【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
本発明は、粘着剤を含む所定のフィルム幅の光学フィルムが積層されたキャリアフィルムを巻回してなる連続ロールから、当該キャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送サブステップと、当該キャリアフィルムを残して光学フィルムの長手方向と直交するフィルム幅方向に所定の切断間隔で当該光学フィルムを切断して光学フィルムのシート片を形成する切断サブステップと、液晶パネルを搬送する搬送サブステップと、前記液晶パネルを搬送しながら、前記キャリアフィルムから剥離された前記シート片を前記粘着剤を介して当該液晶パネル側に積層する貼付サブステップとを含む光学フィルムのシート片積層ステップを2以上含み、当該2以上のシート片積層ステップによって、2以上のシート片を、シート片ごとに順番に液晶パネル側に積層して液晶表示素子を形成する、液晶表示素子の製造方法であって、
前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、次に積層されるシート片の4つの辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つの辺の内、積層状態で対応する辺より小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および前記切断サブステップにおける前記切断間隔が設定される。
【0010】
この構成では、貼りズレを考慮して、次(後)に積層される側のシート片の4つ辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つ辺の内、積層状態で対応する辺より小さくしていることで、順次積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。
【0011】
上記発明において、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該第1辺と直交し、前記切断間隔の長さに相当する辺を第2辺としたとき、
先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第1辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第2辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層される第1積層処理(第1のシート片積層ステップ)と、
先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第2辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第1辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層される第2積層処理(第2のシート片積層ステップ)との両方を実行してもよく、いずれか一方の積層処理を実行してもよい。第1積層処理と第2積層処理の順番は特に問わない。また、第1積層処理を1回または1回以上実行してから、第2積層処理を1回または1回以上実行してもよく、その逆でもよい。また、複数回行われる第1積層処理の間に第2積層処理が実行されてもよく、その逆でもよい。
【0012】
上記発明の一実施形態として、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該第1辺と直交し、前記切断間隔の長さに相当する辺を第2辺としたとき、先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第1辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第2辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、
前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、最初に積層されるシート片のフィルム幅が最も大きく、次以降に積層されるシート片であるフィルム幅が順次小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および
前記切断サブステップで形成された前記最初に積層されるシート片の切断間隔が最も大きく、次以降に積層されるシート片の切断間隔が順次小さくなるように、前記切断サブステップで前記光学フィルムが切断されシート片が形成される。
【0013】
この構成では、液晶パネルに最初に積層されるシート片のフィルム幅および所定の切断間隔(フィルム幅方向と直交する方向の長さ)を最も大きいものとし、2枚目以後のシート片のそれらを順次小さくすることで、2枚目以後のシート片がそれよりも前に積層されているシート片からはみ出して積層されることがなく、積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。
【0014】
