(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の一体型レンジフードには、以下のような問題点があった。
すなわち、一体型レンジフードは、既築物件に設置する場合、既存の換気扇穴を使用して設置しなければならない。しかし、一体型レンジフードは、フード部と送風機部が一体となっているため、送風機部と換気扇穴が干渉し一体型レンジフードを設置できない場合があった。このような制約があることにより、レンジフード利用者は、好みのデザインのレンジフードを設置できない問題がある。昨今リフォームが数多くなされる中で、レンジフードを好みのデザインで選ぶことができないのは利用者にとって不利益である。
また、一体型レンジフードは、大型かつ重量となるため、施工業者にとっては施工するのが困難な問題がある。
さらに、レンジフード使用者の身長が高い場合において、フード前突出部が頭に当たるという問題があり、身長が低い場合において、フード前突出部の操作部に手が届かないという問題がある。
また、一体型レンジフードは、送風機部が調理者に近い位置にあるため、送風機の音が大きい問題がある。
さらに、一体型レンジフードにおいて、安全装置を有するものの温度検出装置は、一般に火災時の炎や煙が直接通らない制御ボックス内にあるため、火災検知が遅れる、あるいは検知しないという問題がある。
【0005】
特許文献1の
図3に、フード部と送風機が別体にされたものが記載されている。しかし、
図3に記載されたレンジフードは、異なる部屋に設けられた換気扇穴につなげることを目的とし、上記リフォームの際に発生する課題を解決するために考えられたものではないため、課題が全く異なる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、換気扇穴の位置を問わずに施工が可能なレンジフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)台所のコンロ上部の壁面に固設されたフード部と、前記壁面又は天井面に固設された送風機部と、前記送風機部と前記壁面に開口する換気扇穴とを連結する第1ダクトと、前記フード部と前記送風機部とを連結する第2ダクトと、断面直角三角形状を構成し、前記フード部の角度を調整する角度調整部材を有すること、を特徴とするものである。
【0008】
(
2)(1
)に記載するレンジフードにおいて、前記レンジフードは、前記フード部と分離された別体である制御基板を内蔵する制御ボックスを有すること、前記送風機部及び前記制御ボックスは、前記壁面または天井面に設置されること、を特徴とするものである。
【0010】
(
3)(
1)に記載するレンジフードにおいて、前記角度調整部材により、前記フード部の手前側の高さが高くなること、を特徴とするものである。
【0012】
(
4)(
2)に記載するレンジフードにおいて、前記送風機部内の送風機はシロッコファンであること、前記送風機の風速を実測すること、前記風速を基に前記制御基板は前記シロッコファンの回転数を最低レベルとすること、を特徴とするものである。
【0013】
(
5)(
2)に記載するレンジフードにおいて、前記レンジフードに温度検出装置を有すること、前記制御基板には温度検出装置と有線あるいは無線で接続されている安全装置を有すること、を特徴とするものである。
ここで、安全装置とは、温度検出装置により送風機部を自動停止できるもの、あるいは小型消火器との連動により自動消火できるものである。また、温度検出装置や小型消火器はフード部内であり、かつ第2ダクトとの接続部近辺に実装する。温度検出装置は機械式(温度ヒューズ式)若しくは、バイメタル式、電子式(サーミスタ式)のものを指す。
【発明の効果】
【0014】
(1)台所のコンロ上部の壁面に固設されたフード部と、前記壁面又は天井面に固設された送風機部と、前記送風機部と前記壁面に開口する換気扇穴とを連結する第1ダクトと、前記フード部と前記送風機部とを連結する第2ダクトとを有することにより、送風機部を換気扇穴と干渉しない任意の壁面又は天井面に設置することができる。したがって、換気扇穴の位置を問わずにレンジフードを取り付けることができるため、レンジフードのデザインを問わずに取り付けることが可能となる。
また、フード部と送風機部が別体であることにより、一体型レンジフードと比較して個々の取付け部材を小型化できるため軽量となる。そのため、施工を容易に行うことができるので、施工時の安全を確保することができる。さらにこの軽量化により自重を分散することができるため、長期設置に伴ったビスの緩みなどによるフード部の傾きを防止することができる。
