特許第5792785号(P5792785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57927852つの部材の結合作用によって押圧力を維持するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792785
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】2つの部材の結合作用によって押圧力を維持するための装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 13/74 20060101AFI20150928BHJP
   B64C 25/44 20060101ALI20150928BHJP
   F16D 55/36 20060101ALI20150928BHJP
   F16D 65/18 20060101ALI20150928BHJP
   F16D 121/24 20120101ALN20150928BHJP
   F16D 127/06 20120101ALN20150928BHJP
【FI】
   B60T13/74 G
   B64C25/44
   F16D55/36 A
   F16D65/18
   F16D121:24
   F16D127:06
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-222149(P2013-222149)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-84112(P2014-84112A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2013年10月25日
(31)【優先権主張番号】1260228
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511154180
【氏名又は名称】メシエ−ブガッティ−ドウティ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク オンフロイ
(72)【発明者】
【氏名】トマ ルパージュ
(72)【発明者】
【氏名】フラン セル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ラゴ
【審査官】 中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−193147(JP,A)
【文献】 特表2011−521848(JP,A)
【文献】 特開2006−199280(JP,A)
【文献】 特開2006−232263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/74
F16D 49/00−71/04
B64C 25/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用電気機械ブレーキシステムであって、
ブレーキ制御手段(10)と、航空機の少なくとも1つのブレーキ付きホイール(3)に嵌合された少なくとも1つの電気機械ブレーキ(1)とを具備し、
前記ブレーキ(1)が、摩擦部材(2)と、前記摩擦部材(2)に対して選択的に押圧力を加えるために電動モーター(7)によって動かすのに適するプッシャ(6)を有する少なくとも1つの電気機械アクチュエータ(4)とを備え、
前記電気機械アクチュエータ(4)が、前記プッシャ(6)を所定の位置においてブロックするためのブロック部材(8)も有し、
前記制御手段(10)が、少なくとも前記電動モーター(7)がブレーキ設定値に反応して押圧力を選択的に加えるように制御される制御モードにおいて、または前記プッシャ(6)が前記摩擦部材(2)に対して駐機力を与える位置へ前記プッシャ(6)を動かすように前記モーター(7)が制御され、その後前記ブロック部材が稼働されて前記モーターが非稼働にされる駐機モードにおいて、前記ブレーキシステムを作動させ、
前記制御手段(10)が、前記プッシャが所定の保持力を与える位置へ前記プッシャ(6)を動かすように前記モーター(7)が稼働され、その後前記ブロック部材(8)が稼働され、その間前記プッシャ(6)が前記保持力より高い付加的力を発揮できるようにするために前記モーター(7)の稼動が維持される結合モードと呼ばれる付加的ブレーキモードにおいて、前記ブレーキシステムを作動させる、
ことを特徴とするブレーキシステム。
【請求項2】
前記制御手段(10)が、
・前記プッシャが前記保持力より大きい目標押圧力を与える位置へ前記プッシャを動かすように前記電動モーター(7)を制御し、前記ブロック部材(8)が非稼動とされ、
・前記プッシャが前記保持力に等しい力を与えるとき前記電気機械アクチュエータ(4)の前記プッシャ(6)をブロックするように前記ブロック部材(8)を稼働し、
・前記モーターによって生成される力を減少し、
