【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る焙煎装置は、
豆の焙煎を行う焙煎機と、前記焙煎機へ熱風を送り出すための熱風炉と、前記熱風炉から前記焙煎機へと熱風を送り込むための流路を形成する送り込み経路と、前記焙煎機を通過した熱風を排出させる排出経路と、を備えた焙煎装置であって、
前記送り込み経路に水分を補充するための加湿手段と、この加湿手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、豆の乾燥工程において前記加湿手段を非動作とし、乾燥工程に続く焙煎工程において前記加湿手段を動作させて、水分を焙煎機に送り込むように制御することを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による焙煎装置の作用・効果は、次の通りである。熱風炉にて発生した熱風を送り込み経路を介して焙煎機に送る。焙煎機に送り込まれた熱風は、排出経路を介して排出される。これにより、焙煎機に投入された豆に対して乾燥工程とそれに引き続く焙煎工程が実施される。送り込み経路に水分を補充するための加湿手段が設けられており、乾燥工程では動作しないが、焙煎工程において水分を焙煎機に向けて供給する。これにより次のような作用・効果を奏する。
【0010】
乾燥工程において水分量は4〜5%に減少しており、さらに焙煎工程において水分量は1〜2%にまで減少する。この豆に含まれる水分は、豆の外側から内部へ熱を伝える役割を果たす。また、水分により組織の軟化を促進し、内部で発生する蒸気を外部に出しやすくし、豆の膨張作用を助ける。そして炒り豆の表面と内部の焙煎度の均一化を図る。これにより、豆内部での急激な温度上昇と圧力上昇による膨張を抑えて、品質の良い豆の焙煎を行うことができる。
【0011】
なお、前述の特許文献1には、コーヒーの焙煎豆の水蒸気による処理方法が開示される。しかし、乾燥工程と焙煎工程において加湿手段の動作の制御を行うことに関しては開示されていない。
【0012】
本発明において、前記送り込み経路と前記排出経路とをバイパスするバイパス経路を備え、
前記制御手段は、焙煎工程終了後に、熱風の流路を前記バイパス経路へと切り替えるように制御することが好ましい。
【0013】
かかるバイパス経路を設けることで、焙煎工程終了後に、熱風を焙煎機内の回転ドラムを通過させず、あるいは焙煎機自体を通過させず、バイパス経路を経由して排出経路へと導くことができる。これにより、焙煎工程の終了した豆に過剰な熱風を加える事無く、次の工程(例えば、冷却工程)に移行させることができる。
【0014】
上記課題を解決するため本発明に係る別の焙煎装置は、
豆の焙煎を行う焙煎機と、前記焙煎機へ熱風を送り出すための熱風炉と、前記熱風炉から前記焙煎機へと熱風を送り込むための流路を形成する送り込み経路と、
前記焙煎機を通過した熱風を前記熱風炉へと戻す循環経路と、前記送り込み経路から分岐した分岐経路と、を備えた焙煎装置であって、
前記送り込み経路に水分を補充するための加湿手段と、この加湿手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、豆の乾燥工程において前記加湿手段を非動作とし、乾燥工程に続く焙煎工程において前記加湿手段を動作させて、水分を焙煎機に送り込むように制御することを特徴とするものである。
【0015】
かかる構成による焙煎装置の作用・効果は、次の通りである。熱風炉にて発生した熱風を送り込み経路を介して焙煎機に送る。焙煎機に送り込まれた熱風は、循環経路を介して再び熱風炉に戻される。これにより熱効率を上げて、燃料のランニングコストを軽減するものである。なお、送り込み経路から分岐した分岐経路が設けられており、循環経路を経由して戻ってくる風量と、熱風炉において新たに取り込む風量とが加算されるので、それを分岐経路から一部排出するようにして、全体の風量が増加しないように調整する。以上の構成により、焙煎機に投入された豆に対して乾燥工程とそれに引き続く焙煎工程が実施される。
【0016】
送り込み経路に水分を補充するための加湿手段が設けられており、乾燥工程では動作しないが、焙煎工程において水分を焙煎機に向けて供給する。これにより奏する作用・効果は、前述のとおりである。これにより、豆内部での急激な温度上昇と圧力上昇による膨張を抑えて、品質の良い豆の焙煎を行うことができる。
【0017】
本発明において、前記送り込み経路と前記循環経路とをバイパスするバイパス経路を備え、
前記制御手段は、焙煎工程終了後に、熱風の流路を前記バイパス経路へと切り替えるように制御することが好ましい。
【0018】
