【実施例】
【0115】
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、パーセント、比などは、重量基準である。実施例で報告される全ての接触角は、度で報告される静的接触角である。更に、以下の実施例では、以下の略語及び材料が使用される。
【0116】
試験方法
粒子浮遊試験法(定性的)
脱イオン水(約10mL)を20mL容のガラスバイアル瓶に加え、処理された粒子の単層を形成するのに十分な量の粒子を、スプーンスパチュラを使用して水面上に注意深く振り撒いた。実施例1〜18、例示的実施例1〜8、及び比較例1では、処理された粒子の量は約1グラムであった。処理された粒子を目視検査し、浮遊する処理された粒子の割合の推定を行った。処理された粒子の少なくとも約75%は水面に浮き、処理された粒子は浮遊試験に合格したと見なされた。
【0117】
直径で0.5mm〜1.0mmの粒径を有する未処理のシリカゲル(ISG(China)より入手)にこの試験に供したとき、粒子は、通常はパチパチという音をたててバイアル瓶の底に沈んだ。直径で0.5mm〜1.0mmの粒径を有する未処理のシリカゲル(部品番号:920014;AGM Container Controls,Inc.(Tucson,AZ)より入手)をこの試験に供したとき、粒子は、通常はパチパチという音をたててバイアル瓶の底に沈んだ。
【0118】
水蒸気取り込み試験方法
水蒸気吸収を、処理された粒子、未処理の粒子、木材パルプ粒子(Pulp)、及び超吸水性ポリマー(SAP)粒子に関して測定した。2グラムの試料をバイアル瓶の中に量り入れた後、ガラスジャーの中に置いて、粒子を30℃並びに50%及び/又は90%相対湿度に曝露した。バイアル瓶をジャーから取り出し、蓋をかぶせ、秤量した。以下の表に示されている時間に重量の変化を測定し、記録した。
【0119】
液体水取り込み試験方法
多孔質フリットフィルターを、サイドアームを備える三角フラスコに取り付けた。サイドアームを家庭用電気掃除機に接続した。フリットを水で濡らし、真空を適用してこれを乾燥させた。粒子(2グラム)をフリットの上に置き、10mLの脱イオン水をフリットガラスの壁に沿って注入した。水を粒子と接触させて3分間放置した。3分後に、サイドアームを通して真空を引き、フラスコに流れ出た水を秤量した。次いで、水取り込み値を計算した。この手順を各種類の粒子に対して3回繰り返した。
【0120】
処理された粒子の表面分析
化学分析のための電子分光法(ESCA)を次の手順を用いて粒子上で実施した。試料の表面の三重分析を、Kratos Analytical(Chestnut Ridge,New York)から商品名「AXIS ULTRA」で入手した、単色Al x線源を使用して光電子を励起するX線光電子分光分析装置を使用して実施した。放出された光電子は、試料表面に対して90°のテークオフ角度で検知された。スペクトルを得て、主要ピーク面積を集積化し適切な感度因子を適用することによって、表面組成を決定した。ESCAは定量的であり、調査される材料及び材料内の放出された原子の内殻電子準位の電子運動エネルギーにより、5〜50Åのサンプリング深さを示す。
【0121】
ティーバッグ試験法
この試験方法を用いて、外部粒子表面上に疎水性シェルを有する多孔質粒子の水吸収能を試験する。メッシュサイズ255(57マイクロメートル(μm)の篩目)のナイロン布でティーバッグを作製する、即ち、幅2インチ(5.08cm)及び長さ6インチ(15.24cm)に切断し、折り畳んで、2インチ(5.08cm)×3インチ(7.62cm)のティーバッグを作製する。ティーバッグの辺は熱融着された。ティーバッグの内のり寸法は1.5インチ(3.81cm)×3インチ(7.62cm)であった。以下の工程を用いてティーバッグ試験法を実施した。
【0122】
1.400mLの脱イオン(DI)水を室温(約23.9℃つまり75°F)でカップに入れる。
【0123】
2.2グラムの多孔質粒子をティーバッグの中に装填する。
【0124】
3.ティーバッグを脱イオン水のカップの中に浸漬し、3分間保持する。
【0125】
4.ティーバッグを取り出し、1分間ドレインする。
【0126】
5.次に、多孔質粒子を有するバッグの湿重量を測定する。
【0127】
6.ティーバッグの中に多孔質粒子を装填せずに試験手順(工程1〜5)を繰り返して、ティーバッグの湿重量を得る。
【0128】
7.次に、同伴水を除去するために「ワイプ」する(即ち、粒子が装填されたティーバッグを、2枚の四重に折り畳まれたペーパータオルの間で圧搾する)ことによって、粒子間の水を除去した後の「ワイプ重量(wiped weight)」を測定する。
【0129】
8.以下の式を用いて水吸収能を計算する。
【0130】
水吸収能(g/g)=(粒子を有する濡れたティーバッグのワイプ重量−粒子を有さない濡れたティーバッグのワイプ重量−乾燥粒子の重量)/乾燥粒子の重量
9.各試料について工程1〜8を3回反復して完了させる。
【0131】
アンモニア臭気試験
試料のいくつかに対してアンモニア臭気試験を行った。まず、1グラムの処理された又は未処理の活性炭を、直径2インチ(5.08cm)のプラスチックカップに入れた。次に、粒子が装填されたカップを、8oz(0.2L)の広口ガラスジャーに入れた。5ミリリットルの0.1重量%の水酸化アンモニウム溶液を、溶液が粒子に触れないのを保証するために、広口ガラスジャーの内壁に伝わらせてピペットで加えた。
【0132】
Drager管を使用してアンモニア臭気試験を行って、水酸化アンモニウム溶液によって生成されたアンモニア蒸気を30分間粒子に吸着させた後のアンモニア蒸気の濃度を測定した。乾燥及び湿潤試料の両方を試験した。湿潤試料は、ティーバッグに入れられた1グラムの乾燥多孔質粒子を使用するティーバッグ試験に供された。粒子装填ティーバッグを0.9重量%食塩水の中に3分間浸漬させた。次に、ティーバッグを食塩水から取り出し、1分間ドレインした。同伴水を除去するために「ワイプ」した(即ち、粒子が装填されたティーバッグを、2枚の四重に折り畳まれたペーパータオルの間で圧搾した)後、ワイプされた試料をアンモニア臭気試験の湿潤試料として使用するために収集した。
【0133】
多孔質粒子の処理プロセス1の実施例
比較例1〜2、実施例1〜20、及び例示的実施例1〜4を準備するにあたって、プロセス1による多孔質粒子処理を用いた。
【0134】
(実施例1〜4)
市販の平行板容量結合反応性イオンエッチャー(PlasmaTherm(St.Petersburg,FL)よりモデル2480として市販)を粒子のプラズマ処理に使用した。プラズマ処理は、試料が電極に近接したイオンシースの中にある間に行われた。このリアクタは、接地チャンバ電極と駆動電極とを含んでいた。チャンバの形状は円筒形であり、内径762mm(30インチ)、高さ150mm(6インチ)であった。直径686mm(27インチ)の円形電極は、チャンバの内部に取り付けられ、マッチング回路及び13.56MHzの周波数で作動する3kWのRF電源に固定された。チャンバは、機械ポンプによって支持されたRootsブロアーによってポンプで真空排気された。特に指定のない限り、チャンバ内の基準圧力は、0.67Pa(5mTorr)であった。プロセスガスは、質量流量制御装置又はニードルバルブのいずれかによって、チャンバ内に計量して入れられた。プラズマ処理の全ては、プラズマリアクタの駆動電極の上のガラスペトリ皿の中に試料を入れて行われた。
【0135】
シリカゲルのプラズマ処理を、2つの別個の工程で行った。第1の工程では、粒子をテトラメチルシラン(TMS)プラズマで処理して、メチル基が結合された有機ケイ素層を、粒子の外側表面に蒸着した。第2の工程を用いて、ペルフルオロプロパンプラズマで表面上にCF
3、CF
2、及びCF基を生成させた。
【0136】
シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.より入手、部品番号:920014)をガラスペトリ皿の中に約0.125〜0.25インチ(3.18〜6.3mm)の深さまで入れ、PlasmaTherm反応装置の駆動電極の上に設置した。チャンバを圧力10mTorr(1.3Pa)まで減圧し、テトラメチルシランを、150標準立方センチメートル/分(sccm)の流量で導入し、1000ワットの電力でプラズマを生成した。作業は室温で行われ、プロセス圧力は50mTorr(6.7Pa)であった。第1の工程の間にプラズマがオンであった期間は10分間であり、その後ガスを停止し、チャンバを通気し、ペトリ皿の中で粒子を手で混合した。
【0137】
チャンバを10mTorr(1.3Pa)未満まで再びポンプダウンした。続いて、テトラメチルシラン蒸気を150sccm(標準cc[mL]/分)の流量で再導入し、プラズマに点火し、1000ワットの電力で更に10分間持続させた。この後、チャンバを再度通気し、乾燥剤粒子を手で混合し、チャンバをポンプダウンし、テトラメチルシラン蒸気を再導入し、プラズマを最後の10分間持続させた。テトラメチルシラン蒸気によるプラズマ処理の全期間は30分間であった。
【0138】
テトラメチルシラン蒸気による第3のプラズマ処理の終了の後、ペルフルオロプロパン(C
3F
8)ガスを150sccmの流量でチャンバに導入し、プラズマを再点火し、1000ワットで10分間持続させた。プロセス圧力は50mTorr(6.7Pa)であった。この後、ガスを停止し、チャンバを大気に通気した。C
3F
8プラズマを更に2回繰り返し、10分間のC
3F
8プラズマ処理工程間に、ペトリ皿の中の粒子を手で撹拌した。したがって、C
3F
8プラズマ処理の合計時間もまた30分間であった。
【0139】
実施例2〜4はそれぞれ、以下の表1に示される総プラズマ処理時間を用いたことを除き、実施例1の方法に従って調製された。実施例2〜4のそれぞれに関し、プラズマは、この場合もやはり同様に3回点火されたが、プラズマの持続期間は、表に示される総処理時間となるように変更された。実施例1〜4のそれぞれは、試験の前に湿気を吸収するのを防止するために、ガラスジャーの中で保管された。実施例1〜4のそれぞれは、上の試験方法の項に記載された浮遊試験法に合格し、浮遊粒子の割合は、以下の表1に示されている。
【0140】
【表1】
表面疎水性コーティングの組成を決定するためのESCA分析
上述された試験方法に従ってESCAにより実施例1〜4を評価した。プロセス1により得られた多孔質粒子の外部表面上の疎水性表面処理の厚さは、深さ分析により約5nmであることが判明した。結果を以下の表2に示す。
【0141】
【表2】
実施例1〜3、未処理のシリカゲル、SAP(Sumitomo Seika(Osaka,Japan)より商品名「AQUA KEEP SA60S」で入手)、及び生理用ナプキン(Unicharm Corp.より商品名「BODYFIT」で入手)から取り出した木材パルプを、上述の水蒸気取り込み試験法を用いて評価した。結果を以下の表3に示す。
【0142】
【表3】
aSAP及びパルプに関して測定された時間は、0、1.03、2.07、3.13、4.17、5.33、6.42、22.6、及び23.63時間であった。
【0143】
(実施例5及び6)
実施例5及び6の両方に関し、シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.より入手、部品番号:920014)は、プラズマ処理プロセス中の混合を可能にした以下のプラズマ処理方法を用いて処理された。チャンバはステンレス鋼で構成され、6回転/分(rpm)の速度で連続回転する水平混合パドルを有していた。チャンバは、乾燥機械ポンプ(Edwards、モデルDP40)により支持されたルーツブロアー(Leybold、モデルWSU 150)に、サイクロンセパレータ及び粒子フィルタを介して接続された。8.5インチ(21.6cm)×15インチ(38.1cm)の矩形電極は、シリカゲル粒子床の上方に位置決めされ、40kHzの発生装置(Advanced Energy、モデルPE5000)に接続されてプラズマを生成した。約1立方フィート(5kg)の粒子をチャンバに装填し、200mTorr(26.7Pa)を下回る基準圧力までチャンバをポンプダウンした。
【0144】
粒子の混合がプラズマ処理工程中に連続的に行われたことを除き、プラズマ処理は、実施例1と同様にテトラメチルシランプラズマ及びペルフルオロプロパンプラズマを連続して使用して2段階で実施された。まず、テトラメチルシラン蒸気を、300立方センチメートル/分(sccm)の流量でチャンバに導入し、プラズマに点火し、500ワットの電力で4時間持続させた。この後、テトラメチルシラン蒸気流を停止させ、ペルフルオロプロパン流を300sccmで確立した。プラズマを再度点火し、500ワットの電力でペルフルオロプロパンガスを使用して更に2時間持続させた。テトラメチルシラン及びペルフルオロプロパンの両方に関し、プラズマ処理中の圧力は、500〜1000mTorr(66.7〜133Pa)程度であった。実施例5及び6のそれぞれは上述の浮遊試験法に合格し、浮遊粒子の目視推定量は90%であった。
【0145】
実施例1〜3及び5、未処理のシリカゲル、SAP(Sumitomo Seikaから商品名「AQUA KEEP SA60S」で入手)、及び生理用ナプキン(Unicharm Corp.より商品名「BODYFIT」で入手)から取り出した木材パルプを、上述の液体水取り込み試験法を用いて評価した。結果を以下の表4に示す。
【0146】
【表4】
(実施例7)
テトラメチルシラン蒸気を360sccmの流量でチャンバに導入し、プラズマを点火し、500ワットの電力で60分持続させたことを除いて、実施例5及び6に記載の通りに実施例7を調製した。ペルフルオロプロパンガスは導入されなかった。実施例7は、上の試験方法の項に記載された浮遊試験法に合格し、粒子の90%が浮遊していた。
【0147】
例示的実施例1及び実施例8〜10
シリカゲル粒子(AGM Container Controls,Inc.より入手、部品番号:920014)を、
図3A又は
図3Cに示される装置300を使用して処理した。粒子撹拌器320は中空シリンダ(長さ6cm×直径5.5cm、水平)であり、頂部に矩形開口部328(4.5cm×3.5cm)を有していた。撹拌器320は、軸を位置合わせしてシャフト326に取り付けられた。シャフトは矩形断面(1cm×1cm)を有しており、このシャフトには、タンブリングされた粒子のためのパドルホイールを形成する4つの矩形ブレード322がボルトで固定されていた。ブレードはそれぞれ、ブレードと撹拌器のシリンダとによって形成される4つの四分円のそれぞれに収容される粒子容量間の移動を促進するための2つの穴324を含んでいた。ブレードの寸法は、側部及び末端部における撹拌器壁部との間隙距離が4mmとなるように選択された。粒子撹拌器は、シリンダの底部にガス吸気ポート330を有していた。粒子撹拌器320は、機械ポンプ350(Welch Vacuum Technology(Niles,IL)より商品名「WELCH 1374 Mechanical Vacuum Pump」で入手)に接続された真空チャンバ340の中に設置された。
【0148】
2つの液体保持アセンブリ360を使用して、液体源(1つはジクロロジメチルシラン(DDMS)用であり、2つ目は脱イオン(DI)水用である)から真空チャンバへと蒸気を供給した。各液体保持アセンブリは、一端が密封された真空適合性のガラス管362、364(MDC Vacuum Products(Hayward,CA)より入手)と、蒸気源のオン/オフを制御するために取り付けられたバルブ366(Swagelok Company(Solon,OH)より入手)とから作られた。
【0149】
