特許第5792704号(P5792704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792704電源装置と電源システム及びその通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792704
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】電源装置と電源システム及びその通信方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20150928BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20150928BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H02J13/00 311A
   H02J1/00 306K
   H02M3/00 H
   H02J13/00 301A
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-232896(P2012-232896)
(22)【出願日】2012年10月22日
(65)【公開番号】特開2014-87128(P2014-87128A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2014年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103208
【氏名又は名称】コーセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】堀井 一宏
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−157615(JP,A)
【文献】 特開昭60−069763(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/162405(WO,A1)
【文献】 特開2001−268938(JP,A)
【文献】 特表2005−524378(JP,A)
【文献】 特開平06−284704(JP,A)
【文献】 特開平04−289725(JP,A)
【文献】 特開2002−014749(JP,A)
【文献】 特開昭63−035141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J1/00−1/16、
13/00
H02M3/00−3/44、
7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧制御手段を有し、入力電圧を所定の出力電圧に変換して出力する電力変換部と、外部機器と双方向通信を行うと共に前記電力変換部の動作を監視又は制御する制御回路とを備えた電源装置において、
前記制御回路は、受信用のrx端子、送信用のtx端子及び信号グランド用のgn端子が設けられたUARTモジュールと、前記UARTモジュール及び前記電力変換部に接続され、メモリに記録されたプログラムを実行して各種の処理や演算を行うCPUと、前記rx端子と前記tx端子とを接続して引き出したINFラインを外部に接続可能にするINF端子と、前記gn端子を引き出したGNラインを外部に接続可能にするGN端子とを備え、
使用に際して、前記外部機器に前記INF端子及び前記GN端子が個別に連結され、前記外部機器と前記UARTモジュールとの間で、前記INFライン及び前記GNラインを通じて双方向通信が可能であり、
前記UARTモジュールは、前記外部機器から前記INFライン及び前記GNラインを通じて、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケットを受信し、前記INFライン及び前記GNラインを通じて、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケットを前記外部機器へ送信し、個々の前記通信フレーム内の通信情報には、アドレス情報とデータ情報とが含まれ、
前記制御回路は、自己のアドレスと一致しない前記アドレス情報を含む前記通信パケットを受信すると、その通信パケット内の前記データ情報を無視すると共に、前記UARTモジュールが前記tx端子及び前記gn端子を通じて前記通信パケットを送信している時、前記rx端子及び前記gn端子を通じて受信される前記通信パケット内の前記データ情報を無視することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記UARTモジュールの前記rx端子、前記tx端子及び前記gn端子は、絶縁回路を介して前記INFライン及び前記GNラインに引き出されている請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御回路には、信号入力端子であるI端子が前記rx端子に接続されたI/Oポートが設けられ、
前記CPUには第一及び第二基準時間が設定され、前記第二基準時間は前記INFライン及び前記GNラインを通じて受信される前記通信パケットに含まれる前記通信フレームの1つ当たりの通信時間よりも長い時間であり、
前記CPUは、前記I/Oポートを通じて前記rx端子の電圧を観測し、前記rx端子の電圧が前記第一基準時間を超えてデフォルトレベルを継続すると前記電力変換部の電力変換動作を開始させ、前記rx端子の電圧が前記第二基準時間を超えてアクティブレベルを継続すると、前記電力変換部電力変換動作を停止させる請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項4】
前記請求項1又は2記載の電源装置を1台以上と、当該電源装置が有する前記制御回路と同様の構成の前記UARTモジュール、INF端子及びGN端子を有する前記外部機器とで構成され、
前記外部機器の前記INF端子が、前記各電源装置の前記INF端子に連結され、前記外部機器の前記GN端子が、前記各電源装置の前記GN端子に連結され、
前記外部機器は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである命令パケットを送信し、その命令パケット内の前記各通信フレームには、命令対象である前記電源装置の前記制御回路を示す前記アドレス情報が含まれ、
前記各電源装置の前記制御回路は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである返信パケットを送信することができ、その返信パケット内の前記各通信フレームには、自己の前記アドレス情報が含まれ、
前記各制御回路は、受信した前記命令パケット内の前記アドレス情報が自己のアドレスと一致する場合には、前記命令パケット内のデータ情報に基づく所定の処理を行って、前記命令パケットに応答する前記返信パケットを送信し、一致しない場合には、前記命令パケット内のデータ情報を無視し、前記返信パケットを送信しないことを特徴とする電源システム。
【請求項5】
前記請求項記載の電源装置を1台以上と、当該電源装置が有する前記制御回路と同様の構成の前記UARTモジュール、INF端子及びGN端子を有する前記外部機器とで構成され、
前記外部機器の前記INF端子が、前記各電源装置の前記INF端子に連結され、前記外部機器の前記GN端子が、前記各電源装置の前記GN端子に連結され、
前記外部機器は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである命令パケットを送信し、その命令パケット内の前記各通信フレームには、命令対象である前記電源装置の前記制御回路を示す前記アドレス情報が含まれ、
前記各電源装置の前記制御回路は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである返信パケットを送信することができ、その返信パケット内の前記各通信フレームには、自己の前記アドレス情報が含まれ、
前記各制御回路は、受信した前記命令パケット内の前記アドレス情報が自己のアドレスと一致する場合には、前記命令パケット内のデータ情報に基づく所定の処理を行って、前記命令パケットに応答する前記返信パケットを送信し、一致しない場合には、前記命令パケット内のデータ情報を無視し、前記返信パケットを送信せず、
さらに、前記外部機器の前記INF端子と前記GN端子との間にスイッチが接続され、前記スイッチのオンオフを切り替えることによって、前記電源装置の前記電力変換部が電力変換動作を開始又は停止させることを特徴とする電源システム。
【請求項6】
前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ複数の前記通信フレームで構成され、前記複数の通信フレームうちの1つが有するデータ情報には、それぞれエラー検出情報が含まれ、
前記各制御回路は、自己のアドレスと一致する前記アドレス情報を含む前記命令パケットを受信すると、その命令パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その命令パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断し、
前記外部機器は、前記返信パケットを受信すると、その返信パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その返信パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断する請求項4又は5記載の電源システム。
【請求項7】
前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ5つの前記通信フレームで構成され、
前記命令パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(A)(B)(C)のパターンの中の何れかが適宜選択され、前記返信パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(D)のパターンが選択される請求項記載の電源システム。
(A)
