【実施例】
【0042】
以下の実施例は、本発明の方法をよりよく説明するために示されるものであり、添付の特許請求の範囲内において示される発明を制限するものと考えられるべきではない。特に断りのない限り、実施例に記録されるすべての部及び百分率は重量による。次の表1において、実施例で使用される略語を説明する。
【表1】
【0043】
触媒を製造する方法:
金属塩化物、又は2つの異なる金属塩化物を水又は塩酸に溶解した。活性炭担体を混ぜ入れ、真空下、20〜30分間引いた。過剰な液体をデカントし、触媒を120〜150℃のオーブンで乾燥させた。
【0044】
約0.5gのオーブン乾燥させた触媒を、両側に石英ウールを用いて定位置に保持された開口ガラス管の中に充填した。管を流れ反応装置に接続した。Lindberg/Blue Minimiteの1インチ(2.54cm)の管炉中で、触媒を500℃で2時間、30〜40sccmのH
2と、又は450℃で約15時間、5〜10sccmのH
2と接触させた。AirgasのH
2は、超高純度であった。水素の流量は、MKS 1179A質量流量制御装置を用いて制御された。H
2及びRSiCl
3が、ある温度で触媒の上を流された合計時間は、実施例の表に後に記録される。
【0045】
反応装置。実施例1〜17及び24の反応装置は、触媒を定位置に保持するための石英ウールを備えた開口石英ガラス管からなる。管は接触部分を有し、Lindberg/Blue Minimiteの1インチの管炉を備える流れ反応装置、及びガス流を制御するためのMKS 1179A質量流量制御装置に接続された。高圧実験において、ガラス管は、ガラス管が嵌まるのに十分な程良い大きさの内径のスチール管の中に挿入された。外部周辺へのガスの流れを防止するために、oリングを入口でガラス管上に嵌めた。GO Regulatorの背圧調整器(0〜500psi(0〜3447kPa))は、管炉の出口で反応装置に取り付けられた。実施例18〜23及び25の反応装置の接触部分は、例が後述され得るが、石英ガラス、ステンレススチール、又はINCONEL合金から作製された。
【0046】
試薬。水素は、Airgas(Radnor,PA)の超高純度水素であった。活性炭及び金属塩は、Sigma Aldrich(Milwaukee,WI)から購入した。
【0047】
生成物の分析。生成物及び副生成物を含む反応装置からの流出物を、廃棄前に、100μLの一定量の注入ループを有する6方作動バルブ(Vici)を通した。注入バルブを作動させて試料を反応流から採取し、分析のために100μLの試料を注入口におけるスプリット比を5:1として、Agilentの6890A型GCの注入口に直接通した。GCには出口でスプリットする、単一の30mのRtx−DCAカラム(Restek、内径320μm、厚さ1μmのフィルム)が取り付けられていた。1つの流路は反応生成物の定量のためにTCDに繋がり、他の流路は水素炎イオン化検出器に繋がっていた。
【0048】
流量。メチルトリクロロシランの流量比は、気化可能な液体を含有するバブラーの操作、並びに標準温度及び圧力での水素の流量を調節する既知の熱力学的原理を使用して決定された。
【0049】
実施例1:炭素上のRe。流れ反応装置に、炭素上に5.9%(w/w)のReを含む約0.6gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を200℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表2に列挙される条件及び収率で生成された。
【表2】
【0050】
実施例2:炭素上にRe及びPd。7.5%(w/w)のRe及び0.2%(w/w)のPdの両方を炭素上に含む約0.5グラムの触媒を流れ反応装置に充填した。500℃で約3時間、20sccmのH
2流量で触媒を処理した。触媒の処理後、反応装置の温度を300℃に下げ、H
2及びメチルトリクロロシランを、最初にメチルトリクロロシランを含有するバブラーを通してH
2を通し、反応装置の管の中に通すことにより、反応装置の管に導入した。反応温度、圧力、流量、及び流量比を変更し、トリハロシラン収率に対するその影響を判定した。生成物流から試料を定期的に採取し、GCにより分析した。分析結果及び条件を表3に列挙する。
【表3】
【0051】
実施例3:炭素上のRe及びPd。流れ反応装置に、8.1%(w/w)のRe及び1.0%(w/w)のPdの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を400℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表4に列挙される条件で生成された。
【表4】
【0052】
実施例4:炭素上のPd及びRe。流れ反応装置に、15.4%(w/w)のPd及び5.2%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.4gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表5に列挙される条件で生成された。
【表5】
【0053】
実施例5:炭素上のRh及びRe。流れ反応装置に、5.0%(w/w)のRh及び1.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で2時間、30sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより、反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、MeSiCl
3バブラーの温度、及び圧力、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表6に列挙される条件で生成された。
【表6】
【0054】