155°F(68℃)の温度に設定された炉の中で、シリカゲル粒子を一晩(即ち、12時間を超えて)乾燥させた。炉で乾燥されたシリカゲル粒子100グラムを粒子撹拌器に入れ、ポンプ350を使用してチャンバを500mTorr(66.7Pa)以下までポンプダウンした。チャンバに装着されたコンベクトロン圧力計で圧力を測定した。チャンババルブを閉じて、チャンバを真空ポンプから切り離した。脱イオン水源に接続されたバルブを開けて、チャンバ内部に水蒸気を入れた。チャンバ圧力が4〜5Torr(533〜667Pa)に達した後、バルブを閉じた。
【0150】
粒子撹拌器シャフトを約2rpmで回転させた。シリカゲル粒子を20分間水蒸気に曝露させた。20分間の水蒸気曝露後、粒子を撹拌しながらチャンバを1Torr(133Pa)以下までポンプダウンさせた。次に、DDMSのバルブを開けた。DDMSは、25℃で135Torr(1.8×10
4Pa)の蒸気圧を有するので、液体源は外部加熱の必要がなかった。30秒間で、チャンバ圧力は3Torr(400Pa)に達し、DDMSのバルブを閉じた。撹拌器シャフトを一定に回転させることにより、シリカゲル粒子をチャンバの中のDDMS蒸気に様々な時間の間、曝露した。所望の処理時間の後、チャンバを減圧し、水蒸気に2分間再度曝露して、残っているDDMS蒸気を除去した。撹拌プロセスを中止した後、チャンバを再び減圧させ、周囲条件まで通気した。
【0151】
例示的実施例1並びに実施例8、9、及び10では、DDMS蒸気への曝露時間は、それぞれ5、10、15、及び20分間であった。例示的実施例1及び実施例8〜10のそれぞれを、155°F(68℃)の炉の中で一晩乾燥させ、評価の前に湿気を吸収するのを防止するために、ガラスジャーの中で保管した。
【0152】
上述の浮遊試験法を用いて、例示的実施例1及び実施例8〜10を評価した。例示的実施例1では、処理された粒子の40〜50%が浮遊した。実施例8及び9では、処理された粒子の70〜80%が浮遊し、実施例10では、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0153】
上述の試験方法に従ってESCAを用いて、例示的実施例1及び実施例8〜10を評価した。結果を以下の表5に示す。
【0154】
【表5】
例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12
以下の変更を加えて、例示的実施例1及び実施例8〜10の一般法を用いて、例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12を調製した。炉で乾燥されたシリカゲル(40グラム)の単層をアルミトレイに入れ、5分間のDDMS蒸気処理の前に、これを以下の表6に示されている様々な時間だけ30℃及び80%相対湿度の湿度チャンバの中に入れた。粒子撹拌及び処理の間、水蒸気は使用しなかった。湿度への曝露時間、及び湿度曝露プロセス前後のシリカゲルの重量を、以下の表6に示す。
【0155】
【表6】
例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12のそれぞれを、155°F(68℃)の炉の中で一晩乾燥させ、評価前に湿気を吸収するのを防止するために、ガラスジャーの中で保管した。上述の浮遊試験法を用いて、例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12を評価した。例示的実施例2では、処理された粒子の30〜40%が浮遊した。例示的実施例3では、処理された粒子の50〜60%が浮遊した。実施例11では、処理された粒子の80%が浮遊し、実施例12では、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0156】
上述の水蒸気取り込み試験法を用いて、例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12、及び未処理のシリカゲルを評価したが、評価は、30℃及び80%相対湿度で行うように変更された。結果を以下の表7に示す。
【0157】
【表7】
上述の試験方法を用いて、例示的実施例2及び3、並びに実施例11及び12、未処理のシリカゲル、SAP(Sumitomo Seikaから商品名「AQUA KEEP SA60S」で入手)、及び生理用ナプキン(Unicharm Corp.より商品名「BODYFIT」で入手)から取り出した木材パルプを、水の取り込みに関して評価した。結果を表8に示す。
【0158】
【表8】
例示的実施例4及び実施例13〜15
以下の変更を加えて、例示的実施例1及び実施例8〜10の一般法を用いて、例示的実施例4及び実施例13〜15を調製した。炉で乾燥されたシリカゲル(50グラム)の単層をアルミトレイに入れた後、15分間のDDMS蒸気処理の前に、これを30℃及び80%相対湿度に以下の表9に示されている様々な時間だけ曝露した。粒子撹拌及び処理の間、水蒸気は使用しなかった。湿度への曝露時間、及び湿度曝露プロセス前後のシリカの重量を、以下の表9に示す。
【0159】
【表9】
例示的実施例4及び実施例13〜15のそれぞれを、155°F(68℃)の炉の中で一晩乾燥させ、評価前に湿気を吸収するのを防止するために、ガラスジャーの中で保管した。
【0160】
上述の浮遊試験法を用いて、例示的実施例4及び実施例13〜15を評価した。例示的実施例4では、処理された粒子の30〜40%が浮遊した。実施例13及び15では、処理された粒子の95%が浮遊し、実施例14では、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0161】
上述の水蒸気の取り込み試験法を用いて、例示的実施例4及び実施例13〜15並びに未処理のシリカゲルを評価したが、評価は、30℃及び80%相対湿度で行うように変更された。結果を表10に示す。
【0162】
【表10】
上述の液体水取り込み試験法を用いて、例示的実施例4及び実施例13〜15、未処理のシリカゲル、SAP(Sumitomo Seikaから商品名「AQUA KEEP SA60S」で入手)、及び生理用ナプキン(Unicharm Corp.より商品名「BODYFIT」で入手)から取り出した木材パルプを評価した。液体水取り込み試験法の結果を以下の表11に示す。
【0163】
【表11】
(実施例16)
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って実施例16を調製した。入荷したままの状態のシリカゲル粒子を、90°F(32℃)及び90%相対湿度に1時間曝露した。重量は4.9%増加した。加湿粒子(100グラム)を粒子撹拌器の中に装填し、真空チャンバを周囲の760Torr(1.0×10
5Pa)から10Torr(1.3×Pa
3Pa)へとポンプダウンした。チャンバが10Torr(1.3×10
3Pa)に達した後、粗引きバルブを閉じてチャンバを真空ポンプから切り離した。粒子タンブリングプロセスを開始し、DDMS蒸気バルブを撹拌器に向けて開けた。5分後にDDMSのバルブを閉じた。チャンバを2分間減圧して、粗引きバルブを開くことによりHCl蒸気及びあらゆる未処理のシラン蒸気を除去した。最後に、チャンバを空気で通気し、処理済み試料を取り出した。実施例16は上述の浮遊試験法に合格し、処理された粒子の99%が浮遊した。
【0164】
例示的実施例5
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って例示的実施例5を調製した。入荷したままの状態のシリカゲル約100グラムを、真空チャンバ内の粒子撹拌器の中に装填した。スロー粗引きバルブを開けて、チャンバをポンプダウンした。チャンバ圧力が10Torr(1.3×10