A1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引き数情報とで成るデータ情報を有する通信フレーム
A3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(B)
B1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する通信フレーム
B3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(C)
C1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する前記通信フレーム
C3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C4:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C5:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(D)
D1:5ビットの識別子情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引数情報とで成る前記データ情報を有する通信フレーム
D3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
ただし、前記命令情報は、前記電源装置に対する命令の情報であり、前記引数情報は、前記電源装置の特性値を示す情報であり、前記識別子情報は、その返信パケット内の引数情報が何かを示す情報である。
【請求項8】
UARTモジュールをそれぞれ有した外部機器及び1つ以上の電源装置が設けられ、前記外部機器と前記電源装置との間で双方向通信を行う電源システムの通信方法において、
1回の通信は、前記外部機器が前記電源装置に向けて送信する命令パケットとその命令パケットに応答した前記電源装置が前記外部機器に向けて送信する返信パケットとが対になって成立し、
前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ複数の通信フレームで構成され、前記各通信フレーム内の通信情報には、前記電源装置に付与されたアドレスを示すアドレス情報とデータ情報とが含まれ、前記複数の通信フレームうちの1つが有するデータ情報には、それぞれエラー検出情報が含まれ、
前記電源装置は、自己のアドレスと一致する前記アドレス情報を含む前記命令パケットを受信すると、その命令パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その命令パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断し、
前記外部機器は、前記返信パケットを受信すると、その返信パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その返信パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断することを特徴とする電源システムの通信方法。
【請求項9】
前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ5つの前記通信フレームで構成され、
前記命令パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(A)(B)(C)のパターンの中の何れかが適宜選択され、前記返信パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(D)のパターンが選択される請求項記載の電源システムの通信方法。
(A)
A1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引き数情報とで成るデータ情報を有する通信フレーム
A3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(B)
B1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する通信フレーム
B3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(C)
C1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する前記通信フレーム
C3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C4:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C5:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(D)
D1:5ビットの識別子情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引数情報とで成る前記データ情報を有する通信フレーム
D3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
ただし、前記命令情報は、前記電源装置に対する命令の情報であり、前記引数情報は、前記電源装置の特性値を示す情報であり、前記識別子情報は、その返信パケット内の引数情報が何かを示す情報である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部機器と通信を行う機能を備えた電源装置とそれを用いた電源システム、及び電源システムの通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチングコンバータ等の電源装置は、電力変換部内に主スイッチング素子のオン時間及びオフ時間を制御する出力電圧制御手段を備えている。従来から、この種の出力電圧制御手段をマイクロコントローラやDSP等のデジタルプロセッサを用いて構成することによって、出力電圧の制御特性の調整・設定の変更を容易に行うことができるインテリジェント性の高い電源装置が実用化されている。
【0003】
さらに近年、電源装置に外部機器との通信を可能にするための制御回路が上記のデジタルプロセッサ内に併設され、外部機器と制御回路との間で双方向通信を行い、外部機器の側から電力変換部の動作を監視又は制御することを可能にした電源装置や、それを用いた電源システムが実用化されつつある。
【0004】
電源システムに用いられる通信方式は、代表的なものとして、UART方式(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、I2C方式(Inter Integrated
Circuit)が挙げられる。この2つの通信方式の場合、各方式用の通信モジュールが標準搭載されているデジタルプロセッサが多く市販されていることから、比較的採用しやすい方式といえる。また、I2C方式は、PMBus(Power Management Bus)と呼ばれるスイッチング電源制御用の通信方式にも採用されている。
【0005】
ここで、上記の2つの通信方式を使用した従来の電源システムを説明するため、モデルケースとして、電源装置2台に外部機器1台を連結し、外部機器が各電源装置の制御回路と通信を行って、各電源装置の電力変換部の動作を監視又は制御するシステムを考える。
【0006】
まず、UART方式を用いた従来の電源システム10の場合、図16に示すように、電源装置12(1),12(2)に、それぞれ、UART方式の通信回路モジュールであるUARTモジュール14(1),14(2)を備えた制御回路16(1),16(2)が設けられる。電源装置12(1)のUARTモジュール14(1)は、送信用のtx(1)端子、受信用のrx(1)端子、グランド端子であるgn(1)端子を有している。tx(1)端子、rx(1)端子を引き出した各ラインには、それぞれ外部に接続可能にするTX(1)端子、RX(1)端子が設けられ、gn(1)端子を引き出したラインには、外部に接続可能にするGNt(1)端子及びGNr(1)端子が設けられている。電源装置12(2)も同様に、UARTモジュール14(2)がtx(2)端子、rx(2)端子、gn(2)端子を有し、各端子を引き出したラインに、それぞれ外部に接続可能にするTX(2)端子、RX(2)端子、GNt(2)端子、GNr(2)端子が設けられている。
【0007】
相手方の外部機器18には、UARTモジュール20が設けられる。UARTモジュール20は、独立した2チャンネルの通信を可能にするため、第一のチャンネルとしてtx1(0),rx1(0)端子を有し、第二のチャンネルとしてtx2(0),rx2(0)端子を有し、グランド端子であるgn(0)端子を有している。そして、上記電源装置12(1),12(2)の場合と同様に、tx1(0)端子、rx1(0)端子、tx2(0)端子、rx2(0)端子、gn(0)端子を引き出したラインに、それぞれ外部に接続可能にするTX1(0)端子、RX1(0)端子、TX2(0)端子、RX2(0)端子、GNt1(0)端子、GNr1(0)端子GNt2(0)端子、GNr2(0)端子が設けられている。
【0008】
電源装置12(1),12(2)と外部機器18の配線は、次のように行われる。外部機器18の送信用端子であるTX1(0)端子、TX2(0)端子は、電源装置12(1),12(2)の受信用端子であるRX(1)端子、RX(2)端子にそれぞれ連結される。外部機器18の受信用端子であるRX1(0)端子、RX2(0)端子は、電源装置12(1),12(2)の送信用端子であるTX(1)端子、TX(2)端子にそれぞれ連結される。そして、外部機器18のグランド端子であるGNt1(0)端子、GNt2(0)端子、GNr1(0)端子、GNr2(0)端子は、電源装置12(1),12(2)のグランド端子であるGNr(1)端子、GNr(2)端子、GNt(1)端子,GNt(2)端子にそれぞれ連結される。
【0009】
