特許第5792556号(P5792556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792556
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】剥離装置とその動作方法および印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20150928BHJP
   G03G 15/14 20060101ALI20150928BHJP
   B65H 29/52 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   G03G15/20 530
   G03G15/14 101A
   B65H29/52
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-177748(P2011-177748)
(22)【出願日】2011年8月15日
(65)【公開番号】特開2012-48238(P2012-48238A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】12/871,373
(32)【優先日】2010年8月30日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーガスト・バートン
【審査官】 杉山 輝和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−154645(JP,A)
【文献】 特開2003−186336(JP,A)
【文献】 特開昭61−228480(JP,A)
【文献】 特開平03−107183(JP,A)
【文献】 特開平02−188779(JP,A)
【文献】 特開2001−282030(JP,A)
【文献】 特開平07−199711(JP,A)
【文献】 特開平11−038823(JP,A)
【文献】 特開2004−184488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離装置であって、
媒体シートを輸送するように構成される媒体経路と、
前記媒体シートに接触するように構成される回転部材と、
長手軸に沿ってある長さを有するとともに長手方向の一端に先端を含む剥離爪であって、前記回転部材から前記媒体シートを選択的に剥がすために、前記先端と前記回転部材との接触を選択的に係合しかつ外すように構成された剥離爪と、
前記剥離爪に結合された圧電アクチュエータと、
を備え、
前記圧電アクチュエータは、前記回転部材から第1の厚さを有する媒体シートを剥がすために前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を選択的に実施し、かつ、前記剥離爪の先端が前記回転部材に接触する際の前記剥離爪の先端の前記回転部材に対する圧力を調整し、
前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する媒体シートを剥がすために前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外す場合に、ある変位距離を移動するように構成され、前記変位距離はほぼ前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間である剥離装置。
【請求項2】
前記圧電アクチュエータは、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を選択的に係合しかつ外すために曲がるように構成される、請求項1に記載の剥離装置。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータへ結合される電圧源をさらに備え、前記電圧源は、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を実施するために前記圧電アクチュエータへ第1の電圧を印加するように構成され、かつ、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外すために前記圧電アクチュエータへ第2の電圧を印加するように構成される、請求項1に記載の剥離装置。
【請求項4】
前記剥離爪は、前記回転部材から前記媒体シートを剥がすために前記先端と前記回転部材との接触を選択的に実施するように構成され、かつ、前記回転部材へ結合されている媒体シートが存在しなければ前記先端と前記回転部材との接触を外すように構成される、請求項1に記載の剥離装置。
【請求項5】
媒体経路と、回転部材と、長手軸に沿ってある長さを有するとともに長手方向の一端に先端を含む剥離爪とを含む装置における動作方法であって、
前記媒体シートを前記媒体経路内で輸送することと、
前記媒体シートを前記回転部材に接触させることと、