また、送風機部を天井面あるいは天井面に近い壁面に設置することで、一体型レンジフードよりフード部上部の空間を広く確保でき、奥行きスペースを要する物品の収納スペースとしても利用可能となる。
また、フード部と送風機を別体とすることで、音の発生源である送風機を調理者から遠ざけることができる。そのため、強運転時の騒音を低減することができる。
【0015】
(2)レンジフードは、フード部と分離された別体である制御基板を内蔵する制御ボックスを有すること、送風機部及び制御ボックスは、壁面または天井面に設置されることにより、制御ボックス内の制御基板が故障した時に、制御基板を簡単に修理することができる。すなわち、フード部と制御ボックスが一体である場合には、フード部を分解しなければならないが、制御ボックスが別体であるため、制御ボックスの制御基板のみを取り外し、修理を行うことができる。そのため、修理作業が簡略化され、修理時間を短縮することができる。さらに、制御ボックスを再設置するときに、配線の誤接続や本体に配線を収納する際に、配線の挟み込みによる漏電・断線がなくなる。また、ネジ止め部の施工不良などの問題もなくなる。
また、フード部を清掃するときに、スプレー式の洗剤液を不注意により制御ボックスに吹きかけてしまい、制御基板が故障することがある。しかし、フード部と制御ボックスが別体であることにより、洗剤液を制御ボックスに誤って吹きかけることがなくなるため、不注意による制御基板の故障が生じる可能性を低減することができる。
【0016】
(3)フード部の角度を調整する角度調整部材を有することにより、使用者が背の高い使用者である場合でも、フード部を設置する際に角度を調整することでフード部が頭にあたる等の邪魔になることなく使用することができる。
他方、使用者が背の低い使用者である場合でもフード部を設置する際に、フード部取り付け高さを下げ、さらに取り付け角度を調整することでフード部を適した位置で使用することができる。すなわち、背の低い使用者が使用するときにフード部に設置されたスイッチに手が届きやすくなる。
レンジフード本体の角度を調整することができるのは、フード部と送風機部が別体となっていることによりフード部が軽量化されたことにより、行うことができるようになる。
【0017】
(4)角度調整部材により、フード部の手前側の高さが高くなることにより、使用者の背の高さに合わせてフード部の設置の際に高さを調整することができる。昨今では、定年後に料理を始める男性も多いため、男性に合わせたレンジフードの高さに調整することができる。
また、角度調整部材がフード部の壁面側の高さが低くなると、手前側の高さが高くなるように、シーソーの原理で動くため、大がかりな装置を必要としないため小さな力で角度調整をすることができる。
【0018】
(5)角度調整部材は、断面直角三角形状を構成することにより、フード部の角度を上げた時又は下げた時であっても、角度調整部材の向きを変えることで、角度調整部材がフード部に接続可能となり、フード部を固定することができる。
また、角度調整部材が断面直角三角形状であることにより、L型接続部材の直角の隣辺にかかっていた荷重を直角に対する辺にも分散することができる。そのためフード部が前のめりに傾くことを防止することができる。
【0019】
(6)送風機部内の送風機はシロッコファンであること、送風機部の風速を実測すること、風速を基に制御基板はシロッコファンの回転数を最低レベルとすることにより、シロッコファンの機能を最低限保った状態で、シロッコファンの騒音を低減することができる。
【0020】
(7)安全装置の温度検知装置と制御基板とを別体とすることで、温度検知装置を直に排気と接触させることができるため、いち早く高温を検知できる。すなわち、安全装置により火災を検知したら、運転を自動停止あるいは自動消火させることができる。これにより、被害を最小限に食い止めることができ、延焼火災に及ぶ可能性も低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るレンジフードの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
(第1実施形態)
<レンジフードの全体構成>
図1は、レンジフード1の構成正面図を示す。
図2は、レンジフード1の構成側面図を示す。
レンジフード1は、
図9に示す従来設置されている換気扇205と交換して、コンロ102の上方を覆うように設置されるものである。
図2に示すように、レンジフード1は、内壁面101aに固定されたフード部4と送風機部2と第1ダクト7、第2ダクト8、及び、制御ボックス9を有する。フード部4と送風機部2は第2ダクト8により連結し、送風機部2と換気扇穴103は第1ダクト8により連結されている。
