特許第5792846号(P5792846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792846
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】リチウム空気電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/08 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   H01M12/08 K
   H01M12/08 Z
【請求項の数】8
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-24875(P2014-24875)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-153532(P2015-153532A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2014年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】パク ミュン グ
(72)【発明者】
【氏名】キム キョン シク
(72)【発明者】
【氏名】チュン ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】スン ヒ ユン
(72)【発明者】
【氏名】イ スク チン
(72)【発明者】
【氏名】スン ジュン ムン
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−524204(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0100792(US,A1)
【文献】 特開2008−181853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム金属を有する第1電極部と、
空気と接触する一側を有するガス拡散層、前記ガス拡散層の他側に形成される触媒層、および前記触媒層に結合してリチウムイオンが通過するメンブレンを備え、前記第1電極部と離隔して形成される第2電極部と、
前記第1電極部と第2電極部との間に設けられる電解質部と、を含み、
前記電解質部は、前記第1電極部の一側に密着し、有機電解質を含有する分離膜と、前記分離膜の一側に密着する固体電解質と、前記固体電解質と第2電極部との間に設けられる水系電解質と、を備える、リチウム空気電池。
【請求項2】
前記第2電極部は、ガス拡散層の一側に結合するポリオレフィン系微多孔膜をさらに備える、請求項1に記載のリチウム空気電池。
【請求項3】
上側が開放した空間部が設けられる第1筐体、および前記第1筐体の上部に配置されて前記第1筐体の空間部を密閉し、下側が開放した空気収容部と前記空気収容部に連通する通気孔が形成される第2筐体を備える筐体部をさらに含み、
前記第1電極部が、第1筐体の空間部に収容され、
前記第2電極部が、前記第1電極部と離隔して、第2筐体の空気収容部の下側に結合するにあたり、前記第2電極部の上側にガス拡散層が配置され、下側にメンブレンが配置されるように結合し、
前記電解質部が、第1筐体の空間部に配置されて、前記第1電極部と第2電極部との間に設けられる、請求項1に記載のリチウム空気電池。
【請求項4】
前記電解質部は、
前記第1電極部の上側に密着し、有機電解質を含有する分離膜と、
前記分離膜の上側に密着する固体電解質と、
前記固体電解質と第2電極部との間に設けられる水系電解質と、
前記固体電解質の上側に設けられ、上下を貫通する収容孔が形成される収容体と、を備え、
前記収容体が、固体電解質、分離膜、および第1電極部を前記空間部に密着させる、請求項に記載のリチウム空気電池。
【請求項5】
前記筐体部は、前記第1筐体と第2筐体との間に介在され、上下を貫通する固定孔が形成されて、前記固定孔に第2電極部が固定される第3筐体をさらに備える、請求項に記載のリチウム空気電池。
【請求項6】
前記メンブレンは、スルホン酸基(sulfonic acid group)を含有する多孔質膜である、請求項1からのいずれか一項に記載のリチウム空気電池。
【請求項7】
前記メンブレンが、多孔質のポリパーフルオロスルホン酸(PFSA;Polyperfluorosulfonic acid)樹脂からなる、請求項に記載のリチウム空気電池。
【請求項8】
前記メンブレンが、ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂を加熱、および圧着して前記触媒層に密着するように形成されるか、ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂溶液を用いてディップコート(dip−coating)法で前記触媒層に密着するように形成される、請求項に記載のリチウム空気電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム空気電池に関し、充放電の繰り返しによる性能低下を防止し、寿命を延長できるリチウム空気電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の消費に伴う二酸化炭素排出量の増加、および原油価格の急激な変動などを背景に、自動車のエネルギー源をガソリンおよび軽油から電気エネルギーへ転換する技術開発が注目されている。電気自動車は、実用化が進められており、長距離走行のために、蓄電池であるリチウムイオン電池の大容量化および高エネルギー密度化が要求されている。しかし、現在、リチウムイオン電池は、電池容量に制約があって長距離走行が困難であるという欠点がある。したがって、理論上、リチウムイオン電池と比較して大容量で高エネルギー密度を有するリチウム空気電池が注目されている。
【0003】
通常、リチウム空気電池は、リチウムイオンの吸着および放出が可能なアノードと、空気中の酸素を正極活物質とし、酸素の酸化還元触媒を含むカソードと、を備え、前記カソードとアノードとの間にリチウムイオン伝導性媒体を設ける。すなわち、リチウム空気電池は、空気中の酸素を活物質として用いたカソードを有する電池であって、カソードにおいて、酸素の酸化還元反応を行うことで充放電を可能になる電池である。
【0004】
かかるリチウム空気電池は、理論上、エネルギー密度が3000Wh/kg以上であり、これは、リチウムイオン電池より約10倍のエネルギー密度に該当する。なお、リチウム空気電池は、環境にやさしく、リチウムイオン電池より改善した安定性を提供することができる。
【0005】
しかし、従来のリチウム空気電池は、充放電を繰り返すにつれてカソードの触媒層が脱落し、固体電解質とカソード(Porous air−cathode)との間に設けられる水系電解質の溶媒が蒸発して、リチウム空気電池の性能が低下し、寿命が短縮するという問題がある。
【0006】
これに関する従来技術としては、特許文献1の「リチウム空気電池」が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0028164(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、リチウム空気電池のカソードを構成する触媒層が脱落しないようにし、水系電解質溶媒の蒸発を抑制して耐久性を向上させることで、性能低下を防止し、寿命を延長できるリチウム空気電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のリチウム空気電池は、リチウム金属を有する第1電極部と、空気と接触する一側を有するガス拡散層、前記ガス拡散層の他側に形成される触媒層、および前記触媒層に結合してリチウムイオンが通過するメンブレンを備え、前記第1電極部と離隔して形成される第2電極部と、前記第1電極部と第2電極部との間に設けられる電解質部と、を含む。
