(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記PP、LLDPE、LDPE、PE、PET又はフランジカルボン酸のバイオベースの含有量が少なくとも93%である、請求項1、2及び3のいずれか一項に記載の物品。
前記キャップが、前記キャップの総重量に基づいて最大で75重量%の粉砕再生ポリプロピレン、粉砕再生ポリエチレン又はこれらの混合物を更に含む、請求項1、2及び3のいずれか一項に記載の物品。
前記着色剤マスターバッチがバイオベースのプラスチック、石油系プラスチック、バイオベースの油、石油系油又はこれらの混合物からなる群から選択される担体を含む、請求項12に記載の物品。
前記容器、キャップ又はこれらの組み合わせが、前記容器又はキャップの総重量に基づいて1重量%〜50重量%の、デンプン、繊維、無機材料、発泡剤、微小球、生分解性ポリマー、再生可能であるが生分解性ではないポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される充填剤を更に含む、請求項1、2及び3のいずれか一項に記載の物品。
前記容器を構成する前記PET又はフランジカルボン酸のポリエステル及びポリマーが、ISO 75の方法Aに従うと少なくとも61.1℃、ISO 75の方法Bに従うと少なくとも66.2℃の熱変形温度(HDT)、あるいは、ISO 306の方法A50に従うと少なくとも79℃、ISO 306の方法B50に従うと少なくとも75℃のビカット軟化点を呈する、請求項2に記載の物品。
【発明を実施するための形態】
【0017】
このたび、バージン石油系化合物を実質的に含まない容器、キャップ及びラベルを含む持続可能な物品が開発された。この物品の少なくとも約90重量%、好ましくは約95重量%、より好ましくは少なくとも約97重量%は、再生可能な(すなわち、再生可能資源から誘導された)材料とリサイクル材料、粉砕再生材料又はこれらの混合物との組み合わせから誘導される。この物品は、少なくとも2年の品質保持期間を有し、100%持続可能であり、バージン石油系原料から誘導される同様の物品についての現時点での製品耐用シナリオを全て満たすことができる。
【0018】
本明細書で使用するとき、「持続可能」は、別の方法においてこの物品を製造するのに使用されるはずの関連するバージン石油系プラスチック材料と比較したときに、そのライフサイクルアセスメント又はライフサイクルインベントリの一部の態様において10%を超える改善を有する材料を指す。本明細書で使用するとき、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」又は「ライフサイクルインベントリ(LCI)」は、所与の製品又はその存在により引き起こされる若しくは必然的に伴われる環境影響の調査及び評価を指す。LCA又はLCIは、「ゆりかごから墓場まで」の分析を包含することができ、これはフルライフサイクルアセスメント又は、製造(「ゆりかご」)から使用段階及び処分段階(「墓場」)までのライフサイクルインベントリを指す。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)容器は、HDPE樹脂ペレットにリサイクルされ、その後、容器、フィルム又は射出成形物品を形成するために使用することができ、例えば、相当量の化石燃料エネルギーを節約する。その製品の処分段階で、ポリエチレンは、例えば、焼却処理により処分することができる。全ての投入及び産出は、ライフサイクルの全ての段階について考慮される。本明細書で使用するとき「製品し処分」(EoL)シナリオは、LCA又はLCIの処分段階を指す。例えば、ポリエチレンはリサイクルされ、エネルギーのために焼却処理され(例えば、1キログラムのポリエチレンは、1キログラムのディーゼル油と同じエネルギーを生じる)、他の製品に化学的に変形され、機械的に回収され得る。別の方法としては、LCA又はLCIは、「ゆりかごから出口まで」分析を包含することができ、これは、ペレットとして製造(「ゆりかご」)される時点から工場の門(すなわち、消費者に輸送される前)までの部分的な製品ライフサイクルのアセスメントを指す。あるいは、この二番目のタイプの分析は、「ゆりかごからゆりかごまで」とも呼ばれている。
【0019】
本明細書で使用するとき、「リサイクル可能」は、構成要素を再作製する際に使用するためのリサイクル樹脂又はリサイクル紙の適合性を損なうことなく、物品の構成要素(例えば、ボトル、キャップ、ラベル)を、石油から誘導された樹脂(例えば、HDPE、PET、PP)又は紙について現在確立されているリサイクルの流れの中に組み入れることができることを指す。
【0020】
本発明の物品は、バージン石油系原料から製造された同様の物品と同じ外観及び感触、バージン石油系原料から製造された物品と同様の性能特性(例えば、同様の落下及び頂部負荷)を有し、同様に(例えば、物品をリサイクルすることにより)処分することができるので、有利であり、更には、本発明の物品は、バージン石油系原料に由来する物品よりも、持続可能性が改善されている。
【0021】
本発明の物品はまた、物品の製造に使用されるあらゆるバージンポリマーが再生可能資源から誘導されるので、有利である。本明細書で使用するとき、「再生可能資源」は、その消費速度と同程度の速度(例えば、100年以内の時間枠)で自然プロセスにより生産されるものである。この資源は、自然に又は農業技術を介して、補充することができる。再生可能資源の非限定例としては、植物(例えば、サトウキビ、テンサイ、トウモロコシ、ジャガイモ、柑橘果実、木本植物、リグノセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、セルロース廃棄物)、動物、魚、細菌、真菌及び林産物が挙げられる。これらの資源は、自然生成、ハイブリッド又は遺伝子組み換え生物であり得る。生成に100年超かかる原油、石炭、天然ガス及び泥炭などの天然資源は、再生可能資源とは考えられない。本発明の物品の少なくとも一部は二酸化炭素と切り離すことのできる再生可能資源に由来することから、本物品の使用は地球温暖化の可能性及び化石燃料消費量を低減することができる。例えば、この物品が由来する樹脂についての一部のLCA又はLCI研究では、バージン石油系原料から約1トンのポリエチレンを製造すると、環境に対して最大で約2.5トンの二酸化炭素が放出されることになると示されている。サトウキビは、例えば、生長中に二酸化炭素を取り込むので、サトウキビから1トンのポリエチレンを製造した場合には環境から最大で約2.5トンの二酸化炭素が除去される。それゆえに、サトウキビなどの再生可能資源から製造されたポリエチレンを約1トン使用した場合、石油系資源から誘導されたポリエチレンを1トン使用した場合と比較して、環境における二酸化炭素は最大で約5トン低減される。
【0022】
再生可能なポリマーの非限定例としては、ポリヒドロキシアルカノエート(例えば、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート、NODAX(商標))及び細菌セルロースなどの有機体から直接生産されるポリマー、多糖及びその誘導体(例えば、ガム、セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサン、デンプン、化工デンプン)、タンパク質(例えば、ゼイン、乳清、グルテン、コラーゲン)、脂質、リグニン及び天然ゴムなどの植物及びバイオマスから抽出されるポリマー、バイオポリエチレン、バイオポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、NYLON 11、アルキド樹脂、コハク酸系ポリエステル及びバイオポリエチレンテレフタレートなどの天然源モノマー及び誘導体から誘導される現時点のポリマーが挙げられる。
【0023】
本発明の持続可能な物品は更に、その特性が、容器、キャップ、ラベル又はこれらの混合物を形成するために使用されるバイオ材料、リサイクル材料及び粉砕再生材料の量を変更することにより、あるいは、充填剤を導入することにより、調整することができるので、有利である。例えば、リサイクル材料を使ったバイオ材料の量を増加させると(例えば、ホモポリマー対コポリマーといったように、同種のものを比較した場合)、応力亀裂抵抗の増加、耐衝撃性の増加、不透明度の低下及び表面光沢の増加という傾向を有する。特定のタイプのリサイクル材料及び/又は粉砕再生材料の量を増加させると、一部の特性を改善することができる。例えば、リサイクル材料に成分としてエラストマーを含有させると、耐衝撃性が増加し、厳密なグレードに応じ物品のコストが低減される。対照的に、リサイクル材料に成分としてエラストマーを含有させないと、多くの場合、耐衝撃性の低減はわずかになる。更に、多くの場合、リサイクル材料は既に着色されているため、リサイクル材料を使用すると、多くの場合、特にリサイクル材料が物品の意図された色と同様である場合に、着色剤マスターバッチに関するコストがバージン材料よりも節約される。
【0024】
本発明の持続可能な物品の組成を調整できることにより、水よりも密度が低いか又は高いかのいずれかのポリマーの組み込みが可能になり、その結果、物品がポリエチレンテレフタレートから構成されない場合のように、組成物全体の密度が水の密度よりも低くなる。それゆえに、本発明の持続可能な物品は、比重分離プロセス中のポリエチレンテレフタレート流への混入に関する問題が回避できるので、少なくとも部分的に持続可能であると思われる現在のプラスチック包装材料(例えば、包装の一部としてポリ乳酸を含むもの)よりも典型的なリサイクルの流れでのリサイクルが容易である。
【0025】
更に、本発明の物品は、バージン石油系材料から全体が又は部分的に誘導されるポリマーを含有する同様の物品の1対1代替物として機能でき、現行の製造装置、反応装置条件及び規準パラメータを用いて製造できるので、有利である。その使用により、環境フットプリントの削減、並びに、再生不能資源の消費量の減少をもたらす。物品の原構成材料を製造するのに使用される資源の補充速度がその消費速度以上であり、多くの場合、再生可能資源に由来する材料を使用すると、大気中の二酸化炭素とは切り離されるため、温室効果ガスの削減がもたらされるので、あるいは、原構成材料が(消費者又は産業廃棄物)リサイクル又は工場内で粉砕再生されることで、使用されるバージンプラスチックの量及び浪費される使用プラスチックの量(例えば、埋め立てで)が低減されるので、環境フットプリントが削減される。更に、本発明の物品は、危機的な生態系の破壊又は絶滅危惧種にとっての生息地の減少を導かない。
【0026】
持続可能、リサイクル可能な物品
本明細書に記載の発明は、少なくとも約2年の品質保持期間を有し、100%リサイクル可能であり、バージン石油系材料を実質的に含まない(すなわち、物品の総重量に基づいて約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満のバージン石油系材料)、持続可能な物品に関する。本明細書で使用するとき、「バージン石油系」は、石油、天然ガス又は石炭などの石油原料から誘導され、産業的にも又は消費者廃棄流を通してのいずれでもリサイクルされていない材料を指す。
