(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一面側に略平滑な天面を有し、他面側に凹部を有する筒体とされ、幅方向寸法が高さ方向寸法よりも大きく形成されたキャップであって前記天面を下方に位置させた仰向け姿勢のキャップのみを選別し、次工程へ搬出するキャップ選別装置であって、
円筒状の側壁を備えた筐体内に、
上面を傾斜させて配置された固定円板と、
駆動モータの駆動力によって回転自在に配置され、前記固定円板の外周に配設されて前記固定円板の上面と共にロータ傾斜面を構成する上面を有する回転環状板を脱着自在に支承するロータ部とが配設されており、
前記回転環状板は、外周部上面に複数の仕切り部材が配設されており、隣位する仕切り部材間の領域における最外周部分は、選別に供されるキャップを1つずつ配置可能な選別収容部とされているとともに、各選別収容部を構成する回転環状板の外周には、仰向け姿勢のキャップを載置させるとともに、前記天面を上方に位置させた伏せ置き姿勢のキャップの凹部内に位置して係合可能とされた凸状部が、その先端と前記筐体の側壁との間に所定の間隙が設けられるようにして外周方向へ凸形成されており、
前記筐体内には、選別に供されるキャップのうち仰向け姿勢又は伏せ置き姿勢のキャップのみを前記筐体内の下側領域における選別収容部の回転移動経路へ向けて通過させるゲート部材が配設されており、
前記選別収容部の円環状の回転移動経路における最下位点から最上位点へ向かう経路の中間点近傍には、仰向け姿勢のキャップを前記筐体外に搬出する搬出部が形成されており、
筐体の上側領域における前記選別収容部の円環状の回転移動経路には、選別収容部に収納されて移送される伏せ置き姿勢のキャップと前記凸状部との係合を解除可能とされた係合解除手段が配設されていることを特徴とするキャップ選別装置。
前記ロータ傾斜面には、筐体の上側領域における前記選別収容部の円環状の回転移動経路において、凸状部との係合が解除されてロータ傾斜面を滑落する前記伏せ置き姿勢のキャップを捕捉し、前記キャップの滑落の慣性力の一部を回転力に変換させる姿勢変更誘導手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ選別装置。
前記係合解除手段は、前記回転環状板の凸状部先端と前記筐体の側壁との間隙に配設され、伏せ置き姿勢のキャップの側壁の下端部に対して下方から当接し、漸次押し上げ可能な傾斜面を有する間隙部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャップ選別装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、キャップ選別装置においても他の機械設備と同様、部品点数の削減、構成の簡略化、装置の小型化、選別能力の向上、並びに製造コストの削減は常に開発課題となる。
【0006】
また、前述のように、選別から外れたキャップを再び前記選別部の選別に供すべく前記ワーク収容部へ戻す際に、該キャップを次の機会には選別されるように、キャップを反転させて、選別されるキャップ姿勢の状態で戻すことができれば、該キャップ選別装置の動作に無駄がなくなり、効率よくキャップを次工程へ搬送することができる。
【0007】
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、簡便な機構で、部品点数も少なく、低コストであって、さらには、供給されるキャップのうち仰向け姿勢のキャップのみを効率よく選別し、次工程(キャップ反転工程を含む)へ搬送することができ、兼用範囲も広く、汎用性があって、型替えも容易なキャップ選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本発明のキャップの選別装置は、一面側に略平滑な天面を有し、他面側に凹部を有する筒体とされ、幅方向寸法が高さ方向寸法よりも大きく形成されたキャップであって前記天面を下方に位置させた仰向け姿勢のキャップのみを選別し、次工程へ搬出するキャップ選別装置であって、円筒状の側壁を備えた筐体内に、上面を傾斜させて配置された固定円板と、駆動モータの駆動力によって回転自在に配置され、前記固定円板の外周に配設されて前記固定円板の上面と共にロータ傾斜面を構成する上面を有する回転環状板を脱着自在に支承するロータ部とが配設されており、前記回転環状板は、外周部上面に複数の仕切り部材が配設されており、隣位する仕切り部材間の領域における最外周部分は、選別に供されるキャップを1つずつ配置可能な選別収容部とされているとともに、各選別収容部を構成する回転環状板の外周には、仰向け姿勢のキャップを載置させるとともに、前記天面を上方に位置させた伏せ置き姿勢のキャップの凹部内に位置して係合可能とされた凸状部が、その先端と前記筐体の側壁との間に所定の間隙が設けられるようにして外周方向へ凸形成されており、前記筐体内には、前記ロータ傾斜面と共にキャップ滞留部を構成