前記回転部材から前記媒体シートを剥がすために、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を実施することと、前記剥離爪の先端が前記回転部材に接触する際の前記剥離爪の先端の前記回転部材に対する圧力を調整することと、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外すことと、を含み、
前記装置は、前記剥離爪に結合される圧電アクチュエータを含み、前記圧力は前記圧電アクチュエータを用いて調整され、
前記接触を実施することは、前記回転部材から第1の厚さを有する媒体シートを剥がすために、前記圧電アクチュエータを用いて前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を実施することを含み、
前記外すことは、前記圧電アクチュエータを用いて、前記第1の厚さより大きい第2の重さの媒体シートを剥がすために前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外すためにある変位距離を移動するように構成され、前記変位距離はほぼ前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間であることを含む、動作方法。
【請求項6】
請求項5に記載の動作方法であって、
前記装置が、前記圧電アクチュエータに結合される電圧源を備え、
前記接触を実施することは、前記回転部材から前記媒体シートを剥がすための、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を、前記圧電アクチュエータに第1の電圧を印加することによって実施することを含み、
前記外すことは、前記圧電アクチュエータに第2の電圧を印加することによって、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外すことを含む、動作方法。
【請求項7】
請求項に記載の動作方法であって、
前記外すことは、前記回転部材に付着している媒体シートが存在しない場合に前記先端と前記回転部材との接触を外すことを含む、動作方法。
【請求項8】
印刷装置であって、
媒体シートを輸送するように構成された媒体経路と、
前記媒体シート上に画像を生成するように構成された画像生成モジュールと、
前記媒体シートに接触するように構成された回転部材と、
長手軸に沿って長辺を有するとともに長手方向の一端に先端を含む剥離爪であって、前記回転部材から前記媒体シートを剥がすように構成された剥離爪と、
前記剥離爪に結合された圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータに結合された電圧源と、を備え、前記電圧源は、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を実施して前記回転部材から第1の厚さを有する媒体シートを剥がすために、前記圧電アクチュエータに第1の電圧を印加するように構成され、かつ、前記剥離爪の先端と前記回転部材との接触を外して前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する媒体シートを剥がす場合に、ある変位距離を移動させるために前記圧電アクチュエータに第2の電圧を印加するように構成され、前記変位距離はほぼ前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間であり、
前記電圧源は、前記剥離爪の先端が前記回転部材に接触する際の前記剥離爪の先端の前記回転部材に対する圧力を調整するために、前記圧電アクチュエータに印加する電圧を調整するように構成されている、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、印刷装置内の剥離爪を動作させる装置及び方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
現在、プリンタ、多機能媒体デバイス、電子写真機、インクジェットプリンタ及び他のデバイス等の画像出力デバイスは、紙、基材、透明フィルム、プラスチック、ラベルまたは他の媒体シート等の媒体シート上に画像を生成している。画像の生成に際して、トナー、インクジェットインクまたは他のマーキング材料等のマーキング材料は、感光体または中間転写部材へ付着されることが可能である。マーキング材料は次に媒体シートへ転写され、媒体シート上に潜像が生成される。次には、定着器アッセンブリが媒体シートへ熱及び/または圧力を加えることによって潜像を媒体シートへ付着または定着する。定着器アッセンブリは、定着器ニップにおいて互いに結合される定着器ロールまたはベルト等の回転部材を用いて圧力を印加する。圧力は、媒体シートが定着器ニップを介して供給されるにつれて潜像を有する媒体シートへ印加される。
【0003】
