発想を、読者が理解するのを支援するための教育的な目的のみであることが明白に意図されており、そのような具体的に挙げられた実施例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにその固有の例を挙げる本明細書におけるすべての記述は、本発明の均等形態を包含するよう意図されている。
【0034】
本発明は、図面を参照して、以下の本発明の実施形態の詳細な説明からさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】さまざまな移動サービスを提供するための例示的なユニバーサル移動体通信サービス(UMTS)ネットワークを示す図である。
図2】関連した通信ポートを備えた例示的な無線ネットワークコントローラ(RNC)を示す図である。
図3】本発明の実施形態による例示的なネットワーク要素を示す図である。
図4】本発明の実施形態によるメッセージフロー図である。
図5a】ランダム値を生成するのに使用される例示的な統計的分布を示す図である。
図5b】ランダム値を生成するのに使用される例示的な統計的分布を示す図である。
図5c】ランダム値を生成するのに使用される例示的な統計的分布を示す図である。
図5d】ランダム値を生成するのに使用される例示的な統計的分布を示す図である。
図6】本発明の実施形態によるプロセスフロー図である。
図7】本発明の実施形態による重み付けされた統計的分布を示す図である。
図8】本発明の別の実施形態に重み付けされた統計的分布を示す図である。
図9】本発明の実施形態による例示的なネットワーク要素プロセッサアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、同様の番号が同様のコンポーネントまたはステップを指す図面を参照して、さまざまな例示的な実施形態の広い態様が開示される。
【0037】
使用において、本発明は、ネットワーク機器からなるネットワークの中でノードとして働く、1つのネットワーク機器(ネットワーク要素)に置かれている。図1では、ユニバーサル移動体通信サービス(UMTS)ネットワークの一部の簡略化されたブロック図100が見られ得る。このネットワーク内には、無線ネットワークコントローラ(RNC)120および122、移動サービス交換センタ(MSC)130、サービングGPRSサポートノード150、ホームロケーションレジスタノード140、ゲートウェイ移動交換センタ160、ならびにゲートウェイGPRSサポートノード170などの、ネットワーク機器の例が見出されてよい。無線ネットワークコントローラは基地局110に接続されており、図1では、RNC120が、ノードB基地局110aおよび110bに接続され、RNC122が、ノードB基地局110cおよび110dに接続されている。ノードB基地局は、ユーザ機器102と無線接触していてよく、図1では、ハンドセット102a、102b、102c、および無線接続を備えたコンピュータ機器102dとして示されている。
【0038】
動作において、個々のネットワーク要素を他のネットワーク要素に結合して全体のネットワークを形成する接続を介して、ネットワーク要素が通信する。ネットワーク要素間のインターフェースは、それぞれ個々のネットワーク要素のポートで終端する。呼を設定する、接続をハンドオフする、特定のユーザ機器を特定のサービスに接続する、その他などのさまざまなネットワーク機能を達成するために、固有のネットワークのプロトコルに従って、接続上のネットワーク要素間で特定のメッセージがやり取りされる。
【0039】
次に図2を参照すると、図1の参照番号120および122に相当する例示的な無線ネットワークコントローラネットワーク要素200に関連付けられたポートを示すブロック図が見られ得る。UMTS仕様に従って、RNC200は、複数のポートを有し、それによって他のネットワーク要素への接続のインターフェースを取る。この説明の目的のために、ネットワーク要素間の論理的な接続は、インターフェースと呼ばれることになる。たとえば、図1のRNC220とRNC222との、RNC間のインターフェースは、Iurインターフェースと呼ばれ、RNC200のポート210として図2に見られ得る。RNCとノードBユニットとのインターフェースは、Iubインターフェースと呼ばれ、RNC200のポート220a、220b、220c、および220dとして図2に見られ得る。RNCとセルブロードキャストセンタ(CBC)とのインターフェースは、Iu−BCインターフェースと呼ばれ、RNC200のポート230として見られ得る。RNCとサービングGPRSサポートノード(SGSN)とのインターフェースは、RNC200のポート240として見られ得るように、Iu−PSインターフェースと呼ばれる。RNCと移動交換センタとのインターフェースは、RNC200のポート250として見られ得るように、Iu−CSインターフェースと呼ばれる。インターフェース上のメッセージは、ポートにおいて送受信され、次の図面に関して論じられるように、ポートバッファメモリに記憶されることになる。
【0040】
図3を参照すると、本発明の実施形態による例示的なネットワーク要素300のブロック図が見られ得る。ネットワーク要素は、入力ポート312と出力ポート314とを有するインターフェースポート310を有する。インターフェース入力ポート312に到着するメッセージは、入力ポートバッファ332に記憶される。同様に、インターフェース出力ポート314から送信される予定であるメッセージは、出力ポートバッファ334に記憶される。
【0041】
標準プロトコルプロセッサ340は、接続345を介して、入力ポートバッファ332および出力ポートバッファ334に接続されている。標準プロトコルプロセッサ340は、ネットワーク要素300のハードウェアおよびソフトウェアを備えたハードウェアのコンポーネントに相当し、標準プロトコルプロセッサ340は、着信メッセージが対応する特定のプロトコルに従って、インターフェースポートで受信されたメッセージを処理し、発信メッセージが対応する特定のプロトコルにもまた従って、インターフェースポートから送信されるメッセージを生成する。
