【実施例】
【0037】
以下に具体的な実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0038】
(変性エチレンーαオレフィン共重合体中のメタクリル酸グリシジル含量の分析)
メタクリル酸グリシジル含量は、得られた変性エチレンープロピレン共重合体ペレットを110℃に加熱したクロロベンゼンに溶解した後、そのクロロベンゼン溶液をアセトン中に滴下し再沈殿物させ、得られた再沈殿物について滴定を行うことにより得た。
【0039】
(変性エチレンーαオレフィン共重合体中DSC測定法)
示差走査型熱量計(SHIMADZU社製、DTG−50)を用い、試料を窒素雰囲気下、240℃まで、20℃/分で昇温させ、直ちに40℃以下まで降温した後、240℃まで再度20℃/分で昇温下時に得られた融解吸熱カーブから観測されるピークのピークトップとして定義される温度を融点(Tm)、その融解熱量をΔH(J/g)とした。
【0040】
(製造例1)
エチレン−プロピレン共重合体(エクソンモービル(製):Vistamaxx6202、エチレン含量15重量%、密度:0.861g/cm
3)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5部、スチレン5部加え溶融混練して変性エチレン−プロピレン共重合体Aを得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体Aの物性は、表1の通りであった。
【0041】
(製造例2)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイV3401.05、エチレン含量15重量%、密度0.863g/cm
3)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5部、スチレン5部加え溶融混練して変性エチレン−プロピレン共重合体Bを得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体Bの物性は、表1の通りであった。
【0042】
(製造例3)
エチレン−ブテン共重合体((株)三井化学製 タフマーBL3450、エチレン含量17重量%、密度0.900g/cm
3)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5部、スチレン5部加え溶融混練して変性エチレン−プロピレン共重合体Cを得た。得られた変性エチレン−ブテン共重合体Cの物性は、表1の通りであった。
【0043】
(製造例4)
エチレン−プロピレン共重合体((株)住友化学製エスプレン201、エチレン含量49重量%、密度:0.860g/cm
3)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5部、スチレン5部加え溶融混練して変性エチレン−プロピレン共重合体Dを得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体Dの物性は、表1の通りであった。
【0044】
(製造例5)
エチレン−プロピレン共重合体((株)三井化学製 タフマーP0680、エチレン含量68重量%、密度0.870g/cm
3)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5部、スチレン5部加え溶融混練して変性エチレン−プロピレン共重合体Eを得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体Eの物性は、表1の通りであった。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1〜6、および比較例1〜3(表2)
(1)ホットメルト型接着フィルムの製造
(実施例1)
製造例1で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体A80部と水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー20部((株)クラレ製SEPTON2063、スチレン含量13%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T160、軟化点160℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A1)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0047】
(実施例2)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B40部と水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー60部((株)クラレ製SEPTON2063、スチレン含量13%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T160、軟化点160℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A2)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0048】
(実施例3)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B60部と水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー40部((株)クラレ製SEPTON2063、スチレン含量13%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A3)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0049】
(実施例4)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B60部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー40部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A4)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0050】
(実施例5)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A5)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0051】
(実施例6)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)荒川化学製P140、軟化点140℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(A6)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0052】
(比較例1)
製造例2で得た変性エチレン−プロピレン共重合体B100部とテルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B1)とし、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0053】
(比較例2)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)25部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B2)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0054】
(比較例3)
製造例3で得られた変性エチレン−ブテン共重合体C80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B3)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0055】
(比較例4)
製造例4で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体D80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B4)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0056】
(比較例5)
製造例5で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体E80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B5)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0057】
(比較例6)
水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー((株)クラレ製SEPTON2063、スチレン含量13%)100部、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製、LABOPLASTOMILL)により温度200℃のもと5分間100rpmで溶融混練し、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物を圧縮成形機(神藤金属工業所、型式NSF−50、最大使用圧21MPa、型締力50t、シリンダー径176mm、ストローク200mm)により、プレス条件:220℃、無圧、3分→220℃、5MPa、3分→室温(水冷)、5MPa、3分のもと、厚み50μmホットメルト型接着フィルム(B6)とし、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0058】
(比較例7)
製造例2で使用したエチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイV3401.05、エチレン含量15重量%、密度:0.863g/cm
3)80部と水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー20部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B7)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0059】
(比較例8)
製造例2で得られた変性エチレン−プロピレン共重合体B20部、エチレンーブテン共重合体((株)住友化学製エクセレンCX5508、融点79℃)30部、水素添加スチレンブタジエンランダムコポリマー50部((株)JSR製Dynaron1321P、スチレン含量10%)、テルペンフェノール粘着付与剤((株)ヤスハラケミカル製T130、軟化点130℃)50部を、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物をTダイによって厚み50μmのフィルム状に成形し、ホットメルト型接着フィルム(B8)を得、下記接着評価と長期耐熱試験の項目に従って評価した結果を表2に記載した。
【0060】
(2)接着評価と長期耐熱試験(110℃耐熱試験)
得られた接着フィルムを、厚み0.3mmのABS樹脂シート上にフジプラ(株)製ラミネーターLAMIPACKER LPD3204にて、加熱温度130℃、速度1.0m/minの条件で、ラミネートして接着剤付表皮材とした後、この表皮材を120〜130℃に加熱し、真空圧空成形によってPC/ABSプレートと接着した。得られた積層体を25mm幅にカットし、23℃雰囲気中において、引張り速度100mm/分で表皮材を成形品に対して90度方向に剥離し、強度(N/25mm)と破壊状態を試験した。破壊状態としては、材破(表皮材のABS樹脂シートの破壊)、界面剥離(成形品のPC/ABSプレート界面からの接着層の剥離)で表記した。また同様に、上記の接着剤付表皮材を真空圧空成形により、AS樹脂製の容器蓋型成形品(縦60mm、横75mm、四隅は30mmRの角丸の長方形で、表面側平面と四方側面との角は20mmRであり、表面側平面頂点に60mmRの逆テーパーを有する形状)と接着した。得られた積層体の側面R部と逆テーパーが交差する頂点に3cmのクロスカットをいれ110℃に設定したオーブンに48時間静置し、クロスカット部分の目開きを観察し耐熱性の指標とした。評価基準としては、×:0.5mm以上の目開きあり(評価不良)、○:0.5mm未満の目開き(許容範囲)、◎:目開き無し(評価良)で判定した。
【0061】
【表2】
【0062】
実施例7〜9(表3)
(1)接着フィルムの製造
実施例4、5、6で得たホットメルト型接着フィルムA4〜A6、を、それぞれ実施例7、8、9に使用した。下記接着試験の項目に従って評価した結果を表3に記載した。
(2)接着評価
得られたホットメルト型接着フィルムを、厚み0.3mmのABS樹脂シート上にフジプラ(株)製ラミネーターLAMIPACKER LPD3204にて、加熱温度130℃、速度1.0m/minの条件で、ラミネートして接着剤付表皮材とした後、この表皮材を120〜130℃に加熱し、真空圧空成形によってポリプロピレンプレートと接着した。
得られた積層体を25mm幅にカットし、23℃雰囲気中において、引張り速度100mm/分で表皮材を成形品に対して90度方向に剥離し、強度(N/25mm)と破壊状態を試験した。いずれも表皮材の破壊が起こった。
【0063】
【表3】