(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る内視鏡処置システムの第1実施形態を、
図1から
図7を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法の比率は適宜異ならせてある。
図1および
図2に示すように、本実施形態の内視鏡処置システム1は、内視鏡10と、内視鏡補助具60とを備えている。内視鏡10は、可撓性の挿入部20を有し、挿入部20の先端面22aに開口するチャンネル21が形成されている。内視鏡補助具60は、挿入部20の先端部に取付けられている。
図1における挿入部20の先端部は、一部を省略した側面図で示されている。
図2における挿入部20の先端部は、平面図で示されている。すなわち、
図2に示すように、後述するライトガイド26が上側にあり、チャンネル21が下側にある。以下の全ての図面において、
図1のように、後述する直交方向Dに見る面を側面といい、
図2に示す方向と同じ方向に見る面を平面という。
【0018】
内視鏡10は、挿入部20の前方を観察可能な、いわゆる直視型の軟性の装置である。内視鏡10は、細長の前述の挿入部20と、この挿入部20の基端部に設けられた操作部40と、操作部40の側面に一端部が取付けられたユニバーサルケーブル50とを備えている。
挿入部20は、先端に設けられた先端硬質部22と、先端硬質部22の基端部に取付けられ湾曲操作可能な湾曲部23と、湾曲部23の基端部に取付けられ可撓性を有する可撓管部24とを有している。
【0019】
先端硬質部22の先端面22aには、光ファイバの束からなるライトガイド26と、観察ユニット27とが外部に露出した状態で設けられている。観察ユニット27は、不図示の対物レンズおよびCCD(電荷結合素子)を有する。
ライトガイド26は、挿入部20および操作部40内に挿通され、ユニバーサルケーブル50まで延びている。対物レンズは、先端面22aの前方の視野範囲R1内の観察対象の像をCCDの受光面上に結像させる。CCDは、視野範囲R1内の観察対象の像を画像で表す信号に変換し、変換した信号を信号配線28に送信する。信号配線28は、挿入部20および操作部40内に挿通され、ユニバーサルケーブル50まで延びている。
チャンネル21は、挿入部20内に挿通されて操作部40まで延びている。挿入部20の先端側において、チャンネル21の軸線C1(以下、「第一の軸線C1」と称する)は挿入部20の軸線C2(以下、「第二の軸線C2」と称する)に平行である。
【0020】
湾曲部23では、図示しない湾曲駒が第二の軸線C2方向に複数連結されている。最も先端側の湾曲駒には操作ワイヤの先端部が取付けられている。操作ワイヤの基端側は、可撓管部24に挿通されて操作部40まで延びている。
【0021】
操作部40には、操作ワイヤを引戻したり押込んだりするためのアングルノブ41や、スイッチ42が設けられている。スイッチ42は、後述する図示しない光源、モニタ、および電源などを操作するために設けられている。アングルノブ41を操作することで、操作ワイヤを操作して湾曲部23を所望の方向に湾曲させることができる。
操作部40の先端側には、チャンネル21に連通する鉗子口43が設けられている。
ユニバーサルケーブル50の端部には、光源、モニタ、および電源が接続されている。光源は、ライトガイド26の基端面に照明光を供給する。モニタには、信号処理回路が内蔵され、信号配線28が接続されている。信号配線28を通して送信された信号は信号処理回路で変換されることにより、CCDが取得した観察対象の視野範囲R1内の画像がモニタに表示される。
電源は、観察ユニット27のCCD、光源、モニタなどに電力を供給する。
【0022】
内視鏡補助具60は、第一の突出部61および第二の突出部62(以下、「突出部61,62」と称する)と、長手軸を有する第一の支持部63と、第一の支持部63と略平行に延設された第二の支持部64と(以下、「支持部63,64」と称する)を有している。第一の突出部61および第二の突出部62は、挿入部20の先端面22aよりも内視鏡補助具60の先端側に配される。第一の支持部63は、棒状に形成され、かつ、先端が第一の突出部61に連なるように配される。第二の支持部64は、棒状に形成され、かつ、先端が第二の突出部62に連なるように配される。本実施形態の突出部61、62では、それぞれ第一の支持部63および第二の支持部64の先端部を折り曲げられた折り曲げ部分である。この折り曲げ部分が内視鏡の先端部よりも遠位側に配され、内視鏡の先端部に対して位置決めされているため、粘膜下層P5と筋層P6との間に内視鏡先端部を潜り込ませやすい。
図2に示すように、さらに、第二の軸線C2に直交する直交方向Dにおいて、突出部61、62(第一の支持部63および第二の支持部64の先端部)は、内視鏡の先端部よりも遠位側で第一の軸線C1を挟むように配されている。この実施形態では、
