(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スペーサー胴部は、前記締結部によって選択的に上下方向に移動するように内周に沿って前記第2ネジ山にネジ結合する第3ネジ山が形成された結合胴部、および前記結合胴部の上部に半径方向の外側に拡張する定置部を有することを特徴とする請求項1記載のコンクリート打込用複合インサート装置。
前記定置部の外周部には鉄筋結束ワイヤが挿入および締結されるように複数のワイヤ挿入孔が貫通形成されることを特徴とする請求項2記載のコンクリート打込用複合インサート装置。
前記支持胴部の上部および前記スペーサー胴部の間には、下側への移動時に前記支持胴部の上部を加圧して前記昇降胴部が固定されるように内部に形成された加圧締結孔の内周に沿って前記第2ネジ山にネジ結合する第4ネジ山が形成されたストッパ胴部が設けられることを特徴とする請求項1記載のコンクリート打込用複合インサート装置。
前記支持胴部の下部には、外力により前記板材上に設けられた断熱材を貫通するように上部から下部へ行くほど狭くなる楔形状の貫通部が連結されることを特徴とする請求項5記載のコンクリート打込用複合インサート装置。
前記レベリング支持部の外周部には鉄筋結束ワイヤが挿入および締結されるように複数の孔が貫通形成されることを特徴とする請求項5記載のコンクリート打込用複合インサート装置。
【背景技術】
【0002】
一般的にコンクリート打設は、建築物の形態に合わせて製作した型枠を建築物の骨格をなす支柱に設けてコンクリートを流し込み、コンクリートが乾燥・硬化されると型枠を除去する方式で行われる。
【0003】
このとき、コンクリートで作られた建築物の天井には、各種構造物を取り付けるためのアンカーが設けられ、該アンカーはコンクリートに埋め込まれているインサートに結合される。
【0004】
コンクリートにインサートを埋め込む方法としては、コンクリートの養生後に孔を穿孔してインサートを設ける後施工法(post−install)と、アンカーが設けられる位置に予めインサートを配置した後、コンクリートを打設する先施工法(cast−in)があり、主に先施工法が使用されている。
【0005】
図1は従来のインサートを示す例示図である。
図1に示したように、従来のインサート1では、下面にアンカー溝を有し、インサート1の下部を型枠の底面に設置した後、コンクリートcを注入および養生し、型枠の除去後に露出したアンカー溝にアンカーaを挿入・結合させて各種構造物を取り付けている。
【0006】
構造物としてはダクト、天井板の骨格、電気配線などがあり、アンカーaに各種構造物を取り付けた後、天井板の骨格に合わせて天井板を設置すれば天井の施工が完了する。
【0007】
しかしながら、従来のインサート1は、アンカーaの荷重に対する支持力は高いものの、コンクリートcの表面にアンカーaが直接接触および支持されるため、アンカーaに横方向の圧力が加えられた場合は、割れが発生しやすいという問題がある。
【0008】
また一度発生した割れは内側に広がることが多いため、インサート1に対する結合力が弱くなり、コンクリートcの支持力を低下させる恐れがある。
【0009】
なお、型枠とインサート1下面の間の異物によって隙間が生じることが多いが、このためアンカー溝にコンクリートcが容易に流入するだけではなく、流入したコンクリートcを除去する過程でアンカー溝のネジ山が損傷してアンカーaの設置が難しくなる問題がある。
【0010】
またコンクリートで側部から突出する継ぎ鉄筋を施工するためには、型枠の側壁に穴を形成した後に継ぎ鉄筋を挿入してコンクリートを打設しなければならないが、該穴のために型枠が損傷されて再使用ができなくなる問題がある。
【0011】
コンクリートcの支持力を増大させるためにコンクリートc内に鉄筋を配筋する場合、型枠と一定高さ離隔して鉄筋を配筋するために別途の鉄筋スペーサーが必要である。
【0012】