【0024】
<レンジフード本体の構成>
図2に示すように、フード部4は、壁101の内壁面101aに固定されている。フード部4は、フィルタ3と整流板12とライト13を有する。フィルタ3は、フード部4に設けられた桟4a,4aに着脱可能に支持され、整流板12と送風機部2との間に配置されている。フード部4の上面側に、第2ダクト8と接続するための、レンジフード本体管41が形成されている。
図1に示すように、フード部4の正面には、送風機部2の運転スイッチ14が形成されている。運転スイッチ14は、送風機部2の送風の強弱を調整するスイッチ及び停止スイッチ等の従来と変わらない機能のスイッチが付けられている。
【0025】
<送風機ケーシングの構成>
図2に示すように、送風機部2は、壁101の内壁面101aに固定されている。本実施例においては内壁面101aに固定しているが、天井面に固定することもできる。送風機部2の内部には、シロッコファン21を有する。シロッコファン21は、多翼送風機であり、回転方換気用機器に使用されるファン(扇)の一種である。
シロッコファン21が回転することにより、フード部4の下部に設置された図示しないコンロで発生した排気ガスを吸い込んで気流を形成することができる。
【0026】
図2に示すように、換気扇205が取り外された換気扇穴103は、換気扇穴隠蔽枠5で塞がれている。第1ダクト7は、送風機部2と換気扇穴隠蔽枠5に接続され、送風機部2が吸い込んだ排気ガスを屋外へ排出する流路を形成している。換気扇穴隠蔽枠5は、鳥が屋外から屋内へ侵入することを防止するためのベントキャップ11が内設されている。
【0027】
<第1ダクトの構成>
図4に、第1ダクト7の一部構成図を示す。
図1に示す第1ダクト7は、換気扇穴103に設置された換気扇穴隠蔽枠5と送風機部2の開口部と連結接続する。
図1及び
図2に示すように、第1ダクト7は、第1ストレート管70、第1エルボ管71、第2エルボ管72、短い第2ストレート管73、第3エルボ管74を有する。
図1に示す第1ダクト7は、直線状の管により構成されているため、蛇腹タイプの排気管よりも配管スペースを小さくできる構造を有している。
【0028】
図4に示すように、第2エルボ管72は、流路軸線に対して直交する断面が円形状をなす。第2エルボ管72は、90度に屈曲する屈曲部分72eを備え、接続部72a,72bが90度の位相差で設けられている。屈曲部分72eの内周P1は、当該屈曲部分72eを形成するために必要な加工幅のみで形成され、短くされている。第2エルボ管72は、屈曲部分72eの外周P2が曲面で形成され、圧損が小さくなるようにされている。このような第2エルボ管72は、屈曲部分72eの内周P1が短いため、屈曲部分72eの全高Hが第2エルボ管72の流路断面外径寸法と内周P1の加工幅とを加算した値となり、狭い範囲で流路の向きを変えることが可能である。接続部72bには、複数(本実施形態では4個)の長溝72dが貫通して形成されている。長溝72dは、接続部72bの円周方向に沿って等間隔に形成されている。長溝72dは、ビス部材79の軸部と摺動可能であって、溝幅がビス部材79の頭部の直径より小さくされている。接続部72aには、2個のネジ穴72cが対称位置に設けられている。
第1エルボ管71、第3エルボ管74は、第2エルボ管72と構成が同様である。そのため、第2エルボ管72を説明することにより、第2エルボ管72の構成部分を例えば接続部72aを、第1エルボ管71の接続部71aとし、番号を変えることで説明を割愛する。その他の構成部分も同様であり、第3エルボ管74も同様とするため説明を割愛する。
【0029】
図4に示すように、ストレート管73の接続部73bは、第2エルボ管72の接続部72bと同様に、長溝73dが設けられている。また、接続部73aには、第2エルボ管72の接続部72aと同様に、ネジ穴73cが設けられている。
【0030】
本実施形態においては、第1ダクト7は、第1ストレート管70、第1エルボ管71、第2エルボ管72、第2ストレート管73、第3エルボ管74により構成される。しかし、送風機部2を換気扇穴103に干渉しない内壁面101aに設置した場合、送風機部2と換気扇穴103との間を接続する形状であれば第1ダクト7の構成は、どのような構成であってもよい。
なお、ストレート管及びエルボ管は、上記に説明したように、管の両端に接続部が形成され、一端には長溝、他端にはネジ穴が形成されているものであれば、連結接続し第1ダクトを形成することができる。
【0031】
<第2ダクトの構成>