実施例6:炭素上のRh及びRe。流れ反応装置に、4.7%(w/w)のRh及び4.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で2時間、40sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を550℃に上げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、ほぼ一定条件で行われた。HSiCl
3は、下の表7に列挙される条件で生成された。
【表7】
【0055】
実施例7:炭素上のRu及びRe。流れ反応装置に、5.1%(w/w)のRu及び5.1%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度及びMeSiCl
3バブラーの温度を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表8に列挙される条件で生成された。
【表8】
【0056】
実施例8:炭素上のMn及びRe。流れ反応装置に、2.7%(w/w)のMn及び2.6%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表9に列挙される条件で生成された。
【表9】
【0057】
実施例9:炭素上のRe及びCu。流れ反応装置に、6.5%(w/w)のRe及び0.9%(w/w)のCuの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で3時間、30sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を400℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、圧力、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表10に列挙される条件で生成された。
【表10】
【0058】
実施例10:炭素上のRe。流れ反応装置に、炭素上に7.1%(w/w)のReを含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で3時間、20sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を400℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、MeSiCl
3バブラーの温度、及びH
2の流量を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表11に列挙される条件で生成された。
【表11】
【0059】
実施例11:炭素上のAg。流れ反応装置に、炭素上に15.7%(w/w)のAgを含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約2.5時間、50sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を400℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表12に列挙される条件で生成された。
【表12】
【0060】
実施例12:炭素上のMn及びRh。流れ反応装置に、3.5%(w/w)のMn及び2.5%(w/w)のRhの両方を炭素上に含む約0.4gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を400℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表13に列挙される条件で生成された。
【表13】
【0061】
実施例13:炭素上のMg。流れ反応装置に、4.1%(w/w)のMg(II)を炭素上に含む約0.5gの触媒(MgCl
2の水性溶液として充填)をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で2.5時間、20sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、MeSiCl
3バブラーの温度、及び圧力、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表14に列挙される条件で生成された。
【表14】
【0062】
実施例14:炭素上のRh及びIr。流れ反応装置に、3.3%(w/w)のRh及び2.7%(w/w)のIrの両方を炭素上に含む約0.4gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表15に列挙される条件で生成された。
【表15】
【0063】
実施例15:炭素上のIr及びPd。流れ反応装置に、4.1%(w/w)のIr及び1.5%(w/w)のPdの両方を炭素上に含む約0.5gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で3時間、20sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、圧力、及びMeSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表16に列挙される条件で生成された。
【表16】
【0064】
実施例16:炭素上のRh及びRe。流れ反応装置に、4.7%(w/w)のRh及び4.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.4gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化は、500℃で2時間、50sccmのH
2で行われた。プロピルトリクロロシランバブラーを通してH