しかし、アンカーaを設けるためのインサート1、鉄筋配筋のための鉄筋スペーサーの夫々を準備するためには、余計な資材費用および設置時間が要され、施工費用および期間が増加する。さらに、コンクリートc内に余計な装置が挿入されたために、コンクリートcの支持力が低下する問題がある。
【0013】
また建物の用途やサイズによってコンクリートスラブの厚さが異なるが、異なる厚さに応じて鉄筋の配筋間隔に合わせた別途のスペーサーが必要であるため、非常に煩わしく施工が複雑になる。
【0014】
コンクリートcの打設時に打設面の水平を確認して打設した厚さを確認するために、目盛り棒などのレベラーを使用する。このとき、底面の状態や打設高さに応じて様々な寸法で製品を生産するか、あるいは長いサイズの製品を当該施工寸法に合わせてカットして使用しなければならない。ない、長いサイズの製品を使用する場合は、打設後に突出部を除去しなければならないので作業上の不便がある。
【0015】
このようにコンクリートcの打設時に建築物の設計によってインサート1、鉄筋スペーサー、レベラーなどを別途に用意して設けたため、設計および施工が複雑になるとともに、施工費用および期間が増加して効率的な施工ができない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を詳細に説明する。
【0026】
図2は本発明の第1実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す断面図であり、
図3は本発明の第1実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置がコンクリートに打ち込まれている状態を示す例示図であり、また
図4は本発明の第1実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を用いたコンクリート施工を示す例示図である。
【0027】
ここで、コンクリート打込用複合インサート装置10とは、コンクリート打設前に既に設定されたアンカーの配置位置に設けられ、打設後に各種構造物を取り付けるためのアンカーが挿入および結合される装置をいう。
【0028】
アンカーの設置以外にも鉄筋配筋のための鉄筋スペーサーやコンクリート打設高さを測定するレベラーなどに代替して互換されることができ、様々なサイズのコンクリート施工に適用することができる。これによってコンクリートの施工設計および準備が単純になり、施工の便宜性が向上する。
【0029】
図2ないし
図4に示したように、本発明のコンクリート打込用複合インサート装置10は、支持胴部50と、昇降胴部20と、スペーサー胴部30とを含む。
【0030】
支持胴部50は、コンクリートが打設のための板材pに固定され、内部に貫通形成された中空締結孔51の内周に沿って第1ネジ山51aが形成される。ここで、板材pは、柱、底、壁などコンクリートで作る形態の枠を製作する部材を意味する。
【0031】
たとえば、板材pは、一般的な建築施工時にコンクリートの養生後に分離および撤去によって再使用される型枠において、コンクリートの注入面に沿って離型剤が塗布された合板を意味する。板材としては合板だけではなく、合成樹脂やアルミニウムなどの様々な素材を用いることができる。板材はコンクリート打設後に分離される型枠とは異なり、コンクリート打設後にも分離されず、コンクリートに結合してコンクリートの構造力を向上させる構造用金属材デッキプレートなどを含む。
【0032】
このとき、支持胴部50はコンクリートc内に埋め込まれるように板材pのコンクリート打設面tに固定されることが好ましい。ここで打設面は、水平に配置された板材の上面や垂直に配置された板材の内面を含む。
【0033】
支持胴部50は、アンカーが結合される昇降胴部20を板材pに固定して支持する部分であり、金属材からなるが、成型加工の容易性および費用節減のためにポリオキシメチレン(POM)などの強化合成樹脂からなることが好ましい。
【0034】
図2に示したように、支持胴部50は板材p上に固定され、コンクリートcの養生後に板材が撤去されると硬化したコンクリートcの下面に支持胴部50の下面が露出される。