【0027】
本発明の持続可能な物品は、容器、キャップ及びラベルを含み、これらの構成要素は各々再生可能な材料、リサイクル可能な材料、粉砕再生材料又はこれらの混合物から誘導される。容器は、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、より好ましくは少なくとも約97重量%、例えば、約100重量%、のバイオポリマー、リサイクルされたポリマー、粉砕再生ポリマー又はこれらの混合物を含む。キャップは、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、より好ましくは少なくとも約97重量%、例えば、約100重量%、のバイオポリマー、リサイクルされたポリマー、粉砕再生ポリマー又はこれらの混合物を含む。ラベルは、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、より好ましくは少なくとも約97重量%、例えば、約100重量%、のバイオポリマー、リサイクルされたポリマー、粉砕再生ポリマー又はこれらの混合物を含む。
【0028】
再生可能な材料の例としては、バイオポリエチレン、バイオポリエチレンテレフタレート及びバイオポリプロピレンが挙げられる。本明細書で使用するとき、特に指示がない限り、「ポリエチレン」は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び超低密度ポリエチレン(ULDPE)を包含する。本明細書で使用するとき、特に指示がない限り、「ポリプロピレン」は、ホモポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン及びブロックコポリマーポリプロピレンを包含する。
【0029】
本明細書で使用するとき、「リサイクルされた」材料は、消費者使用後にリサイクルされた(PCR)材料、産業廃棄物からリサイクルされた(PIR)材料及びこれらの混合物を包含する。一部の実施形態では、本発明の容器及び/又はキャップは、リサイクルされた高密度ポリエチレン、リサイクルされたポリエチレンテレフタレート、リサイクルされたポリプロピレン、リサイクルされたLLDPE又はリサイクルされたLDPEからなり、好ましくはリサイクルされた高密度ポリエチレン、リサイクルされたポリエチレンテレフタレート又はリサイクルされたポリプロピレンからなり、より好ましくはリサイクルされた高密度ポリエチレン又はリサイクルされたポリエチレンテレフタレートからなる。一部の実施形態では、ラベルは、容器からリサイクルされた高密度ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートからなる。
【0030】
本明細書で使用するとき、「粉砕再生」材料は、細断又は粒状化により再生された、スプルー、ランナー、作りすぎたパリソン材料、並びに、射出及び吹込成形及び押出作業からの不合格部品などの熱可塑性廃棄材料である。
【0031】
本明細書で使用するとき、接頭辞「バイオ−」は、再生可能資源から誘導された材料を指定するために使用される。
【0032】
バイオ高密度ポリエチレン(Bio-High Density Polyethylene)
一態様では、本発明の持続可能な物品は、バイオ高密度ポリエチレンを含む。バイオポリエチレンは、バイオエチレンの重合から製造され、バイオエチレンはバイオエタノールの脱水から形成される。バイオエタノールは、例えば、(i)サトウキビ、テンサイ又はサトウモロコシからの糖の発酵、(ii)トウモロコシ、コムギ又はキャッサバの糖化、及び(iii)セルロース系材料の加水分解から誘導することができる。米国特許出願公開第2005/0272134号(参照により本明細書に組み込まれる)は、アルコール及び酸を形成するための糖の発酵を記載している。
【0033】
エタノールを形成するために使用される好適な糖としては、単糖、二糖、三糖及びオリゴ糖が挙げられる。スクロース、グルコース、フルクト−ス及びマルトースなどの糖は、サトウキビ及びサトウモロコシなどの再生可能資源から容易に製造される。前述したように、糖は他の農産物(すなわち、土地耕作又は動物飼育からもたらされる再生可能資源)からも(例えば、酵素開裂を介して)誘導することができる。例えば、グルコースは、コーンスターチの酵素加水分解により商業規模で調製することができる。グルコースに転化させるベースデンプンとして使用できる他の一般的な農作物としては、コムギ、ソバ、イモゼリ(arracaha)、ジャガイモ、オオムギ、クズ、キャッサバ、サトウモロコシ、サツマイモ、ヤム、クズウコン(arrowroot)、サゴ及び他の同様なデンプン質の果実、種子又は塊茎が挙げられる。これらの再生可能資源(例えば、トウモロコシ由来のコーンスターチ)により製造される糖は、プロパノール、エタノール及びメタノールなどのアルコールを製造するために使用することができる。例えば、コーンスターチを、酵素加水分解して、グルコース及び/又は他の糖を生成することができる。得られた糖は、発酵によりエタノールに転化することができる。
【0034】
エタノール及びプロパノールなどの一官能性アルコールはまた、脂肪酸、脂肪(例えば、動物性脂肪)及び油(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド及びこれらの混合物)から製造することができる。これらの脂肪酸、脂肪及び油は、動物又は植物などの再生可能資源に由来するものであり得る。「脂肪酸」は、炭素原子12個〜30個からなる鎖長を有する直鎖モノカルボン酸を指す。「モノグリセリド」、「ジグリセリド」、及び「トリグリセリド」は、(i)グリセロール及び(ii)複数の不飽和二重結合を含む同じ又は混合脂肪酸の、それぞれ複数のモノエステル、ジエステル、及びトリエステルを含有することを指す。脂肪酸の非限定的な例としては、オレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。モノグリセリドの非限定的な例としては、本明細書に記載の任意の脂肪酸のモノグリセリドが挙げられる。ジグリセリドの非限定的な例としては、本明細書に記載の脂肪酸のうちのいずれかのジグリセリドが挙げられる。トリグリセリドの非限定例としては、例えば、トール油、トウモロコシ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、亜麻仁油、エノ油、綿実油、桐油、ピーナッツ油、オイチシカ油、麻実油、海産油(例えば、アルカリ精製魚油)、脱水ヒマシ油及びこれらの混合物などの、本明細書に記載の脂肪酸のいずれかのトリグリセリドが挙げられる。アルコールは、当該技術分野において既知の任意の方法により脂肪酸の還元を通して、脂肪酸から製造することができる。アルコールは、脂肪及び油を加水分解してグリセロール及び脂肪酸を生成し、続いて脂肪酸を還元することにより、脂肪及び油から製造することができる。
【0035】
好ましい実施形態では、バイオエチレンは、サトウキビから製造される。サトウキビからのエチレン製造のライフサイクル段階は、(i)サトウキビを栽培すること、(ii)サトウキビを発酵させてバイオエタノールを生成すること、及び(iii)バイオエタノールを脱水してエチレンを生成すること、を含む。具体的には、サトウキビを洗浄し、ミルに移送し、そこで濾滓を残してサトウキビ汁を抽出する。残渣は肥料及びバガス(破砕後に得られたサトウキビの残留木質繊維)として使用される。バガスは焼却されて、蒸気及びサトウキビミルの動力に使用される電力を生じ、これにより、石油系燃料の使用を低減する。サトウキビ汁は、酵母を使用して発酵させると、エタノール及び水の溶液が生成される。エタノールを、水から蒸留すると、純度約95%のバイオエタノールが生成される。バイオエタノールを触媒脱水(例えば、アルミナ触媒を用いる)にかけて、エチレンを製造し、これを続いて重合してポリエチレンを生成させる。
【0036】
有利なことに、サトウキビから製造されたエチレンのライフサイクルアセスメント及びインベントリは、一部の態様において、地球温暖化可能性、非生物枯渇及び化石燃料消費について、石油原料から製造されるエチレンよりも好ましい効果を示す。例えば、一部の研究は、前述したようにバージン石油系原料から約1トンのポリエチレンを製造した場合、環境に対して最大で約2.5トンの二酸化炭素の放出が生じることを示している。それゆえに、サトウキビなどの再生可能資源から製造されたポリエチレンを最大で約1トン使用した場合、石油系資源から誘導されたポリエチレンを1トン使用した場合と比較して、環境における二酸化炭素は最大で約5トン低減される。
【0037】
BRASKEMは、サトウキビからの高密度ポリエチレン(HDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の製造を実証した(HDPE製造についてHostalen/Basell技術を使用、LLDPEについてはSpherilene/Basell技術を使用)。これらの触媒により(一部のケースでは)、バイオポリエチレンの加工性を優れたものにすることができ、他のプロセスにより製造される現行の樹脂よりも優れた調和性を有する製品が得られる。
【0038】
A.容器
本発明のこの態様における容器は、少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約97%、より好ましくは約99%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する容器の総重量に基づいて少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、更により好ましくは約75重量%、例えば、少なくとも約90重量%又は100重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)からなる。本明細書で使用するとき、「バイオベースの含有量」は、製品中の総有機炭素の重量(質量)のパーセントとしての材料中のバイオカーボンの量を指す(材料のバイオベースの含有量のアセスメントの項を参照されたい)。
【0039】
容器は、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)、粉砕再生ポリエチレン及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを更に含む。リサイクルされたポリエチレンは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約90重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約25重量%の量で存在する。粉砕再生ポリエチレンは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約75重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%の量で存在する。