【0042】
標準プロトコルプロセッサ340は、入力ポートバッファ332からメッセージを取り出し、プロトコルに従ってメッセージを処理し、(そのメッセージが受信されたインターフェースポート以外のインターフェースポートに向かうことがある)応答メッセージを生成し、応答メッセージを出力ポートバッファの中に置く。発信メッセージが、メッセージが受信された第1のインターフェースポート以外の第2のインターフェースポートに向かう場合、使用される出力ポートバッファは、第2のインターフェースポートに関連付けられた出力ポートバッファとなる。
【0043】
テストプロトコルプロセッサ350もまた、接続355を介して、入力ポートバッファ332および出力ポートバッファ334に接続されている。テストプロトコルプロセッサ350は、ネットワーク要素300のハードウェアおよびソフトウェアを備えたハードウェアのコンポーネントに相当し、テストプロトコルプロセッサ350は、本発明に従って、インターフェースポートで受信されたメッセージを処理し、インターフェースポートから送信されるメッセージを生成する。テストプロトコルプロセッサ350の一部は、標準プロトコルプロセッサ340と同一空間内にあってよく、たとえば、CPUまたはメモリなどのハードウェアの特定の要素が、両方のプロトコルプロセッサによって共通して使用されてもよい。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、動作において、テストプロトコルプロセッサ350は、入力ポートバッファ332をモニタし、特定の条件下において、標準プロトコルプロセッサ340がメッセージを取り出すよりも前に、入力ポートバッファ332内に記憶されたメッセージを取り除く。続いて、テストプロトコルプロセッサ350は、以下でより詳細に説明されるように、メッセージを、失敗経路メッセージと取り替えることができる。いくつかの実施形態において、テストプロトコルプロセッサ350は、遅延の後でメッセージを取り替えてもよく、メッセージのペイロードを変更し、それからメッセージを取り替えてもよく、メッセージのヘッダを変更し、それからメッセージを取り替えてもよく、または、メッセージを取り替えずに、メッセージを効率的にドロップしてもよい。
【0045】
これらの効果のそれぞれの最終結果は、ネットワーク要素300の応答、またはネットワーク要素300がその中のノードであるより大きなネットワークの応答のいずれかを検査するために、メッセージフローを失敗経路メッセージフローへと変化させることであり、追加的には、コンテンツまたは到着時間の点でのいずれかで、メッセージをさらに変化させることである。これらの変化の性質により、具体的に規定された失敗経路メッセージ、および具体的に規定されたインスタンスを損なうメッセージを使用して、ネットワーク要素を、またはより大きなネットワークを、その場でテストすることが可能になる。インスタンスを損なうこれらのメッセージは、たとえば、ネットワーク動作の通常過程で発生し得るネットワーク遅延を表してよい。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサ350は、ポート入力バッファの中の特定のメッセージを、遅延時間のランダム分布から選ばれた遅延の後で、対応する失敗経路メッセージと取り替えることができる。このランダム分布は、このポートに到着するメッセージについて発生し得る遅延の範囲を表す、定義された下限および定義された上限を有することができる。さらに、遅延時間のランダム分布は、一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、または切り詰め指数ランダム分布を含む、なんらかの標準統計的分布によって定義されてよい。
【0047】
図4は、2つのネットワーク要素間でやり取りされるプロトコルメッセージの例としての一般的なメッセージフロー400を示す。図3および図4を参照すると、たとえば通信サービスを確立する過程の間に、通信サービスを正常に確立するように、特定のメッセージが2つのネットワーク要素間でやり取りされる必要がある。これらのメッセージは、先に説明された通り、入力ポート312で受信され、入力ポートバッファ332にバッファされ、標準プロトコルプロセッサ340により構文解析される。出力ポート314による送信のために出力ポートバッファ334に提示される応答メッセージが、標準プロトコルプロセッサ340によって組み立てられる。こうして、この例における単一のネットワーク要素300の観点から図4のプロトコルメッセージフローを見ると、ネットワーク要素300は、メッセージM1(402)を送信して、サービス確立処理を開始してよく、外部ネットワーク要素から入力ポート312を通して、開始要求を肯定応答する成功経路応答メッセージR1S(404)を入力ポートバッファ332で受信することを予期する。受信された肯定応答メッセージに応答して、ネットワーク要素300は次いで、メッセージM2(406)を送信して、設定処理を続行する。ネットワーク要素300が別の成功経路プロトコルメッセージR2S(408)を受信するとき、プロトコルメッセージシーケンスが414で完了し、通信サービスが正常に確立されるまで、メッセージM3(410)送信する、成功経路応答メッセージR3S(412)を受信するなどの、ネットワーク要素300による処理が続行する。この例では通信サービスを確立するという、タスクを完了するためのメッセージのこの正常なフローが、成功経路メッセージフロー416と呼ばれる。
【0048】
