(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて作成された駆動信号によりステッピングモーターが駆動されて移動し、被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工ヘッドを備えた加工機における加工ヘッドの駆動制御方法において、
前記加工機の傾きを測定し、
測定した前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記ステッピングモーターのモータートルク値を算出し、
算出したモータートルク値に基づいて、前記駆動信号により前記ステッピングモーターを駆動するための電流値を算出し、
算出した電流値に基づいて前記ステッピングモーターに電流を供給する
ことを特徴とする加工ヘッドの駆動制御方法。
作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて作成された駆動信号によりステッピングモーターが駆動されて移動し、被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工ヘッドを備えた加工機における加工ヘッドの駆動制御装置において、
前記加工機の傾きを測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記ステッピングモーターのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、前記駆動信号により前記ステッピングモーターを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、前記ステッピングモーターに電流を供給する第1の供給手段と
を有することを特徴とする加工ヘッドの駆動制御装置。
作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて、加工工具により被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工機において、
XYZ直交座標系のX軸方向およびY軸方向に移動可能な加工ヘッドと、
前記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、
前記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと、
前記加工ヘッドに設けられ、印加電圧を一定として印加時間を制御することで前記加工工具を下降させて前記被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行うソレノイドと、
前記加工機の傾きを測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、前記駆動信号により前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段と、
前記測定手段により測定された前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記ソレノイドへの印加時間を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された印加時間に基づいて、前記ソレノイドへ電流を供給する第2の供給手段と
を有することを特徴とする加工機。
作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて、加工工具により被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工機において、
XYZ直交座標系のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能な加工ヘッドと、
前記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、
前記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと、
前記加工ヘッドをZ軸方向に移動させるための第3のステッピングモーターと、
前記加工ヘッドに設けられ、印加電圧を一定として印加時間を制御することで前記加工工具を下降させて前記被加工物の表面に対して前記所定の加圧力により打刻を行うソレノイドと、
前記加工機の傾きを測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターと前記第3のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、前記駆動信号により前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターと前記第3のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、前記第1のステッピングモーターと前記第2のステッピングモーターと前記第3のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段と、
前記測定手段により測定された前記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、前記ソレノイドへの印加時間を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された印加時間に基づいて、前記ソレノイドへ電流を供給する第2の供給手段と
を有することを特徴とする加工機。
【背景技術】
【0002】
従来より、金、プラチナ、真鍮、アルミニウム、ステンレス鋼などの比較的塑性変形しやすい被加工物の表面に点状の打刻痕を複数形成することにより、所望の画像を形成する打刻機が知られている。
【0003】
具体的には、こうした打刻機は、所定の位置において打刻を行う打刻ヘッドにおいて、ソレノイドを貫通するようにプランジャを設け、プランジャの下部に加工工具を設けて構成されている。
【0004】
そして、印加電圧を一定として印加時間を制御してソレノイドに通電させることで、プランジャを吸引し、加工工具を下降させて台座などに載置された被加工物の表面に当接させる。
【0005】
その際に、印加時間を変えることにより当接時の加圧力に強弱を付けて、被加工物表面に所望の深さの打刻痕を形成することを可能にするとともに、打刻ヘッドを被加工物表面の所望の位置に移動させて、被加工物表面の所望の位置に打刻痕を形成することを可能にしている。