かかるバイパス経路を設けることで、焙煎工程終了後に、熱風を焙煎機内の回転ドラムを通過させず、あるいは焙煎機自体を通過させず、バイパス経路を経由して循環経路へと導くことができる。これにより、焙煎工程の終了した豆を次の工程(例えば、冷却工程)に移行させることができる。
【0019】
本発明に係る前記制御手段は、焙煎工程において、前記分岐経路を第1開度で開放し、焙煎工程終了後に前記分岐経路を第1開度よりも大きな第2開度で開放するように制御することが好ましい。
【0020】
焙煎工程においては、分岐経路を第1開度(例えば、半開)で開放し、循環経路を経由して戻ってくる風量と、新たに取り込まれる風量との総量を調整する。また、焙煎工程が終了すると、分岐経路を第1開度よりも大きな第2開度(例えば、全開)で開放する。これにより、熱風を分岐経路から排出させることができる。
【0021】
上記課題を解決するため本発明に係る更に別の焙煎装置は、
豆の焙煎を行う焙煎機と、前記焙煎機へ熱風を送り出すための熱風炉と、前記熱風炉から前記焙煎機へと熱風を送り込むための流路を形成する送り込み経路と、
前記焙煎機を通過した熱風を前記熱風炉へと戻す循環経路と、前記焙煎機を通過した熱風を排出させる排出経路と、前記送り込み経路から分岐した分岐経路と、を備えた焙煎装置であって、
前記送り込み経路に水分を補充するための加湿手段と、この加湿手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、豆の乾燥工程において前記加湿手段を非動作とし、乾燥工程に続く焙煎工程において前記加湿手段を動作させて、水分を焙煎機に送り込むように制御することを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成による焙煎装置の作用・効果は、次の通りである。熱風炉にて発生した熱風を送り込み経路を介して焙煎機に送る。焙煎機に送り込まれた熱風は、循環経路を介して再び熱風炉に戻されるか、排出経路を介して排出される。循環させることにより熱効率を上げて、燃料のランニングコストを軽減するものである。なお、送り込み経路から分岐した分岐経路が設けられており、循環経路を経由して戻ってくる風量と、熱風炉において新たに取り込む風量とが加算されるので、それを分岐経路から一部排出するようにして、全体の風量が増加しないように調整する。以上の構成により、焙煎機に投入された豆に対して乾燥工程とそれに引き続く焙煎工程が実施される。
【0023】
送り込み経路に水分を補充するための加湿手段が設けられており、乾燥工程では動作しないが、焙煎工程において水分を焙煎機に向けて供給する。これにより奏する作用・効果は、前述のとおりである。これにより、豆内部での急激な温度上昇と圧力上昇による膨張を抑えて、品質の良い豆の焙煎を行うことができる。
【0024】
本発明において、前記送り込み経路と前記循環経路及び/又は前記排出経路とをバイパスするバイパス経路を備え、
前記制御手段は、焙煎工程終了後に、熱風の流路を前記バイパス経路へと切り替えるように制御することが好ましい。
【0025】
かかるバイパス経路を設けることで、焙煎工程終了後に、熱風を焙煎機内の回転ドラムを通過させず、あるいは焙煎機自体を通過させず、バイパス経路を経由して排出経路へと導くことができる。これにより、焙煎工程の終了した豆を次の工程(例えば、冷却工程)に移行させることができる。
【0026】
本発明に係る前記制御手段は、焙煎工程において、前記分岐経路を第1開度で開放し、焙煎工程終了後に前記分岐経路を第1開度よりも大きな第2開度で開放するように制御することが好ましい。
【0027】
焙煎工程においては、分岐経路を第1開度(例えば、半開)で開放し、循環経路を経由して戻ってくる風量と、新たに取り込まれる風量との総量を調整する。また、焙煎工程が終了すると、分岐経路を第1開度よりも大きな第2開度(例えば、全開)で開放する。これにより、熱風を分岐経路から排出させることができる。
【0028】
本発明に係る前記制御手段は、豆の乾燥工程において、前記排出経路を開いて前記循環経路を閉じ、焙煎工程において、前記排出経路を閉じて前記循環経路を開き、焙煎工程終了後に再び、前記排出経路を開いて前記循環経路を閉じるように制御することが好ましい。
【0029】
乾燥工程においては、循環経路を閉じて熱風は排出経路を介して排出する。乾燥工程では、豆に含まれる水分が蒸発して、かなりの量の水分が経路に取り込まれるが、水分を含む熱風を循環させると、乾燥工程における効率が低下する。そこで、乾燥工程では熱風を排出経路を介して排出して、乾燥工程を効率よく行う。乾燥工程に続く焙煎工程では、熱風を循環させて熱効率を高めるそして、焙煎工程が終了すると、再び、排出経路を開いて熱風を排出させる。