特許第5792470号(P5792470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社貝印刃物開発センターの特許一覧

特許5792470頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具
<>
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000002
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000003
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000004
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000005
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000006
  • 特許5792470-頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792470
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具
(51)【国際特許分類】
   A45D 8/00 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   A45D8/00 503B
   A45D8/00 503D
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-9301(P2011-9301)
(22)【出願日】2011年1月19日
(65)【公開番号】特開2012-147972(P2012-147972A)
(43)【公開日】2012年8月9日
【審査請求日】2014年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001454
【氏名又は名称】株式会社貝印刃物開発センター
(74)【代理人】
【識別番号】100098109
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩平
(72)【発明者】
【氏名】栗田 圭子
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第064792(JP,Z2)
【文献】 特開平09−313238(JP,A)
【文献】 米国特許第07004179(US,B1)
【文献】 特開平11−244028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、少なくとも3つの差込部とを有し、支柱は、頭髪を束ねた毛束の中に差し込むための支柱本体と、その支柱本体の上部に設けられ且つ支柱本体の表面よりも外側に張り出した周面を有して毛束を外側に押して毛束を広げるための差込部取付け部とを含み、各差込部は、差込部取付け部の周面から外側に延び、さらに支柱本体と距離を置いて下方に延び、各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置は、前記周面の周方向に関し互いに距離を置いていることを特徴とする髪型成形補助具
【請求項2】
下方向に延びる差込部は、支柱本体と所定の距離を置いた位置から、支柱本体とほぼ平行に延びている請求項1記載の髪型成形補助具
【請求項3】
各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置は、互いにほぼ同一の距離を置いている請求項1又は請求項2記載の髪型成形補助具。
【請求項4】
差込部は、差込部取付け部の周面から水平方向に延び、そこから下方向に屈曲して直線的に下方向に延びる請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の髪型成形補助具
【請求項5】