【0006】
以上のようにして、従来の打刻機においては、打刻痕により被加工物の表面に対して所望の画像を形成するようにしている。
【0007】
ところで、こうした打刻機においては、所望の場所に手軽に打刻可能なように、作業者が手に持って作業することが可能なハンディタイプの打刻機が提案されている。
【0008】
こうしたハンディタイプの打刻機を使用する際には、作業者が被加工物表面の打刻したい位置に打刻機を押し当てて、それにより当該位置に打刻するようになされている。
【0009】
従って、大きな被加工物や壁、天井などへの打刻も可能となり、打刻可能な対象の範囲を広げことが可能となった。
【0010】
しかしながら、上記したハンディタイプの打刻機においては、打刻位置によって、打刻機が様々な状態に傾くため、打刻機がどのような状態の傾きであっても打刻ヘッドを所定の位置に移動する必要があった。
【0011】
このため、ハンディタイプの打刻機の打刻ヘッドを移動するモーターにおいては、最も厳しい条件において必要なモータートルク値が出力されるように設定されていた。
【0012】
つまり、打刻ヘッドを移動させるモーターは、最も厳しい条件において打刻ヘッドを移動可能な大きなモータートルク値を出力するように設定されていた。
【0013】
従って、ハンディタイプの打刻機においては、最も厳しい条件において打刻ヘッドを移動可能な大きなモータートルク値が必要ではない状態のときであっても、最も厳しい条件において打刻ヘッドを移動可能な大きなモータートルク値の出力に必要な大きなモーター電流が供給されることになり、打刻ヘッドの移動による電力消費量が高くなってしまっていた。
【0014】
このため、ハンディタイプの打刻機として、例えば、移動に便利なバッテリー駆動方式による構成をとろうとすると、バッテリーの消費量が大きく、それ故に駆動時間が短くなってしまうものであった。
【0015】
以上において説明したような状況より、打刻ヘッドなどの加工ヘッドを駆動するモーターに対して、使用状態に応じて適正な電流を供給することができる加工ヘッドの駆動制御方法や駆動制御装置ならびに加工機の提案が望まれていた。
【0016】
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、従来の技術の有する上記したような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工ヘッドを駆動するモーターに対して、使用状態に応じた適正な電流を供給することができるようにした加工ヘッドの駆動制御方法、加工ヘッドの駆動制御装置、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体ならびに加工機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明による加工ヘッドの駆動制御方法は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて作成された駆動信号によりステッピングモーターが駆動されて移動し、被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工ヘッドを備えた加工機における加工ヘッドの駆動制御方法において、上記加工機の傾きを測定し、測定した上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ステッピングモーターのモータートルク値を算出し、算出したモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記ステッピングモーターを駆動するための電流値を算出し、算出した電流値に基づいて上記ステッピングモーターに電流を供給するようにしたものである。
【0019】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御方法は、上記した発明において、上記加工機の傾きは、互いに直交する3軸における加速度を各軸方向の加速度成分に分離して測定する加速度センサーで測定され、上記モータートルク値を算出する際には、各軸方向における加速度成分に基づいて、該当する軸方向に加工ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルク値を算出するようにしたものである。
【0020】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御方法は、上記した発明において、上記加工機は、印加電圧を一定としてソレノイドへの印加時間を制御することで上記加工工具を下降させて上記被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工ヘッドを備えた打刻機であって、測定した上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正し、補正した印加時間に基づいて、上記ソレノイドへの電流を供給するようにしたものである。
【0021】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御方法は、上記した発明において、上記加工機の傾きは、互いに直交する3軸における加速度を各軸方向の加速度成分に分離して測定する加速度センサーで測定され、上記モータートルク値を算出する際には、上記加速度センサーにより測定された各軸方向における加速度成分に基づいて、該当する軸方向に加工ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルク値を算出し、上記ソレノイドへの印加時間を補正する際には、上記加速度センサーにより測定された上記加工工具が下降する所定の軸方向における加速度成分に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正するようにしたものである。