図1に示す直交方向Dに見たときに、突出部61、62は、第一の軸線C1上に配されている。具体的には、第一の支持部63および第二の支持部64の先端部が内視鏡の先端部よりも遠位側で第一の軸線C1を挟んでおり、且つ第一の支持部63および第二の支持部64の先端部から内視鏡の先端部に向かうに連れて内視鏡の先端部の径方向外方に傾斜するように内視鏡の先端部に対して位置決めされる。その結果、本実施形態の第一の支持部63および第二の支持部64は、第一の軸線C1に対して傾斜するように内視鏡の先端部に対して位置決めされる。例えば、本実施形態の第一の支持部63および第二の支持部64は、突出部61、62と連なる後述する第一の押さえ部65および第二の押さえ部66の基端部が固定具(位置決め部)によって内視鏡先端部に取り付けられることで位置決めされる。この場合、第一の押さえ部65および第二の押さえ部66は、突出部61、62を先端部で支持しており、突出部61、62と固定具とを連結する第一の連結部および第二の連結部として機能している。第一の支持部63は、第二の軸線C2に対して例えば45°程度傾いて第一の突出部61から基端側に延びている。すなわち、第二の軸線C2と第一の支持部63とが基端側になす角度θ1は45°程度である。
第二の支持部64は、第二の軸線C2に直交する直交方向Dにみたとき、第二の軸線C2に対して第一の支持部63と同じ基端側に傾いて第二の突出部62から基端側に延びている。すなわち、直交方向Dに見たときに、第一の支持部63の基端側と第二の支持部64の基端側とは、第二の軸線C2に対して基端側に同じ向きに傾斜して配置されている。
この実施形態では、支持部63、64は、
図1に示す側面視において重なっていて、
図2に示す平面視において内視鏡補助具60の先端側に向かうにしたがって互いに近づくように配置されている。すなわち、
図2に示す平面視において内視鏡補助具60全体として先細りとなるように構成されている。
【0023】
内視鏡補助具60は、
図2に示すように、第一の押さえ部65と、第二の押さえ部66とを有している。第一の押さえ部65は、第一の突出部61に先端が連なり、第一の突出部61から基端側に延びるように配される。第二の押さえ部66は、
図2に示すように、第二の突出部62に先端が連なり、第二の突出部62から基端側に延びるように配される。すなわち、第二の押え部66は、第二の突出部62から内視鏡補助具60の基端側に延びるように配される。内視鏡補助具60は、突出部、支持部および押さえ部の組を2つ備えている。前述の支持部63、64、および押さえ部65、66は、それぞれが直線状に形成されている。
図2に示す平面視において、押さえ部65、66は内視鏡補助具60の先端側に向かうにしたがって互いに近づくように配置されている。
【0024】
第一の突出部61、第一の支持部63、および第一の押さえ部65は、ステンレス製の棒状部材の外面が絶縁性を有する樹脂などで被覆され、折り曲げられることで、一体に形成されている。なお、これら第一の突出部61、第一の支持部63、および第一の押さえ部65は樹脂で一体成形されていてもよい。第二の突出部62、第二の支持部64、および第二の押さえ部66も、第一の突出部61、第一の支持部63、および第一の押さえ部65と同様に形成されている。
図1および
図2に示すように、第一の押さえ部65の基端部および第二の押さえ部66の基端部は、挿入部20の先端硬質部22に医療用バンドB(固定具等の位置決め部)などで取付けられている。
【0025】
内視鏡補助具60は、突出部61、62が観察ユニット27の視野範囲R1内にあるように挿入部20に取付けられる。
第一の突出部61と第二の突出部62との間、第一の支持部63と第二の支持部64との間、および第一の押さえ部65と第二の押さえ部66との離間距離は、チャンネル21の内径以上である。直交方向Dに見たときに、押さえ部65、66は、第一の軸線C1からわずかにずれた位置に配されている。
【0026】
本実施形態に係る内視鏡処置システム1は、
図1に示すように、チャンネル21内に挿通可能な処置具挿入部210を有する高周波ナイフ200とともに用いられる。
高周波ナイフ200は、公知の構成を有し、前述の処置具挿入部210と、この処置具挿入部210の基端部に設けられた処置具操作部220とを備えている。
処置具挿入部210では、シース211内に導電性の図示しない操作ワイヤが進退可能に挿通されている。操作ワイヤの先端部には棒状の電極212(
図3参照)が固定されている。電極212は、シース211の長手方向に沿って延びている。操作者は、シース211に対して操作ワイヤを進退させることで、シース211の先端から電極212を突出させたり、シース211内に電極212を収容させたりすることができる。
【0027】
処置具操作部220は、シース211の基端部に固定された棒状の操作部本体221と、スライダ222とを備えている。操作部本体221は、指掛け用のリング221aを基端部に備えている。スライダ222は、操作部本体221に対して操作部本体221の長手方向にスライド可能に設けられる。
スライダ222は、指掛け用のリング222a、222bを操作部本体221の長手方向に対して直交する方向に並べて備えている。スライダ222は、図示しない高周波発生装置に通じるコードが電気的に接続される接続コネクタ部223を備えている。
接続コネクタ部223は、操作ワイヤの基端部に電気的に接続されている。
【0028】
次に、以上のように構成された内視鏡処置システム1の動作について説明する。以下では、内視鏡処置システム1を用いて、例えば体腔内の粘膜切除を行なう際の動作について説明する。
