(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
より完全な本主題の理解は、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を、以下の図面と併せて考察し、参照することによって導き出すことができ、同様の参照番号は、図面全体を通して同様の要素を指す。
【0013】
以下の発明を実施するための形態は、本質的には、単なる実例に過ぎず、本主題の実施形態、あるいはそのような実施形態の応用及び用途を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される「例示的」という言葉は、「実施例、事例、又は実例としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書で例示的として説明されるいずれの実施も、必ずしも他の実施よりも好ましい又は有利であるとして解釈されるべきではない。更には、先行の技術分野、背景技術、概要、若しくは以下の発明を実施するための形態で提示される、明示又は示唆されるいずれの理論によっても、拘束されることを意図するものではない。
【0014】
電気メッキ用の従来の基板キャリアは、診断及び解決が困難な問題を有する。従来の基板キャリアに関する1つの問題は、キャリア上に基板を装填する間に、基板キャリアによって、基板が破損してしまう場合があることである。出願人らは、その破損を分析し、その破損が、キャリアに基板を保持するために使用される金属クリップの付近で、頻繁に発生することを発見した。出願人らは、これらの破損を更に分析し、多くの場合、それらの破損は、クリップが完全に「閉じた」状態でない場合に、クリップの一部分が基板の縁部に衝撃を与えることによるものであると判定した。
【0015】
従来の基板キャリアに関する別の問題は、基板に不均一な被覆が存在するために、基板の一部のメッキが高い頻度で不完全なものとなることである。キャリア内での、不完全にメッキされる基板の位置は、常に同じとは限らず、ある程度、不規則であるように見える。出願人らは、不完全にメッキされた基板を分析し、この不完全にメッキされた「染み(stain)」は、多くの場合、基板の底部部分に存在することを発見した。出願人らは、これらの「染み」は、キャリアのポケット部の底部に捕捉されて、すすぎ落とされていない、メッキ溶液の残留物によるものであると判定した。
【0016】
他の問題は、キャリアの耐久性の欠如に関する。換言すれば、機械的破損により、修理又は交換が必要となる前の、従来の基板キャリアの有用な耐用期間が制限されてしまう。コンタクトクリップは、破損若しくは損傷するか、又は、過度に低い張力を有するか、又は、適切な場所で基板と接触しないことにより、頻繁に故障する。更には、キャリア上のパッドが、破損するか又は亀裂を生じる場合も多い。更には、キャリア本体自体が、亀裂を生じるか又は破損する場合も多く、キャリア内部の銅導体が、化学浴によるエッチングのために損なわれる場合も多い。出願人らは、キャリア本体の破損に関する寄与要因としては、ステージングの間のキャリアの過剰な積み重ね及びキャリアの誤った取り扱いが挙げられると判定した。
【0017】
本出願は、上述の問題のうちの1つ以上に解決策を提供する、改善された基板キャリアを開示する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、キャリアの一方の側から他方の側に溶液が進行することを可能にする開口部を有さない基板キャリアが提供される。換言すれば、この基板キャリアは、実質的に途切れることないように形成され、電解質溶液に対して非浸透性である。従来の見解では、そのような開口部は、キャリアの重量を低減し、電解質溶液が一方の側から他方の側に通過して流れることを可能にする点で有利である。しかしながら、出願人らは、驚くべきことに、実質的に途切れずに非浸透性である(本体を貫通する穴を有さない)「平坦な」キャリア本体が、様々な有利点を有することを見出した。第1に、出願人らは、平坦なキャリア本体が、洗浄の間の電解質溶液の完全な除去を手助けする、洗浄液が全面に広がる(sheeting)作用を提供するものと考える。更には、平坦なキャリア本体は、従来、(開口部が存在しないために)実質的に重いと考えられていたが、出願人らは、その重量を実質的に低減するために、内部空洞を有する平坦なキャリア本体を設計した。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、熱可塑性樹脂層と金属層との改善された接着を有する、堅牢な基板キャリアが提供される。この改善された接着は、化学溶液がキャリア内部の金属を尚早に腐食することを防ぐ、優れた気密封止をもたらす。本明細書で開示されるように、接着の問題は、従前の脆弱な金属対熱可塑性樹脂の表面の接合界面を、2つの強固な接合界面で置き換えることによって、解決又は低減することができる。この2つの強固な接合界面は、改善された金属対熱可塑性樹脂の表面の接合界面(例えば射出成形などの、優れた接着を提供する接合技術を使用する)、及び、熱可塑性樹脂対熱可塑性樹脂の表面の接合界面である。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、構成要素の故障によるダウンタイムを低減させる、基板キャリアが提供される。構成要素の故障とは、例えば、メッキされる基板をキャリアに保持するクリップの故障が含まれる。本明細書で開示されるように、基板キャリアは、クリップ及び他の構成要素を着脱可能に取り付けることができるように、構成することができる。このことにより、有利なことに、より恒久的に取り付けられた構成要素を修理するために必要とされる、実質的なダウンタイムを有することなく、キャリアを使用可能状態に保つことが可能になる。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による、非浸透性基板キャリア用の、非導電性(電気的絶縁性)プレートの内側面102の平面図である。非導電性プレート自体は、電気的絶縁性である。この内側面上に位置する、キャリアの上面の導電バスバー120と、バスバー120からキャリアの底部に向けて延びる導電線128とを含む、導電性アセンブリもまた示されている。