【0022】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御装置は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて作成された駆動信号によりステッピングモーターが駆動されて移動し、被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工ヘッドを備えた加工機における加工ヘッドの駆動制御装置において、上記加工機の傾きを測定する測定手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ステッピングモーターのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、上記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記ステッピングモーターを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、上記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、上記ステッピングモーターに電流を供給する第1の供給手段とを有するようにしたものである。
【0023】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御装置は、上記した発明において、上記測定手段は、互いに直交する3軸における加速度を各軸方向の加速度成分に分離して測定する加速度センサーであって、上記第1の算出手段は、上記加速度センサーにおいて測定された各軸方向における加速度成分に基づいて、該当する軸方向に加工ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルク値を算出するようにしたものである。
【0024】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御装置は、上記した発明において、上記加工機は、印加電圧を一定としてソレノイドへの印加時間を制御することで上記加工工具を下降させて上記被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工ヘッドを備えた打刻機であって、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正する補正手段と、上記補正手段により補正された印加時間に基づいて、上記ソレノイドへ電流を供給する第2の供給手段とを有するようにしたものである。
【0025】
また、本発明による加工ヘッドの駆動制御装置は、上記した発明において、上記測定手段は、互いに直交する3軸における加速度を各軸方向の加速度成分に分離して測定する加速度センサーであって、上記第1の算出手段は、上記加速度センサーにおいて測定された各軸方向における加速度成分に基づいて、該当する軸方向に加工ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルク値を算出し、上記補正手段は、上記加速度センサーにおいて測定された上記加工工具が下降する所定の軸方向における加速度成分に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正するようにしたものである。
【0026】
また、本発明によるプログラムは、上記した発明による加工ヘッドの駆動制御方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0027】
また、本発明によるプログラムは、上記した発明による加工ヘッドの駆動制御装置としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0028】
また、本発明は、上記した発明によるプログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【0029】
また、本発明による加工機は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工機において、XYZ直交座標系のX軸方向およびY軸方向に移動可能な加工ヘッドと、上記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと
、上記加工機の傾きを測定する測定手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、上記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、上記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段とを有するようにしたものである。
【0030】
また、本発明による加工機は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて被加工物の表面に対して加工工具により所定の加工を行う加工機において、XYZ直交座標系のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能な加工ヘッドと、上記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをZ軸方向に移動させるための第3のステッピングモーターと
、上記加工機の傾きを測定する測定手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、上記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、上記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段とを有するようにしたものである。
【0031】
また、本発明による加工機は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて、加工工具により被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工機において、XYZ直交座標系のX軸方向およびY軸方向に移動可能な加工ヘッドと、上記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと、上記加工ヘッドに設けられ、印加電圧を一定として印加時間を制御することで上記加工工具を下降させて上記被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行うソレノイドと