まず、術者などの操作者は、患者に対極板(図示せず)を装着する。操作者は、挿入部20に内視鏡補助具60を医療用バンドBで取付けておく。続いて、操作者は、スイッチ42を操作することなどにより内視鏡10を起動させて、電源から観察ユニット27のCCDなどに電力を供給する。光源が発した照明光がライトガイド26の基端面に供給され、ライトガイド26に導かれた照明光は挿入部20の前方に照射される。操作者は、内視鏡10の観察ユニット27で取得した画像をモニタで観察しつつ、挿入部20を患者の口などから体腔内に導入する。
操作者は、必要に応じてアングルノブ41を操作して湾曲部23を湾曲させながら挿入部20を導入していき、挿入部20の先端面22aを体腔内における切除すべき目的部位である病変粘膜部分に対向させる。
【0029】
病変粘膜部分に対する挿入部20の先端面22aの位置を保持した状態で、操作者は、内視鏡10の鉗子口43およびチャンネル21を介して、体腔内に不図示の注射針を導入する。続いて、操作者は、注射針を用いて、
図3に示す病変粘膜部分P1の粘膜下層に生理食塩水を注入して、病変粘膜部分P1を隆起させる。その後、操作者は、この注射針をチャンネル21から引き抜く。
【0030】
操作者は、リング221a、リング222a、222bに指を通して処置具操作部220を把持する。操作者は、高周波ナイフ200の操作部本体221に対してスライダ222を基端側に移動させ(引き戻し)、シース211内に電極212を収容させる。続いて、操作者は、内視鏡10のチャンネル21内に高周波ナイフ200の処置具挿入部210を導入する。
操作者は、挿入部20の先端面22aから処置具挿入部210を突出させる。このとき、
図2および
図4に示すように、処置具挿入部210は第一の軸線C1上であって、第一の突出部61と第二の突出部62との間に配される。続いて、操作者は、処置具操作部220の接続コネクタ部223に高周波発生装置のコードを接続し、操作ワイヤを介して電極212に高周波電圧を印加する。
操作者は、操作部本体221に対してスライダ222を先端側に移動させ(押し込み)、
図3に示すようにシース211の先端から電極212を突出させる。
続いて、操作者は、病変粘膜部分P1の周囲の粘膜層P2および不図示の粘膜下層に、電極212を差す。操作者は、湾曲部23を湾曲させる操作などにより、電極212の長手方向に交差する方向に電極212を移動させ、粘膜層P2などを電極212により切開し、開口P3を形成する。
続いて、操作者は、操作部本体221に対してスライダ222を引き戻すとともに、内視鏡10に対して高周波ナイフ200を引き戻し、チャンネル21内に処置具挿入部210を収容しておく。
【0031】
図4および
図5に示すように、操作者は、内視鏡10の挿入部20を押し込むことで、開口P3を通して、開口P3よりも病変粘膜部分P1側の粘膜下層P5と筋層P6との間に突出部61、62を導入していく。このとき、支持部63、64よりも押さえ部65、66の方が筋層P6側に位置する。筋層P6が押さえ部65、66により保持されることで術場が平坦に近くなる。支持部63、64および押さえ部65、66が、それぞれ内視鏡補助具60の先端側に向かうにしたがって互いに近づくように配置されている。そのため、内視鏡補助具60が全体として先細りの形状となり、粘膜下層P5と筋層P6との間に内視鏡補助具60が導入しやすくなる。
開口P3よりも病変粘膜部分P1側における筋層P6から剥離された粘膜層P2および粘膜下層P5(以下、「蓋部P7」と称する)は、支持部63、64により支持される。蓋部P7が一対の支持部63、64で支持されることで、支持部63、64の間であって支持部63、64よりも押さえ部65、66側の空間V(
図4参照)に蓋部P7が入るのを抑制することができる。蓋部P7が支持部63、64に接触すれば蓋部P7が支持部63、64で支持される。そのため、蓋部P7が支持部63、64で支持された場合に、蓋部P7の支持部63、64に沿う方向における長さが支持部63、64の長さに比べて短い場合であっても、内視鏡補助具60は、蓋部P7を支持部63、64で確実に支持することができる。
蓋部P7が支持部63、64に支持されることで、蓋部P7と筋層P6との接続部分P8、およびこの接続部分P8に配された突出部61、62をモニタで確実に操作者が認識することができる。接続部分P8は、内視鏡補助具60に対して直交方向Dに延びるように位置している。
【0032】
突出部61、62は内視鏡補助具60の最も先端側に位置しているため、突出部61、62は接続部分P8から近い位置に配される。
操作者は、内視鏡10に対して高周波ナイフ200を押し込むとともに、操作部本体221に対してスライダ222を押し込み、挿入部20の先端面22aから再び電極212を突出させる。
処置具挿入部210は第一の軸線C1上に配されるため、電極212は第一の軸線C1上であって第一の突出部61と第二の突出部62との間を通して前方に送り出される。すなわち、内視鏡補助具60は、操作者が高周波ナイフ200を押し込むときに支障とはならない。
【0033】
接続部分P8において、第一の突出部61の近くにある部分と第二の突出部62の近くにある部分との中間部に、前方に送り出された電極212が接触すると、この接続部分P8が切開される。