各シート片積層装置の機械等誤差によって生じる貼りズレ量を予め測定しておき、貼りズレ量より小さくなるようにシート片のフィルム幅および切断間隔を設定することが好ましい。
【0015】
上記発明の一実施形態として、前記貼付サブステップによってシート片が積層された液晶パネルを、次の貼付サブステップによって次のシート片を積層する前に、当該液晶パネルの搬送方向に対し90°水平回転させる水平回転工程をさらに含み、
前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該第1辺と直交し、前記切断間隔の長さに相当する辺を前記第2辺としたとき、前記水平回転工程の前に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、前記次のシート片の第2辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第1辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、
前記次のシート片の前記第1辺が、前記直前のシート片の前記第2辺よりも小さくなるように、当該次のシート片を形成するための前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および、
前記次のシート片の前記第2辺が、前記直前のシート片の前記第1辺よりも小さくなるように、前記切断間隔が設定され、当該切断間隔に基づいて、前記切断サブステップで前記光学フィルムが切断され前記次のシート片が形成される。
【0016】
この構成では、
図6,7に示すように、直前のシート片の貼付処理後に、搬送方向Dに対し液晶パネルを90°水平回転させ、次のシート片を貼付処理する。次のシート片のフィルム幅(第1辺)が、直前のシート片の切断間隔(第2辺)よりも小さく、かつ、次のシート片の切断間隔(第2辺)が、直前のシート片のフィルム幅(第1辺)よりも小さくなっているので、次のシート片のはみ出しがなく、積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。本発明において、「90°水平回転」の「90°」にはバラツキの範囲を含む。
【0017】
また、液晶パネルに積層される全てのシート片の面積は、液晶パネルの表示領域(液晶セル領域)以上で、かつ液晶パネルの表面面積以下であることが好ましい。さらに、液晶パネルに積層される最外表面のシート片のフィルム幅および切断間隔は、液晶パネルの表示領域(液晶セル領域)と貼りズレ量に基づいて設定されることが好ましい。貼りズレ量は、液晶パネルの搬送方向であるX方向ズレ量、X方向と直交する方向のY方向ズレ量(フィルム幅方向)、液晶パネルの搬送方向軸(X軸)に対する貼付時のシート片送り方向軸の回転ズレであるθズレ量等が例示される。
【0018】
上記発明の一実施形態として、2枚目以後のシート片を積層するための前記シート片積層ステップの貼付サブステップは、1枚目のシート片の幅方向中心軸ラインと当該幅方向と直交する方向の中心軸ラインとの交差ラインが、2枚目以後のシート片の幅方向中心軸ラインと当該幅方向と直交する方向の中心軸ラインとの交差ラインとが一致するように当該シート片を積層することが好ましい(
図4A〜4C参照)。この構成によって、シート片同士の交差ラインが一致または実質的に一致するようにシート片同士を積層できるので、次に積層されるシート片が直前に積層されたシート片からはみ出すことがない。
【0019】
シート片同士の交差ラインを一致させるように積層するために、液晶パネルに付されたアライメントマークまたは液晶パネルの端あるいは角部を基準にして、積層されるシート片の位置決めを行って貼り付けることが好ましい。アライメントマーク等からシート片の端ラインまでの距離は、積層されるシート片の順番に比例して大きくなる。すなわち、積層される全てのシート片は、パネルのアライメントマーク等を基準にしたパネル基準のアライメント方式で貼り合せできる。また、別のアライメント方式としては、シート片基準のアライメント方式を採用できる。このシート片基準のアライメント方式では、積層される1枚目のシート片は、アライメントマーク等を基準にアライメントして貼り合せ、2枚目以降に積層されるシート片は、それよりも1枚先に貼り合せたシート片の端あるいは角部を基準にアライメントして貼り合わせる方法である。このシート片基準のアライメント方式は、パネル基準のそれよりも、より確実に先に貼り合せたシート片内に貼り合せ可能であるので好ましい。
【0020】
上記発明の一実施形態として、前記2以上のシート片積層ステップが連続して行われることが好ましい。これによって、液晶パネルに光学フィルムのシート片を順次積層してなる液晶表示素子を連続的に製造できるため、生産性を向上できる。また、別実施形態として、2つシート片積層ステップを連続して行い、その後に1以上のシート片積層ステップを連続して行ってもよい。
【0021】
また、上記発明の一実施形態として、前記光学フィルムの一つが、2色偏光フィルムであり、他の光学フィルムの一つが、反射偏光フィルムであって、
2色偏光フィルムのシート片積層ステップは、前記2色偏光フィルムのシート片を前記液晶パネルに積層し、