、上記加工機の傾きを測定する測定手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、上記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、上記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正する補正手段と、上記補正手段により補正された印加時間に基づいて、上記ソレノイドへ電流を供給する第2の供給手段とを有するようにしたものである。
【0032】
また、本発明による加工機は、作業者が手に持って作業することが可能であるとともに、入力された加工情報に基づいて、加工工具により被加工物の表面に対して所定の加圧力により打刻を行う加工機において、XYZ直交座標系のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能な加工ヘッドと、上記加工ヘッドをX軸方向に移動させるための第1のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをY軸方向に移動させるための第2のステッピングモーターと、上記加工ヘッドをZ軸方向に移動させるための第3のステッピングモーターと、上記加工ヘッドに設けられ、印加電圧を一定として印加時間を制御することで上記加工工具を下降させて上記被加工物の表面に対して上記所定の加圧力により打刻を行うソレノイドと、
上記加工機の傾きを測定する測定手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとのモータートルク値を算出する第1の算出手段と、上記第1の算出手段により算出されたモータートルク値に基づいて、上記駆動信号により上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとを駆動するための電流値を算出する第2の算出手段と、上記第2の算出手段により算出した電流値に基づいて、上記第1のステッピングモーターと上記第2のステッピングモーターと上記第3のステッピングモーターとに電流を供給する第1の供給手段と、上記測定手段により測定された上記加工機の傾きを示す測定結果に基づいて、上記ソレノイドへの印加時間を補正する補正手段と、上記補正手段により補正された印加時間に基づいて、上記ソレノイドへ電流を供給する第2の供給手段とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、以上説明したように構成されているので、加工ヘッドを駆動するモーターに対して、使用状態に応じた適正な電流を供給することができるようになるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による加工ヘッドの駆動制御方法、加工ヘッドの駆動制御装置、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体ならびに加工機の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0036】
まず、
図1には、本発明の実施の形態の一例による加工ヘッドの駆動制御装置を備えた打刻機の概略構成斜視説明図が示されており、
図2(a)には、
図1のA矢視図が示されており、
図2(b)には、
図1のB矢視図が示されており、
図2(c)には、
図2(b)のI−I線による断面図が示されており、また、
図3には、打刻機内に搭載される打刻装置の一部を破断した概略構成斜視説明図が示されている。
【0037】
この
図1に示す打刻機10は、下面部および前面部が開口した略箱状の筐体12内に、打刻装置14を備えている。
【0038】
打刻装置14は、筐体に固定される側方部材16a、16bと、側方部材16a、16bの上方側において側方部材16a、16bと接続される上方部材18と、上方部材18の上面18aに配設され打刻装置14全体の制御を行うコントローラー20と、上方部材18の下方側においてXYZ直交座標系のY軸方向に延設されたガイドレール34a、34bに摺動自在に配設されたスライド部材24と、スライド部材24の前方側においてX軸方向に延設されたガイドレール40a、40bに摺動自在に配設されたキャリッジ28と、キャリッジ28に配設された打刻ヘッド30とを有して構成されている。
【0039】
より詳細には、側方部材16a、16bは、上方側において上方部材18により連結されるとともに、下方側においてX軸方向に平行に配設された連結部材32a、32bにより連結される。
【0040】
この連結部材32a、32bは、キャリッジ28によりXY平面上を移動する打刻ヘッド30に設けられた加工工具44による被加工物表面への打刻の際に、当該加工工具44が接触しない程度の間隔を設けて側方部材16aと側方部材16bとを連結するものである。
【0041】
なお、連結部材32a、32bおよび側方部材16a、16bにより領域S1を形成し、当該領域S1において打刻ヘッド30による被加工物の表面に対する打刻が行われる。
【0042】
また、上方部材18の下端部18bにおいて、脚部62が設けられており、この脚部62および側方部材16a、16bにより打刻機10は所定の平面に対して水平に位置する構成となっている。
【0043】
さらに、上方部材18は、後端部18bにおいてコントローラー20によりその駆動が制御されるステッピングモーター22が配設されており、このステッピングモーター22にネジ溝を形成されたネジ軸がY軸方向に沿って延長する形状のY軸方向送りネジ36が接続されている。
【0044】
そして、このY軸方向送りネジ36は、ステッピングモーター22の駆動によりそのネジ軸が軸方向周りに回転される。
【0045】
スライド部材24は、上方側後方においてY軸方向送りネジ36が貫通しており、Y軸方向送りネジ36が貫通する貫通部において送りナット38が設けられ、当該送りナット38にY軸方向送りネジ36がネジ結合している。これにより、ステッピングモーター22の回転によってY軸方向送りネジ36が回転し、スライド部材24がY軸方向において前方側および後方側に移動することが可能となる。
【0046】
また、スライド部材24は、右方側前方においてコントローラー20によりその駆動が制御されるステッピングモーター26が配設されており、このステッピングモーター26にネジ溝が形成されたネジ軸がX軸方向に沿って延長する形状のX軸方向送りネジ42が接続されている。
【0047】
そして、このX軸方向送りネジ42は、ステッピングモーター26の駆動によりそのネジ軸が軸方向周りに回転される。
【0048】