ネットワーク要素300が実際に直面し得る、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージの受信などのさまざまなシナリオを実践するために、本発明の実施形態は、入力ポートバッファ332で受信される成功経路応答プロトコルメッセージを、失敗経路プロトコルメッセージに置換するための能力を提供する。これは、ルート変更ライブラリテーブルを使用して、達成され得る。一般的なルート変更ライブラリテーブルが、表1に示されている。第1の列は、ネットワーク要素のポートに向かう考え得る成功経路メッセージを列記する。第2の列は、テーブルの同じ行の成功経路メッセージの代わりに置換され得る対応する失敗経路メッセージを列記する。本発明の実施形態が有効にされると、受信された成功経路メッセージが表1の第1の列のエントリと適合する場合に、成功経路メッセージは、第2の列の同じ行に見出される対応する失敗経路メッセージと取り替えられることになる。
【0049】
【表1】
【0050】
このようにして、図4の例では、ネットワーク要素300が成功経路応答メッセージR1S(404)を受信するとき、テストプロトコルプロセッサ350は、標準プロトコルプロセッサ340がメッセージを処理するよりも前に、入力ポートバッファ332で提示される着信プロトコルメッセージをインターセプトする。テストプロトコルプロセッサ350は、成功経路応答メッセージR1S(404)を入力ポートバッファ332から取り除き、それを対応する失敗経路プロトコルメッセージR1F(418)と取り替える。このメッセージ置換は、ルート変更ライブラリテーブルの助けを借りて、テストプロトコルプロセッサ350によって実施される。標準プロトコルプロセッサ340は次いで、プロトコルメッセージR1F(418)を取り出し、それを標準プロトコルプロセッサ340において実装されるプロトコルスタックに従って処理する。たとえば、標準プロトコルプロセッサ340は、出力ポートバッファ334および出力ポート314を介して、適切なプロトコルメッセージM4(420)を送信することによって、失敗経路プロトコルメッセージR1F(418)に応答してよい。外部ネットワーク要素からの適切な応答は、メッセージR4S(422)であってよい。したがって、ネットワーク要素300がメッセージR4S(422)を受信した場合、テストプロトコルプロセッサ350は、標準プロトコルプロセッサ340がメッセージを処理するよりも前に、入力ポートバッファ332で提示される着信プロトコルメッセージをインターセプトする。テストプロトコルプロセッサ350は、成功経路応答メッセージR4S(422)を入力ポートバッファ332から取り除き、それを対応する失敗経路プロトコルメッセージR4F(430)と取り替える。この例で、メッセージシーケンスは、このポイント(426)で終了してよい。プロトコルメッセージのこのメッセージフローは、成功経路メッセージフローから分岐するプロトコルメッセージのやり取りの中に、プロトコルメッセージを導入することによって成功経路416から分岐し、このフローは、失敗経路メッセージフロー428と呼ばれる。
【0051】
上の記述は、ネットワーク要素300の入力ポートバッファ332で動作する本発明の実施形態を説明しており、成功経路メッセージは、入力ポートバッファ332で検出される、入ってくるメッセージであり、置換される失敗経路メッセージは、ネットワーク要素300に入ってくるメッセージである。有利なことに、この実施形態は、ネットワーク要素300のためのさまざまな失敗経路シナリオを実践するための能力を提供する。実験室テスト環境のコンテキストにおいて、ネットワーク要素300は、ネットワーク条件をシミュレートするためのテストシステムを使用し、制御された環境においてあらかじめ定義されたテストケースを実行して、テストされ得る。有利なことに、この実施形態をやはり使用して、実際の条件において、ネットワーク要素が、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージの受信を適切に扱うことができるかどうかを判定するために、実際のネットワークにおいてその場でネットワーク要素を実践することができる。
【0052】
本発明の実施形態は、自律的に自動中断させるネットワーク要素を提供し、ここで、ネットワーク要素それ自体が、ネットワーク要素で受信された、またはネットワーク要素から送信されたプロトコルメッセージを中断させることができる。ランダム化した機能性の使用により、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージにさらされたときのネットワーク要素の機能を実践するための、さまざまな失敗経路メッセージの自律的な生成を円滑にする。
【0053】
動作において、テストプロトコルプロセッサ350が、テストシナリオの一部として有効にされる。有効化は、特定のオペレータの命令を介しても、または自動テストルーチンに応答して自動的であってもよい。通常のネットワークテスト手順に従って、ネットワーク要素300の応答およびネットワーク要素の対話は、後の解析のために、トレースファイルにキャプチャされ、データベースに記録されることになる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、テストプロトコルプロセッサ350の機能性は、テスト目的のために有効にされ、次いで顧客への配布の前に無効にされてよい。他の実施形態において、機能性は、配置された通信ネットワークの顧客による使用のために有効にされてよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、ルート変更ライブラリテーブルは、特定の行を有効化/無効化するように構成されており、その結果、テーブルの中の成功経路メッセージと適合する成功経路メッセージがポートバッファで受信され、対応する行が有効にされているときは、メッセージの置換が行われ、行が無効にされている場合には、テストプロトコルプロセッサは措置を取らず、標準プロトコルプロセッサが受信されたメッセージを通常通りに扱う。
【0056】