この種の通信線は高周波の信号が通過するので、通信線間の容量結合による相互干渉や外来ノイズの影響を受けやすい等の問題がある。そのため、特に通信線が長くなるときは、図16に示すように、信号線(TX1(0)とRX(1)とを結ぶライン、RX1(0)とTX(1)とを結ぶライン等)に対して、個別にグランド線(GNt1(0)とGNr(1)とを結ぶライン、GNr1(0)とGNt(1)とを結ぶライン等)を沿わせたり、ツイストさせたりして配線されるのが一般的である。この点は、後述するI2C方式の電源システム24の場合も同様である。
【0010】
電源装置12(1),12(2)と外部機器18との間の通信は、図17に示すように、例えば、Startビット、通信情報(例えば8bit)、Parityビット及びStopビットで構成された通信フレームを互いに送受信することによって行われる。UART方式を用いた従来の電源システム10の場合、外部機器18のUARTモジュール20が独立した2つのチャンネルを有し、2つの制御回路16(1),16(2)との間で個別に1対1の通信を行い、電力変換部22(1),22(2)の監視等を行う。通常のUART方式の通信は、通信の相手方を識別するためのアドレス情報を持っていないため、上記のように、1つのチャンネルに1つの電源装置を接続して用いることになる。
【0011】
一方、I2C方式を用いた従来の電源システム24の場合、図18に示すように、電源装置26(1),26(2)に、それぞれ、I2C方式の通信回路モジュールであるI2Cモジュール28(1),28(2)を備えた制御回路30(1),30(2)が設けられる。電源装置26(1)のI2Cモジュール28(1)は、クロック信号を伝送するscl(1)端子、クロック信号に同期してデータ信号を伝送するsda(1)端子、グランド端子であるgn(1)端子を有している。scl(1)端子、sda(1)端子を引き出した各ラインには、それぞれ外部に接続可能にするSCL(1)端子、SDA(1)端子が設けられ、gn(1)端子を引き出したラインには、外部に接続可能にするGNc(1)端子及びGNd(1)端子が設けられている。電源装置26(2)も、上記と同様に、I2Cモジュール28(2)がscl(2)端子、sda(2)端子、gn(2)端子を有し、該各端子を引き出したラインに、それぞれ外部に接続可能にするSCL(2)端子、SDA(2)端子、GNc(2)端子、GNd(2)端子が設けられている。
【0012】
相手方の外部機器32には、上記のI2Cモジュール28(1),28(2)と同様の構成のI2Cモジュール28(0)が設けられる。外部機器32も同様に、I2Cモジュール28(0)がscl(0)端子、sda(0)端子、gn(0)端子を有し、各端子を引き出したラインに、それぞれ外部に接続可能にするSCL(0)端子、SDA(0)端子、GNc(0)端子、GNd(0)端子が設けられている。
【0013】
電源装置26(1),26(2)と外部機器32の配線は、次のように行われる。外部機器32のSCL(0)端子は、電源装置26(1),26(2)のSCL(1)端子、SCL(2)端子にそれぞれ連結され、外部機器32のSDA(0)端子は、電源装置26(1),26(2)のSDA(1)端子、SDA(2)端子にそれぞれ連結される。そして、外部機器32のグランド端子であるGNc(0)端子は、電源装置26(1),26(2)のGNc(1)端子、GNc(2)端子にそれぞれ連結され、外部機器32のGNd(0)端子は、電源装置26(1),26(2)のGNd(1)端子、GNd(2)端子にそれぞれ連結される。
【0014】
I2C方式は、1台の外部機器32と2台の電源装置26(1),26(2)とが共通のSCLラインおよびSDAラインで連結され、1対2の双方向通信を行う。従って、あらかじめ制御回路30(1),30(2)に対して(又は、電源装置26(1),26(2)に対して)、識別用のアドレスを付与しておき、SDAラインを通じて送受信される通信パケットに、通信の相手方を特定するためのアドレス情報を持たせる。
【0015】
I2C方式の一種であるPMBus方式で使用される通信パケットのフォーマットの一例を、図19に基づいて説明する。外部機器32は、特定の1台の電源装置26(相手方)に対する命令等の通信を、3つの通信フレームで構成された通信パケットの単位で行う。以下、命令等の対象が電源装置26(1)の制御回路30(1)であるとして説明する。
【0016】
外部機器32は、Startコンディションを発生させた後、まず、命令等の対象である制御回路30を特定するアドレス情報(7bit)と、この通信パケットが外部機器32から電源装置26へデータ情報を送信する通信パケットであることを示すW(Write)ビットとで構成された通信フレームK1を送信する。制御回路30(1)は、受信した通信フレームK1が持つアドレス情報が自己のアドレスと一致するので、「通信フレームK1を受信した」旨を示すAck(Acknowledge)ビットを外部機器32に向けて返信する。このとき、制御回路30(2)は、受信した通信フレームK1が持つアドレス情報が自己のアドレスと一致しないので、Ackビットを返信せず、次にStopコンディションを受信するまでの間、受信される通信フレームを無視する。
【0017】
1回目のAckビットを受信した外部機器32は、制御回路30(1)に対する命令等であるデータ情報の一部(8bit)で構成された通信フレームK2を送信する。制御回路30(1)は、通信フレームK2を受信すると、「通信フレームK2を受信した」旨を示すAckビットを外部機器32に向けて返信する。2回目のAckビットを受信した外部機器32は、制御回路30(1)に対する命令等であるデータ情報の残りの部分(8bit)で構成された通信フレームK3を送信する。制御回路30(1)は、通信フレームK3を受信すると、「通信フレームK3を受信した」旨を示すAckビットを外部機器32に向けて返信する。そして、3回目のAckビットを受信した外部機器32は、Stopコンディションを発生させ、通信を終了する。
【0018】
従来の電源システム24の場合、通信パケットを構成する複数の通信フレームのうちの1つにアドレス情報を持たせることにより、通信の相手方を識別する。これによって、外部機器32が、各電源装置26(1),26(2)の制御回路30(1),30(2)との間で1対多の通信が可能になり、電源装置26(1),26(2)の電力変換部34(1),34(2)に対して個別に監視等を行うことができる。
【0019】
また、特許文献1に開示されている発明は、上記のI2C方式で通信を行う電源装置とそれを用いて構成された電源システムであり、電源装置(スレーブ)のアドレス設定方法を改善することによって、外部機器(マスタ制御装置)と電源装置とを連結する配線や引き回しを容易にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2006−94621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従来のUART方式を用いた電源システム10の場合、外部機器のUARTモジュールの1チャンネルと各電源装置のUARTモジュールとの間で1対1の通信を行うため、電源システム内の電源装置の台数が増えると、通信に必要な通信線の本数が比例的に増加する。1台の外部機器18に2台の電源装置12(1),12(2)を連結する場合、図16に示すように、通信線の数が1台当たり4本なので合計8本となり、電源装置12が3台、4台、・・・になると、通信線が12本、16本、・・・というふうに比例的に増加する。従って、1台の外部機器18に多数台の電源装置12を連結して電源システムを構成する場合、通信線の配線が非常に煩雑になるという問題があった。
【0022】
また、電源装置12用のUARTモジュール14については、汎用のマイクロコントローラに搭載された標準的なものが使用できるが、外部機器18用のUARTモジュール20については、多チャンネルを備えた特殊なものを使用しなければならず、非常に高価であり入手性の面でも問題があった。
【0023】
また、従来のI2C方式を用いた電源システム22の場合、電源装置の台数が増えたとしても、通信線の数の増加については上記の電源システム10ほどではない。しかし、信号線等へのノイズの混入等に対する通信の信頼性が低いという問題がある。例えば、図19のフォーマットにおいて、通信フレームK1のアドレス情報にノイズが混入すると、命令等の対象でない電源装置26(2)が誤って、通信フレームK2,K3のデータ情報に基づく処理を行ってしまう。しかも、外部機器32と電源装置26は、いずれも通信エラーを検出することができない(電源装置26から外部機器32への返信はAckビットのみであるため、間違った電源装置が通信パケットを受信していることを外部機器32が検出することができない)ので、命令等の対象でない電源装置26(2)が誤って処理を行うのを防止することができない。例えば、電源装置26(1),26(2)の起動や停止を制御するための通信を行っているときに上記の通信エラーが発生すると、各電源装置12の負荷である電子機器が異常動作して故障したり、重大な事故を引き起こしたりするおそれがある。
【0024】
さらに、I2Cモジュール28は、UARTモジュールに比べて高機能の通信モジュールであるため、高価なデジタルプロセッサにしか搭載されていないことが多く、コストの増加を招いていた。
【0025】
他方、特許文献1の発明に係る電源装置及び電源システムはI2C方式で通信を行うので、従来の電源システム24と同様に、通信線の配線の手間の問題、通信の信頼性の問題、通信モジュールのコストの問題などがあった。