【0010】
また、前記電解質部は、前記第1電極部の一側に密着し、有機電解質を含有する分離膜と、前記分離膜の一側に密着する固体電解質と、前記固体電解質と第2電極部との間に設けられる水系電解質と、を備える。
【0011】
また、前記第2電極部は、ガス拡散層の一側に結合するポリオレフィン系微多孔膜をさらに備える。
【0012】
また、本発明のリチウム空気電池は、上側が開放した空間部が設けられる第1筐体、および前記第1筐体の上部に配置されて前記第1筐体の空間部を密閉し、下側が開放した空気収容部と前記空気収容部に連通する通気孔が形成される第2筐体を備える筐体部をさらに含み、前記第1電極部が、第1筐体の空間部に収容され、前記第2電極部が、前記第1電極部と離隔して、第2筐体の空気収容部の下側に結合するにあたり、前記第2電極部の上側にガス拡散層が配置され、下側にメンブレンが配置されるように結合し、前記電解質部が、第1筐体の空間部に配置されて、前記第1電極部と第2電極部との間に設けられる。
【0013】
また、前記電解質部は、前記第1電極部の上側に密着し、有機電解質を含有する分離膜と、前記分離膜の上側に密着する固体電解質と、前記固体電解質と第2電極部との間に設けられる水系電解質と、前記固体電解質の上側に設けられ、上下を貫通する収容孔が形成される収容体と、を備え、前記収容体が、固体電解質、分離膜、および第1電極部を前記空間部に密着させる。
【0014】
また、前記筐体部は、前記第1筐体と第2筐体との間に介在され、上下を貫通する固定孔が形成されて、前記固定孔に第2電極部が固定される第3筐体をさらに備える。
【0015】
また、前記メンブレンは、スルホン酸基(sulfonic acid group)を含有する多孔質膜に形成される。
【0016】
また、前記メンブレンが、多孔質のポリパーフルオロスルホン酸(PFSA;Polyperfluorosulfonic acid)樹脂からなる。
【0017】
また、前記メンブレンが、ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂を加熱、および圧着して前記触媒層に密着するように形成されるか、ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂溶液を用いてディップコート(dip−coating)法で前記触媒層に密着するように形成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明のリチウム空気電池によれば、電解質と接触し、空気中の酸素を活物質として用いるカソードに疎水性のポリオレフィン系微多孔膜とリチウムイオンの通過が可能なメンブレンを結合することで、充放電を繰り返しても触媒層が脱落せず、水系電解質溶媒の蒸発を抑制することで、リチウム空気電池の充放電の繰り返しによる性能低下を防止し、寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のリチウム空気電池を示す概念図である。
図2】本発明の一実施例によるリチウム空気電池の組立斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるリチウム空気電池の分解斜視図である。
図4図2のAA’方向の断面図である。
図5】初期状態の白金とバインダーが混合した触媒層の表面を示す写真である。
図6図5の触媒層が充放電サイクルを200回経たときの写真である。
図7】初期状態の白金とバインダーが混合した触媒層およびガス拡散層の断面を示す写真である。
図8図7の触媒層が充放電サイクルを200回経たときの触媒層の粒子が脱落した状態を示す断面写真である。
図9】ポリオレフィン系微多孔膜の表面写真である。
図10図9の微多孔膜の断面写真である。
図11】ポリオレフィン系微多孔膜とNafionメンブレンを用いていないカソード(Porous air−cathode)が適用されたリチウム空気電池の充放電サイクルを示すグラフである。
図12】Nafionメンブレンが適用されていないが、ポリオレフィン系微多孔膜が適用されたカソード(Porous air−cathode)が用いられたリチウム空気電池の充放電サイクルを示すグラフである。
図13】Nafionメンブレンとポリオレフィン系微多孔膜の両方が適用されたカソード(Porous air−cathode)が用いられたリチウム空気電池(sample 1)の充放電サイクルを示すグラフである。
図14】sample 1の充放電エネルギーを示すグラフである。
図15】sample 1の充放電エネルギー効率を示すグラフである。
図16】Nafionメンブレンとポリオレフィン系微多孔膜の両方が適用されたカソード(Porous air−cathode)が用いられたリチウム空気電池(sample 2)の充放電サイクルを示すグラフである。
図17】sample 2の充放電エネルギーを示すグラフである。
図18】sample 2の充放電エネルギー効率を示すグラフである。
図19】Nafionメンブレンが存在しないカソードが適用されたリチウム空気電池における水系電解質と、Nafionメンブレンが存在するカソードが適用されたリチウム空気電池における水系電解質との数十サイクル後の変色程度を比較して示す写真である。
図20】Nafionメンブレンとポリオレフィン系微多孔膜の両方が適用されたカソード(Porous air−cathode)が用いられたリチウム空気電池の421回の充放電サイクルを示すグラフである。
図21図20のリチウム空気電池の充放電エネルギーを示すグラフである。
図22図20のリチウム空気電池の充放電エネルギー効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、上述の本発明のリチウム空気電池について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明のリチウム空気電池を示す概念図であり、図2から図4は本発明の一実施例によるリチウム空気電池を示す組立斜視図、分解斜視図、および断面図である。
【0022】
図示されたように、本発明に係るリチウム空気電池1000は、リチウム金属210を有する第1電極部200と、空気と接触する一側を有するガス拡散層311、前記ガス拡散層311の他側に形成される触媒層312、および前記触媒層312に結合してリチウムイオンが通過するメンブレン313を備え、前記第1電極部200と離隔して形成される第2電極部300と、前記第1電極部200と第2電極部300との間に設けられる電解質部400と、を含む。
【0023】
まず、本発明のリチウム空気電池1000は、大きく、第1電極部200、第2電極部300、および電解質部400で構成される。
【0024】
第1電極部200は、リチウムイオンを貯蔵および放出できるリチウム金属210を有し、バインダーをさらに有してもよい。リチウム金属210としては、一例として、リチウム金属、リチウム金属ベースの合金またはリチウム層間化合物(lithium intercalating compound)などが用いられてもよく、水分などに対する耐久性を向上させるためにリチウム合金を用いることが好ましい。バインダーとしては、一例として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられ、バインダーの含量は、特に限定されるものではなく、例えば、30重量%以下であってもよく、より具体的には、1〜10重量%であってもよい。
