(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地図情報および視野画像情報が表示される表示部上で、前記地図情報に対応する領域に接触する操作体の接触位置、および前記接触位置において前記操作体の向きを変える操作である回転操作により変化する前記操作体の指示方向を検出する操作体検出部と、
前記操作体の接触位置により指定される前記地図情報上の視点、および前記操作体の指示方向により指定される前記地図情報上の視線方向に応じて、前記視野画像情報の表示を制御する表示制御部と、
を備える地図情報表示装置。
前記表示制御部は、前記表示部上で前記操作体の指示方向と同一方向をなす、前記地図情報上の視線方向に応じて、前記視野画像情報の表示を制御する、請求項1に記載の地図情報表示装置。
前記表示制御部は、前記操作体の指示方向の変化量に係数a(1<a)を乗じた変化量で規定される前記地図情報上の視線方向に応じて、前記視野画像情報の表示を制御する、請求項1に記載の地図情報表示装置。
前記表示制御部は、前記操作体の指示方向の変化量に係数(1−a)を乗じた変化量で前記地図情報を回転させるように、前記地図情報の表示を制御する、請求項4に記載の地図情報表示装置。
地図情報および視野画像情報が表示される表示部上で、前記地図情報に対応する領域に接触する操作体の接触位置、および前記接触位置において前記操作体の向きを変える操作である回転操作により変化する前記操作体の指示方向を検出するステップと、
前記操作体の接触位置により指定される前記地図情報上の視点、および前記操作体の指示方向により指定される前記地図情報上の視線方向に応じて、前記視野画像情報の表示を制御するステップと、
を含む地図情報表示方法。
地図情報および視野画像情報が表示される表示部上で、前記地図情報に対応する領域に接触する操作体の接触位置、および前記接触位置において前記操作体の向きを変える操作である回転操作により変化する前記操作体の指示方向をを検出するステップと、
前記操作体の接触位置により指定される前記地図情報上の視点、および前記操作体の指示方向により指定される前記地図情報上の視線方向に応じて、前記視野画像情報の表示を制御するステップと、
を含む地図情報表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
[1.地図情報表示装置100の概要]
図1は、本発明の実施形態に係る地図情報表示装置100の概要を示す図である。
【0018】
本発明の実施形態に係る地図情報表示装置100は、表示パネル101に対するユーザの指等の操作体Mの接触状態を検出する。地図情報表示装置100は、パーソナルコンピュータ、PDA、カーナビゲーション装置等である。なお、以下では、地図情報表示装置100が表示パネル101を内蔵する場合について説明するが、地図情報表示装置100は、通信手段を介して表示パネル101に接続されてもよい。
【0019】
地図情報表示装置100は、地図情報MIおよび視野画像情報VIが表示される表示パネル101上で、地図情報MIに対応する領域に接触する操作体Mの位置および指示方向を検出する。そして、地図情報表示装置100は、操作体Mの位置により指定される地図情報MI上の視点、および操作体Mの指示方向により指定される地図情報MI上の視線方向に応じて、視野画像情報VIの表示を制御する。
【0020】
例えば、
図1では、地図情報MI上の視点を示すアイコンI上で操作体Mの指示方向を変更することで、アイコンI’で示される視線方向が変更され、変更前後の視線方向に対応する視野画像情報VI1、VI2が各々に表示されている。ここで、操作体Mの指示方向とは、例えば操作体Mが指であれば、指先により指示される方向を意味する。
【0021】
これにより、地図情報MI上で操作体Mの位置および指示方向により指定される視点および視線方向に応じた視野画像情報VIが表示されることで、ユーザは、地図情報MIおよび視野画像情報VI等の地図関連情報を直感的かつ容易に操作できる。
【0022】
[2.地図情報表示装置100の機能構成]