2を通すことにより、反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、圧力、及びPrSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表17に列挙される条件で生成された。
【表17】
【0065】
実施例17:炭素上のRh及びRe(EtSiCl
3)。流れ反応装置に、3.6%(w/w)のRh及び3.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約0.45gの触媒をガラス管に充填した。触媒の活性化を、600℃で3時間、50sccmのH
2で行った。エチルトリクロロシランバブラーを通してH
2を通すことにより、反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにそれらをGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、圧力、及びEtSiCl
3バブラーの温度、を変更しながら行った。HSiCl
3は、下の表18に列挙される条件で生成された。
【表18】
【0066】
実施例18:HSiCl
3の生成に対する圧力の影響。この実施例は、本方法の反応性(転換又は収率)及び選択性に対する反応圧力の作用を例示する。ステンレススチール製の反応装置(内側寸法:内径0.75インチ(1.9cm)(id)、長さ18インチ(46cm))に、4.7%(w/w)のRh及び4.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、200sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度を600℃に上げ、1時間当り2.0ミリリットル(mL/h)の流量で、シリンジポンプを介してMeSiCl
3を反応装置に供給した。ドライアイスで冷却したコンデンサに試料を2時間かけて収集し、ガスクロマトグラフ(GC)により分析した。この結果を下の表19に示す。
【表19】
Me=メチル;SiH=H
2SiCl
2+HSiCl
3、ステンレススチール製反応装置、MeSiCl
3/H
2モル比=0.071。表19に見られるように、高反応圧力は、高MeSiCl
3転換及び高HSiCl
3(TCS)、H
2SiCl
2(DCS)選択性、高DCS/TCS比を支持し、MeHSiCl
2を最小限に抑える。300psig(2068.4kPa)より上の反応圧力で大幅なSiHの改善は観察されなかった。
【0067】
実施例19:RSiCl
3/H
2モル比の作用。この実施例は、本方法の反応性(転換又は収率)及び選択性に対するRSiCl
3/H
2モル比の作用を例示する。INCONEL合金製の反応装置(内側寸法:0.375インチ(0.95cm)(id)、長さ18インチ(46cm))に、1.0%(w/w)のRh及び1.0%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、200sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度を600℃に上げ、2.0mL/時間〜175mL/時間の流量で、シリンジポンプを介してMeSiCl
3を反応装置に供給した。MeSiCl
3/H
2モル比を0.010〜10の範囲で変更するために、30sccm〜700sccm範囲の範囲で水素流を使用した。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。この結果を下の表20に示す。
【表20】
Me=メチル;SiH=H
2SiCl
2+HSiCl
3
表20に見られるように、高H
2流及び低MeSiCl
3/H
2モル比は、高MeSiCl
3転換、及び高SiH収率を支持し、SiCl
4及びMeHSiCl
2の選択性を減少させた。
【0068】
実施例20:H
2希釈の作用。この実施例は、MeSiCl
3/H
2比を減少させるためにN
2ガスを用いたH
2希釈の本方法の反応性(転換又は収率)及び選択性に対する作用を例示する。INCONEL合金製の反応装置(内側寸法:0.375インチ(0.95cm)(id)、長さ18インチ(46cm))に、1.0%(w/w)のRh及び1.0%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、200sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度を600℃に上げ、2.0mL/時間の流量で、シリンジポンプを介してMeSiCl
3を反応装置に供給した。200sccm〜700sccm範囲の範囲でH
2ガス流、及び0sccm〜500sccm範囲の範囲でN
2ガス流が使用され、総ガス流は、N
2ガスでH
2を希釈し、150psig(1034.2kPa)の反応圧力で反応を行うことにより、700sccmに維持された。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入され、結果(平均4〜6の実験)を下の表21に示す。
【表21】
Me=メチル;SiH=H
2SiCl
2+HSiCl
3
表21に示すように、結果は、類似する反応圧力でN
2によるH
2希釈がMeSiCl
3転換及びHSiCl
3(TCS)、H
2SiCl
2(DCS)選択性を減少させ、SiCl
4及びMeHSiCl
2を増加させたことを示す。
【0069】
実施例21:H
2希釈反応に対する反応圧力の作用。この実施例は、H