3Pa)に達した時点で、粗引きバルブを閉じてチャンバを切り離した。撹拌器を作動させ、蒸気処理のためにDDMSのバルブを粒子に対して開けた。5分間の処理後に、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。処理された粒子を取り出した。上述の浮遊試験法に従って評価したときに、例示的実施例5の処理された粒子はどれも浮遊しなかった。
【0165】
例示的実施例6
チャンバを100Torr(1.3×10
4Pa)までポンプダウンし、DDMS処理を100Torr(1.3×10
4Pa)で5分間行ったこと以外は、例示的実施例5の方法に従って例示的実施例6を調製した。例示的実施例6の処理された粒子の3%が、上述の浮遊試験法に従って評価したときに浮遊した。
【0166】
例示的実施例7
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って例示的実施例7を調製した。入荷したままの状態のシリカゲル100グラムを粒子撹拌器の中に装填し、真空チャンバに入れた。チャンバを120mTorr(16Pa)までポンプダウンした。この時点で、チャンバは真空ポンプ装置から分離させた。液体水源から水蒸気を通した。粒子撹拌器のスイッチを入れて粒子床をタンブリングした。水蒸気を充填することによって、チャンバ圧力を120mTorr(16Pa)から2.50Torr(333Pa)まで上昇させた。水蒸気に曝露することによって、粒子をこの圧力で10分間タンブリングした。10分後に、チャンバ内部に空気を入れて、圧力を10Torr(1.3×10
3Pa)まで上昇させた。チャンバが10Torr(1.3×10
3Pa)に達した時点で、通気バルブを閉じ、DDMS蒸気バルブを5分間開けて粒子を処理した。5分後に、チャンバを2分間ポンプダウンし、周囲条件まで通気した。上述の浮遊試験法に従って評価したときに、例示的実施例7の処理された粒子の50%が浮遊した。
【0167】
例示的実施例8
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って例示的実施例8を調製した。入荷したままの状態のシリカゲル100グラムを粒子撹拌器の中に装填し、真空チャンバに入れた。チャンバを500mTorr(67Pa)までポンプダウンした。粒子撹拌を開始し、水蒸気をチャンバに通した。液体水保持アセンブリを外部のヒータージャケットで加熱して、チャンバへの水蒸気供給を増加させた。水が沸騰すると、チャンバ圧力はたちまち11Torr(1.5×10
3Pa)まで上昇した。この時点で、処理のためにDDMSのバルブをチャンバに対して開けた。5分後に、チャンバを2分間減圧し、空気で通気した。上述の浮遊試験法に従って評価したときに、例示的実施例7の処理された粒子の35%が浮遊した。
【0168】
(実施例17)
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例8の方法に従って実施例17を調製した。チャンバが25Torr(3.3×10
3Pa)に達するまで、水蒸気をチャンバに入れた。シリカゲル粒子を水蒸気に15分間曝露した後に、チャンバを10Torr(1.3×10
3Pa)にポンプダウンし、DDMS処理を10Torr(1.3×10
3Pa)で5分間行った。処理の後、チャンバを2分間ポンプで排出し、空気で通気した。実施例17は上述の浮遊試験法に合格し、処理された粒子の90%が浮遊した。
【0169】
上述の水蒸気取り込み試験法を用いて、例示的実施例5〜8、実施例17、及び未処理のシリカゲルを評価したが、評価は、30℃及び80%相対湿度で行うように変更された。結果を以下の表12に示す。
【0170】
【表12】
以下の変更を加え、上述の試験方法を用いて、例示的実施例5〜8、実施例16及び17、並びに未処理のシリカゲルを、水の取り込みに関して評価した。フラスコに流れ出た水の重量は測定しなかったが、その代わりに、水への曝露前及び曝露後の粒子の重量を測定した。水への曝露前及び曝露後の粒子の重量の差を以下の表13に示す。
【0171】
【表13】
実施例18及び比較例1
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って実施例18及び比較例1を調製した。入荷したままの状態の粒子を、DDMS蒸気処理前に湿度(30℃及び80%相対湿度)に曝露した。湿度への曝露の間、粒子の一部分の吸湿を、実施例18に関しては13.0重量%、及び比較例1に関しては5.9重量%に達するまで、10〜20分毎にチェックした。
【0172】
湿度に曝露されたシリカゲル約1000グラムを、真空チャンバ内の粒子撹拌器の中に装填した。この粒子撹拌器は、実施例1〜17及び例示的実施例1〜8で使用した粒子撹拌器のより大きなバージョンであり、長さ12インチ(30.5cm)、直径7インチ(17.8cm)のシリンダを有していた。シリンダは、上部に11.25インチ×6.5インチ(28.6cm×16.5cm)の矩形開口部を有していた。各ブレード322は、11.75インチ×3.5インチ(29.8cm×8.9cm)の矩形であり、穴を有していた。チャンバを10Torr(1.3×10
3Pa)までポンプダウンした。次に、撹拌器を4回転/分(rpm)で作動させ、DDMSのバルブを粒子に対して開けて5分間の蒸気処理を行った。
【0173】
5分間の蒸気処理の後、DDMSのバルブを閉じ、チャンバの中で粒子をDDMSと更に5分間反応させた。全ての処理の10分後に、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。処理された粒子を取り出し、180℃で2時間、後乾燥させて、処理された多孔質粒子の細孔内に吸着した未反応水分を除去した。実施例18及び比較例1は両方とも上述の浮遊試験法に合格し、処理された粒子の95%超が浮遊した。
【0174】
実施例18、比較例1、及び未処理のシリカゲルは、上述の水蒸気の取り込み試験法及び液体水取り込み試験法を用いていた。以下の変更を加えて、液体水取り込み試験法を実施、つまり、フラスコに流れ出た水の重量は測定しなかったが、その代わりに、水への曝露前及び曝露後の粒子の重量を測定した。液体水取り込み試験法を行うと、水への曝露前及び曝露後の粒子の重量の差は、未処理のシリカゲルで0.81グラム、実施例18で0.70グラム、及び比較例1で0.61グラムであった。
【0175】
以下の変更を加えて、水蒸気の取り込み試験法を実施、つまり、評価は、30℃及び80%相対湿度で行われた。水蒸気の取り込みの結果を以下の表14に示す。
【0176】
【表14】
実施例18、実施例1と同様の粒子、及び未処理のシリカゲルを、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)によって、ION−TOF GmbH(Munster,Germany)から商品名「TOF.SIMS.5」で入手した器具を使用して分析した。TMSプラズマでの処理時間を60分間とし、ペルフルオロプロパンプラズマでの処理時間を40分間としたことを除いて、実施例1に記載の方法を用いて実施例1と同様の粒子を調製した。高質量分解能の正負イオン分析を、パルス25keVのBi+一次イオンビームを使用して実施したが、ビーム直径は約3マイクロメートル(μm)、分析面積は500×500μmであった。SIMSは単層感度を有し、分析深さは10〜20オングストローム(Å)の範囲であった。
【0177】
各実施例からの粒子又は未処理のシリカゲルを両面接着テープに載せて、粒子の外部表面を分析した。個々の粒子を光学顕微鏡の下に設置し、清潔なかみそりの刃で分裂させて、粒子の断面を準備した。この手順により粒子のランダム開裂がもたらされ、内部を露出するには十分であった。断面を両面接着テープに載せ、分析のために露出した内部が上に向けられた。
【0178】
未処理のシリカゲル粒子の外部表面は、特徴的なSIMSシリカイオン:Si+、SiOH+、SiO
2−、SiO
2H−、SiO
3−、SiO
3H−、Si
2O