反射偏光フィルムのシート片積層ステップは、前記2色偏光フィルムのシート片の透過軸と、前記反射偏光フィルムのシート片の透過軸とが同じ方向になるように、当該反射偏光フィルムのシート片を当該2色偏光フィルムのシート片に貼り付けることで、当該反射偏光フィルムのシート片を前記液晶パネルに積層する。この構成において、前記反射偏光フィルムおよび当該反射偏光フィルムが貼り付けされる前記2色偏光フィルムは、フィルム幅方向と直交する長手方向に透過軸を有することが好ましい。
【0022】
これによって、長手方向(MD方向)に透過軸を、フィルム幅方向に吸収軸を有する2色偏光フィルムを使用できる。2色偏光フィルムの透過軸がその長手方向(MD方向)に有り、反射偏光フィルムの透過軸がその長手方向(MD方向)に有るため、2色偏光フィルム、反射偏光フィルム、液晶パネルの搬送方向を同じ方向にできるため、回転機構等の複雑な機構を採用することなく製造ラインを直線ラインにできる。
【0023】
また、上記発明の一実施形態として、2つの前記2色偏光フィルムのシート片積層ステップによって、前記液晶パネルの両面に2色偏光フィルムのシート片を積層した後、当該液晶パネルを光学的に検査する検査ステップをさらに含み、
反射偏光フィルムのシート片積層ステップは、前記検査ステップによる検査後に、前記液晶パネルの一方面に積層された2色偏光フィルムのシート片に、当該2色偏光フィルムのシート片の透過軸の方向と反射偏光フィルムのシート片の透過軸の方向とが同じになるように、当該反射偏光フィルムのシート片を貼り付ける。これによって、2色偏光フィルムを介して反射偏光フィルムを液晶パネルに積層する。
【0024】
この構成では、反射偏光フィルムを積層する前に、両面に2色偏光フィルを積層した液晶パネルを検査して、良品判定された液晶パネルに反射偏光フィルムを積層して、不良品判定された液晶パネルにそれを積層しなくてすむため、反射偏光フィルムの歩留まりを高められる。
【0025】
また、他の発明は、粘着剤を含む所定のフィルム幅の光学フィルムが積層されたキャリアフィルムを巻回してなる連続ロールから、当該キャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送手段と、当該キャリアフィルムを残して光学フィルムの長手方向と直交するフィルム幅方向に所定の切断間隔で当該光学フィルムを切断して光学フィルムのシート片を形成する切断手段と、液晶パネルを搬送する搬送手段と、前記液晶パネルを搬送しながら、前記キャリアフィルムから剥離された前記シート片を前記粘着剤を介して当該液晶パネル側に積層する貼付手段とを備える光学フィルムのシート片積層装置を2以上備え、当該2以上のシート片積層装置によって、2以上のシート片を、シート片ごとに順番に液晶パネル側に積層して液晶表示素子を形成する、液晶表示素子の製造システムであって、前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、次に積層されるシート片の4つの辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つの辺の内、積層状態で対応する辺より小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および前記切断手段における前記切断間隔が設定される。
【0026】
この構成では、貼りズレを考慮して、次(後)に積層される側のシート片の4つ辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つ辺の内、積層状態で対応する辺より小さくしていることで、順次積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。
【0027】
上記発明の一実施形態として、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該第1辺と直交し、前記切断間隔の長さに相当する辺を第2辺としたとき、先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第1辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第2辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、
前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、最初に積層されるシート片のフィルム幅が最も大きく、次以降に積層されるシート片のフィルム幅が順次小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および
前記最初に積層されるシート片の前記切断間隔が最も大きく、次以降に積層されるシート片の切断間隔が順次小さくなるように、前記シート片積層装置の切断手段が前記光学フィルムを切断してシート片を形成する。
【0028】
この構成では、液晶パネルに最初に積層されるシート片のフィルム幅および切断間隔(幅方向と直交する方向の長さ)を最も大きいものとし、2枚目以後のシート片のそれらを順次小さくすることで、2枚目以後のシート片がそれよりも前に積層されているシート片からはみ出して積層されることがなく、積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。