操作者が湾曲部23を湾曲させると、先端硬質部22とともに内視鏡補助具60も揺動する(首を振る)。内視鏡補助具60が直交方向Dに揺動したときには、蓋部P7や筋層P6に対して内視鏡補助具60や電極212が直交方向Dに移動する(滑る)。このように、操作者は、蓋部P7を支持した状態で内視鏡補助具60を直交方向Dに揺動させることができるため、接続部分P8の切開を連続的かつ速やかに行うことができる。
続いて、操作者は、挿入部20を押し込んだり湾曲部23を湾曲させたりしながら蓋部P7と筋層P6との接続部分P8を切開し、病変粘膜部分P1を全て切除して剥離させる。
【0034】
その後、操作者は、スライダ222を引き戻してシース211内に電極212を収容し、内視鏡10のチャンネル21から高周波ナイフ200を基端側に引き抜く。操作者は、チャンネル21内に不図示の把持鉗子などを挿通させ、把持鉗子を操作してチャンネル21を通して病変粘膜部分P1を取出す。
最後に、操作者は、患者の口から内視鏡10の挿入部20を引き抜き、必要な処置をして一連の処置を終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る内視鏡処置システム1によれば、蓋部P7が支持部63、64により支持されることで、蓋部P7と筋層P6との接続部分P8を操作者が容易に認識することができる。突出部61、62が第一の軸線C1を直交方向Dに挟むように配されているため、操作者が、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、電極212が第一の突出部61と第二の突出部62との間を通る。このため、接続部分P8において、第一の突出部61の近くにある部分と第二の突出部62の近くにある部分との中間部に、前方に送り出された電極212が接触し、操作者は、粘膜下層P5を筋層P6から容易に剥離することができる。
【0036】
内視鏡補助具60が押さえ部65、66を備えることで、接続部分P8を切開するときに筋層P6がほぼ平坦に保持され、手技を容易に行うことができる。
内視鏡補助具60は、第一の支持部63と第二の支持部64との間、および第一の押さえ部65と第二の押さえ部66との間などが空いている。これにより、これらの間を通して局注や止血などの手技を行いやすく、かつ、高周波ナイフ200で切開した時に発生する煙などが空間Vに貯まり観察ユニット27により観察し難くなることを抑制することができる。
【0037】
本実施形態では、内視鏡補助具が突出部、支持部および押さえ部の組を2つ備える例を示したが、内視鏡補助具が突出部、支持部および押さえ部の組を3つ以上備えるように構成してもよい。
【0038】
図6に示す本実施形態の第1変形例のように、内視鏡補助具60の各構成に加えて、内視鏡補助具70は、両端部が第一の突出部61、第一の押さえ部65にそれぞれ連なる第一の連結部71を備えてもよい。本変形例では、図示はしないが、内視鏡補助具70は、両端部が第二の突出部62、第二の押さえ部66にそれぞれ連なる第二の連結部も備えている。第一の連結部71および第二の連結部は、挿入部20の先端面22aに平行に配置されている。
この第1変形例においても、直交方向Dに見たときに、突出部61、62は、第一の軸線C1上に配されている。
内視鏡補助具70をこのように構成することで、チャンネル21の内径が大きく処置具挿入部210の外径が大きい場合であっても、操作者は、蓋部P7と筋層P6との接続部分P8を電極212で切開しやすくすることができる。
【0039】
図7は、本発明の第1実施形態の第2変形例の内視鏡処置システムにおける先端部の側面の部分断面図である。
図7に示す変形例のように、内視鏡補助具60の押さえ部65、66に代えて、内視鏡補助具75は、第一の連結部76、および、第二の連結部(不図示)を備えてもよい。第一の連結部76は、第一の支持部63の基端部に先端部が連なり内視鏡補助具75の基端側に延びるように配される。第二の連結部は、第二の支持部64の基端部に先端部が連なり内視鏡補助具75の基端側に延びるように配される。本変形例では、支持部63,64は、第一の連結部76および/または第二の連結部の軸方向に対して傾斜するように折れ曲がっており、内視鏡先端よりも遠位側で内視鏡(チャンネル)の軸線方向に対して傾斜するように第一の連結部76および第二の連結部が固定具(位置決め部)によって内視鏡先端部に取り付けられて位置決めされる。また、第一の支持部63および第二の支持部64の先端部が内視鏡の先端部よりも遠位側で第一の軸線C1を挟んでおり、且つ第一の支持部63および第二の支持部64の先端部から内視鏡の先端部に向かうに連れて内視鏡の先端部の径方向外方に傾斜するように内視鏡の先端部に対して第一の連結部76および第二の連結部を介して固定具(位置決め部)によって位置決めされている。本変形例の支持部63,64の先端部、すなわち、突出部61、62は、第1実施形態と同様に、粘膜下層P5と筋層P6との間に内視鏡の先端部を潜り込ませやすいように構成することができる。
第一の連結部76の基端部および第二の連結部の基端部は、挿入部20の先端硬質部22に医療用バンドBなどで取付けられている。