5H−、並びにその他の少量のイオン種Si
xO
yH
z−を示した。微量のNa、Fe、Ba、炭化水素、S、及びClも表面に存在していた。非常に微量のフッ素イオン又はシランイオン又はシロキサンイオンが観察された。
【0179】
実施例1と同様の粒子の外部表面は、CF+、CF
2H+、CF
3+、C
3F
3+、C
2F
5+、C
3F
5+、C
3F
7+、F−、F
2−、F
2H−、CF
3−、CF
3O−、C
3F
3−、C
4F
9−などの多数のフルオロカーボンイオン、及びその他の少量のイオン種C
xF
y+及びC
xF
y−を示した。表面上のシリカイオン濃度は極めて低かった。
【0180】
実施例18の外部表面は、未処理のシリカゲル粒子で検出されたものと同じ特徴的なシリカイオンを示したが、これに加えて、シラン処理を示すイオンであるCH
3Si+、(CH
3)
3Si+、CH
3SiO−、CH
3SiO
2−、及びポリジメチルシロキサンイオン(117+、133+、147+、207+、221+、281+、325+、149−、223−)が存在していた。塩素濃度は、未処理のシリカゲルの外部表面よりも高く、およそ3倍であった。
【0181】
実施例1及び実施例18と同様の粒子の断面は、未処理のシリカゲルの外部表面で検出されたのと同じ特徴的なシリカイオンを示し、フッ素又はシランはほとんど又は全く存在しなかった。未処理のシリカゲル粒子と比べてわずかに上昇した、内部の唯一のイオンは、実施例5におけるm/z 19のF−である。内部には検出可能なフルオロカーボンイオンは存在しなかった。
【0182】
処理された粒子を半定量的方法で比較するため、目的の種を代表する様々なイオンの数と、シリカバックグラウンドを代表するイオンとの比をとった。実施例1と同様の粒子では、比率CF
2+/29Si+、F−/SiO
2−、及びF
2−/SiO
2−が選択された。正イオンのイオン計数の結果は、F−シグナルが表面から内部に向かうにつれておよそ1000倍減少することを示唆した。実施例18では、比率CH
3Si+/SiOH+、[CH
3SiO−+CH
3SiO
2−]/[SiO
2H−+SiO
3−+SiO
3H−]、及びCl−/SiO
2−が選択された。正イオンのイオン計数の結果は、表面から内部に向かうにつれておよそ200倍減少することを示唆した。SIMSの全ての質量において常にいくらかのバックグラウンドシグナルが存在し、このことがダイナミックレンジを制限する。負イオンのイオン計数についても同様の結果が見られた。
【0183】
(実施例19)
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って実施例19を調製した。シリカゲル粒子は、粒径範囲が0.08mm〜0.6mmである不規則な形状の粒子であった(AGM Container Controls,Inc.より入手、部品番号:920010)。粒子は、2.5%の青いインジケータを有する白色であった。DDMS蒸気処理前に、入荷したままの状態の粒子を湿度(30°F(−1.1℃)及び80%相対湿度)に曝露した。湿度への曝露の間、粒子の一部の吸湿を、5.8重量%に達するまで10〜20分毎にチェックした。湿度に曝露された約940グラムのシリカゲルを、真空チャンバ内、実施例18に記載のより大きな粒子撹拌器の中に装填した。チャンバを10Torr(1.3×10
3Pa)までポンプダウンした。次に、撹拌器を6rpmで作動させ、蒸気処理のためにDDMSのバルブを粒子に対して開けた。
【0184】
最初の10分間、チャンバ圧力は11Torr(1.5×10
3Pa)に達し、20.8グラムのDDMSが消費された。次に、DDMSのバルブを閉じ、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。粒子の試料を取り出し、浮遊試験法用いて評価すると、粒子の20%が浮遊していた。チャンバを再度10Torr(1.3×10
3Pa)までポンプダウンした。次に、撹拌器を6rpmで作動させ、蒸気処理のためにDDMSのバルブを粒子に対して10分間開けた。チャンバ圧力は12.5Torr(1.7×10
3Pa)に達し、19.3グラムのDDMSが消費された。次に、DDMSのバルブを閉じ、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。
【0185】
粒子の試料を取り出し、浮遊試験法用いて評価すると、粒子の50%が浮遊していた。チャンバを再度10.5Torr(1.4×10
3Pa)までポンプダウンした。次に、撹拌器を6rpmで作動させ、蒸気処理のためにDDMSのバルブを粒子に対して10分間開けた。チャンバ圧力は15.6Torr(2.0×10
3Pa)に達し、17.2グラムのDDMSが消費された。次に、DDMSのバルブを閉じ、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。粒子の試料を取り出し、浮遊試験法用いて評価すると、粒子の95%が浮遊していた。合計30分間の曝露時間の後、及び消費されたDDMSが57.3グラムになったとき、処理を停止した。処理された粒子を取り出し、ふるいにかけ、150℃で8時間、後乾燥させて、粒子内の未反応水分吸着を除去した。
【0186】
(実施例20)
以下の変更を加えたことを除き、例示的実施例1及び実施例8〜10の方法に従って実施例20を調製した。シリカゲル粒子は、0.2mm〜1.0mmの粒径範囲を有する、白色で不規則な形状の粒子であった(International Silica Gel Co.LTD(Shandong,China)より入手)。DDMS蒸気処理前に、入荷したままの状態の粒子を湿度(30°F(−1.1℃)及び80%相対湿度)に曝露した。湿度への曝露の間、粒子の一部分の吸湿を、6.0重量%に達するまで10〜20分毎にチェックした。湿度に曝露されたシリカゲル約1060グラムを、真空チャンバ内の、実施例18に記載の粒子撹拌器の中に装填した。チャンバを10Torr(1.3×10
3Pa)までポンプダウンした。次に、撹拌器を12rpmで作動させ、0.7に設定された質量流量制御装置をDDMSのバルブとして使用した。
【0187】
蒸気処理のためにDDMSのバルブを粒子に対して32分間開けた。チャンバ圧力は12.5Torr(1.7×10
3Pa)に達し、32.6グラムのDDMSが消費された。次に、DDMSのバルブを閉じ、チャンバを2分間減圧し、周囲条件まで通気した。処理された粒子を取り出し、150℃で8時間、後乾燥させて、粒子内の未反応水分吸着を除去した。実施例20は上述の浮遊試験法に合格し、処理された粒子の100%が表面上に浮遊した。
【0188】
比較例2
1リットル/分のNF
3ガスを1〜1.5Torr(130〜200Pa)の圧力で使用して、約2Kgのシリカゲル(AGM Container Controls,Inc.(Tucson,AZ)より入手、部品番号:920014)を処理した。遠隔プラズマ源(MKS Instruments(Wilmington,MA)より入手、モデルAstex−Astron eX)を使用してプラズマを生成した。チャンバ内の基準圧力は、ガスの導入前には0.1Torr(13Pa)未満であった。シリカゲル粒子を30分間処理した。比較例2を上述の浮遊試験法に供したが、水の入ったバイアル瓶の中に振り撒く粒子の量を少なくするという変更を加えた。全ての粒子は水中に沈み、パチパチという音と共に反応した。
【0189】
多孔質粒子処理プロセス2の実施例
以下の実施例21を行うにあたり、多孔質粒子の処理プロセス2を用いた。プロセス2を実施するために使用した装置は、概ね
図3Aに示されているものである。粒子撹拌器は、概ね
