(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1又は請求項2に記載のヒュージブルリンク一体型ボルトブロックを、電気接続箱本体の側部に対し、又は前記電気接続箱本体を構成するカセットブロックの側部に対し、該側部の略直交方向に着脱自在に装着してなる
ことを特徴とする電気接続箱。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ヒュージブルリンク一体型ボルトブロックは、ブロック部とボルトとを含むボルトブロックにヒュージブルリンクを一体化させてなるものであり、このようなヒュージブルリンク一体型ボルトブロックを電気接続箱本体の側部に装着することで、電気接続箱は小型になる。また、電気接続箱は作業効率が向上する。
【実施例1】
【0034】
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。
図1はFLボルトブロックを含む電気接続箱の分解斜視図である。また、
図2はカセットブロックアッセンブリの分解斜視図、
図3はFLボルトブロック着脱部の拡大斜視図、
図4はFLボルトブロックの斜視図、
図5はFLボルトブロックの正面図、
図6はFLボルトブロックの分解斜視図、
図7はFLバスバー組立体の分解斜視図、
図8はFL可溶体カバーの分解斜視図、
図9はFLボルトブロックとカセットブロックのバスバーとの接続状態を示す一部破断面を含んだ斜視図、
図10はFLボルトブロックとバスバーとの接続状態を示す斜視図、
図11はFLバスバー組立体とバスバーとの接続状態を示す斜視図である。
【0035】
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。
【0036】
図1及び
図2中の矢印Pは上下方向、矢印Qは左右方向、矢印Rは前後方向を示すものとする。
【0037】
図1において、自動車等の車両(図示省略)に搭載される電気機器としての電気接続箱1は、電気接続箱本体2と、アッパーカバー3と、ロアカバー4と、サイドカバー5とを備えて構成されている。このような構成の電気接続箱1には、電線6の端末に設けられた端子金具7や、図示しないワイヤハーネス等が接続されている。
【0038】
電線6は、図示しないオルタネータに接続されている。端子金具7は、電気接続箱本体2の端子取り付け部(後述する)に接続されている。端子取り付け部には、上記の電線6及び端子金具7の他に、図示しないバッテリーに接続される電線もコネクタによって接続されている。端子取り付け部は、サイドカバー5にて覆われ、接続部分等が保護されている。端子取り付け部は、サイドカバー5を取り外すと、容易に露出する位置に配設されている。
【0039】
図1及び
図2において、上記端子取り付け部としては、着脱自在のFLボルトブロック8(ヒュージブルリンク一体型ボルトブロック)が用いられている。このFLボルトブロック8は、メインとなるヒュージブルリンクの機能を備えている。FLボルトブロック8は、上記の如くサイドカバー5にて覆われる位置に配設されることから、メンテナンスし易い位置の配設であると言える。尚、FLボルトブロック8の構成及び構造については後述するものとする。
【0040】
上記図示しないワイヤハーネスは、この一端が電気接続箱本体2の下部にコネクタ等で接続されている。そして、ロアカバー4から引き出されると、所定の経路で配索されるようになっている。図示しないワイヤハーネスの他端は、例えばジャンクションブロック等に接続されている。
【0041】
電気接続箱1は、車両の所定位置に固定されている。本実施例においては、エンジンルーム内の所定位置に適宜手段にて固定されている。
【0042】
電気接続箱本体2は、絶縁性を有する合成樹脂製のハウジング9と、このハウジング9の内側に嵌合するカセットブロックアッセンブリ10とを含んで構成されている。カセットブロックアッセンブリ10には、電気接続箱1の機能部分が集約されている。
【0043】
カセットブロックアッセンブリ10は、FLボルトブロック8を含んで構成されており、このFLボルトブロック8が電気接続箱本体2の側部に位置するような構造になっている。
【0044】
ハウジング9は、樹脂成形品であって、上端の開口部分がアッパーカバー3の嵌合部分として形成されている。この上端の嵌合部分には、ロック部11が複数形成されている。また、ハウジング9は、下端の開口部分がロアカバー4の嵌合部分として形成されている。この下端の嵌合部分には、ロック部12が複数形成されている。さらに、ハウジング9は、この一側部の開口部分がサイドカバー5の嵌合部分として形成されている。一側部の嵌合部分には、ロック部13が複数形成されている。
【0045】
上記一側部の開口部分において、引用符号14は隔壁を示している。この隔壁14は、FLボルトブロック8と電線6との間や、端子金具7の電線接続部との間に介在する壁として形成されている。
【0046】
ハウジング9の内側には、カセットブロックアッセンブリ10に対する嵌合部15が形成されている。この嵌合部15は、ハウジング9の下端の開口部分から上端の嵌合部分に向けてカセットブロックアッセンブリ10を差し込むことができるように、また、カセットブロックアッセンブリ10をハウジング9の内側に嵌合させることができるように形成されている。嵌合部15は、カセットブロックアッセンブリ10の大きさに合わせた空間を有するように形成されている。嵌合部15には、ロック部16が複数形成されている。
【0047】
尚、引用符号17はカセットブロックアッセンブリ10の隣りに配置される電子ユニットを示している。また、引用符号18は電子ユニット17に対する嵌合部を示している。
【0048】
図2において、カセットブロックアッセンブリ10は、カセットブロック19と、このカセットブロック19の所定位置に装着されるヒュージブルリンク20、21、22と、同じくカセットブロック19の所定位置に装着されるヒューズ(図示省略)等と、上記のFLボルトブロック8とを含んで構成されている。FLボルトブロック8は、上記の如く、メインとなるヒュージブルリンクの機能を備えて構成されている。具体的には、メインヒュージブルリンク23(ヒュージブルリンク)をボルトブロック24に一体に備えて構成されている。
【0049】
図2及び
図3において、カセットブロック19は、絶縁性のブロックハウジング25と、このブロックハウジング25に組み付けられる導電性のバスバー26、27とを含んで構成されている。
【0050】
ブロックハウジング25は、樹脂成形品であって、本実施例においては矢印R方向に細長くなる形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。ブロックハウジング25には、数多くのキャビティが形成されている。引用符号28、29、30はヒュージブルリンク20、21、22用のキャビティを示している。また、引用符号31は図示しないヒューズ用のキャビティを示している。
【0051】
ブロックハウジング25は、この下側に図示しないワイヤハーネスに対する接続部分を複数有している。また、ブロックハウジング25は、この側部にロック部32を複数有している。ロック部32は、ハウジング9の内側に設けられる嵌合部15のロック部16(
図1参照)に嵌合する部分として形成されている。
【0052】
ブロックハウジング25は、矢印R方向の一端にFLボルトブロック着脱部33を有している。言い換えれば、ハウジング9の一側部の開口部分(電気接続箱本体2の側部位置)に合わせてFLボルトブロック着脱部33を有している。このFLボルトブロック着脱部33は、FLボルトブロック8を矢印R方向に沿って着脱自在に装着するすることができるように形成されている。
【0053】
図3において、FLボルトブロック着脱部33は、FLボルトブロック8を収容する略ケーシング状の形状に形成されている。以下、FLボルトブロック着脱部33の形状について上側から順に説明をする。
【0054】
引用符号34はフード部を示している。このフード部34は、上方に突出する略囲い部分として形成されている。本実施例において、フード部34は湾曲する壁形状に形成されている。また、フード部34は、上側と前側が開口するようにも形成されている。フード部34は、この上側の開口が後述するナット53のねじ込み(締め付け)作業に支障を来さないように、また、前側の開口がFLボルトブロック8の取り外し作業に支障を来さないように形成されている。