図1に示す第2ダクト8は、送風機部2とフード部4を接続する。第2ダクト8は、略S字状のS字管81、ストレート管82を有する。
図1に示す第2ダクト8は、直線状の管により構成されているため、蛇腹タイプの排気管よりも配管スペースを小さくできる構造を有している。
【0032】
ストレート管82の構成は
図4に示す上記ストレート管73の構成と同様である。そのため、ストレート管82の詳細な説明は割愛する。
S字管81は、略S字形状をなし、S字管81の両端部には、接続部81a、81bを有する。S字管81の接続部81bは、
図4に示す第2エルボ管72の接続部72bと同様に、長溝81dが設けられている。また、接続部81aは、
図4に示す第2エルボ管72の接続部72aと同様のネジ穴81cが設けられている。
【0033】
本実施形態においては、第2ダクト8は、S字管81、ストレート管82により構成される。しかし、送風機部2とフード部4との間を接続する形状であれば第2ダクト8の構成は、どのような構成であってもよい。
なお、ストレート管及びエルボ管は、上記に説明したように、管の両端に接続部が形成され、一端には長溝、他端にはネジ穴が形成されているものであれば、連結接続し第2ダクトを形成することができる。
【0034】
<換気扇穴隠蔽枠の概略構成>
図3は、換気扇穴隠蔽枠5の分解斜視図である。
換気扇穴隠蔽枠5は、
図2に示す換気扇穴103の木枠104内に嵌め込まれる枠本体51を備える。
図3に示す、枠本体51は、一方に開口する箱形状をなし、開口部外縁に沿ってフランジ部52が設けられている。フランジ部52には、換気扇穴隠蔽枠5を木枠104に固定するための固定ネジ10が貫き通される貫通穴53が複数形成されている。枠本体51は、木枠104に沿って配置される側面に、防火部材93が外側から接着剤やネジなどで固定される。防火部材93には、ケイカル板などの不燃材を使用しても良いし、加熱されると膨張して部材同士を隔離させ火を遮断する防火シール材を使用しても良い。枠本体51は、開口部と対向する面に、取付開口部54が横長の長方形状に設けられている。取付開口部54は、接続部形成部材55により塞がれている。
【0035】
接続部形成部材55は、第1ダクト7が接続される接続部57の配置をフレキシブルに変更できるようにするために、可動部材56と閉鎖部材58の二部品で構成されている。可動部材56は、縦幅が取付開口部54の縦幅より大きく、横幅が取付開口部54の横幅より小さい板形状をなす。可動部材56の一方の面には、第1ダクト7が接続される接続部57が突設されている。接続部57の開口部には、第1ストレート管70のネジ穴70cと同様にネジ穴57dが形成されている。閉鎖部材58は、枠本体51と可動部材56との間に形成される隙間を閉鎖するために、縦幅が可動部材56の縦幅と同じ幅(取付開口部54の縦幅より大きい幅)であって、横幅が可動部材56の横幅より小さい板形状をなす。可動部材56と閉鎖部材58は、挿通穴59,60,61に各々挿通したボルト62にナット63を締め込むことにより、枠本体51に固定される。
【0036】
<レンジフードの交換手順>
次に、
図9に示す換気扇205をレンジフード1に交換する手順について説明する。
図9に示すように、壁101の換気扇穴103から換気扇205を取り外す。
換気扇205を取り外した後の換気扇穴103に、
図2に示す換気扇穴隠蔽枠5を取り付ける。なお、接続部57には、ベントキャップ11が装着され、鳥が屋外から屋内へ侵入することを防いでいる。
【0037】
換気扇穴隠蔽枠5は、枠本体51の開口部を屋内側へ向けて枠本体51を壁101の木枠104内に挿入する。そして、フランジ部52を壁101の内壁面101aに押し当て、固定ネジ10をフランジ部52の貫通穴53に貫き通して木枠104にネジ込む。これにより、枠本体51と木枠104が固定ネジ10に締め付けられて固定される。
このとき、枠本体51の取付開口部54は、可動部材56と閉鎖部材58によって閉鎖されている。そのため、換気扇穴103は、換気扇穴隠蔽枠5によって屋外と屋内とを仕切られる。
【0038】
ここで、防火対策の1つとして、換気扇穴隠蔽枠5と木枠104との間に不燃材を配置する方策がある。本実施形態のレンジフード1は、換気扇穴隠蔽枠5の外側面に予め不燃材の防火部材93が固定されている。そのため、換気扇穴隠蔽枠5を木枠104に固定すると同時に、防火部材93を木枠104と換気扇穴隠蔽枠5との間に配置する作業を行うことができ、レンジフード1の取り付けの作業性が良い。
【0039】
そして、
図1に示すように、フード部4を壁101の内壁面101aに固定する。
また、送風機部2を換気扇穴103に干渉しない壁101の内壁面101aに固定する。