媒体シートは、印刷装置内で回転部材にくっつくことが多い。例えば、熱及び圧力は、比較的薄い媒体シートを定着器ロールへくっつかせる可能性がある。別の例として、静電力も薄い媒体シートを感光体ロール、感光体ベルト及び中間転写部材へくっつかせる可能性がある。剥離爪は、伝統的に、媒体シートの定着器ロール及び加圧ロール、感光体ドラム及びベルト及び他の回転部材からの分離を助力するために用いられてきている。
【0004】
残念ながら、剥離爪は、回転部材の表面を擦り減らす。擦り減りは、媒体シート上の画像品質不良を招くことから問題を生じさせる。剥離作業は所定の媒体及び/または所定の動作状態に対してしか必要とされないにも関わらず、剥離爪は常に回転部材表面と接触状態にあることから、擦り減りが悪化する。この接触は不必要であり、かつ不必要な擦り減りの量の増大を誘発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、印刷装置において剥離爪を動作させる装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
剥離爪を動作させる装置及び方法を開示する。本装置は、媒体シートを輸送するように構成される媒体経路を含むことが可能である。本装置は、媒体シートに接触するように構成される回転部材を含むことが可能である。本装置は、長手軸に沿った長さを有する剥離爪を含むことが可能である。剥離爪は、その長さの一端に先端を含んでもよい。剥離爪は、回転部材から媒体シートを選択的に剥がすために、先端と回転部材との接触を選択的に係合しかつ外すように構成されてもよい。
【0007】
本開示の優位点及び特徴が達成され得る方法を説明するために、先に簡単に述べた本開示について、添付の図面に示されているその具体的な実施形態を参照することによりさらに具体的に記述する。これらの図面は単に本開示の典型的な実施形態を描いたものであって、その範囲を限定するものではない点を理解した上で、本開示を図面の使用により特異性及び詳細を追加して記述しかつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ある装置を例示的に示したものである。
図2】ある装置の一部を例示的に示したものである。
図3】ある装置の一部を例示的に示したものである。
図4】ある装置の一部を例示的に示したものである。
図5】圧電アクチュエータを例示的に示したものである。
図6】ある装置における方法の例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、静電写真印刷装置、電子写真印刷装置またはその他、媒体上に画像を生成する任意の装置等の装置100を例示的に示したものである。また、装置100は、プリンタ、多機能媒体デバイス、電子写真機、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、スキャナ、ファックス機または媒体シートを輸送する他の任意のデバイスの一部であってもよい。
【0010】
装置100は、紙、プラスチック、ラベル、ステッカまたは他の媒体等の媒体135を輸送できる媒体輸送装置130を含むことが可能である。装置100は、処理方向Pへ移動可能な感光体110を含むことが可能である。感光体110は、主または電荷輸送表面111を有することが可能である。感光体110は、媒体135上に画像を生成するように構成されることが可能である。例えば、感光体110はベルトまたはドラムであってもよく、表面上に静電画像を形成するための感光体電荷輸送表面111を含んでもよい。
【0011】
装置100は、感光体110上に電荷を発生するように構成される帯電装置140を含むことが可能である。帯電装置140は、スコロトロン、帯電ロールまたはその他、感光体110へ電圧を印加できる任意の電界発生デバイスであることが可能である。例えば、スコロトロン140は、スコロトロンシールド142と、スコロトロン帯電グリッド144と、スコロトロン帯電グリッド144の感光体110とは反対側に位置決めされるスコロトロンワイヤまたはピンアレイ146とを含むことが可能である。スコロトロンピンアレイ146は、電界を発生するように構成されることが可能である。スコロトロン帯電グリッド144及びスコロトロンピンアレイ146は、感光体110上に表面電位を発生するように構成されることが可能である。より詳細な動作において、帯電装置140は、感光体110が処理方向Pへ回転するにつれて感光体110の表面に静電電荷を与えることにより、感光体110の表面を帯電させることができる。
【0012】