【0022】
この例示的実施形態では、内側面102は、15個の「X」字形状骨組みパターン106を含み、各X字形状骨組みパターン106が、4つのポケット凹部104を隔てている。これらのポケット凹部104は、プレートの重量を実質的に低減している。
【0023】
更には、X字形状骨組みパターン106の中心には、外側面202上の中心パッド位置211(以下で説明される
図2を参照)に対応する、中心位置111が示される。各X字形状骨組みパターン106の周りの周辺には、外側面202上の周辺パッド位置212(
図2を参照)に対応する、第1周辺位置112もまた示される。各X字形状骨組みパターン106の周りの、更に若干遠く離れた周辺には、外側面202上の位置合わせペグ位置214(
図2を参照)に対応する、第2周辺位置114が示されている。
【0024】
図1には、金属線128に接続される金属バスバー120を含む、導電性アセンブリが更に示される。例えば、金属バスバー120は、機械加工されたステンレス鋼とすることができ、金属線128は、銅線とすることができる。金属バスバー120は、金属カバープレート129(例えば、同じくステンレス鋼とすることができる)の溶接によって、金属線128に、導電方式で接続することができる。ブッシング穴127内に、金属ブッシングを溶接して、プレート129と、金属線128の上面部分402(
図4を参照)とを、確実に相互接続させることができる。更には、金属保持ピン130が、X字形状骨組みパターン106の両側で、金属線128に取り付けられる。これらの金属保持ピンは、キャリアの外側表面202上に着脱可能クリップを取り付けることが可能となるように、構成することができる。金属保持ピン130の一部は、プレートの縁部で金属線128に取り付けられ、他の金属保持ピン130は、プレートの内部で金属線128に取り付けられる。
【0025】
金属バスバー120は、複数の開口部を有するように機械加工される。機械的作業アーム上にキャリアを装着するために、2つの「鍵穴」形状開口部122を含めることができる。この「鍵穴」形状は、作業アームとキャリアとの、より整合的な位置合わせを可能にする、位置合わせ構造123を含む。各鍵穴形状開口部122の両側には、側方開口部124が存在してもよい。側方開口部124を設けることにより、金属バスバー120の重量を低減することができる。手作業でのキャリアの保持を容易にするために、ハンドル開口部126が、上面の中心位置に提供される。バスバー120はまた、熱可塑性樹脂オーバーコート602(以下で説明される
図6を参照)の確実な取り付けを容易にするために、一連の接合穴132を有してもよい。
【0026】
図1にはまた、キャリアの角部の合わせピン穴140も示されている。これらの合わせピン穴140は、非導電性プレート及び金属バスバー120の双方を貫通して設けられるものであり、キャリアがテーブル又はローダー上に搭載される際の、キャリアの位置合わせのために使用することができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による、非導電性プレートの外側面202の平面図である。導電バスバー120の一部分もまた示される。この例示的実施形態では、外側面202は、電解質溶液が、キャリアの角部及び凹部内に捕捉されて残留する傾向を低減するために、実質的に「平坦」となるように設計される。
【0028】
外側面202は、15個の中心パッド取り付け点211を含む。各中心パッド取り付け点211の周りの、第1周辺上には、周辺パッド取り付け点212が示される。これらのパッド取り付け点(211及び212)は、例えば、プラスチックパッドを着脱可能に取り付けるための、装着穴を含み得る。
【0029】
各中心パッド取り付け点211の周りの、第2周辺上には、位置合わせペグ取り付け点214が示される。この第2周辺上の点は、第1周辺上の点よりも、中心点から更に若干遠く離れている。ペグ取り付け点214は、例えば、プラスチックペグを着脱可能に取り付けるための、装着穴を含み得る。
【0030】
この例示的実施形態では、基板(例えば、シリコンウェハなど)を保持するための15個の領域213が、外側面202上に存在する。各基板保持領域213は、位置合わせペグ取り付け点214によって取り囲まれる。パッド取り付け点(211及び212)は、基板保持領域213内部に配置され、これらの点に取り付けられるパッドにより、基板と外側面202の表面との間に間隙が設けられる。
【0031】
図2には、クリップ取り付け構造210が更に示される。本発明の一実施形態によれば、各クリップ取り付け構造は、金属保持ピンのネジ山付き外側表面502(以下で説明される
図5Bを参照)を含み得る。このクリップ取り付け構造は、各基板保持領域213の両側に配置される。図示の例示的実施形態では、クリップ取り付け構造は、垂直の縦列内に位置合わせされ、プレートの両側に沿ったクリップ取り付け構造210、及び、プレートの内部領域内の隣り合う基板保持領域213間のクリップ取り付け構造210を含み得る。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態による、非導電性プレートの外側面202上の、基板保持領域213の斜視図である。図示のように、基板保持領域213の中心には、中心パッド311(