・前記プッシャ(6)が前記目標押圧力に等しい力を発揮できるようにするために前記モーターの稼動を維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項3】
前記制御手段が、結合モードにおいて、前記電動モーター(7)によって消費される電流が最大電流閾値(Smax)超えまたは最小電流閾値(Smin)未満になったとき前記プッシャの位置を調節することを特徴とする、請求項に記載のブレーキシステム。
【請求項4】
前記プッシャの位置の前記調節が、
・前記ブロック部材(8)を非稼働にすることと、
・前記プッシャが前記目標押圧力を与える位置へ前記プッシャを動かすように前記電動モーター(7)を制御することと、
・前記プッシャ(6)が前記目標押圧力に等しい力を発揮できるようにするために前記モーターの稼動を維持しながら、前記ブロック部材(8)を稼働し、前記モーターによって生成される力を減少することと、
から成る、
ことを特徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。
【請求項5】
前記結合モードが、
前記航空機の推進機関からの推力と同時に駐機モードにおける制動のコマンドを検出することによって、または
設定閾値の力より大きい押圧力を生成するための駐機ブレーキモードのコマンドを検出することによって、または
パイロットがアクチュエータ部材を操作することによって、
稼働される、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキシステム。
【請求項6】
前記モーター(7)の電気消費が設定電流閾値(Isat)によって制限されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ制御手段と、航空機の少なくとも1つのブレーキ付きホイールに嵌合された少なくとも1つの電気機械ブレーキとを備える航空機用電気機械ブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機用ブレーキシステムの電気機械ブレーキは、従来、一群の摩擦円板と複数の電気機械アクチュエータとを備え、アクチュエータの各々は、一群の円板に対して押圧力を選択的に加えるために電動モーターによって動かすのに適するプッシャを有する。また、アクチュエータは、プッシャを所定の位置においてブロックするためのブロック部材を含む。
【0003】
このような電気機械ブレーキは、概して、3つのブレーキモード(本出願において、「制御」モード、「駐機」モード及び「保護」モードと呼ぶ)で作動するように設計される。
【0004】
航空機の操縦士がブレーキペダルまたは自動ブレーキレーバーを操作した結果として稼働される制御モードにおいて、ブレーキと結合されたブレーキ制御手段は、制御ブレーキ設定値を受信し、アクチュエータが設定値に対応する押圧力を生成するようにブレーキの各アクチュエータの電動モーターへ電力を送る。例えば、制御手段は、電気機械アクチュエータコントローラ(EMAC)及び電子ブレーキ制御装置(EBCU)を備える。
【0005】
パイロットが駐機セレクタを操作した結果として稼働する駐機モードにおいて、制御手段は、プッシャが所定の押圧力を加える位置へプッシャを動かすように電動モーターへ電力を送り、その後、プッシャをブロックするためにブロック部材を稼働し、モーターを非稼働する。駐機モードは、航空機を所定の期間地上で移動しないようにする必要があるときに航空機を静止させておく目的で駐機段階において使用される。温度の関数としてブレーキの構成要素(ヒートシンク、トルクチューブ、ヒートシンクを保持するためのプレートなど)の寸法は変動するので、維持すべき力は、時間と共に変動し、制御手段がプッシャの位置を調節するための調節を実施できるようにする必要がある。
【0006】
保護モードは、その電力供給をオフに切り替えて、モーターの温度が高くなりすぎないようにすることによって、アクチュエータの電動モーターを保護できるようにする。その後、アクチュエータのブロック部材は稼働されて、求められた押圧力を維持するように独自に作用する。保護モードは、概して、パイロットに透明であるようにブレーキシステムの内部のコマンドの結果として稼働される。
【0007】
駐機及び保護モードにおいて、押圧力は「保持」力と呼ばれる。すなわち、専らプッシャに対するブロック部材の作用によって維持される押圧力である。
【0008】
駐機及び保護モードは、ブレーキに高レベルの応力を加える状況において使用できることが判明している。
【0009】
従って、駐機モードを使用して、航空機が移動するのを防止しながら、推進機関の推力テストを実施することありうる。このとき、アクチュエータのブロック部材が維持できる必要のある保持力は、非常に高い。
【0010】
パイロットが制御モードを使用して航空機を滑走路停止点において静止状態に保持するとき、航空機の推進機関が作動中であれば、長い待機時間に亘って維持力を送る結果としてアクチュエータの電動モーターの温度が高くなりすぎる可能性がある。このとき、ブレーキシステムによって保護モードが稼働されるので、ブロック部材はこの保持力(大きい可能性がある)を維持できるような寸法を持つ必要がある。