装置100は、感光体110上に画像を生成するように構成される画像生成モジュール112を含むことが可能である。画像生成モジュール112は、レーザ源、発光ダイオード(LED)バーまたはその他、感光体110の選択された部分を印刷されるべき所望される画像に対応する形状で放電させることができる関連デバイス等のラスタ出力スキャナであることが可能である。例えば、ラスタ出力スキャナは、潜像をより高い正電圧まで放電させることができる。さらなる例として、画像生成モジュール112は、印刷されるべき所望の画像に従って感光体110の表面の所定の領域を放電させるために協働できるレーザ源114と回転ミラー116とを含むことができるラスタ出力スキャナであってもよい。電荷保持表面111を選択的に放電させるためには、レーザ源114の代わりに、LEDバー、光レンズ系またはその他、電荷保持表面を放電させることができるエレメント等の他のエレメントが使用されてもよい。レーザ源114は、レーザ源114へ供給されるデジタル画像データに従って変調されることが可能であり、かつ回転ミラー116は、レーザ源114からの変調ビームを感光体110の処理方向Pに対して垂直な高速走査方向へ移動させることができる。
【0013】
装置100は、感光体110へ結合される現像剤ユニット118を含むことが可能である。現像剤ユニット118は、感光体110上に画像を現像するように構成されてもよい。例えば、レーザ源114によって感光体110の所定の領域が放電された後、現像剤ユニット118は、露光された潜像を現像することができる。現像剤ユニット118は、供給される乾燥トナー等のマーキング材料を、感光体110の表面上の露光潜像に接触させる、またはそうでなければ接近させることができる。
【0014】
装置100は、感光体110へ結合される転写ユニット120を含むことが可能である。転写ユニット120は、現像された画像を媒体135へ転写するように構成されることが可能である。例えば、転写ユニット120は、感光体110へ付着しているトナーまたは他のマーキング材料を媒体135へ電気的に転写させることができる。装置100は、媒体135へ画像を永続的に付着できる定着器122を含むことが可能である。例えば、定着器122は、媒体135上に永久画像を生成するために、トナー等のマーキング材料を媒体135内へ溶融または定着させることができる。
【0015】
装置100は、媒体シート135に接触するように構成される回転部材を含むことが可能である。回転部材は、ロールであってもよく、ドラムであってもよく、ベルトであってもよく、感光体110であってもよく、定着器ロールであってもよく、加圧ロールであってもよく、または定着器122内の定着ベルトであってもよく、またはその他、媒体シートに接触できる任意の回転部材であってもよい。装置100は、回転部材から媒体シート135を選択的に剥がすために回転部材との接触を選択的に係合しかつ外すことができる剥離爪150を含むことが可能である。装置100は、装置100の動作を制御するように構成されるコントローラ160を含むことが可能である。例えば、コントローラ160は、剥離爪150が回転部材との接触を係合するか外すかを制御することができる。
【0016】
図2は、装置100の一部等の装置200の一部を例示的に示したものである。装置200は、回転部材210を含むことが可能である。装置200は、回転部材210から媒体シートを受け入れるように構成されるバッフル260を含むことが可能である。装置200は、剥離爪150等の剥離爪250を含むことが可能である。剥離爪250は、フレーム240へ結合されてもよい。剥離爪250は、長手軸254に沿って長さLを有してもよい。剥離爪250は、長さLの一端に先端252を含んでもよい。剥離爪250は、回転部材210から媒体シートを選択的に剥がすために、先端252と回転部材210との接触を選択的に係合しかつ外すことができる。
【0017】
装置200は、剥離爪250へ結合される圧電アクチュエータ220を含むことが可能である。圧電アクチュエータ220は、剥離爪の先端252と回転部材210との接触を選択的に係合しかつ外すことができる。例えば、圧電アクチュエータ220は、剥離爪の先端252と回転部材210との接触を選択的に係合しかつ外すために曲がることができる。装置200は、圧電アクチュエータ220へ結合される電圧源230を含むことが可能である。電圧源230は、剥離爪の先端252と回転部材210との接触を係合するために圧電アクチュエータ220へ第1の電圧を印加することができ、かつ剥離爪の先端252と回転部材210との接触を外すために圧電アクチュエータ220へ第2の電圧を印加することができる。
【0018】
圧電アクチュエータは、長さLの少なくとも一部に沿って剥離爪250へ結合される第1の層221と、長手軸に略並行して第1の層へ結合される第2の層222とを含むことが可能である。電圧源230は、剥離爪の先端252と回転部材210との接触を選択的に係合しかつ外すために、圧電アクチュエータの第1の層221と圧電アクチュエータの第2の層222との間に電圧を印加することができる。
【0019】
圧電アクチュエータ220は、剥離爪の先端252が回転部材210に接触する際の剥離爪の先端252の回転部材210に対する圧力を調整することができる。例えば、電圧源230は、剥離爪の先端252が回転部材210に対して加える圧力量を変えるために、異なる電圧を印加することができる。