【0055】
上記前側の開口は、端子案内部35として形成されている。端子案内部35は、FLボルトブロック8への接続の際に端子金具7を案内する部分として形成されている。また、端子案内部35は、端子金具7の配置を規制する部分としても形成されている。
【0056】
引用符号36は一対のサイドカバー受け面を示している。この一対のサイドカバー受け面36は、端子案内部35の開口に連続するように形成されている。一対のサイドカバー受け面36は、ハウジング9の一側部にサイドカバー5(
図1参照)を取り付ける際に、サイドカバー5の上部が当接する部分として形成されている。
【0057】
引用符号37は一対のガイド部を示している。この一対のガイド部37は、FLボルトブロック8の着脱時にこれを案内する部分として形成されている。一対のガイド部37は、一対のサイドカバー受け面36の下側に配置形成されている。一対のガイド部37は、本実施例において、上下方向の配置が左右で若干異なるように設定されている(FLボルトブロック8の誤組み付け防止のための配置であるものとする)。
【0058】
引用符号38は左側の側壁を示している。この左側の側壁38は、FLボルトブロック8の左側に対向する側壁として形成されている。左側の側壁38は、左側のガイド部37の下側に連続するように配置形成されている。このような左側の側壁38の内面には、ロック部39が形成されている。ロック部39は、FLボルトブロック8を係止する部分として略爪状の形状に形成されている。FLボルトブロック8は、ロック部39に引っ掛かり係止されると、FLボルトブロック着脱部33からの脱落が規制されるようになっている。
【0059】
引用符号40は右側の側壁を示している。この右側の側壁40は、FLボルトブロック8の右側に対向する側壁として形成されている。右側の側壁40は、左側の側壁38よりも下方へ長く形成されている。右側の側壁40は、右側のガイド部37の下側に連続するように配置形成されている。このような右側の側壁40の内面には、逃がし部41と、ガイド部42とが形成されている。
【0060】
逃がし部41は、FLボルトブロック8の後述するFL可溶体カバー76の一部が当たらないように逃がす部分として形成されている。逃がし部41は、右側のガイド部37の近傍に配置形成されている。ガイド部42は、FLボルトブロック8の着脱時にこれを案内する部分として形成されている。ガイド部42は、右側の側壁40の一番下に配置形成されている。
【0061】
引用符号43はFLボルトブロック8に対する収容空間を示している。この収容空間43は、FLボルトブロック8を収容する空間であるのは勿論のこと、後述するバスバー26、27の第一接続相手46、第二接続相手47を露出させる空間にもなっている。
【0062】
引用符号44は下部開口を示している。この下部開口44は、図示しないバッテリーに接続される電線のコネクタ接続をすることができるように開口形成されている。
【0063】
図3及び
図10において、バスバー26、27は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。バスバー26、27は、回路部品であって、それぞれ所望の経路を有するように形成されている。バスバー26、27は、オルタネータ側のバスバー及びバッテリー側のバスバーとして用いられている。
【0064】
バスバー26、27の中間には、電気的な接続部分としてのタブ45(
図2及び
図10参照)が数多く形成されている。タブ45は、上記キャビティ28〜30の位置に合わせて配置形成されている。タブ45の他には、音叉端子(図示省略)も数多く形成されている。音叉端子は、上記キャビティ31の位置に合わせて配置形成されている。バスバー26、27は、矢印R方向(
図2参照)にのびるとともに、途中で数多くのタブ45を突出させるように形成されている。
【0065】
バスバー26は、FLボルトブロック8から見て接続相手となる第一接続相手46を有している。また、バスバー27も、FLボルトブロック8から見て接続相手となる第二接続相手47を有している。第一接続相手46及び第二接続相手47は、矢印R方向(
図2参照)の一端に位置するように配置形成されている。また、第一接続相手46及び第二接続相手47は、FLボルトブロック着脱部33の収容空間43に露出するように配置形成されている。
【0066】
第一接続相手46及び第二接続相手47は、上下方向に所定の間隔をあけて配置される板状端子であって、それぞれボルト挿通部48及び49を有している。ボルト挿通部48は、U字状の切り欠き形状に形成されている。また、ボルト挿通部49は、円形の貫通孔形状に形成されている。ボルト挿通部48の切り欠き方向及びボルト挿通49の貫通方向は、FLボルトブロック8の着脱方向(上記矢印R方向)に一致するようになっている。
【0067】
尚、FLボルトブロック8から見ると、端子金具7(
図2参照)は第三接続相手に相当するものとする。
図2において、第三接続相手としての端子金具7は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより例えば図示の形状に形成されている。端子金具7は、板状の電気接触部を有しており、この電気接触部にボルト挿通部50を有している。端子金具7のボルト挿通部50は、円形の貫通孔となる形状に形成されている。
【0068】
図4ないし
図6において、FLボルトブロック8は、ボルトブロック24と、メインヒュージブルリンク23(ヒュージブルリンク)を含むFLバスバー組立体51とを備えて構成されている。FLバスバー組立体51は、ボルトブロック24に対し一体化するように構成されている。また、FLバスバー組立体51は、メンテナンス等の際に取り外しをすることができるように構成されている。すなわち、FLバスバー組立体51は、ボルトブロック24に対し着脱自在に構成されている。
【0069】
ボルトブロック24は、ボルト52及びナット53と、絶縁性を有し且つ略枠体形状(又は略筐体形状)に形成される樹脂製のブロック部54とを備えて構成されている。ボルト52は、ブロック部54の所定位置に固定されている。ボルト52は、平面視矩形状のボルト頭部55と、このボルト頭部55に立設するボルト軸部56とを有している。ボルト軸部56には、ナット53が締め付けられるようになっている。
【0070】
ブロック部54は、上壁57と、左側の側壁58と、右側の側壁59と、コネクタハウジング60(ハウジング)と、これらに囲まれる内部空間61とを有している。上壁57は、ボルト52を固定する上記所定位置であって、ここにはボルト固定部62が配設されている。
【0071】
ボルト固定部62は、ボルト頭部55を収容保持する収容保持部63と、ボルト頭部55の挿入口となる開口部64と、ボルト軸部56を挿通案内するスリット65とを有して図示形状に形成されている(
図6参照)。ボルト固定部62は、ボルト52を後から前へ向けて挿入することができるように形成されている。本実施例のボルト固定部62は、ボルト頭部55を圧入状態にて収容保持することができるように形成されている。
【0072】
ボルト固定部62の左右には、ガイド部66がそれぞれ形成されている。この一対のガイド部66は、FLボルトブロック着脱部33(
図3参照)に対しFLボルトブロック8を着脱する際にガイドされる部分(被ガイド部分)として形成されている。一対のガイド部66は、本実施例において、上下方向の配置が左右で若干異なるように設定されている(FLボルトブロック8の誤組み付け防止のための配置として設定されている)。
【0073】
左側の側壁58は、FLボルトブロック着脱部33の左側の側壁38(
図3参照)に対向する壁として形成されている。左側の側壁58の外面には、一対のロック部67(
図5参照)と、FLボルトブロック着脱部33のロック部39に係止されるロック部68(
図5参照)とが形成されている。一対のロック部67は、後述するFL可溶体カバー76の一部を係止する部分として形成されている。
【0074】
右側の側壁59は、FLボルトブロック着脱部33の右側の側壁40(
図3参照)に対向する壁として形成されている。右側の側壁59の外面には、一対の凸部69が突出形成されている。一対の凸部69は、ピン形状であって、後述するFL可溶体カバー76の一部の挿入先として形成されている。
【0075】