【0040】
容器には、例えば、約50重量%のバイオHDPEと約25重量%のPCR−PEと約25重量%の粉砕再生PEを含ませることができ、あるいは、リサイクルされたPEが利用可能ではない場合には約65重量%のバイオHDPEと約35重量%の粉砕再生PEとを含ませることができる。容器は、前述のように、リサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。
【0041】
B.キャップ
一部の実施形態では、本発明の一態様におけるキャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。一部の態様では、キャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。例えば、キャップは、(i)上記のようなバイオ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー、又は、(ii)上記のようなバイオ高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたHDPE、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレンHDPE、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベース含有量を有する低密度ポリエチレン(LDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLDPE及びこれらの混合物からなることができる。
【0042】
キャップは、前述のように、リサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。例えば、キャップには、バイオポリプロピレンとリサイクルされたポリプロピレンの混合物、バイオポリプロピレンを有さないリサイクルされたポリプロピレン、又は、リサイクルされたポリプロピレンを有さないバイオポリプロピレンを含ませることができる。
【0043】
C.ラベル
本発明のこの態様におけるラベルは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリエチレン、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む基材からなる。このポリエチレンとしては、LDPE、LLDPE又はHDPEを挙げることができる。代替的実施形態では、この基材は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のポリエチレンテレフタレート、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PCR−PET)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PIR−PET)、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のフランジカルボン酸のポリエステル、消費者使用後にリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、産業廃棄物からリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、粉砕再生されたフランジカルボン酸のポリエステル
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。他の代替的実施形態では、この基材は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。
【0044】
ラベルはインクを更に含み、インクは溶剤系又は水系であり得る。一部の実施形態では、インクは、ダイズ、植物又はこれらの混合物などの再生可能資源に由来する。インクは、熱又は紫外線(UV)を使用して硬化することができる。一部の好ましい実施形態では、インクはUVにより硬化され、これにより硬化時間及びエネルギー出力が低減される。インクの非限定例としては、Gans Ink & Supply Co.製のECO−SURE!(商標)、並びに、EFI製の溶剤系VUTEk(登録商標)及びBioVu(商標)インクが挙げられ、これらは完全に再生可能資源(例えば、トウモロコシ)に由来する。
【0045】
ラベルは、接着剤を使用して容器に固定することができる。一部の好ましい実施形態では、接着剤は、完全に生分解性及び堆肥化可能で、欧州規格EN 13432に従っており、FDAにより認可されているBerkshire Labels製のBioTAK(登録商標)などの、再生可能な接着剤であり、収縮スリーブを使用して、あるいは、製造中に容器上でラベルを溶融することにより、取り付けることができる。あるいは、ラベルは、プラスチック容器に直接成型することができる。
【0046】
ラベルには、場合により、複数の層を含ませることができる。例えば、インク/金属被覆からなる層が三層ラベルにおいてポリエチレンからなる外層により隣接されている場合には、金属被覆効果が生じる。
【0047】
ラベルがポリエチレン又はポリプロピレンからなる場合、ラベルは、前述したようにリサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。ラベルがポリエチレンテレフタレート、フランジカルボン酸のポリエステル又はこれらの混合物からなる場合には、ラベルは、約1g/mLを超える密度を有する。
【0048】
バイオポリエチレンテレフタレート
別の態様では、本発明の持続可能な物品は、バイオポリエチレンテレフタレートを含む。バイオポリエチレンテレフタレートは、バイオエチレングリコールとバイオテレフタル酸の重合から製造される。バイオエチレングリコールは、再生可能資源から、例えば、国際公開第2009/155086号及び米国特許第4,536,584号(各々参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものなどの多数の好適な経路を介して、誘導することができる。バイオテレフタル酸は、再生可能なアルコールから、国際公開第2009/079213号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている再生可能なp−キシレンを介して誘導される。
【0049】
一部の実施形態では、再生可能なアルコール(例えば、イソブタノール)を反応槽において酸触媒により脱水し、イソブチレンが生成される。イソブチレンを回収し、適切な高熱及び高圧条件下で、既知の触媒を収容する第二反応槽において反応させ、脂肪族炭化水素を芳香化して、再生可能なp−キシレンを生成する。
【0050】
別の実施形態では、再生可能なアルコール(例えば、イソブタノール)を脱水させ、酸触媒で二量体化させる。生成されたジイソブチレンを回収し、第二反応槽で反応させ、再生可能なp−キシレンを生成する。
【0051】
更に別の実施形態では、最大で15重量%の水を含有する再生可能なアルコール(例えば、イソブタノール)を脱水させ、あるいは脱水及びオリゴマー化させ、生成したオリゴマーを芳香化させ、再生可能なp−キシレンを生成する。
【0052】
更に別の実施形態では、再生可能なアルコールの脱水及び生成されたアルケンの芳香化は、単一の反応槽において単一の触媒を用いて行われ、再生可能な芳香族化合物の混合物が生成される。生成された再生可能な芳香族化合物は、例えば、蒸留又は結晶化により精製されて、個々の再生可能な芳香族生成物の純粋な流れが得られる。これらの反応からの純粋なキシレンは、これらの対応するフタル酸及びフタル酸エステルに酸化される。
【0053】
再生可能なフタル酸又はフタル酸エステルは、場合により1種以上のアルコールの存在下で、遷移金属触媒でp−キシレンを酸化することにより製造することができる(例えば、Ind.Eng.Chem.Res.,39:3958〜3997(2000)を参照されたい)。
【0054】
特に指示がない限り、本発明で使用されるポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレン2,5−フランジカルボキシレート(PEF)などのフランジカルボン酸(FDCA)のバイオポリエステル、リサイクルされたポリエステル又は粉砕再生ポリエステルで置き換えることができる。FDCAは、脱水された糖分子であるヒドロキシメチルフルフラール(HMF)から製造することができる。FDCAはまた、グルコース及びフルクト−スから誘導されるメトキシメチルフルフラール(MMF)から製造することができる。FDCAを、当業者に既知の方法によりバイオジオール(例えば、バイオエチレングリコール)と縮合させて、所望のポリエステルを生成することができる。
【0055】
A.容器
本発明のこの態様における容器は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する容器の総重量に基づいて少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、更により好ましくは少なくとも約75重量%、例えば、少なくとも約90重量%又は約100重量%、のポリエチレンテレフタレート(PET)又はフランジカルボン酸のポリエステル(例えば、ポリエチレン2,5−フランジカルボキシレート(PEF))からなる。
【0056】
この容器が、少なくとも約90%のバイオベースの含有量を有するPETを含む場合の実施形態では、容器は、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PCR−PET)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PIR−PET)、粉砕再生ポリエチレンテレフタレート及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを更に含む。リサイクルされたPETは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約90重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約25重量%の量で存在する。粉砕再生PETは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約75重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%の量で存在する。容器には、例えば、約30重量%のバイオPETと約70重量%のPCR−PETを含ませることができる。
【0057】