【0020】
図3は、装置100の一部等の装置300の一部を例示的に示したものである。図4は、装置100の一部等の装置400の一部を例示的に示したものである。剥離爪250は、回転部材210から媒体シート310を剥がすために剥離爪の先端252と回転部材210との接触を係合することができ、かつ回転部材210へ結合されている媒体シートが存在しない場合は剥離爪の先端252と回転部材210との接触を外すことができる。剥離爪250は、回転部材210から第1の重さの媒体シート310を剥がすために剥離爪の先端252と回転部材210との接触を係合することができ、かつ第2の重さの媒体シート320については剥離爪の先端252と回転部材210との接触を外すことができる。但し、第2の重さは、第1の重さより重くてもよい。例えば、より軽量の媒体シートは剥離を必要とする場合があるが、より重い媒体シートは自ずと剥がれる場合がある。
【0021】
さらなる例として、第1の重さの媒体シート310は、第1の厚さ311を有してもよい。第2の重さの媒体シート320は、第1の厚さ311より大きい第2の厚さ321を有してもよい。剥離爪250は、第1の重さの媒体シート310に対しては、回転部材210から第1の重さの媒体シート310を剥がすために剥離爪の先端252と回転部材210との接触を係合するように構成されることが可能であり、かつ第2の重さの媒体シート320に対しては、剥離爪の先端252と回転部材210との接触を外すべく変位距離330だけ移動するように構成されることが可能である。但し、変位距離330はほぼ、第1の厚さ311と第2の厚さ321との間であってもよい。第1の厚さ311は比較的薄い可能性があり、またより厚い場合であっても、やはり剥離を必要とする可能性がある。変位距離330は、回転部材210から剥離爪の先端252を剥がすために有用な任意の距離であってもよい。
【0022】
印刷装置400は、剥離爪の先端252が回転部材210との接触を外した後に剥離爪250が回転部材210から変位距離330を移動すると剥離爪250に接触するように構成される機械的停止装置340を含むことが可能である。機械的停止装置340は、剥離爪250が回転部材210との接触を外した場合に剥離爪250が変位距離330を超えた先まで移動しないように防止することができる。機械的停止装置340は必要でない場合もあり、変位距離330は、圧電アクチュエータへ適切な電圧を印加することによって制御されてもよい。
【0023】
実施形態の中には、剥離爪を表面から離して移動させるために圧電アクチュエータを使用できるものがある。但し、上記表面は、定着器ロール、加圧ロール、定着ベルト、感光体ドラム、ベルトまたはその他、媒体シートがくっつく可能性のある表面の上であってもよい。必要であれば、圧電アクチュエータは、所定の負荷で表面に接触することができる。剥離爪は、圧電アクチュエータに電圧が印加される際の所定の間隙によってその接触表面との接触をなくすことができる。間隙は、機械的停止装置及び/または圧電アクチュエータへ印加される電圧の何れかによって制御されることが可能である。使用される間隙は、媒体表面のアーキテクチャ及び特性に依存する。
【0024】
幾つかの実施形態によれば、圧電アクチュエータは、接触表面に対する剥離爪の先端の既定の負荷を印加することができる。圧電アクチュエータは、剥離爪の先端を接触表面から所定の間隙だけ離して移動することもできる。例えば、剥離を必要とする場合のあるより薄い媒体は、約54μmから75μmであってもよい。剥離爪は、表面から媒体を剥がすために、定着表面または感光体表面に接触することができる。典型的な定着器表面及び感光体表面上の媒体を剥がすのに剥離爪を必要としない媒体は、厚さ約200μmであってもよい。剥離爪をその接触表面より50μmから100μmだけ持ち上げることにより、剥離爪の先端は接触表面への接触を回避することができ、同時に、剥離爪による剥離を必要としない場合のある厚い媒体の出口経路の妨害を回避することができる。
【0025】
剥離爪を移動させる一例として、2層圧電曲げアクチュエータは、その上端に取り付けられた剥離爪を有することが可能である。剥離爪は、接触表面に接触することができるか、または接触表面から間隙によって分離されることが可能であるかの何れかである。爪の接触力及び間隙は共に、圧電アクチュエータに印加される電圧の量及び極性によって制御されることが可能である。剥離爪の先端に加えられ得る力及び剥離爪の先端により達成され得る持ち上げは、圧電アクチュエータへ印加される電圧、圧電アクチュエータの材料及び圧電アクチュエータのサイズに依存してもよい。
【0026】