本発明の別の実施形態において、テストプロトコルプロセッサ350は、出力ポートバッファ334で動作し、テストプロトコルプロセッサ350は、ポート314からのプロトコルメッセージの送信よりも前に、プロトコルメッセージを置換する、またはプロトコルメッセージを出力ポートバッファ334から取り除く。この実施形態において、表1は、ネットワーク要素300からの発信メッセージを反映しており、このようにして、出ていく成功経路メッセージが出力ポートバッファ334で検出され、対応する出ていく失敗経路メッセージに置換されることになる。有利なことに、この実施形態は、ネットワーク要素300のポートを介して、ネットワーク要素300と通信している外部ネットワーク要素のためのさまざまな失敗経路シナリオを実践するための能力を提供する。テストシナリオのコンテキストにおいて、テストシステムは、制御された環境においてあらかじめ定義されたテストケースを実行することができ、一方で、ネットワーク要素300は、予期されないプロトコルメッセージをプロトコルメッセージフローの中に導入して、ネットワーク障害および他のネットワーク条件をシミュレートするのに使用されてよい。有利なことに、この実施形態をやはり使用して、外部ネットワーク要素が、実際の条件において、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージの受信を適切に扱うことができるかどうかを判定するために、実際のネットワークにおいてその場で外部ネットワーク要素を実践することができる。通常のネットワークテスト手順に従って、外部ネットワーク要素およびネットワーク要素300の応答は、後の解析のために、トレースファイルにキャプチャされ、データベースに記録されることになる。
【0057】
本発明の他の実施形態において、テストプロトコルプロセッサ350は、複数の入力バッファおよび/または出力バッファで動作する。ルート変更ライブラリテーブルは、プロトコルメッセージを扱う任意のネットワーク要素のインターフェースポートごとに実装されてよい。したがって、図2のRNCについて、ルート変更ライブラリテーブルは、ポートIur(210)、Iub(220a)、Iub(220b)、Iub(220c)、Iub(220d)、Iu−PS(240)、IU−CS(250)のそれぞれについて実装されてよい。UMTS/3GPPネットワークでは、ルート変更ライブラリテーブルはまた、ユーザ機器(UE)、ノードB、移動サービス交換センタ(MSC)、ゲートウェイGPRSサポートノード、ゲートウェイMSC、その他などの他のネットワーク要素のポートのそれぞれについて実装されてよい。加えて、ルート変更ライブラリテーブルは、インターフェースポートごとに、入力ポートバッファについて、および/または出力ポートバッファについて実装されてよい。
【0058】
プロトコルメッセージングを使用するネットワーク技術および本発明の適用に好適な例は、Cdma2000、UMTS、およびLTEを含む。
【0059】
表2は、UMTS無線ネットワークコントローラ(RNC)のIubインターフェースにおいて、入ってくる無線リソースコントロール(RRC)プロトコルメッセージを扱うことを対象とした、本発明の実施形態のためのルート変更テーブルの例を示す。
【0060】
【表2】
【0061】
表3は、UMTS無線ネットワークコントローラ(RNC)のIubインターフェースにおいて、出ていく無線リソースコントロール(RRC)プロトコルメッセージを扱うことを対象とした、本発明の実施形態のためのルート変更テーブルの例を示す。
【0062】
【表3】
【0063】
ルート変更ライブラリテーブルの第1の列の中に整合するエントリを有する成功経路メッセージをポートで検出した後で、テストプロトコルプロセッサ350は、成功経路メッセージを構文解析して、対応する失敗経路メッセージを構築するのに必要なフィールドを抽出する。3GPPプロトコルメッセージのケースでは、以下のフィールドがキャプチャされる:Logical_channel_type、MessageType、rrc_TransactionIdentifier、integrityProtectionModeInfo。
【0064】
説明される実施形態は、外部ソースからテスト中のネットワーク要素への予期されないプロトコルメッセージを、テストシナリオにおいて好都合であり得るプロトコルメッセージフローの中に導入することをシミュレートし、テストシナリオでは、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージにさらされたときに、ネットワーク要素が、不適当な、予期されない、または無効なプロトコルメッセージの受信を適切に扱うことができるかどうかを判定するためのネットワーク要素の堅牢性を検証するために、ネットワーク要素の機能を実践することが望ましい。
【0065】
図5を参照すると、さまざまなランダムな統計的な分布が見られ得る。図5aには、下限遅延512および上限遅延514による遅延範囲を有し、範囲全体を通した瞬間確率510を有する、一様ランダム分布が示されている。特定の遅延値516が、この統計的分布に従った遅延選択から生じ得るものとして示されている。
【0066】
図5bには、下限遅延522および上限遅延524による遅延範囲を有し、範囲全体を通した瞬間確率520を有する、切り詰め正規ランダム分布が示されている。特定の遅延値526が、この統計的分布に従った遅延選択から生じ得るものとして示されている。
【0067】
図5cには、下限遅延532および上限遅延534による遅延範囲を有し、範囲全体を通した瞬間確率530を有する、切り詰めポアソンランダム分布が示されている。特定の遅延値536が、この統計的分布に従った遅延選択から生じ得るものとして示されている。
【0068】
図5dには、下限遅延542および上限遅延544による遅延範囲を有し、範囲全体を通した瞬間確率540を有する、切り詰め指数ランダム分布が示されている。特定の遅延値546が、この統計的分布に従った遅延選択から生じ得るものとして示されている。
【0069】
本発明のこれらの実施形態の適用において、本発明のネットワーク要素が置かれている特定のネットワークのメッセージについて、先に観察された分布の種類を表すための特定のランダムな統計的分布が選ばれてよい。あるいは、ネットワーク要素の特定のパフォーマンス応答を実証するために、分布が選ばれてもよい。
【0070】