後述するFL可溶体カバー76は、右から左方向へと移動すると、一対の凸部69に差し込まれるとともに、一対のロック部67により係止されるようになっている。
【0076】
コネクタハウジング60は、左側の側壁58及び右側の側壁59の下側に連続するように配置形成されている。コネクタハウジング60は、図示しないバッテリーに接続される電線端末のコネクタが嵌合する部分として形成されている。コネクタハウジング60は、後述するタブ80を囲うような形状に形成されている。
【0077】
コネクタハウジング60における引用符号70はロック部を示している。このロック部70は、上記電線端末のコネクタに設けられる例えばアーム形状のロック部を引っ掛けて係止する部分として形成されている。また、コネクタハウジング60における引用符号71はタブ挿入スリットを示している。このタブ挿入スリット71は、後述するタブ80の挿入部分として形成されている。
【0078】
コネクタハウジング60の右側壁の下部には、ガイド部72が形成されている。このガイド部72は、FLボルトブロック着脱部33(
図3参照)に対しFLボルトブロック8を着脱する際にガイドされる部分(被ガイド部分)として形成されている。
【0079】
内部空間61は、上壁57と、左側の側壁58と、右側の側壁59と、コネクタハウジング60とに囲まれて形成される空間であって、メインヒュージブルリンク23の後述する可溶体77を外部から視認することができるようにする空間になっている(
図5参照)。また、内部空間61は、
図9に示す如く、メインヒュージブルリンク23の後述する他方のヒューズ端子79と、バスバー27の第二接続相手47とを、ボルト73の締め付けにより電気的に接続することができるようにする空間になっている。尚、ボルト73の締め付け先となるナット74は、FLボルトブロック着脱部33に形成されたナット固定部75に固定されている。ナット74は、他方のヒューズ端子79や第二接続相手47の位置に合わせて配置固定されている。
【0080】
図6及び
図7において、FLバスバー組立体51は、メインヒュージブルリンク23と、FL可溶体カバー76とを備えて構成されている。FLバスバー組立体51は、上記の如く、ボルトブロック24に組み付けられると一体化するようなものになっている。また、FLバスバー組立体51は、ボルトブロック24に対し着脱自在なものであって、本実施例においては右から左方向へ移動させるとボルトブロック24に対し組み付けられ、この組み付け状態から右方向へ移動させると取り外されてメンテナンスすることが可能になっている。
【0081】
尚、
図6においてはFLバスバー組立体51にボルト52が組み付くように示されているが、実際には、ブロック部54のボルト固定部62にボルト52が固定され、その上でFLバスバー組立体51が移動して組み付くものとする。
【0082】
メインヒュージブルリンク23は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。メインヒュージブルリンク23は、可溶体77と、この可溶体77の上側に連続する一方のヒューズ端子78と、可溶体77の下側に連続する他方のヒューズ端子79と、この他方のヒューズ端子79の下側に連続するタブ80(外部接続用の部分)とを有している。
【0083】
可溶体77は、過電流により溶断する可溶体本体81と、一対のスリット82とを有している。可溶体本体81は、図示の如く公知の形状に形成されている。
【0084】
このような可溶体77と一方のヒューズ端子78との連続部分、及び、可溶体77と他方のヒューズ端子79との連続部分には、それぞれ一対の貫通孔83が形成されている。一対の貫通孔83と上記の一対のスリット82は、FL可溶体カバー76の組み付けに用いる部分として形成されている。
【0085】
一方のヒューズ端子78は、第三接続相手としての端子金具7(
図2参照)と、バスバー26の第一接続相手46(
図3及び
図9参照)とに対し電気的に接続される部分であって、本実施例においては
図6及び
図7に示す如くの形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。
【0086】
図7において、一方のヒューズ端子78は、ブロック部54のボルト固定部62に係合する部分と、可溶体77に連続する部分84とを有している。ボルト固定部62に係合する部分において、引用符号85は電気接触部を示している。この電気接触部85は、平板状であって、ボルト52を挿通するスリット86(ボルト挿通部)を有している。スリット86は、左から右方向へ切り欠かれるような形状に形成されている。また、引用符号87、88はガイド部を示している。このガイド部87、88は電気接触部85に連続し、ブロック部54のボルト固定部62(
図6参照)をこの前後で挟み込むようなガイド部分として形成されている。ガイド部88は、可溶体77に連続する部分84に連成されている。
【0087】
他方のヒューズ端子79は、バスバー27の第二接続相手47(
図3及び
図9参照)に対し電気的に接続される部分であって、本実施例においては
図7に示す如くの形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。他方のヒューズ端子79は、平板状の電気接触部89と、この電気接触部89の所定位置に貫通するボルト挿通孔90とを有している。ボルト挿通孔90は、前後方向に貫通形成されている。
【0088】
タブ80は、FLボルトブロック8におけるコネクタ91(
図4ないし
図6参照)を構成する端子であって、ブロック部54のコネクタハウジング60に囲われるようになっている。タブ80は、外部との電気的な接続部分として形成されている。尚、他方のヒューズ端子79に一体化するのはタブ80に限らないものとする(実施例4で後述するボルト353等もある)。
【0089】
図7及び
図8において、FL可溶体カバー76は、第一カバー92と、第二カバー93とを備えて構成されている。FL可溶体カバー76は、メインヒュージブルリンク23の可溶体77を覆う絶縁性の樹脂部品であって、前後方向から嵌合して一体化するように形成されている。
【0090】
第一カバー92は、矩形の窓94を有する枠部95と、この枠部95の右側縁に連続するボルトブロック係合部96及び一対のロック部97とを有している。窓94は、可溶体77の可溶体本体81を臨むことができるように開口形成されている。ボルトブロック係合部96は、上記右側縁から前方へ突出するような壁状の部分に形成されている。ボルトブロック係合部96には、一対の貫通孔98が形成されている。一対の貫通孔98は、ボルトブロック24の一対の凸部69に差し込まれる部分として形成されている。
【0091】
一対のロック部97は、上記右側縁から後方へ突出するような係止枠形状に形成されている。一対のロック部97には、第二カバー93が嵌合するようになっている。一対のロック部97の間には、凹部99が形成されている。この凹部99には、第二カバー93の後述する凸部105が差し込まれるようになっている。
【0092】
第二カバー93は、板状に形成されている。このような第二カバー93は、可溶体77の形状に合わせて凹む可溶体収容凹部100と、可溶体収容凹部100から前方へ突出する複数の円形突起101及び矩形突起102と、第二カバー93の左側縁から左方向へ突出する略係止アーム形状の一対のロック部103と、第二カバー93の右側縁から右方向へ短く突出する略爪状の一対のロック部104と、この一対のロック部104の間に配置され右方向へ突出する凸部105とを有している。
【0093】
上記構成及び構造において、メインヒュージブルリンク23の可溶体77を覆うようにFL可溶体カバー76を組み付けると、
図6に示す如くFLバスバー組立体51が形成される。また、ブロック部54のボルト固定部62にボルト頭部55を収容保持させてボルト52を固定すると、ボルトブロック24が形成される。そして、ボルトブロック24に対しFLバスバー組立体51を右から左方向へ移動させてこれらの組み付けを行うと、
図4及び
図5に示す如くFLバスバー組立体51がボルトブロック24に対し一体化してFLボルトブロック8が形成される。
【0094】
図9において、カセットブロック19の前方から矢印R方向(
図2参照)に沿ってFLボルトブロック8をFLボルトブロック着脱部33に差し込んで嵌合させると、FLボルトブロック8は図示の如く装着される。
【0095】