支柱本体は、その上部付近が差込部取付け部との境界から下方に行くに従って滑らかな弧状をなして徐々に細くなるテーパー部に形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の髪型成形補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に女性が所定のヘアスタイルを作るための頭髪に留め付けて使用する髪型成形補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の髪型成形補助具は、広がっている髪を束ねて下に垂らすポニーテールなどのような髪型を作るときに使用される。あるいは、お団子ヘアや夜会巻きなどのように髪を下に垂らさないようにしてまとめるヘアスタイルを作り上げた後で、髪を止めてそのヘアスタイルを維持するためにも使用される。ポニーテールは髪を一つに束ねて下に垂らすだけなので髪型が単調であり、髪の多くの部分が髪型成形補助具よりも下に垂れ下がるので頭のトップにおける髪のボリューム感が乏しい。
【0003】
そこで、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すためのヘアスタイルの一つとして、前述したお団子ヘアがある。前述したように、お団子ヘアとするために髪のお団子を頭の上に作ったときに、そのお団子の形を維持するための髪型成形補助具は従来から存在する。しかし、お団子ヘアのお団子はそれを作る作業が面倒で、作る途中で何度も髪が崩れてしまうことが多くあるが、髪を崩すことなくお団子を容易に作ることができる髪型成形補助具は存在していない。
【0004】
特許文献1は、髪を複数の束に分け、それらの束を異なる方向に垂らす髪型成形補助具である。この髪型成形補助具は、垂れた髪が複数の方向に分かれるので、従来のポニーテールと異なる印象を与えることができる。しかし、結局は髪を束ねて下に垂らすので、ポニーテールと同様に頭のトップの髪は単調な感じとなってしまう。また、髪を複数の束に分けるために、髪型成形補助具の小さなスペースに分けた髪を通したり、髪型成形補助具に分けた髪をからませたりする作業が必要であり、髪を止める作業に手間がかかる。また、言うまでもなく特許文献1の髪型成形補助具では、お団子ヘアを簡単に作ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−169050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すための作業を容易に行うことができる髪型成形補助具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、支柱と、少なくとも3つの差込部とを有し、支柱は、頭髪を束ねた毛束の中に差し込むための支柱本体と、その支柱本体の上部に設けられ且つ支柱本体の表面よりも外側に張り出した周面を有して毛束を外側に押して毛束を広げるための差込部取付け部とを含み、各差込部は、差込部取付け部の周面から外側に延び、さらに支柱本体と距離を置いて下方に延び、各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置は、前記周面の周方向に関し互いに距離を置いている構成である。
【0008】
請求項2記載の発明は、下方向に延びる差込部が、支柱本体と所定の距離を置いた位置から、支柱本体とほぼ平行に延びている構成である。
【0009】
請求項3記載の発明は、各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置が、互いにほぼ同一の距離を置いている構成である。
【0010】
請求項4記載の発明は、差込部が、差込部取付け部の周面から水平方向に延び、そこから下方向に屈曲して直線的に下方向に延びる構成である。
【0011】
請求項5記載の発明は、支柱本体が、その上部付近が差込部取付け部との境界から下方に行くに従って滑らかな弧状をなして徐々に細くなるテーパー部に形成されている構成である。
【発明の効果】
【0012】
特許文献1の髪型成形補助具が髪を束ねるものであるのに対して、本発明の髪型成形補助具はそれ自体が髪を束ねるものではなく、ヘアゴムなどですでに束ねられている髪の中に差し込んで所定のヘアスタイルを作るものである。頭のトップにおける髪のボリューム感を出すためのヘアスタイルの一つにお団子ヘアがある。お団子ヘアは、髪の根元付近をヘアゴムでまとめて束ね、その束ねた毛束を縄のようにねじり、そのねじった毛束をその根元の周囲に巻き付けるように丸めて毛束の端をピンで止め、頭の頂部付近に髪のお団子を形成するヘアスタイルである。従来のお団子ヘアの作り方では、ねじった毛束をその根元に巻き付けるときに、毛束の根元はヘアゴムで束ねられているので一定の強度はあるが、その根元は毛の束のみで構成されているから一定の形状を維持できないので巻き付ける際に不安定であり、途中で髪が崩れて何度もやり直すことが多かった。本発明では、お団子ヘアを作るときは、髪をヘアゴムなどで一つにまとめ、束ねた毛束の中央に本発明の支柱本体を差し込むことによって、髪型成形補助具をお団子ヘアの芯とすることができる。この芯は、従来の毛束の根元とは異なり、所定の強度を有して形状が変化することがないので、毛束をその芯に巻き付けるようにして巻けば、途中で髪が崩れることなく容易にお団子ヘアを作ることができる。また、差込部が、差込部取付け部から下方向に、支柱本体と距離を置いて延びており、支柱本体が細くても支柱本体は差込部によって実質的に太くなるので、髪を巻き付け易い。仮に、差込部を設けず支柱本体を太くすると束ねた毛束に差し込むことが困難であり、支柱が全体的に細いままでは髪が曲がりきらず髪を巻き付かせることが困難であるが、本発明はこのような不都合を生じない。