図3Bに示されているものであり、上部に矩形開口部(4.5cm×3.5cm)を有する中空シリンダ(長さ6cm×直径5.5cm×水平長さ)で構成された。撹拌器は、軸を位置合わせしてシャフトに取り付けられた。シャフトは矩形断面(1cm×1cm)を有し、このシャフトには、タンブリングされる支持粒子(support particles)のための撹拌機構又はパドルホイールを形成する4つの矩形ブレードがボルトで固定された。
【0190】
ブレードは、任意に、ブレードと撹拌器のシリンダとによって形成される4つの四分円のそれぞれに収容される粒子容量間の移動を促進するための2つの穴を含んでもよい。ブレードの寸法は、側部及び末端部における撹拌器壁部との間隙距離が4mmとなるように選択された。粒子撹拌器は、シリンダの底部にガス吸気ポートを有していた。粒子撹拌器は、機械ポンプに接続された真空チャンバの中に設置された。
【0191】
市販の電解研磨されたステンレス鋼ガスバブラーを使用して、液体源から真空チャンバまで蒸気を供給した。ガスバブラーは、半導体産業における薄膜の金属有機化学蒸着で日常的に使用されるものと同様の、背の高い円筒形の密封容器であった。バブラーの上部は、注入口と、蒸気空間ポートと、ディップチューブポートとを有していた。
【0192】
ジクロロジメチルシラン(DDMS、Gelest,Inc.(Morrisville,PA)より入手)をガスバブラーの注入口を介して充填し、注入口を金属製のシールプラグで封止した。ディップポートに接続されたバルブも同様に、金属製のシールプラグで封止した。蒸気空間バルブのみを使用して、DDMS蒸気を真空粒子コーティング装置に供給し、反応を行った。蒸気源のオン/オフを制御するために、追加のバルブを取り付けた。
【0193】
シリカゲルに疎水性シェルを形成するための典型的な方法は、既知量の乾燥剤粒子を粒子撹拌器の中に装填することと、回転真空ポンプを使用してチャンバを10〜200Torr(1.3×10
3〜2.6×10
4Pa)までポンプダウンすることと、を含む。次に、チャンババルブを閉じて、チャンバを真空ポンプから切り離した。次に、DDMSのバルブを開けて粒子を処理した。DDMS容器の初期重量を記録した。DDMSは、25℃で135Torr(1.755×10
4Pa)の高蒸気圧を有するので、液体源は外部加熱の必要がなかった。
【0194】
撹拌器シャフトを一定に回転させることにより、粒子をチャンバの中のDDMS蒸気に様々な時間の間、曝露した後、DDMSのバルブを閉じた。DDMS容器の最終重量を記録した。初期重量と最終重量との差は、粒子の処理で消費されたDDMSの量として認められる。撹拌プロセスを中止した後、チャンバを再び減圧させ、周囲条件まで通気した。処理された粒子を150℃で炉乾燥させた。
【0195】
実施例21〜22及び比較実施例3〜4
プロセス2を用いて処理された、DDMS処理された広細孔(タイプB)シリカゲルの比較
2つのタイプBシリカゲル粒子を異なる供給元から入手し、プロセス2を用いて処理した。一方のタイプB1シリカゲル(CAS番号:7631−86−9;Toyota Kako Co.,Ltd.)は、1〜3mmの大きな粒径を有していた(ビーズ形状)。タイプB2シリカゲル(International Silica Gel Co.,Ltd.(China))は、0.5〜1.5mmの小さな粒径を有していた(ビーズ形状)。まず、入荷したままの状態のタイプBシリカゲル粒子を、粒子を湿潤炉に曝露することによって5〜10重量%まで予加湿した。次に、粒子を粒子撹拌器の中に装填し、真空チャンバの中に入れた。真空粒子コーターの説明は上述されている。次いで、真空チャンバを所望の圧力までポンプダウンした。DDMS液をステンレス鋼のバブラーに注入した。
【0196】
バブラーは、3つのポートである浸漬管と、注入口と、蒸気空間とを有していた。バブラーを充填した後、浸漬管及び注入口へのバルブを閉じた。蒸気を供給するために、蒸気空間バルブのみを真空チャンバに接続した。バブラーを周囲温度(即ち、22〜24℃)に維持した。プロセス条件は表15にまとめられている。浮遊試験、液体水の取り込み試験、及びティーバッグ試験の結果を、表16にまとめる。
【0197】
【表15】
【0198】
【表16】
* 再現は1回のみ。
【0199】
30℃及び90%相対湿度で測定された水蒸気の取り込み試験法の結果を表17に示す(g/gで示される水分曝露後の重量増加として示されている)。
【0200】
【表17】
結果は、100Torr(1.3×10
4Pa)で処理された粒子に関して、水蒸気吸収は、10Torr(1.3×10
3Pa)で処理された処理済み粒子よりも高いことを示している。2時間以内に吸収が増加するのが、個人衛生物品には好ましい。水取り込み値は、10Torr(1.3×10
3Pa)処理と比べ、100Torr(1.3×10
4Pa)で処理された粒子の方が有意に高かった。これらのデータは、広い細孔径分布を有する多孔質粒子では、100Torr(1.3×10
4Pa)のプロセス圧力が望ましいが、10Torr(1.3×10
3Pa)は、狭い細孔径分布を有する多孔質粒子にとって十分であることを示している。
【0201】
表面疎水性コーティングの厚さを判定するためのESCA分析
ESCAは、プロセス2を用いて100Torr(1.3×10
4Pa)で処理された広い細孔径分布のタイプBシリカゲルに対して実施された(実施例22)。深さ分析の結果は、外部粒子表面上に厚さ45nmの疎水性コーティングを示し、細孔の内部表面は実質的に処理されておらず、親水性のままであった。
【0202】
例示的実施例9
プロセス圧力>200Torr(2.6×10
4Pa)
200Torr(2.6×10
4Pa)を超える高い圧力による粒子の処理を試みた。しかしながら、DDMS蒸気の供給速度は著しく低下された。DDMSバブラーを加熱して液体の蒸気圧を増加させるために、外部加熱源が必要であり得る。このROIでは、バブラーは周囲温度に保たれ、200Torr(2.6×10
4Pa)以上では、短時間で所望の処理がもたらされなかった。
【0203】
実施例23〜25及び比較例5
様々な水分レベルで予加湿され、かつプロセス2を用いて100Torr(1.3×10
4Pa)で処理されたタイプBシリカゲル多孔質粒子の比較
小粒径のタイプBシリカゲル(0.5〜1.5mmのビーズ形状、International Silica Gel Co.,Ltd.(China))を、実施例21で上述されたプロセス2によって、表18に示されるプロセス条件を用いて処理した。それぞれ46%、1.4%、及び7%の予加湿レベルに多孔質粒子を予曝露した後、実施例23、24及び25を100Torr(1.3×10
4Pa)のプロセス圧力で処理した。比較例5は、予加湿レベルが2%であるタイプBシリカゲルの未処理の対照試料に相当する。
【0204】
【表18】
30℃及び90%相対湿度で測定された水蒸気の取り込み試験法の結果を表19に示す(g/gで示される水分曝露後の重量増加として示されている)。
【0205】
【表19】
結果は、10%を超えるレベルの予加湿が粒子の疎水性に与える影響がわずかであることを示している。しかしながら、予含水量が2%未満の粒子では、水蒸気貯蔵能力の損失が大きく、細孔内部の親水性部位の消滅を示している。
【0206】
多孔質粒子の処理プロセス3の実施例
実施例26〜27及び比較例6
プロセス2及びプロセス3によりDDMSで処理された入荷したままの状態のシリカゲル(w/<2%含水量)の比較(DDMSのその場オリゴマー(in situ oligomer))
小粒径のタイプBシリカゲル(0.5〜1.5mmのビーズ形状、International Silica Gel Co.,Ltd.(China))を、プロセス2及びプロセス3によって、
図3A及び
図3Cに概して記載されている装置を使用して、表20に示されるプロセス条件を用いて処理した。環状混合ノズル380で導入された水蒸気の量を用いて、反応生成物が外部粒子表面に蒸着する前に、所望の二量体、三量体又は高級オリゴマーの形成を達成した。
【0207】