送風機部2と換気扇穴隠蔽枠5の接続部57を第1ダクト7で接続する。第1ダクト7は、現場の作業者が以下の手順を踏むことにより送風機部2と換気扇穴隠蔽枠5の接続部57を接続する。
【0040】
具体的には、作業者は、第1ストレート管70の接続部70aを換気扇穴隠蔽枠5の接続部57の開口部に差し込み、開口部に形成されたネジ穴57dに、第1ストレート管70のネジ穴70cと挿通するようにビス部材79を差し込み、ビス部材79の先端部をナット等で固定する。それにより、第1ストレート管70を換気扇穴隠蔽枠5に固定することができる。
また、第1エルボ管71の接続部71aを第1ストレート管70の接続部70bに差し込む。接続部70bに形成された長溝70dに、図示しない第1エルボ管71の接続部71aに形成されたネジ穴71cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
続いて、第2エルボ管72の接続部72aを第1エルボ管71の接続部71bに差し込む。接続部71bに形成された長溝71dに、第2エルボ管72の接続部72aに形成されたネジ穴72cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
また、第2ストレート管73の接続部73aを第2エルボ管72の接続部72bに差し込む。接続部72bに形成された長溝72dに、第2ストレート管73の接続部73aに形成されたネジ穴73cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
また、第3エルボ管74の接続部74aをストレート管73の接続部73bに差し込む。接続部73bに形成された長溝73dに、図示しない第3エルボ管74の接続部74aに形成されたネジ穴74cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
また、送風機部2の接続部2aを第3エルボ管74の接続部74bに差し込む。接続部74bに形成された長溝74dに、図示しない送風機部2の接続部2aに形成されたネジ穴2cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
【0041】
上記エルボ管、ストレート管は、現場で切断することにより長さを調整することができる。そのため、各々異なる位置に形成された換気扇穴隠蔽枠5と送風機部2を接続することができる。現場で切断し長さを調整することにより、ネジ穴部分も切断してしまうが、ネジ穴は、切断後に作業者が穴あけによりネジ穴を形成することにより対応することができる。
送風機部2がどこに設置されていても換気扇穴隠蔽枠5と接続することができるため、送風機部2を任意の壁面又は天井面に設置することができる。したがって、換気扇穴103の位置を問わずにレンジフード1を取り付けることができるため、レンジフード1のデザインを問わずに取り付けることが可能となる。
また、送風機部2を天井面あるいは天井面に近い壁面に設置することができるため、一体型レンジフードよりフード部4の上部の空間を広く確保することができる。そのため、フード部4の上に奥行きスペースを要する物品の収納スペースを作ることができる。
【0042】
送風機部2とフード部4を第2ダクト8で接続する。第2ダクト8は、現場の作業者が以下の手順を踏むことにより送風機部2とフード部4を接続する。
【0043】
具体的には、作業者は、S字管81の接続部81aをフード部4に形成されたレンジフード本体管41の接続部41bに差し込む。接続部41bに形成された長溝41dに、図示しないS字管81の接続部81aに形成されたネジ穴81cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
また、ストレート管82の接続部82aをS字管81の接続部81bに差し込む。接続部81bに形成された長溝81dに、図示しないストレート管82の接続部82aに形成されたネジ穴82cにビス部材79を差し込むことにより固定され、接続される。
また、ストレート管82の他端の接続部82bを送風機部2の図示しない接続部に差し込む。ネジ穴にビス部材を差し込むことにより固定され、接続される。
【0044】
上記S字管、ストレート管は、現場で切断することにより長さを調整することができる。そのため、各々異なる位置に形成された送風機部2とフード部4を接続することができる。現場で切断し長さを調整することにより、ネジ穴部分も切断してしまうが、ネジ穴は、切断後に作業者が穴あけによりネジ穴を形成することにより対応することができる。