【0013】
また、本発明は、ポニーテールのヘアスタイルについても頭のトップにおける髪のボリューム感を出すことができる。すなわち、本発明は少なくとも2つの差込部を有している。頭の上で髪をヘアゴムで束ねて、その毛束に髪型成形補助具を差し込んだときに、差込部も髪の中に差し込まれる。これにより、差込部をはさんで隣り合う毛束は差込部により仕切られているから、双方の毛束が一体的に混ざることがなく、それぞれの毛束を異なる方向に向かせておくことができる。したがって、毛束を頭の前の方向にも向かせておくことができる。これにより、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すことができる。また、逆毛を立てることによってさらにボリューム感を出すことができる。また、各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置は、前記周面の周方向に関し互いに距離を置いているので、髪のお団子の形状を容易に丸くすることができる。
【0014】
さらに、本発明は、支柱本体の上部に、支柱本体の表面よりも外側に張り出した周面を有する差込部取付け部が設けられている。これによって、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すことができる。すなわち、髪型成形補助具を使用するときは、まず、ヘアゴムなどで髪を束ね、その束ねた髪を四方に広げてその中心に支柱本体を差し込むと、差込突部も広げられた髪の中に差し込まれる。そして、外側に張り出した差込部取付け部が毛束を外側に押すので、四方に散らすように毛束を広げることができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、下方向に延びる差込部が、支柱本体と所定の距離を置いた位置から支柱本体とほぼ平行に延びているので、巻き付けた毛束を支柱の長さ方向に移動しづらくすることができる。請求項3記載の発明は、各差込部の差込部取付け部に対する取付け位置が、互いにほぼ同一の距離を置いているので、一層、髪のお団子の形状を容易に丸くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の斜視図である。
図2】本発明の正面図である。
図3】差込部を構成する構成金具の正面図である。
図4】本発明の使用状態図である。
図5】本発明の他の使用状態図である。
図6】本発明の他の使用状態とする際の使用方法図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施態様について説明する。髪型成形補助具1は、支柱2と4つの差込部3とで構成されている。支柱2は、細長く延びる支柱本体4と、その上端にそれと一体に設けられた差込部取付け部5とで構成されている。支柱本体4の断面は円形に形成され、支柱本体4の下端15は円錐状に形成されている。差込部取付け部5は、2つの正12角錐台のそれぞれの側面のすべての稜線を削ってそれらの部分を正三角形面に面取りしたもの同士の底面を全面的に接合した形状をなす。したがって、差込部取付け部5は上下が線対称をなす。差込部取付け部5の厚みは約5mmであり、最大外径は約12mmであって支柱本体4の外径よりも大きい。支柱本体4の外径は約3.6mmである。したがって、差込部取付け部5の周面6は、支柱本体4の表面よりも外側に張り出している。図2に示すように、支柱本体4は、その上部付近が差込部取付け部5との境界から下方に行くに従って滑らかな弧状をなして徐々に細くなるテーパー部7に形成されている。支柱2は、ABS樹脂で形成されているが、他の樹脂でもよく、樹脂以外の金属などの材料であってもよい。支柱2の全長は約30mmである。
【0018】