【0029】
また、上記発明の一実施形態として、2以上の前記シート片積層装置の切断手段およびキャリアフィルム搬送手段を制御する制御部を有していてもよい。制御部は、全ての切断手段およびキャリアフィルム搬送手段を制御して、最初に積層されるシート片の切断間隔が最も大きく、次以降に積層されるシート片の切断間隔が順次小さくなるようにする。
【0030】
各シート片積層装置の機械等誤差によって生じる貼りズレ量を予め測定しておき、貼りズレ量より小さくなるようにシート片のフィルム幅および切断間隔を設定することが好ましい。これら切断間隔は、制御部のメモリに予め記憶されており、この切断間隔で切断するように、制御部は、キャリアフィルムの送り量および切断手段を制御する。送り量は、例えば、キャリアフィルム搬送手段の一部を構成するフィードローラ等の回転量を測定するエンコーダの検出によって測定してもよい。
【0031】
また、上記発明の一実施形態として、前記貼付手段によってシート片が積層された液晶パネルを、次の貼付手段によって次のシート片を積層する前に、当該液晶パネルの搬送方向に対し90°水平回転させる水平回転部をさらに有し、
前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該第1辺と直交し、前記切断間隔の長さに相当する辺を前記第2辺としたとき、前記水平回転部による回転の前に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、前記次のシート片の第2辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第1辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、
前記次のシート片の前記第1辺が、前記直前のシート片の前記第2辺よりも小さくなるように、当該次のシート片を形成するための前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅が設定され、および、
前記次のシート片の前記第2辺が、前記直前のシート片の前記第1辺よりも小さくなるように、前記切断間隔が設定され、当該切断間隔に基づいて、前記切断手段が前記光学フィルムを切断し前記次のシート片を形成する。
【0032】
この構成では、
図6,7に示すように、直前のシート片の貼付処理後に、搬送方向Dに対し液晶パネルを90°水平回転させ、次のシート片を貼付処理する。次のシート片のフィルム幅(第1辺)が、直前のシート片の切断間隔(第2辺)よりも小さく、かつ、次のシート片の切断間隔(第2辺)が、直前のシート片のフィルム幅(第1辺)よりも小さくなっているので、次のシート片のはみ出しがなく、積層されるシート片間の粘着剤のはみ出し(露出)も生じないものとなる。
【0033】
上記発明の一実施形態として、2枚目以後のシート片を積層するための前記シート片積層装置の貼付手段は、1枚目のシート片のフィルム幅方向中心軸ラインと当該フィルム幅方向と直交する方向の中心軸ラインとの交差ラインと、2枚目以後のシート片のフィルム幅方向中心軸ラインと当該フィルム幅方向と直交する方向の中心軸ラインとの交差ラインとが一致するように当該シート片を積層することが好ましい。この構成によって、シート片同士の交差ラインが一致または実質的に一致するようにシート片同士を積層できるので、次に積層されるシート片が直前に積層されたシート片からはみ出すことがない。
【0034】
貼付手段は、上記のパネル基準のアライメント方式、シート片基準のアライメント方式のいずれも適用して、シート片を貼り付けることができる。
【0035】
また、上記発明の一実施形態として、前記2以上のシート片積層装置を連続製造ラインに配置してある。これによって、液晶パネルに光学フィルムのシート片を順次積層してなる液晶表示素子を連続的に製造できるため、生産性を向上できる。また、別実施形態として、2つシート片積層装置を連続製造ラインに配置し、これとは別の1以上のシート片積層装置を別の(連続)製造ラインに配置してあってもよい。
【0036】
また、上記発明の一実施形態として、前記光学フィルムの一つが2色偏光フィルムであり、他の光学フィルムの一つが反射偏光フィルムであって、
2色偏光フィルムのシート片積層装置が、前記2色偏光フィルムのシート片を前記液晶パネルに積層し、
反射偏光フィルムのシート片積層装置が、前記2色偏光フィルムのシート片の透過軸と、前記反射偏光フィルムのシート片の透過軸とが同じ方向になるように、当該反射偏光フィルムのシート片を当該2色偏光フィルムのシート片に貼り付けることで、当該反射偏光フィルムのシート片を前記液晶パネルに積層する。この構成において、前記反射偏光フィルムおよび当該反射偏光フィルムが貼り付けされる前記2色偏光フィルムは、フィルム幅方向と直交する長手方向に透過軸を有することが好ましい。
【0037】