し、選別に供されるキャップのうち仰向け姿勢又は伏せ置き姿勢のキャップのみを前記筐体内の下側領域における選別収容部の回転移動経路へ向けて通過させるゲート部材が配設されており、前記選別収容部の円環状の回転移動経路における最下位点から最上位点へ向かう経路の中間点近傍には、仰向け姿勢のキャップを前記筐体外に搬出する搬出部が形成されており、筐体の上側領域における前記選別収容部の円環状の回転移動経路には、選別収容部に収納されて移送される伏せ置き姿勢のキャップと前記凸状部との係合を解除可能とされた係合解除手段が配設されていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明のキャップ選別装置は、まずは、伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢のキャップのみを前記ゲート部材を通過させることで、その他の姿勢のキャップから選別し、それらの選別されたキャップを筐体内の下側領域におけるキャップ収容領域において、回転環状板の仕切り部材間へ送り込み、最先端部に形成されている各選別収容部へ収納する。そして、各選別収容部に収納されたキャップを、筐体内において選別収容部の円環状の移動経路を搬出部へ移送し、各選別収容部における凸状部上に載置されていた仰向け姿勢のキャップのみを凸状部上を自由落下的に滑らせ、前記搬出部から筐体外へ送り出し、次工程へ供給する。また、各選別収容部における凸状部と係合して搬出部への滑り出しを阻止された、伏せ置き姿勢のキャップをそのまま移送する。そして、筐体の上側領域におけるキャップ回収領域において、伏せ置き姿勢のキャップと凸状部との係合を解除し、ロータ傾斜面を滑らせて、再度、キャップ滞留部へ戻し、選別に供する。
【0010】
そして、このように構成され、作用する本発明のキャップ選別装置は、機構も簡便であり、隣位する仕切り部材間の幅寸法と各選別収容部内における凸状部の形状や位置を調整することで、1つの構成のキャップ選別装置の兼用の範囲を広く設定でき、形状、大きさの異なる各種のキャップの選別が可能である。また、ロータ部の回転環状板のみを交換することで、さらに、多くの異なる形状、大きさのキャップに対応することができ、部品交換やメンテナンスも簡便となる。
【0011】
また、仰向け姿勢のキャップのみを選別して搬出部から搬出した後、その選別から漏れた伏せ置き姿勢のキャップを回転環状板の回転により筐体の上側領域におけるキャップ回収領域にまで移送し、そこで伏せ置き姿勢のキャップと凸状部との係合を解除することで、簡単かつ確実にキャップ滞留部に戻すことができる。この方法によれば、完全に、キャップの先入れ先出しができる。そして、係合が解除されたキャップがロータ傾斜面を滑落する際に回転すれば、キャップの姿勢を変えることができる。例えば、筐体(ロータ傾斜面)の傾斜角度を、係合が解除されたキャップがロータ傾斜面を滑落する際に回転し易いように設定したり、回転環状板の外周方向に位置するキャップの側壁の下端部を係合解除手段により瞬間的に押し上げるようにすることで、係合が解除されるキャップに回転力を付与することができる。このように、キャップ選別装置の動作に無駄を少なくし、キャップ選別の効率を向上させることが可能となる。
【0012】
さらには、ロータ傾斜面を構成する回転環状板の回転により、例えば、キャップ滞留部へ投入され、選別に供されるキャップが、その天面をロータ傾斜面に対し垂直に位置させた横向き姿勢となっているような場合に、該キャップを仰向け姿勢、あるいは、伏せ置き姿勢に変えることも期待できる。
【0013】
さらに、本発明のキャップ選別装置は、前記ロータ傾斜面には、筐体の上側領域における前記選別収容部の円環状の回転移動経路において、凸状部との係合が解除され、ロータ傾斜面を滑落する前記伏せ置き姿勢のキャップを捕捉し、前記キャップの滑落の慣性力の一部を回転力に変換させる姿勢変更誘導手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
このように、姿勢変更誘導手段を備えることで、筐体の上側領域において凸状部との係合が解除され、仕切り部材により仕切られた各領域内から個々別々に開放されてロータ傾斜面を滑落する伏せ置き姿勢のキャップを1つずつ捕らえ、その姿勢をさらに強制的に回転させてキャップ滞留部へ戻すことができる。これにより、伏せ置き姿勢のままで傾斜面を滑落する場合に比べ、極めて効率よく、すべてのキャップの姿勢を仰向け姿勢として次工程へ供給することができる。
【0015】
またさらに、本発明のキャップ選別装置は、前記係合解除手段は、前記回転環状板の凸状部先端と前記筐体の側壁との間隙に配設され、伏せ置き姿勢のキャップの側壁の下端部に対して下方から当接し、漸次押し上げ可能な傾斜面を有する間隙部材であることを特徴とする。
【0016】