送風機部2がどこに設置されていてもフード部4と接続することができるため、送風機部2とフード部4を別体とすることができる。フード部4と送風機部2が別体とすることにより、一体型レンジフードと比較して個々の取付け部材を小型化できるため軽量となり、かつ自重を分散することができる。そのため、施工を容易に行うことができるので施工時の安全を確保することができる。
また、フード部4と送風機部2を別体とすることで、音の発生源である送風機部2を使用者から遠ざけることができる。そのため、強運転時の騒音を低減することができる。
【0045】
制御ボックス9を送風機部2及びフード部4に接続させる。制御ボックス9を
図2に示すように、内壁面101aに図示しないボルト等により固定接続する。
続いて、第1配線91の一端を制御ボックス9に接続し、他端を送風機部2に接続する。また、第2配線92の一端を制御ボックス9に接続し、他端をフード部4に接続する。
制御ボックス9は、送風機部2の風速を実測すること、風速を基に制御基板はシロッコファン21の回転数を最低レベルとする。すなわち、シロッコファン21が最低限コンロで発生した排気ガスを吸い込んで気流を形成することができる程度の最低回転数とする。それにより、シロッコファン21の機能を最低限保った状態で、シロッコファン21の騒音を低減することができる。本効果は、フード部4と送風機部2を別体とすることで、音の発生源である送風機部2を使用者から遠ざける効果をさらに高めるものである。
【0046】
上記より制御ボックス9をフード部4と別体とすることができる。それにより、制御ボックス9内の制御基板が故障した時に、制御基板を簡単に修理することができる。すなわち、フード部4と制御ボックス9が一体である場合には、フード部4を分解しなければならないが、制御ボックス9が別体であるため、制御ボックス9の制御基板のみを取外し、修理を行うことができる。したがって、修理が簡単になり、さらに修理時間を短縮することができる。さらに、制御ボックス9を再設置するときに、配線の誤接続や本体に配線を収納する際に、配線の挟み込みによる漏電・断線がなくなる。また、ネジ止め部の施工不良などの問題もなくなる。
また、フード部4を清掃するときに、スプレー式の洗剤液を不注意により制御ボックス9に吹きかけてしまい、制御基板が故障することがあった。しかし、フード部4と制御ボックス9が別体であることにより、洗剤液を制御ボックス9に誤って吹きかけることがなくなるため、不注意による制御基板の故障が生じる可能性を低減することができる。
【0047】
そして、上記のように送風機部2、第1ダクト7、第2ダクト8、制御ボックス9を隠すように、
図2に示すように、幕板90をフード部4と壁101に固定する。
【0048】
なお、接続部57には、ベントキャップ11が内設されている。そのため、本実施形態のレンジフード1は、鳥が屋外から屋内へ侵入することを防止できる。
また、レンジフード1は、枠本体51と壁101との間に防火部材93を配設しているので、第1ダクト7から壁101への延焼を防ぐことができる。
また、フード部4と送風機部2を別体とすることで、故障した部品のみの交換が可能となり、修理がしやすく、修理費用も低コストとなり、部品点数も少なくなるため環境にやさしい。
また、設置条件によりフード部4の幅が急に変更に立った場合でも、別体であることにより、フード部4のみ変更で済み、低コストを実現できる。
また、安全装置により火災を検知したら自動消火させるため、被害を最小限に食い止めることができる。
【0049】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るレンジフード200は、第1実施形態に係るレンジフード1と比較して、フード部40に角度調整を行うために用いられる角度調整部材201以外に異なるところがない。そのため、第2実施形態においては、角度調整部材201を説明することにより、その他の部分は、第1実施形態と同じ符号を用いることにより説明を割愛する。
なお、第2実施形態ではその他の部分の説明を割愛するが、第1実施形態と同様の作用、及び効果を有する。
【0050】
<角度調整部材の構成>
図5に、通常の使用時のフード部40の側面断面図を示す。
図6に、フード部40の壁面側40Bの高さを低くし、手前側40Aの高さを高くした状態の側面断面図を示す。
図5乃至
図6においては、レンジフード200から、フード部40及び角度調整部材201を省略したが、第1実施形態で説明したその他の部分は同様の構成を有することができる。
図5に示すように、フード部40のうち、壁101から遠い側を手前側40Aとする。他方、フード部40のうち、壁101に近い側を壁面側40Bとする。