【0025】
第2電極部300は、空気と接触する一側を有するガス拡散層(Gas Diffusion Layer、GDL)311、触媒層312、およびメンブレン313で構成され、第2電極部300は第1電極部200と離隔して形成される。この際、図1に示されたように、第2電極部300は、第1電極部200と対向する面にメンブレン313が配置されるように構成されて、ガス拡散層311の一側に触媒層312が形成され、触媒層312の一側にメンブレン313が結合することで第2電極部300が形成される。これにより、空気がガス拡散層311を介して拡散し、触媒層312でリチウムイオンと空気中の酸素とが酸化還元反応を起こすように構成される。
【0026】
この際、第2電極部300は、活物質として空気中の酸素が用いられ、酸素およびリチウムイオンが移動可能な空隙を有する導電性材料を含むことができ、触媒層312は、白金(Pt)とバインダーを混合して塗布またはコーティングしてなることができる。すなわち、触媒、導電性材料、およびバインダーを混合した後、ガス拡散層(あるいはカーボン紙)311上にプレス成形を施すか、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤に、触媒、導電材料、バインダーを混合して溶解または分散を行ってスラリーを調整し、これをガス拡散層311上にグラビアコート、ブレードコート、コンマコート、ディップコートなどの方法によって塗布し、次いで、有機溶剤を揮散してからプレスすることで触媒層312を形成することができる。
【0027】
また、導電性材料は、一例として、炭素材料、金属繊維などの導電性繊維、銅、銀ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料を用いてもよい。炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、炭素繊維などを用いてもよく、芳香環化合物を含む合成樹脂、石油ピッチなどを焼成して得られたメソ多孔性炭素を用いてもよい。
【0028】
電解質部400は、第1電極部200と第2電極部300との間に設けられてリチウムイオンが移動することができるように構成される。
【0029】
それで、リチウム金属210を有する第1電極部200がアノード(anode)となり、第2電極部300がカソード(cathode)となり、第1電極部200と第2電極部300との間に電解質部400が設けられてリチウム空気電池1000が構成される。
【0030】
この際、リチウム空気電池1000は、充電および放電の際に、第2電極部300のガス拡散層311を介して空気が拡散して触媒層312で空気中の酸素とリチウムイオンが酸化還元反応を起こし、充電および放電が繰り返されると触媒層312に亀裂が生じて、触媒層312を形成する粒子(白金、バインダー、および導電性物質)がガス拡散層311から電解質部400の側に脱離しうる。そのため、リチウム空気電池の性能が低下し、寿命が短縮する恐れがある。
【0031】
ここで、本発明のリチウム空気電池1000は、第2電極部300の触媒層312に、リチウムイオンが通過し、触媒層312の粒子の脱離を防止できるメンブレン313が結合することで、充電および放電を繰り返してもリチウム空気電池の性能低下を防止することができ、寿命を延長することができる。
【0032】
図5および図6は、初期状態と充放電サイクルを200回経たときの白金とバインダーとが混合した触媒層の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、図7および図8は、初期状態と充放電サイクルを200回経たときのガス拡散層および触媒層の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0033】
すなわち、図6のように充放電が繰り返された後には触媒層312に亀裂が生じ、これにより、図8のようにガス拡散層311から触媒層312の一部(楕円形の表示部分)が脱落して脱離したことが分かる。つまり、下記の表1のように、誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP;Inductively coupled plasma automic emission spectroscopy)で測定された電解質部に混入した白金(Pt)触媒の含量でも、充放電の繰り返しによって触媒層から白金触媒が脱離することが分かる。
【0034】
表1は、触媒層312の白金質量分率がそれぞれ10wt%、40wt%であるリチウム空気電池に対して、充放電を繰り返した後、ICPで分析した水系電解液の単位重量当たり含有された白金の質量(mg/kg)を示すものである。
【0035】
【表1】
【0036】
したがって、本発明では、触媒層312に結合するメンブレン313によって触媒層312が脱落することを防止することで、リチウム空気電池の性能低下を防止することができ、寿命を延長することができる。
【0037】
また、前記電解質部400は、前記第1電極部200の一側に密着して有機電解質を含有する分離膜410と、前記分離膜410の一側に密着する固体電解質420と、前記固体電解質420と第2電極部300との間に設けられる水系電解質450と、を備えることができる。
【0038】
これにより、リチウム空気電池の電気化学的特性および充放電性能を向上させることができる。この際、水系電解質450と第2電極部300の触媒層312との間にメンブレン313が配置されて触媒層312にメンブレン313が結合することで、充放電の繰り返しによって触媒層312が脱落することがなく、水系電解質450の側に触媒層312粒子が混入することを防止することができる。
【0039】
ここで、有機電解質、固体電解質420、および水系電解質450については、以下の本発明に係るリチウム空気電池の一実施例においてより詳細に説明する。
【0040】
また、前記第2電極部300は、ガス拡散層311の一側に結合するポリオレフィン系微多孔膜314をさらに備える。
【0041】
すなわち、ガス拡散層311の一側にポリオレフィン系微多孔膜314が結合することで、水系電解質450の溶媒が蒸発することを抑制し、充放電を繰り返してもリチウム空気電池の性能低下が生じることを防止することができ、寿命を延長することができる。
【0042】
また、発明の一実施例によるリチウム空気電池1000は、上側が開放した空間部111が設けられる第1筐体110、および前記第1筐体110の上部に配置されて前記第1筐体110の空間部111を密閉し、下側が開放した空気収容部122と前記空気収容部122に連通する通気孔121が形成される第2筐体120を備える筐体部100と、前記第1筐体110の空間部111に収容されるリチウム金属210を有する第1電極部200と、前記第2筐体120の空気収容部122の下側に結合して前記第1電極部200と離隔して形成され、上側にガス拡散層311が配置され、前記ガス拡散層311の下側に触媒層312が形成され、前記触媒層312の下側にリチウムイオンが通過するメンブレン313が形成される第2電極部300と、前記第1筐体110の空間部111に設けられ、前記第1電極部200と第2電極部300との間に設けられる電解質部400と、を含む。
【0043】