たとえば、ある条件下では、適切な分布を選択し、次いで平均遅延時間を表す上限を与えることが好都合であることがある。結果として生じる遅延の組は、平均、または平均を下回る遅延を伴って到着するメッセージを表すことになる。テスト中のネットワーク要素の応答は、ネットワークが、平均、または平均を下回る遅延時間で動作しているときにこの特定のネットワーク要素が貢献する、キーパフォーマンスインジケータへの影響の度合いを実証するために使用されてよい。
【0071】
本発明の別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサは、メッセージを入力ポートバッファに戻すよりも前に、メッセージのペイロードを変更する。このテストの形式は、たとえば、復旧時間および取られる復旧経路に関して、メッセージに含まれる誤ったコンテンツ値に対するネットワーク要素の応答を評価するために使用されてよい。
【0072】
あるいは、本発明の別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサは、メッセージヘッダを変更して、メッセージタイプを変化させる。この変更は、たとえば、受信されたメッセージに代えた、失敗メッセージの置換であってよい。このテストの形式は、やはり、復旧時間および取られる復旧経路に関して、失敗メッセージに対するネットワーク要素の応答を評価するために使用されてよい。
【0073】
本発明のさらに別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサは、いずれのメッセージも入力ポートバッファに戻さない。このテストの形式は、着信メッセージがドロップされたケースを表すことになる。
【0074】
本発明の一実施形態の元では、テストプロトコルプロセッサがメッセージを入力ポートバッファから取り除くことになる条件が、参照テーブルにおいて定義される。テストプロトコルプロセッサは、到着するメッセージをスキャンし、メッセージが参照テーブルの中のメッセージに対応するときに、メッセージを入力ポートバッファから取り除き、参照テーブルに定義された、それに応じた通りの措置を取ることになる。上述されたように、措置の種類は、特定のメッセージを遅延させること、メッセージのペイロードコンテンツを変化させること、メッセージタイプを変化させること、またはさらにはメッセージをドロップすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、参照テーブルはさらなる項目を含み、たとえば、遅延がメッセージによって招かれることになる場合に、参照テーブルが、特定の遅延または遅延の範囲を詳述することができる。範囲は、上限および下限によって規定されてもよいし、または、独立して、特定の特性を有するランダム分布の特定のタイプへの関数参照からなってもよい。
【0075】
動作において、テストプロトコルプロセッサ350が、テストシナリオの一部として有効にされる。有効化は、特定のオペレータの命令を介しても、または自動テストルーチンに応答して自動的であってもよい。
【0076】
本発明の別の実施形態によれば、動作において、テストプロトコルプロセッサ350は、出力ポートバッファ334をモニタし、特定の条件下では、メッセージが出力ポート314上のインターフェース上で送出されるよりも前に、出力ポートバッファ334内に記憶されたメッセージを取り除く。続いて、テストプロトコルプロセッサ350は、遅延の後でメッセージを取り替えてもよく、メッセージのペイロードを変更し、それからメッセージを取り替えてもよく、メッセージのヘッダを変更し、それからメッセージを取り替えてもよく、または、メッセージを取り替えずに、メッセージを効率的にドロップしてもよい。
【0077】
これらの効果のそれぞれの最終結果は、ネットワーク要素300に隣接したネットワーク要素の応答を検査するために、および追加的には、ネットワーク要素300に隣接したネットワーク要素がその中のノードである、より大きなネットワークの応答を検査するために、コンテンツまたは到着時間の点でのいずれかで、メッセージを変化させることである。本発明の実施形態は、本発明の実施形態をその中に有さない隣接したネットワーク要素をテストする手段を提供し、したがって、本発明の使用を拡張する。
【0078】
入力ポートバッファ332のメッセージに実施される、メッセージの遅延および変更、またはさらにはメッセージのドロップに従って、本発明のこの実施形態において、テストプロトコルプロセッサは、入力ポートバッファ332に関連して先に開示されたような、同じメッセージ修正のすべてを適用することができる。
【0079】
動作において、出力ポートバッファ334のメッセージのこれらの修正、遅延、およびドロップは、参照テーブルで定義された特定のメッセージタイプによってトリガされてよい。それぞれのメッセージタイプには、テストプロトコルプロセッサ350が実施することになる特定の動作が関連付けられることになり、たとえばその詳細は、遅延時間、メッセージペイロードの変化、メッセージタイプの変化、およびメッセージがドロップされることになるインスタンスを含む。
【0080】
先の実施形態に従って、動作において、テストプロトコルプロセッサ350が、テストシナリオの一部として有効にされる。有効化は、特定のオペレータの命令を介しても、または自動テストルーチンに応答して自動的であってもよい。
【0081】
通常のネットワークテスト手順に従って、ネットワーク要素300の応答およびネットワーク要素の対話は、後の解析のために、トレースファイルにキャプチャされ、データベースに記録されることになる。
【0082】