差込部3は、図3に示すような2つの構成金具8,9で構成されている。材料は断面円形のステンレスワイヤである。太さは約1.8mmであるがこの数値に限定されるものではない。材料は他の金属でもよく、合成樹脂などの金属以外の材料で差込部3を形成してもよい。構成金具8,9はそれぞれ同じコ字形に曲げられている。構成金具8,9の横方向のステンレスワイヤ17、18は直線をなす。また、縦方向の一対のステンレスワイヤはほぼ平行であるが、下方向に行くに従ってわずかに広がっている。一対のステンレスワイヤは完全な平行でもよく、下方向に行くに従ってわずかに狭まっていてもよい。構成金具8の中央には下向きの凹部10が設けられている。この凹部10の底面の高さはステンレスワイヤの中心点と一致している。また、構成金具9の中央には上向きの凹部11が設けられている。この凹部11の底面の高さもステンレスワイヤの中心点と一致している。髪型成形補助具1を成形するときは、まず、双方の構成金具8,9が上から見て十字形をなすように結合する。結合方法は、構成金具9が構成金具8の下側になるようにして双方の凹部10,11を重ね合わせ、構成金具8,9が十字形をなすようにして重ね合わされている凹部10,11の部分を溶接により結合する。構成金具8,9を結合した後、この構成金具8,9を支柱2の金型内に固定し、金型に樹脂を射出することにより構成金具8,9と一体化した支柱2を成形する。次に、構成金具8,9をそれぞれ塗装する。これにより、髪型成形補助具1が製造される。製造された髪型成形補助具1は、図1に示すように4つの差込部3が十字形をなすように差込部取付け部5の周面から外側に延び、さらに支柱本体4と距離を置いて下方に延びている。図3に示す構成金具8,9の最大幅は約28mmであり、高さは約23mmである。図2に示すように、支柱2に取り付けられた各差込部3の下端14よりも、支柱本体4の下端15の方が下方に突き出ている。
【0019】
次に、本発明でお団子ヘアのお団子を作る方法について図4を参考にして説明する。まず、バランスのいい位置で、ヘアゴムを用いてポニーテールを作る。バランスのいい位置とは、例えば、頭の頂部に近い位置である。次に、ヘアゴムに囲まれている毛束の中に髪型成形補助具1の支柱本体4を差し込む。そのときに、差込部3も髪の間に差し込まれる。ヘアゴムで囲まれている毛束が太いときは、差込部3はヘアゴムの内側にある毛束に差し込まれる。すなわち、差込部3はヘアゴムの内側に存在する。ヘアゴムで囲まれる毛束が比較的細いときは、差込部3はヘアゴムの外側にある髪に差し込まれる。すなわち、差込部3はヘアゴムの外側に存在する。次に、広げた髪を一本の毛束にまとめ、その毛束の毛先を時計周りにねじり、差込部3の周囲にふんわりと毛束を巻き付けていき、毛先を内側に入れ込んでお団子が完成する。最後に、お団子を維持するために、毛先の部分を含め、3〜4箇所をピンでしっかり固定する。従来は、本発明のような髪型成形補助具が存在しないので、ポニーテールを一本の毛束にまとめ、その毛束の毛先を時計周りにねじってから、毛束をヘアゴムの上に巻き付けていた。したがって、毛束を巻き付けるためのしっかりとした芯がなく毛束のみを芯としていたので不安定であり、巻き付け作業に手間取っていた。本発明は、髪のお団子を作るための毛束を巻き付けるしっかりとした芯として作用するので、髪をその芯に巻き付けることにより容易にお団子を作ることができる。お団子により、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すことができる。
【0020】
前述したお団子の作り方は従来の作り方であって、それを本発明の髪型成形補助具1を用いて作る方法について説明したものである。本発明の髪型成形補助具1は、本発明独自のお団子を作ることもできる。次に、図4に示すお団子12の作り方について説明する。お団子12を作るときは、まず、バランスのいい位置で、ヘアゴムを用いてポニーテールを作る。次に、束ねた髪を四方に広げてヘアゴムに囲まれている毛束の中に髪型成形補助具1の支柱本体4を差し込む。そのときに、差込部3も髪の間に差し込まれる。従来のお団子の作り方では、ヘアゴムで束ねた髪を四方に広げる必要がないが、本発明独自の方法では束ねた髪を四方に広げることが必要である。髪を四方に広げたときに、差込部取付け部5が毛束を内側から外側に押すので、髪が四方に広げられた状態を維持する。そこで、手や櫛などにより髪を頭の周りに沿って円を描くように移動させながら髪を外側から集めて中央に寄せていき、そして、毛先をピンで止めて固定する。この方法は従来の方法と異なり、一本に束ねた髪をねじることをしないから、図4に示すように出来上がった髪のお団子12はふわふわでボリューム感に富み、お団子12が良い形の球状体となって見た目も良くすることができる。
【0021】