このように構成された変形例の内視鏡補助具75を備える内視鏡処置システム1Bによっても、本実施形態に係る内視鏡処置システム1と同様の効果を奏することができる。
なお、本変形例の内視鏡補助具75では、両連結部を備えずに、支持部63、64の基端部が挿入部20の先端硬質部22に直接取付けられるように構成してもよい。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について
図8および
図9を参照しながら説明する。本発明の第1実施形態と同一の部位には、同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る内視鏡処置システム2は、第1実施形態に係る内視鏡処置システム1の内視鏡補助具60に代えて内視鏡補助具80を備えている。
内視鏡補助具80は、内視鏡補助具60の各構成に加えて、連結部81と、板状部材82とを備えている。連結部81は、第一の支持部63の基端部および第二の支持部64の基端部にそれぞれ連結される。板状部材82は、連結部81に回動可能に支持される。
図8および後述する
図9においては、支持部63、64は互いに平行になるように形成されているが、支持部63、64は内視鏡補助具80の先端側に向かうにしたがって互いに近づくように形成されていてもよい。押さえ部65、66についても同様である。すなわち、
図8および後述する
図9においては、押さえ部65、66は互いに平行になるように形成されているが、押さえ部65、66は内視鏡補助具80の先端側に向かうにしたがって近づくように形成されていてもよい。
【0041】
連結部81は、第一の突出部61などと同様に、ステンレス製の棒状部材を樹脂で被覆して構成することができる。本実施形態では、突出部61、62、支持部63、64、押さえ部65、66、および連結部81は一体に形成されている。
板状部材82は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂などの生体適合性を有する公知の樹脂で矩形の板状に形成されている。板状部材82は、透明な材料で形成されることが好ましい。
板状部材82の縁部には、縁部に沿って間隔を空けて一対の貫通孔82aが形成されている。
【0042】
板状部材82は、支持部63、64および連結部81よりも内視鏡補助具80の先端側に配置されている。板状部材82にある貫通孔82aに挿通された糸83は、連結部81に結び付けられている。
図8に示すように、板状部材82の基端側の面が支持部63、64に当接したとき、支持部63、64に対する板状部材82の位置を通常位置と定義する。
板状部材82が通常位置にあるときに、第一の軸線C1は板状部材82の基端側の面と点Gで交わる。言い換えると、通常位置にある板状部材82は、第一の軸線C1に沿ってチャンネル21に挿通される処置具の進行を妨げる位置に配されている。
【0043】
このように構成された内視鏡処置システム2は、板状部材82が通常位置にあり、板状部材82の先端側の面を蓋部P7が基端側に押したときに、板状部材82を支持部63、64および連結部81が支持する。これにより、内視鏡処置システム2は、蓋部P7を内視鏡補助具80でより確実に支持することができる。板状部材82が透明な材料で形成されているため、操作者は、観察ユニット27により板状部材82を通して板状部材82よりも前方の様子を観察することができる。
一方で、操作者が、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、電極212が板状部材82に点Gで接触する。操作者が、高周波ナイフ200をさらに押し込むと、電極212が板状部材82を先端側に押すことで板状部材82が連結部81周りに回動し、電極212を板状部材82よりも前方に移動させることができる。
このように構成された本実施形態に係る内視鏡処置システム2によれば、操作者は、粘膜下層P5を筋層P6から容易に剥離することができる。
【0044】
本実施形態では、連結部81に対して板状部材82が回動可能に支持される構成と示したがこれに限られない。例えば、板状部材の端部を管状に曲げ、この管路内に連結部81を挿通させることで、板状部材を連結部81に回動可能に支持させてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、変形例として、
図9に示す内視鏡補助具85のように、板状部材82が支持部63、64および連結部81にそれぞれ不図示の接着剤などにより取付けられるように構成してもよい。この変形例では、板状部材82は第一の軸線C1を含まない領域に設けられている。すなわち、板状部材82は、処置具の進行を妨げない位置に配されている。
このように構成された内視鏡処置システム2Aは、板状部材82の先端側の面を蓋部P7が押したときに、板状部材82を支持部63、64および連結部81が支持する。一方で、操作者が、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、電極212は板状部材82よりも突出部61、62側を通り板状部材82よりも前方に移動する。そして、この電極212により、操作者は、粘膜下層P5を筋層P6から容易に剥離することができる。
【0046】