図2に示す中心取り付け点211に取り付けられる)が存在する。中心パッド311の周りの第1周辺上には、周辺取り付け点212に着脱可能に取り付けられる、周辺パッド312が示されている。例えば、中心取り付け点及び周辺取り付け点(211及び212)は、挿入穴を有してもよく、その挿入穴内に、パッドの下側面上のスタブを挿入することによって、パッド(311及び312)を取り付けることができる。有利なことに、外側面202の表面とメッキされる基板との間に、洗浄スペースを作り出すためにパッド(311及び312)を設けることができる。パッド(311及び312)は、プラスチックで作製することができ、それらが損耗又は損傷した場合の交換の容易性のために、着脱可能であるように構成することができる。一実施では、パッドは、「ティアドロップ」形状である平坦面を有し得る。
【0033】
図には、中心パッド311の周りの第2周辺上には、位置合わせペグ取り付け点214に着脱可能に取り付けられる、位置合わせペグ314が示されている。(この第2周辺上の点は、第1周辺上の点よりも、中心パッド311から更に若干遠く離れている。)例えば、ペグ取り付け点214は、挿入穴を有してもよく、ペグ314は、挿入穴内に、各ペグの底部のスタブを挿入することによって、取り付けることができる。ペグ314は、メッキされる基板を基板保持スペース内部に保持すること、及び、基板によって引き起こされる恐れがある損傷からクリップを保護することの、二重機能性を有する。ペグ314は、プラスチックで作製することができ、それらが損耗又は損傷した場合の交換の容易性のために、着脱可能であるように構成することができる。一実施では、ペグ314は、テーパー形状とすることができる。
【0034】
更に図に示すように、基板保持領域213の一方の側には、3つのクリップ取り付け構造210の第1のセットが存在し、他方の側には、3つのクリップ取り付け構造210の第2のセットが存在する。クリップ取り付け構造210は、導電クリップが損耗又は損傷した場合の交換の容易性のために、導電クリップを着脱可能に取り付けることができるように、構成することができる。クリップ取り付け構造210は、導電性アセンブリ(
図4に示すような)と導電クリップとの間に、導電経路を形成する。
【0035】
更には、
図3は、クリップ取り付け構
造210を取り囲む、逃げカット部316を示す。これらの逃げカット部316は、クリップアセンブリの基部(例えば、
図10A及び
図10Bに示す、クリップアセンブリ1000の基部1012を参照)の適切な位置決めを容易にする、凹領域である。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態による、導電バスバー120及び金属線128を含む、導電性アセンブリ(溶接部材)の平面図である。図示のように、金属保持ピン130が、金属線128に取り付けられる。更に示すように、金属線128は、導電バスバー120と金属線128とを接続するために使用される、接続プレート402に取り付けられる。一実施形態では、バスバー120は、ステンレス鋼から形成することができ、金属線128は、銅線を含み得る。
【0037】
図5A及び
図5Bは、本発明の一実施形態による、
図4の導電性アセンブリの諸部分を示す、2つの斜視図である。
図5Aに示すように、接続プレート402は、2つの金属カバープレート129の間に挟み込まれる。次いで、ブッシングが、ブッシング穴127内に溶接されることにより、導電バスバー120と金属線128とを、電気的かつ機械的に接続することができる。金属保持ピン130は、恒久的な方式で(例えば、溶接されて)、金属線128に取り付けられる。
図5Bに示すように、金属保持ピン130は、ネジ山付き外側表面502を含み得る。更には、熱可塑性樹脂層(又はオーバーコート)504を、例えば、射出成形によって、金属線128上の金属保持ピン130の周りに付着させることができる。更には、追加的な熱可塑性樹脂層(又はオーバーコート)506を、例えば浸漬コーティング又はスプレーコーティングによって、金属線128の上に付着させることができる。説明を容易にするために、
図5Bでは、金属線128の小区画のみが、熱可塑性樹脂層506を有するように示される。しかしながら、熱可塑性樹脂層506は、本発明の実施形態による金属線128の、一部分又は全体のいずれかの上に、コーティングすることができる。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態による、導電バスバー120の一部分に適用される熱可塑性樹脂オーバーモールド(又はオーバーコート)602を示す平面図である。図示のように、熱可塑性樹脂オーバーモールド602は、好ましくは、導電バスバー120の水平長にわたる。この例示的構成では、熱可塑性樹脂オーバーモールド602が接合穴132に充填されることにより、導電バスバー120に確実に接合する。導電バスバー120の選択部分の上の、熱可塑性樹脂オーバーモールド602は、例えば、射出成形によって適用することができる。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態による、2つのキャリアプレートと導電性アセンブリとの接合内の、様々な層を示す断面図である。
図7は、説明の目的のために、正確な縮尺ではなく、様々な層を示すことに留意されたい。
【0040】
図示のように、導電バスバー120の下方部分は、2つの非導電性キャリアプレート700の、内側面102の間に挟み込まれる。図示のように、熱可塑性樹脂オーバーモールド602は、導電バスバー120の両面を被覆する。溶剤セメント732を使用して、非導電性キャリアプレート700の内側面102と、導電バスバー120上の熱可塑性樹脂オーバーコート602との間に、プラスチック対プラスチック接合を形成することができる。
【0041】