FLボルトブロック8がFLボルトブロック着脱部33に装着されると、メインヒュージブルリンク23の一方のヒューズ端子78の上にバスバー26の第一接続相手46が重なるようになる。これにより、ボルトブロック24のボルト52の部分で電気的な接触状態が形成される。また、FLボルトブロック8がFLボルトブロック着脱部33に装着されると、メインヒュージブルリンク23の他方のヒューズ端子79の後にバスバー27の第二接続相手47が重なるようになる。これにより他方のヒューズ端子79の部分で電気的な接触状態が形成される。
【0096】
他方のヒューズ端子79とバスバー27の第二接続相手47は、ボルト73及びナット74の締め付けにより接続が完了する。
【0097】
尚、メインヒュージブルリンク23の一方のヒューズ端子78及び他方のヒューズ端子79と、バスバー26、27は、
図10及び
図11に示す如くの状態に接続される。
【0098】
FLボルトブロック8をFLボルトブロック着脱部33に差し込んで装着した状態のカセットブロック19は、ハウジング9に組み付けられ、これにより電気接続箱本体2が形成される(
図1参照)。
【0099】
電気接続箱本体2は、
図1に示す如く、FLボルトブロック8に対し端子金具7をセットし、この後にナット53のねじ込みを行うと、端子金具7自身の電気的な接続が完了する。また、これと同時に、メインヒュージブルリンク23の一方のヒューズ端子78と、バスバー26の第一接続相手46との電気的な接続も完了する。
【0100】
以上から分かるように、端子金具7を接続するにあたり、ナット53をねじ込むと一括接続をすることができるようになる。
【0101】
端子金具7の接続部分に関し、この部分はサイドカバー5にて覆われ保護される。サイドカバー5を取り外すと、端子金具7の接続部分は容易に露出する。
【0102】
以上、
図1ないし
図11を参照しながら説明してきたように、本発明に係るFLボルトブロック8(ヒュージブルリンク一体型ボルトブロック)は、導電性を有する一方及び他方のヒューズ端子78、79と、これらの間に介在する可溶体77とを含むメインヒュージブルリンク23(ヒュージブルリンク)を備えている。また、絶縁性を有し且つ略枠体形状に形成されるブロック部54と、このブロック部54の所定位置に配設されるボルト52とを含むボルトブロック24を備えている。さらに、ボルトブロック24におけるボルト52の配設位置に一方のヒューズ端子78を配置してメインヒュージブルリンク23をボルトブロック24に一体化させている。
【0103】
従って、FLボルトブロック8は、上記構成及び構造であることから、ボルトブロック24のボルト52を外部との接続部分として用いることができる。このようなボルト52に対しメインヒュージブルリンク23の一方のヒューズ端子78を配置すれば、電気的な接続を従来に比べ格段に集約することができる。また、電気的な接続に係る部品も従来に比べ格段に集約することができる。
【0104】
また、本発明に係るFLボルトブロック8は、メインヒュージブルリンク23をボルトブロック24に対し着脱自在に一体化させている。
【0105】
従って、FLボルトブロック8は、メインヒュージブルリンク23における可溶体77(可溶体本体81)が溶断した場合に、メインヒュージブルリンク23をボルトブロック24から取り外し、新しいものと交換することができる。
【0106】
さらに、本発明に係るFLボルトブロック8は、メインヒュージブルリンク23の他方のヒューズ端子79に外部接続用のタブ80を設けるとともに、ブロック部54にタブ80を囲うコネクタハウジング60を設けている。
【0107】
従って、FLボルトブロック8は、タブ80とコネクタハウジング60とでコネクタ91を構成し、このようなコネクタ91も一体化させることができる。コネクタ91は、外部との接続部分として用いることができ、ボルト52やコネクタ91に図示しないバッテリーやオルタネータからの電線をコネクタ接続することができる。つまり、FLボルトブロック8は、電気的な接続やこれに係る部品を更に多く集約することができる。
【0108】
一方、本発明に係る電気接続箱1は、上記FLボルトブロック8をカセットブロック19の側部に着脱自在に装着し、これを含んで電気接続箱本体2を構成している。
【0109】
従って、電気接続箱1は、着脱自在なメインヒュージブルリンク23を含むことから、この交換作業に関し、これをし易くすることができる。また、電気接続箱1は、電気的な接続に係る部品を電気接続箱本体2の側部やカセットブロック19の側部に集約できることから、スペース利用面での効率を向上させ、結果、電気接続箱1の小型化を図ることができる。
【0110】
また、本発明に係る電気接続箱1は、メインヒュージブルリンク23における可溶体77をカセットブロック19の外部から視認可能な状態に装着している。
【0111】
従って、FLボルトブロック8の装着状態において、メインヒュージブルリンク23における可溶体77の溶断有無を容易に確認することができる。
【実施例2】
【0112】
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。
図12は本発明に係るFLボルトブロックを含む電気接続箱の分解斜視図である。また、
図13はFLボルトブロック及び電気接続箱本体の一側部の拡大斜視図、
図14はカセットブロックアッセンブリの斜視図、
図15はFLボルトブロックの斜視図、
図16はFLボルトブロックの分解斜視図、
図17はFLボルトブロックを装着する状態を示すカセットブロックアッセンブリの斜視図である。尚、上記実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0113】
図12において、自動車等の車両(図示省略)に搭載される電気機器としての電気接続箱201は、電気接続箱本体202と、アッパーカバー203と、ロアカバー204と、サイドカバー205とを備えて構成されている。このような構成の電気接続箱201には、電線206の端末に設けられた端子金具207や、図示しないワイヤハーネス等が接続されている。
【0114】
電線206は、図示しないオルタネータに接続されている。端子金具207は、電気接続箱本体202の端子取り付け部(後述する)に接続されている。端子取り付け部は、サイドカバー205にて覆われ、接続部分等が保護されている。端子取り付け部は、サイドカバー205を取り外すと、容易に露出する位置に配設されている。
【0115】
図12及び
図13において、上記端子取り付け部としては、着脱自在のFLボルトブロック208(ヒュージブルリンク一体型ボルトブロック)が用いられている。このFLボルトブロック208は、メインとなるヒュージブルリンクの機能を備えている。FLボルトブロック208は、サイドカバー205にて覆われる位置に配設されることから、メンテナンスし易い位置の配設であると言える。
【0116】
FLボルトブロック208は、上記のメンテナンスし易い位置の配設以外に、一回のねじ締め又はねじ締め解除で、二箇所又は三箇所の電気的な締結又は締結解除をすることができるような構造を有している。本実施例において、メインとなるヒュージブルリンクだけを見ると二箇所の電気的な締結又は締結解除となり、端子金具207の接続を含めて見ると三箇所の電気的な締結又は締結解除となるようになっている。尚、FLボルトブロック208の構成及び構造については後述するものとする。
【0117】
上記図示しないワイヤハーネスは、この一端が電気接続箱本体202の下部にコネクタ等で接続されている。そして、ロアカバー204から引き出されると、所定の経路で配索されるようになっている。図示しないワイヤハーネスの他端は、例えばジャンクションブロック等に接続されている。
【0118】
電気接続箱201は、車両の所定位置に固定されている。本実施例においては、エンジンルーム内の所定位置に適宜手段にて固定されている。
【0119】
電気接続箱本体202は、絶縁性を有する合成樹脂製のハウジング209と、このハウジング209の内側に嵌合するカセットブロックアッセンブリ210とを含んで構成されている。カセットブロックアッセンブリ210には、電気接続箱201の機能部分が集約されている。
【0120】
カセットブロックアッセンブリ210は、FLボルトブロック208を含んで構成されており、このFLボルトブロック208が電気接続箱本体202の側部に位置するような構造になっている。