この容器が、少なくとも約90%のバイオベースの含有量を有するフランジカルボン酸のポリエステルを含む場合の実施形態では、容器は、消費者使用後にリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、産業廃棄物からリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、粉砕再生されたフランジカルボン酸のポリエステル及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを更に含む。これらの実施形態では、リサイクルされたポリエステルは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約90重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約25重量%の量で存在する。粉砕再生ポリエステルは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約75重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%の量で存在する。容器には、例えば、約30重量%のバイオPEFと約70重量%のPCR−PEFを含ませることができる。
【0058】
この容器は、約1g/mLを超える密度を有する。
【0059】
B.キャップ
一部の実施形態では、本発明の一態様におけるキャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。一部の態様では、キャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。例えば、キャップは、(i)上記のようなバイオ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー、又は、(ii)上記のようなバイオ高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたHDPE、産業廃棄物からリサイクルされたHDPE、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベース含有量を有する低密度ポリエチレン(LDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLDPE及びこれらの混合物からなることができる。
【0060】
キャップは、前述のように、リサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。例えば、キャップには、バイオポリプロピレンとリサイクルされたポリプロピレンの混合物、バイオポリプロピレンを有さないリサイクルされたポリプロピレン、又は、リサイクルされたポリプロピレンを有さないバイオポリプロピレンを含ませることができる。
【0061】
C.ラベル
本発明のこの態様におけるラベルは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のポリエチレンテレフタレート、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PET)、産業廃棄物からリサイクルされたPET、粉砕再生PET、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のフランジカルボン酸のポリエステル、消費者使用後にリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、産業廃棄物からリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、粉砕再生されたフランジカルボン酸のポリエステル
、又はこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む基材からなる。一部の代替的実施形態では、ラベルは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリエチレン、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む基材からなる。他の代替的実施形態では、この基材は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。
【0062】
ラベルは、前述のように、溶剤系又は水系であり得るインクを更に含む。一部の実施形態では、インクは、ダイズ、植物又はこれらの混合物などの再生可能資源に由来する。インクは、熱又は紫外線(UV)を使用して硬化することができる。一部の好ましい実施形態では、インクはUVにより硬化され、これにより硬化時間及びエネルギー出力が低減される。インクの非限定例としては、Gans Ink & Supply Co.製のECO−SURE!(商標)、並びに、EFI製の溶剤系VUTEk(登録商標)及びBioVu(商標)インクが挙げられ、これらは完全に再生可能資源(例えば、トウモロコシ)に由来する。
【0063】
ラベルは、接着剤を使用して容器に固定することができる。一部の実施形態では、接着剤は、完全に生分解性及び堆肥化可能で、欧州規格EN 13432に従っており、FDAにより認可されているBerkshire Labels製のBioTAK(登録商標)などの、再生可能な接着剤であり、収縮スリーブを使用して、あるいは、製造中に容器上でラベルを溶融することにより、取り付けることができる。あるいは、ラベルは、プラスチック容器に直接成型することができる。
【0064】
ラベルには、場合により、前述のように、複数の層を含ませることができる。
【0065】
ラベルがポリエチレン又はポリプロピレンからなる場合には、ラベルは、約1g/mL未満の密度を有する。ラベルがポリエチレンテレフタレート、フランジカルボン酸のポリエステル又はこれらの混合物からなる場合には、ラベルは、約1g/mLを超える密度を有する。
【0066】
バイオポリプロピレン
更に別の態様では、本発明の持続可能な物品は、バイオポリプロピレンを含む。バイオポリプロピレンは、プロパノールの脱水により生成されるプロピレンの重合から製造される。プロパノールを誘導するのに使用される再生可能資源は、前述された通りのものである。プロパノールはまた、バイオエチレンから誘導することができる。この経路では、バイオエチレンは、コバルトオクタカルボニル又はロジウム錯体などの触媒の存在下での一酸化炭素と水素とを用いたヒドロホルミル化により、プロピオンアルデヒドへと転化される。水素化ホウ素ナトリウム及びリチウムアルミニウム水素化物などの触媒の存在下でのプロピオンアルデヒドの水素化は、プロパン−1−オールを生じ、これは、米国特許出願公開第2007/0219521号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように酸触媒反応において脱水することができる。
【0067】
A.容器
本発明のこの態様における容器は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する容器の総重量に基づいて少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、更により好ましくは少なくとも約75重量%、例えば、少なくとも約90重量%又は約100重量%のポリプロピレン(PP)からなる。
【0068】
容器は、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)、粉砕再生ポリプロピレン及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを更に含む。リサイクルされたポリプロピレンは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約90重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約25重量%の量で存在する。粉砕再生ポリプロピレンは、場合により、容器の総重量に基づいて最大で約75重量%、好ましくは最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%の量で存在する。
【0069】
容器は、前述のように、典型的なリサイクルシステムの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。例えば、容器には、約50重量%のバイオPPと約25重量%のPCR−PPと約25重量%の粉砕再生PPを含ませることができ、あるいは、リサイクルされたPPが利用可能ではない場合には約60重量%のバイオPPと約40重量%の粉砕再生PPとを含ませることができる。
【0070】
B.キャップ
一部の実施形態では、本発明の一態様におけるキャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。一部の態様では、キャップは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE、少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約97%、より好ましくは少なくとも約99%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなる。例えば、キャップは、(i)上記のようなバイオ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLLDPE及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー、又は、(ii)上記のようなバイオ高密度ポリエチレン(HDPE)、消費者使用後にリサイクルされたHDPE、産業廃棄物からリサイクルされたHDPE、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベース含有量を有する低密度ポリエチレン(LDPE)、消費者使用後にリサイクルされたLDPE、産業廃棄物からリサイクルされたLDPE及びこれらの混合物からなることができる。
【0071】
キャップは、前述のように、リサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。例えば、キャップには、バイオポリプロピレンとリサイクルされたポリプロピレンの混合物、バイオポリプロピレンを有さないリサイクルされたポリプロピレン、又は、リサイクルされたポリプロピレンを有さないバイオポリプロピレンを含ませることができる。
【0072】
C.ラベル
本発明のこの態様におけるラベルは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリエチレン、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレン(PCR−PE)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレン(PIR−PE)