【0051】
図5に示すように、角度調整部材201は、断面直角三角形状である。角度調整部材201の断面直角三角形状は、隣辺201D、斜辺201E、対辺201Fを有する。隣辺201Dと対辺201Fの接続部は、直角である角部201Aを有し、隣辺201Dと斜辺201Eの接続部は、30度である角部201Bを有し、斜辺201Eと対辺201Fの接続部は、60度である角部201Cを有する。
図示しないが、斜辺201Eにはボルト穴が形成されており、ボルトを差し込み壁101にボルトを固定することにより、角度調整部材201を壁101に固定することができる。
【0052】
<角度調整部材の作用効果>
図5に示すように、角度調整部材201は、対辺201Fが壁101に当接した状態にある。また、角部201Aが下方向に向いており、角部201Cが上方向に向いている。隣辺201Dは、壁101と垂直の関係にあり、隣辺201Dは下方向を向いている。
角度調整部材201の隣辺201Dとフード部40の上面45が当接した状態にある。そのためフード部40も隣辺201Dと同様に壁101に対して垂直な状態となる。したがって、フード部40は、壁101と垂直の状態となるため、手前側40Aと壁面側40Bの高さ位置は変わらず、壁101に対して垂直の状態となる。
【0053】
次に、
図5に示すフード部40が垂直な状態から、
図6に示すような、フード部40の壁面側40Bの高さを低くし、手前側40Aの高さを高くした状態へ変更する際の順序を説明する。本実施形態にあるように、フード部40の高さを調整することができるのは、第1実施形態にあるように、レンジフード本体と送風機部が別体として存在するため、レンジフード本体の重さが軽量となったことにより角度の調整を行える。
図5に示す状態において、斜辺201Eに挿入されていたボルトを取り外す。ボルトを取り外す際には、フード部40の手前側40Aを上方向に持ちあげることにより、角度調整部材201に荷重が掛からず、ボルトの取り外しを容易にすることができる。
角度調整部材201を取外し、
図6に示すように、角部201Aが上方向に向いており、角部201Cが下方向に向いた状態する。また、対辺201Fが壁101に当接した状態とする。
角度調整部材201の斜辺201Eとフード部40の上面45が当接した状態にある。そのため、フード部40も斜辺201Eと同様に壁101に対して60度上方向に傾いた状態となる。したがって、フード部40は、壁101に対して60度手前側40Aが上がった状態となるため、手前側40Aが壁面側40Bよりも高い位置に位置することになる。
【0054】
フード部40の手前側40Aを高くすることができることにより、使用者が背の高いものである場合において、頭がフード部40の手前側40Aにぶつかることなくレンジフード1を使用することができる。
具体的には、コンロからの高さを80cmから100cmにすることができる。
【0055】
次に、
図5に示すフード部40が垂直な状態から、
図7に示すような、フード部40の壁面側40Bの高さを高くし、手前側40Aの高さを低くした状態へ変更する際の順序を説明する。
図5に示す状態において、斜辺201Eに挿入されていたボルトを取り外す。ボルトを取り外す際には、フード部40の手前側40Aを上方向に持ちあげることにより、角度調整部材201に荷重が掛からず、ボルトの取り外しを容易にすることができる。
角度調整部材201を取外し、
図7に示すように、角度調整部材201の壁101に固定する位置を下げる。角度調整部材201は、角部201Aが下方向に向いており、角部201Cが上方向に向いた状態する。また、対辺201Fが壁101に当接した状態とする。
角度調整部材201の斜辺201Eとフード部40の下面46が当接した状態にある。そのため、フード部40も斜辺201Eと同様に壁101に対して60度下方向に傾いた状態となる。したがって、フード部40は、壁101に対して60度手前側40Aが下がった状態となるため、手前側40Aが壁面側40Bよりも低い位置に位置することになる。
【0056】
フード部40の手前側40Aを低くすることができることにより、使用者が背の低いものである場合において、フード部40の運転スイッチ14が手の届く位置に移動するため操作が行いやすくなる。
具体的には、コンロからの高さを80cmから60cmにすることができる。コンロからの高さを20cm低くすることができることにより、コンロで発生した排気ガスを吸い込みやすくなる。
【0057】
以上より、フード部40の角度を調整する角度調整部材201を有することにより、使用者が背の高い使用者である場合でも角度を調整することでフード部40が邪魔になることなく使用することができる。
