【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による削岩リグは、検出デバイスが重力の方向に整列されていて、削岩リグの作業現場における少なくとも1つの基準線の位置を検出することを特徴とする。
本発明による位置決め方法は、検出デバイスを重力の方向に整列させるとともに検出デバイスにおいて検出パターンを生成し、検出パターンが基準線の方向に向けられる新たな位置に削岩リグを位置決めし、基準線に対する削岩ユニットの現在の方向及び水平距離を決定し、入力された水平方向の基準距離と、検出された基準線の方向とに従って、掘削形成されるべき新たな掘削孔の列に、削岩ユニットを位置決めすること特徴とする。
【0005】
開示された解決手法の思想は、削岩リグを作業現場において位置決めして掘削パターンを掘削形成するときに、削岩リグに配列された検出デバイスが使用されるというものである。検出デバイスは、少なくとも位置決め工程の間において重力の方向に整列される。作業現場は基準線を備えており、新たな掘削位置への位置決めは、検出デバイスによって検出された基準線に従って実行される。基準線が検出された後に、基準線に対する削岩ユニットの現在の方向と、水平距離とが決定される。このステップは誘導(navigation)と称される。削岩リグの削岩ユニットは、入力された水平方向の基準距離と、検出された基準線の方向とに従って、掘削形成されるべき新たな掘削孔の列に位置決めされる。鉱山の所有者は、一連の掘削孔扇状部(drill hole fans)間又は他の掘削パターン間の基準距離を定めうる。この種類の掘削工程は基準掘削と称されうる。
【0006】
開示された解決策の利点は、複雑な測定デバイスと、基準線の位置及び方向を決定する計算とが、位置決めを行うのに不要になることである。削岩リグの外部の測定手段が不要になる。検出デバイスは重力の方向に設けられるので、基準線と検出デバイスとの間の鉛直距離及び傾斜度を測定する必要はない。これにより検出及び誘導の工程が簡略化される。追加の利点は、運転者の作業がより容易になり負担がより少なくなることである。
【0007】
1つの実施形態に従って、基準線は形成済みの掘削孔から形成される。すなわち、基準線は事前に掘削形成済みの掘削孔を通る。この解決策の利点は、別個の工程において、作業現場に基準標識を付与する必要がないことであり、それにより、標識を付与する余分な作業が回避されうるし、上記の工程が高速化されうる。
【0008】
1つの実施形態に従って、基準線は、少なくとも2つの形成済みの掘削孔から形成される。それら形成済みの掘削孔は、重力の方向に設けられた検出デバイスによって検出される鉛直方向の基準面を形成する。
【0009】
1つの実施形態に従って、以前の形成済みの掘削孔扇状部は、掘削形成されるべき次の掘削孔扇状部の基準線の役割を果たす。扇状部は、トンネル又は対応する岩盤空洞の側面において上向きに位置決めされた複数の掘削孔を備えるとともに補強作用又はボルト締め作用を有する扇状部でありうる。或いは、扇状部は、鉛直上向きの掘削孔と、角度方向に上向きの掘削孔とを備える発破孔扇状部でありうる。
【0010】
1つの実施形態に従って、基準線は、作業現場に付与された基準標識から形成される。すなわち、基準線はそれら基準標識を通る。基準標識は岩肌に塗装された標識でありうる。或いは、基準標識は、電子デバイス、例えば、送信機、RFIDタグ、又は無線標識であってもよい。さらに、基準標識は、反射器又は光源を備えるデバイスであってもよい。基準標識によって第1の基準位置が決定されうるし、又は基準標識が、例えば、鉱山の重要な位置に付与されうる。
【0011】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは扇形の検出パターンを生成する。扇形の検出パターンは削岩リグに対して上方かつ側方を向いている。検出パターンは円の形状を有していてもよい。或いは、検出パターンは、円の一区域の形状を有していてもよい。幾つかの状況においては、上記の区域の角度が90°であれば十分でありうるし、また、1つの区域のみが形成されれば十分でありうる。
【0012】