これによって、長手方向(MD方向)に透過軸を、フィルム幅方向に吸収軸を有する2色偏光フィルムを使用できる。2色偏光フィルムおよび反射偏光フィルムの透過軸がそれらの長手方向(MD方向)に有するため、2色偏光フィルム、反射偏光フィルム、液晶パネルの搬送方向を同じ方向にできるため、回転機構等の複雑な機構を採用することなく製造ラインを直線ラインにできる。
【0038】
また、上記発明の一実施形態として、2つの前記2色偏光フィルムのシート片積層装置で、前記液晶パネルの両面に2色偏光フィルムのシート片を積層した後、当該液晶パネルを光学的に検査する検査装置をさらに有し、
前記反射偏光フィルムのシート片積層装置は、前記検査装置による検査後に、前記液晶パネルの一方面に積層された2色偏光フィルムのシート片に、当該2色偏光フィルムのシート片の透過軸の方向と反射偏光フィルムのシート片の透過軸の方向とが同じになるように、当該反射偏光フィルムのシート片を貼り付ける。これによって、2色偏光フィルムを介して反射偏光フィルムを液晶パネルに積層する。
【0039】
この構成では、反射偏光フィルムを積層する前に、両面に2色偏光フィルを積層した液晶パネルを検査して、良品判定された液晶パネルに反射偏光フィルムを積層して、不良品判定された液晶パネルにそれを積層しなくてすむため、反射偏光フィルムの歩留まりを高められる。
【0040】
また、他の本発明は、粘着剤を含む所定のフィルム幅の光学フィルムのシート片が互いに隣り合って複数積層されたキャリアフィルムを巻回してなる連続ロールから、当該キャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送サブステップと、液晶パネルを搬送する搬送サブステップと、前記液晶パネルを搬送しながら、前記キャリアフィルムから剥離された前記シート片を前記粘着剤を介して当該液晶パネル側に積層する貼付サブステップとを含む光学フィルムのシート片積層ステップを2以上含み、当該2以上のシート片積層ステップによって、2以上のシート片を、シート片ごとに順番に液晶パネル側に積層して液晶表示素子を形成する、液晶表示素子の製造方法であって、前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、次に積層されるシート片の4つの辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つの辺の内、積層状態で対応する辺より小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが設定される。これによって、いわゆる切り目入り連続ロールを用いることができるため、上述のような切断サブステップを省略できる。
【0041】
上記発明の一実施形態として、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該当該フィルム幅と直交する方向の長さに相当する辺を第2辺としたとき、先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第1辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第2辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、最初に積層されるシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが最も大きく、次以降に積層されるシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが順次小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが設定される。
【0042】
上記発明の一実施形態として、前記貼付サブステップによってシート片が積層された液晶パネルを、次の貼付サブステップによって次のシート片を積層する前に、当該液晶パネルの搬送方向に対し90°水平回転させる水平回転工程をさらに含み、
前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該フィルム幅と直交する方向の長さに相当する辺を前記第2辺としたとき、前記水平回転工程の前に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、前記次のシート片の第2辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第1辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、前記次のシート片の前記第1辺が、前記直前のシート片の前記第2辺よりも小さくなるように、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅が設定され、および、前記次のシート片の前記第2辺が、前記直前のシート片の前記第1辺よりも小さくなるように、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅と直交する方向の長さが設定される。
【0043】