すなわち、図2から図4のように、本発明の一実施例によるリチウム空気電池1000は、大きく、筐体部100の内部に第1電極部200、第2電極部300、および電解質部400が設けられる。
【0044】
筐体部100は、第1筐体110と、第2筐体120と、を備える。第1筐体110は、円盤状であり、内部に空間部111が設けられ、空間部111は、上側が開放されるように形成される。また、第2筐体120は、円盤状に形成され、第1筐体110の上部に配置されて第1筐体110の空間部111が密閉されるように結合する。この際、第2筐体120は、下側に空気収容部122が形成され、空気収容部122に連通するように通気孔121が形成され、通気孔121を介して外部の空気が空気収容部122に流入および排出されることができる。通気孔121は、一つまたは多数個が形成されてもよく、空気が空気収容部122に流入および流出されるように様々な形態に形成されてもよい。
【0045】
また、第2筐体120は、一側に第1筐体110との結合のための第1固定部127が形成され、第1結合部128が第1固定部127に挿入されて第2筐体120と第1筐体110とが結合することができる。本発明の第1実施例による第2筐体120の第1固定部127は貫通孔からなり、第1結合部128はボルトからなり、第1筐体110には、第1固定部127に対応する位置に雌ねじからなる結合孔112が形成されて、第1結合部128が第1固定部127を貫通して結合孔112に結合することで第1筐体110と第2筐体120とが結合することができる。この際、第1筐体110と第2筐体120は、ねじ結合以外にも、嵌合、溶接またはリベット結合など、様々な形態に結合してもよい。
【0046】
第1電極部200は、リチウム金属210を有し、第1筐体110の空間部111にリチウム金属210が収容される。
【0047】
第2電極部300は、第2筐体120の空気収容部122の開放した下側を密閉するように結合するが、上側にガス拡散層311が位置し、その下側に触媒層312が形成され、その下側にメンブレン313が結合することができる。これにより、空気収容部122に収容される空気がガス拡散層311を介して拡散し、触媒層312でリチウムイオンと空気中の酸素とが酸化還元反応を起こすように構成される。
【0048】
電解質部400は、第1筐体110の空間部111に設けられ、第1電極部200の上部に配置される。すなわち、電解質部400は、第1電極部200と第2電極部300との間に設けられてリチウムイオンが移動するように構成される。
【0049】
すなわち、リチウム金属210を有する第1電極部200がアノード(anode)となり、第2電極部300がカソード(cathode)となり、第1電極部200と第2電極部300との間に電解質部400が設けられることでリチウム空気電池が構成される。
【0050】
これにより、本発明の一実施例によるリチウム空気電池1000は、充放電を繰り返しても第2電極部300の触媒層312の下側に結合するメンブレン313により電解質部400に触媒層312の粒子が脱離することを防止することができ、リチウム空気電池の性能低下を防止することができ、寿命を延長することができる。
【0051】
この際、前記電解質部400は、前記第1電極部200の上側に密着し、有機電解質を含有する分離膜410と、前記分離膜410の上側に密着する固体電解質420と、前記固体電解質420と第2電極部300との間に設けられる水系電解質450と、を備えることができる。これにより、リチウム空気電池の電気化学的特性および充放電性能を向上させることができる。
【0052】
また、前記第2電極部300は、ガス拡散層311の上側に結合するポリオレフィン系微多孔膜314をさらに備え、ポリオレフィン系微多孔膜314が水系電解質450溶媒の蒸発を抑制することができる。また、ポリオレフィン系微多孔膜は、孔径が非常に小さく(約10nm)、疎水性(hydrophobic)であり、水系電解質450の溶媒である水分の蒸発を抑制する効果が大きい。
【0053】
また、前記電解質部400は、前記固体電解質420の上側に設けられ、上下を貫通する収容孔431が形成される収容体430をさらに備え、前記収容体は、固体電解質420、分離膜410、および第1電極部200を前記空間部に密着させるように構成されることができる。
【0054】
すなわち、収容体430は、図4に示されたように、第2筐体120によって上側縁部が押圧され、収容体430により固体電解質420、分離膜410、および第1電極部200が空間部111の底面に密着固定されることができる。この際、収容体430は、中央部に上下を貫通するように収容孔431が形成されて、水系電解質450が収容孔431を介して固体電解質420と接触してリチウムイオンが移動されるように構成される。
【0055】
これにより、本発明の一実施例によるリチウム空気電池1000は、電解質部400、第1電極部200、および第1筐体110の接触抵抗が減少して、リチウム空気電池の効率および性能が向上するだけでなく、リチウム空気電池の寿命が延長するという利点がある。
【0056】
この際、リチウム金属210の下側には網状の集電体220が設けられてもよく、これは、第1筐体110の空間部111に収容されるリチウム金属210、電解質部400、および第1筐体110を密着させるためにリチウム金属210の下側に集電体220が設けられてもよく、この際、集電体220は、弾性を有する網状に形成されて、リチウム金属210および電解質部400を反応に最も有利な状態で接触させることができる。すなわち、第1筐体110の空間部111に収容される集電体220、リチウム金属210、および電解質部400が、第2筐体120の結合によって密着して、接触抵抗をさらに低減することができる。また、集電体220の材質として、銅、ステンレス、ニッケルなどが用いられてもよい。
【0057】
また、前記電解質部400は、前記第1電極部200が空間部111に収容されて密閉されるようにする第1密閉部440をさらに備えてもよい。
【0058】
つまり、電解質部400の縁部に第1密閉部440が介在された後、第1筐体110と第2筐体120との結合により、第1電極部200が電解質部400と第1密閉部440によって空間部111内に密閉されるように構成されるものである。すなわち、第1電極部200に水系電解質450が流入しないようにして、リチウム金属210の腐食を防止することで、リチウム空気電池の性能を向上させ、寿命を延長することができる。
【0059】
この際、図示されたように、電解質部400の固体電解質420の下側縁部と収容体430の上側縁部に、それぞれOリング(O−ring)のような第1密閉部440を形成して、第1電極部200を空間部111内に密閉する密閉力を向上させることができる。また、有機電解質を含有した分離膜410または固体電解質420と第1密閉部440によって密閉されることができる。
【0060】
また、前記筐体部100には、前記第1筐体110と第2筐体120との間に介在されて上下を貫通する固定孔131が形成されて、前記固定孔131に第2電極部300が固定される第3筐体130をさらに備えてもよい。
【0061】
つまり、図3および図4に示されたように、第1筐体110と第2筐体120との間に第3筐体130が介在されて密着されるものである。この際、第1筐体110の空間部111に第1電極部200と電解質部400が収容されてから第3筐体130を上側で結合して、電解質部400、第1電極部200、および第1筐体110の空間部111の底面が密着するように結合することができ、第1筐体110と第3筐体130は、ボルトからなる第2結合部133と第1筐体110に形成される雌ねじ山が形成される結合孔112によってねじ結合することができる。ここで、第3筐体130には、第2結合部133が貫通するように貫通孔からなる第2固定部132が形成され、第2固定部132は、上側が傾斜するように形成され、第2結合部133は皿ボルトからなり、第2結合部133の上側ヘッド部分が第3筐体130の上面より上側に突出しないように形成されて、第3筐体130の上側に第2筐体120を容易に密着結合することができる。