1つの実施形態に従って、扇形の検出パターンは回動式のビームパターンである。ビームパターンは、鉛直面における検出ビームを送出する回転式又は回動式の放射体によって生成されうる。ビームが回転式又は回動式であるので、1つのビームのみが放射されれば十分である。ただし、複数のビームを使用することも可能である。
【0013】
1つの実施形態に従って、扇形の検出パターンは、扇形の形状を有する少なくとも2つの狭ビームから形成される。2つのビーム放射体が互いに対して或る角度位置に配列されており、それらビーム放射体が上方かつ側方に延びる1つの均一な扇形のパターンを一緒に生成する。1つ又は2つ以上のブランキングプレートによって、2つの扇形のビーム間の干渉が防止されうる。
【0014】
1つの実施形態に従って、扇形の検出パターンは少なくとも3つのビームを含む。1つのビームが上方に向かって方向付けされうるとともに、2つ又は3つ以上のビームが側方に向かって、又は斜め上方に向かって方向付けされうる。従って、それらビームは上向きのビームに対して傾斜する。照射された点が岩肌に形成されるように、ビームは狭ビーム又は点状のビームでありうる。
【0015】
1つの実施形態に従って、検出デバイスはレーザ放射デバイスである。レーザ放射デバイスは、回動され若しくは回転されるように配列された単一のレーザビームを備えうるし、又は扇形のパターンが形成されるように、上述した通り、2つ、3つ、若しくは4つ以上のレーザビームが配列されうる。さらに、レーザのビームは、照射された線を岩肌に形成する狭小な扇状部の形態を有しうるし、又は照射された小型の点が岩肌に形成されるように、ビームは狭ビーム又は点状のビームでありうる。
【0016】
1つの実施形態に従って、検出デバイスはカメラである。1つ又は2つ以上のカメラによって、事前に掘削形成済みの掘削孔、補強ボルト、及び基準標識が検出されうる。カメラはビデオカメラ又は静止カメラでありうる。カメラによって生成された画像データは、観察された岩肌における事前に掘削形成済みの掘削孔、補強ボルト、及び基準標識の位置を検出する目的のために、画像処理プロセッサにおいて処理されうる。画像処理プロセッサは画像認識システムを含みうる。最も簡易な場合には、画像データが表示ユニットにおいて運転者向けに表示されうる。これにより運転者が表示画像を観測ツールとして使用しうる。
【0017】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは超音波放射デバイスである。超音波を使用することによって、岩肌における掘削孔、補強ボルト、又は人工的かつ物理的な基準標識を検出することが可能になる。超音波放射デバイスは、そのような岩肌における物理的な不連続部分を検出できる。従って、基準線の位置を決定する目的のために超音波手段を使用してもよい。
【0018】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、削岩ユニットから所定の水平距離だけ離間して配置される。所定の距離は掘削計画に従って設定されるとともに、掘削形成されるべき一連の掘削孔扇状部間に形成される水平距離に対応している。一連の扇状部間の距離、すなわち基準距離は、鉱山の所有者によって定められうる。或いは、検出デバイスは、削岩リグの座標系のゼロ点から所定の水平距離だけ離間して配置されうる。制御ユニットが位置を決定するのに必要な計算を実行しうる。
【0019】
1つの実施形態に従って、検出デバイスの位置は、削岩ユニットに対して水平方向に調節可能になるように配列される。この実施形態によると、基準距離が大きく変化する場合には検出デバイスの位置を調節することが可能になる。検出デバイスは、例えば、滑動体と、滑動体を支持する棒材とを含む位置調節手段を備えうる。
【0020】
1つの実施形態に従って、検出デバイスはブームに配列される。基準線と一致する検出パターンが取得されるように検出デバイスを正確な位置及び方向に移動させることは、簡易かつ迅速に行われる。この実施形態においては、基準線の方向に従って削岩リグのキャリアを方向付けする必要がないので、キャリアの位置決め駆動が高速化される。
【0021】
1つの実施形態に従って、検出デバイスはキャリアに配列される。この実施形態は、基準距離が長いときに有用でありうる。さらに、キャリアが検出デバイス用の自由空間を備えうるとともに、検出デバイスが安全な場所に簡易に位置決めされうる。