また、他の本発明は、粘着剤を含む所定のフィルム幅の光学フィルムのシート片が互いに隣り合って複数積層されたキャリアフィルムを巻回してなる連続ロールから、当該キャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送手段と、液晶パネルを搬送する搬送手段と、前記液晶パネルを搬送しながら、前記キャリアフィルムから剥離された前記シート片を前記粘着剤を介して当該液晶パネル側に積層する貼付手段とを備える光学フィルムのシート片積層装置を2以上備え、当該2以上のシート片積層装置によって、2以上のシート片を、シート片ごとに順番に液晶パネル側に積層して液晶表示素子を形成する、液晶表示素子の製造システムであって、前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、次に積層されるシート片の4つの辺のそれぞれが、直前に積層されたシート片の4つの辺の内、積層状態で対応する辺より小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが設定される。これによって、いわゆる切り目入り連続ロールを用いることができるため、上述のような切断サブステップを省略できる。
【0044】
上記発明の一実施形態として、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該当該フィルム幅と直交する方向の長さに相当する辺を第2辺としたとき、先に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、次に積層される次のシート片の前記第1辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第2辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、前記液晶パネルの一方面に積層される2以上のシート片において、最初に積層されるシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが最も大きく、次以降に積層されるシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが順次小さくなるように、前記2以上の連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅および当該フィルム幅と直交する方向の長さが設定される。
【0045】
上記発明の一実施形態として、前記貼付手段によってシート片が積層された液晶パネルを、次の貼付手段によって次のシート片を積層する前に、当該液晶パネルの搬送方向に対し90°水平回転させる水平回転部をさらに含み、前記シート片において、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのフィルム幅に相当する辺を第1辺とし、当該フィルム幅と直交する方向の長さに相当する辺を前記第2辺としたとき、前記水平回転部による回転の前に積層された直前のシート片の前記第1辺に対し、前記次のシート片の第2辺が対応し、当該直前のシート片の前記第2辺に対し、当該次のシート片の前記第1辺が対応するように、当該直前のシート片に当該次のシート片が積層され、前記次のシート片の前記第1辺が、前記直前のシート片の前記第2辺よりも小さくなるように、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅が設定され、および、前記次のシート片の前記第2辺が、前記直前のシート片の前記第1辺よりも小さくなるように、前記連続ロールに巻回されている光学フィルムのシート片のフィルム幅と直交する方向の長さが設定される。
【0046】
また、上記いずれかの製造方法の一実施形態として、前記シート片積層ステップは、光学フィルムを検査するフィルム検査サブステップをさらに含み、
前記切断サブステップは、フィルム検査サブステップの検査結果に応じて当該光学フィルムを切断することが好ましい。検査は、光学フィルムの欠点について検査することを意味する。また、検査結果に応じて光学フィルムを切断する場合に、欠点部分を避けて切断するように構成できる。欠点部分を不良品として所定サイズに切断し、液晶パネルに貼り合わせないように、例えば排除装置等で排除することが好ましい。
【0047】
また、上記の実施形態において、前記フィルム検査サブステップにおいて、前記光学フィルムから前記キャリアフィルムを剥離した状態で前記光学フィルムの検査を行い、検査後に、前記粘着剤を介してキャリアフィルムを前記光学フィルムに貼り合わせることが好ましい。これによって、キャリアフィルムに内在する位相差および、キャリアフィルムに付着または内在する異物やキズ等の欠点を考慮する必要がなく、光学フィルムの欠点検査を行なえる。
【0048】
また、上記の実施形態において、前記切断サブステップは、フィルム検査サブステップの検査結果、不良品判定された光学フィルムを所定サイズに切断し、不良品判定された光学フィルムのシート片を排除する排除サブステップをさらに有することが好ましい。欠点検査で不良品判定された場合に、光学フィルムの欠点部分を避けるように所定サイズに切断し(スキップカットと称することがある)、不良品判定された欠点を含むシート片は、例えば、公知の排除装置によって排除(除去)される。これにより、光学フィルムの歩留まりが大幅に向上する。