他方、使用者が背の低い使用者である場合でも角度を調整することでフード部40を適した位置で使用することができる。すなわち、手の届く範囲に運転スイッチ14を配置することができるため、作業効率が良くなる。
【0058】
角度調整部材201により、フード部40の壁面側40Bの高さが低くなること、及び、手前側40Aの高さが高くなることにより、使用者の背の高さに合わせてフード部40の高さを調整することができる。
また、角度調整部材201がフード部40の壁面側40Bの高さが低くなると、手前側40Aの高さが高くなるように、シーソーの原理で動くため、大がかりな装置を必要としないため小さな力で角度調整をすることができる。シーソーの原理に動かすことができるのは、第1実施形態のようにレンジフード本体と送風機部が別体として用いられているため、レンジフード本体が軽量となったからである。
【0059】
角度調整部材201は、断面直角三角形状を構成することにより、フード部40の角度を上げた時又は下げた時であっても、角度調整部材201の向きを変えることで、角度調整部材201がフード部40に接続可能となり、フード部40を固定することができる。
また、角度調整部材201が断面直角三角形状であることにより、L型接続部材の直角の隣辺にかかっていた荷重を直角に対する辺にも分散することができる。そのためレンジフード本体が前のめりに傾くことを防止することができる。
【0060】
(第3実施形態)
第3実施形態においては、
図1に示す第1実施形態のレンジフード1に温度検出装置95及び安全装置96が設置されている以外異なるところはない。そのため、第1実施形態と同じ部分については説明を割愛する。
図7に示すように、温度検出装置95がフード部4に設置されている。また、温度検出装置95は、第2ダクト8近辺に設置することが好ましい。第2ダクト8周辺であれば、排気と接触するため、火災が発生した際に温度が上昇したことを早期に検知することができるためである。ここで、温度検出装置95は、機械式(温度ヒューズ式)若しくは、バイメタル式、電子式(サーミスタ式)のものを指す。
安全装置96は、制御ボックス9内に備えられている。本実施形態においては、安全装置96と温度検出装置95は、無線により接続している。本実施形態では無線としたが、接続は有線であってもよい。ここで、安全装置96とは、温度検出装置95により送風機部2を自動停止できるもの、あるいは小型消火器との連動により自動消火できるものである。また、温度検出装置95や図示しない小型消火器はフード部4内であり、かつ第2ダクト8との接続部近辺に実装する。
【0061】
例えば、天ぷら火災が起こった場合には、従来、制御ボックス9は、通常排気と接触しない位置にあり、安全装置が火災を感知するのに時間を要した。そのため、火災が沈下するまでレンジフードの電源は入ったままとなり、炎がダクト内まで引き込まれ延焼火災をもたらす危険性があった。
しかし、本実施形態では、安全装置96と制御ボックス9をフード4と別体として、さらに、安全装置96と接続する温度検出装置95を直に排気と接触する第2ダクト8の近辺に設置することができる。排気と直に接触する第2ダクト8に温度検出装置95を設けることにより、いち早く高温を検知できる。したがって、安全装置96により火災を検知したら図示しない小型消火器により自動消火させるため被害を最小限に食い止めることができる。最小限に被害を食い止めることができるため、延焼火災を防止することができる。
【0062】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、90度に屈曲したエルボ管を用いたが、45度に屈曲したエルボ管を第1ダクト7または第2ダクト8の一部に使用しても良い。すなわち、送風機部2と換気扇穴103の位置関係によりエルボ管の角度を変更することで、どのような位置に送風機部2と換気扇穴103が形成されていても両方を連結することができる。
例えば、枠本体51,82の外側面に防火部材93を挿入して配置するための凹部を設けても良い。この場合、防火部材93を枠本体51,82に接着する手間を省くことができる。例えば、外壁面101b側から接続部57に、防水のためのウェザーキャップを取り付けても良い。この場合、ウェザーカバー105を省き、外観を良くすることができる。
例えば、ストレート管、エルボ管、S字管は、レンジフード1の取付作業時において作業者が切断することにより、組立をすることができる。切断することができることにより、換気扇穴103がどのような場所に形成されていたとしても、送風機部と連結することができる。