【0121】
ハウジング209は、樹脂成形品であって、上端の開口部分がアッパーカバー203の嵌合部分として形成されている。この上端の嵌合部分には、ロック部211が複数形成されている。また、ハウジング209は、下端の開口部分がロアカバー204の嵌合部分として形成されている。この下端の嵌合部分には、ロック部212が複数形成されている。さらに、ハウジング209は、この一側部の開口部分がサイドカバー205の嵌合部分として形成されている。上記一側部の嵌合部分には、ロック部213が複数形成されている。
【0122】
上記一側部の開口部分は、カセットブロックアッセンブリ210のFLボルトブロック208を臨むことができるような形状に形成されている。また、上記一側部の開口部分は、FLボルトブロック208を着脱することができる形状に形成されている。上記一側部の開口部分でFLボルトブロック208を着脱できる点は、実施例1と異なっている(実施例1を実施例2と同様に一側部の開口部分で着脱できるようにしてもよいものとする)。
【0123】
上記一側部の開口部分において、引用符号214は端子案内部を示している。また、引用符号215はブリッジ部を示している。端子案内部214は、FLボルトブロック208への接続の際に端子金具207を案内することができるように、また、この端子金具207の配置を規制することができるように形成されている。ブリッジ部215は、開口部分を横切るような形状に形成されている。
【0124】
ハウジング209の内側には、カセットブロックアッセンブリ210に対する嵌合部216が形成されている。この嵌合部216は、ハウジング209の下端の開口部分から上端の嵌合部分に向けてカセットブロックアッセンブリ210を差し込むことができるように、また、カセットブロックアッセンブリ210をハウジング209の内側に嵌合させることができるように形成されている。嵌合部216は、カセットブロックアッセンブリ210の大きさに合わせた空間を有するように形成されている。嵌合部216には、ロック部217が複数形成されている。
【0125】
尚、引用符号218は図示しない他のカセットブロックアッセンブリに対する嵌合部を示している。
【0126】
図14において、カセットブロックアッセンブリ210は、カセットブロック219と、このカセットブロック219の所定位置に装着されるヒュージブルリンク220、221、222と、同じくカセットブロック219の所定位置に装着されるヒューズ(図示省略)及びリレー(図示省略)と、上記のFLボルトブロック208とを含んで構成されている。FLボルトブロック208は、上記の如く、メインとなるヒュージブルリンクの機能を備えている。具体的には、メインヒュージブルリンク223(ヒュージブルリンク)をボルトブロック224に一体に備えて構成されている。
【0127】
カセットブロック219は、絶縁性のブロックハウジング225と、このブロックハウジング225に組み付けられる導電性の二つのバスバー(図示省略。実施例1のバスバー26、27と基本的に同じであるものとする)とを含んで構成されている。
【0128】
ブロックハウジング225は、樹脂成形品であって、本実施例においては矢印R方向に細長くなる形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。ブロックハウジング225には、数多くのキャビティが形成されている。引用符号226、227、228はヒュージブルリンク220、221、222用のキャビティを示している。また、引用符号229、230は図示しないヒューズ及びリレー用のキャビティを示している。
【0129】
ブロックハウジング225は、この下側に図示しないワイヤハーネスの接続部分としてコネクタハウジング231を複数有している。また、ブロックハウジング225は、この側部にロック部232を複数有している。ロック部232は、ハウジング209の内側に設けられる嵌合部216(
図12参照)のロック部217に嵌合する部分として形成されている。
【0130】
ブロックハウジング225は、矢印R方向の一端にFLボルトブロック着脱部233を有している。言い換えれば、ハウジング209の一側部の開口部分(電気接続箱本体202の側部位置)に合わせてFLボルトブロック着脱部233を有している。このFLボルトブロック着脱部233は、FLボルトブロック208を矢印R方向に沿って着脱自在(
図13参照)にすることができるように形成されている。
【0131】
図13、
図14、及び
図17において、FLボルトブロック着脱部233は、FLボルトブロック208を収容する略ケーシング状の形状に形成されている。具体的には、上壁234と、左右の側壁235と、前壁236とを有する形状に形成されている。上壁234及び前壁236は、FLボルトブロック208の形状に合わせて開口するように形成されている。尚、特に限定するものでないが、下壁に対応する部分は全体的に開口する形状に形成されている。
【0132】
FLボルトブロック着脱部233には、複数のガイド部237と、ロック部238と、フード部239とが形成されている。複数のガイド部237とロック部238は、左右で一対となるように配置形成されている。複数のガイド部237は、FLボルトブロック208の着脱の際に、これを案内する部分として形成されている。
【0133】
上記二つのバスバーは、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。バスバーは、回路部品であって、それぞれ所望の経路を有するように形成されている。バスバーは、オルタネータ側のバスバー及びバッテリー側のバスバーとして用いられている。
【0134】
上記二つのバスバーのうち、一方のバスバーは、FLボルトブロック208から見て第一の接続相手となる第一接続相手240を有している。また、他方のバスバーも、FLボルトブロック208から見て第二の接続相手となる第二接続相手241を有している。第一接続相手240及び第二接続相手241は、矢印R方向の一端に位置するように配置形成されている。また、第一接続相手240及び第二接続相手241は、FLボルトブロック着脱部233の内部空間に突出するように配置形成されている。
【0135】
第一接続相手240及び第二接続相手241は、上下方向に所定の間隔をあけて配置される平行な板状端子であって、それぞれボルト挿通部242を有している。ボルト挿通部242は、U字状の切り欠き形状(スリット形状)に形成されている。ボルト挿通部242の切り欠き方向は、FLボルトブロック208の着脱方向(上記矢印R方向)に一致するものとする。
【0136】
尚、FLボルトブロック208から見ると、端子金具207(
図12参照)は第三接続相手に相当するものとする。第三接続相手としての端子金具207は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより例えば図示形状(
図12参照)に形成されている。端子金具207は、板状の電気接触部を有しており、この電気接触部にボルト挿通部243を有している。端子金具207のボルト挿通部243は、円形の貫通孔となる形状に形成されている。
【0137】
図13ないし
図16において、FLボルトブロック208は、上記ボルトブロック224と、上記メインヒュージブルリンク223(ヒュージブルリンク)とを備えて構成されている。FLボルトブロック208は、ボルトブロック224にメインヒュージブルリンク223を矢印R方向に沿って着脱自在に一体化させてなる機能部品となっている。
【0138】
図15及び
図16において、ボルトブロック224は、一括締めボルト244(ボルト)と、ナット245と、ブロック部246と、FL可溶体カバー247とを備えて構成されている。
【0139】
一括締めボルト244は、導電性を有するボルト本体248と、このボルト本体248に一体化する絶縁性の絶縁部249とを備えて構成されている。ボルト本体248は、四隅がR状となるボルト頭部250と、略円柱状となるボルト軸部251とを有している。ボルト軸部251は、ボルト頭部250の中央位置に立設しており、基端部分252に絶縁部249が配設されている。ボルト軸部251の先端側には、ナット245のねじ込み部分となる、ねじ部253が配設されている。ねじ部253は、ブロック部246の外側に露出する位置に配設されている。
【0140】