このように構成された係合解除手段を備えることで、傾斜形成されたキャップ当接面により、移送される伏せ置き姿勢のキャップの側壁下端部を漸次押し上げることで、該キャップと前記凸状部との係合を解除することができる。そして、本発明のキャップ選別装置は、キャップと凸状部との係合解除に特段の動力を要せず、既存のモータ1つのみを用いて動作させることができ、極めてコンパクトな外形となる。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明のキャップ選別装置によれば、簡便な機構で、部品点数も少なく、小型化することができ、低コストであって、さらには、供給されるキャップのうち仰向け姿勢のキャップのみを効率よく選別し、次工程へ搬送することができ、兼用範囲も広く、汎用性があって、型替えも容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を
図1乃至
図8を参照して説明する。
【0020】
図1にその全体の概略構成を示す本実施形態のキャップ選別装置1は、天面を下方に位置させた仰向け姿勢のキャップ2のみを選別して次工程へ送り出すように構成されている。ここで、本実施形態のキャップ選別装置1によって選別されるキャップ2は、
図2に示すように、円筒状のキャップ本体2aの一端側を略平滑な天面2bにより閉塞し、反対側に凹部2cを形成して構成され、天面2bの延在方向となるキャップ2の径方向(幅)における最大寸法(以下、単に、幅方向寸法という)Wが、径方向に直交する高さ方向寸法Hよりも大きく、かつ、重心を高さ方向において天面2b側に位置させて形成されている。
【0021】
なお、前記「次工程」とは、ボトルなどの口元部にキャップ2を巻締める作業を行う巻締め工程のみを指すものではなく、例えば、一律に選別された仰向け姿勢のキャップ2を、天面2bを上方に位置させた伏せ置き姿勢にしたり、天面2bが横方向へ向いた姿勢にするような工程をも含む。
【0022】
本実施形態のキャップ選別装置1は、基台3に、円筒形の筐体4が30°程度に傾斜させて設けられており、筐体4の底板5も基台3に対して同じように傾斜された状態で固定されている。なお、筐体4の傾斜角度は大凡20〜30°程度が好ましいが、使用に合わせ、任意に変更可能である。底板5の略中央部位には支軸6が突設されており、支軸6の上端部には、円形とされた薄板状の固定円板7が、その中心を支軸6と同軸上に位置させて固定されている。支軸6には、固定円板7の上面と略面一となるように固定円板7の外周に配置される円環状の回転環状板8を支承するロータ部9が、上下の軸受12a、12bを介して回転自在に軸支されている。すなわち、回転環状板8を支承するロータ部9の中央下部には歯車14が固定されており、筐体4の底板9には回転環状板8の駆動モータ15が取付けられている。そして、駆動モータ15の回転軸15aに固定されたピニオンギア16は歯車14に噛合されている。これにより、ロータ部9の回転環状板8は駆動モータ15の駆動によって一方向(反時計方向)へ所定速度で連続回転可能とされている。
【0023】
そして、本実施形態のキャップ選別装置1においては、固定円板7の上面及び回転環状板8の上面からなる傾斜面(ロータ傾斜面17という。)の上位点を12時方向に位置させた場合(以下、本明細書の方位表示においては同基準を用いる)における3時方向には、選別されたキャップ2を次工程へ向けて排出する搬出部18が形成されている。搬出部18は筐体4の側壁4aに、ロータ傾斜面17からキャップ2が滑り出し可能に、開口19を形成することで形成されており、搬出部18には、筐体4の開口19に連続させて、公知の構成のシュータ20が設けられている。
【0024】
ここで、回転環状板8の外周部全周には、
図3に示すように、平面形状略三角形の凸状部21が等間隔に複数形成されている。凸状部21は、その先端をキャップ2の凹部2c内に臨んで位置させることが可能な形状とされており、回転環状板8は、凸状部21の外方先端と筐体4の内周面との間に所定の間隙を形成するようにして設けられている。
【0025】
また、回転環状板8の上面には、該回転環状板8の外周部全周を等分して、キャップ2をそれぞれに対応する凸状部21が形成された外周方向へ案内する仕切り部材23としての仕切り板22が配設されている。すなわち、仕切り板22は凸状部21と同数が形成されており、隣位する仕切り板22間に形成される各領域は、後述のキャップ滞留部25から入り込む1乃至2個程度のキャップ2を仕切り板22に沿って収納可能とされている。各領域の外周端部には、特に、仰向け姿勢のキャップ2であるか否かの選別に供されるそれぞれ1個のキャップ2を収納可能とされた選別収容部24として形成されている。
【0026】
各選別収容部24には、凸状部21がそれぞれ1つずつ配置されており、仰向け姿勢のキャップ2は凸状部21の上面に載置されて選別収容部24からの滑り出し自在な状態で移送され、また、伏せ置き姿勢のキャップ2は外周方向へ向かって前傾し、凸状部21の先端を凹部2c内に位置させた状態で係合され、選別収容部24内における位置を規制された状態で移送されるように構成されている。