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む基材からなる。代替的実施形態では、このラベルは、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%のバイオベースの含有量を有するポリプロピレン、消費者使用後にリサイクルされたポリプロピレン(PCR−PP)、産業廃棄物からリサイクルされたポリプロピレン(PIR−PP)、粉砕再生ポリプロピレン
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む基材からなる。他の代替的実施形態では、この基材は、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のポリエチレンテレフタレート、消費者使用後にリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PCR−PET)、産業廃棄物からリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PIR−PET)、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約95%、例えば、約100%、のフランジカルボン酸のポリエステル、消費者使用後にリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、産業廃棄物からリサイクルされたフランジカルボン酸のポリエステル、粉砕再生されたフランジカルボン酸のポリエステル
、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0073】
ラベルは、前述のように、溶剤系又は水系であり得るインクを更に含む。一部の実施形態では、インクは、ダイズ、植物又はこれらの混合物などの再生可能資源に由来する。インクは、熱又は紫外線(UV)を使用して硬化することができる。一部の好ましい実施形態では、インクはUVにより硬化され、これにより硬化時間及びエネルギー出力が低減される。インクの非限定例としては、Gans Ink & Supply Co.製のECO−SURE!(商標)、並びに、EFI製の溶剤系VUTEk(登録商標)及びBioVu(商標)インクが挙げられ、これらは完全に再生可能資源(例えば、トウモロコシ)に由来する。
【0074】
ラベルは、接着剤を使用して容器に固定することができる。一部の実施形態では、接着剤は、完全に生分解性及び堆肥化可能で、欧州規格EN 13432に従っており、FDAにより認可されているBerkshire Labels製のBioTAK(登録商標)などの、再生可能な接着剤であり、収縮スリーブを使用して、あるいは、製造中に容器上でラベルを溶融することにより、取り付けることができる。あるいは、ラベルは、プラスチック容器に直接成型することができる。
【0075】
ラベルには、場合により、前述のように、複数の層を含ませることができる。
【0076】
ラベルがポリエチレン又はポリプロピレンからなる場合、ラベルは、前述したようにリサイクルの比重分離プロセスにおける分離を助けるために、約1g/mL未満の密度を有する。ラベルがポリエチレンテレフタレート、フランジカルボン酸のポリエステル又はこれらの混合物からなる場合には、ラベルは、約1g/mLを超える密度を有する。
【0077】
物質のバイオベースの含有量の評価
本明細書で使用するとき、「バイオベースの含有量」は、生成物中の総有機炭素の重量(質量)の百分率としての、物質中のバイオ炭素の量を指す。例えば、ポリエチレンは、その構造単位中に2個の炭素原子を含有する。エチレンが再生可能資源由来である場合、ポリエチレンのホモポリマーは炭素原子の全てが再生可能資源に由来することになるため、理論上は100%のバイオベースの含有量を有する。ポリエチレンのコポリマーもまた、エチレン及びコモノマーの両方が各々再生可能資源由来である場合、理論上は100%のバイオベースの含有量を有し得る。コモノマーが再生可能資源に由来しない実施形態では、HDPEは典型的には、わずか約1重量%〜約2重量%の再生不能なコモノマーを含むことになり、100%より若干低い理論上のバイオベースの含有量を有するHDPEをもたらす。別の例としては、ポリエチレンテレフタレートは、その構造単位中に10個(すなわち、エチレングリコールモノマーから2個及びテレフタル酸モノマーから8個)の炭素原子を含有する。エチレングリコール部分が再生可能資源由来であるが、テレフタル酸が石油系資源由来である場合、ポリエチレンテレフタレートの理論上のバイオベースの含有量は、20%である。
【0078】
物質由来の再生可能資源を評価するための好適な方法は、ASTM D6866によるものであり、この方法により、促進剤質量分析、液体シンチレーション計数、及び同位体質量分析による放射性炭素分析を使用して、物質のバイオベースの含有量を決定できる。大気中の窒素と、紫外線により生成された中性子とが衝突すると、窒素はプロトンを失い、14の分子量を有する放射性炭素が生成される。この
14Cは、二酸化炭素へと即座に酸化される。
14C由来の二酸化炭素は、割合は少ないものの測定可能な大気中炭素画分である。大気中の二酸化炭素は、緑色植物によって循環されて、光合成として知られるプロセス中に有機分子が製造されることになる。循環は、緑色植物又は他の形態の生命体が、有機分子を代謝して二酸化炭素を生成することで完了し、これにより大気への二酸化炭素の再放出が生じる。地球上の生命体の実質上全ての形態は、成長及び生殖を促進する化学エネルギーを生成するにあたって、この緑色植物による有機分子の生成に依存する。したがって、大気中に存在する
14Cは、全ての生命形態及びそれらの生物学的生成物の一部となる。二酸化炭素に生分解するこれらの再生可能ベースの有機分子では、大気に放出される炭素の純増加がないため、これらの分子は地球温暖化に寄与しない。対照的に、化石燃料系炭素は、大気の二酸化炭素の、シグネチャー放射性炭素比率を有さない。参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2009/155086号を参照されたい。
【0079】
「バイオベースの含有量」を導き出すためのASTM D6866の適用は、放射性炭素年代測定法と同じ概念上に構築されるが、年齢方程式の使用を伴わない。分析は、未知の試料中の放射性炭素(
14C)対現代の標準中の放射性炭素(
14C)の比を導き出すことによって行われる。比率は、単位「pMC」(現代炭素パーセント)により百分率として報告される。分析されている物質が、現代の放射性炭素及び化石炭素(放射性炭素を含有しない)の混合物である場合、得られたpMC値は、試料中に存在するバイオマス物質の量と直接相関する。
【0080】
放射性炭素年代測定法において使用される現代参照基準は、およそAD 1950年と同等の既知の放射性炭素含有量を用いるNIST(米国標準技術局)基準である。AD 1950年は、各爆発と共に大量の過剰の放射性炭素(「爆発炭素」と称される)が大気中に導入された、熱核兵器実験前の時を代表するために選択された。AD 1950参照は、100pMCを代表する。
【0081】
実験のピークであり、かつ実験を停止させる条約の前の1963年に、大気中の「爆発炭素」は、正常濃度のほぼ2倍に到達した。大気内のこの分布は、それ以来近似されており、AD 1950年以来生存している植物及び動物に関しては100pMCを超える値が示される。爆発炭素の分布は、時間と共に徐々に減少してきており、今日の値は、107.5pMCに近い。結果として、トウモロコシのような新鮮なバイオマス物質は、107.5pMCに近い放射性炭素シグネチャーを示す。
【0082】
石油系炭素は、大気の二酸化炭素の、シグネチャー放射性炭素比率を有さない。研究は、化石燃料及び石油化学製品が約1pMC未満、及び典型的に約0.1pMC未満、例えば、約0.03pMC未満を有することに留意している。しかしながら、完全に再生可能資源に由来する化合物は、少なくとも約95パーセントが現代炭素(pMC)であり、好ましくは少なくとも約99pMC、例えば、約100pMCであり。
【0083】
化石炭素を現代の炭素と物質中に組み合わせることで、現代のpMC含有量が希釈されるであろう。107.5pMCが現代のバイオマス物質を代表し、0pMCが石油由来体を代表するとの推定を基にすると、物質について測定されるpMC値は、2つの構成成分タイプの割合を反映することになるであろう。現代のダイズに100%由来する物質は、107.5pMCに近い放射性炭素シグネチャーを示すであろう。この物質が50%石油由来体で希釈された場合、それは、54pMCに近い放射性炭素シグネチャーを示すであろう。
【0084】
バイオベースの含有量結果は、100%が107.5pMCに等しく、0%が0pMCに等しいように割り当てることによって導き出される。この点で、99pMCと測定される試料では、バイオベースの含有量は93%相当であるという結果が得られるであろう。
【0085】
本明細書に記載の材料のアセスメントは、ASTM D6866に従って、特に方法Bに従って、行われた。この報告書に引用されている平均値は、末端成分の放射性炭素シグネチャーにおける変異に相当する絶対範囲(バイオベースの含有量の値の両側に±3%)を6%包含する。全ての物質が、現代の又は化石の起源であり、所望の結果は、製造プロセスにおいて「使用される」バイオ物質の量ではなく、物質中に「存在する」バイオ構成成分の量であるものと推定される。
【0086】
物質のバイオベースの含有量を評価するための他の技術は、各々参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,885,155号、第4,427,884号、第4,973,841号、第5,438,194号、及び第5,661,299号、国際公開第2009/155086号に記載される。
【0087】
実施形態
いずれかの態様において、好ましくはポリプロピレンからなる場合に、持続可能な物品の容器には、約2重量%〜約20重量%、好ましくは5重量%〜約10重量%の量の耐衝撃性改良剤を更に含ませることができる。耐衝撃性改良剤は、典型的には、約5重量%〜約10重量%の量のLDPE、約5重量%〜約15重量%の量のオレフィン系エラストマー、約2重量%〜約10重量%の量のスチレン系エラストマー、又はこれらの混合物を含む。耐衝撃性改良剤の例としては、Dow AFFINITY(商標)(すなわち、ポリオレフィンプラストマー)、Exxon Mobil VISTAMAXX(商標)(すなわち、ポリプロピレン系エラストマー)及びGLS製のKRATON(登録商標)(すなわち、スチレン系ブロックコポリマー/エラストマー)が挙げられ、これらはどれもオレフィン系部分の飽和度において様々であり得る。耐衝撃性改良剤は、全て又は一部を油から、全て又は一部を再生可能資源から、あるいは、全て又は一部をリサイクル材料から誘導することができる。