本発明の別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサの動作は、それが所定のメッセージを識別する場合に、ランダムな統計値に依存して行われる。ランダムな統計値の適用は、テストプロトコルプロセスが何の動作を取ることになるかを決定する際に、一回または複数回行われてよい。この実施形態の一変形によれば、値は、ランダムまたは疑似ランダム過程に従って決定される。値は次いで、閾値と比較される。決定された値が、閾値の一方の側にある場合、たとえば、閾値よりも大きい場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、このインスタンスにおける所定のメッセージの存在を無視することであってよい。決定された値が、閾値に等しい、または閾値のもう一方の側にある場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、メッセージをポートバッファから取り除くことであってよい。この実施形態において、ランダムな統計値は、所定のメッセージタイプがバッファに置かれている場合に、テストプロトコルプロセッサがポートバッファと対話する頻度を確立するのに使用される。この実施形態において、ランダムな統計値は、メッセージがポートバッファから取り除かれるかどうかをとにかく決定し、したがって、メッセージの遅延または修正の追加を潜在的に削減する。
【0083】
本発明の別の実施形態によれば、遅延のプロビジョニングは、ランダムな統計値を条件として行われる。この実施形態の一変形によれば、値は、ランダムまたは疑似ランダム過程に従って決定される。値は次いで、閾値と比較される。決定された値が、閾値の一方の側にある場合、たとえば、閾値よりも大きい場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、メッセージをポートバッファから取り除き、なんらかの所定の遅延の後で、メッセージを戻すことであってよい。この実施形態のいくつかの変形において、遅延は、特定の一定の値であってよく、一方他の変形において、遅延期間は、遅延時間のランダム分布から遅延を選ぶことによって決定されてよい。このランダム分布は、このポートに到着するメッセージについて発生し得る遅延の範囲を表す、定義された下限および定義された上限を有することができる。さらに、遅延時間のランダム分布は、一様ランダム分布、切り詰め正規ランダム分布、切り詰めポアソンランダム分布、または切り詰め指数ランダム分布を含む、なんらかの標準統計的分布によって定義されてよい。
【0084】
本発明の別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサの動作は、それが所定のメッセージを識別する場合に、ランダムな統計値に依存して行われる。この実施形態の一変形によれば、値は、ランダムまたは疑似ランダム過程に従って決定される。値は次いで、閾値と比較される。決定された値が、閾値の一方の側にある場合、たとえば、閾値よりも大きい場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、メッセージをポートバッファから取り除き、メッセージのペイロードを修正した後で、メッセージを戻すことであってよい。
【0085】
本発明の別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサの動作は、それが所定のメッセージを識別する場合に、ランダムな統計値に依存して行われる。この実施形態の一変形によれば、値は、ランダムまたは疑似ランダム過程に従って決定される。値は次いで、閾値と比較される。決定された値が、閾値の一方の側にある場合、たとえば、閾値よりも大きい場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、メッセージをポートバッファから取り除き、メッセージのペイロードを修正した後で、メッセージを戻すことであってよい。あるいは、閾値に等しいか閾値のもう一方の側にある値、たとえば、閾値よりも小さいか閾値に等しい値である、決定された値によって、この動作がトリガされてもよい。
【0086】
本発明のさらに別の実施形態によれば、テストプロトコルプロセッサの動作は、それが所定のメッセージを識別する場合に、ランダムな統計値に依存して行われる。この実施形態の一変形によれば、値は、ランダムまたは疑似ランダム過程に従って決定される。値は次いで、閾値と比較される。決定された値が、閾値の一方の側にある場合、たとえば、閾値よりも大きい場合、テストプロトコルプロセッサの動作は、メッセージをポートバッファから取り除き、メッセージのヘッダを修正した後で、メッセージを戻すことであってよい。この動作は、メッセージタイプを、たとえば、失敗メッセージのメッセージタイプに変化させることと併せて使用されることになる。あるいは、閾値に等しいか閾値のもう一方の側にある値、たとえば、閾値よりも小さいか閾値に等しい値である、決定された値によって、この動作がトリガされてもよい。
【0087】
本発明の実施形態によれば、一連のテストは、ランダムまたは疑似ランダム統計値に対して行われ、個々のテストの累積結果が、全体で、テストプロトコルプロセッサがポートバッファのメッセージに何の動作を実施するかを決定する。
【0088】
例として、次に図6を参照すると、本発明のこの実施形態の変形による方法を提供するプロセスフロー図600が見られ得る。
【0089】
プロセスは、ステップ602で始まる。ステップ604で、第1のランダム値が生成される。ステップ606で、この第1の生成された値が第1の参照閾値と比較され、第1のランダム値が第1の参照閾値の一方の側にある場合、制御は、メッセージがポートバッファから取り除かれるステップ608へと進む。制御はその後、プロセスが終了するステップ630へと進む。プロセスを通じたこの特定の経路は、メッセージがポートバッファから取り除かれ、ドロップされることになるインスタンスを表すことになる。
【0090】
第1のランダム値が第1の閾値のもう一方の側にあった、または第1の閾値に等しいとステップ606が判定した場合、制御は、ステップ606から、第2のランダム値が生成されるステップ610へと進む。ステップ612で、この第2の生成された値が第2の参照閾値と比較され、第2のランダム値が第2の参照閾値の一方の側にある場合、制御は、特定の遅延が確立されるステップ614へと進む。この遅延は、参照テーブルへの参照を介して確立されてよく、または、たとえば図4で説明された形式の任意の分布である統計的分布から生成された遅延であってもよい。制御はその後、ステップ616へと進む。