図8は、本発明の一実施形態による、基板キャリアに保持された半導体ウェハ804を示す斜視図である。図示のように、ウェハ804は、その周辺に沿った、位置合わせペグ314によって画定されるスペース内に、配置することができる。ウェハ804の下面は、複数のパッド(例えば、中心パッド311及び周辺パッド312)(図示せず)によって、キャリアの外側面202との間に空間を生み出すことができる。この例示的実施形態では、導電クリップ802が、ウェハ804の両側の、クリップ取り付け構造210に取り付けられる。キャリアにウェハ804を保持する際は、各導電クリップ802を、その接触点が、ウェハ804の表面上の金属製導体パッド806上に載置されるように、位置決めすることができる。例示的実施形態では、ウェハ804は、周辺パッド312の1つの真上に、各導体パッド806が配置されるため、クリップは、パッドに対して直接ウェハを押し付けることができる(右側の別のウェハ用の隣接するスペースを参照)。
【0042】
図9Aは、本発明の一実施形態による、第1のクリップアセンブリ900の斜視図である。図示のように、第1のクリップアセンブリ900は、クリップ901、ネジ912及びOリング914を含み得る。この例示的実施形態では、クリップ901は、一片のステンレス鋼(例えば、完全に硬化させたSS 301)から形成することができる。更には、ネジ912は、クリップ取り付けピン130の外側ネジ山502上にネジ留めすることができるように、内側にネジ山を切ることができる。
【0043】
図9Bは、第1のクリップアセンブリ900の諸部品を、分離した状態で示す分解図である。更には、クリップ901の様々な構造に参照番号が付与されている。図示のように、クリップ901は、穴904を有する基部902を含む。クリップ取り付けピン130が、Oリング914及び穴904を貫通して嵌合し、次いで、ネジ912を、クリップ取り付けピン130の外側ネジ山502上にネジ留めすることができる。クリップ901の基部904はまた、1つ以上の位置合わせ構造903も含むことにより、クリップを取り付けた後に、クリップを正しい角度の向きに配置することができる。
【0044】
更に示すように、バネ905が、基部902から上向きに延在してもよい。この場合、そのバネは、クリップを形成する金属折り畳まれた構成を含む。クリップのアーム906は、バネ905の上面から開始して、基部902から離れる方向に延びることができる。図示のように、アーム906は、例示的実施形態では、その耐用期間を改善するために、テーパー形状にすることができる。先端部分908は、基部902から最も遠いアーム906の末端部から、下向きに延在してもよい。先端部分908の最も低い点に、接触構造910を形成することができる。接触構造910は、メッキされる基板と物理的に接触する(例えば、半導体ウェハの表面上の導体パッド806で)、クリップ901の部分である。一実施では、接触構造910は、約1mmの幅である。
【0045】
図10Aは、本発明の一実施形態による、第2のクリップアセンブリ1000の斜視図である。この例示的実施形態では、第2のクリップアセンブリ1000は、金属部品及びプラスチック部品の双方を含み得る。
図10Bは、第2のクリップアセンブリ1000の諸部品を、分離した状態で示す分解図である。図示のように、この第2のクリップアセンブリは、プラスチックの基部1012、金属のバネ取り付けプレート1014、金属のネジ1016、金属のダブルトーションバネ仕掛けクリップ1018、プラスチックのレバー1020、及び、ゴムのOリング1022を含み得る。
【0046】
ネジ1016は、バネ取り付けプレート1014の開口部、Oリング1022、及び、基部1012内の開口部を貫通して適合する、軸を含む。例示的な実施では、
軸は、金属保持ピン130の外側ネジ山502上にネジ留めされるように、内部にネジ山を切ることができる。レバー1020もまた、構造1030を使用して、基部1012に取り付けられる。
【0047】
バネ仕掛けクリップ1018の基部のワイヤ末端部1038は、バネ取り付けプレート1014上のフェルール構造1040内に差し込まれる。バネ仕掛けクリップ1018のアーム1036は、レバー1020内の開口部1034を貫通して適合する。レバー1020のアーム1042を押し下げると、クリップ1018のアーム1036が引き上げられる。レバー1020のアーム1042を解放すると、クリップ1018のアーム1036が引き下げられる。
【0048】
ネジ1016の軸を、Oリング1022、バネ取り付けプレート1014内の穴、及び、基部1012内の穴を貫通させてもよい。ネジ1016の軸は、クリップ取り付けピン130の外側ネジ山上にネジ留めされる、内側ネジ山を有することにより、非導電性キャリアプレートの外側面202に、基部1012を取り付けることができる。Oリング1022は、基部1012内の穴を取り囲む、凹形のリング部内に嵌め込まれ、メッキ槽の電解質溶液が、クリップ取り付けピン130に到達することを防ぐ。
【0049】
バネ仕掛けクリップ1018は、ステンレス鋼(例えば、SS 301)で作製することができ、バネ取り付けプレート1014のフェルール1040内に差し込まれる、ワイヤ末端部1038を含み得る。バネ仕掛けクリップ1018は、レバー1020内のバネ穴1034内を貫通して適合するように押し込むことができる、アーム1036を更に含み得る。バネ開口部1034は、バネのコイル1037を保護すること、並びに、アーム1036の、右から左、及び、左から右への移動を制限することの、二重機能性を提供することができる。レバー1020は、基部1012の、対応する雌型の回転可能取り付け構造1028内に差し込まれる、雄型の回転可能取り付け構造1030を含み得る。それゆえ、雄型の回転可能取り付け構造1030は、レバー1020を枢動可能に装着するための、枢動軸を形成する。
【0050】