【0035】
このとき、支持胴部50内には上下方向に沿って中空締結孔51が形成され、硬化したコンクリートcの下面に中空締結孔51が露出される。支持胴部50は1つの管からなるが、長手方向への拡張範囲を増大させるために多段で形成することもできる。支持胴部50は内部胴体および外部胴体を有するが、これらは互いにネジ結合され、内部胴体の内側に沿って中空締結孔が形成される。
【0036】
昇降胴部20は、締結部20aおよびレベリング支持部20bを含む。ここで、締結部20aは、中空締結孔51を貫通して選択的に上下方向に移動するように、外周に第1ネジ山51aがネジ結合する第2ネジ山21が形成され、内部にはアンカー結合溝22が形成されている。
【0037】
締結部20aは、中空締結孔51上の開部に設けられた状態で一方向に回転して中空締結孔51内に挿入され、他方向に回転した場合には中空締結孔51の上側に引き出される。
【0038】
アンカー結合溝22は、締結部20aの下面に沿って形成され、コンクリートcの養生後に板材pが分離されると、開放された中空締結孔51の下部の開口を通して挿入されたアンカーがアンカー結合溝22に結合される。
【0039】
アンカー結合溝22の内周にはアンカー結合のためのネジ山が形成される。アンカーaは一般的な天井施工に使用される標準寸法の直径を有し、アンカーaの外周におけるネジ山を通じてアンカーaおよびアンカー結合溝22が結合される。アンカーaはアンカー結合溝22に結合された状態でコンクリートcの下部に露出され、露出された端部に天井に施工される各種構造物が取り付けられる。
【0040】
アンカー結合溝22の下部には、アンカーaをガイドするように下方に行くほど拡管されたアンカー誘導部23が形成される。アンカー誘導部23はアンカー結合溝22の内周と締結部20aの外周を半径方向の内側に行くほど上方に傾斜するように連結することができる。これにより、アンカー結合溝22が目視で確認できなくてもアンカー誘導部23に沿ってアンカーaを押し入れると、アンカーaの端部がアンカー結合溝22内にガイドされて移動するので、容易に結合することができる。
【0041】
レベリング支持部20bは締結部20aの上縁部に沿って一体に形成されて半径方向の外側に突出する。レベリング支持部20bの上面24はコンクリートcの打設高さを測定するように平坦に形成されることが好ましい。レベリング支持部20bは昇降胴部20の回転を容易にするために、外部の回転力を正確に伝達できる多角断面に形成することが好ましい。
【0042】
レベリング支持部20bはコンクリートc内に挿入され、突出部の下面がコンクリートcにより支持されるため、コンクリートcと堅固に結合する。これにより、コンクリートに埋め込まれている昇降胴部20がアンカーaに取り付けられた構造物の荷重によって下側に抜けることなく硬化したコンクリートc内に堅固に固定される。
【0043】
もちろん、支持胴部50はコンクリートcの側面を支持する板材に固定することもできる。このとき、コンクリートの養生後に板材が分離されると、コンクリートの側部に沿って中空締結孔が露出され、中空締結孔を通して継ぎ鉄筋が挿入されてアンカー結合溝に結合される。
【0044】
ここで、継ぎ鉄筋とは、コンクリートで作られた天井や壁面から突出して他の鉄筋に連結されるか、あるいはその他構造物が結合される鉄筋をいい、板材に穴あけをすることなく簡単に続き鉄筋を施工することができる。
【0045】
このとき、昇降胴部20はコンクリートに埋め込まれて直接アンカーを支持する部分であり、機械的強度および疲れ破損に対する抵抗性を有するポリオキシメチレンなどの強化合成樹脂からなるが、コンクリートとの結合力やアンカーに対する支持力などを考慮して強鉄(Steel)のような金属材からなることが好ましい。
【0046】
スペーサー胴部30は支持胴部50上に設けられ、締結部20aが貫通するように内部に結合貫通孔31が形成される。ここで、結合貫通孔31は、締結部20aが貫通し、支持胴部50の上縁部に掛かる直径を有することが好ましい。