ある実験によれば、剥離爪は、その先端に〜0.2Nの負荷をかけることができる。このような剥離爪のサイズは、長さ約25mm、幅3mmであってもよい。剥離爪へ結合される2層圧電曲げアクチュエータは、このような負荷をかけるために用いられてもよい。幅3mm、長さ25mm、厚さ約400μmであって圧電材料PSI−5A4を有する2層圧電曲げアクチュエータの剥離爪は、2層圧電アクチュエータへ約70VDCが印加される場合にその負荷を加えることができる。電圧の極性を逆にすれば、剥離爪を接触表面から持ち上げることができる。逆転された電圧約70VDCが印加されると、爪の先端は表面から約100μmだけ持ち上がることができる。圧電アクチュエータは高いDC電圧を用いることができるが、mA単位の極く小さい電流を用いてもよい。高電圧は、小電圧ブースタから取得されることが可能である。
【0027】
幾つかの実施形態からの剥離爪を用いることにより、爪が接触表面に接触している時間量は制限されることが可能であり、これにより、定着器ロールまたはベルトの何れか、加圧ロールまたはベルトの何れか、感光体ドラムまたはベルトの何れかまたは他の回転部材の寿命を劇的に延ばすことができる。これは、極くまれに軽量媒体を使用するユーザ、または軽量媒体を全く使用しないユーザの何れをも含む全てのユーザにとって有益である可能性がある。
【0028】
幾つかの実施形態によれば、印刷装置は、媒体シートを輸送するように構成される媒体経路を含むことが可能である。本印刷装置は、媒体シート上に画像を生成するように構成される画像生成モジュールを含むことが可能である。本印刷装置は、媒体シートに接触するように構成される回転部材を含むことが可能である。本印刷装置は、長手軸に沿ってある長さを有する剥離爪を含むことが可能である。剥離爪は、その長さの一端に先端を含むことが可能である。剥離爪は、回転部材から媒体シートを剥がすように構成されることが可能である。本印刷装置は、剥離爪へ結合される圧電アクチュエータを含むことが可能である。本印刷装置は、圧電アクチュエータへ結合される電圧源を含むことが可能である。電圧源は、回転部材から媒体シートを剥がすために剥離爪の先端と回転部材との接触を係合すべく圧電アクチュエータへ第1の電圧を印加するように構成されることが可能である。電圧源は、剥離爪の先端と回転部材との接触を外すべく圧電アクチュエータへ第2の電圧を印加するように構成されることが可能である。電圧源は、剥離爪の先端が回転部材に接触する際の剥離爪の先端の回転部材に対する圧力を調整するために、圧電アクチュエータへ印加される電圧を調整するように構成されることが可能である。
【0029】
図5は、圧電アクチュエータ220等の圧電アクチュエータ500を例示的に示したものである。圧電アクチュエータ500は、厚さTと、長さLとを有することが可能である。本例における圧電アクチュエータ500の各層は、極性P及び圧電歪係数dyzを有することが可能な5A4E圧電系材料表示タイプを有することが可能である。但し、yは分極の軸を示し、zは歪方向の軸を示すことが可能であるが、これらの変数y及びzは必ずしも特にy軸またはz軸に一致しない。例えば、d31は、その下付き数字「3」で分極がz軸に位置合わせされること、かつ下付き数字「1」で歪の方向がz軸に対して垂直なx軸に位置合わせされることを示してもよい。この例は、PSI−5A4E圧電材料を単に例示目的で記述したものであり、多くの異なる圧電材料の使用が可能である。圧電アクチュエータへ電圧Vが印加されると、圧電アクチュエータは、印加された電圧Vを基礎として、次式、
【数1】

により、変位距離ΔXだけ曲がる、または移動することができる。
【0030】
図6は、媒体経路と、回転部材と、長手軸に沿ってある長さを有する剥離爪とを含むことが可能な装置における方法の例示的なフローチャート600を示す。剥離爪は、その長さの一端に先端を含むことが可能である。本印刷装置は、剥離爪へ結合される圧電アクチュエータも含むことが可能である。本印刷装置は、圧電アクチュエータへ結合される電圧源を追加的に含むことが可能である。
【0031】
本方法は、610で開始することができる。620において、媒体シートは媒体輸送経路内で輸送されることが可能である。630において、媒体シートは回転部材と接触することができる。635では、媒体剥離が必要とされるかどうかについて決定を下すことができる。この決定は、回転部材へ結合されている媒体シートが存在するか否かを基礎とするものであっても、回転部材へ結合されている媒体シートが剥離を必要とするか否かを基礎とするものであっても、または媒体剥離が必要とされるかどうかに関連する他の任意の情報を基礎とするものであってもよい。
【0032】
剥離が必要とされれば、640において、剥離爪の先端は、回転部材から媒体シートを剥離するために回転部材との接触を係合することができる。圧電アクチュエータは、回転部材から媒体シートを剥離するために、剥離爪の先端に回転部材との接触を係合させてもよい。電圧源は、回転部材から媒体シートを剥離するために、圧電アクチュエータによって剥離爪の先端を回転部材との接触を係合するように移動させるべく圧電アクチュエータへ第1の電圧を印加することができる。650において、圧電アクチュエータは、剥離爪の先端が回転部材に接触する際の剥離爪の先端の回転部材に対する圧力を調整することができる。