【0091】
第2のランダム値が第2の閾値のもう一方の側にあった、または第2の閾値に等しいとステップ612が判定した場合、制御は、ステップ612からステップ616へと進む。ステップ616で、第3のランダム値が生成される。ステップ618で、この第3の生成された値が第3の参照閾値と比較され、第3のランダム値が第3の参照閾値の一方の側にある場合、制御は、メッセージについての特定の変更されたコンテンツが確立されるステップ620へと進む。制御はその後、ステップ622へと進む。
【0092】
第3のランダム値が第3の閾値のもう一方の側にあった、または第3の閾値に等しいとステップ618が判定した場合、制御は、ステップ618からステップ622へと進む。ステップ622で、第4のランダム値が生成される。ステップ624で、この第4の生成された値が第4の参照閾値と比較され、第4のランダム値が第4の参照閾値の一方の側にある場合、制御は、メッセージについての特定の変更されたヘッダが確立されるステップ626へと進む。変更されたヘッダは、メッセージタイプを変化させることになる。いくつかのケースでは、メッセージタイプは、失敗メッセージのメッセージタイプに変化してよい。制御はその後、ステップ628へと進む。
【0093】
第4のランダム値が第4の閾値のもう一方の側にあった、または第4の閾値に等しいとステップ624が判定した場合、制御は、ステップ624からステップ628へと進む。
【0094】
ステップ628で、ポートバッファのメッセージが取り除かれ、ステップ614で決定された特定の遅延を課した後で、ステップ620および626から生じた変更されたメッセージと取り替えられる。結果としての取り替えメッセージは、生成されたランダム値およびテストステップの結果に依存して、遅延のみ、ペイロードコンテンツ変更のみ、ヘッダ変更のみ、またはこれらの条件の任意の組み合わせを招くことがあることに留意されたい。制御はその後、プロセスが終了するステップ630へと進む。
【0095】
それに応じて、本発明のこの実施形態は、特定のメッセージにどのような変更および遅延が課せられることになるのかを決定するために、ランダム分布を使用するカスケードされたテストの組を使用する。この実施形態は、ドロップされたメッセージ、遅延されたメッセージ、変更されたコンテンツを有するメッセージ、および変更されたタイプを有するメッセージの頻度についての統計的分布が知られており、それぞれに異なっている、好ましい適用を見つけることができる。それぞれの統計的分布が独立して適用されるため、この実施形態は、特定の条件の適用を決定する分布を個々に調整することを可能にする。
【0096】
本発明の異なる実施形態によれば、ランダム分布に従った決定の異なる形式が使用される。次に図7を参照すると、軸線710による統計的尤度値と、別箇の尤度721、722、723、および724とを有する分布700が見られ得る。これらの別箇の尤度は、各々が条件720にそれぞれ関連付けられている。動作において、分布700は、特定の条件のうちの1つが与えられた所定のメッセージに適用されることになる尤度を定義する。たとえば、条件1は、メッセージをドロップするケースを表し、25%の尤度を有することができる。条件2は、メッセージを遅延させるケースを表し、20%の尤度を有することができる。条件3は、メッセージコンテンツを変更するケースを表し、26%の尤度を有することができる。条件4は、メッセージヘッダ(メッセージタイプ)を変更するケースを表し、24%の尤度を有することができる。
【0097】
この実施形態において、単一の統計的分布である分布700は、どの条件がメッセージに適用されることになるのかを決定するために使用される。分布700で規定される別々の条件のために、この実施形態では、条件のうちの1つのみが所定のメッセージに適用されることになる。
【0098】
図8を参照すると、単一の統計的分布を提供して、取り替えメッセージに適用されることになる複数の条件を可能にする、代替の統計的分布800が示されている。図8では、軸線810による統計的尤度値と、別箇の尤度821、822、823、824、825、826、827、および828とを有する分布800が見られ得る。これらの別箇の尤度は、各々が状況820にそれぞれ関連付けられている。状況820の各々の状況は、1つまたは複数の条件の適用に関連付けられており、各々の状況は、それぞれの尤度に関連付けられている。例として、条件Cがメッセージのドロップを表すのを、Cがメッセージの遅延を表すのを、Cがメッセージコンテンツの変更を表すのを、およびCがメッセージのヘッダまたはメッセージタイプの変更を表すのを可能にする。その場合、Cに対応する尤度821は、分布800に従ってメッセージをドロップする尤度である。同様に、Cに対応する尤度822は、分布800に従ってメッセージを単に遅らせる尤度であり、一方、条件(C+C)に対応する尤度823は、メッセージを遅らせると共にメッセージのペイロードを変更する尤度であり、条件(C+C+C)に対応する尤度828は、メッセージを遅らせ、メッセージのペイロードコンテンツおよびタイプを変更する尤度である。動作において、分布800は、特定の条件の組み合わせの1つの特定の組が、与えられた所定のメッセージに適用されることになる尤度を定義する。
【0099】
この実施形態において、単一の統計的分布である分布800は、どの条件の組がメッセージに適用されることになるのかを決定するために使用される。分布800で規定される別々の状況のために、それぞれ特定の組み合わせによる条件の組が、割り当てられた別々の尤度を有することができる。
【0100】
図9は、本明細書で説明される機能を実施する際の使用に適したネットワーク機器プロセッサアセンブリの高レベルブロック図を示す。
【0101】