【0026】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、安価なUARTモジュールを使用し、信頼性の高い通信を行うことが可能な電源装置とそれを用いた電源システム、及び電源システムの通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1記載の発明は、出力電圧制御手段を有し、入力電圧を所定の出力電圧に変換して出力する電力変換部と、外部機器と双方向通信を行うと共に前記電力変換部の動作を監視又は制御する制御回路とを備えた電源装置であって、前記制御回路は、受信用のrx端子、送信用のtx端子及び信号グランド用のgn端子が設けられたUARTモジュールと、前記UARTモジュール及び前記電力変換部に接続され、メモリに記録されたプログラムを実行して各種の処理や演算を行うCPUと、前記rx端子と前記tx端子とを接続して引き出したINFラインを外部に接続可能にするINF端子と、前記gn端子を引き出したGNラインを外部に接続可能にするGN端子とを備え、使用に際して、前記外部機器に前記INF端子及び前記GN端子が個別に連結され、前記外部機器と前記UARTモジュールとの間で、前記INFライン及び前記GNラインを通じて双方向通信が可能であり、前記UARTモジュールは、前記外部機器から前記INFライン及び前記GNラインを通じて、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケットを受信し、前記INFライン及び前記GNラインを通じて、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケットを前記外部機器へ送信し、個々の前記通信フレーム内の通信情報には、アドレス情報とデータ情報とが含まれ、前記制御回路は、自己のアドレスと一致しない前記アドレス情報を含む前記通信パケットを受信すると、その通信パケット内の前記データ情報を無視すると共に、前記UARTモジュールが前記tx端子及び前記gn端子を通じて前記通信パケットを送信している時、前記rx端子及び前記gn端子を通じて受信される前記通信パケット内の前記データ情報を無視する電源装置である。
【0028】
前記UARTモジュールの前記rx端子、前記tx端子及び前記gn端子は、絶縁回路を介して前記INFライン及び前記GNラインに引き出されていてもよい(請求項記載の発明)。
【0029】
さらに、前記制御回路には、入力端子であるI端子が前記rx端子に接続されたI/Oポートが設けられ、前記CPUには第一及び第二基準時間が設定され、前記第二基準時間は前記INFライン及び前記GNラインを通じて受信される前記通信パケットに含まれる前記通信フレームの1つ当たりの通信時間よりも長い時間であり、前記CPUは、前記I/Oポートを通じて前記rx端子の電圧を観測し、前記rx端子の電圧が前記第一基準時間を超えてデフォルトレベルを継続すると前記電力変換部の電力変換動作を開始させ、前記rx端子の電圧が前記第二基準時間を超えてアクティブレベルを継続すると、前記電力変換部の電力変換動作を停止させるものである(請求項記載の発明)。
【0030】
請求項4記載の発明は、前記請求項1又は2記載の電源装置を1台以上と、当該電源装置が有する前記制御回路と同様の構成の前記UARTモジュール、INF端子及びGN端子を有する前記外部機器とで構成され、前記外部機器の前記INF端子が、前記各電源装置の前記INF端子に連結され、前記外部機器の前記GN端子が、前記各電源装置の前記GN端子に連結され、前記外部機器は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである命令パケットを送信し、その命令パケット内の前記各通信フレームには、命令対象である前記電源装置の前記制御回路を示す前記アドレス情報が含まれ、前記各電源装置の前記制御回路は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである返信パケットを送信することができ、その返信パケット内の前記各通信フレームには、自己の前記アドレス情報が含まれ、前記各制御回路は、受信した前記命令パケット内の前記アドレス情報が自己のアドレスと一致する場合には、前記命令パケット内のデータ情報に基づく所定の処理を行って、前記命令パケットに応答する前記返信パケットを送信し、一致しない場合には、前記命令パケット内のデータ情報を無視し、前記返信パケットを送信しない電源システムである。
【0031】
請求項記載の発明は、前記請求項記載の電源装置を1台以上と、当該電源装置が有する前記制御回路と同様の構成の前記UARTモジュール、INF端子及びGN端子を有する前記外部機器とで構成され、前記外部機器の前記INF端子が、前記各電源装置の前記INF端子に連結され、前記外部機器の前記GN端子が、前記各電源装置の前記GN端子に連結され、前記外部機器は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである命令パケットを送信し、その命令パケット内の前記各通信フレームには、命令対象である前記電源装置の前記制御回路を示す前記アドレス情報が含まれ、前記各電源装置の前記制御回路は、自己の前記INF端子及び前記GN端子を通じて、前記通信パケットである返信パケットを送信することができ、その返信パケット内の前記各通信フレームには、自己の前記アドレス情報が含まれ、前記各制御回路は、受信した前記命令パケット内の前記アドレス情報が自己のアドレスと一致する場合には、前記命令パケット内のデータ情報に基づく所定の処理を行って、前記命令パケットに応答する前記返信パケットを送信し、一致しない場合には、前記命令パケット内のデータ情報を無視し、前記返信パケットを送信せず、さらに、前記外部機器の前記INF端子と前記GN端子との間にスイッチが接続され、前記スイッチのオンオフを切り替えることによって、前記電源装置の前記電力変換部が電力変換動作を開始又は停止させる電源システムである。
【0032】
上記の請求項4又は5記載の発明において、前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ複数の前記通信フレームで構成され、前記複数の通信フレームうちの1つが有するデータ情報には、それぞれエラー検出情報が含まれ、前記各制御回路は、自己のアドレスと一致する前記アドレス情報を含む前記命令パケットを受信すると、その命令パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その命令パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断し、前記外部機器は、前記返信パケットを受信すると、その返信パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その返信パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断する(請求項記載の発明)。
【0033】
請求項記載の発明において、前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ5つの前記通信フレームで構成され、前記命令パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(A)(B)(C)のパターンの中の何れかが適宜選択され、前記返信パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(D)のパターンが選択される。
(A)
A1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引き数情報とで成るデータ情報を有する通信フレーム
A3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(B)
B1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する通信フレーム
B3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(C)
C1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する前記通信フレーム
C3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C4:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C5:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(D)
D1:5ビットの識別子情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引数情報とで成る前記データ情報を有する通信フレーム
D3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
ただし、前記命令情報は、前記電源装置に対する命令の情報であり、前記引数情報は、前記電源装置の特性値を示す情報であり、前記識別子情報は、その返信パケット内の引数情報が何かを示す情報である(請求項記載の発明)。
【0034】
請求項記載の発明は、UARTモジュールをそれぞれ有した外部機器及び1つ以上の電源装置が設けられ、前記外部機器と前記電源装置との間で双方向通信を行う電源システムの通信方法であって、1回の通信は、前記外部機器が前記電源装置に向けて送信する命令パケットとその命令パケットに応答した前記電源装置が前記外部機器に向けて送信する返信パケットとが対になって成立し、前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ複数の通信フレームで構成され、前記各通信フレーム内の通信情報には、前記電源装置に付与されたアドレスを示すアドレス情報とデータ情報とが含まれ、前記複数の通信フレームうちの1つが有するデータ情報には、それぞれエラー検出情報が含まれ、前記電源装置は、自己のアドレスと一致する前記アドレス情報を含む前記命令パケットを受信すると、その命令パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その命令パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断し、前記外部機器は、前記返信パケットを受信すると、その返信パケット内の前記エラー検出情報を照合することによって、その返信パケットに通信エラーが発生しているか否かを判断する電源システムの通信方法である。
【0035】
さらに、前記命令パケット及び前記返信パケットは、それぞれ5つの前記通信フレームで構成され、前記命令パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(A)(B)(C)のパターンの中の何れかが適宜選択され、前記返信パケット内の通信フレームの組み合わせは、次の(D)のパターンが選択される。