本実施形態では、板状部材82は、第一の支持部63と第二の支持部64との間であって、第一の軸線C1を含まない領域に設けられているため、第一の突出部61と第二の突出部62との間は観察ユニット27により観察できる。そのため、板状部材82が不透明な材料で形成されていてもよい。
本実施形態の変形例では、内視鏡補助具85が連結部81を備えず、板状部材82が支持部63、64のみに取付けられるように構成してもよい。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について
図10から
図14を参照しながら説明する。上述の実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。以下では内視鏡補助具に重点を置いて説明するが、これらの内視鏡補助具は前述の内視鏡10とともに内視鏡処置システムを構成する。
図10および
図11に示すように、本実施形態に係る内視鏡補助具90は、取付け部材91と、側板92、93と、連結部材94とを備えている。取付け部91は、筒状であり、内視鏡10の挿入部20の先端硬質部22に着脱可能に配される。側板92、93は、取付け部材91の前方に第一の軸線C1を直交方向Dに挟むように配される。連結部材94は、側板92、93と取付け部材91とを連結する。
【0048】
取付け部材91の内径は、先端硬質部22の外径よりもわずかに大きい。側板92、93間の距離は、チャンネル21の内径に等しい。連結部材94は、第一の軸線C1に直交する断面形状が第一の軸線C1から離れる方向に向かって凸となる円弧状に形成されている。
取付け部材91、側板92、93、および連結部材94は、シリコンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの絶縁性および生体適合性を有する樹脂で一体に形成されている。
側板92の先端部であって連結部材94側の端が第一の突出部92aであり、側板93の先端部であって連結部材94側の端が第二の突出部93aである。側板92の第一の突出部92aから基端側に延びるように連なる縁部が第一の支持部92bであり、側板93の第二の突出部93aから基端側に延びるように連なる縁部が第二の支持部93bである。操作者が内視鏡10の挿入部20に取付け部材91を取付けたときに、第二の軸線C2と支持部92b、93bとがなす角度θ2は45°程度である。
このように構成された内視鏡補助具90が内視鏡10の先端硬質部22に取付けられたときには、第一の支持部92bと、第二の支持部93bと、連結部材94とが蓋部P7を支持する。一方で、操作者がチャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、高周波ナイフ200は、電極212は側板92と側板93との間を通り側板92、93よりも前方に移動する。
【0049】
図12に示す本実施形態の第1変形例に係る内視鏡補助具100は、前述の取付け部材91と、フラップ101と、連結部材102、103とを備えている。フラップ101は、板状であり、取付け部材91よりも先端側に配置される。連結部材102、103は、棒状であり、フラップ101と取付け部材91とを連結する。
フラップ101、連結部材102、103は、取付け部材91、第一の突出部61と同じ材料を用いてそれぞれ構成することができる。フラップ101と連結部材102、103との接続部、および連結部材102、103と取付け部材91との接続部は、公知の接着剤によりそれぞれ固定されている。すなわち、フラップ101は、連結部材102、103により取付け部材91に固定されている。
本実施形態の第1変形例では、フラップ101の先端部であって幅方向の端部が第一の突出部101a、第二の突出部101bである。フラップ101の第一の突出部101aから基端側に延びるように連なる縁部が第一の支持部101cであり、第二の突出部101bから基端側に延びるように連なる縁部が第二の支持部101dである。
内視鏡10の挿入部20に取付け部材91を取付けられたときに、第二の軸線C2と支持部101c、101dとがなす角度θ3は45°程度である。
【0050】
図13に示す本実施形態の第2変形例に係る内視鏡補助具105では、連結部材102、103の基端部が取付け部材91に、公知の接続構造106により回動可能に接続されている。接続構造106は、例えば、取付け部材91の側面に形成した孔と、連結部材102、103の基端部に形成され、前述の孔に挿通されたフックとで構成することができる。
連結部材102、103の長手方向の中間部には、牽引ワイヤ107の先端部がそれぞれ接続される。牽引ワイヤ107は、内視鏡補助具105の基端側に延びている。
このように構成された内視鏡補助具105では、操作者は、一対の牽引ワイヤ107を引き戻したり押し込んだりすることで、フラップ101を移動させて前述の角度θ3を調節することができる。すなわち、操作者は、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込んだときに、電極212が第一の突出部101aと第二の突出部101bとの間を通らない状態である。続いて、操作者は、電極212が第一の突出部101aと第二の突出部101bとの間を通るように、フラップ101を移動させ、前述の角度θ3を調節することができる。