【0088】
これらの態様のいずれかにおいて持続可能な物品のキャップには、場合により、キャップの総重量に基づいて最大で70重量%、好ましくは最大で約30重量%、より好ましくは最大で約40重量%、更により好ましくは最大で約50重量%の、粉砕再生ポリプロピレン、粉砕再生ポリエチレン、又は、これらの混合物を含ませることができる。一部の実施形態では、粉砕再生ポリマーの量は、キャップの総重量に基づいて約5重量%〜約75重量%、好ましくは約25重量%〜約50重量%であり得る。キャップへの粉砕再生材料の組み込みは、生じる物品のコストを低減し、工場内での材料の廃棄を回避し、更に工場の持続可能性を改善する。
【0089】
加えて又は代替的に、これらの態様のいずれかにおける持続可能な物品のキャップには、場合により、例えば、ある程度の量のエラストマーを含有するおむつ廃棄物といったリサイクル材料に由来するエラストマーを含ませることができる。キャップ中にエラストマーを存在させると、キャップの例えば、応力亀裂抵抗及び落下衝撃耐性が改善される。エラストマーは、必要とされる正確な性能に応じて、約0.1重量%〜約60重量%、好ましくは約0.1重量%〜約40重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約20重量%の量でキャップに存在させることができる。耐衝撃性改良エラストマーは、全て又は一部を油から、全て又は一部を再生可能資源から、あるいは、全て又は一部をリサイクル材料から誘導することができる。
【0090】
容器、キャップ及びラベルがポリエチレンテレフタレートからなっていない持続可能な物品の容器、キャップ又はラベルのうちの少なくとも1つには、場合により、生じる容器、キャップ又はラベルが1g/mL未満の密度を有する限り、容器、キャップ又はラベルの総重量に基づいて約70重量%未満の生分解性ポリマーを含ませることができる。生分解性ポリマーは、再生可能な材料、リサイクル材料又は粉砕再生材料のポリマーマトリックスの中に(例えば、物理的ブレンドにより)埋め込んで、生分解性ポリマーが物品構成要素の表面にさらされないようにして、生分解及び/劣化しないようにすることができる。生分解性ポリマーの非限定例としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)及びこれらのコポリマーなどの脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族ポリエステル、BASF製のECOFLEX(登録商標)(すなわち、テレフタル酸、アジピン酸及び1,4−ブタンジオールをベースとする脂肪族−芳香族コポリエステル)、DuPont製のBIOMAX(登録商標)(すなわち、高テレフタル酸含有量を有する芳香族コポリエステル)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びそのコポリマー、熱可塑性デンプン(TPS)材料、セルロース誘導体、並びに、これらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、生分解性ポリマーは、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、粘土(例えば、ナノクレイ)、水酸化アルミニウム、CaSiO
3、ガラス繊維、結晶質シリカ(例えば、石英、ノヴァサイト、クリスタロバイト(crystallobite))、水酸化マグネシウム、雲母、硫酸ナトリウム、リトポン、炭酸マグネシウム、酸化鉄又はこれらの混合物などの無機塩を更に含む。
【0091】
いずれかの態様の持続可能な物品の容器、キャップ又はラベルのうちの少なくとも1つには、場合により、着色剤マスターバッチを含ませることができる。本明細書で使用するとき、「着色剤マスターバッチ」は、顔料が担体材料中に高濃度で分散している混合物を指す。着色剤マスターバッチは、最終製品に色を付与するために使用される。一部の実施形態では担体はバイオベースのプラスチック又は石油系プラスチックであり、一方、代替的実施形態では担体はバイオベースの油又は石油系油である。着色剤マスターバッチは、全て又は一部は石油資源から、全て又は一部は再生可能資源から、あるいは、全て又は一部はリサイクルされた資源に由来するものであり得る。担体の非限定例としては、バイオ由来又は油由来ポリエチレン(例えば、LLDPE、LDPE、HDPE)、バイオ由来油(例えば、オリーブ油、菜種油、ピーナッツ油)、石油由来油、リサイクルされた油、バイオ由来又は石油由来ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及びこれらの混合物が挙げられる。再生可能資源又は再生不能資源のいずれかに由来し得る担体の顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、重合性樹脂又はこれらの混合物を挙げることができる。顔料の非限定例としては、二酸化チタン(例えば、ルチル、アナターゼ)、銅フタロシアニン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、フタロシアミン(例えば、フタロシアミンブルー)、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、酸染料、塩基染料、キナクリドン及びこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、着色剤マスターバッチは、1種以上の添加剤を更に含み、これらは再生可能資源又は再生不能資源のいずれかに由来するものであり得る。添加剤の非限定例としては、スリップ剤、UV吸収剤、核形成剤、UV安定剤、熱安定剤、清澄剤、充填剤、増白剤、加工助剤、芳香剤、風味剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
一部の実施形態では、色は、直接配合(すなわち、インライン配合)を使用することによりいずれかの態様の持続可能な物品の容器、キャップ又はラベルに付与することができる。これらの実施形態では、二軸配合装置が射出成形、吹込成形又はフィルムラインの開始時に配置され、顔料などの添加物は物品成形の直前に樹脂の中にブレンドされる。
【0093】
いずれかの態様の持続可能な物品の容器又はキャップのうちの少なくとも1つには、容器、キャップ又はラベルの総重量に基づいて約1重量%〜約50重量%、好ましくは約3重量%〜約30重量%、より好ましくは約5重量%〜約15重量%の充填剤を更に含ませることができる。充填剤の非限定例としては、デンプン、再生可能な繊維(例えば、麻、亜麻、ココナッツ、木材、紙、竹、草本)、無機材料(例えば、炭酸カルシウム、雲母、タルク)、気体(例えば、高圧気体)、発泡剤、微小球、生分解性ポリマー(例えば、PLA、PHA、TPS)、再生可能であるが生分解性ではないポリマー(例えば、酢酸セルロースの粒子、ポリアミド−11、アルキド樹脂)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0094】
上述の態様のいずれかの持続可能な物品の容器、キャップ及びラベルのうちの1つ以上は、単層又は多層を呈し得る。持続可能な物品の構成要素が多層を呈するものである場合、構成要素には、2、3、4、5、6、7、8、9又は10層を含ませることができる。好ましくは、多層は二層、三層、四層又は五層である。一部の実施形態では、多層は、外層と内層の重量比が約99:1〜約1:99、好ましくは約10:90〜約30:70、例えば、約20:80である二層である。一部の実施形態では、多層は、外層と中間層と内層の重量比が約1:98:1〜約30:40:30、例えば、約5:90:5、10:80:10又は20:60:20である三層である。物品の構成要素が少なくとも三層を有する場合の一部の実施形態では、リサイクル材料、1つ以上の生分解性ポリマー(例えば、PLA、PHA、TPS、セルロース)又はこれらの混合物が、中間層を構成する。リサイクル材料、生分解性ポリマー又はこれらの混合物からなる中間層には、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、粘土(例えば、ナノクレイ)、水酸化アルミニウム、CaSiO
3、ガラス繊維、結晶質シリカ(例えば、石英、ノヴァサイト、クリスタロバイト(crystallobite))、水酸化マグネシウム、雲母、硫酸ナトリウム、リトポン、炭酸マグネシウム、酸化鉄又はこれらの混合物などの無機塩を更に含ませることができる。中間層としてリサイクル材料又は生分解性ポリマーを有する多層構成要素は、本明細書に記載のように、例えば、射出技術(例えば、共射出)、延伸吹込プロセス又は押出吹込成形プロセスにより、達成することができる。一部の実施形態では、持続可能な物品の多層構成要素は、気体(例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム)バリア層を含む。バリア層は、バイオベース又は石油系であってよく、例えば、エチルビニルアルコールコポリマー(EVOH)から構成させることができる。
【0095】
容器、キャップ及びラベルの特性評価
本発明の物品の各構成要素は、少なくとも約2年の品質保持期間を有する。本発明の容器、キャップ又はラベルの密度は、ASTM D792を使用して測定することができる。
【0096】
A.容器
少なくとも2年の品質保持期間を有する容器は、以下の手段のうちの少なくとも1つにより特徴付けることができる:その水蒸気透過速度(WVTR)、環境応力亀裂(ESC)及び垂直圧縮強さ。
【0097】
水蒸気透過速度は、指定の温度及び相対湿度条件下にて水蒸気がフィルムを透過する定常状態の速度であり、ASTM 1249−06を使用して測定することができる。HDPEから構成される本発明の容器は、約38℃及び約90%の相対湿度にて、約4.65g/m
2/日(1日で100平方インチあたり0.3グラム(g/100in
2/日))未満、好ましくは約3.10g/m
2/日(0.2g/100in
2/日)未満、より好ましくは約1.55g/m
2/日(0.1g/100in
2/日)未満のWVTRを有する。PPから構成される本発明の容器は、約38℃及び約90%の相対湿度にて、約9.30g/m
2/日(0.6g/100in
2/日)未満、好ましくは約6.20g/m
2/日(0.4g/100in
2/日)未満、より好ましくは約3.10g/m
2/日(0.2g/100in
2/日)未満のWVTRを有する。PETから構成される本発明の容器は、約38℃及び約90%の相対湿度にて、約38.8g/m
2/日(2.5g/100in
2/日)未満、好ましくは約19.4g/m/日(1.25g/100in
2/日)未満、より好ましくは約9.69g/m
2/日(0.625g/100in
2/日)未満のWVTRを有する。
【0098】