(A)
A1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引き数情報とで成るデータ情報を有する通信フレーム
A3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
A5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(B)
B1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する通信フレーム
B3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
B5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(C)
C1:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C2:4ビットの前記エラー検出情報を含む前記データ情報を有する前記通信フレーム
C3:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C4:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
C5:5ビットの命令情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
(D)
D1:5ビットの識別子情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D2:4ビットの前記エラー検出情報と1ビットの引数情報とで成る前記データ情報を有する通信フレーム
D3:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D4:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
D5:5ビットの引数情報で成る前記データ情報を有する前記通信フレーム
ただし、前記命令情報は、前記電源装置に対する命令の情報であり、前記引数情報は、前記電源装置の特性値を示す情報であり、前記識別子情報は、その返信パケット内の引数情報が何かを示す情報である(請求項記載の発明)。
【発明の効果】
【0036】
この発明の電源装置は、安価な汎用デジタルプロセッサを使用して容易に実現することができる。また、INF端子を設けることにより、外部に接続可能にする通信用の端子の数を減らすことができ、端子ピン又は端子台を設けるスペースを最小限に抑えることができる。さらに、制御回路内に所定のI/Oポートを設けることにより、電力変換部の動作開始・停止の制御を容易に行うことが可能になる。また、所定の絶縁回路を設けることにより、外部機器との間の通信線に混入するノイズの影響を小さく抑えることができる。
【0037】
この発明の電源システムは、外部機器と電源装置との間の信号線の数が少ないので、配線の手間が軽減される。
【0038】
また、この発明の電源システム及び電源システムの通信方法は、送受信される各通信フレームにアドレス情報を持たせてあるので、通信フレームごとにアドレス情報をチェックすることができる。しかも、1回の通信が、命令パケットとそれに応答する返信パケットとが対になって成立し、命令する側と命令される側の双方でアドレス情報のチェック行い、正しい相手と通信が行われているか否かを確認することができる。したがって、従来I2C方式と比較して、通信エラーの検出の確実性が高くなり、通信エラーが検出された場合の処置も的確に行うことができるので、電源システムの誤動作を回避できる。また、命令パケット及び返信パケットに、エラー検出情報を持った通信フレームを設けることによって、データ情報のチェックも可能になり、通信エラーの検出の確実性をさらに高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1RX端子及びTX端子を備えた電源装置をn台使用した電源システムの一例を示す回路図である。
図2図1電源システムに使用した外部機器及びn個の制御回路の内部構成と接続を示すブロック図である。
図3図2のUARTモジュールが送受信する通信フレームのフォーマットの例を説明する図である。
図4図3の通信フレームのフォーマットの変形例であって、外部機器から送信される命令パケットAを説明する図である。
図5図3の通信フレームのフォーマットの変形例であって、外部機器から送信される命令パケットBを説明する図である。
図6図3の通信フレームのフォーマットの変形例であって、外部機器から送信される命令パケットCを説明する図である。
図7図3の通信フレームのフォーマットの変形例であって、電源装置から送信される返信パケットDを説明する図である。
図8図2の外部機器及び制御回路に絶縁回路を設けた場合のブロック(a)、絶縁回路の内部構成を示す回路図(b)である。
図9】この発明の第実施形態の電源装置をn台使用した電源システムを示す回路図である。
図10】第実施形態の電源システムに使用した外部機器及びn個の制御回路の内部構成と接続を示すブロック図である。
図11図10の外部機器及び制御回路に絶縁回路を設けた場合のブロック(a)、絶縁回路の内部構成を示す回路図(b)である。
図12】この発明の第二実施形態の電源装置をn台使用した電源システムを示す回路図である。
図13】第二実施形態の電源システムに使用した外部機器及びn個の制御回路の内部構成と接続を示すブロック図である。
図14】第実施形態の電源システムのスイッチのオンオフが切り替わったときの動作の変化を説明するタイムチャート(a),(b)である。
図15図13の外部機器及び制御回路に絶縁回路を設けた場合のブロック(a)、絶縁回路の内部構成を示す回路図(b)である。
図16】UART方式を用いた従来の電源システムを示すブロック図である。
図17】UART方式の通信フレームを説明する図である。
図18】I2C方式を用いた従来の電源システムを示すブロック図である。
図19】I2C方式の通信パケットおよび通信フレームを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、RX端子及びTX端子を備えた電源装置とそれを用いた電源システム、及び電源システムの通信方法の一例について、図1図8に基づいて説明する。この電源システム40は、図1に示すように、1つの入力電源42から電力の供給を受け、n台の負荷44に対して所定の電圧及び電流を出力するシステムであり、この中に、RX端子及びTX端子を備えた電源装置46がn台と、それらを監視又は制御するためのパーソナルコンピュータ等の外部機器48が1台使用されている。以下、必要に応じて、n台の電源装置を46(1),・・,46(k),・・,46(n)の符号を付して表わし、その他の関係する各構成についても符号の末尾に電源装置の台数番号である(1),・・,(k),・・,(n)を付して表わす。
【0041】
電源装置46は、電力変換部50及び制御回路52を備えている。電力変換部50は、例えば、入力電源42から交流又は直流電圧がIN端子に入力され、直流の出力電圧に変換し、OUT端子に接続された負荷44に電力を供給する電源回路(例えば、スイッチングコンバータ)であり、汎用デジタルプロセッサで構成された図示しない出力電圧制御手段により制御されている。制御回路52は、外部機器48と通信を行って、電力変換部50の動作を監視又は制御するものである。
【0042】
制御回路52は、図2に示すように、UARTモジュール54、CPU56、及びその他の図示しない回路網で構成され、それらの多くの部分が上記のデジタルプロセッサ内に設けられ、その他の部分がデジタルプロセッサの外部に個別回路素子を接続することによって設けられている。
【0043】
UARTモジュール54は、UART方式の通信を行うモジュールであり、受信用のrx端子と送信用のtx端子とを備えている。rx端子はハイインピーダンスの入力段を有しており、tx端子の出力段は、デフォルトレベルがハイレベル、アクティブレベルがローレベルである。gn端子は、UARTモジュール54のグランド端子である。さらに、rx端子を引き出したRXラインには、外部に接続可能にするためのRX端子が設けられ、同様に、tx端子を引き出したTXラインにはTX端子が設けられ、gn端子を引き出したGNラインにはGNr,GNt端子が設けられている。
【0044】
CPU56は、UARTモジュール54及び電力変換部50に接続され、図示しないメモリに記録されたプログラムを実行して各種の処理や演算を行う。メモリには、各電源装置46(1)〜46(n)又は各制御回路52(1)〜52(n)を識別するために付与されたアドレスも記録されている。
【0045】
外部機器48は、図2に示すように、電源装置46が有する制御回路52と同様の構成を備えている。以下、外部機器48の各構成は、必要に応じて符号の末尾に(0)を付し、それぞれUARTモジュール54(0)、CPU56(0)、rx(0)端子、tx(0)端子、gn(0)端子、RX(0)端子、TX(0)端子、GNr(0)端子、GNt(0)端子と表する。ただし、外部機器48は1台なので、外部機器48には識別用のアドレスが付与されていない。
【0046】
電源システム40は、上述したn台の電源装置46(1)〜46(n)及び外部機器48で構成され、図1に示すように、電力変換部50(1)〜50(n)から引き出されたIN(1)〜IN(n)端子が入力電源42の両端に接続され、OUT(1)〜OUT(N)端子にそれぞれ負荷44(1)〜44(n)が接続されている。制御回路52(1)〜52(n)は、RX(1)〜RX(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器48のTX(0)端子に連結されている。同様に、TX(1)〜TX(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器48のRX(0)端子に連結されている。同様に、グランド用のGNr(1)〜GNr(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器48のGNt(0)端子に連結されている。同様に、グランド用のGNt(1)〜GNt(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器48のGNr(0)端子に連結されている。グランド用の信号線は、対応する送信用又は受信用の信号線に対して沿わせたり、ツイストさせたりして配線されている。