【0022】
1つの実施形態に従って、基準線の位置が決定されるときのみ、検出デバイスが重力の方向に整列される。残りの時間においては、検出デバイスが、例えば、保護カバーの下方の輸送位置に位置決めされうる。
【0023】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは継続的に重力の方向に整列される。
1つの実施形態に従って、基準線の位置が決定されるときのみ、検出デバイスが検出信号を生成するか又は受信する。残りの時間においては、検出デバイスの電源が切られうる。
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、検出信号を継続的に生成するか又は受信する。
【0024】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、水平方向の回動軸線回りに回動するように配列された振り子を備える。検出デバイスは、振り子に配列された少なくとも1つの検出ユニットを備える。振り子の重心が回動軸線の下方に配列されるので、振り子は重力の方向における位置を維持しようとする。
【0025】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、水平方向の回動軸線回りに回動するように配列されていて重力の方向における位置を維持しようとする振り子を備える。振り子の回動運動は、1つ又は2つ以上の減衰デバイスによって減衰される。減衰手段によって、振り子の運動、及び振り子に配列された検出ユニットの運動がより安定化されうる。
【0026】
1つの実施形態に従って、減衰デバイスは、容器と、容器内の減衰流体と、減衰流体に浸された1つ又は2つ以上の減衰面とを備える。容器は振り子の下方に配置されており、減衰面は振り子と一緒に移動するように配列されている。容器内の減衰流体は、例えばオイルでありうる。振り子が回動軸線に対して回動すると、減衰面が容器の内側に移動する。容器内の減衰流体は粘性を有するので、減衰流体は減衰面及び振り子の運動を減衰する。そのような減衰デバイスは簡素かつ安価であるとともに信頼性が高い。
【0027】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、検出デバイスの現在の方向を決定するとともに重力の方向を検出する1つ又は2つ以上のセンサ又は測定手段を備える。さらに、検出デバイスは、受信した測定データに基づいて、検出デバイスを重力の方向において位置決めする1つ又は2つ以上の回動デバイスを備える。検出デバイスの方向は、継続的に、又は基準線が検出される必要があるときのみ制御されうる。検出デバイスは、位置制御を行う制御デバイスを備えうる。この実施形態において、検出デバイスの方向は能動的に制御される。
【0028】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、検出デバイスの上側部に配列された少なくとも1つの透明カバーを備える。その防護カバーによって、検出デバイスの上部が、落下する石材、水滴、及び不純物から保護される。カバーは検出デバイスの耐久性及び信頼性を向上させる。
【0029】
1つの実施形態に従って、検出デバイスは、少なくとも1つの上部カバーと、上部カバーから不純物を除去する少なくとも1つの清浄化デバイスとを備える。清浄化デバイスは1つ又は2つ以上の洗浄ノズルを備えうるので、例えば水噴射によって、上部カバーが清浄化されうる。代替的に又は付加的に、清浄化デバイスは、1つ又は2つ以上のワイパブレード又は対応する機械的な清浄化手段を備えうる。
【0030】
1つの実施形態に従って、検出デバイスに対する削岩ユニットの位置が決定される。ブームはブーム部材の位置を測定するブーム測定手段を備えており、また、キャリッジはキャリアの傾斜度を測定する傾斜度測定手段を備えている。制御ユニットは、測定手段から受信した測定データに基づいて、検出デバイスに対する削岩ユニットの位置を決定する。次いで、測定データと、削岩リグにおける検出デバイスの既知の配置とに基づいて、削岩ユニットが検出された基準線に対して誘導される。