絶縁部249は、ボルト本体248にインサート成形(一例であるものとする)されてなる樹脂部分であって、小径の第一環状部254と、大径の第二環状部255とを有している。第一環状部254は、ねじ部253の径に合わせて形成されている。第一環状部254は、接続相手のボルト挿通部がボルト軸部251に対し電気的に接触しないようにする部分として形成されている。第二環状部255は、接続相手を載置する部分として形成されている。また、第二環状部255は、接続相手がボルト頭部250に対し電気的に接触しないようにする部分としても形成されている。
【0141】
ナット245は、公知のものが用いられている。ナット245は、一括締めボルト244にねじ込まれて締結が可能であれば特に形状は限定されないものとする。尚、ナット245のねじ込みの際にスプリングワッシャ(図示省略)を追加してもよいものとする。
【0142】
ブロック部246は、樹脂成形品であって、ブロックハウジング225のFLボルトブロック着脱部233(
図17参照)に対し矢印R方向に沿って着脱自在となるように形成されている。
【0143】
ブロック部246は、上壁256と、下壁257と、左右の側壁258と、前壁259と、後壁の位置に形成される開口部260とを有して、略筐体形状に形成されている。また、ブロック部246は、ボルトガイド部261と、ヒューズ端子配置部262、263とを有している。
【0144】
上壁256は、一括締めボルト244を挿入することができるように、また、メインヒュージブルリンク223の後述する一方のヒューズ端子272を配置することができるように形成されている。具体的には、軸部挿入スリット264と、上記のヒューズ端子配置部262とを有するように形成されている。軸部挿入スリット264は、開口部260からU字状に切り欠かれるように形成されている。軸部挿入スリット264は、一括締めボルト244のねじ部253の径に合わせて形成されている。ヒューズ端子配置部262は、上壁256を後述する一方のヒューズ端子272の肉厚分だけ一段凹ませるように形成されている。
【0145】
下壁257は、一括締めボルト244が落下しないような形状に形成されている。
【0146】
左右の側壁258は、ガイド部265と、ロックアーム部266とを有している。これらガイド部265及びロックアーム部266は、左右で一対となるように配置形成されている。ガイド部265は、FLボルトブロック着脱部233のガイド部237(
図17参照)に案内される部分であって、複数形成されている。ガイド部265は、矢印R方向(
図17参照)にのびるリブ状の形状に形成されている。
【0147】
ロックアーム部266は、FLボルトブロック着脱部233のロック部238(
図17参照)に嵌合してロック状態を形成する部分として形成されている。ロックアーム部266は、可撓性を有する片持ちアーム形状に形成されている。ロックアーム部266は、側壁258の上下中間位置に配置形成されている。ロックアーム部266は、これを側壁258に近づけるように撓ませると、ロック状態が解除されるような構造部分として形成されている。
【0148】
側壁258には、上記の他に、FL可溶体カバー247に対するロック部267も形成されている。ロック部267は、爪状となる突起形状に形成されている。
【0149】
前壁259は、サイドカバー205(
図12参照)に覆われる側の壁として配置形成されている。前壁259には、メインヒュージブルリンク223の後述する可溶体271を収容固定することができる凹部268及び挿入突起(図示省略)が形成されている。挿入突起は、メインヒュージブルリンク223の後述する保持穴276に差し込まれて保持をすることができるように形成されている。挿入突起及び保持穴276は、本実施例において、上下方向Pに交差する斜め方向(対角線方向)に一対で配置形成されている。
【0150】
凹部268には、上記の他に、メインヒュージブルリンク223の後述する他方のヒューズ端子273に対する挿入口(図示省略)も形成されている。
【0151】
開口部260は、一括締めボルト244の装着や、上記バスバーの第二接続相手241の挿入をすることができるように形成されている。
【0152】
ボルトガイド部261は、ブロック部246の内部に挿入された一括締めボルト244を保持・ガイドする部分として形成されている。ボルトガイド部261は、軸部挿入スリット264の下方に配置されて左右で一対となるように形成されている。本実施例のボルトガイド部261は、厚肉の部分とならないように、図示のような略魚の骨状となる形状に形成されている(形状は一例であるものとする。例えば実施例3で説明するような形状もある)。一括締めボルト244は、ボルトガイド部261に保持・ガイドされると、矢印Pの上下方向(
図12参照)にのびるようになっている。
【0153】
ヒューズ端子配置部263は、ボルトガイド部261の下端に配置形成されている。ヒューズ端子配置部263は、上壁256のヒューズ端子配置部262と同じ部分であって、後述する他方のヒューズ端子273の肉厚分だけ一段凹ませるように形成されている。ヒューズ端子配置部263は、この部分に挿入された後述する他方のヒューズ端子273と、ボルトガイド部261に挿入された一括締めボルト244の絶縁部249との間に、接続相手(上記バスバーの第二接続相手241)が入り込むような位置に配置形成されている。
【0154】
FL可溶体カバー247は、メインヒュージブルリンク223の後述する可溶体271を覆う樹脂部材であって、矩形平板状のカバー本体269と、このカバー本体269の四隅位置にそれぞれ配置形成されるロック部270とを有している。FL可溶体カバー247は、後述する可溶体271の状態を外部から視認可能にするため、透明な樹脂材料を用いて形成されている。ロック部270は、ブロック部246のロック部267に引っ掛かり係止されるような形状に形成されている。FL可溶体カバー247は、ブロック部246に対し矢印R方向(
図17参照)に沿って着脱自在となるように形成されている。
【0155】
メインヒュージブルリンク223は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。メインヒュージブルリンク223は、可溶体271と、この可溶体271の上下にそれぞれ連続する一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273とを有している。可溶体271には、溶断可能な可溶体本体274と、この可溶体本体274を一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273に連結する連結部275とが形成されている。各連結部275には、メインヒュージブルリンク223の挿入突起(図示省略)に差し込まれて保持される円形の保持穴276が形成されている。
【0156】
一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273は、ともに同じ形状に形成されている。一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273は、上下に所定の間隔をあけて相対向するように配置されている。一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273には、ボルト挿通部277が形成されている。ボルト挿通部277は、端子先端からU字状に切り欠かれるように形成されている。ボルト挿通部277は、一括締めボルト244のねじ部253の径に合わせて形成されている。一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273は、可溶体271の各連結部275に対し略直角に折り曲げられるような部分に形成されている。メインヒュージブルリンク223は、この全体が略コ字状とな形状に形成されている。メインヒュージブルリンク223は、矢印R方向(
図17参照)に沿って着脱自在なものになっている(着脱方向は、一括締めボルト244のボルト軸部251に対し直交する方向でもある)。
【0157】
上記構成及び構造において、ブロック部246の開口部260を介して一括締めボルト244を装着し、この後にブロック部246のヒューズ端子配置部262、263に対し一方のヒューズ端子272、他方のヒューズ端子273をそれぞれ配置するようにメインヒュージブルリンク223の組み付けを行い、さらに、FL可溶体カバー247にてメインヒュージブルリンク223の可溶体271を覆うと、ナット245のねじ込み前の状態として、