【0051】
図14に示す本実施形態の第3変形例の内視鏡補助具110は、前述の取付け部材91と、側板111、112と、連結部材113とを備えている。側板111、112は、取付け部材91の前方に第一の軸線C1を直交方向Dに挟むように配される。連結部材113は、側板111、112と取付け部材91とを連結する。
側板111の縁部111a、および側板112の縁部112aは、基端側に向かうにしたがって取付け部材91の外周面に互いに近づくように傾斜している。側板111、112間の距離は、チャンネル21の内径に等しい。連結部材113は、第一の軸線C1に直交する断面形状が第一の軸線C1から離れる方向に向かって凸となる円弧状に形成されている。
取付け部材91、側板111、112、および連結部材113は、前述の内視鏡補助具90と同一の材料で一体に形成されている。
【0052】
操作者は、このように構成された内視鏡補助具110を内視鏡10の先端硬質部22に取付け、開口P3を通して粘膜下層P5と筋層P6との間に側板111、112を導入する。側板111、112は、筋層P6から病変粘膜部分P1を持ち上げるように作用する。
続いて、操作者が、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、電極212は側板111と側板112との間を通り側板111、112よりも前方に移動する。
【0053】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について
図15から
図23を参照しながら説明する。前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図15および
図16に示すように、本実施形態に係る内視鏡補助具115は、前述の取付け部材91と、取付け部材91の先端部における対向する縁部同士に接続されたバー116とを備えている。
内視鏡補助具115と内視鏡10とで内視鏡処置システム4が構成される。
【0054】
バー116は、内視鏡補助具115の先端側に向かって凸となるように湾曲している。観察ユニット27の視野範囲R1を妨げないために、バー116の外径は細い方が好ましい。バー116は、取付け部材91と同一の材料で形成したり、第一の突出部61と同じ材料を用いて構成したりすることができる。例えば、バー116は、第一の突出部61と同じ材料であるステンレス製の棒状部材を補強材として用いて構成されることで、バー116の強度を高めることができる。
内視鏡10の挿入部20に取付け部材91を取付けたときの正面視において、バー116は、チャンネル21と観察ユニット27との間に配置されることが好ましい。
【0055】
このように構成された内視鏡処置システム4を用いて手技をする場合には、操作者は、内視鏡10の観察ユニット27よりもチャンネル21を筋層P6側に配置するとともに、
図15および
図17に示すように、バー116の観察ユニット27側で蓋部P7を支持する。
続いて、操作者が、内視鏡10のチャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込むと、電極212はバー116に接触することなく前方に移動する。
バー116に蓋部P7を掛けて挙上することで、蓋部P7の第二の軸線C2方向の長さが比較的短い場合であっても、蓋部P7をバー116で確実に支持することができる。
操作者が、蓋部P7を挙上した状態で内視鏡補助具115を揺動させることで、蓋部P7に対して内視鏡補助具115や電極212が直交方向Dに移動する。このため、蓋部P7を挙上した状態が変化せず、操作者は、切開や剥離を容易に行うことができる。
【0056】
図18に示す本実施形態の第1変形例の内視鏡補助具120は、前述の内視鏡補助具115の各構成に加えて、バー116の長手方向の中央部に内視鏡補助具120の先端側に向かって突出する突起121を備えている。突起121は、バー116を構成する棒状部材の中央部を先端側に向かって湾曲させることなどで形成することができる。
操作者は、このように構成された内視鏡処置システム4Aを用いて手技をする場合には、モニタに表示される
図19に示す画像Mにおいて、病変粘膜部分P1を6時の方向に配置できるとは限らない。この場合、バー116は病変粘膜部分P1に対して大きく傾いた状態になる。このような場合であっても、突起121に蓋部P7を掛けることで、バー116で蓋部P7を確実に挙上することができる。
【0057】
図20に示す本発明の第4実施形態の第2変形例の内視鏡補助具125は、本実施形態に係る内視鏡補助具115のバー116に代えて、取付け部材91の先端部における縁部に内視鏡補助具125の先端側に向かって突出する突起126を備えている。
内視鏡補助具125がこのように構成されても、前述の本発明の第4実施形態の第1変形例の内視鏡補助具120と同様に、突起126に蓋部P7を掛けることで、突起126で蓋部P7を確実に挙上することができる。
【0058】
図21に示す本発明の第4実施形態の第3変形例の内視鏡補助具130は、前述の本発明の第4実施形態の第2変形例の内視鏡補助具125の突起126に代えて、取付け部材91の先端部における縁部から内視鏡補助具130の基端側に向かって凹んだ凹部131を備えている。凹部131は、内視鏡補助具130の側壁を厚さ方向に貫通している。