【0062】
次に、第3筐体130の上側に第2筐体120が密着結合し、第3筐体130には貫通孔134が形成されて、第1結合部128が第1固定部127および貫通孔134を貫通して、第1筐体110の結合孔112にねじ結合することができる。
【0063】
この際、第3筐体130には固定孔131が形成され、固定孔131の上側縁部と第2筐体120との間に第2電極部300の縁部が密着して固定される。この際、固定孔131の上側縁部は、図示されたように、傾斜するように形成されてもよく、段部が形成されて段部に第2電極部300の縁部が載置されて固定されてもよい。また、固定孔131には水系電解質450が収容されることができ、第1電極部200と第2電極部300との間にイオンの移動が可能になるように構成される。
【0064】
それで、第1筐体110、第2筐体120、および第3筐体130が強固に結合して密着することができ、第1電極部200および電解質部400の密着力が向上することができ、第2電極部300の結合および固定が容易になるという利点がある。
【0065】
すなわち、本発明の一実施例によるリチウム空気電池1000は、筐体部100が第1筐体110、第2筐体120、および第3筐体130からなり、上部が開放されて空間部が広く形成された従来のリチウム空気電池と比較して密閉性に優れ、耐久性が向上するという利点がある。
【0066】
また、前記メンブレン313は、スルホン酸基(sulfonic acid group)を含有する多孔質膜からなってもよく、より好ましくは、多孔質のポリパーフルオロスルホン酸(PFSA;Polyperfluorosulfonic acid;商品名Nafion)樹脂からなってもよい。また、前記メンブレン313は、加熱および圧着されて前記触媒層に密着することができる。また、ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂溶液(resin solution)を用いてディップコート(dip−coating)法でメンブレン313が形成されてもよい。ポリパーフルオロスルホン酸(PFSA)メンブレンは、プロトン(proton、H、水素イオン)−伝導性(conducting)であり、(伝導度:conductivity:0.1S/cm)、分子構造上親水性スルホン基(Hydrophilic sulfonyl group)と疎水基フルオロ骨格(hydrophobic fluorinated backbones)からなる。したがって、親水基が存在し、プロトン伝導性の特性は、Liイオンを通過させ、酸素と水の反応に必要な水を吸収して、リチウム−空気の作動をスムーズにし、本発明において目的とする、白金(Pt)触媒層の保護に好適なメンブレンである。
【0067】
すなわち、メンブレン313は、触媒層312粒子の脱落を防止しながらもリチウムイオンの移動が可能な材質からなることができ、これは、リチウム空気電池の性能面において最も好ましい。
【0068】
また、前記メンブレン313は、加熱および圧着されて前記触媒層312に密着することができる。すなわち、触媒層312にメンブレン313を高温で加熱および圧着して、触媒層312とメンブレン313との結合力を向上させ、充放電の繰り返しによる触媒層312粒子の脱落をより確実に遮断することができる。
【0069】
また、ここで、水系電解質450は、Lithium Acetate dihydrate(C2H3LiO2、Sigma−Aldrich社製)、Lithium chloride(LiCl、Sigma−Aldrich社製)、Lithium hydroxide(LiOH、Sigma−Aldrich社製)の塩を1モル濃度で脱イオン水(D.I.Water)に溶解したものを用いてもよい。水系電解質450は、イオン性液体、すなわち、下記化1で表される化合物およびこれらの混合物から選択されてもよい。
【0070】
【化1】
(式中、Xは、イミダゾリウムイオン、ピラゾリニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンまたはスルホニウムイオンであり;Yは、(CFSO、(FSO)SN、BF、PF、AlCl、halogen、CHCO、CFCO、CHSO、CFSO、(CFSO)N、NO、SbF、MePhSO、(CFSOまたは(R”)PO(ここで、R”は、C1−C5のアルキルである。)である。)
【0071】
前記化1において、カチオン(X)は、下記の表2に例示されることができる。
【0072】
【表2】
【0073】
前記表において、R〜R20およびRは、(C1−C20)アルキル、(C2−C20)アルケニルまたは(C2−C20)アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、ヒドロキシ、アミノ、−SOH、−COOH、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコキシ、Si(R21)(R22)(R23)(R21、R22、およびR23は、互いに独立して、水素または(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコキシである。)から選択される一つ以上でさらに置換されていてもよい。
【0074】
前記化1におけるアニオン(Y)の種類としては、下記の表3のように挙げられる。
【0075】
【表3】
【0076】
水系電解質の一例としては、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−3−アリルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−アリルピロリジウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジウム(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−アリルピロリジウム(フルオロスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジブチルホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアンアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンカーボネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロボラート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−ブチル−4−メチルピリジウムクロリド、1−ブチル−4−メチルピリジウムテトラフルオロボラート、1−ブチル−4−メチルピリジウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、テトラヘプチルアンモニウムクロリド、テトラキス(デシル)アンモニウムブロミド、トリブチルメチルアンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボラート、トリイソブチルメチルホスホニウムトシレート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジウムブロミド、1−ブチル−1−メチルピロリジウムテトラフルオロボラート、1−アリール−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−アリール−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジブチルホスフェート、1−(3−シアノプロピル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムエチルサルフェートなどが挙げられ、好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアルミニウムクロリド、1−ブチル−4−メチルピリジウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルジメチルテトラデシルアルミニウムクロリド、トリブチルメチルアルミニウムクロリド、テトラブチルホスフェニウムテトラフルオロボラート、1−ブチル−1−メチルピロリジウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−ブチル−4−メチルピリジウムクロリド、1−ブチル−4−メチルピリジウムテトラフルオロボラートなどが含まれる。
【0077】
水系電解質は、好ましくは、高いイオン伝導度と優れた電気特性を示す粘度を有するための面において、下記化2または化3で表されるカチオンを含んでもよい。
【0078】
【化2】
[式中、R〜Rは、(C1−C20)アルキル、(C2−C20)アルケニルまたは(C2−C20)アルキニルであり、前記アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、ヒドロキシ、アミノ、−SOH、−COOH、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコキシ、Si(R21)(R22)(R23)(R21、R22、およびR23は、互いに独立して、水素または(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコキシである。)から選択される一つ以上でさらに置換されていてもよい。]
【0079】
より好ましくは、水系電解質は、下記構造から選択される一つ以上の化合物を含んでもよい。
【0080】
【化3】
【0081】
水系電解質は、LiPF、LiTFSI(Lithium bis(fluorosulfonly)imide)、LiBF、LiClO、LiSbF、LiAsF、LiN(SO、LiN(CFSO、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiCSO、LiSCN、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、xおよびyは、自然数である)、LiCl、LiI、およびLiB(Cからなる群から選択される一つ以上のリチウム塩を含んでもよく、リチウム塩は、生成されたLiが多孔質空気極の表面で連続した反応を阻害することなくイオン伝導度を増加させるための面において、0.025〜1モルの濃度で存在してもよい。
【0082】
また、分離膜410に含有される有機電解質は、非水系電解質として水を含有しない有機溶媒を用いてもよく、非水系有機溶媒としては、カーボネート系、エステル系、エーテル系、ケトン系、有機硫黄(organosulfur)系溶媒、有機リン(organophosphorous)系溶媒または非プロトン性溶媒を用いてもよい。
【0083】
カーボネート系溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ブチレンカーボネート(BC)などが用いられてもよく、エステル系溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、ジメチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン、デカノライド(decanolide)、バレロラクトン、メバロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)などが用いられてもよい。
【0084】
エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラグライム、ジグライム、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどが用いられてもよく、ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノンなどが用いられてもよい。
【0085】
また、有機硫黄系および有機リン系溶媒としては、メタンスルホニルクロリド(methanesulfonyl chloride)とp−卜リクロロ−n−ジクロロホスホリルモノホスファゼン(p−Trichloro−n−dichlorophosphorylmonophosphazene)などが用いられてもよく、非プロトン性溶媒としては、R’CN(R’は、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状、または環状の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含んでもよい)などのニトリル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、1,3−ジオキソランなどのジオキソラン類のスルホラン(sulfolane)類などが用いられてもよい。
【0086】
非水系有機溶媒は、単独でまたは二つ以上混合して用いてもよく、二つ以上混合して用いる場合の混合の割合は、目的とする電池の性能に応じて適宜調節してもよく、これは、当業者が理解可能な範囲である。
【0087】
この際、非水系有機溶媒は、リチウム塩を含んでもよく、リチウム塩は、有機溶媒に溶解されて、電池内でリチウムイオンの供給源として機能することができ、例えば、アノードとリチウムイオン伝導性固体電解質420との間のリチウムイオンの移動を促進する機能を果たすことができる。
【0088】
リチウム塩としては、水系電解質に含まれるリチウム塩と同一であるか相違するものであってもよく、LiPF、LiTFSI(Lithium bis(fluorosulfonly)imide)、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiN(SO、Li(CFSON、LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、xおよびyは、自然数である)、LiF、LiBr、LiCl、LiI、およびLiB(C(リチウムビスオキサレートボラート(lithium bis(oxalato)borate;LiBOB)からなる群から選択される一つまたは二つ以上を用いてもよい。
【0089】
リチウム塩の濃度は0.1〜2.0モル範囲内で用いてもよい。リチウム塩の濃度が前記範囲内に含まれたときに電解質が好適な伝導度および粘度を有し、これにより優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。非水系有機溶媒は、リチウム塩以外にも他の金属塩をさらに含んでもよく、一例として、AlCl、MgCl、NaCl、KCl、NaBr、KBr、CaClなどが挙げられる。