キャリッジ28は、側面においてX軸方向送りネジ42が貫通しており、X軸方向送りネジ42が貫通する貫通部において送りナット(図示せず。)が設けられ、当該送りナットにX軸方向送りネジ42がネジ結合している。これにより、ステッピングモーター26の回転によってX軸方向送りネジ42が回転し、キャリッジ28がX軸方向において右方側および左方側に移動することが可能となる。
【0049】
従って、キャリッジ28は、コントローラー20の制御により駆動するステッピングモーター22、26によって、XY平面上を移動することとなる。
【0050】
また、打刻ヘッド30は、加工工具44およびホルダー46により構成されており、ホルダー46に被加工物の表面に所定の深さの打刻痕を形成するための加工工具44を着脱可能な構成となっており、加工工具44をZ軸方向で振動させるものである。
【0051】
具体的には、打刻ヘッド30は、ホルダー46内にソレノイド(図示せず。)およびスプリング(図示せず。)をそれぞれ備えている。
【0052】
ソレノイド(図示せず。)は、電気エネルギーを直線運動に変換する筒状の電磁機能部品であり、当該筒内に配置される加工工具44を通電によって下方側に押し出すものである。そして、このソレノイド(図示せず。)は、コントローラー20によりその駆動が制御されている。
【0053】
また、スプリング(図示せず。)は、ソレノイド(図示せず。)の下方に配置され当該ソレノイドの下端部から押し出される加工工具44を上方に向かって押し返す。
【0054】
即ち、打刻ヘッド30は、コントローラー20の制御によるソレノイド(図示せず。)への通電によって、加工工具44を下方に向かって突出させるとともに、当該ソレノイドへの通電の解除およびスプリング(図示せず。)の付勢力によって加工工具44を上方に向かって退避させるものである。
【0055】
なお、加工工具44は、被加工物より硬い材料、例えば、超合金や人工ダイヤモンドによって構成されている。
【0056】
また、コントローラー20は、マイクロコンピューター48と、加速度センサー50とより構成されている。
【0057】
即ち、コントローラー20は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の3方向の加速度を各軸の加速度成分に分離して測定し、打刻機10の傾きを測定する加速度センサー50と、加速度センサー50の測定結果に基づいてステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれのモータートルク値を算出するトルク値算出部52と、ステッピングモーター22、ステッピングモーター26および打刻ヘッド30それぞれを駆動する駆動信号を更新する更新信号を所定の間隔で出力する更新信号出力部56と、更新信号出力部56から出力された更新信号に合わせて、ステッピングモーター22、26それぞれに対するパルス信号および電流制御信号と、打刻ヘッド30に対するソレノイド駆動信号とを作成する駆動信号作成部54と、駆動信号作成部54において作成したパルス信号および電流制御信号からステッピングモーター22およびステッピングモーター26のそれぞれに流す電流値を求め、当該ステッピングモーターに対して励磁電流を出力する駆動回路58と、駆動信号作成部54において作成したソレノイド駆動信号から打刻ヘッド30におけるソレノイド(図示せず。)を制御するためのソレノイド制御部信号を作成するソレノイド制御部66とを有して構成されている(
図4を参照する。)。
【0058】
なお、このコントローラー20には、電源ケーブル(図示せず。)により電力供給されるとともに、インターフェース(図示せず。)を介して外部コンピューター装置100に接続される。これにより、打刻機10により電源ケーブル(図示せず。)より電力供給されることとなるとともに、打刻機10と外部コンピューター装置100とが接続されることとなる。
【0059】
そして、コントローラー20では、接続された外部コンピューター装置100から出力された画像や文字といった打刻情報がマイクロコンピューター48に入力される。その後、入力された打刻情報および加速度センサー50の測定結果に基づいてステッピングモーター22、26の駆動が制御されるとともに、ソレノイド(図示せず。)の駆動が制御されて、被加工物の表面に対して所望の形状の打刻が行われる。
【0060】
駆動信号作成部54は、外部コンピューター装置100から出力された打刻情報を記憶する打刻情報記憶部60と、モータートルク値を記憶するトルク値記憶部64とを備えている。
【0061】
このトルク値記憶部64においては、加速度センサー50により測定された測定結果が常に入力され、ステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれのモータートルク値が絶えず更新されている。
【0062】
そして、駆動信号作成部54は、打刻情報記憶部60に記憶した打刻情報に基づいて、打刻すべき位置たる打刻位置を決定し、当該打刻情報とトルク値記憶部64に記憶したモータートルク値に基づいて、決定した打刻位置に打刻ヘッド30が移動するようにステッピングモーター22、26を制御するものである。
【0063】
さらに、駆動信号作成部54は、決定した打刻位置において、加工工具による被加工物表面への加圧力を決定し、決定した加圧力に基づいて打刻ヘッド30におけるソレノイド(図示せず。)を制御するものである。
【0064】
また、更新信号出力部56において、更新信号を出力する所定の間隔は、予め設定されているものである。
【0065】
筐体12には、上面12aにおいて作業者が持つための把手部12−1と、コントローラー20と接続され、作業者によって打刻機10の電源のON/OFFを切り替えるON/OFFスイッチ12−2とが設けられている。
【0066】
以上の構成において、打刻機10によって被加工物の表面に所定の画像を形成する場合には、まず、作業者は、インターフェース(図示せず。)を介して打刻機10と外部コンピューター装置100とを接続する。その後、外部コンピューター装置100を起動し、外部コンピューター装置100を作業者からの入力指示を待つ待機状態とする。
【0067】
次に、作業者によりON/OFFスイッチ12−2が押圧されて打刻機10が起動すると、
図5に示す打刻処理の処理ルーチンを起動して打刻処理を開始する。
【0068】
この打刻処理の処理ルーチンが起動すると、まず、加速度センサー50および駆動信号作成部54の初期化を行い、加速度センサー50における打刻機10の傾きの測定値および駆動信号作成部54に設けられたトルク値記憶部64におけるモータートルク値の初期化を行うとともに、更新信号出力部56から駆動信号作成部54に対して予め設定された所定の時間間隔で更新信号の出力を開始する(ステップS502)。