【0027】
また、仕切り板22は、薄板片を長手方向中央部の折曲部22aで折り曲げ、平面形状く字状に形成された仕切り板本体22bを有しており、折曲部22aを回転環状板8の回転方向へ位置させるとともに、仕切り板本体22bの外周側の端部をそれぞれ隣位する凸状部21間に位置させて配設されている。さらに言えば、仕切り板22は、各選別収容部24において反回転方向に位置する仕切り板22により移送される伏せ置き姿勢のキャップ2の凹部2c内に、凸状部21の先端を臨ませることが可能なように、外周側の端部の位置を調整して配設されている。本実施形態において、仕切り板本体22bの反外周側の端部は、それぞれ折曲部22aと回転環状板8の回転軸とを結ぶ仮想ラインよりも反回転方向に位置させて配設されている。
【0028】
図4は、本実施形態のキャップ選別装置1における選別収容部24の構成と、該キャップ選別装置1で選別可能なキャップ2の幅方向寸法W(さらに正しくは、キャップ2の凹部2cにおける幅方向寸法)との関係を説明する説明図である。
図4中には、幅方向寸法W(φ)30mmのキャップ2の予想線C1とその重心点CP1、幅方向寸法W(φ)35mmのキャップ2の予想線C2とその重心点CP2、並びに、幅方向寸法W(φ)45mmのキャップ2の予想線C3とその重心点CP3を示している。
【0029】
この図に示すように、伏せ置き姿勢のキャップ2は、重心が図中破線で示すキャップ受けラインよりも外周方向において凸状部上に位置することで、自重により外周方向へ前傾し、その凹部2c内に凸状部21の先端を位置させた状態で係合する。このように、隣位する仕切り板22間の幅寸法と各選別収容部内における凸状部の形状や位置を調整することで、1つの構成のキャップ選別装置1をいろいろな寸法のキャップ2の選別に兼用することが可能となっている。
【0030】
また、本実施形態において、仕切り板本体22bの長手方向寸法はキャップ2の径方向(幅)寸法の略倍の長さとされており、その中央部に折曲部22aが形成されている。また、仕切り板22は、折曲部22aより反外周側に位置する仕切り板本体22bの下端辺に連接され、仕切り板本体22bの面方向に延在する不図示の持ち出し部と、この持ち出し部に連接され、仕切り板本体22bの面方向に直交する方向に延在する取付部22cとを備えて構成されている。そして、回転環状板8の上面に仕切り板本体22bを配置させた状態で回転環状板8に形成された不図示の開口部内に持ち出し部を嵌挿又は係合により位置させ、取付部22cを回転環状板8の裏面にねじ止めにより固定して配設されている。
【0031】
また、本実施形態のキャップ選別装置1の筐体4内には、ロータ傾斜面17とともにキャップ滞留部25を構成し、キャップ滞留部25に滞留するキャップ2のうち、伏せ置き姿勢、仰向け姿勢の両姿勢のキャップ2のみを外周方向へ、後述のキャップ収容領域へ向かって通過させ、それ以外の姿勢(例えば、天面2bをロータ傾斜面17に対し垂直に位置させた横向き姿勢)のキャップ2を留め置く、ゲート部材26としてのフード27が配設されている。
【0032】
本実施形態において、フード27は、回転環状板8に形成された各仕切り板本体22bの反外周側の端部を結ぶ仮想円より大径で、各仕切り板本体22bの折曲部22aを結ぶ仮想円より小径の円形枠状に形成されている。そして、フード27は、固定円板7の上面及び回転環状板8の上面からなるロータ傾斜面17との間にキャップ2の高さ方向寸法H以上で幅方向寸法Wよりも小さい間隙を形成するようにして、固定部材28により筐体4に取り付けられている。
【0033】
ここで、本実施形態のキャップ選別装置1において、筐体4内へランダム状態で多数投入されるキャップ2を滞留させるキャップ滞留部25として、傾斜して配置された筐体4内の約1/3以下の空間を用いる。よって、例えば、回転環状板8に形成された各仕切り板本体22bの反外周側の端部を結ぶ仮想円より大径とされた円弧状の枠体を、筐体4の下側領域(大凡9時方向から3時方向までの間)において、該筐体4の側壁に沿わせるようにして配設してもよい。フード27は、必ずしも筐体4に固定されていなくてもいい。例えば、固定円板7に固定することも可能である。また、本実施形態のように、円筒状のフード27は、回転環状板8に固定し、回転環状板8の回転に伴って回転するように構成してもよい。さらに、フード27のロータ傾斜面17上の寸法は、選別に供するキャップ2の寸法等に合わせて調整することにより、汎用性を有するものとなる。
【0034】
そして、本実施形態においては、駆動モータ15によってロータ部の回転環状板8が一方向(反時計方向)へ所定速度で連続回転駆動することで、フード27の下を通過し、仕切り板22で仕切られた各選別収容部24に収まった仰向け姿勢あるいは伏せ置き姿勢のキャップ2は、反回転方向に位置して各選別収容部24を構成する仕切り板22で押されながら、選別収容部24の円環状の移動経路を上方へ移送されることとなる。