図2は、本発明の実施形態に係る地図情報表示装置100の主要な機能構成例を示すブロック図である。地図情報表示装置100は、表示パネル101、操作体検出部107、画像生成部109、表示制御部111、記憶部113、制御部115を含んで構成される。
【0023】
表示パネル101は、接触センサ103および表示部105として機能する。接触センサ103は、操作体Mの接触状態を捉える。接触センサ103は、光学式、静電容量式、圧力式等のセンサであるが、以下では、表示パネル101の受光状態に基づいて、操作体Mの接触状態を捉える場合を想定する。
【0024】
表示部105は、表示制御部111の制御下で、オブジェクト、コンテンツ、アプリケーションの処理結果等を表示し、特に地図情報MI、視野画像情報VI、および視点アイコンIを表示する。
【0025】
地図情報MIとは、移動・経度情報を伴う地形図、都市図等の画像情報である。視野画像情報VIとは、地図情報MI上の特定の位置(視点)から特定の方向(視線方向)を見た場合に、視野に映る建物等の景観を表す写真等の画像情報である。
【0026】
視点アイコンIとは、視点情報の一例であり、地図情報MI上で指定されている視点および視線方向を示すアイコンである。なお、オブジェクトとは、例えば、アイコン、ボタン、サムネイル等、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成するオブジェクトである。
【0027】
操作体検出部107は、接触センサ103を用いて表示パネル101に対する操作体Mの接触状態を検出する。操作体検出部107は、表示パネル101の受光状態に基づいて、表示パネル101に対する操作体Mの接触の有無、接触位置、接触面積、指示方向を検出する。なお、接触センサ103による操作体Mの検出方法の詳細については後述する。
【0028】
操作体Mの位置(接触位置)および指示方向は、地図情報MIの緯度・経度および方角として定義される、地図情報MI上の視点および視線方向を指定するために用いられる。
【0029】
画像生成部109は、地図情報MI上の視点および視線方向に応じて、地図情報MIおよび視野画像情報VIの画像データを生成する。画像生成部109は、視点および視線方向に応じた地図情報MIおよび視野画像情報VIを記憶部113から読出し、地図情報表示領域に表示するための画像データとして表示制御部111に出力する。
【0030】
例えば、視点の緯度および経度がLaおよびLn、視線方向の方角が北であれば、緯度La、経度Lnの地点を含む地図情報MI、および同地点から北方向を見た場合に視野に映る景観を表す視野画像情報VIが画像データとして出力される。
【0031】
記憶部113は、地図情報表示プログラム、アプリケーションプログラム、オブジェクトのデータ等を記憶し、特に地図情報MI、視野画像情報VIを記憶している。地図情報MIは、地図情報MIの緯度・経度に関連付けて記憶され、視野画像情報VIは、地図情報MIの緯度・経度および方角に関連付けて記憶されている。制御部115は、地図情報表示プログラムの実行により各部を制御し、地図情報表示装置100全体の動作を制御する。
【0032】
表示制御部111は、表示パネル101(表示部105)を制御して、地図情報MI、視野画像情報VI等を表示する。表示制御部111は、表示パネル101上の操作体Mの位置により指定される地図情報MI上の視点、および操作体Mの指示方向により指定される地図情報MI上の視線方向に応じて、視野画像情報VIの表示を制御する。
【0033】
なお、地図情報表示装置100は、自装置の現在位置を検出する位置特定機能、ルートを探索・ルート案内のためのナビゲーション機能、地図情報MI、視野画像情報VI等をネットワーク上のデータベースから取得する通信機能等を含んでもよい。
【0034】
ここで、操作体Mの指示方向の変化は、従来のボタンダウン、ボタンアップ、クリック、ダブルクリック、タッチ、ドラッグ、ドロップ、フリック操作等に対して判別可能であるので、これらの操作と干渉しないように検出される。
【0035】
[3.操作体Mの検出方法]