【0090】
固体電解質420は、リチウムイオン伝導性固体電解質膜を意味し、水系電解質内に含まれた水がアノードに含まれたリチウムと直接反応できないように保護する保護膜の機能を果たすことができる。かかるリチウムイオン伝導性固体電解質420は、一例として、リチウムイオン伝導性ガラス、リチウムイオン伝導性結晶(セラミックまたはガラス−セラミック)またはこれらの混合物を含有する無機物質などが挙げられる。
【実施例】
【0091】
以下、本発明は、図面および実施例によってより容易に理解することができ、かかる図面および実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0092】
[製造例1]Nafion coated air−cathodeの製造
Nafionメンブレンを用いたホットプレス法(hot pressing method)
Nafion perfluorinated membrane(N−115またはN−117、Sigma−Aldrich社製)を用いられるair cathodeの直径より多少大きくパンチ(punch)を用いてカットする(例えば、直径1.5cmのair cathodeの場合に、直径1.7cm)。Air cathodeの白金(Pt)触媒層がNafionメンブレンに接触するようにして順に乗せた後、release film bagに入れる。次に、用意したrelease film bagを hot pressを用いて100kg/cmの圧力で3分間維持する。この際、ホットプレス(hot press)の温度は135℃を維持する。この際、Air cathodeのmicrostructure変化を誘導するために、圧力および温度、また維持時間を変化させてもよい。
【0093】
Nafion resin solutionを用いたディップコート法(Dip coating method)
Nafion perfulorinated resin、aqueous dispersion(10wt% in HO、Sigma−Aldrich社製)をペトリ皿(Petri dish)にair−cathodeの大きさに応じて適量(直径1.5cmのair cathodeの場合、100mL)添加した後、Air cathodeの白金(Pt)層が完全に浸るようにして、5分〜10分を維持する。次に、常温のドラフトチャンバー(fume hood)内の層流(laminar flow)で24時間乾燥させる。本製造例で用いられたNafion resinは、高濃度のresin solution(例えば、30wt% in HO)が用いられてもよく、浸漬(dipping)および乾燥(drying)の過程は、air cathodeの白金触媒層に最後に生成されることを所望するNafion filmの厚さおよびmicrostructureに応じて1〜2回あるいは多数回繰り返してもよい。
【0094】
[製造例2]ポリオレフィン系複合微多孔膜(あるいは分離膜)の製造
本発明に係るリチウム−空気電池に電解液の蒸発を抑制するために用いられたポリオレフィン系複合微多孔膜(あるいは分離膜)は、高分子バインダーと無機粒子を含有する多孔膜であり、高分子バインダーは、水溶性高分子と非水溶性高分子を同時に使用し、水溶性高分子と非水溶性高分子の含量を調節して、耐熱性、接着力、水分含量の最適化を可能にする特徴がある。
【0095】
製造方法1
ポリオレフィン系微多孔膜の製造のために重量平均分子量が3.8×10の高密度ポリエチレンを用いた。ダイルエント(diluent)としては、ジブチルフタレートと40動粘度が160cStであるパラフィンオイルを1:2の割合で混合使用し、ポリエチレンの含量とダイルエントの含量は、それぞれ30重量%、70重量%であった。前記組成物をTダイが取り付けられた二軸コンパウンダを用いて240℃で押出し、170℃に設定した区間を通過して単相として存在するポリエチレンとダイルエントの相分離を誘発し、キャスティングロールを用いてシートを製造した。逐次二軸延伸機を用いて、製造されたシートを縦/横方向に、延伸温度128℃でそれぞれ6倍延伸し、延伸後、熱固定温度は128℃であり、熱固定幅は1−1.2−1.1に製造された。製造されたポリエチレン微多孔膜の最終厚さは16μmであり、ガス透過度(Gurley)は130secであり、気孔閉鎖温度は140℃である。
【0096】
前記の方法で作製されたポリオレフィン系微多孔膜を用いて溶融温度が220℃であり、鹸化度が98%であるポリビニルアルコール2.6wt%とTgが−45℃であるアクリルラテックス(Acrylic latex)を固形分3.1wt%(Rovene 6050)になるように使用し、Al(平均粒径0.4μm)粉末47wt%を脱イオン水(Deionized water)に溶解して製造した。ダイコーティング方式を用いてポリオレフィン系微多孔膜の片面に塗布した後、60℃のオーブンで所定の風量を加えて溶媒を除去/乾燥し、最後に、厚さ4.2μmのコーティング層を有するポリオレフィン系複合微多孔膜を製造した。
【0097】
当該方法で作製されたポリオレフィン系複合微多孔膜の表面写真を図9に、断面写真を図10に示した。
【0098】
製造方法2
ポリオレフィン系微多孔膜の製造のために重量平均分子量が3.8×10の高密度ポリエチレンを使用し、ダイルエントとしては、ジブチルフタレートと40動粘度が160cStであるパラフィンオイルを1:2の割合で混合使用し、ポリエチレンの含量とダイルエントの含量は、それぞれ25重量%、75重量%であった。前記組成物をTダイが取り付けられた二軸コンパウンダを用いて240℃で押出し、170℃に設定した区間を通過して単相として存在するポリエチレンとダイルエントの相分離を誘発し、キャスティングロールを用いてシートを製造した。逐次二軸延伸機を用いて、製造されたシートを縦/横方向に、延伸温度128℃でそれぞれ7倍延伸し、延伸後、熱固定温度は126℃であり、熱固定幅は1−1.2−1.2に製造された。製造されたポリエチレン微多孔膜の最終厚さは9μmであり、ガス透過度(Gurley)は110secであり、気孔閉鎖温度は139℃である。
【0099】
前記のポリオレフィン系微多孔膜に溶融温度が225℃であり、鹸化度が97.5%であるシラノール(Silanol)−ポリビニルアルコール共重合体0.5wt%とTgが−24℃であるカルボキシル化スチレンブタジエンラテックス(Carboxylated Stylene butadiene Latex)1.5%(Rovene 4305)に縦横比が10〜20の板状Al(平均粒径1.5μm)粉末22wt%を脱イオン水(Deionized water)に溶解して製造した。マイクログラビア(Micro−gravure)コーティング方式を用いてポリオレフィン系微多孔膜の片面に塗布した後、60℃のオーブンで所定の風量を加えて溶媒を除去/乾燥し、最後に、厚さ3.5μmのコーティング層を有するポリオレフィン系複合微多孔膜を製造した。
【0100】
製造方法3
前記製造方法1で作製されたポリオレフィン系微多孔膜を使用し、溶融温度が220℃であり、鹸化度が99%であるポリビニルアルコール0.6wt%とTgが−45℃であるアクリルラテックス(Acrylic latex)4.0wt%(Rovene 6050)を使用し、Al(平均粒径0.6μm)粉末40wt%を脱イオン水(Deionized water)に溶解して製造した。ダイコーティング方式を用いてポリオレフィン系微多孔膜の片面に塗布した後、60℃のオーブンで所定の風量を加えて溶媒を除去/乾燥し、最後に、厚さ2.5μmのコーティング層を有するポリオレフィン系複合微多孔膜を製造した。