【0011】
駐機及び保護モードにおいてブロック部材をこのように使用すると、ブレーキシステムまたはブレーキアクチュエータの設計者がしばしば遭遇する2つの技術的困難が生じる。
【0012】
第1の困難は、航空機が駐機段階にあるとき調節を行うために使用されるロジックに関する。このロジックは、プッシャの位置の調節を伴う。保持力が変動する様子が分からないとき、調節は、高い力を加えることによって実施されるので、アクチュエータの早すぎる老化の傾向を生じる。
【0013】
さらに、ブロック部材は、航空機を滑走路停止点においてまたは推力テストを実施するときに静止状態に保持するために必要な押圧力の関数として寸法を定められることが多い。これらの状況は駐機段階に必要とされる保持力よりずっと大きい保持力を必要とするので、ブロック部材は、駐機段階に通常必要とするものに比べてかなり過大な寸法を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の技術的困難を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するために、本発明は、ブレーキ制御手段と、航空機の少なくとも1つのブレーキ付きホイールに嵌合された少なくとも1つの電気機械ブレーキとを備える航空機用電気機械ブレーキシステムを提供する。ブレーキは、摩擦部材と、摩擦部材に対して押圧力を選択的に加えるために電動モーターによって動かすのに適するプッシャを有する少なくとも1つの電気機械アクチュエータとを備える。アクチュエータは、プッシャを所定の位置においてブロックするためのブロック部材も有する。制御手段は、少なくとも電動モーターがブレーキ設定値に反応して押圧力を選択的に加えるように制御される制御モードにおいて、またはプッシャが摩擦部材に対して駐機力を与える位置へプッシャを動かすようにモーターが制御され、その後ブロック部材が稼働されてモーターが非稼働にされる駐機モードにおいて、ブレーキシステムを作動させる。本発明によれば、制御手段は、「結合」モードと呼ばれる付加的ブレーキモードにおいてブレーキシステムを作動させる。付加的ブレーキモードにおいて、プッシャが所定の保持力を与える位置へプッシャを動かすようにモーターが稼働され、その後ブロック部材が稼働され、その間プッシャが保持力より高い付加的力を発揮できるようにするためにモーターの稼動は維持される。
【0016】
ブロック部材とモーターの結合作用によって、ブロック部材が独自で維持できる保持力より大きい比較的大きい力を生成できるので、ブロック部材または電動モーターを過大な寸法にする必要なく(昇熱量が限定されるので)、滑走路停止点においてまたはエンジン推力テストを実施する際、航空機を静止状態に保持できるようにする。
【0017】
さらに、駐機段階において結合モードを稼働することによって、電動モーターが消費する電流を観察することによりブレーキの寸法の変動から生じる押圧力の変動を検出できるので、押圧力を調節する必要性をより正確に評価できるようにする。これによって、過剰なまたは頻繁すぎるプッシャの位置の調節の必要がなくなるので、アクチュエータの早すぎる老化のリスクを減少する。
【0018】
本発明は、添付図面を参照する以下の説明から、より良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のブレーキシステムに組み込まれた電気機械ブレーキを備えるホイールを示す。
図2a】時間の関数としてブレーキ力設定値を示す。
図2b】アクチュエータのブロック部材を稼働するための信号及びブレーキ設定値に反応してアクチュエータの電動モーターが消費した電流を示す。
図2c】電動モーターとブロック部材の結合作用から生じた合計押圧力を、この合計押圧力に対するモーターとブロック部材の分担と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、航空機の電気機械ブレーキ1は、摩擦部材(この例においては、制動のためにホイール3と一緒に回転するように拘束されるディスクと回転が固定しているディスクを交互に備える一群のディスク2)を備える。
【0021】
また、電気機械ブレーキ1は、延伸するためにアクチュエータキャリア5によって支えられ一群のディスク2に直面する複数のアクチュエータ4(2つを図示する)を有する。各アクチュエータ4は、プッシャ6を事前設定位置においてブロックできるようにするブロック部材8と一緒に、ディスクを押圧して押圧力を生成するために電動モーター7によって一群のディスク2へ向かって動かされるのに適するプッシャ6を有する。この実施例において、ブロック部材8は、駐機段階において毎日使用するための寸法を有し、推力テストにおいてまたは滑走路停止点に航空機を停止させて使用できる過大寸法を持たない。
【0022】
航空機のブレーキ付きホイールに嵌合されるブレーキ1と同様の電気機械ブレーキに加えて、本発明のブレーキシステムは、ブレークのアクチュエータを制御するためのブレーキ制御手段10も有する。
【0023】