表示パネル101には、いずれも不図示のRGB画素および受光センサがマトリクス状に配置されている。受光センサは、表示パネル101から放射されて操作体Mで反射された光を受光し、受光状態に基づいて、操作体Mの接触状態を捉えることで、接触センサ103として機能する。そして、操作体検出部107は、接触センサ103の出力結果をデジタル処理することで、センサ画像Sを生成する。
【0036】
操作体検出部107は、センサ画像Sに基づいて各画素に対応する受光状態を表す輝度値を算出し、所定の閾値を用いて輝度値を2値化処理する。2値化処理では、各画素の輝度値が第1または第2のカテゴリに分類され、センサ画像Sの領域が各カテゴリに対応する第1または第2の領域A1、A2に区分される。第1および第2の領域A1、A2は、輝度大、輝度小の領域に対応しており、操作体Mの接触領域、非接触領域として各々に特定される。
【0037】
操作体検出部107は、第1の領域A1の存在に基づいて、表示パネル101に対する操作体Mの接触の有無を検出する。また、操作体検出部107は、第1の領域A1の重心位置および面積を算出することで、操作体Mの接触位置および接触面積を各々に検出する。
【0038】
特に、操作体検出部107は、第1の領域A1の長軸方向Dを特定することで、操作体Mの指示方向を検出する。操作体Mの指示方向は、第1の領域A1の長軸方向Dに沿って表示パネル101の上部を指示する方向として定義される。制御部115は、操作体Mの指示方向の回転前と回転後の角度差分を算出することで、操作体Mの回転角度を算出する。
【0039】
以下では、
図3A〜
図3Cを参照しながら、操作体Mの指示方向の検出方法について説明する。
図3A〜
図3Cは、表示パネル101上での操作体Mの位置および操作体Mの検出結果を示す図である。
【0040】
図3Aでは、操作体Mである指先の接触領域A1がセンサ画像S上で、楕円形の領域A1として捉えられている。この場合、操作体検出部107は、楕円形の領域A1の長軸方向Dを特定し、特定された長軸方向Dに沿って表示パネル101の上部を指示する方向を操作体Mの指示方向として検出する。通常、表示パネル101に対する指先の接触領域A1は、指の指示方向を長軸方向Dとする楕円形の領域A1として捉えられる。
【0041】
図3Bでは、
図3Aの状態から指先が回転され、回転後の指先の接触領域A1’がセンサ画像S上で、楕円形の領域A1’として捉えられている。この場合、操作体検出部107は、楕円形の領域A1’の長軸方向Dを特定し、特定された長軸方向Dに沿って表示パネル101の上部を指示する方向を回転後の操作体Mの指示方向として検出する。そして、制御部115は、操作体Mの指示方向の回転前と回転後の角度差分に基づいて、操作体Mの回転角度を算出する。
【0042】
一方、
図3Cでは、指先の接触領域A1’’がセンサ画像S上で、略円形の領域A1’’として捉えられている。この場合、操作体検出部107は、接触領域A1’’の長軸方向Dを特定できないので、制御部115は、検出エラーとみなす。
【0043】
[4.地図情報表示方法]
図4は、本発明の実施形態に係る地図情報表示方法を示すフロー図である。
図5は、地図情報MIおよび視野画像情報VIの表示例を示す図である。
図6は、視点移動に係る表示例を示す図であり、
図7は、視線方向変更に係る表示例を示す図である。
【0044】
表示パネル101には、地図情報MI、および地図情報MI上で指定される視点および視線方向に応じた視野画像情報VIが表示されている。地図情報MI上には、指定されている視点および視線方向(矢印の向き)を示す視点アイコンIが地図情報MI上の視点に対応する位置に表示されている。
【0045】
図5に示す例では、地図情報MI1上の視線方向(北北西方向)に対応する視野画像情報VI0(郵便局等を表す写真)が表示されている。これにより、ユーザは、地図情報MI1上の視点および視線方向を容易に把握できる。
【0046】
また、地図情報MI1上には、地図情報MIの拡大縮小、地図情報MIの選択を行うためのGUIボタンB1等が表示されている。また、視野画像情報VI上には、視野画像情報VIの拡大縮小、視野画像情報VIの移動を行うためのGUIボタンB2、B3等が表示されている。
【0047】