【0035】
その際、前述のように、凸状部21の上面に載置され、選別収容部24からの滑り出し自在な状態で移送されている仰向け姿勢のキャップ2は、3時方向に形成された搬出部18に至ると、反回転方向に位置して各選別収容部24を構成する仕切り板22の傾斜に沿ってスライドし、開口19から筐体4外へ放出される。一方、凸状部21の先端を凹部2c内に位置させた状態で係合し、選別収容部24内における位置を規制された状態で移送されている伏せ置き姿勢のキャップ2は、3時方向に形成された搬出部18に至っても前記係合が解除されず、そのままさらに上方へ、すなわち、筐体4の上側領域へ移送される。
【0036】
ここで、キャップ選別装置1には、キャップ2の移送経路の搬出部18を通過して尚も移送される伏せ置き姿勢のキャップ2に作用し、キャップ2の凹部2cと、凸状部21との係合を、筐体4の上側領域(ロータ傾斜面17の上位領域)において解除する、係合解除手段29が配設されている。
【0037】
本実施形態において、係合解除手段29は、回転環状板8と筐体4の側壁4aとの間隙に配設される円環状の間隙部材(以下、環状間隙部材という)30であり、環状間隙部材30は、その上面にキャップ当接面31を備えている。このキャップ当接面31は、回転環状板8の回転方向において、
図3の右上に矢印で示す(線の太さは回転環状板8の上面からの突出量に比例する)ように、3時方向に形成された搬出部18の下流側となる大凡2時方向の位置から、筐体ロータ傾斜面17の上位領域である1時方向に至るまで、(特に、大凡1時方向から12時方向までの間では、)回転環状板8の上面よりも高位に位置し、搬送経路の搬出部18を通過して尚も傾斜の上部へ移送される伏せ置き姿勢のキャップ2の側壁2dの下端部に対して下方から当接し、漸次押し上げ可能な傾斜面として形成されている。
【0038】
これにより、回転環状板8の凸状部21に凹部2cを係合させた前傾状態で搬出部18を通過してきたキャップ2は、回転環状板8の回転によってその側壁2dの下端部をロータ傾斜面17に当接させたあと摺接させつつ、選別収容部24の移動経路を移送されることにより、筐体4内の上部領域において回転環状板8の上面よりも高位に位置するキャップ当接面31により、凸状部21と筐体4との間の間隙に落とし込んでいたその側壁2dの下端部を押上げられ、係合が解除されてロータ傾斜面17を滑落し、再びキャップ滞留部25へ戻ることとなる。
【0039】
なお、本実施形態において、環状間隙部材30のキャップ当接面31は、回転環状板8の回転方向において、ロータ傾斜面17の1時から3時方向までの間、特に、キャップ滞留部25に滞留するキャップ2が選別収容部24に収納され、搬出部18に至るまでの移送が行われうる8時方向から3時方向までの間においては、キャップ2に当接して係合を阻害することがないように、回転環状板8の上面よりも低位に位置し、回転環状板8と筐体4の側壁4aとの間隙を埋める間隙部材として作用する。
【0040】
さらに、本実施形態においては、キャップ滞留部25から搬出部18までに対応するフード27の下端部には、選別収容部24の円環状の移動経路の上方へ延出させて姿勢規制庇35が連接されている。この姿勢規制庇35により、選別収容部25に収納されたキャップ2が何かの衝撃で飛び出したり、その姿勢を変化させることを規制する。
【0041】
また、本実施形態において、固定円板7におけるキャップ滞留部25の上位には、上位の搬送経路から、係合が解除されて傾斜を滑落する伏せ置き姿勢のキャップ2を係合させる姿勢変更誘導手段37が形成されている。姿勢変更誘導手段37は、滑落するキャップ2を係合させることで、該キャップ2の重心やこのキャップ2に作用する滑落の慣性力を利用し、該キャップ2の姿勢を滑落方向と略直交する仮想回転軸で回動させ、その姿勢を変化させるように作用する。
【0042】
凸状部21との係合が解除された伏せ置き姿勢のキャップ2が、そのまま滑落する場合には、該キャップ2が次に選別収容部24に収納される際に、同じように伏せ置き姿勢である可能性は大きく、仰向け姿勢で選別収容部24に収納される可能性は極めて小さい。しかしながら、この伏せ置き姿勢のキャップ2に回動力を付与し、伏せ置き姿勢を一旦キャンセルすることで、次に選別収容部24に収納される際に仰向け姿勢となる可能性を高めることができる。よって、姿勢変更誘導手段37は、例えば、ピン状の突起であってもよい。ピン状の突起に係合することで、キャップ2が滑落の慣性力により反転乃至回転し、伏せ置き姿勢を一旦、回転させれば、次に選別収容部24に収納される際に仰向け姿勢となる確率は、そのまま滑落してキャップ滞留部25へ戻るよりも高くなる。
【0043】