次に、本発明で図5に示すふわふわポニーテールを作る方法について説明する。ふわふわポニーテールは、本発明で作ることができるポニーテールのアレンジであって、通常のポニーテールでは髪が頭の下に垂れ下がって頭のトップの髪のボリュームが乏しいので、頭の上にも髪が乗るようにしてボリューム感を与えようとするヘアスタイルである。ふわふわポニーテールを作るには、まず、バランスのいい位置で、ヘアゴム13を用いてポニーテールを作る。バランスのいい位置とは、例えば、頭の頂部に近い位置である。このポニーテールはすべての髪を束ねるのではなく、半分ほどの髪をヘアゴム13で束ねる。次に、図6に示すように、束ねた毛束を四方に広げて、ヘアゴム13に囲まれている毛束の中に髪型成形補助具1の支柱本体4を差し込む。そのときに、差込部3も髪の間に差し込まれる。ヘアゴム13で囲まれている毛束の太さに応じて、差込部3がヘアゴム13の外側の髪又は内側の髪に差し込まれることは、お団子ヘアを作るときと同じである。支柱2の上部に設けられている差込部取付け部5の外径が支柱本体4の外径よりも大きく、差込部取付け部5の周面が支柱本体4の表面よりも外側に張り出しているから、支柱本体4を毛束に一杯に差し込むと、差込部取付け部5が毛束を押し広げ髪が四方に散らされた状態を維持する。そして、その押し広げられた髪に逆毛を立てるなどして体裁よく整え、ボリューム感を出すことができる。広げられている毛束の中の、四方に散らされている毛束は、髪の間に差し込まれた差込部3に仕切られているから、差込部3をはさんで隣り合う毛束と混ざることがなく一体化することがない。また、張り出している差込部取付け部5が毛束を外側に押すことによって、毛束の前側部分16が下方に垂れ下がることもない。したがって、髪が四方に散らされている状態を容易且つ確実に維持することができるから、髪が一方向に片寄ることを防止して、頭のトップにおける髪のボリューム感を出すことができる。なお、ヘアゴム13の締め方がきついときなどは、支柱本体4を毛束に一杯に差し込むと、髪が差込部取付け部5を押す力によって髪型成形補助具1が浮き上ることも考えられるので、支柱本体4の表面に滑り止め加工をしてもよい。なお、ふわふわポニーテールは、すべての髪を束ねて作ってもよい。
【0022】
本実施態様のサイズは上述した通りであるが、本発明がこれらの数値に限定されないことは勿論である。また、本発明は前述した構成に基づいて種々の態様をとることが可能である。例えば、差込部取付け部5の上面に装飾部を一体に設けてもよいし、別体の髪飾りを取り付けてもよい。これらの装飾部や髪飾りを、髪型成形補助具1を毛束に差し込んだり毛束から引き抜いたりするときの摘みとしてもよい。また、本発明はお団子ヘアやふわふわポニーテールを作ることに限定されるものでなく、使用者のアイデア次第で種々のヘアスタイルを作り出すことができる。髪型成形補助具1の色は、使用時に目立たないように毛髪と同系色の黒色や茶色などにしてもよいし、逆にその存在が目立つように毛髪とは異なる色にしてもよい。また、支柱2と差込部3を同じ色にしてもよいし、異なる色にしてもよい。本実施態様の差込部3の数は4つであるが、例えば6つや8つなどの4以上の数にしてもよい。各差込部3は支柱本体4からほぼ同一の距離を置いて設けられているが、異なる距離に設けてもよく、例えば遠い距離と近い距離のものを交互に設けるなどしてもよい。また、差込部3の下端14を支柱本体4の下端15と同じように円錐状にしてもよい。支柱本体4や差込部3の横断面形状を円形以外の形状にしてもよい。さらに、支柱2と差込部3を同じ材質で成形してもよく、例えば金属材であればダイキャストや金属射出成形によって成形することができ、樹脂材であれば射出成形によって成形することができる。勿論、その他の成形方法であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、支柱の周囲に差込部を設けることによって、お団子ヘアやふわふわポニーテールなどの、頭のトップにおける髪のボリューム感のあるヘアスタイルを容易に作ることができる髪型成形補助具を提供することができる。
【符号の説明】
【0024】
髪型成形補助具, 2 支柱, 3 差込部, 4 支柱本体, 5 差込部取付け部, 6 差込部取付け部の周面, 7 テーパー部, 8 構成金具, 9 構成金具, 10 凹部、 11 凹部, 12 お団子, 13 ヘアゴム, 14 差込部の下端, 15 支柱本体の下端, 16 毛束の前側部分, 17 横方向のステンレスワイヤ, 18 横方向のステンレスワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6