図4に示すように、操作体検出部107は、検出フレーム毎に操作体Mの接触状態を検出する(ステップS101)。制御部115は、操作体Mが表示パネル101に接触しているかを判定する(S103)。制御部115は、判定結果が肯定的であれば、ステップS105以降の処理を行い、判定結果が否定的であれば、ステップS101の処理に復帰する。
【0048】
ステップS105において、制御部115は、操作体Mが視点アイコンIに対応する領域に接触していないかを判定する。制御部115は、判定結果が肯定的であれば、ステップS107の処理を行い、判定結果が否定的であれば、ステップS111以降の処理を行う。
【0049】
ステップS107において、操作体検出部107は、後続のフレームで地図情報MIまたは視野画像情報VIに対するクリック、ドラッグ、ドロップ、フリック操作等の通常操作を検出する。そして、制御部115は、検出された操作に対応する処理を行う(S109)。
【0050】
ステップS111において、操作体検出部107は、後続のフレームで操作体Mによる視点アイコンIのドラッグ操作を検出する。ドラッグ操作とは、表示パネル101上で、視点アイコンI等に対応する領域に操作体Mを接触させた状態で操作体Mを移動させる操作を意味する。制御部115は、操作体Mの位置がドラッグ操作により直前のフレームから移動されているかを判定する(S113)。制御部115は、判定結果が肯定的であれば、ステップS115以降の処理を行い、判定結果が否定的であれば、ステップS123以降の処理を行う。
【0051】
ステップS115において、制御部115は、移動後の操作体Mの位置に応じて視点の情報を更新する。表示制御部111は、移動後の操作体Mの位置に視点アイコンIを表示するように表示パネル101(表示部105)を制御する(S117)。
【0052】
制御部115は、移動後の視点に応じて、地図情報MIの緯度・経度、方角に対応する視野画像情報VIの存在を記憶部113に照会し(S119)、対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの更新を画像生成部109に指示する。画像生成部109は、移動後の視点に応じた視野画像情報VIを記憶部113から読出して画像データを生成し、表示制御部111に出力し、表示パネル101上で視野画像情報VIの表示が更新される(S121)。
【0053】
図6に示すように、操作体Mの位置が地図情報MI1上でドラッグ操作により移動されると、移動後の操作体Mの位置に視点アイコンIが表示される。そして、移動後の視点に対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの表示が更新される。
図6に示す例では、視点アイコンIが北方向に移動されており、視線方向(北北西方向)に対応する視野画像情報VI1(××ビル、公園等を表す写真)が表示されている。
【0054】
ここで、操作体Mの位置の連続的な移動に応じて、移動経路上の各視点に対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの表示が移動経路上で順次に更新されてもよい。例えば、
図6に示す例では、視点の移動に応じて、視野画像情報VIとして、郵便局→○○ビル→交差点→××ビル→公園を表す写真が順次に表示されてもよい。
【0055】
ステップS123において、操作体検出部107は、後続のフレームで操作体Mによる視点アイコンIの回転操作を検出する。制御部115は、操作体Mの指示方向が回転操作により直前のフレームから変更されているかを判定する(S125)。制御部115は、判定結果が肯定的であれば、ステップS127以降の処理を行い、判定結果が否定的であれば、ステップS101の処理に復帰する。
【0056】
ステップS127において、制御部115は、変更後の操作体Mの指示方向に応じて視線方向の情報を更新する。ここで、制御部115は、操作体Mの指示方向と一致するように地図情報MI上の視線方向を更新する。表示制御部111は、変更後の操作体Mの指示方向を示す視点アイコンIを表示するように表示パネル101(表示部105)を制御する(S129)。
【0057】