本発明のブレーキシステムは、少なくとも下記の4つのブレーキモードで作動するように設計される。すなわち、
・「制御」モードと呼ばれるブレーキモード
・「駐機」モードと呼ばれるブレーキモード
・「保護」モードと呼ばれるブレーキモード
・「結合」モードと呼ばれるブレーキモード
【0024】
制御モードにおいて、制御手段10は、航空機のコックピット12においてパイロットがブレーキペダル13を操作した結果としてまたは自動ブレーキに係合するオートブレーキ14と呼ばれるレバーを操作した結果として発せられたブレーキ命令を受け取り、命令に反応して、制御手段はブレーキ設定値を発する。制御手段10は、各アクチュエータ4の電動モーター7へ送る電力を生成し、変調することによって、この設置値に応答する。
【0025】
駐機モードにおいて、制御手段10は、パイロットが駐機セレクタ15を操作した結果として発せられた駐機ブレーキ命令を直接受け取る。制御手段10は、モーター7が、アクチュエータのプッシャが一群のディスク2に対して駐機力を与える位置へプッシャ6を動かせるようにするために、各アクチュエータ4の電動モーター7のために電力を生成する。次に、制御手段10は、各アクチュエータ4のブロック部材8を稼働して、プッシャ6を所定の位置においてブロックし、その後、制御手段はモーター7を非稼働にする。制御手段10は、上記のステップを定期的に繰り返して、駐機力を調節する。なぜなら、駐機力は、温度の関数としてブレーキの構成要素の寸法が変動した結果として変化している可能性があるためである。
【0026】
保護モードは、1つまたはそれ以上の電動モーター7の温度が所定の閾値を上回ったことを制御手段10が検出した結果として、(航空機が停止状態のとき)稼働される。制御手段10は、モーターが動力を受けないようにし、対応するアクチュエータ4のブロック部材8を稼働する。ブロック部材8は、求められた押圧力を独自で維持することができる。
【0027】
これらの3つのモードのいずれかでブレーキが作動されるときアクチュエータ4の電動モーター7及びブロック部材8は、短い移行時間は除外される可能性があるが、同時に稼動するようには制御されないことが分かるはずである。
【0028】
結合モードにおいて、制御手段10は、ブレーキ命令を受け取って、結合ブレーキ設定値を生成する。次に、制御手段10は、電力をモーター7へ送ることによって、モーター7を稼働し、モーターは、プッシャが所定の押圧力を与える位置へプッシャを動かす。その後、制御手段10は、ブロック部材がプッシャ6を所定の位置においてブロックするようにブロック部材8を稼働する。モーターは引き続き稼働されているので、モーター7とブロック部材8の結合作用の下で、プッシャ6は、ブロック部材8によって独自で与えられる保持力より大きい付加的力を発揮して、モーターの電力消費を減少し、その結果としてモーターの加熱を減少できる。
【0029】
結合モードは、下記の2つの主要な必要に対応して特定の設定された条件に基づいて駐機モードまたは保護モードを実施するためのものである。すなわち、
・駐機部材独自の保持力より大きい押圧力を維持できるようにする
・駐機モードが通常使用される状況において(駐機中など)押圧力の変動を監視する
【0030】
この実施例において、例えば下記のことの結果として、結合ブレーキ命令は、ブレーキシステム内部のコマンドによって自動的に生成される。
・駐機モードのため及びエンジン推進ためのコマンドを同時に検出した(この検出は、例えば、エンジン推力がテストされる状況に対応する)
・ブレーキアクチュエータモーターの温度が高すぎるときにエンジン推力コマンドを検出した(この検出は、例えば、滑走路の停止点で航空機を静止状態に維持する状況に対応する。
・閾値より大きい押圧力を維持するよう要求する駐機モードコマンドを検出した(この検出は、必要とされる押圧力のレベルが大きい駐機段階に対応する)
【0031】
推力テスト状況または滑走路停止点で航空機を静止状態に維持する状況において、結合モードは、ブロック装置独自で維持できる保持力より大きい、比較的大きい押圧力を一群のディスク2に対して加えるために使用される。
【0032】
従って、図2a、2b及び2cから分かるように、制御手段10が、目標押圧力TargForceを得るために結合モードブレーキを実施するための命令をT=T0からT=T2までの時間に受け取ったとき、制御手段は、ブレーキ設定値SetPを生成する。T=T0において、制御手段10は、モーターへモーター電流IMを送ることによってモーター7へ動力を供給する。このモーター電流IMは、目標押圧力TargForceに等しいモーター押圧力MForceを生成するためにプッシャを移動するようにモーターを制御できるようにする。ブロック部材8は、この時点で非稼動状態である。従って、モーターとブロック部材の結合作用によって生成される合計力TotForceは、力MForceに等しい。
【0033】
モーター7は、T=T1までの一定時間、力TargForceを維持するよう制御される。ブロック部材8は、T0からT1まで非稼動状態に維持される。
【0034】