レバー(作動アーム)1020は、「Z」字形状に形成することができる。このZ字形状を、
図10Cに示す。レバー1020のZ字形状は、有利なことに、
図11に関連して以下で説明されるように、特に、クリップがダブルクリップアセンブリ1100へと配置される場合、クリップを開放させるための広い窓部を設けることを可能にする。
【0051】
クリップアセンブリ1000が、クリップ取り付けピン130に取り付けられると、レバー1020のハンドル1042が押し下げられて、バネ仕掛けクリップ1018のアームが持ち上げられることによってクリップが開放(係合離脱)され、クリップ先端の接触構造1044を引き上げることができる。レバー1020のハンドル1042が解放されると、バネ仕掛けクリップ1018のアームを引き下げられて、クリップが閉じられる(係合する)ため、接触構造1044が、下向きの力を及ぼして、メッキされる基板を所定の位置に保持する。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、クリップアセンブリ1000は、金属保持ピン130から、電気メッキされる基板までの、導電経路を形成する。一実施では、ネジ1016、バネ取り付けプレート1014及びクリップ1018は、それぞれが金属製であることにより、金属保持ピン130から、電気メッキされる基板までの、導電経路を形成する。
【0053】
図11は、本発明の一実施形態による、ダブルクリップアセンブリ1100を示す平面図である。そのようなダブルクリップアセンブリ1100は、好ましくは、2つの基板保持領域213の間に配置されるクリップ取り付け構造210に取り付けられる。図示のように、この実施形態では、基部1012は、2セットの雌型の回転可能取り付け構造1028(ネジ1016の左側の1セット、及びネジ1016の右側の1セット)を有して構成されることにより、基部1012に、2つのレバー1020を枢動可能に装着することができる。2つのバネアーム1018が、それらのワイヤ末端部1038を、バネ取り付けプレート1014上の2セットのフェルール1040内に挿入することによって、及び、レバー1020のバネ穴1034内にそれらを押し込むことによって、取り付けられる。一方のバネアーム1018は、その先端部分が、図の頂部に向けて、第1の基板保持領域213の上にある状態に配置され、他方のバネアーム1018は、その先端が、図の底部に向けて、第2の基板保持領域213の上にある状態に配置される。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、各基板保持領域213を取り囲む全てのクリップを開放するように、ロボット式機械を構成することができ、ウェハ(又は処理される他の基板)を、その中に配置することができる。クリップの開放は、ハンドル1042を同時に押し下げることにより対応するバネ仕掛けクリップ1018のアームを引き上げることによって、達成することができる。次いで、各基板保持領域213を取り囲むクリップは、ロボット式機械が、ハンドル1042を解放し、対応するバネ仕掛けクリップ1018のアームを引き下げることによって、閉鎖させることができ、それにより接触構造1044が、金属製の導体パッド806押し付けて、確実にウェハ(又は他の基板、若しくはメッキされる他の基板)を所定の位置に保持する。処理される全てのウェハ(又は他の基板)が、そのようにキャリア上に搭載された後、次いで、メッキ及び他の処理を実行することができる。その処理の後、各基板保持領域213を取り囲む全てのクリップを再度開放するように、ロボット式機械を構成することができ、それにより処理されたウェハ(又は他の基板)を取り外して、引き続き処理されるウェハと置き換えることができる。
【0055】
図12は、本発明の一実施形態による、浸透性基板キャリアの一方の側の、外側面1202の斜視図である。この代替的実施形態では、各基板キャリアを形成する2つのプレートは、それぞれが、各基板保持領域に関して、少なくとも1つの開口部を含む。図示の実施形態は、各基板保持領域の中心に、1つの大きい開口部1204を有する。図示のように、開口部1204は、例えば、円形とすることができる。開口部1204を設けることにより、キャリア本体の重量を低減し、洗浄溶液が、キャリア本体を通過して流れる(透過する)ことを可能にする。出願人らは、開口部1204が、キャリアを槽から取り出す際の抗力を低減するものと考える。
【0056】
キャリアの上面の導電バスバー120と、バスバー120からキャリアの底部に向けて延びる導電線128とを含む、導電性アセンブリ(溶接部材)は、
図4、
図5A、
図5B、
図6及び
図7に関連して上記で説明された導電性アセンブリと同じものか、若しくは同様のものとすることができる。
【0057】
図12には、各開口部1204の左右の側に、クリップ取り付け構造1210が更に示されている。導電クリップが、好ましくは、クリップ取り付け構造1210に取り付けられる。この導電クリップは、
図9A及び
図9Bに関連して上記で説明されたクリップアセンブリ900か、あるいは
図10A、
図10B、
図10C及び
図11に関連して上記で説明されたクリップアセンブリ(1000及び1100)と同じものか、又は、同様のものとすることができる。
【0058】
更には、
図12は、キャリア本体の左側、底部側及び右側の、支持リブ1220を示されている。これらの支持リブ1220は、キャリア本体に構造強度を提供する。本発明の一実施形態によれば、支持リブ1220は、テーパー形状の輪郭を有して、有利なことに、電解質溶液が保持されないようにしている。
【0059】
図12にはまた、水平支持バー1222も示されている。水平支持バー1222は、開口部1204の横列の間に構成され、キャリア本体に更なる構造強度を提供することができる。本発明の一実施形態によれば、この突出した水平支持バー1222は、テーパー形状の輪郭を有して、有利なことに、電解質溶液が保持されないことを促進する。