【0047】
すなわち、締結部20aはスペーサー胴部30を貫通して支持胴部50に結合し、スペーサー胴部30は締結部20aによって上下方向に移動して支持胴部50の上部に掛かる。このとき、スペーサー胴部30の上面には鉄筋sが載置される。スペーサー胴部30は強鉄などの金属材やポリオキシメチレンなどの強化プラスチック材からなる。
【0048】
鉄筋sは一般的な建設現場で使用される鉄筋結束ワイヤにより固定され、スペーサー胴部30が金属材からなっている場合は、溶接などによって結合・固定することもできる。
【0049】
このように昇降胴部20は板材に固定された支持胴部50とネジ結合して昇降することによりレベリング支持部20bの上面を既に設計されたコンクリート打設高さに配置させてコンクリートの打設基準面として使用することができる。したがって、スペーサー胴部30に鉄筋を固定することにより、1つの装置でアンカー、インサート、レベラー、鉄筋スペーサーなどの複合的な機能を果たすことができる。
【0050】
支持胴部50の下端の外周部には、半径方向の外側に突出して形成され、結合手段によって板材pに結合されるフランジ部52を有する。結合手段には板材pおよび支持胴部50の材質に応じて様々な種類がある。
【0051】
たとえば、板材pが合板からなっている場合は、結合手段として固定釘nを使用してフランジ部52を板材に結合する。このとき、フランジ部52には固定釘が挿入されるくぎ穴が貫通形成され、フランジ部52内に固定釘nが挿入成形されていることもできる。
【0052】
板材pが繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic、FRP)などからなっている場合は、結合手段をフランジ部52の下面に備えられた接着剤あるいは両面テープに代替することができる。また、板材pおよび支持胴部50が金属材からなっている場合は、溶接によってフランジ部52を固定することができる。
【0053】
このように、昇降胴部20は支持胴部50が板材に固定された状態で支持胴部50の中空締結孔51に結合されるので、板材pから離隔して支持される。これにより、板材pと支持胴部50の面の間の異物による隙間が生じて中空締結孔51にコンクリートが流し込まれても、流し込んだコンクリートがアンカー結合溝22内までは流動しないので、アンカー結合溝22のネジ山が汚染されることを防止することができる。
【0054】
すなわち、中空締結孔51内周のネジ山に付けて硬化したコンクリートを壊したりかき出したりするなどの大変な除去作業を行わなくても、アンカー結合溝22が露出できる穴のみがあれば、アンカーaをアンカー結合溝22に容易に挿入して結合することができる。
【0055】
さらに、支持胴部50は昇降胴部20とは別途に設けられるので、アンカー結合溝22の露出のための中空締結孔51のコンクリートの除去時、外圧や衝撃などの外力が支持胴部50で吸収され、昇降胴部20とネジ結合された部分で遮断される。これにより、外力によるアンカー結合溝22内のネジ構造の損傷を防止することができ、アンカーaの結合作業が容易になる。
【0056】
締結部20aの外周に形成された第2ネジ山21上には、支持胴部50の上縁部に掛かってネジ結合を拘束するストッパ部25を有することが好ましい。
【0057】
このとき、ストッパ部25は締結部20aが中空締結孔51内に挿入される深さを制限する。これにより、昇降胴部20のアンカー結合溝22と板材pとの間の間隙をコンクリートの流入を防止できる間隙以上に維持することができる。ここで、支持胴部50は四角柱或いは八角柱などの多角柱状や円柱状に形成することができるが、内部に中空締結孔51が形成された状態でコンクリート内で占める体積を最小化するために円筒状であることが好ましい。
【0058】
昇降胴部20は支持胴部50によって板材pに結合され、コンクリートの養生後には昇降胴部20の外部が直接コンクリートに挿入および結束されて堅固に固定される。