【0047】
ここで、電源装置46と外部機器48との間で送受信される通信パケット及び通信フレームについて説明する。外部機器48側のUARTモジュール54(0)は、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケット(以下、命令パケットと称する。)を送信し、電源装置46の制御回路52のUARTモジュール54(1)〜54(n)が受信する。また、制御回路52のUARTモジュール54(1)〜54(n)も同様に、1つ以上の通信フレームで構成された通信パケット(以下、返信パケットと称する。)を送信することができる。1回の通信は、外部機器48が送信した1つの命令パケットと、その命令ケットに応答した制御回路52が送信する1つの返信パケットとが対になって成立する。命令パケット内の通信フレームの数と返信パケット内の通信フレームの数はあらかじめ規定されており、外部機器48と制御回路52の双方が互いに認識している。ここでは、図3に示すように、命令パケットと返信パケットが各々3つの通信フレームで構成されているものとして説明する。
【0048】
各通信フレームは、Startビット、通信情報(8bit)、Parityビット及びStopビットで構成されている。通信情報(8bit)は、命令等の情報や監視データ等のデータ情報(5bit)と、命令等の対象である電源装置46を指定又は識別するためのアドレス情報(3bit)で構成されている。Parityビットは、通信フレームごとにエラー検出を簡易的に行うビットであり、Start,Stopビットは、それぞれ通信フレームの開始と終了を表わすビットであり、図17に示す従来の通信フレームと同様である。なお、通信情報のビット数は、使用するデジタルプロセッサ内のUARTモジュール54の性能や電源装置46の台数に応じて増減が可能であり、例えば、電源装置46の台数が多いときはアドレス情報のビット数を増やすことで対応可能である。
【0049】
1つの命令パケットに含まれる3つの通信フレームは、すべて、特定の1台の電源装置46についてのデータ情報である。したがって、通常は、1つの命令パケット内の3つの通信フレームのアドレス情報は共通であり、いずれも該当する1台の電源装置46のアドレス(共通のアドレス)を示す。
【0050】
各電源装置46の制御回路52(1)〜52(n)が上記の命令パケット受信したとき、通信フレームのアドレス情報が自己のアドレスと一致する制御回路と一致しない制御回路に分かれる。アドレスが一致しない制御回路52(1)〜52(n)は、受信した通信パケット内のデータ情報を無視する。そして、アドレスが一致した制御回路52(k)だけが、その命令パケットに応答し、所定の返信パケットを返信する。詳しくは、後の動作説明の中で説明する。
【0051】
1つの返信パケットに含まれる3つの通信フレームは、すべて、返信した制御回路52のアドレスを示すアドレス情報が含まれる。したがって、通常は1つの返信パケット内の3つの通信フレームのアドレス情報は共通であり、上記の命令パケット内のアドレス情報と同じである。
【0052】
次に、電源システム40が通信を行う動作について説明する。まず、外部機器48が、TX(0)端子及びGNt(0)端子を通じて、1つの命令パケットを送信する。ここでは、命令の対象が電源装置46(1)であり、3つの通信フレームのアドレス情報が、いずれも電源装置46(1)のアドレスを示している。命令の内容は3つの通信フレームのデータ情報で表わされ、例えば、「OUT端子の電圧(電力変換部の出力電圧)を測定せよ」という命令である。
【0053】
各電源装置46の制御回路52(1)〜52(n)は、それぞれ自己のRX端子及びGNr端子を通じて上記の命令パケットを受信し、Parityビットによる簡易的なエラー検出を行い、エラーがないことが確認されると、次に通信パケット内のアドレス情報が自己のアドレスが一致するか否かを確認する。制御回路52(2)〜52(n)は、アドレスが一致しないので、この命令パケットによる命令を無視し、次の命令パケットが受信されるまで処理を行わない。一方、命令の対象となった制御回路52(1)は、アドレスが一致するので、外部機器48の命令に従ってOUT端子の電圧を測定し、測定結果をデータ情報に変換する。そして、データ情報が3つの通信フレームに割り付けられ、TX(1)端子及びGNt(1)端子を通じて1つの返信パケットを送信する。
【0054】
外部機器48は、RX(0)端子及びGNr(0)端子を通じて上記の返信パケットを受信し、Parityビットによる簡易的なエラー検出を行い、エラーがないことが確認されると、次に通信パケット内のアドレス情報が、命令の対象とした電源装置46(1)のアドレスと一致するか否かを確認する。そして、アドレスが一致すれば、返信されたデータ情報が信頼できると判断して、次の処理を行う。一方、アドレスが一致しないときは、通信エラーがあったと判断し、返信されたデータ情報を破棄し、通信エラーに対応した処理を行う。ここまでの一連の動作により1回の通信が終了し、その後も通信を継続する場合、上記と同様の動作を繰り返す。
【0055】
以上説明したように、電源装置46は、安価な汎用デジタルプロセッサを使用して容易に実現することができ、電源システム40を構成する際も、外部機器48とn台の電源装置46との間の信号線の数が少ないので、配線の手間が軽減される。
【0056】
また、電源システム40の通信方法は、送受信される各通信フレームにアドレス情報を持たせてあるので、通信フレームごとにアドレス情報をチェックすることができる。しかも、1回の通信が、命令パケットとそれに応答する返信パケットとが対になって成立し、命令する側と命令される側の双方でアドレス情報のチェック行い、正しい相手と通信が行われているか否かを確認することができる。したがって、従来のParityビットによる簡易的なチェックよりも、通信エラーの検出の確実性が高くなり、通信エラーが検出された場合の処置も的確に行うことができるので、電源システムの誤動作を回避できる。例えば、Parityビットを省略することも可能である。
【0057】
次に、電源システム40で使用される通信フレームのフォーマットの変形例について、図4図7に基づいて説明する。この変形例では、外部機器48が送信する命令パケットは、命令等の内容に応じて、図4〜6に示す命令パケットA,B,Cの中の適切なフォーマットが1つ選択され、電源装置46が送信する返信パケットは、図7に示す返信パケットDが選択される。
【0058】
命令パケットAは、図4に示すように、5つの通信フレームA1〜A5を有し、それぞれStartビット、通信情報、Parityビット及びStopビットで構成されている。通信フレームA1の通信情報には、アドレス情報(3bit)及び命令情報(5bit)が割り当てられている。通信フレームA2の通信情報には、アドレス情報(3bit)、エラー検出情報(4bit)及び引数情報(1bit)が割り当てられている。通信フレームA3,A4,A5の通信情報には、それぞれアドレス情報(3bit)及び引数情報(5bit)が割り当てられている。したがって、命令パケットAに含まれる命令情報は合計5ビット、引数情報は合計16ビットである。なお、アドレス情報のビット数は、電源装置46の台数に応じて適宜増減できる。また、通信フレームA1〜A5の順番は、この順番に限られない。
【0059】
例えば、外部機器48が電源装置46に対して行う命令の内容が、「OUT端子の電圧を48.234Vに変更せよ」の場合、命令情報が「OUT端子の電圧を変更せよ」で、引数情報が「48.234V」となる。外部機器48は、このような引数情報のビット数が比較的多い命令を送信する場合に、命令パケットAのフォーマットを選択する。
【0060】
命令パケットBは、図5に示すように、5つの通信フレームB1〜B5を有し、それぞれStartビット、通信情報、Parityビット及びStopビットで構成されている。通信フレームB1の通信情報には、アドレス情報(3bit)及び命令情報(5bit)が割り当てられている。通信フレームB2の通信情報には、アドレス情報(3bit)、エラー検出情報(4bit)及び未使用ビット(1bit)が割り当てられている。通信フレームB3の通信情報には、アドレス情報(3bit)及び命令情報(5bit)が割り当てられている。通信フレームB4,B5の通信情報には、それぞれアドレス情報(3bit)及び引数情報(5bit)が割り当てられている。したがって、命令パケットBに含まれる命令情報は合計10ビット、引数情報は合計10ビットである。なお、通信フレームB1〜B5の順番は、この順番に限られない。また、通信フレームB2の未使用ビットは、別の情報を示すビットとして用いても良い。
【0061】
外部機器48は、引数情報のビット数が比較的少ない命令を送信する場合に、命令パケットBのフォーマットを選択する。
【0062】
命令パケットCは、図6に示すように、5つの通信フレームC1〜C5を有し、それぞれStartビット、通信情報、Parityビット及びStopビットで構成されている。通信フレームC1の通信情報には、アドレス情報(3bit)及び命令情報(5bit)が割り当てられている。通信フレームC2の通信情報には、アドレス情報(3bit)、エラー検出情報(4bit)及び未使用ビット(1bit)が割り当てられている。通信フレームC3,C4,C5の通信情報には、それぞれアドレス情報(3bit)及び命令情報(5bit)が割り当てられている。したがって、命令パケットCに含まれる命令情報は合計20ビット、引数情報は合計0ビットである。なお、通信フレームC1〜C5の順番は、この順番に限られない。また、通信フレームC2の未使用ビットは、別の情報を示すビットとして用いても良い。
【0063】
例えば、外部機器48が電源装置46に対して行う命令の内容が、「OUT端子の電圧と電流、IN端子の電圧と電流、主スイッチング素子の温度、・・・・を測定せよ」の場合、内容の全てが命令情報となり、引数情報は必要ない。外部機器48は、このように引数情報が不要な命令を送信する場合に、命令パケットCのフォーマットを選択する。
【0064】
返信パケットDは、図7に示すように、5つの通信フレームD1〜D5を有し、それぞれStartビット、通信情報、Parityビット及びStopビットで構成されている。通信フレームD1の通信情報には、アドレス情報(3bit)及び識別子情報(5bit)が割り当てられている。通信フレームD2の通信情報には、アドレス情報(3bit)、エラー検出情報(4bit)及び引数情報(1bit)が割り当てられている。通信フレームD3,D4,D5の通信情報には、それぞれアドレス情報(3bit)及び引数情報(5bit)が割り当てられている。なお、通信フレームD1〜D5の順番は、この順番に限られない。
【0065】
例えば、電源装置46が外部機器48に対して行う返信の内容が、「OUT端子の電圧の測定値は48.321Vである」の場合、識別子情報が「OUT端子の電圧」となり、引数情報が「48.321V」となる。
【0066】
命令パケット内の通信フレームA2,B2,C2が有するエラー検出情報は、命令パケットを受信した電源装置46が、その命令パケット内のデータ情報をチェックするための情報である。同様に、返信パケット内の通信フレームD2のエラー検出情報は、返信パケットを受信した外部機器48が、その返信パケット内のデータ情報をチェックするための情報である。例えばチェックサム等の一般的な方法で、エラーの検出を行う。
【0067】
以上説明したように、図4図7で説明したフォーマットの変形例を使用することによって、外部機器48が命令パケットを送信する際に、命令の内容に応じて、適切なフォーマット(命令フレームA,B,Cの中の1つ)を選択することができる。また、電源装置46が返信する際も、実用的な返信パケットDのフォーマットが使用される。さらに、各パケット内の引数情報の合計ビット数は10ビット又は16ビットになり、一般的なデジタルプロセッサが動作するビット数に合致する。したがって、上述した図3のフォーマットによる作用効果に加え、さらに、外部機器48が多種多様な命令を効率よく送信し、電源装置46が命令に基づいて効率よく処理を行い、処理の結果を効率よく返信することができる。
【0068】
また、命令パケット及び返信パケット内に、それぞれエラー検出情報を有しているので、上述した図3のフォーマットによる作用効果に加え、さらに、外部機器48と電源装置46の双方でデータ情報のチェックも行うことができるので、通信エラーの検出をより確実に行うことができる。
【0069】
次に、この電源システム40で使用される電源装置46及び外部機器48の変形例について、図8に基づいて説明する。この変形例では、電源装置46の制御回路52及び外部機器48の内部にそれぞれ絶縁回路58が設けられ、各UARTモジュール54のrx端子、tx端子及びgn端子が、絶縁回路58を介してRXライン、TXライン及びGNラインに引き出されている。
【0070】
絶縁回路58は、図8(b)に示すように、第一及び第二フォトカプラ60,62で構成され、第一フォトカプラ60は、互いに絶縁された発光ダイオード60a及びフォトトランジスタ60bを有し、第二フォトカプラ62も、互いに絶縁された発光ダイオード62a及びフォトトランジスタ62bを有している。
【0071】
第一フォトカプラ60は、UARTモジュール54のtx端子及びgn端子(送信側)を絶縁する働きをし、信号入力側の発光ダイオード60aは、アノードがtx端子に接続され、カソードがgn端子に接続されている。そして、信号出力側のフォトトランジスタ60bは、コレクタがTXラインにより引き出され、TX端子により外部に接続可能になっており、エミッタがGNラインにより引き出され、GNt端子により外部に接続可能になっている。
【0072】
第二フォトカプラ62は、UARTモジュール54のrx端子及びgn端子(受信側)を絶縁する働きをし、信号出力側のフォトトランジスタ62bは、コレクタがrx端子に接続され、エミッタがgn端子に接続されている。そして、信号入力側のフォトトランジスタ60bは、アノードがRXラインにより引き出され、RX端子により外部に接続可能になっており、カソードがGNrラインにより引き出され、GNr端子により外部に接続可能になっている。
【0073】
この変形例に係る電源システム40の場合、電源装置46のUARTモジュール54が、制御回路52と外部機器48との間を連結する通信線64に対して絶縁され、外部機器48のUARTモジュール54も同様に、通信線64に対して絶縁される。したがって、図2の構成の場合と同様の通信を行うことができ、さらに、外部機器48及び各電源装置46の各グランド電位が異なる場合でも通信が可能になるという利点がある。また、通信線64にノイズが混入したとしても各UARTモジュール54に伝わりにくいので、通信エラーや誤動作が発生しにくい。しかも、この変形例の場合、通信線64のうち、外部機器48が送信した命令パケットが通過する通信線64aと、電源装置46が送信した返信パケットが通過する通信線64bとの間も絶縁されるので、ノイズの混入に対する通信の信頼性をさらに高くすることができる。
【0074】
なお、図8の変形例では、外部機器48と制御回路52の双方に絶縁回路が設けてあるが、外部機器48に絶縁回路を設けない構成にしても構わない。ただし、この場合、外部機器48が送受信する信号のロジックと制御回路52の各UARTモジュール54が送受信する信号のロジックとが互いに反転する点や、通信線64a,64bの間が絶縁されない点などに留意する。
【0075】
次に、この発明の電源装置とそれを用いた電源システム、及び電源システムの通信方法の第実施形態について、図9図11に基づいて説明する。ここで、上記の電源装置46及び電源システム40と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の電源システム66は、図9に示すように、1つの入力電源42から電力の供給を受け、n台の負荷44に対して所定の電圧及び電流を出力するシステムであり、この中に、第実施形態の電源装置68がn台と、それらを監視又は制御する外部機器70が1台使用されている。
【0076】
電源装置68は、電力変換部50と、新たな制御回路72を備えている。制御回路72は、外部機器70と通信を行って、電力変換部50の動作を監視又は制御するものである。
【0077】
制御回路72は、図10に示すように、UARTモジュール54、CPU56、及びその他の図示しない回路網で構成され、それらの多くの部分が上記のデジタルプロセッサ内に設けられ、その他の部分がデジタルプロセッサの外部に個別回路素子を接続することによって設けられている。これらの点は、上述した図2の制御回路52と同様である。
【0078】
異なるのは、UARTモジュール54のrx端子とtx端子とが互いに接続され、その接続点を引き出したINFラインに、外部に接続可能にするためのINF端子が設けられ、同様に、gn端子を引き出したGNラインにGN端子が設けられている点である。
【0079】
CPU56は、上記のように、UARTモジュール54及び電力変換部50に接続され、図示しないメモリに記録されたプログラムを実行して各種の処理や演算を行う。メモリには、各電源装置68(1)〜68(n)又は各制御回路72(1)〜72(n)を識別するために付与されたアドレスも記録されている。
【0080】
外部機器70は、図10に示すように、電源装置68が有する制御回路72と同様の構成を備えている。以下、外部機器70の各構成は、それぞれUARTモジュール54(0)、CPU56(0)、rx(0)端子、tx(0)端子、gn(0)端子、INF(0)端子、GN(0)端子と表する。ただし、外部機器70は1台なので、外部機器70には識別用のアドレスが付与されていない。
【0081】
電源システム66は、上述したn台の電源装置68(1)〜68(n)及び外部機器70で構成され、図9に示すように、電力変換部50(1)〜50(n)のIN(1)〜IN(n)端子が入力電源42の両端に接続され、OUT(1)〜OUT(N)端子にそれぞれ負荷44(1)〜44(n)が接続されている。制御回路72(1)〜72(n)は、送信及び受信用のINF(1)〜INF(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器70のINF(0)端子に連結されている。同様に、グランド用のGN(1)〜GN(n)端子が互いに接続され、その接続点が外部機器70のGN(0)端子に連結されている。グランド用の信号線は、送信及び受信用の信号線に対して沿わせたり、ツイストさせたりして配線されている。
【0082】
電源システム66において、電源装置68と外部機器70との間で送受信される通信パケット及び通信フレームについては、上記の電源システム40と同様である。ただし、外部機器70が送信した命令パケットは、rx(0)端子及びgn(0)端子を通じて自己のUARTモジュール54(0)でも受信され、同様に、制御回路72が送信した返信パケットは、rx(k)端子及びgn(k)端子を通じて自己のUARTモジュール54(k)でも受信されることになる。したがって、外部機器70及び制御回路72は、自己のUARTモジュール54のtx端子及びgn端子から通信パケット(命令パケット又は返信パケット)を送信しているときは、自己のrx端子及びgn端子を通じて受信される通信パケット内のデータ情報を無視する動作を行う。
【0083】
以上のように構成された電源システム66は、図1図2を用いて説明した電源システム40と同様の通信が可能であり、同様の優れた作用効果を得ることができる。さらに、外部機器70と各電源装置68とを連結する通信線の数が半分になるので、配線が容易であり、通信線間の容量結合による相互干渉等の問題も発生しにくい。
【0084】
次に、この実施形態の電源システム60で使用される電源装置68及び外部機器70の変形例について、図11に基づいて説明する。この変形例では、電源装置68の制御回路72及び外部機器70の内部に上記と同様の絶縁回路58が設けられ、各UARTモジュール54のrx端子、tx端子及びgn端子が、絶縁回路58を介してINFライン及びGNラインに引き出されている。
【0085】