【0069】
次に、打刻ヘッド30を原点位置に移動する(ステップS504)。なお、こうした打刻ヘッド30の原点位置への移動については、電源が入れられると自動的に所定のモータートルク値によりステッピングモーター22、26が駆動するようになされており、ステッピングモーター22、26の駆動により、打刻ヘッド30が原点位置に移動するものである。
【0070】
その後、打刻機10は待機状態となり、作業者は、待機状態となった打刻機10を打刻ヘッド30により被加工物の表面に対する打刻が可能なように、領域S1を被加工物の表面に押し当て、外部コンピューター装置100を操作して、予め作成した打刻情報を外部コンピューター装置100から打刻機10に出力する(ステップS506)。
【0071】
この外部コンピューター装置100から出力された打刻情報は、打刻機10において打刻情報記憶部60に入力される。
【0072】
そして、打刻情報記憶部60に打刻情報が入力されると、
図6に示すモータートルク値更新処理の処理ルーチンが起動してモータートルク値の更新処理を開始する(ステップS508)。
【0073】
このモータートルク値更新処理の処理ルーチンが起動すると、まず、加速度センサー50の時間分解能に応じ、加速度センサー50において、打刻機10の傾きの測定を実行し、測定した測定結果をトルク値算出部52に出力する(ステップS602)。
【0074】
次に、加速度センサー50において測定した測定結果に基づいて、トルク値算出部52においてステッピングモーター22、26のそれぞれのモータートルク値を算出する(ステップS604)。
【0075】
つまり、このステップS604の処理においては、加速度センサー50により測定した打刻機10の傾きにおいて、ステッピングモーター22、26のそれぞれに最適なモータートルク値を算出する。
【0076】
より詳細には、加速度センサー50において測定した測定結果のうちX方向の加速度成分の測定値に基づいて、打刻ヘッド30をX軸方向に移動させるステッピングモーター26を駆動する際のモータートルク値を算出する。また、加速度センサー50において測定した測定結果のうちY方向の加速度成分の測定値に基づいて、打刻ヘッド30をY軸方向に移動させるステッピングモーター22を駆動する際のモータートルク値を算出する。
【0077】
ここで、トルク値算出部52において実行される、加速度センサー50の測定結果に基づくステッピングモーター22のモータートルク値の算出方法の一例について説明する。
【0078】
ステッピングモーター22を駆動させるための最大のトルク値をTmax、ステッピングモーター22を駆動させるための最小のトルク値をTmin、加速度センサー50において測定するY方向の加速度成分の測定限界値をGlim、加速度センサー50で測定したY方向の加速度成分の測定値をGi、トルク値算出部52により算出されるモータートルク値をTとすると、トルク値算出部52により算出されるモータートルク値Tは、次式により算出される。
【0079】
T=Tmin+|Gi/Glim|×(Tmax−Tmin)
ここで、加速度センサー50から取得できるY方向の加速度成分の測定値Giは、水平状態で0、垂直状態でGlimとし、垂直状態で上下反転したときは負の値、つまり、−Glimとすると、モータートルク値と加速度成分の測定値とは、
図7に示すような関係となる。
【0080】
具体的には、Tmax=500(gf・cm)、Tmin=100(gf・cm)、Glim=1すると、打刻機10をXY平面に対して水平状態でステッピングモーター22を駆動しようとしたとき、Gi=0、Tは100(gf・cm)となる。つまり、最も小さいモータートルク値でステッピングモーター22を駆動することとなる。
【0081】
また、打刻機10をXY平面に対して垂直状態でステッピングモーター22を駆動しようとしたとき、Gi=1であれば、Tは500(gf・cm)となる。つまり、最も大きいモータートルク値でステッピングモーター22を駆動することとなる。
【0082】
さらに、垂直状態を上下反転し、G=−1であっても、Tは500(gf・cm)となり、最も大きいモータートルク値でステッピングモーター22を駆動することとなる。
【0083】
さらにまた、打刻機10をXY平面に対して緩やかな傾きを持っていた場合、例えば、Gi=0.1であるとき、Tは140(gf・cm)となり、打刻機10がXY平面に対して水平状態ある時よりわずかに大きいモータートルク値によりステッピングモーター22を駆動することとなる。
【0084】
ステップS604の処理で、トルク値算出部52において算出されたモータートルク値をトルク値算出部52から駆動信号作成部54に出力する(ステップS606)。
【0085】
すると、駆動信号作成部54において、トルク値算出部52から出力されたモータートルク値をトルク値記憶部64を記憶し、トルク値記憶部64におけるモータートルク値を更新する(ステップS608)。
【0086】
ステップS608の処理においてトルク値記憶部64におけるモータートルク値が更新されると、ステップS602の処理に戻り、ステップS602の処理以降の処理を再度実行する。
【0087】
つまり、このモータートルク値更新処理においては、加速度センサー50の時間分解能に応じた所定の時間間隔で加速度センサー50により打刻機10の傾きを測定し、測定した測定結果からモータートルク値を算出して、当該モータートルク値をトルク値記憶部64に記憶することにより、当該所定の時間間隔でトルク値記憶部64におけるモータートルク値の更新がなされる。
【0088】
モータートルク値の更新がなされると、駆動信号作成部54において、パルス信号、電流制御信号およびソレノイド駆動信号を作成し、作成した各信号を駆動回路58あるいはソレノイド制御部66に出力する(ステップS510)。
【0089】
即ち、ステップS510の処理においては、打刻情報記憶手段60に記憶された打刻情報に基づいて、領域S1内において打刻を行う位置たる打刻位置を決定し、決定した打刻位置に打刻ヘッド30が移動するように、ステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれの回転速度および回転量に応じたパルス信号を作成する。
【0090】