【0059】
すなわち、締結部20aの外周から外側に突出したレベリング支持部20bがコンクリート内に挿入することにより荷重に対する支持力が向上される。また、中空締結孔51にネジ結合するように締結部20aの外周に沿って形成された第2ネジ山21によってコンクリートcとの接触面積が増加し、凹凸状による噛み合いによってコンクリートcとの結合力がさらに向上される。
【0060】
このとき、昇降胴部20は、亀裂に弱いコンクリートcの表面ではなく周辺の荷重によって凝縮し、周辺部と堅固に結合するコンクリート内に支持されるので、荷重に対する支持力が改善するとともに、横方向の圧力による亀裂および亀裂の誘導伝播を予防することができる。
【0061】
アンカーaが挿入されている締結部20aの外周が支持胴部50によって取り囲まれるので、アンカーaに横方向の圧力が加えられても支持胴部50が圧力を緩和してコンクリートの亀裂破損を防止することができる。
【0062】
締結部20aに結合したアンカーaと中空締結孔51の内周の間には、コンクリートと区画された余裕空間が形成される。すなわち、アンカー結合溝22は中空締結孔51の内側に配置され、中空締結孔51の内径よりも小さい内径で多段配置されることにより、アンカーaの外周に余裕空間が形成され、余裕空間内においてアンカーaが左右方向に流動して横方向圧力を緩和することができる。
【0063】
また余裕空間が中空締結孔51内に形成されるので、アンカーaの流動を確保するためのアンカーの突出長さが最小化され、空間効率性が向上される。
【0064】
中空締結孔51とアンカーの間の余裕空間がコンクリートと区画されたことにより、アンカーの結合後にもコンクリートに化学的な損傷がなく、中空締結孔51内に防水処理、密閉処理、吸音処理などの様々な仕上げができるので施工の品質が改善される。
【0065】
たとえば、湿潤な環境においてアンカーとアンカー結合溝22との結合部を密閉・防水するか、あるいは室内環境改善のために騒音・漏水を予防する仕上げ処理を行うとき、コンクリートcの結合構造を弱化させる成分が含まれても、この成分が支持胴部50によってコンクリートにつかないように遮断することができる。
【0066】
これにより製品の耐久性が向上され、湿潤な環境においても安価のスチール系素材で昇降胴部20を製造して高い支持力を提供するとともに、様々な施工環境において互換適用して施工の経済性および信頼性を改善することができる。
【0067】
またコンクリートに直接結合してアンカーに対する支持力を提供する昇降胴部20は、金属材からなり、堅固な固定力を提供するが、昇降胴部20を型枠に固定する支持胴部50は強化合成樹脂からなることができる。このような素材の多様化によって製造コストを節減し、堅固な構造力を提供しつつ、生産費用を節減して製品の信頼性および生産経済性が向上される。
【0068】
スペーサー胴部30は、締結部20aによって選択的に上下方向に移動するように内周に沿って第2ネジ山21にネジ結合する第3ネジ山31aが形成された結合胴部30b、および結合胴部30bの上部に半径方向の外側に拡張する定置部30aを有する。
【0069】
ここでは結合胴部30bと定置部30aが一体に形成することができるが、成形の便宜性のために別途に形成されたものを例示する。結合貫通孔31とは、結合胴部30b内に形成された第1結合貫通孔、および定置部30a内に形成された第2結合貫通孔を含む。
【0070】
このとき、結合胴部30bは容易な回転のために多角断面を有し、六角断面を有することが好ましい。
【0071】
結合胴部30bは締結部20aにネジ結合されたことにより回転方向によって選択的に上下方向に移動する。
【0072】
これにより、レベリング支持部20bが既に設計されたコンクリート打設面の高さに配置されるように昇降胴部20が上下方向に移動すれば、結合胴部30bはコンクリートの打設高さに対応する鉄筋配置の高さに昇降される。したがって、コンクリート打込用複合インサート装置は、正確な高さに鉄筋を整列して支持できるので、施工の正確性および便宜性が向上される。