2希釈反応に対する圧力の作用を例示する。INCONEL合金製の反応装置(内側寸法:0.375インチ(0.95cm)(id)、長さ18インチ(46cm))に、1.0%(w/w)のRh及び1.0%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、200sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度を600℃に上げ、2.0mL/時間の流量で、シリンジポンプを介してMeSiCl
3を反応装置に供給した。100sccm〜700sccm範囲の範囲でH
2ガス流、及び0sccm〜600sccm範囲の範囲でN
2ガス流が使用され、総ガス流は、N
2ガスでH
2を希釈し、150psig(1034.2kPa)の反応圧力で成分を接触させることにより、700sccmに維持された。反応圧力は、150psig〜400psig(1034.2kPa〜2757.9kPa)まで変動した。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入され、結果(平均4〜6の実験)を下の表22a及び22bに示す。
【表22】
【表23】
Me=メチル;SiH=H
2SiCl
2+HSiCl
3;
*反応圧力;N/dは、判定されなかったことを意味する。
表22a及び22bにおいて、結果は、実施例20に示される、H
2希釈反応におけるMeSiCl
3転換及びSiH(HSiCl
3+H
2SiCl
2)選択性の減少が、反応圧力を増加することによって実施例21において改善され得る(表22のエントリー1をエントリー2〜4と比較)ことを示す。例えば、700sccmのH
2流(MeSiCl
3/H
2比=0.0100)でのMeSiCl
3転換及びSiH選択性は、N
2希釈条件下、反応圧力を約250psig(約1723.7kPa)に増加することにより、低H
2流(500sccm)及び高MeSiCl
3/H
2比(0.0140)で達成され得る。同様の反応能力は、更に高い反応圧力(>400psig(>2757.9kPa))で、更に低いH
2流及び高MeSiCl
3/H
2比で達成され得る。
【0070】
実施例22:反応装置の構成材料の作用。この実施例は、本方法の反応性(転換又は収率)及び選択性に対する反応装置の構成材料(MOC)の作用を例示する。反応装置MOC(a)INCONEL合金反応装置、(b)石英ガラス内張り反応装置、又は(c)ステンレススチール製反応装置、の3つの異なる型の反応装置のうちの1つ(すべて、内側寸法:0.375インチ(0.95cm)(id)、長さ18インチ(46cm)を有する)を使用した。別個の実施例において、各反応装置に4.7%(w/w)のRh及び4.7%(w/w)のReの両方を炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、200sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度を600℃に上げ、2.0mL/時間の流量で、シリンジポンプを介してMeSiCl
3を反応装置に供給した。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、5〜6時間続いた。この手順は、異なる反応装置のそれぞれを使用して、異なるMeSiCl
3/H
2モル比で繰り返され、結果を下の表23に示す。
【表24】
Me=メチル;SiH=H
2SiCl
2+HSiCl
3
表23に示すように、結果は、高鉄含量(Fe含量≧50重量%)の反応装置が高SiH選択性を好まないことを示唆する。好適な反応装置材料は、低い鉄含量を含有する。
【0071】
実施例23:炭素上にRh。この実施例は、反応装置の反応性及び選択性に対する4.7%のRh/C触媒の作用を例示する。ステンレススチール製の反応装置(内側寸法:内径0.75インチ(1.9cm)(id)、長さ18インチ(46cm))に、4.7%(w/w)のRhを炭素上に含む約2.0gの触媒を充填した。500℃で2時間、100sccmのH
2で触媒を活性化した。次いで、反応装置の温度は、500℃に保たれるか、又は600℃に上げられるかのいずれかであり、MeSiCl
3は、2.0mL/時間の流量で、シリンジポンプを介して反応装置に供給された。反応圧力は、100〜120psig(689.8〜827.4kPa)であった。試料を2時間かけてドライアイスで冷却したコンデンサに収集し、ガスクロマトグラフにより分析し、結果を下の表24に示す。
【表25】
【0072】
実施例24:炭素上にRh。流れ反応装置に、約0.3gの炭素上の7.3重量%のRhをガラス管に充填した。触媒の活性化は、450℃で約15時間、10sccmのH
2で行われた。反応装置の温度を300℃に下げ、MeSiCl
3バブラーを通してH
2を通すことにより反応を開始させた。試料を反応流から採取し、オンラインスイッチ弁を使用して、分析のためにGCに注入した。反応は、次の条件:反応温度、水素の流量、MeSiCl
3バブラーの温度、及びMeSiCl
3の流量、を変更しながら行った。触媒の活性化及び反応は、システムに背圧を適用することなく行われた。HSiCl
3は、下の表25に列挙される条件で生成された。
【表26】
表25の結果は、Rh/Cが選択的にHSiCl
3を生じさせることができ、比較的ほとんど又は全くAlkylHSiCl
2を生じないことを示す。
【0073】
実施例25:H
2希釈反応に対する反応圧力の作用。この実施例は、反応圧力が400psig(2757.9kPa)ではなく300psig(2068.4kPa)であったことを除き、実施例21のエントリー1の再現であった。MeSiCl
3転換は99.5重量%であり、SiH選択性は65.6重量%(Si=H
2SiCl
2+HSiCl
3であり、N/dは、判定されなかったことを意味する)であった。結果は、実施例20に示される、H
2希釈反応におけるMeSiCl
3転換及びSiH(HSiCl
3+H
2SiCl
2)選択性の減少が反応圧力を増加させることにより実施例21で改善され得ることを示す。