本実施形態においては、姿勢変更誘導手段37として、キャップ2の滑落方向下流側の側壁先端を落とし込ませることが可能な溝部38が形成されている。溝部38は、搬出部18からより離れた位置へキャップ2を誘導するように、ロータ傾斜面17における上側領域における伏せ置き姿勢のキャップ2の回収が予定される位置、更に言えば、キャップ滞留部25へ回収されるキャップ2の予想滑落経路に対応させて、選別収容部24の回転移動経路における最下位点から最上位点へ向かう経路側の端部を、最上位点から最下位点へ向かう経路側の端部よりも上位に位置させて約15°で傾斜させて、滑落するキャップ2の滑落方向下流端部が溝内に落ち込んだときに、ロータ傾斜面17の溝部38角に側壁を当接させ、この当接部分を回動支点として回動可能な幅を有する長溝として形成されている。
【0044】
このように構成された本実施形態のキャップ選別装置1は、筐体4内において、回転環状板8に形成された選別収容部24は円環状の移動経路を移動する。キャップ2はこの移動経路を移送される。よって、筐体4内の下側領域における選別収容部24の移動経路の一部はキャップ収容領域として利用し、筐体4内の上側領域における選別収容部24の移動経路の一部はキャップ回収領域として利用する。
【0045】
つまり、本実施形態のキャップ選別装置1においては、以下のようにしてキャップ2の選別を行う。
【0046】
フード27内へ投入されたキャップ2は、自重によりロータ傾斜面17を滑り、様々な姿勢でのフード27内下方のキャップ滞留部25へ移動する。このとき、駆動モータの駆動力がギアを介してロータ部へ伝達されることにより、回転環状板8は所定方向へ回転している。よって、キャップ滞留部25の下方に位置しているキャップ2は、回転環状板8の回転による移送力に抗しつつ、自重でキャップ滞留部25に滞留している。
【0047】
そして、本実施形態においては、
図3中Aに示す筐体4の下側領域(大凡8時方向から4時方向の領域)をキャップ収容領域として利用し、伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢のキャップ2のみをロータ傾斜面17を滑らせて、フード27とロータ傾斜面17との間に形成された間隙を通過させ、回転環状板8の仕切り板22間へ送り込み、最先端部に形成されている各選別収容部24へ案内する。すなわち、キャップ滞留部25となるフード27とロータ傾斜面17との間に形成された間隙は、伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢のキャップ2と、それ以外のキャップ2とを選別する第1の選別部として作用する。
【0048】
なお、伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢の以外の姿勢のキャップ2は、ロータ傾斜面17に対し、伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢のキャップ2よりも不安定な姿勢でキャップ滞留部25に位置しているので、回転環状板8の回転によって上方へ移送される際に、現在の姿勢を崩し、変化させることができる。これを繰り返すことにより、やがては、天面2bをロータ傾斜面17に対し平行に位置させる伏せ置き姿勢あるいは仰向け姿勢となる。
【0049】
回転環状板8の外周に形成された選別収容部24に収納されたキャップ2は、回転環状板8が回転する際に、それぞれの選別収容部24を構成する反回転方向に位置する仕切り板22に押されながら、選別収容部24の移動経路を筐体4内の下方から上方へ移送される。
【0050】
そのとき、各選別収容部24内においては、仰向け姿勢のキャップ2は、凸状部21の上面に載置された状態で収まる(
図6参照)。また、伏せ置き姿勢のキャップ2は、回転環状板8の外周方向に位置する側壁下端部を、凸状部21先端と筐体4側壁との間に形成され、ロータ傾斜面17の上面よりも下方にキャップ当接面31が配置された間隙に落とし込ませ、キャップ2の凹部2c内に凸状部21先端を位置させ、係合させた状態で収まる(
図5参照)。なお、
図5は、
図3にAで示すキャップ収容領域内の位置において選別収容部24に収容された伏せ置き姿勢のキャップ4と、キャップ当接面31および凸状部21の関係を示す。また、
図6は、
図3にAで示すキャップ収容領域内の位置において選別収容部24に収容された仰向け姿勢のキャップ4と、キャップ当接面31および凸状部21の関係を示す。
【0051】
この状態で回転環状部の選別収容部24に収まり、回転環状板8の回転により筐体4内の下方から上方へ移送されるキャップ2は、筐体4の3時方向形成された搬出部18に至ると、仰向け姿勢のキャップ2は、く字状に形成された仕切り板22の傾斜に沿って凸状部21上面を滑り、搬送部から筐体4外へ搬出される。特に、本実施形態においては,く字状の仕切り板22の折曲部22aを回転方向へ向けて配設しているので、3時方向においては、各選別収容部24は仰向け姿勢のキャップ2を仕切り板22に沿わせ、自重により下方へ滑らせることができる。さらに、回転環状板8が回転することにより、キャップ2に遠心力も作用し、仰向け姿勢のキャップ2の筐体4外への送り出しを補助する。
【0052】