【0060】
更には、
図12は、キャリア本体上の、複数の積み重ね構造1224を示す。一実施では、積み重ね構造1224は、水平支持バー1222に沿って、一定の間隔で配置することができる。積み重ね構造1224は、複数のキャリア本体を積み重ねる場合に、キャリア本体間で位置合わせ及びキャリア本体同士の離間を維持するように構成される。
【0061】
図13は、本発明の一実施形態による、
図12の浸透性基板キャリアの一部分の拡大斜視図である。図示のように、開口部1204を取り囲む各辺は、基板位置合わせ構造1
214を含む。基板位置合わせ構造1
214は、開口部1204の周りに位置決めされ、これらの基板位置合わせ構造1
214を周辺に有する領域の内部に、メッキされるウェハ(又は他の基板)が適合するように構成される。
【0062】
更に示すように、開口部1204の周りに位置決めされる、幾つかのスペーサ構造1
212が存在する。スペーサ構造1
212は、メッキされるウェハ又は他の基板が、基板キャリアに保持されるときに、そのウェハ又は他の基板の下に存在するように位置決めされる。スペーサ構造1
212は、基板とキャリアとの間に、スペース又は隙間を提供する。
【0063】
更には、
図13は、クリップ取り付け構造1210を取り囲む、逃げカット部1316を示す。これらの逃げカット部1316は、クリップアセンブリの基部(例えば、
図10A及び
図10Bに示す、クリップアセンブリ1000の基部1012を参照)の適切な位置決めを容易にする、凹領域である。
【0064】
図14は、本発明の一実施形態による、電気メッキ用の単一ピースで構成される基板キャリアを製造及び保守する方法1400の流れ図である。この単一ピース基板キャリアは、従来の複数ピースで構成される基板キャリアと比較した場合、実質的に、より堅牢である。
【0065】
ブロック1402〜1408は、導電性アセンブリの製造に関する。この導電性アセンブリは、例えば、
図4に関連して上記で説明された導電性アセンブリ(溶接部材)として構成することができる。
【0066】
ブロック1402では、導電バスバーが製作される。一実施例では、このバスバーは、厚さ6ミリメートルのステンレス鋼(例えば、SS 316)バーを、
図1に示すバスバー120に関連して上記で説明されたような、開口部を有する形状に機械加工することによって、製作することができる。機械加工の後、このバスバーは、バリを取り、洗浄することができる。
【0067】
ブロック1404では、このバスバーの水平長にわたる一部分が、熱可塑性樹脂でオーバーモールド又はオーバーコートされる。このオーバーモールド又はオーバーコートの工程は、例えば、バスバーの下方部分の上に、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)を射出成形することによって実行することができる。一実施例では、この熱可塑性樹脂オーバーコートは、
図6に示す領域602などの、バスバーの一領域の上に形成することができる。
【0068】
ブロック1405では、バスバー及び金属線を、導電的に一体に取り付ける前に、前処理することができる。この前処理は、サンドブラスト処理でグリースを除去する工程、及び/又は、研磨布を使用して表面付着物を除去する工程を含んでもよく、また、複数の洗浄剤で洗浄する工程、及び空気乾燥させる工程も含み得る。この前処理はまた、バスバー(例えば、ステンレス鋼)と金属線(例えば、銅)との接着を促進するために、化学薬品で前処理する工程も含み得る
【0069】
ブロック1406では、金属線が、バスバーに導電的に取り付けられる。このことは、例えば、金属線(例えば、銅)をバスバー(例えば、ステンレス鋼)に溶接することによって、達成することができる。一実施例では、この金属線は、
図4に示す金属線128の構成と同様に、構成することができる。
【0070】
ブロック1408では、クリップ取り付け部品が、金属線に導電的に取り付けられ、熱可塑性樹脂層を付着させることができる。この熱可塑性樹脂層は、例えば、各クリップ取り付け部品を取り囲む熱可塑性樹脂層(
図5Bの504を参照)、及び、金属線の上の熱可塑性樹脂層(
図5Bの506を参照)を含み得る。
【0071】
ブロック1410及びブロック1412は、キャリア本体用の非導電性プレートの製造に関する。一実施形態では、この非導電性プレートは、CPVC材料から形成することができる。他の実施形態は、異なる熱可塑性材料を使用することができる。
【0072】
ブロック1410では、キャリア本体用の、様々な構造を有する、2つの非導電性プレートが形成される。第1の実施形態では、キャリア本体は、電解質溶液に対して非浸透性であるように設計され、
図1に示すような内側面102と、
図2に示すような外側面202とを有する、非導電性プレートを含み得る。この実施形態では、クリップ取り付け部品の穴が、プレートを貫通して形成されるが、クリップ取り付け部品の周りの熱可塑性樹脂層が、非導電性プレートの内側面に接合されて、このキャリア本体の非浸透性の態様を維持する。第2の実施形態では、キャリア本体は、電解質溶液に対して浸透性であるように設計され、
図12に示すような大きい円形の開口部1204を有して構成することができる。
【0073】
ブロック1412では、プレートの表面が、接合の前に下処理される。例えば、表面をサンドブラスト処理して、次いで、複数の洗浄剤で洗浄し、空気乾燥させることができる。
【0074】
ブロック1414〜1416は、単一ピース基板キャリアを形成するための、導電性アセンブリとキャリアプレートとの統合に関する。ブロック1414では、溶剤セメントが、2つのプレートの内側面の諸領域に塗布される。プレートがCPVCで作製される場合には、例示的な溶剤セメントは、例えば、Weld−On(登録商標)724(商標)などの、CPVC溶剤セメントとすることができる。