環境応力亀裂(ESC)は、応力、ひずみ及び特定の化学環境との接触の同時作用に起因するプラスチックの亀裂及び脆化が、本来の時期よりも早い時期で生じるというものである。ESCを測定する一方法は、ASTM D−2561を使用することによる。本発明の容器は、ASTM D−2561に従った際に、60℃にて15日にわたって、好ましくは30日にわたって4.5キログラム負荷に持ちこたえることができる。
【0099】
別の方法としては、ESCは、以下の手順に従って測定することができる。試験される容器に液体を目標充填レベルまで充填し、場合により蓋部材を容器上に取り付ける。蓋部材がねじ式蓋部材である場合には、これを指定のトルクまで締める。試験容器は、50℃±1.5℃で4時間にわたって調整される。ねじ式容器キャップには、その後、元の指定のトルクレベルまで再びトルクを加え、漏出サンプルを除去する。その調整温度にて、容器を直立位置で配置し、4.5〜5.0キログラムのおもりをその頂部に配置する。応力亀裂の痕跡について又は応力亀裂を示唆し得る漏出の徴候について30日にわたって毎日容器を精査する。本発明の容器は、約30日(そのうちの最初の15日が最も危険である)にわたって4.5〜5.0キログラム負荷に持ちこたえることができる。
【0100】
垂直圧縮強さ試験は、吹込熱可塑性容器の機械破砕特性(例えば、破砕降伏負荷、破砕降伏負荷におけるたわみ、破損時の破砕負荷、見かけの破砕剛性)についての情報を提供する。キャップをしていない、空気抜きされた本発明の空の容器が、50mm/分の速度を使用してASTM D−2659垂直圧縮強さ試験にかけられる場合、圧縮強さピーク力(約5mm以下のたわみにて)は、約50N以下、好ましくは約100N以下、より好ましくは約230N以下である。また、水を充填した本発明の容器が28℃〜42℃の温度にて12.5mm/分の粘度を使用してASTM D−2659垂直圧縮強さ試験にかけられて試験される場合、圧縮強さピーク力(約5mm以下のたわみにて)は、約150N以上、好ましくは約250N以上、より好ましくは約300N以上である。垂直圧縮強さ試験は、常温に保たれた室内で行われる。
【0101】
加えて又は代替的に、本発明の容器の製造に使用される上記のようなHDPE、PET又はPPを含む未処理構成材料は、好ましくは、下記に指定される熱変形温度又はビカット軟化点を有し、並びに/あるいは、下記に指定されるフルノッチクリープ試験に従って負荷応力に持ちこたえることができる。
【0102】
熱変形温度(HDT)は、指定された最大の外繊維応力にて3点屈曲による負荷をかけた際に、試験材料が指定された量でたわむ温度である。熱変形温度は、ISO 75に概略が示されている標準的手順を使用して測定することができ、この手順では、方法Aは1.80MPaの外繊維応力を使用し、方法Bは0.45MPaの外繊維応力を使用する。本発明のHDPE容器の未処理構成材料は、方法Aに従うと少なくとも約40℃、好ましくは少なくとも約45℃、より好ましくは少なくとも約50℃、方法Bに従うと少なくとも約73℃、好ましくは少なくとも約80℃、より好ましくは少なくとも約90℃のHDTを有する。本発明のPET容器の未処理構成材料は、方法Aに従うと少なくとも約61.1℃、好ましくは少なくとも約63℃、より好ましくは少なくとも約65℃、方法Bに従うと少なくとも約66.2℃、好ましくは少なくとも約68℃、より好ましくは少なくとも約70℃のHDTを有する。本発明のPP容器の未処理構成材料は、方法Aに従うと少なくとも約57℃、好ましくは少なくとも約65℃、より好ましくは少なくとも約70℃、方法Bに従うと少なくとも約75℃、好ましくは少なくとも約90℃、より好ましくは少なくとも約100℃のHDTを有する。
【0103】
ビカット軟化点は、明確な融点を有さない材料についての軟化点の測定値であるが、融点を有する材料についても測定することができる。これは、1平方ミリメートルの円又は正方形の断面を有する先端が平らな針が、材料に1ミリメートルの深さまで侵入する温度として記録される。ビカット軟化点はISO 306に概略が示されている標準的手順を使用して測定することができ、この手順では、試験方法A50については10Nの負荷及び1時間あたり50℃の加熱速度、試験方法B50については50Nの負荷及び1時間あたり50℃の加熱速度が使用される。本発明のHDPE容器の未処理構成材料は、試験方法A50に従うと少なくとも約112℃、好ましくは少なくとも約125℃、より好ましくは少なくとも約130℃、試験方法B50に従うと少なくとも約75℃、好ましくは少なくとも約77℃、より好ましくは少なくとも約80℃のビカット軟化温度を有する。本発明のPET容器の未処理構成材料は、試験方法A50に従うと少なくとも約79℃、好ましくは少なくとも約85℃、より好ましくは少なくとも約90℃、試験方法B50に従うと少なくとも約75℃、好ましくは少なくとも約77℃、より好ましくは少なくとも約80℃のビカット軟化温度を有する。本発明のPP容器の未処理構成材料は、試験方法A50に従うと少なくとも約125℃、好ましくは少なくとも約154℃、より好ましくは少なくとも約175℃、試験方法B50に従うと少なくとも約75℃、好ましくは少なくとも約85℃、より好ましくは少なくとも約95℃のビカット軟化温度を有する。
【0104】
フルノッチクリープ試験(FNCT)は、選択された環境における亀裂進展を遅延させる目的でポリマーの耐性を評価するために使用される加速試験である。ISO 16770に記載のFNCTにかけた場合、本発明のHDPE又はPP容器の未処理構成材料は、室温にて約4.4MPaの負荷応力の下、少なくとも約4時間、好ましくは少なくとも約18時間、より好ましくは少なくとも約50時間、更により好ましくは約100時間にわたって持ちこたえることができる。
【0105】
B.キャップ
少なくとも2年の品質保持期間を有するキャップは、以下の手段のうちの少なくとも1つにより特徴付けることができる:キャップデザインがヒンジを含む場合にはそのヒンジの寿命、応力亀裂抵抗、落下衝撃耐性、水中での浸漬による弾性率の変化及びビカット軟化点。ヒンジの寿命は、ヒンジが人又は機械による複数回の開栓を維持する能力である。キャップのヒンジの寿命が手動で試験される場合には、本発明のキャップは、室温での、人による少なくとも約150回、好ましくは少なくとも約200回、より好ましくは少なくとも約300回の開栓を維持することができる。キャップのヒンジの寿命が機械で試験される場合には、本発明のキャップは、室温での機械による少なくとも約1500回、好ましくは少なくとも約1700回、より好ましくは少なくとも約2000回の開栓を維持することができる。これらの実施形態の一部では、キャップはポリプロピレンからなる。各試験後、ヒンジ領域は破損について精査される。本発明のキャップは、冷温環境(例えば、約5℃未満)に配置された場合には破損を示さない。
【0106】
キャップの応力亀裂抵抗は、前述のESC方法により測定することができる。例えば、本発明のキャップは、約50℃にて4.5キログラムの負荷に約15日にわたって、好ましくは約30日にわたって持ちこたえることができる。別の方法としては、ASTM D−5419の下、本発明のキャップは、約15日にわたって、好ましくは約30日にわたって、浸漬応力亀裂抵抗(ISCR)にて亀裂に耐えて脱色を全く呈さないでいることができる。
【0107】
落下衝撃耐性は、キャップが落下に持ちこたえる能力である。落下衝撃耐性を測定するために、損傷を受けておらず、意図された通りに構成された容器に水道水を公称充填容量まで充填して、キャップをしないまま23±2℃にて24時間にわたって定置して温度を標準化させる。この容器にキャップをし、指定された高さから容器を落下させる。本発明のキャップは、水で充填された容器上に取り付けられる場合、約1.2mの高さからのサイドパネル(side panel drop)又は水平落下(horizontal drop)及び上下逆様落下(upside-down drop)に持ちこたえることができる。本発明のキャップは、水で充填された容器上に取り付けられる場合、約1.5mの高さからの垂直底部落下に持ちこたえることができる。
【0108】
加えて又は代替的に、本発明のキャップを製造するために使用される上記のようなPP、LLDPE、HDPE及びLDPEキャップを含む未処理構成材料は好ましくは、下記に指定されるように、水への浸漬による弾性率の変化又はビカット軟化点を有する。
【0109】
水中での浸漬による弾性率の変化は、プラスチックの弾性率を測定するASTM D−638で試験される。弾性率は、室温及び45℃で2週間にわたって浸漬させた前後の製品において比較される。本発明のキャップを含む未処理構成材料は、水に浸漬させると、弾性率の約1%未満の低減を伴う弾性率のわずかな変化を呈する。
【0110】
本発明のキャップを含む未処理構成材料は、前述のようにISO 306の試験方法A50に従うと、少なくとも約75℃、好ましくは少なくとも約125℃のビカット軟化点を呈する。例えば、本発明のキャップを含む未処理構成材料は、約75℃〜約175℃、好ましくは約125℃〜約154℃のビカット軟化点を呈し得る。本発明のキャップは、前述のようにISO 306の試験方法B50に従うと、少なくとも約50℃〜約95℃、好ましくは約75℃〜約85℃のビカット軟化点を呈する。
【0111】
C.ラベル
少なくとも2年の品質保持期間を有するラベルは、以下の手段のうちの少なくとも1つにより特徴付けることができる:その耐化学性、製品耐性、収縮、摩擦試験及び摩耗試験。ラベルの耐化学性は、容器に対するラベルの接着、ラベルの剥離抵抗性、及び、想定されるシャワー又は浴室での使用中のラベル製品耐性すなわち水耐性を評価する、浸して絞る試験(Soak Squeeze Test)により測定される。試験結果は、希釈した石鹸溶液を充填した容器を、38℃の希釈した石鹸溶液の浴槽(すなわち1リットルあたり5グラム)の中に1時間にわたって沈め、容器を10回、50回及び100回圧搾した後のラベルの性能により判定される。本発明のラベルは、複数回圧搾した後でも変化(例えば、ラベルのしわ、膨れ、気泡、インクの剥離、印刷インク色の変化)を全く呈さない。
【0112】
製品耐性は、ラベルがその意図された製品に耐える能力である。製品相溶性を試験するために、約20〜24℃にて製品をラベルの印刷された側に落下させる。約24時間後、柔らかいティッシュペーパーを用いて製品をラベル表面から拭き取り、インクが滲んだ痕、表面の色落ち及び箔詰まりについてラベルを調べる。本発明のラベルは、調べたパラメータの各々において変化を全く呈さない。
【0113】
収縮は、ラベルサイズが縮小することである。本発明のラベルは、その製造から24時間後に約0.2%未満、好ましくは約0.1%未満の収縮を呈する。
【0114】
摩擦試験は、包装ラインのコンベア上での製品のすべりを評価するために、ラベル表面の摩擦レベルを測定する。この試験では、ラベルを200gのスチールブロックの周りに巻き付け、ゴムマットの上を横断方向に150mm/分の速度で少なくとも15mm引きずる。本発明のラベルは、摩擦試験にかけても変化しないままである。
【0115】