一方の伏せ置き姿勢のキャップ2は、未だ、ロータ傾斜面17の上面よりも下方にキャップ当接面31が配置された間隙に落とし込ませ、キャップ2の凹部2c内に凸状部21先端を位置させ、係合させた状態であるので、搬出部18においても選別収容部24内から搬出されることなく、そのままの状態で更に上方へ移送されることとなる。すなわち、選別収容部24に形成された凸状部21は、伏せ置き姿勢のキャップ2と仰向け姿勢のキャップ2との選別する第2の選別部として作用する。
【0053】
このとき、仮に、隣位する仕切り板22間に2個以上のキャップ2が送り込まれていたとしても、それらが仰向け姿勢のキャップ2であれば、搬出部18において選別収容部24から筐体4外へ搬出される。また、伏せ置き姿勢のキャップ2であれば、搬出部18においては、調整部のキャップ当接面31は、未だ、ロータ傾斜面17の上面よりも下方に配置されているので、伏せ置き姿勢のキャップ2は回転環状板8の外周方向に位置する側壁下端部を、凸状部21先端と筐体4側壁との間に形成された間隙に落とし込ませ、キャップ2の凹部2c内に凸状部21先端を位置させ、係合させて、筐体4外への搬出が阻止される。
【0054】
このようにして、本実施形態のキャップ選別装置1は仰向け姿勢のキャップ2のみを選別して次工程へ供給することがでできる。回転環状板8は連続して回転しているので、選別収容部24に収納されるキャップ2を次々と選別に供することができる。
【0055】
そして、搬出部18において、搬出が阻止された伏せ置き姿勢のキャップ2はそのまま、回転環状板8の回転により、更に筐体4内の上方へ移送される。筐体4内の上方において選別収容部24内に収まっているキャップ2は、自重により、その凹部2c内に凸状部21先端を引っかけるようにして移送される。その際、本実施形態においては、搬出部18から上方へ移送される経路途中においては、漸次上昇するロータ傾斜面17として形成された前記調整部のキャップ当接面31に対し、伏せ置き姿勢のキャップ2の回転環状板8の外周方向に位置する側壁2dの下端部を摺接させる(
図7および
図8参照)。そして、筐体4内の上側領域(大凡1時方向から12時方向の領域が望ましい)をキャップ回収領域として利用し、伏せ置き姿勢のキャップ2の回転環状板8の外周方向に位置する側壁下端部を、摺接するキャップ当接面31によりロータ傾斜面17の上面よりも高く押し上げるようにすることで、伏せ置き姿勢のキャップ2の凹部2cと凸状部21先端との係合を解除する。これにより、凸状部21先端との係合が解除され、自由移動可能とされた伏せ置き姿勢のキャップ2は、選別収容部24内から仕切り板22に沿ってロータ傾斜面17を滑りつつ、キャップ2貯留部へ戻され、再度の選別に供される。
図7は、
図3にBで示すキャップ回収領域の上流端位置B’において選別収容部24に収容された伏せ置き姿勢のキャップ4と、キャップ当接面31および凸状部21の関係を示す。また、
図8は、
図3にBで示すキャップ回収領域の下流端位置B”において選別収容部24に収容された伏せ置き姿勢のキャップ4と、キャップ当接面31および凸状部21の関係を示す。
【0056】
このとき、本実施形態においては、筐体4内の上側領域において、伏せ置き姿勢のキャップ2の回収が予定される位置、更に言えば、キャップ滞留部25へ回収されるキャップ2の予想滑落位置に対応させて形成された、姿勢変更誘導手段としての溝部38に、ロータ傾斜面17を滑落するキャップ2の先端側を落とし込ませ、外溝部38を用いてキャップ2を滑落方向へ前傾させ、この前傾を契機としてキャップ2を回転させる。
【0057】
特に、本実施形態においては、前記キャップ当接面31のロータ傾斜面17よりも高く位置することとなる領域に対応させ、滑落経路を予想して、長尺な溝部38を傾斜させて形成したことにより、ロータ傾斜面17を滑落するキャップ2を溝部38で捕らえ、その滑落のエネルギーを回転のエネルギーに換えてキャップ2を回転させる。
【0058】
その際、前記溝部38に滑落方向下流側を落下させて前傾した伏せ置き姿勢のキャップ2は、
図1及び
図3中にキャップ2の反転状態を示すように、滑落の慣性力が働いた状態で溝部38内に嵌合し、滑落方向下流側側壁を溝部38を構成する下方の辺部に当接させ、その当接点を回転の支点として回動し、その後は、重心のある天面2b側を下にした仰向け状態でロータ傾斜面17に着座することが予想される。
【0059】
このようにして、元の伏せ置き姿勢を一旦クリアさせてキャップ2をキャップ滞留部25へ戻すことにより、伏せ置き姿勢のままでロータ傾斜面17を滑落する場合に比べ、効率よく、すべてのキャップ2の姿勢を仰向け姿勢として次工程へ供給することが可能となる。
【0060】
このような本発明のキャップ選別装置1は、モータ1つのみを用いて駆動させることができ、筐体4内へ搬出されるキャップ2は、選別されたキャップ2とすることができるので、選別のために筐体4以外の装置を必要とせず、小型化されている。