【0075】
ブロック1416では、2つのプレートの内側面が、それらの間にバスバーのオーバーモールド部分及び金属線を収容した状態で、接合される。一方のプレートの内側面に対する、バスバー及び金属線の配置は、例えば、
図1に示される。この接合プロセスは、例えば、プレートの内側面へのプライマーの塗布、金属線が埋設される内側面の領域上へのゴム材料の適用、ゴム材料に金属線を埋設する工程、2つのプレートの内側面を接合する工程、及び、接合されたプレートを硬化させる工程(例えば、72時間)を伴い得る。
【0076】
ブロック1417及びブロック1420は、キャリアプレートの外側面上に、クリップ、パッド、及び、ペグを追加する工程に関する。
【0077】
ブロック1417では、クリップ取り付け部品のための、接合後の穿孔工程、及び、クリップ取り付け部品のタップ立て工程又はネジ切り工程が実行される。その後、ブロック1418では、キャリアに基板を保持するためのクリップを、キャリアの外側面のクリップ取り付け構造に、着脱可能な方式で取り付けることができる。クリップは着脱可能に取り付けられるため、それらのクリップは、損耗又は損傷した場合に、容易に交換することができる。一実施形態では、このクリップは、
図9A及び
図9Bに示すものなどの、クリップアセンブリ900を含み得る。別の実施形態では、このクリップは、キャリアの縁部上の単一クリップ、及びキャリアの内部上のダブルクリップ(ダブルクリップは、2つの基板保持領域の間に存在する)を含み得る。単一クリップは、例えば、
図10A、
図10Bに示すクリップアセンブリ1000を含み得る。ダブルクリップは、例えば、
図11に示すクリップアセンブリ1100を含み得る。
【0078】
ブロック1420では、キャリアプレートの外側面上に、離間パッド及び基板位置合わせペグを、着脱可能に取り付けることができる。パッド及びペグは、着脱可能に取り付けられるため、それらのパッド及びペグは、損耗又は損傷した場合に、容易に交換することができる。離間パッドは、キャリアの外側面202のパッド取り付け点(211及び212)に、着脱可能に取り付けることができる。一実施形態では、この離間パッドは、
図3に示すパッド(311及び312)を含み得る。基板位置合わせペグは、キャリアの外側面202の位置合わせペグ取り付け点214に、着脱可能に取り付けることができる。
【0079】
ブロック1422及びブロック1426は、基板キャリアを保守する工程に関する。ブロック1422では、キャリアを使用して、基板を電気メッキする。このキャリアの使用は、典型的には、上に基板が保持されたキャリアを、1つ以上の電気メッキ槽内に浸漬させながら、クリップを通して、基板に電圧を印加する工程を伴う。例えば、
図15に関連して以下で説明される、方法1500を参照されたい。
【0080】
時として、クリップは、損耗又は損傷する場合がある。本発明の一実施形態によれば、損耗又は損傷したクリップは、ブロック1424で容易に交換することができる。一実施では、このクリップの交換は、定期的スケジュールで実行することができる。このことにより、有利なことに、より恒久的に取り付けられたクリップを修理するために必要とされる、実質的なダウンタイムを有することなく、キャリアを使用可能状態に保つことが可能になる。
【0081】
同様に、時として、離間パッド及び/又は位置合わせペグが、損耗若しくは損傷する場合がある。本発明の一実施形態によれば、損耗又は損傷したパッド及び/又はペグは、ブロック1426で容易に交換することができる。一実施では、パッド及び/又はペグの交換は、定期的スケジュールで実行することができる。このことにより、有利なことに、より恒久的に取り付けられたパッド及び/又はペグを修理するために必要とされる、実質的なダウンタイムを有することなく、キャリアを使用可能状態に保つことが可能になる。
【0082】
図15は、本発明の一実施形態による、基板キャリアを使用して複数の基板を電気メッキする方法1500の流れ図である。ブロック1502では、ロボット式ローダーを使用して、キャリアの基板保持領域に、複数の基板を保持することができる。ブロック1504では、基板キャリアを、電気メッキ機械の作業アーム上に装着することができる。
【0083】
ブロック1506では、電気メッキ機械は、電気メッキ槽内に、キャリアを機械的に浸漬させることができる。ブロック1508で、バスバー、金属線及びクリップを貫通して進む導電経路を通して、基板に電圧を印加することができる。一実施例では、基板は、シリコンウェハを含み得る。クリップは、例えば、ウェハの表面上のグリッド線内の、銅(又は他の金属)のベース(シード)層と接触することができる。次いで、ベース層の上面上に、金属層を、電気メッキ槽から析出させることができる。
【0084】
この基板上に、より多くの金属層を電気メッキする場合には、方法1500において、ブロック1512から、ブロック1506にループして戻ることができ、異なる電気メッキ槽内にキャリアを機械的に浸漬させて、異なる金属層を析出させることにより、例えば、金属コンタクト用の多層積層体を形成することができる。基板上に、それ以上の金属層を電気メッキしない場合は、ブロック1514で、例えば、ロボット式機械によって、キャリアから基板を取り外すことができる。その後、方法1500は、ブロック1502にループして戻ることができ、基板キャリア上に、処理される他の(メッキされていない)基板を、ロボット制御で保持することができる。
【0085】