その後、T=T1において、ブロック部材8は稼働される。ブロック部材は、プッシャをブロックして、保持力HoldForceを維持する。モーターによって生成された圧力MForceは減少し、合計押圧力TotForceにおけるモーターの分担は、比較的小さくなる。このように、合計力TotForceは、HoldForceとMForceの合計に等しい。
【0035】
従って、時間T=T1からT=T2までにおいて、モーターとブロック部材の結合作用は、ブロック部材の保持力HoldForceより大きい目標力TargForceに等しい合計押圧力TotForceを生成できるようにする。
【0036】
この目標押圧力は比較的大きく、ブロック部材または電動モーターを過大な寸法に作ることなく、停止点状況においてまたはエンジン推力テスト状況においてまたは駐機状況において航空機を静止状態に保持できるようにする。
【0037】
本発明のブレーキシステムの結合モードは、特に、航空機が駐機段階にあるとき駐機力を調節するためにも有利である。
【0038】
この調節は、目標押圧力を維持するために必要な回数の調節を正確に実施するように実行できる。結合モードにおいて、制御手段10は、ブロック部材8がプッシャ6を所定の位置においてブロックするようにし、同時に、電動モーター7が連続的に一定押圧力を与えるようにする。従って、モーター7は、連続的に動力を受けるので、モーターによって消費される電流の測定値が得られる結果としてアクチュエータによって加えられた押圧力の変動を評価できるようにする。
【0039】
駐機段階における結合モードにおいて、アクチュエータ4のモーター7を制御するために、3つの電流閾値Isat、Smin及びSmaxが定められる。
【0040】
閾値Isatは、駐機段階におけるモーター7の電流消費を制限するための電流閾値である。従って、この閾値は、使用中の航空機バッテリの容量を考慮して、電気消費が不利になり過ぎないようにできる。
【0041】
閾値Smin及びSmaxは、プッシャ6の位置を調節する必要がある瞬間を正確に測定するために使用される電流閾値である。ブレーキ1の構成要素の寸法が変動した場合、維持されるべき駐機力が変動するので、消費される電流に変動が生じる。閾値Smin及びSmaxの規模は、モーターによって消費される電流がSmin未満またはSmax超えの場合、プッシャ6の位置を調節する必要があることを意味し、要求される駐機力が許容限界内に維持されるように定められる。
【0042】
駐機の調節は、目標駐機維持力を制御する制御手段10によってトリガーされる。このために、制御手段は、モーター7が目標押圧力を生じるモーターブレーキトルクを生成するようにモーター7を制御する。このときブロック部材は非稼動状態である。
【0043】
モーター7は、瞬間的に単独でこの目標押圧力を維持するように作動する。
【0044】
その後、ブロック部材8が稼働されて、ブロック部材は保持力を維持する。モーターブレーキトルクは、減少するが、アクチュエータが保持力より大きい目標押圧力を生成し続けるように維持される。
【0045】
トリガー閾値Isat、Smin及びSmaxは、この後活動化される。
【0046】
モーター7によって消費される電流がSmin未満またはSmax超えになった場合、制御手段10は、調節を行う。この調節は、ブロック部材8のブロックを解除し、目標押圧力を与える位置へプッシャ6を配置し、その後モーター7へ動力を供給し続けながらブロック部材8を再稼働することから成る。
【0047】
電流の閾値Smax超えの検出は、ブロック部材が稼働されていない場合のみ稼働されることが分かるはずである。
【0048】
この調節は、駐機段階全体を通じて、電力供給を利用できる時間の間、電流がSim未満またはSmax超えになる度に繰り返される。
【0049】
電動モーター7は、この駐機段階の間連続的に稼働されるので、アクチュエータによって生成された押圧力は、駐機力の多少の変動を補正するのに役立つ。これによって、過剰なレベルの調節または過剰に頻繁な無意味な調節を回避するので、モーターの電気消費もアクチュエータの早すぎる老化の危険も減少する。
【0050】
本発明は、上述の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に属する変形をその範囲に含む。
【0051】
本発明のブレーキシステムを例示するために単純化された構成を使用するが、本発明は、当然、電動モーターとプッシャとブロック部材とを有する少なくとも1つの電気機械アクチュエータを制御するブレーキ制御手段を含む限り、他の構成のブレーキシステムをその範囲に含む。従って、1つまたはそれ以上のブレーキコンピュータ(EBCU)及び1つまたはそれ以上のアクチュエータコントローラ(EMAC)によって構成された制御手段を使用する、ブレーキに任意の数のアクチュエータを備える、などの措置が可能である。
【0052】
結合モードは、ブレーキシステムによって特定の状況が検出された結果として自動的に作動すると述べたが、パイロットが結合モードを稼働できるようにコックピット内に制御部材を設置することも可能である。
図1
図2a
図2b
図2c