図9に示されるように、ネットワーク機器プロセッサアセンブリ900は、ネットワーク機器プロセッサ要素902(たとえば、中央処理ユニット(CPU)および/または他の好適なプロセッサ)、メモリ904(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)など)、協働モジュール/プロセス908、およびさまざまな入力/出力デバイス906(たとえば、ユーザ入力装置(キーボード、キーパッド、マウス、その他など)、ユーザ出力装置(ディスプレイ、スピーカ、その他など)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、および記憶デバイス(たとえば、テープドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、その他))を含む。
【0102】
本明細書で示され、説明された機能は、ハードウェアにおいて、たとえば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または任意の他のハードウェア均等物を使用して、実装されてよいことが認識されるであろう。あるいは、一実施形態によれば、協働プロセス908は、メモリ904の中にロードされ、ネットワーク機器プロセッサ902によって実行されて、本明細で論じられたような機能を実装することができる。加えて、協働プロセス908(関連したデータ構造を含む)は、有形の、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、たとえば、磁気もしくは光学ドライブ、またはディスケット、半導体メモリなどに記憶されてもよい。
【0103】
したがって、開示されてきたものは、メッセージをポートバッファから取り除くこと、続いて、それらをポートバッファに戻す前に、メッセージをドロップすること、遅延させること、または変更することの統計的管理を提供する、装置および関連した方法である。本発明のいくつかの実施形態によれば、統計的管理は、メッセージのドロップ、メッセージの遅延、メッセージペイロードの変化、またはメッセージヘッダもしくはメッセージタイプの変化が生じるかどうかについて別々の統計的決定を行うことによる、イベントごとのベースで実施される。他の実施形態によれば、単一のテストは、適用される単一の条件の尤度を定義する所定の分布に対して行われる。他の実施形態において、単一のテストは、適用される条件の特定の組み合わせの尤度を定義する所定の分布に対して行われる。すべての実施形態において、ポートバッファが入力ポートバッファである場合、メッセージの取り除き、変更、および取り替え(メッセージがドロップされていない場合)は、ネットワーク要素の標準プロトコルプロセッサがメッセージを入力ポートバッファから取り出すよりも前に行われる。ポートバッファが出力ポートバッファである場合、メッセージの取り除き、変更、および取り替え(メッセージがドロップされていない場合)は、メッセージが出力ポートバッファから送信されるよりも前に行われる。したがって、提供されてきたものは、ネットワーク要素を顧客ネットワークにおいてその場でテストするための方法である。とりわけ、所定の統計型の下で、複数の問題となるメッセージング条件に対する特定のネットワーク要素の応答が実証され得る手段が開示されてきた。
【0104】
方法として本明細書で論じられたステップのうちのいくつかは、さまざまな方法ステップを実施するために、たとえば、ネットワーク機器プロセッサと協働する回路として、ハードウェア内で実装されてよいことが企図される。本明細書で説明された機能/要素の一部は、コンピュータプログラム製品として実装されてもよく、ここでは、コンピュータ命令が、ネットワーク機器プロセッサによって処理されるとき、本明細書で説明された方法および/または技法が呼び出される、または別の方法で提供されるように、ネットワーク機器プロセッサの動作を適応させる。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定された、もしくは取り外し可能な媒体に記憶されてよく、および/または、命令に従って動作するコンピューティングデバイス内のメモリ内に記憶されてもよい。本発明の性質を明らかにするために説明され、図示されてきた部品の詳細、材料、およびアレンジメントにおけるさまざまな変更が、以下の特許請求の範囲において表現される通りの本発明の範囲から逸脱せずに、当業者によって行われてよいことが理解されるべきである。
【0105】
また、本明細書で述べられた例示的な方法のステップは、必ずしも説明された順序で実施されることを必要とされないことが理解されるべきであり、そのような方法のステップの順序は、単に例示的なものとして理解されるべきである。同様に、追加的なステップがそのような方法に含まれてもよく、特定のステップが、本発明のさまざまな実施形態に一致した方法の中で、省略されても、または組み合わされてもよい。
【0106】
以下の方法請求項において要素がある場合、要素は、対応する表示を用いて特定のシーケンスで列挙されるが、請求項の列挙が、それらの要素のいくつかまたはすべてを実装するための特定のシーケンスを別段含意しない限り、それらの要素が、必ずしもその特定のシーケンスで実装されるよう限定されることは意図されていない。
【0107】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書におけるさまざまな箇所での「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではなく、別のまたは代替の実施形態が、必ずしも他の実施形態と相互に両立しないわけでもない。同様のことは、用語「実装形態」にも当てはまる。多くの修正形態、変形形態、および適応形態が、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱せずに、上で説明された本発明の実施形態に対して行われてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8
図9