【0033】
剥離が必要とされなければ、660において、剥離爪の先端は回転部材との接触を外すことができる。圧電アクチュエータは、剥離爪の先端に回転部材との接触を外させることができる。電圧源は、回転部材との接触を外すために、圧電アクチュエータにより剥離爪の先端を移動させるべく圧電アクチュエータへ第2の電圧を印加することができる。剥離爪の先端は、回転部材へ結合されている媒体シートが存在しなければ、回転部材との接触を外すことができる。本方法は、670において終了することができる。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、フローチャート600の全てのブロックを必要としない。さらに、フローチャート600またはフローチャート600のブロックは、反復的等、何度も実行されてもよい。例えば、フローチャート600は、後のブロックから先のブロックへループバックしてもよい。さらに、ブロックの多くは同時的に、または並行プロセスにおいて実行されることが可能である。
【0035】
実施形態は、プログラムされたプロセッサ上で実装されてもよい。しかしながら、これらの実施形態は、汎用または特殊用途コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、集積回路、個別素子回路等のハードウェア電子回路または論理回路、プログラマブル論理デバイスまたはこれらに類似するものにおいて実装されてもよい。概して、本開示のプロセッサ機能の実装には、これらの実施形態を実装できる有限状態マシンが存在している任意のデバイスが使用されてもよい。
【0036】
これまでの説明の幾分かは、電子写真印刷の例に関連して行っているが、本明細書における教示及びクレームが任意の装置における媒体シートの剥離に適用され得ることは理解されるであろう。例えば、本開示はその具体的な実施形態に関して説明されているが、当業者に多くの代替、変更及び変形が明白となることは明らかである。例えば、実施形態における様々なコンポーネントは、他の実施形態において交換され、追加され、または置換されてもよい。また、これらの実施形態の動作には、各図の全てのエレメントが必要なわけではない。例えば、これらの実施形態の当業者は、単に独立クレームの要素を使用することにより、本開示の教示内容を利用することができるであろう。従って、本明細書に記載されている開示の実施形態は例示を目的とするものであって、限定的なものではない。変更は、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく様々に行われてもよい。
【0037】
本文書において、「第1の」、「第2の」及びこれらに類似するもの等の関係を示す用語は、単に1つの実体または行動を別の実体または行動から区別するために使用され得るものであって、必ずしもこのような実体または行動間のこのような実際の関係または順序を要求または黙示するものではない。また、「上」、「下」、「前」、「後」、「水平」、「垂直」及びこれらに類似するもの等の関係を示す用語も、単に諸要素の互いの空間的方向性を区別するために使用され得るものであって、必ずしも他の任意の物理的座標系に対する空間的方向性を黙示するものではない。「結合される」という用語は、別段の変更がない限り、エレメント同士が接続され得ることを含意するが、直接的な接続を求めるものではない。例えば、エレメントは1つまたは複数のエレメントを介在して接続されてもよい。例えば、2つのエレメントは、エレメント間で物理的接続を用いることによって、エレメント間で電気信号を用いることによって、エレメント間で無線周波数信号を用いることによって、エレメント間で光信号を用いることによって、エレメント間に機能的な相互作用を供給することによって、またはその他、2つのエレメントを互いに関係づけることによって結合されてもよい。「を備える」の現在形、現在進行形または他の任意のその変形は非排他的含有をカバーするためのものであり、よって、エレメントのリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、これらの列記されたエレメントのみを含むものではなく、明示されていない、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有でない他のエレメントを含んでもよい。単数冠詞またはこれらに類似するものにより先行されるエレメントは、それ以上の制約なしに、そのエレメントを含むプロセス、方法、物品または装置における追加的な同一エレメントの存在を除外するものではない。また、「別の」という用語は、少なくとも1つの第2の、またはそれ以上のものとして定義される。「を含む」、「を有する」等の用語は、本明細書において「を備える」として定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6