【0101】
[実施例1]リチウム空気電池の製造
リチウム塩として、LiCHCOOH(Lithium Acetic Acid、molar mass=102.02g/mol、Sigma−Aldrich社製)、LiCl(Lithium chloride、molar mass=42.39g/mol、Sigma−Aldrich社製)、LiOH(Lithium Hydroxide、molar mass=23.95g/mol、Sigma−Aldrich社製)をそれぞれ16.3g、6.8g、3.8gずつ1L(liter)の脱イオン水(D.I.Water)に溶解して、それぞれの1Mの濃度の水系電解液を製造し、第2電解質として用意した。アノードとしてリチウム金属薄膜を使用し、前記リチウム金属薄膜上に配置されるセパレータとしてポリプロピレン(SKI、F305CHP、525HV)を使用した。多孔質空気極としてNafion coated air−cathodeを製造例1に記載の方法と同じ方法で製造した。基本空気極として白金触媒層を有するガス拡散層(Pt10wt%、Fuel Earth、EP1019)を使用した。電解液の蒸発を抑制するために用いられたポリオレフィン系複合微多孔膜(SKI、F305CHP、525HV)は、製造例2で作製したものを使用した。
【0102】
ステンレスケースにリチウム金属薄膜アノードを設け、前記アノードに対向する側に1MのLiTFSi in EC:DMC=1:1、1MのLiTFSi in EC:PC=1:1、1MのLiPF in EC:DEC=1:1の有機電解質を用意し、このうち一つを注液したセパレータを設け、その上に固体電解質膜(OHARA、AG−01)を設け、その上部に用意した水系電解質が注入された収容体を設け、カソードをアノードに対向するようにセットした。次に、カソード上にcarbon paper washerを配置し、その上に第2筐体120で押圧してセルを固定してリチウム空気電池を製造した。水系電解質として1MのLiCHCOOH in D.I.water、有機電解質として分離膜との濡れ性(wettability)に優れた1MのLiTFSi in EC:DMC=1:1を使用し、その他の資材は上述したものと同じ材料を使用した。
【0103】
上述した方法で製造されたリチウム−空気電池の充放電特性を評価するために、25℃、1atmで0.25mA/cmの定電流モード(constant current mode)で所定時間の24分間、放電および充電を行った。
【0104】
[実施例2]
実施例1でポリオレフィン系微多孔膜を用いて水系電解質の蒸発は抑制したものと、そうでないものとを比較したものである。また、その効果をはっきりと比較するために、Nafion膜が適用されていない多孔質空気極を使用し、大気(ambient air)ではなく、水分が0.6ppm以下のpure O gas(相対湿度0%)をリチウム空気電池の通気孔121を介して5〜10ccm流して製造されたリチウム空気電池の充放電特性を評価した。充放電試験結果を図11図12、および表4に示す。ポリオレフィン系微多孔膜をair−cathodeに適用して製造されたリチウム空気電池の寿命が著しく向上した。
【0105】
【表4】
【0106】
[実施例3]
実施例1でN−117 Nafionメンブレンを用いて製造例1のホットプレス法でNafionコーティングを行い、ポリオレフィン系微多孔膜を適用したair−cathodeを製造してリチウム空気電池に用いた場合である。二つ(sample 1とsample 2)のリチウム空気電池を50回充放電した結果の充放電エネルギーおよび充放電エネルギー効率の変化を図13から図18に示し、放電エネルギー保持率(discharge energy retention rate)を表5および表6に示した。Nafionメンブレンが適用されたair−cathodeが安定して優れた電池性能を示すことが分かる。また、図19に示されたように、Nafionコーティングを適用した場合に、白金(Pt)触媒層が徐々に剥離することを完全に遮断して、50サイクルの充放電後にも、剥離された白金(Pt)触媒層による第2電解質(あるいは水系電解液)の変色が全く発生しなかった。
【0107】
【表5】
【0108】
【表6】
【0109】
[実施例4]
実施例1で製造例1のディップコート法でNafionコーティングを行い、ポリオレフィン系微多孔膜を適用したair−cathodeを製造してリチウム−空気電池に用いた場合である。リチウム空気電池を421回充放電した結果の充放電エネルギーおよび充放電エネルギー効率の変化を図20から図22に示し、放電エネルギー保持率(discharge energy retention rate)を表7に示した。Nafionディップコート法を適用したときに、優れた電池性能、特に非常に向上したサイクル寿命を示した。
【0110】
【表7】
【0111】
本発明のリチウム空気電池において、前記実施例1〜4から分かるように、Nafionコーティングは、白金(Pt)触媒層が徐々に剥離することを防止し、ポリオレフィン系微多孔膜は、水系電解質溶媒の蒸発を抑制して電池性能が非常に向上したことが分かる。大気雰囲気下で421サイクルの優れたサイクル寿命を確保することができ、放電エネルギー保持率(discharge energy retention rate)も非常に高いことが分かる。
【0112】
さらに、アノードとしてリチウム金属を用いた場合、水分の影響で、従来は数十サイクル以上寿命を確保することが困難であったが、本発明のリチウム空気電池は、構造上、電気短絡(short circuit)を防止し、水分の浸透を最初から遮断して、優れたサイクル寿命を確保することができた。
【0113】
また、本発明のリチウム空気電池は、イオン性液体を水系電解質として用いた場合、特に、FSIやTFSIのアニオンを有するイオン性液体を水系電解質として用いてリチウムとの分解反応による劣化を減少させて、優れた充放電特性を示した。このような場合、通常の半電池(Half−cell)の場合でも最小4時間から12時間の安定化時間が要求される反面、本発明のリチウム空気電池は、30分〜1時間の短い安定化時間を要する。
【0114】
本発明は、上述した実施例に限定されず、適用範囲が多様であることは言うまでもなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を離脱することなく当該発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば誰でも様々な変形実施が可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0115】
1000 リチウム空気電池
100 筐体部
110 第1筐体
111 空間部
112 結合孔
120 第2筐体
121 通気孔
122 空気収容部
127 第1固定部
128 第1結合部
130 第3筐体
131 固定孔
132 第2固定部
133 第2結合部
134 貫通孔
200 第1電極部
210 リチウム金属
220 集電体
300 第2電極部
311 ガス拡散層
312 触媒層
313 メンブレン
314 ポリオレフィン系微多孔膜
400 電解質部
410 分離膜(有機電解質)
420 固体電解質
430 収容体
431 収容孔
440 第1密閉部
450 水系電解質
図1
図2
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