また、打刻情報記憶手段60に記憶された打刻情報に基づいて決定した打刻位置における加工工具44による被加工物表面への加圧力を決定し、決定した加圧力に基づいてソレノイド駆動信号を作成する。
【0091】
さらに、モータートルク値更新処理により更新され、トルク値記憶部64に記憶されたステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれのモータートルク値に基づいて、ステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれの電流制御信号を作成する。なお、電流制御信号とは、励磁電流を制御してステッピングモーターにおけるモータートルクを変化させる信号である。
【0092】
そして、作成したパルス信号および電流制御信号を駆動回路58に出力するとともに、作成したソレノイド駆動信号をソレノイド制御部66に出力する。
【0093】
なお、このステップS510の処理においては、更新信号出力部56より所定の時間間隔で出力された更新信号が駆動信号作成部54に入力される毎に、改めて、打刻情報記憶部60に記憶された打刻情報およびトルク値記憶部64に記憶されたモータートルク値に基づいて、パルス信号、電流制御信号およびソレノイド駆動信号を作成するものである。そして、作成した各信号を駆動回路58あるいはソレノイド制御部66に出力するものである。
【0094】
その後、駆動回路58において、駆動信号作成部54から出力されたパルス信号および電流制御信号からステッピングモーター22およびステッピングモーター26それぞれに流す電流値を算出し、算出した電流値に基づいてステッピングモーター22およびステッピングモーター26のそれぞれに励磁電流を出力する(ステップS512)。
【0095】
そして、ステッピングモーター22およびステッピングモーター26が、それぞれ駆動回路58から出力された励磁電流により駆動して打刻ヘッド30を駆動信号作成部54において決定した打刻位置に移動させる(ステップS514)。
【0096】
さらに、ソレノイド制御部66において、駆動信号作成部54から出力されたソレノイド駆動信号からソレノイド(図示せず。)の駆動を制御するためのソレノイド制御信号を作成し、作成したソレノイド制御信号を打刻ヘッド30に出力する(ステップS516)。
【0097】
そして、出力されたソレノイド制御信号によって打刻ヘッド30に設けられたソレノイド(図示せず。)を駆動して、加工工具44により被加工物表面に駆動信号作成部54において決定した加圧力で打刻して、所定の深さの打刻痕を形成する(ステップS518)。
【0098】
その後、駆動信号作成部54において、打刻情報に基づいて打刻が終了したか否かの判断を行う(ステップS520)。
【0099】
ステップS520の判断処理において、打刻が終了していないと判断された場合には、ステップS510の処理に戻り、ステップS512以降の処理を行う。
【0100】
一方、ステップS520の判断処理において、打刻が終了したと判断された場合には、打刻処理を終了する。
【0101】
以上において説明したように、本発明による打刻機10においては、加速度センサー50により打刻機10の傾きを測定し、測定した測定結果に基づいてステッピングモーター22およびステッピングモーター26のモータートルク値を算出するようにした。
【0102】
そして、更新信号出力部56から所定の間隔で出力される更新信号が駆動信号作成部54に入力される毎に、算出したモータートルク値および打刻情報を利用してパルス信号、電流制御信号およびソレノイド駆動信号を作成するようにした。
【0103】
これにより、本発明による打刻機10においては、打刻機10の傾きに応じてステッピングモーター22、26に対して適正な電流値で電流を供給することができるものである。
【0104】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(8)に示すように変形することができるものである。
【0105】
(1)上記した実施の形態においては、電源ケーブルにより電力供給されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、打刻機10にバッテリーを設け、当該バッテリーにより電力供給するようにしてもよい。
【0106】
このように打刻機10をバッテリーにより電力供給することにより、打刻機10により打刻可能な範囲が広がり、作業し易くなる。また、打刻機10をバッテリーにより電力供給する場合は、従来の技術による打刻機をバッテリーにより電力供給する場合と比較して、バッテリーの消費抑制され、長時間使用することができるようになる。
【0107】
(2)上記した実施の形態においては、トルク値算出部52において、所定の計算式によりモータートルク値を算出するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、加速度センサー50において測定された測定結果のうちX方向の加速度成分とモータートルク値との関係を示すテーブルおよび加速度センサー50において測定された測定結果のうちY方向の加速度成分とモータートルク値との関係を示すテーブルを実験により作成し、作成したテーブルから加速度センサー50により測定された測定結果に基づいてモータートルク値を決定するようにしてもよい。
【0108】
(3)上記した実施の形態においては、トルク値算出部52における計算式において、加速度成分に比例してモータートルク値が変化するようにしたが(
図7を参照する。)、これに限られるものではないことは勿論であり、所定の係数をかけることで、モータートルク値の変化の特性を変えるようにしてもよい。
【0109】
(4)上記した実施の形態においては、加工工具44により被加工物表面を押圧して当該被加工物表面に所望の打刻痕を形成する打刻ヘッド30をXY平面で移動させるようにしたハンディタイプの打刻機10において、当該打刻機10の傾きに応じて当該打刻ヘッド30を移動させるステッピングモーター22、26のモータートルクを変更するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0110】
例えば、加工工具により被加工物表面を切削する切削加工ヘッドをXY平面で移動させるようにしたハンディタイプの切削加工機において、当該切削加工機の傾きに応じて当該切削加工ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルクを変更するようにしてもよい。
【0111】