環状混合ノズル380は、外(水蒸気を運ぶ)管によって同軸に囲まれた内(DDMS蒸気を運ぶ)管を含んでいた。外管は、0.5インチ(1.27cm)の外径(O.D.)を有し、内管は、0.25インチ(0.636cm)の外径を有していた。環状混合ノズル380を、0.25インチ(0.636cm)のポリエチレン管を介して粒子撹拌器の底部入口330に接続した。外管を、真空チャンバの外側にある水蒸気の供給源に接続した。プロセス条件は表20にまとめられている。
【0208】
【表20】
多孔質粒子を1.4%の予加湿レベルに予曝露した後、プロセス2を用いて実施例26を調製した。多孔質粒子を1.4%の予加湿レベルに予曝露した後、100Torr(1.3×10
4Pa)のプロセス圧力で、プロセス3を用いて実施例27を調製し、ガスバブラー368を通る窒素流量は2リットル/分であった。比較例6は、予加湿レベルが1.4%であるタイプBシリカゲルの未処理の対照試料に相当する。浮遊試験法、液体水の取り込み試験法、及びティーバッグ試験法の結果は、表21にまとめられている。
【0209】
【表21】
30℃及び90%相対湿度で測定された水蒸気の取り込み試験法の結果を表22に示す(g/gで示される水分曝露後の重量増加として示されている)。
【0210】
【表22】
これらの結果は、含水量が2%未満の入荷したままの状態のシリカゲルに関し、プロセス2を用いた100Torr(13.3kPa)でのDDMS蒸気処理は、プロセス3を用いた100Torr(13.3kPa)でのDDMS蒸気処理に比べて、比較的低品質の疎水性コーティングをもたらすことを示している。DDMSの消費重量%もまた、プロセス2と比べてプロセス3を用いて処理された同じ材料の方が有意に低かった。プロセス3を用いて処理された粒子に関し、処理後の湿気の取り込みは、比較例6の未処理の粒子のものと非常に近い。したがって、粒子に到達する前の水蒸気の制御流とDDMSとのその場反応は、内部細孔表面が疎水性コーティングを実質的に含まない状態のままで疎水性コーティングで粒子の外部表面をコーティングする能力に関して、有意で有益な効果を有する。
【0211】
実施例28〜30及び比較例7
プロセス3を用いた様々な水蒸気流量での多孔質粒子処理にその場での水蒸気の供給が与える影響の比較
小粒径を有するタイプBシリカゲル(0.5〜1.5mmのビーズ形状、International Silica Gel Co.,Ltd.(China))を、プロセス2及びプロセス3によって、
図3A及び
図3Cに概して記載されている装置を使用して、表20に示されるプロセス条件を用いて処理した。性能もまたプロセス1を用いた処理と比較する。プロセス条件は表23にまとめられている。
【0212】
【表23】
浮遊試験法、液体水の取り込み試験法、及びティーバッグ試験法の結果は、表24にまとめられている。
【0213】
【表24】
30℃及び90%相対湿度で測定された水蒸気の取り込み試験法の結果を表25に示す(g/gで示される水分曝露後の重量増加として示されている)。
【0214】
【表25】
水蒸気の取り込み及びティーバッグ試験法の結果は、7%に予加湿された広細孔多孔質粒子乾燥剤に関して、その場での水蒸気の供給法が水の取り込み量の低減に有意で有益な効果を有し、従って、処理中にその場での水分供給速度を制限することによって、処理された多孔質粒子による水分取り込みの量の制御が容易になることを示している。しかしながら、湿気の取り込みは、その場での供給に対して限界利益しか示さないように思われる。
【0215】
個人衛生物品で用いる乾燥剤としての多孔質粒子の用途では、水の取り込み及び湿気の取り込みの複合利益が望ましい場合が多い。DDMSの高級オリゴマー(例えば、二量体、三量体、及び高級オリゴマー)を形成するためにその場で水蒸気を供給するプロセス3は、水の取り込み及び湿気の取り込みの全体的効果の有意な改善を示す。
【0216】
上述のアンモニア臭評価手順を用いて、実施例28及び実施例28〜30の出発原料として使用される未処理のシリカゲルを評価した。湿潤試料の評価手順を用いた。結果を表26に示す。
【0217】
【表26】
(実施例31)
小粒径のタイプBシリカゲル(0.5〜1.5mmのビーズ形状、International Silica Gel Co.,Ltd.(China))を、プロセス2及びプロセス3を連続して用いて、
図3A及び
図3Cに一般的に記載されている装置を使用して、表26に示されるプロセス条件を用いて処理した。
【0218】
50.00gの量の入荷したままの状態のタイプBシリカゲルを、200ccの撹拌器の中に装填し、チャンバを100Torr(1.3×10
4Pa)までポンプダウンした。プロセス2の表面処理を用いて粒子をDDMSに曝露する前に、エタノール蒸気を多孔質粒子の細孔内に予め吸着させた。プロセス2の圧力は100Torr(1.3×10
4Pa)であった。撹拌器の底部の蒸気ポートを介してエタノール蒸気をチャンバに入れた。10分後に、試料を撹拌器から取り出し、吸収したエタノール含有量を水分計で測定した。エタノール含有量は8.19%であった。55.19gの量のエタノールを予め吸収したシリカゲルを200ccの撹拌器の中に装填し、チャンバを再度100Torr(1.3×10
4Pa)までポンプダウンした。上述のプロセス3を用いてDDMS処理を行った。処理後に消費されたDDMSの重量は5.6gであった。処理済み試料を取り外し、150℃で10分間乾燥した。プロセス条件は表27にまとめられている。
【0219】
【表27】
浮遊試験法、液体水の取り込み試験法、及びティーバッグ試験法の結果は、表28にまとめられている。
【0220】
【表28】
30℃及び90%相対湿度で測定された水蒸気の取り込み試験法の結果を表29に示す(g/gで示される水分曝露後の重量増加として示されている)。
【0221】
【表29】
プロセス2を用いて処理された活性炭
実施例32〜33及び比較実施例8〜9
実施例32及び33に関し、2つの異なる活性炭試料を使用した。粒子の実施例32では、活性炭は12×20メッシュ(1.70mm〜0.85mm)の大きな粒径分布を有し、実施例33では、活性炭は30×70メッシュ(0.60mm〜0.212mm)の小さな粒径分布を有していた。これら炭素粒子は共に、Kuraray Chemical Co.LTD(Japan)から入手した。実施例28及び29の手順に従って実施例32及び33を調製し、処理パラメータは以下の表30に示されている。
【0222】
【表30】
ティーバッグ水取り込み評価は1回だけ再現されたことを除いて、上述の液体水取り込み評価及びティーバッグ水取り込み評価を用いて、実施例32及び33、並びに実施例32及び33の出発原料として使用された未処理の活性炭を評価した。その結果を以下の表31にまとめる。
【0223】
【表31】
水蒸気の取り込みが35℃及び85%相対湿度で測定されたことを除いて、上述の水蒸気の取り込み手順を用いて、実施例32及び33、並びに実施例32及び33の出発原料として使用された未処理の活性炭を評価した。重量増加(g/g)を以下の表32に示す。
【0224】
【表32】
上述のアンモニア臭評価手順を用いて、実施例33及び実施例33の出発原料として使用された未処理の活性炭を評価した。乾燥及び湿潤試料の両方を評価する手順を用いた。結果を以下の表33に示す。
【0225】
【表33】
本明細書全体を通し、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「実施形態」を指す参照は、「実施形態」という用語の前に「例示的(代表的)」という用語が含まれているかどうかに関わらず、その実施形態の、特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の代表的な実施形態の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえに、本明細書全体を通して様々な箇所にある「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、又は「ある実施形態では」といった句の出現は、必ずしも本開示の代表的な実施形態の同一の実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の好適な方法で1つ以上の実施形態に組み合わされてもよい。