制御部115は、変更後の視線方向に応じて、地図情報MIの緯度・経度、方角に対応する視野画像情報VIの存在を記憶部113に照会し(S131)、対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの更新を画像生成部109に指示する。画像生成部109は、変更後の視線方向に応じた視野画像情報VIを記憶部113から読出して画像データを生成し、表示制御部111に出力し、表示パネル101上で視野画像情報VIの表示が更新される(S133)。
【0058】
図7に示すように、視点アイコンI上で操作体Mの指示方向が回転操作により時計回りに60°変更されると、時計回りに60°変更された視線方向を示す視点アイコンI’が表示される。ここで、視点アイコンI’は、操作体Mの指示方向と一致する、地図情報MI1上の変更後の視線方向を示している。
【0059】
そして、変更後の視線方向に対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの表示が更新される。
図7に示す例では、視線方向の変更前後で、視線方向(北北西方向、北北東方向)に対応する視野画像情報VI1(××ビル、公園等を表す写真)、VI2(△△ビル、学校等を表す写真)が各々に表示されている。これにより、地図情報MI上の視線方向が操作体Mの指示方向に一致しているので、ユーザは、地図情報MI上の視線方向を直感的に指定できる。
【0060】
ここで、操作体Mの指示方向の連続的な変更に応じて、変更途中の各視線方向に対応する視野画像情報VIが存在する場合、視野画像情報VIの表示が変更途中で順次に更新されてもよい。例えば、
図7に示す例では、視線方向の変更に応じて、視野画像情報VIとして、××ビル→公園→道路→学校→△△ビルを表す写真が順次に表示されてもよい。
【0061】
なお、移動後の視点または変更後の視線方向に対応する視野画像情報VIが存在しない場合、視野画像情報VIの表示を更新しなくてもよく、または所定の画像情報を表示してもよい。
【0062】
また、上記説明では、操作体Mによるドラッグ操作の検出後に回転操作の検出が行われているが、回転操作の検出後にドラッグ操作の検出が行われてもよい。これにより、操作体Mの指示方向の検出に前後して操作体Mの移動が検出されることで、ユーザは、地図情報MI上の視線方向の変更および視点の位置の変更を連続して容易に操作できる。
【0063】
[5.変形例]
図8〜
図10は、地図情報表示に係る第1〜第3の変形例を示す図である。
【0064】
上記実施形態では、地図情報MI上の視線方向が操作体Mの指示方向と一致する場合について説明した。この場合、操作体Mの指示方向の変更範囲が限定されてしまい、回転操作時の操作性が低下してしまう場合がある。例えば、操作体Mである指の指示方向を180°回転させることは一般に困難を伴う。
【0065】
このため、第1の変形例では、操作体Mの指示方向と一致する視線方向ではなく、操作体Mの指示方向の変化量に係数a(1<a)を乗じた変化量で規定される視線方向に応じて、視野画像情報VIの表示を制御する。
【0066】
例えば、係数a=2であれば、
図8に示すように、視点アイコンI上での操作体Mの指示方向が回転操作により時計回りに30°変更されると、時計回りに60°(=30°×2)変更された視線方向を示す視点アイコンI’が表示され、変更後の視線方向に対応する視野画像情報VI2が表示される。
【0067】
これにより、地図情報MI上の視線方向が操作体Mの指示方向の変化量に係数a(1<a)を乗じた変化量で規定されるので、ユーザは、指示方向の僅かな変化でも地図情報MI上の視線方向を容易に指定できる。しかし、第1の変形例では、指示方向と視線方向が一致しないので、直感的な操作により視線方向を指定できない場合がある。
【0068】
このため、第2の変形例では、操作体Mの指示方向の変化量に係数a(1<a)を乗じた変化量で規定される視線方向を特定するとともに、操作体Mの指示方向の変化量に係数(1−a)を乗じた変化量で地図情報MIを回転させる。
【0069】
例えば、係数a=2であれば、