内視鏡補助具130がこのように構成されても、前述の本発明の第4実施形態の第2変形例の内視鏡補助具125と同様に凹部131に蓋部P7を掛けることで、凹部131で蓋部P7を確実に挙上することができる。
【0059】
図22に示す本発明の第4実施形態の第4変形例の内視鏡補助具135では、L字形のフック部材136の折れ部に固定された支持軸137が、取付け部材91の外周面の先端側に回動可能に支持されている。フック部材136および支持軸137は、取付け部材91の外周面における取付け部材91の軸線を挟んで反対側となる位置に一対設けられている(一方の支持軸137は不図示)。
各フック部材136の一方の端部には、前述のバー116の端部がそれぞれ固定されている。各フック部材136の他方の端部には、牽引ワイヤ138の先端部がそれぞれ接続されている。牽引ワイヤ138は内視鏡補助具135の基端側に延びている。牽引ワイヤ138が挿通されたシース139の先端部は、取付け部材91に固定されている。
取付け部材91の外周面には、公知の鉗子141が支持部材142により取付け部材91の軸線方向に進退可能に支持されている。
【0060】
このように構成された内視鏡処置システム4Bを用いて手技をする場合には、操作者が、
図22に示すように牽引ワイヤ138を押し込むことでバー116の先端部が支持部材142から離間した位置に配置される。牽引ワイヤ138の操作は、介助者に行わせてもよい。このように内視鏡処置システム4Bの操作の一部を介助者が分担することで、操作者の負担を低減させることができる。
操作者が、蓋部P7と不図示の筋層P6との間にバー116を挿入し牽引ワイヤ138を引き戻すと、
図23に示すように各フック部材136が支持軸137周りに回転してバー116が移動し、蓋部P7が鉗子141の前方に起上する。
続いて、操作者は、鉗子141を押し込んで一対の把持片141aで蓋部P7の先端部を把持する。この状態で、操作者は、チャンネル21に処置具挿入部210が挿通された高周波ナイフ200を押し込み、電極212で蓋部P7と筋層P6との接続部分P8の剥離を行う。
剥離が進んだら、操作者は、蓋部P7を把持した鉗子141を押し込むことで、病変粘膜部分P1が大きい場合であっても連続的に剥離を行うことができる。
【0061】
以上、本発明の第1実施形態から第4実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除なども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できる。
例えば、本発明の第1実施形態および第2実施形態では、挿入部20に押さえ部65、66の基端部を医療用バンドBで取付けることで、挿入部20に内視鏡補助具が固定されていると説明した。しかし、挿入部20の先端硬質部22に着脱可能な筒状の取付け部材に押さえ部65、66の基端部を接着剤などで固定することで、挿入部20に内視鏡補助具を取付けるように構成してもよい。
【0062】
本発明の第1実施形態および第2実施形態では、支持部63、64は、平面視において内視鏡補助具の先端側に向かうにしたがって互いに近づくように配置されていると説明した。しかし、支持部63、64が互いに平行になるように配置されていてもよい。このような構成により、支持部63、64の長手方向の位置によらず支持部63、64間の距離が変わらない。したがって、支持部63、64で蓋部P7を確実に支持することができる。支持部63、64は、平面視において内視鏡補助具の先端側に向かうにしたがって離間する(先広がりとなる)ように配置されていてもよい。
押さえ部65、66についても同様に、互いに平行になるように配置されていてもよいし、平面視において内視鏡補助具の先端側に向かうにしたがって離間するように配置されていてもよい。
【0063】
図2に示す平面視において、支持部63、64、および押さえ部65、66は、第一の軸線C1に対してそれぞれ対称(線対称)に配置されていてもよいし、非対称に配置されていてもよい。
直交方向Dに見たときに、突出部61、62は第一の軸線C1上に配されていると説明した。しかし、突出部61、62が配される位置はこの限りではなく、突出部61、62が第一の軸線C1からずれた位置に配されていてもよい。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明に限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
本内視鏡補助具は、長手軸に沿って延設された第一の支持部と、前記第一支持部の前記長手軸と略平行に設けられた第二の支持部と、前記第一の支持部および前記第二の支持部の先端部にそれぞれ設けられ、前記内視鏡の前記先端部よりも遠位側かつ前記内視鏡の前記先端部に開口するチャンネルの軸線を挟むように配された第一の突出部および第二の突出部と、前記第一の支持部および前記第二の支持部が前記チャンネルの前記軸線に対して傾斜するように前記第一の突出部および前記第二の突出部を前記内視鏡の前記先端部に対して位置決めする位置決め部と、を有する。