図15のFLボルトブロック208が形成される。FLボルトブロック208は、ボルトブロック224に対しメインヒュージブルリンク223を一体化させたものになる。
【0158】
図13及び
図17において、カセットブロック219の前方から矢印R方向に沿ってFLボルトブロック208をFLボルトブロック着脱部233に差し込んで嵌合させると、この時、カセットブロック219のブロックハウジング225に組み付けられる二つのバスバーの第一接続相手240、第二接続相手241は、FLボルトブロック208のメインヒュージブルリンク223の一方のヒューズ端子272、他方のヒューズ端子273に対し重なるような状態に配置される。
【0159】
FLボルトブロック着脱部233に対しFLボルトブロック208を嵌合させる際に、左右で一対となるガイド部265は、FLボルトブロック着脱部233のガイド部237に案内される。
【0160】
FLボルトブロック208は、左右で一対となるロックアーム部266がFLボルトブロック着脱部233のロック部238に嵌合すると、これによりロック状態が形成される。
【0161】
FLボルトブロック208は、上記ロック状態が形成されると、一括締めボルト244のねじ部253がFLボルトブロック着脱部233のフード部239の内側に配置される。
【0162】
FLボルトブロック208をFLボルトブロック着脱部233に装着した状態のカセットブロック219は、ハウジング209(
図12及び
図13参照)に組み付けられる。この組み付けにより、電気接続箱本体202(
図12及び
図13参照)が形成される。
【0163】
図12において、電気接続箱本体202は、FLボルトブロック208に対し端子金具207をセットし、この後にナット245のねじ込みを行うと、端子金具207自身の電気的な接続が完了する。また、これと同時に、メインヒュージブルリンク223の一方のヒューズ端子272と、バスバーの第一接続相手240との電気的な接続も完了する。さらに、これと同時にメインヒュージブルリンク223の他方のヒューズ端子273と、バスバーの第二接続相手241との電気的な接続も完了する。
【0164】
ナット245のねじ込みに伴い、それまで重なり合った状態の一方のヒューズ端子272とバスバーの第一接続相手240、及び、他方のヒューズ端子273と第二接続相手241が確実に面接触した状態になり、これにより電気的な接続が完了する。
【0165】
以上から分かるように、端子金具207を接続するにあたりナット245をねじ込むと、三箇所同時の締結を完了させることができる(ナット245のねじ締めを行うことで一括接続をすることができる)。
【0166】
尚、端子金具207の接続部分に関し、この部分はサイドカバー205にて覆われ保護される。サイドカバー205を取り外すと、端子金具207の接続部分は容易に露出する。以下、サイドカバー205について簡単に説明をする。
【0167】
サイドカバー205は、樹脂成形品であって、電気接続箱本体202のハウジング209における上記一側部の嵌合部分に対し嵌合する形状、また、端子金具207の接続部分を覆うことができる形状に形成されている。サイドカバー205には、ロック部278、279、280がそれぞれ複数形成されている。ロック部278は、電気接続箱本体202のロック部213に嵌合する形状に形成されている。また、ロック部279は、アッパーカバー203のロック部281に嵌合する形状に形成されている。また、ロック部280は、ロアカバー204のロック部282に嵌合する形状に形成されている。
【0168】
上記構成及び構造において、電気接続箱201は、サイドカバー205を取り外した後にナット245のねじ締め解除を行うと、端子金具207の取り外しが可能になる。また、FLボルトブロック着脱部233からのFLボルトブロック208の取り外しも可能になる。
【0169】
図13において、一対のロックアーム部266を撓ませてロック状態を解除すると、矢印R方向にFLボルトブロック208の取り外しをすることができる(横方向からの取り外しをすることができる)。FLボルトブロック208の取り外しは、メインヒュージブルリンク223の取り外しも行うことができることになる。
【0170】
以上、
図12ないし
図17を参照しながら説明してきたように、本発明に係るFLボルトブロック208(ヒュージブルリンク一体型ボルトブロック)は、導電性を有する一方及び他方のヒューズ端子272、273と、これらの間に介在する可溶体271とを含むメインヒュージブルリンク223(ヒュージブルリンク)を備えている。また、絶縁性を有し且つ略筐体形状に形成されるブロック部246と、このブロック部246の所定位置に配設される一括締めボルト244(ボルト)とを含むボルトブロック224を備えている。さらに、ボルトブロック224における一括締めボルト244の配設位置に一方のヒューズ端子272を配置してメインヒュージブルリンク223をボルトブロック224に一体化させている。
【0171】
従って、FLボルトブロック208は、上記構成及び構造であることから、ボルトブロック224の一括締めボルト244を外部との接続部分として用いることができる。このような一括締めボルト244に対しメインヒュージブルリンク223の一方のヒューズ端子272を配置すれば、電気的な接続を従来に比べ格段に集約することができる。また、電気的な接続に係る部品も従来に比べ格段に集約することができる。
【0172】
また、本発明に係るFLボルトブロック208は、メインヒュージブルリンク223をボルトブロック224に対し着脱自在に一体化させている。
【0173】
従って、FLボルトブロック208は、メインヒュージブルリンク223における可溶体271(可溶体本体274)が溶断した場合に、メインヒュージブルリンク223をボルトブロック224から取り外し、新しいものと交換することができる。
【0174】
一方、本発明に係る電気接続箱201は、上記FLボルトブロック208をカセットブロック219の側部に着脱自在に装着し、これを含んで電気接続箱本体202を構成している。
【0175】
従って、電気接続箱201は、着脱自在なメインヒュージブルリンク223を含むことから、この交換作業に関し、これをし易くすることができる。また、電気接続箱201は、電気的な接続に係る部品を電気接続箱本体202の側部やカセットブロック219の側部に集約できることから、スペース利用面での効率を向上させ、結果、電気接続箱201の小型化を図ることができる。
【0176】
また、本発明に係る電気接続箱201は、メインヒュージブルリンク223における可溶体271を電気接続箱本体202の側部から視認可能な状態に装着している。
【0177】
従って、FLボルトブロック208の装着状態(電気接続箱本体202の側部の装着状態)において、メインヒュージブルリンク223における可溶体271の溶断有無を容易に確認することができる。
【実施例3】
【0178】
以下、図面を参照しながら実施例3を説明する。
図18はFLボルトブロックの斜視図である。また、
図19はFLボルトブロックの分解斜視図である。尚、上記実施例2と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0179】
図18及び
図19において、FLボルトブロック301は、ボルトブロック302と、メインヒュージブルリンク223と、受け部材303とを備えて構成されている。FLボルトブロック301は、ボルトブロック302に対しメインヒュージブルリンク223を着脱自在に一体化させてなる機能部品となっている。
【0180】
ボルトブロック302は、絶縁部249を有する一括締めボルト244と、この一括締めボルト244にねじ込まれるナット245と、一括締めボルト244を装着するブロック部304と、メインヒュージブルリンク223の可溶部271を覆うFL可溶体カバー247とを備えて構成されている。
【0181】
ブロック部304は、上壁256と、下壁257と、左右の側壁258と、前壁259と、後壁の位置に形成される開口部260とを有して、略筐体形状に形成されている。また、ブロック部304は、ボルトガイド部305と、ヒューズ端子配置部262、263とを有している。
【0182】