【0031】
1つの実施形態に従って、削岩リグは少なくとも1つの表示ユニットを備えており、また、制御ユニットは、検出された基準線に対する削岩ユニットの現在の水平方向の位置を表示ユニットにおいて表示するようにされている。この特徴によって、削岩ユニットを基準線から所定の水平距離だけ離間して位置決めすることが容易になる。
【0032】
1つの実施形態に従って、削岩リグは少なくとも1つの表示ユニットを備える。削岩ユニットが基準線から基準距離だけ離間した新たな掘削箇所に位置決めされると、制御ユニットは、掘削形成されるべき掘削孔の開始点に対する削岩ユニットの現在の位置を表示ユニットにおいて表示できる。通常、開始点間の距離は鉱山の所有者によって定められる。この特徴によって、掘削扇状部又は他の種類の掘削パターンの所定の箇所における削岩ユニットの位置決めが容易になり高速化される。
【0033】
1つの実施形態に従って、制御ユニットは、削岩ユニットを基準線から所定の水平距離だけ離間して位置決めするのを運転者に指示するように配列される。さらに、制御ユニットは、掘削扇状部における適切な開始点に削岩ユニットを位置決めするのを運転者に指示しうる。例えば、次に掘削形成されるべき掘削孔の開始点までの距離が運転者に示されうる。例えば、測定データ及び種々の観測パターンのような指示が表示ユニットにおいて表示されうる。
【0034】
1つの実施形態に従って、位置決め工程は、検出デバイスの検出パターンが基準線に位置するようにキャリアが移動される粗位置決めを含む。その後、検出パターンが基準線の方向に配列されるように、精密位置決めが実行されうる。検出デバイスがブームに配列される場合には、検出パターンが基準線と一致するようにブームを回動させることが比較的簡易である。同様に、水平方向の位置が精密に調節されうる。検出パターンが基準線と一致するようになったら、誘導が実行される。誘導においては、ブームのブーム部材の位置がブーム測定手段によって測定されるとともに、キャリアの傾斜度が傾斜度測定手段によって測定される。誘導は、測定手段から受信した測定データと、ブームに取り付けられた検出デバイスの所定の位置とに基づいて、基準線に対する削岩ユニットの位置を、削岩リグの制御ユニットにおいて計算することをさらに含む。基準線に対する削岩ユニットの決定された現在の位置は、表示ユニットにおいて運転者に示されうる。
【0035】
1つの実施形態に従って、掘削孔のパターン、例えば、事前に掘削形成済みの掘削孔と掘削形成前の掘削孔とを含んでいる部分的に掘削形成された扇状部を完成させる必要がある場合においても、開示された検出デバイスと、開示された位置決め工程とが利用されうる。未完成の掘削孔の列における最後の掘削形成済みの掘削孔に削岩ユニットを位置決めすることによって、未完成の掘削孔の列における最後の事前に掘削形成済みの掘削孔の位置が指定される。その後、誘導が実行されて、制御システムが、未完成の掘削孔の列において掘削形成されるべき次の掘削孔を掘削形成するように運転者に指示しうる。或いは、制御ユニットは、未完成の掘削孔の自動的な掘削を実行しうる。
【0036】
1つの実施形態に従って、削岩リグが新たな掘削位置に位置決めされる。それにより、水平方向の基準距離だけ互いに離間した2つ又は3つ以上の一連の掘削孔扇状部又は他のパターンを掘削形成する目的のために、削岩ユニットが利用されうる。これによりキャリアの位置決め駆動の必要性が低減される。この実施形態において、水平方向の基準距離は比較的小さい距離でなければならない。
【0037】
1つの実施形態に従って、削岩リグは、ボルト締めユニットを備えたボルト締めデバイスである。ボルト締めユニットは、扇形のパターンの掘削孔を掘削形成する掘削ユニットを備える。さらに、ボルト締めデバイスは、補強ボルトを掘削孔の内部に配列させるボルト締めユニットを備える。
【0038】
1つの実施形態に従って、削岩リグは、発破孔を岩石に掘削形成するようにされた量産品の掘削リグである。そのようなデバイスは、発破技術によるパターンと一致する上向きの掘削孔を掘削形成する削岩ユニットを備える。
【0039】
上記に開示された実施形態は、必要とされる上記の特徴の解決策を有する適切な解決策を形成する目的のために組み合わせられうる。