図9に示すように、視点アイコンI上で操作体Mの指示方向が回転操作により時計回りに30°変更されるとともに、矢印MDで示すように、地図情報MIが時計回りに−30°(=30°×(−1))、つまり反時計回りに30°回転される。そして、地図情報MI1に対して時計回りに60°変更された視線方向を示す視点アイコンI’が表示され、変更後の視線方向に対応する視野画像情報VI2が表示される。
【0070】
ここで、操作体Mの指示方向が時計回りに30°変更され、地図情報MI1が反時計回りに30°変更された地図情報MI2となるので、操作体Mの指示方向が地図情報MI2上の視線方向と一致することになる。
【0071】
これにより、指示方向の変化量に係数aを乗じた変化量で規定される地図情報MI上の視線方向に応じた視野画像情報VIを表示する場合に比べて、ユーザは、地図情報MI上の視線方向を直感的に指定できる。
【0072】
第2の変形例では、操作体Mの指示方向の変化に応じて、地図情報MI上の視線方向および地図情報MIの表示方向が変更される。しかし、第2の変形例では、地図情報MIの表示方向とともに、地図情報MI上の視線方向も変更されてしまい、視野画像情報VIの表示も変更されてしまう。一方、ユーザは、視野画像情報VIの表示を維持した状態で、地図情報MIの表示方向の変更のみを所望する場合がある。
【0073】
このため、第3の変形例では、第1および第2の操作体M1、M2を用いて、地図情報MIの表示方向を変更する操作が提案される。ここで、第1の操作体M1と第2の操作体M2は、例えば、ユーザの中指と人差指、人差指と親指に各々に対応する。
【0074】
図10に示すように、例えば中指である第1の操作体M1により視点アイコンIを指定した状態で、地図情報MI1上で弧を描くように、人差指である第2の操作体M2を表示パネル101上で移動させる。ここで、反時計回りに30°の円弧を描くことで、矢印MDで示すように、反時計回りに30°回転された地図情報MI2が表示される。なお、第1の変形例と同様に、第2の操作体M2の指示方向の変化量に1以上の係数を乗じた変化量で地図情報MI1の表示方向を変化させてもよい。これにより、ユーザは、視野画像情報VIの表示を維持した状態で、地図情報MIの表示方向を変更できる。
【0075】
また、地図情報MIの表示方向の変更は、
図7〜
図9を参照しながら説明した視線方向の変更方法と組合せてもよい。これにより、ユーザは、地図情報MI上の視線方向の変更および地図情報MIの表示方向の変更を連続して容易に操作できる。
【0076】
[6.まとめ]
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、地図情報表示装置100は、地図情報MIおよび視野画像情報VIが表示される表示パネル101上で、地図情報MIに対応する領域に接触する操作体Mの位置および指示方向を検出する。そして、地図情報表示装置100は、操作体Mの位置により指定される地図情報MI上の視点、および操作体Mの指示方向により指定される地図情報MI上の視線方向に応じて、視野画像情報VIの表示を制御する。
【0077】
これにより、地図情報MI上で操作体Mの位置および指示方向により指定される視点および視線方向に応じた視野画像情報VIが表示されることで、ユーザは、地図情報MIおよび視野画像情報VI等の地図関連情報を直感的かつ容易に操作できる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0079】
例えば上記実施形態の説明では、光学式の接触センサ103を用いて、操作体Mの接触状態を検出する場合について説明した。しかし、静電容量式、圧力式等、他の接触センサが用いられてもよい。
【0080】
例えば上記実施形態の説明では、操作体Mの接触状態から操作体Mの指示方向を検出する場合について説明した。しかし、操作体Mの接触状態および近接状態から操作体Mの指示方向を検出してもよい。この場合、例えば、接触近接センサの出力結果によるセンサ画像を3値化処理し、操作体Mの接触領域、近接領域、非接触近接領域を特定する。そして、接触領域および近接領域の重心位置に基づいて、近接領域の重心位置から接触領域の重心位置に向かう方向を操作体Mの指示方向として検出できる。