少なくとも1つの例示的実施形態が、上述の発明を実施するための形態で提示されてきたが、数多くの変型が存在することを認識するべきである。本明細書で説明される例示的実施形態は、特許請求される主題の範囲、適用性又は構成を不必要に限定する意図はないこともまた、認識するべきである。むしろ、上述の発明を実施するための形態は、当業者に、説明される実施形態を実践するための簡便な指針を提供するものである。本特許出願が出願される時点での、既知の等価物及び予見可能な等価物を含む、特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、諸要素の設計及び配置に、様々な変更が実施可能であることを理解するべきである。
[項目1]
複数の基板を電気メッキするのに使用する基板キャリアであって、
前記基板を保持する非導電性キャリア本体と、
前記キャリア本体に埋設された導電線と、
前記キャリア本体に埋設されて前記導電線に接続され、前記複数の基板を所定の位置に保持して、前記基板と前記導電線とを電気的に接続する、複数のコンタクトクリップと
を備え、
前記非導電性キャリア本体は、電気めっき液が前記非導電性キャリア本体を浸透して流れることのないように途切れなく形成されている基板キャリア。
[項目2]
前記非導電性キャリア本体は、内部に空洞を更に備える請求項1に記載の基板キャリア。
[項目3]
前記非導電性キャリア本体は、接合されて内部に前記空洞を形成する、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層を有し、前記導電線は、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との間に配置される項目2に記載の基板キャリア。
[項目4]
前記空洞は、前記基板キャリアに前記基板が前記複数のコンタクトクリップにより保持されると、前記基板の裏側に位置するように配置される項目2に記載の基板キャリア。
[項目5]
前記空洞の内部に、骨組みパターンを更に備える項目4に記載の基板キャリア。
[項目6]
前記骨組みパターンが、X字形のパターンを有する項目5に記載の基板キャリア。
[項目7]
前記非導電性キャリア本体上に設けられた複数のスペーサ構造を更に備え、
前記複数のスペーサ構造は、前記複数の基板が前記基板キャリア上に保持されると、前記複数の基板と前記非導電性キャリア本体の上面との間に空間を生み出すように構成される項目1に記載の基板キャリア。
[項目8]
前記複数のスペーサ構造は、着脱可能なパッドを含む項目7に記載の基板キャリア。
[項目9]
前記着脱可能なパッドは、ティアドロップ形の平坦面を有する項目8に記載の基板キャリア。
[項目10]
前記非導電性キャリア本体上に、複数の位置合わせ構造を更に備え、
前記複数の位置合わせ構造は、前記基板キャリア上に配置される前記基板を取り囲んで位置合わせするように配置される項目1に記載の基板キャリア。
[項目11]
前記位置合わせ構造は、前記非導電性キャリア本体から着脱可能であり、かつ、新たな位置合わせ構造と交換可能である項目10に記載の基板キャリア。
[項目12]
前記位置合わせ構造がペグを含む項目11に記載の基板キャリア。
[項目13]
前記ペグはテーパー形状である、項目12に記載の基板キャリア。
[項目14]
前記非導電性キャリア本体の上面側に設けられ、前記非導電性キャリア本体に埋設される前記導電線と接続される、導電バスバーを更に備える項目1に記載の基板キャリア。
[項目15]
前記導電バスバーに設けられ、前記基板キャリアを作業用アームに搭載するための複数の取り付け孔を更に備え、
前記導電バスバーに電圧を印加した状態で、前記作業用アームは、電気メッキ槽内に前記非導電性キャリア本体を浸漬して、前記電気メッキ槽から前記非導電性キャリア本体を引き上げる項目14に記載の基板キャリア。
[項目16]
複数の基板を電気メッキする方法であって、
非浸透性の非導電性キャリア本体と、前記非導電性キャリア本体を貫通して前記複数の基板に至る導電経路とを有する基板キャリア上で、前記複数の基板を機械的に保持する工程と、
前記基板キャリアを、作業アーム上に装着する工程と、
前記複数の基板を保持した前記非導電性キャリア本体を、電気メッキ槽内に浸漬する工程と、
前記非浸透性の非導電性キャリア本体を貫通する前記導電経路を介して、前記複数の基板に電圧を印加する工程とを備える方法。
[項目17]
複数の基板を電気メッキするとき使用する非浸透性基板キャリアの製造方法であって、
それぞれが内側面及び外側面を有する、2つの非浸透性絶縁プレートを形成する工程と、
金属製のバスバー、金属線、及び導電性クリップ取り付け構造を有する導電性アセンブリを製作する工程と、
前記2つの非浸透性絶縁プレートの前記内側面の領域に、溶剤セメントを塗布する工程と、
前記金属線、前記導電性クリップ取り付け構造、及び前記バスバーの一部分を挟むように、前記2つの非浸透性絶縁プレートの内面同士を接合する工程と、
を備え、
前記非浸透性基板キャリアは、途切れない形状の本体を有して、前記本体を通過して電解質溶液が流れることを可能にする開口部を有さない非浸透性基板キャリアの製造方法。
[項目18]
前記接合する工程の後、前記2つの非浸透性絶縁プレートの前記外側面から、前記導電性クリップ取り付け構造に到達する穴を穿孔する工程を更に含む項目17に記載の非浸透性基板キャリアの製造方法。
[項目19]
前記2つの非浸透性絶縁プレートの各々の前記内側面はポケット状の凹みを有し、接合されると前記ポケット状の凹みが空洞を形成する項目17に記載の非浸透性基板キャリアの製造方法。
[項目20]
前記接合する工程の前に、前記金属製のバスバーの一部分を、熱可塑性樹脂でオーバーモールドする工程を更に備える項目17に記載の非浸透性基板キャリアの製造方法。
[項目21]
導電性クリップ取り付け構造の周りに、熱可塑性樹脂層を付着させる工程を更に備える項目17に記載の非浸透性基板キャリアの製造方法。
[項目22]
前記接合する工程の前に、前記金属線の上に、熱可塑性樹脂層を付着させる工程を更に備える項目17に記載の非浸透性基板キャリアの製造方法。