ボルトガイド部305は、ブロック部304の内部に挿入された、受け部材303付きの一括締めボルト244を保持・ガイドする部分として形成されている(受け部材303に関しては後述する)。ボルトガイド部305は、軸部挿入スリット264の下方に配置されて左右で一対となるように形成されている。本実施のボルトガイド部305は、受け部材303の形状に合わせて形成されている。
【0183】
受け部材303は、メインヒュージブルリンク223の相対向する一方のヒューズ端子272及び他方のヒューズ端子273と、二つのバスバーの第一接続相手240及び第二接続相手241(
図17参照)との電気的な接続にあたり、受けとして用いることができるような部材に形成されている。受け部材303は、ナット245のねじ込みに掛かるトルクの管理容易にすることができるような部材に形成されている。
【0184】
受け部材303は、本実施例において、第一受け部306と、第二受け部307と、これらを連結する連結胴部308と、一括締めボルト244の挿通部分となる軸部挿通孔309とを有している。第一受け部306及び第二受け部307は、ともに同じ環状となる形状に形成されている。軸部挿通孔309は、一括締めボルト244のねじ部253の径に合わせて貫通形成されている。
【0185】
本実施例において、軸部挿通孔309は、金属製の筒部材を加工して形成されている。また、第一受け部306及び第二受け部307は、樹脂製であって、軸部挿通孔309に一体化するように形成されている。軸部挿通孔309は、十分な剛性を有するのであれば樹脂製であってもよいものとする。また、第一受け部306及び第二受け部307は、若干の弾性を有する部材で形成してもよいものとする。
【0186】
上記構成及び構造において、FLボルトブロック301を用いた場合でも実施例2と同様の効果を奏するのは言うまでもない。
【実施例4】
【0187】
以下、図面を参照しながら実施例4を説明する。
図20はカセットブロックアッセンブリの斜視図である。また、
図21はFLボルトブロックの斜視図、
図22はFLボルトブロックの分解斜視図、
図23はFLボルトブロックを装着する状態を示すカセットブロックアッセンブリの斜視図である。尚、上記実施例2、3と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0188】
図20において、ブロックハウジング225のFLボルトブロック着脱部233に対し矢印R方向に沿って着脱自在となるFLボルトブロック351は、ボルトブロック352と、メインヒュージブルリンク223とを備えて構成されている。FLボルトブロック351は、ボルトブロック352にメインヒュージブルリンク223を着脱自在に一体化させてなる機能部品となっている(着脱方向は実施例2、3と同じであるものとする)。
【0189】
図20ないし
図22において、ボルトブロック352は、一対のボルト353と、一対のナット245と、ブロック部354と、FL可溶体カバー247とを備えて構成されている。
【0190】
ボルト353は、公知のものが用いられている。ボルト353は、導電性を有しており、四隅がR状となるボルト頭部355と、略円柱状となるボルト軸部356とを有している。ボルト軸部356は、ボルト頭部355の中央位置に立設しており、ボルト軸部356の先端側には、ナット245のねじ込み部分となる、ねじ部357が配設されている。
【0191】
ブロック部354は、略ブロック形状となる樹脂成形品であって、以下の各種部分を有している。すなわち、ヒューズ端子配置部262、263と、ボルト装着部358、359と、フード部360(ハウジング)と、ガイド部265と、ロックアーム部266と、ロック部267と、凹部268と、この凹部268に形成される挿入突起(図示省略)及び挿入口(図示省略)とを有している。尚、上記の各種部分において、ボルト装着部358、359及びフード部360以外の部分は実施例2、3と基本的に同じ機能、同じ配置であり、ここでの説明は省略するものとする。
【0192】
ボルト装着部358は、上側のボルト353を装着する部分としてブロック部354の上側に配置形成されている。ボルト装着部358は、ここに上側のボルト353が挿入されると、ボルト頭部355を保持することができるように、また、ねじ部357を外部に露出させることができるように形成されている。すなわち、ボルト装着部358は、ボルト頭部保持部361と、軸部挿入スリット264とを有するように形成されている。ボルト装着部358は、軸部挿入スリット264を介してボルト軸部356を上側に突出させることができるように形成されている。
【0193】
ボルト装着部359は、下側のボルト353(外部接続用の部分)を装着する部分としてブロック部354の中間に配置形成されている。ボルト装着部359は、ここに下側のボルト353が挿入されると、ボルト頭部355を保持することができるように、また、ねじ部357をフード部360内に突出させることができるように形成されている。すなわち、ボルト装着部359は、ボルト装着部358と同様に、ボルト頭部保持部361と、軸部挿入スリット264とを有するように形成されている。ボルト装着部359は、軸部挿入スリット264を介してボルト軸部356を下側に突出させることができるように形成されている。
【0194】
フード部360は、ボルト装着部359よりも下側に配置されている。フード部360は、軸部挿入スリット264を介して突出するねじ部357を囲うことができる形状に形成されている。
【0195】
フード部360は、この後壁にスリット362を有している。スリット362は、下側のボルト353の装着時にボルト軸部356の通過を可能にする部分として形成されている。
【0196】
フード部360は、この下端が開口するように形成されている。開口は、ナット245のねじ込み等をする部分として形成されている。
【0197】
尚、フード部360(ハウジング)と、これに囲われる下側のボルト353(外部接続用の部分)は、実施例1のコネクタ91(
図6参照。タブ80とコネクタハウジング60とで構成される)に相当する部分であるものとする。
【0198】
実施例4は、フード部360を有することから、これに対応する部分をFLボルトブロック着脱部233に形成するものとする。
図23の引用符号363はフード収容部を示している。
【0199】
上記構成及び構造において、ブロック部354のボルト装着部358、359にボルト353をそれぞれ所定の向きで装着し、この後にブロック部354のヒューズ端子配置部262、263に対し一方のヒューズ端子272、他方のヒューズ端子273をそれぞれ配置するようにメインヒュージブルリンク223の組み付けを行い、さらに、FL可溶体カバー247にてメインヒュージブルリンク223の可溶体271を覆うと、ナット245のねじ込み前の状態として、
図21のFLボルトブロック351が形成される。FLボルトブロック351は、ボルトブロック352に対しメインヒュージブルリンク223を一体化させたものになる。
【0200】
図20及び
図23において、ブロックハウジング225の前方から矢印R方向に沿ってFLボルトブロック351をFLボルトブロック着脱部233に差し込んで嵌合させると、この時、ブロックハウジング225に組み付けられる二つのバスバーの第一接続相手240、第二接続相手241は、FLボルトブロック351のメインヒュージブルリンク223の一方のヒューズ端子272、他方のヒューズ端子273に対し重なるような状態に配置される。
【0201】
下側のボルト353に対しナット245のねじ込みを行うと、それまで重なり合った状態の他方のヒューズ端子273と第二接続相手241が確実に面接触した状態になり、電気的な接続が完了する。
【0202】
FLボルトブロック351の上側のボルト353に対し端子金具207(
図12参照)をセットし、この後に上側からナット245のねじ込みを行うと、端子金具207自身の電気的な接続が完了する。また、これと同時に、メインヒュージブルリンク223の一方のヒューズ端子272と、バスバーの第一接続相手240との電気的な接続も完了する。
【0203】
以上、
図20ないし
図23を参照しながら説明してきたように、FLボルトブロック351を用いた場合でも実施例2と同様の効果を奏するのは言うまでもない。
【0204】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。