磨耗試験は、製造又は使用中にラベルの図柄が擦れて取れないこと又は傷付かないことを確かめる。この試験では、印刷された側を中に折り畳み、ラベルを親指と人差し指の間に配置する。ラベルを指の間で前後に10サイクルにわたって軽く転がす。本発明のラベルは、摩耗試験後も変化しないままである。
【0116】
方法
A.容器
本発明の容器は、吹込成形を使用して製造することができる。吹込成形は、中空のプラスチック部品が熱可塑性材料から成形される製造プロセスである。吹込成形プロセスは、熱可塑性材料を溶融し、これをパリソン又は予備成形品に成形することで開始する。パリソンは、一方の端部に圧縮空気が通ることができる孔を有するプラスチックのチューブ状部品である。加圧気体(通常は空気)を使用して、パリソン又は熱した予備成形品を広げ、成形型の空洞に対して押圧する。プラスチックが冷えるまで圧力を保つ。プラスチックが冷え、硬化した後、成形型を開けて部品を出す。
【0117】
吹込成形には3つの主なタイプ、すなわち押出吹込成形、射出吹込成形及び射出延伸吹込成形が存在する。押出吹込成形では、溶融したプラスチックのチューブを成形型の空洞の中に押し出し、圧縮空気で膨張させる。円筒の一端を摘んで閉じる。プラスチック部品を冷却した後、これを成形型から取り外す。押出吹込成形は、本発明のHDPE及びPP容器を製造するために使用することができる。これらの容器は、単層又は多層であり得る。
【0118】
射出吹込成形(IBM)は、3つの工程、すなわち、射出(injection)、吹込及び射出(ejection)を伴う。まず、溶融ポリマーをマニホールドの中に送り、ここで、溶融ポリマーを、ノズルを通して中空の加熱した予備成形品成形型の中に射出する。予備成形品成形型は、生じた容器の外側形状を成形し、予備成形品の内側形状を成形するマンドレル(心棒)の周りに圧締めする。予備成形品は、本体を形成するポリマーの厚いチューブが取り付けられた、十分に成形されたボトル/広口瓶の首からなる。予備成形品成形型を開き、心棒を回転させ、中空の冷却された吹込成形型の中に圧締めする。心棒を開き、圧縮空気を予備成形品の中に入れ、これを最終物品形状に膨張させる。冷却期間後、吹込成形型を開き、心棒を射出位置に回転させる。仕上がった物品を心棒から剥がし、漏出試験にかける。射出吹込成形並びに本明細書に記載の他の吹込成形方法は、埋め込まれた生分解性ポリマーを有する物品構成要素の形成に有用である。射出吹込成形は、生分解性ポリマーのブレンドを含む容器を製造するために使用することができる。
【0119】
射出延伸吹込成形(ISBM)は、予備成形品がその所望される容器形状に吹き込まれる際に周方向及び軸方向の両方に延伸される予備成形品又はパリソンからプラスチック容器を製造するための方法である。ISBMプロセスでは、プラスチックはまず、射出成形プロセスを使用して、「予備成形品」に成形される。これらの予備成形品は、ねじを含む容器の首と共に製造される。予備成形品を包装し、冷却した後、再加熱延伸吹込成形機に送る。予備成形品をこれらのガラス転移温度よりも高く加熱し、その後、高圧空気を使用して吹き込み、金属吹込成形型を用いて容器にした。典型的には、予備成形物は、プロセスの一部として、心棒を用いて延伸される。射出延伸吹込成形は、本発明のHDPE、PET及びPP溶液を製造するために使用することができる。
【0120】
B.キャップ
本発明のキャップは、射出成形を使用して形成することができる。射出成形は、熱可塑性材料、熱硬化性プラスチック材料又はこれらの混合物から部品を製造するための加工プロセスである。射出成形中、高分子材料をバレルに送り、混合し、溶融物にし、三次元成形型空洞の中に入れ、ここで冷却、加熱及び/又は化学反応により成形型空洞の形状に固化させる。射出成形は、単層キャップ又は多層キャップを作製するために使用することができる。
【0121】
C.ラベル
本発明のラベルは、フィルム押出を使用して形成することができる。フィルム押出では、熱可塑性材料を溶融し、連続外形に形成する。一部の実施形態では、多層フィルムを共押出する。フィルム押出及び共押出は、当業者に既知の任意の方法により行うことができる。
【実施例】
【0122】
以下の実施例に示される組成物は、本発明の物品の構成要素の具体的な実施形態を説明したものであるが、これらに限定されない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その他の変更を、当業者によって実行することができる。
なお、実施例1のE、F及びG、実施例2のF、G、H、I、J、K、L、M及びN、並びに実施例3のE、F及びGは、参考例とする。
【0123】
以降の例に記載される構成要素は、一般的な配合法及び混合法を用い調製され、調製例は上記されている。全ての例示量は重量%として記載され、別途記載のない限り、希釈剤、保存料、着色料、画像成分(imagery ingredients)、植物などの微量成分は除外される。
【0124】
(実施例1)
以下の例は、本発明のバイオ高密度ポリエチレン容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0125】
【表1】
1BRASKEM製のSGF4950
2KW/PCA製の101〜150
350重量%のTiO
2、TiO
2用主コーティング及びLLDPE担体樹脂を有する白色マスターバッチ
4TiO
2、雲母及びLLDPE担体を含有する真珠白色マスターバッチ
5炭酸カルシウム(73.6重量%)、二酸化チタン(6.4重量%)及びLLDPE担体樹脂(20.0重量%)を含有する白色マスターバッチ
6TiO
2、雲母及びLLDPE担体を含有する真珠白色マスターバッチ
7炭酸カルシウム(62重量%)、二酸化チタン(17重量%)及びLLDPE担体樹脂(21重量%)を含有する白色マスターバッチ
【0126】
上の表の着色剤マスターバッチ及び充填剤は、本明細書で前述した又は当業者に既知の任意の着色剤マスターバッチ及び充填剤で置き換えることができる。
【0127】
(実施例2)
以下の例は、液体着色剤マスターバッチを使用して本発明のバイオポリエチレンテレフタレート容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0128】
【表2】
1PHOENIX TECHNOLOGIES製のLNO c rPET、EVERGREEN製のrPET、CLEAN TECH製のCT−1500、又は、PHOENIX TECHNOLOGIES製のNPL
【0129】
以下の例は、不透明である液体着色剤マスターバッチを使用して本発明のバイオポリエチレンテレフタレート容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0130】
【表3】
1PHOENIX TECHNOLOGIES製のLNO c rPET、EVERGREEN製のrPET、CLEAN TECH製のCT−1500、又は、PHOENIX TECHNOLOGIES製のNPL
【0131】
以下の例は、半透明である固体着色剤マスターバッチを使用して本発明のバイオポリエチレンテレフタレート容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0132】
【表4】
1PHOENIX TECHNOLOGIES製のLNO c rPET、EVERGREEN製のrPET、CLEAN TECH製のCT−1500、又は、PHOENIX TECHNOLOGIES製のNPL
【0133】
以下の例は、不透明である固体着色剤マスターバッチを使用して本発明のバイオポリエチレンテレフタレート容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0134】
【表5】
1PHOENIX TECHNOLOGIES製のLNO c rPET、EVERGREEN製のrPET、CLEAN TECH製のCT−1500、又は、PHOENIX TECHNOLOGIES製のNPL
【0135】
上の各表の着色剤マスターバッチ及び充填剤は、本明細書で前述した又は当業者に既知の任意の着色剤マスターバッチ及び充填剤で置き換えることができる。
【0136】
(実施例3)
以下の例は、本発明のバイオポリプロピレン容器を形成するのに好適な組成物の代表例である。
【0137】
【表6】
1BRASKEMによる開発段階(development grade)
2WELLMARK製のWM054
3本明細書に記載の又は当業者に既知の任意の粉砕再生PPであってよい
4CLARIANT製のOM51687650
5OMYA製のOMYACARB(登録商標)F−FL
6KRATON製のMD6932
【0138】
ポリプロピレン容器が多層化される一部の実施形態では、外層はポリプロピレンからなり、内層はポリエチレンからなる。上の表の着色剤マスターバッチ、充填剤及び耐衝撃性改良剤は、本明細書で前述した又は当業者に既知の任意の着色剤マスターバッチ及び充填剤で置き換えることができる。
【0139】
(実施例4)
以下の例は、本発明のキャップを形成するのに好適な組成物の代表例である。本発明のキャップは、前述の方法及び仕様により特徴付けることができる。
【0140】
【表7】
1BRASKEMによる開発段階(development grade)
2WELLMARK製のWM054
3BRASKEM製のSGE7252
4ENVISION製のLDPE PCR
5ENVISION製のHDPE PCR
6CLARIANT製のOM51687650
【0141】
上の表の着色剤マスターバッチは、本明細書に記載の又は当業者に既知の任意の着色剤マスターバッチで置き換えることができる。
【0142】
(実施例5)
以下の例は、本発明のポリエチレン及びポリプロピレンラベルを形成するのに好適な組成物の代表例である。一部の好ましい実施形態では、インクは、前述のように、再生可能資源に由来する。
【0143】
【表8】
1BRASKEMによる開発段階(development grade)
2KW/PCA製の101〜150
3BRASKEMによる開発段階(development grade)
4WELLMARK製のWM054
【0144】
(実施例6)
以下の例は、本発明のポリエチレンテレフタレートラベルを形成するのに好適な組成物の代表例である。一部の好ましい実施形態では、インクは、前述のように、再生可能資源に由来する。
【0145】
【表9】
1PHOENIX TECHNOLOGIES製のLNO c rPET、EVERGREEN製のrPET、CLEAN TECH製のCT−1500、又は、PHOENIX TECHNOLOGIES製のNPL
【0146】
本発明のラベルは、前述の方法及び仕様により特徴付けることができる。
【0147】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0148】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0149】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。