【0226】
本明細書で特定の代表的実施形態を詳細に説明したが、当然のことながら、当業者には上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び均等物を容易に想起することができるであろう。したがって、本開示は本明細書で以上に述べた例示の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。特に、本明細書で用いるとき、端点による数値範囲が記載される場合、その範囲内に包含される全ての数を含むことを意図する(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。加えて、本文書中、使用されている全ての数字は、用語「約」によって修飾されていると見なされる。更に、本明細書で参照される全ての刊行物、公開された特許出願、及び発行済み特許は、本発明の裏付けを提供するために必要な場合に、また各刊行物又は特許が具体的にまた個々に参照により組み入れられことを示されるのと同様に、参照によりそれらの全体が組み込まれる。様々な代表的実施形態が上述された。これらの及び他の実施形態は、以下の「特許請求の範囲」内である。
本発明はまた、以下の内容を包含する。
(1)
複数の多孔質粒子の処理方法において、
それぞれが、外部表面と、内部細孔表面を有する複数の細孔とを有する複数の多孔質粒子を提供することと、
前記内部細孔表面が疎水性剤を実質的に含まない状態を維持させたままで前記外部表面を疎水性剤と接触させることによって前記多孔質粒子の前記外部表面を処理することと、
を含む、方法。
(2)
前記多孔質粒子の前記外部表面を処理することが、プラズマ蒸着によって、前記多孔質粒子の前記外部表面の少なくとも一部の上に、ケイ素と、水素と、炭素とを含む層を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(3)
ケイ素と、炭化水素と、炭素とを含む前記層の少なくとも一部の上に、プラズマ蒸着によって、フッ素と炭素とを含む層を形成することを更に含む、項目2に記載の方法。
(4)
前記多孔質粒子の前記外部表面を処理することが、
前記多孔質粒子を、水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気のうちの少なくとも1つに曝露することと、
反応して前記疎水性剤を形成する反応性有機シラン化合物を含む第2の蒸気に、前記多孔質粒子を曝露することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(5)
前記多孔質粒子を、水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気のうちの少なくとも1つに曝露することが、前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に、前記多孔質粒子を曝露する前に実施される、項目4に記載の方法。
(6)
前記水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気の少なくとも一部が、前記多孔質粒子の前記複数の細孔の少なくとも一部内に凝結し、それによって、前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に前記多孔質粒子を曝露する前に、前記内部細孔表面を少なくとも部分的に塞ぐ、項目5に記載の方法。
(7)
前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に前記多孔質粒子を曝露した後、前記凝結した水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気を前記細孔から実質的に除去することを更に含み、任意に、前記細孔から前記凝結した水蒸気、メタノール蒸気、又はエタノール蒸気を実質的に除去することが、前記粒子を加熱する、前記粒子を真空に曝露する、又はこれらの組み合わせによって達成される、項目6に記載の方法。
(8)
前記多孔質粒子を前記水蒸気及び前記第2の蒸気に曝露する前に、前記反応性有機シランと反応しない揮発性化合物を含む第3の蒸気に前記多孔質粒子を曝露することを更に含み、前記揮発性化合物の少なくとも一部が、前記多孔質粒子の前記複数の細孔の少なくとも一部内に凝結し、それによって、前記内部細孔表面を少なくとも部分的に塞ぐ、項目4に記載の方法。
(9)
前記揮発性化合物が、窒素分子、二酸化炭素、C1〜C2炭化水素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(10)
前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に前記多孔質粒子を曝露した後、前記細孔から前記凝結した揮発性化合物を実質的に除去することを更に含み、任意に、前記細孔から前記凝結した揮発性有機化合物を実質的に除去することが、前記粒子を加熱する、前記粒子を真空に曝露する、又はこれらの組み合わせによって達成される、項目8又は9に記載の方法。
(11)
前記水蒸気の少なくとも一部が、前記多孔質粒子の前記細孔の外側の蒸気相中の前記反応性有機シラン化合物の少なくとも一部と反応する、項目4〜10のいずれか一項に記載の方法。
(12)
前記反応性有機シラン化合物が、少なくとも2つのシラン官能性反応基を含む、項目11に記載の方法。
(13)
前記反応性有機シラン化合物が、ジクロロジメチルシラン及びジクロロジエチルシランから選択される、項目12に記載の方法。
(14)
前記反応性有機シラン化合物が、25℃で133Pa〜26,600Paの蒸気圧を有する、項目4〜13のいずれか一項に記載の方法。
(15)
前記多孔質粒子の前記外部表面を処理することが、1,330〜26,600Paの総蒸気圧で行われる、項目1〜14のいずれか一項に記載の方法。
(16)
前記複数の細孔が、少なくとも1nmかつ4nm以下のメジアン孔径を示し、更に、前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に前記多孔質粒子を曝露することが、1,330〜19,950Paの総蒸気圧で生じる、項目15に記載の方法。
(17)
前記複数の細孔が、少なくとも4nmかつ10ナノメートル以下のメジアン孔径を示し、更に、前記反応性有機シラン化合物を含む前記第2の蒸気に前記多孔質粒子を曝露することが、6,650〜26,600Paの総蒸気圧で生じる、項目15に記載の方法。
(18)
前記多孔質粒子が、多孔質無機粒子、多孔質有機粒子、多孔質金属粒子、多孔質(コ)ポリマー粒子、多孔質炭素粒子、多孔質粘土粒子、多孔質分子篩粒子、多孔質ゼオライト粒子、多孔質乾燥剤粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1〜17のいずれか一項に記載の方法。
(19)
前記処理された多孔質粒子の前記外部表面の少なくとも一部が、アルキル基又はアリール基のうちの少なくとも一方を含む疎水性基を含み、更に、前記アルキル基又はアリール基が、それぞれ任意にフッ素で置換されており、これに加えて、前記内部細孔表面が、少なくとも部分的に親水性である、項目1〜18のいずれか一項に記載の方法。
(20)
前記疎水性基が、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせを有するシロキサンを含む、項目19に記載の方法。