【0061】
また、ロータ部の回転環状板のみを交換することができるように、ねじ止めにてロータ部に固定するようにすれば、選別するキャップ2として、形状、大きさの異なるキャップ2を用いる場合(型替え)場合にも、ロータ部の回転環状板のみを交換することで対応でき、部品交換やメンテナンスも簡便となる。
【0062】
そして、仰向け姿勢のキャップ2のみを選別し、搬出部18から搬出した後、その選別から漏れた伏せ置き姿勢のキャップ2は、筐体4の上側領域に形成されたキャップ2回収領域において、ロータ傾斜面17よりも高い位置においてキャップ2の側壁下端部に当接して、伏せ置き姿勢のキャップ2と選別収容部24の凸状部21との係合を解除することで、簡単に、キャップ滞留部25に戻すことができる。
【0063】
また、キャップ滞留部25においては、キャップ滞留部25の底面を構成するロータ傾斜面17の回転環状板が回転していることで、キャップ滞留部25内のキャップ2を攪拌し、姿勢を変えさせることができる。
【0064】
特に、ロータ傾斜面17にロータ傾斜面17を滑落する伏せ置き姿勢のキャップ2の滑落のエネルギー(慣性力)の一部を回転力に換える姿勢変更誘導手段37を設けたことで、ロータ傾斜面17を滑落する伏せ置き姿勢のキャップ2の姿勢を強制的に一旦、回転させて、キャップ滞留部25へ戻すことにより、伏せ置き姿勢のままでロータ傾斜面17を滑落する場合に比べ、効率よく、すべてのキャップ2の姿勢を仰向け姿勢として次工程へ供給することができる。
【0065】
なお、発明は前述の実施形態に何等制限されるものでなく、本発明の要旨に反しない限り本発明に包含される。
【0066】
例えば、仕切り板本体22bは、
図9に示すように、その反外周側の端部を、それぞれ折曲部22aと回転環状板8の回転軸とを結ぶ仮想ライン上における反回転方向に位置させて配設させてもよい。また、同じく
図9に示すように、回転環状板8の外周は、凸状部21を連続させて形成されていてもよい。凸状部21は、例えば、回転環状板8の外周をV字状に切り欠くことで形成することができる。また、仕切り板22は回転環状板8の上面に座ぐり部を形成しておき、取付部22cを座ぐり部に配置し、回転環状板8の上面が面一となるようにねじ止めにより固定してもよい。なお、仕切り部材23としては、本実施形態のような薄板状の仕切り板に限らず、要は、回転環状板8の外周部全周を分割し、キャップ2を外周方向へ案内することができれば、例えば、ブロック体のようなものであってもよい。
【0067】
また、ゲート部材26としては、本実施形態のフード27の構成に限らず、要は、選別に供されるキャップ2のうち、伏せ置き姿勢、仰向け姿勢の両姿勢のキャップ2のみを外周方向の後述のキャップ収容領域へ向かって、ロータ傾斜面17を滑らせ、通過させるように構成されていればよい。例えば、前記フード27に代えて、キャップ滞留部25に対応する筐体4の側壁内側に、平面視において仕切り板22を覆い隠すようにフランジ状に張り出し、その開放先端部のロータ傾斜面17からの高さ寸法を、キャップ2の高さ方向寸法H以上で幅方向寸法Wよりも小さい間隙寸法となるように調整された庇部材を採用することも可能である。該庇部材は、その開放先端部において、選別に供されるキャップ2のうち、伏せ置き姿勢、仰向け姿勢の両姿勢のキャップ2のみを選別して通過させるゲート部材26として作用する。さらには、キャップ滞留部25に対応する筐体4の側壁内側において、平面視において仕切り板22を覆い隠すようにフランジ状に張り出して配設された該庇部材により、隣位する仕切り板22間を通過せずに、キャップ2が選別収容部24に収容されることを確実に防止することができる。その場合においては、前述の選別収容部24の円環状の移動経路の上方へ延出させた姿勢規制庇35の配設は省略することができる。
【0068】
また、本実施形態における係合解除部材29を構成するキャップ当接面31は、前述のように、回転環状板8の回転方向において、3時方向に形成された搬出部18の直下流側の位置から、ロータ傾斜面17の上位領域までの間に配設されていればよい。
【0069】
さらには、この係合解除手段29も、本実施形態の環状間隙部材30に限らず、要は、選別収容部に収納されて移送される伏せ置き姿勢のキャップ2の凹部2cと凸状部21との係合を筐体4の上側領域において解除可能に構成され、配設されていればよい。例えば、別の機構を要することとはなるが、筐体4の上側領域において伏せ置き姿勢のキャップ2の凹部2c内に向けてジェットエアを噴射可能なエア噴射装置を別途配設し、前記ジェットエアによりキャップ2を噴き上げることにより、キャップ2の凹部2cと凸状部21との係合を解除するように構成してもよい。
【0070】
そして、キャップ選別装置1で選別するキャップ2の形状は、幅方向寸法Wが、高さ方向寸法Hよりも大きい筒体のキャップ2であって、一面側に天面2bが形成され、他面側に略円筒状の凹部2cが形成されていれば、外形状は特に円筒状にこだわるものではない。