第一フォトカプラ60は、UARTモジュール54のtx端子及びgn端子(送信側)を絶縁する働きをし、信号入力側の発光ダイオード60aは、アノードがtx端子に接続され、カソードがgn端子に接続されている。そして、信号出力側のフォトトランジスタ60bは、コレクタがINFラインにより引き出され、INF端子により外部に接続可能になっており、エミッタがGNラインにより引き出され、GN端子により外部に接続可能になっている。
【0086】
第二フォトカプラ62は、UARTモジュール54のrx端子及びgn端子(受信側)を絶縁する働きをし、信号出力側のフォトトランジスタ62bは、コレクタがrx端子に接続され、エミッタがgn端子に接続されている。そして、信号入力側の発光ダイオード60aは、アノードがINFラインにより引き出され、INF端子により外部に接続可能になっており、カソードがGNラインにより引き出され、GN端子により外部に接続可能になっている。
【0087】
この変形例に係る電源システム66は、電源装置68のUARTモジュール54が、制御回路72と外部機器70との間を連結する通信線74に対して絶縁され、外部機器70のUARTモジュール54も同様に通信線74に対して絶縁される。したがって、図10の構成の場合と同様の通信を行うことができ、さらに、外部機器70及び各電源装置72の各グランド電位が異なる場合でも通信が可能になるという利点がある。また、通信線74にノイズが混入したとしても各UARTモジュール54に伝わりにくいので、通信エラーや誤動作が発生しにくい。
【0088】
なお、図11の変形例では、外部機器70と制御回路72の双方に絶縁回路が設けてあるが、外部機器70に絶縁回路を設けない構成にしても構わない。ただし、この場合、外部機器70が送受信する信号のロジックと制御回路72の各UARTモジュール54が送受信する信号のロジックとが互いに反転する点などに留意する。
【0089】
次に、この発明の電源装置とそれを用いた電源システム、電源システムの通信方法の第実施形態について、図12図15に基づいて説明する。ここで、上記の第実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の電源システム76は、図12に示すように、1つの入力電源42から電力の供給を受け、n台の負荷44に対して所定の電圧及び電流を出力するシステムであり、この中に、第実施形態の電源装置78がn台と、それらを監視又は制御する外部機器70が1台使用されている。外部機器70は、上記の第実施形態の外部機器70と同様である。電源装置78は、それぞれ電力変換部50と、新たな制御回路80とを備えている。制御回路80は、外部機器70と通信を行って、電力変換部50の動作を監視又は制御するものである。さらに、この電源システム76では、外部機器70のINF(0)端子とGN(0)端子との間に、スイッチ82が設けられている。
【0090】
スイッチ82は、オンオフを切り替えることによって、電力変換部50の電力変換動作を開始又は停止させる働きをする。スイッチ82をオンにすると、外部機器70のINF(0)端子とGN(0)端子との間が短絡され、各電源装置78のUARTモジュール54のrx端子の電圧がアクティブレベル(ここではローレベル)に保持される。スイッチ82がオフすると、それが解除される。
【0091】
制御回路80は、図13に示すように、UARTモジュール54、CPU56、I/Oポート84及びその他の図示しない回路網で構成されており、図10の制御回路72と異なるのは、I/Oポート84が設けられている点である。I/Oポート84は、信号入力端子であるI端子がUARTモジュール54のrx端子に接続され、rx端子の電圧の状態を観測してCPU56に伝達する働きをする。
【0092】
CPU56は、上記のように、UARTモジュール54及び電力変換部50に接続され、図示しないメモリに記録されたプログラムを実行して各種の処理や演算を行う。また、CPU56には、第一及び第二基準時間Ta,Tbが設定されており、第二基準時間Tbは、INFライン及びGNラインを通じて受信される通信パケット(命令パケット及び返信パケット)に含まれる通信フレームの1つ当たりの通信時間Tcよりも長い。CPU56は、I/Oポート84を通じて自己のrx端子の電圧を観測し、rx端子の電圧が第一基準時間Taを超えてデフォルトレベル(ここではハイレベル)を継続すると、自己の電力変換部50の電力変換動作を開始させ、rx端子の電圧が第二基準時間Tbを超えてアクティブレベル(ここではローレベル)を継続すると、電力変換部50が電力変換動作を停止させる。
【0093】
次に、電源システム76の動作について説明する。図14(a)は、電源装置78の電力変換部50が電力変換動作を開始するときのタイムチャートである。スイッチ82がオンのとき、INFラインがGNラインに短絡され、rx端子の電圧がアクティブレベル(ローレベル)に保持されており、電力変換動作が停止している。次に、スイッチ82をオフに切り替えると、INFラインの短絡が解除され、ほぼ同時にrx端子の電圧がデフォルトレベル(ハイレベル)に反転し、その後、デフォルトレベルが第一基準時間Taを超えて継続すると、CPU56から指令を受けた電力変換部50が電力変換動作を開始し、出力電圧Voutが発生する。
【0094】
図14(b)は、電源装置78の電力変換部50が電力変換動作を停止するときのタイムチャートである。スイッチ82がオフしているときは、電力変換部50が電力変換動作を行っており、上記の電源システム66と同様に、INFライン及びGNラインを通じて通信が行われている。通信フレームの1つ当たりの通信時間はTcであり、2つの通信フレームの間の時間であって、rx端子の電圧がデフォルトレベル(ハイレベル)となる時間が待機時間Tdである。ここで、I/Oポート84によるサンプリング時間は、待機時間Tdよりも十分短い。次に、スイッチ82をオンに切り替えると、INFラインがGNラインに短絡され、ほぼ同時にrx端子の電圧がアクティブレベル(ローレベル)に反転し、その後、アクティブレベルが第二基準時間Tbを超えて継続すると、CPU56から指令を受けた電力変換部50が電力変換動作を停止し、出力電圧Voutが低下する。ここで、第二基準時間Tbが通信フレームの通信時間Tcよりも長く設定されているので、CPU56は、I/Oポート84を通じて観測されるアクティブレベルが「スイッチ84によるアクティブレベル」なのか「通信フレーム中のアクティブレベル」なのかを明確に識別することができ、電力変換部50に対して的確な指令を出すことができる。
【0095】
以上説明したように、電源システム76は、図9図10を用いて説明した電源システム66と同様の通信が可能であり、同様の優れた作用効果を得ることができ、さらに、スイッチ82のオンオフを切り替えることによって、各電源装置80の電力変換部50の電力変換動作の開始又は停止を容易に制御することができる。
【0096】
次に、この実施形態の電源システム76で使用される電源装置78の変形例について、図15に基づいて説明する。この変形例では、電源装置78の制御回路80の内部に上記と同様の絶縁回路58が設けられ、各UARTモジュール54のrx端子、tx端子gn端子、及びI/Oポート84のI端子が、絶縁回路58を介してINFライン及びGNラインに引き出されている。I端子はrx端子に接続され、rx端子と同様に第二フォトトランジスタ62bのコレクタに接続される。
【0097】
この変形例に係る電源システム76は、電源装置78のUARTモジュール54及びI/Oポート84が、制御回路80と外部機器70との間を連結する通信線74に対して絶縁される。したがって、図13の構成の場合と同様の通信を行うことができ、さらに、外部機器70及び各電源装置80の各グランド電位が異なる場合でも通信が可能になるという利点がある。また、通信線74にノイズが混入したとしても各UARTモジュール54及びI/Oポート84に伝わりにくいので、通信エラーや誤動作が発生しにくい。
【0098】
なお、この発明の電源装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、電源装置の電力変換部は、スイッチングレギュレータ又はシリーズレギュレータ、DC−DCコンバータ又はAC−DCコンバータなど、自由に選択することができ、入出力絶縁型か非絶縁型かも問わない。また、通信を行う制御回路は、電力変換部の出力電圧制御手段と合わせて1つのデジタルプロセッサ内に構成してもよいし、別個に独立して設けてもよい。
【0099】
また、この発明の電源システムは、電源システムがそのまま最終装置に組み込まれて使用されるものでもよいし、例えば、電源装置の生産工場で電源装置の出荷試験を行う試験システムに適用し、この試験システムを使用して個々の電源装置の初期設定(例えば、出力電圧制御手段の制御特性のキャリブレーションなど)を行ってもよい。また、外部機器を電源装置で構成し、その電源装置をマスタ電源として、他のスレーブ電源との間で通信を行うようにすれば、例えば、並列運転時の電流バランス制御、冗長運転の制御などを行うことも可能である。また、通信の安定性を高めるため、外部機器及び各電源装置を連結する通信線の経路に、バッファ回路やノイズフィルタ回路等を適宜挿入しても構わない。
【0100】
また、電源システムにおいて、入力電源は1種類である必要はなく、電源装置ごとに、電圧値の異なる入力電源を個別に接続してもよい。特に、各電源装置の制御回路に上記のような絶縁回路を設けることによって、電源装置ごとにグランド電位の異なる入力電源を接続することも可能になる。
【0101】
また、この発明の電源システムの通信方法に関し、図3で説明した通信フレーム、通信パケット(命令パケット及び返信パケット)、及び通信の動作は一例に過ぎず、通信フレームのフォーマット、データ情報の内容、ビット数の割り振り、1つの通信パケットの通信フレームの数などは自由に変更できる。
【符号の説明】
【0102】
40,66,76 電源システム
46,68,78 電源装置
48,70 外部機器
50 電力変換部
52,72,80 制御回路
54 UARTモジュール
56 CPU
58 絶縁回路
82 スイッチ
84 I/Oポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19