また、インクにより被加工物表面に印刷を行う印刷ヘッドをXY平面で移動させるようにしたハンディタイプの印刷機において、当該印刷機の傾きに応じて当該印刷ヘッドを移動させるステッピングモーターのモータートルクを変更するようにしてもよい。
【0112】
(5)上記した実施の形態においては、打刻ヘッド30を移動させるためのステッピングモーター22およびステッピングモーター26について、加速度センサー50における測定結果に基づいて、モータートルク値を更新するようにしたが、こうした加速度センサー50における測定結果に基づいて、打刻ヘッド30における加工工具44による被加工物表面への加圧力、つまり、ソレノイドへの印加時間を補正するようにしてもよいことは勿論である。
【0113】
この場合には、
図8に示すように、加速度センサー50における測定結果を駆動信号作成部54へも出力するものとし、駆動信号作成部54においては、加速度センサー50からの測定結果に基づいて打刻情報に基づく加圧力に応じたソレノイドへの印加時間を補正する印加時間補正部68が設けられる。
【0114】
つまり、この印加時間補正部68において、加速度センサー50によって測定した測定結果に基づいて、ソレノイドへの印加時間を補正する。
【0115】
より詳細には、加速度センサー50において測定した測定結果のうちZ方向の加速度成分の測定値に基づいて、加工工具44をZ軸方向に下降させるソレノイドへの印加時間を補正する。
【0116】
以下、印加時間補正部68において実行される、加速度センサー50の測定結果に基づくソレノイドへの印加時間の算出方法の一例について説明する。
【0117】
ここで、打刻ヘッド30においては、印加電圧を一定とし、ソレノイド(図示せず。)への印加時間を制御して、ソレノイドに流れる電流を制御することで、加工工具44による被加工物表面への加圧力を制御するようにしている。
【0118】
まず、打刻機10がXY平面に対して水平状態であり、かつ、打刻機10の下方側に位置する被加工物の表面に打刻を行う場合の加工工具44による被加工物表面への加圧力をF、ソレノイドの印加時間をnとする。
【0119】
また、打刻機10がXY平面に対して水平状態であり、かつ、打刻機10の上方側に位置する被加工物の表面に打刻を行う場合に加工工具44による被加工物表面への加圧力Fが得られる印加時間を測定してn0とする。
【0120】
さらに、加速度センサー50において測定した測定結果におけるZ方向の加速度成分の測定値が1(測定値が1となるときは、打刻機10がXY平面に対して水平状態であり、かつ、打刻機10の下方側に位置する被加工物の表面に打刻を行う場合である。)から−1(測定値が−1となるときは、刻機10がXY平面に対して水平状態であり、かつ、打刻機10の上方側に位置する被加工物の表面に打刻を行う場合である。)を取るとき、このZ方向の加速度成分をgzとする。
【0121】
すると、刻機10がXY平面に対して水平状態であり、かつ、打刻機10の上方側に位置する被加工物の表面に打刻を行う場合(gz=−1)に加圧力Fを得るための印加時間はn+(n0−n)となる。
【0122】
従って、印加時間はn+(n0−n)×(1−gz)/2とすればgz(1、・・・、−1)で(n、・・・、n0)の値を取ることができ、本体の角度によらず通常時と同等の加圧力を得ることができる。
【0123】
つまり、加速度センサーの値が1のときに印加時間nが必要であり、それと同じ加圧力Fを得るためには、角度に応じて不足分の印加時間(n0−n)を加算することで水平のときと同じ加圧力Fとなる。上記した式は、これをZ軸が反転した状態での加速度センサーの値−1を用いて加算できる式となっている。
【0124】
また、加圧力Fは実際使用する範囲を何段階か測定し、測定加圧力以外を補完する。
【0125】
つまり、印加時間と加圧力は比例関係ではないため、上記した不足分の印加時間(n0−n)は測定する必要があるが、全ての加圧力に対しては測定できないため、印加時間と加圧力との関係は、いくつかのポイントから近いものを用いる。
【0126】
そして、ステップS510の処理において、駆動信号作成部54において、パルス信号、電流制御信号およびソレノイド駆動信号を作成し、作成した各信号を駆動回路58あるいはソレノイド制御部66に出力するものであるが、このとき、印加時間の補正が行われる。
【0127】
つまり、ステップS510の処理においては、パルス信号および電流制御信号を作成するとともに、印加時間補正部68において印加時間を加速度センサー50における測定結果によって補正した後にソレノイド駆動信号を作成する。
【0128】
より詳細には、打刻情報記憶手段60に記憶された打刻情報に基づいて決定した打刻位置における加工工具44による被加工物表面への加圧力を決定し、印加時間補正部68において、決定した加圧力に基づく印加時間を加速度センサー50における測定結果によって補正し、補正した印加時間に基づいてソレノイド駆動信号を作成する。
【0129】
(6)上記した実施の形態においては、打刻機10において打刻ヘッド30をXY平面の2次元で移動するようにしたが、打刻機10においてステッピングモーターの駆動により打刻ヘッド30をZ軸方向に移動させる構成を設け、打刻ヘッド30を3次元で移動する構成としてもよいことは勿論である。
【0130】
この場合には、加速度センサー50で測定された測定結果におけるZ方向の加速度成分に基づいて、打刻ヘッド30をZ軸方向に移動させるステッピングモーターを駆動する際のモータートルク値を求めるようにすればよい。
【0131】
(7)上記した実施の形態においては、打刻処理が開始されると、モータートルク値更新処理の前に、所定のモータートルク値によりステッピングモーター22、26を駆動して打刻ヘッド30を原点位置まで移動するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、モータートルク値更新処理の後に、更新したモータートルク値によりステッピングモーター22、26を駆動して打刻ヘッド30を原点位置まで移動するようにしてもよい。
【0132】
更新したモータートルク値によりステッピングモーター22、26を駆動して打刻ヘッド30を原点位置まで移動することにより、より省電力による打刻機10の作動を実現できる。
【0133】
(8)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(7)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。