【0073】
定置部30aは、結合胴部30b上に結合胴部30bの上縁部から外側に突出して鉄筋sが載置される支持面を有する。
【0074】
定置部30aに鉄筋を固定させ、板材に沿ってコンクリートを流し込むことにより、コンクリートの打設厚さに合わせた位置に鉄筋を正確に整列配置することができる。
【0075】
このとき、定置部30aによって整列された高さに鉄筋を一時的に支持することができるので、鉄筋固定のための結線や溶接の作業を一人でも容易に行うことができ、施工の効率性が向上される。
【0076】
このように1つの装置がアンカーインサート、鉄筋スペーサーおよびレベラーの複合的な機能を有し、様々な厚さのコンクリートに互換して打設高さの基準を提供して、鉄筋の配置位置を調節することができる。
【0077】
したがって、施工する度に別の鉄筋スペーサーや施工するコンクリートの打設高さに合わせた規格の鉄筋スペーサーを用意する必要がなく、正確な高さに容易に鉄筋を配置することができるため、施工の正確性および便宜性が改善される。
【0078】
なお、鉄筋sによりコンクリートcの下側へ圧力が加えられたとき、コンクリートcの下面に亀裂が発生することを防止するために、鉄筋およびコンクリートcの下面との間の隙間は7cm以上を維持することが好ましい。このために支持胴部50の上下方向の長さは5〜7cmであることが好ましい。
【0079】
昇降胴部20上には水分を吸水して膨張することによりコンクリートcとの境界を密閉する遮水蓋部40が設けられる。遮水蓋部40はレベリング支持部20bの上面および側面を取り囲んでレベリング支持部20bの下面に係止される。
【0080】
遮水蓋部40は、レベリング支持部20bの上面がコンクリートcの外部に露出されてレベラーとして使用されるときに選択的に設けられる。遮水蓋部40は、コンクリートcの打設位置が上下水道配管などがあるキチンや浴室など漏水が発生し易い領域である場合に設けられることが好ましい。
【0081】
ここで、遮水蓋部40は防水素材からなることが好ましく、ゴム、シリコンあるいはベントナイトからなることができる。特にベントナイト材からなる遮水蓋部40は、漏水が発生したときに膨張してコンクリートとの境界を一層正確に密閉することができる。すなわち、レベリング支持部20bがコンクリート上に露出することにより漏水に弱いコンクリートとレベリング支持部20bの間の境界部を密閉して、水分の流入による昇降胴部20の腐食を防止することができる。
【0082】
コンクリート内に流入した水分は、硬化した複数のコンクリート粒子間の結合力を減少させて亀裂を発生させる。なた一度発生した亀裂は容易に内部に伝播されて建築物の耐久性を低下させる要因になる。遮水蓋部40はレベリング支持部20bとコンクリートの間の境界部を密閉して水分の浸透を防止するので、施工の安定性および信頼性が改善される。
【0083】
図4に示したように、コンクリート施工のための板材が設けられると、アンカーaが配置される夫々の箇所にコンクリート打込用複合インサート装置10を設ける。
【0084】
このとき、各箇所に配置された装置において、昇降胴部20を既に設計されたコンクリートの打設高さまで昇降させてレベリング支持部20bの上面を打設基準面として使用することができる。また、スペーサー胴部30をコンクリートの打設高さに対応する鉄筋の配筋高さまで昇降させ、定置部30aに鉄筋sを結合して配置することができる。
【0085】
このようにアンカーが配置される各箇所に支持胴部50を設け、昇降胴部20およびスペーサー胴部30を昇降させて様々な厚さのコンクリートの打設高さ、鉄筋の背筋高さに対応して鉄筋スペーサー、レベラーの機能を互換して果たすことができる。このように1種の装置で全ての施工を行うことができるため、施工設計および用意が簡単になり、製品の便宜性が向上される。
【0086】
鉄筋スペーサー、レベラーおよびインサートなど色々な装置を別々に保管して施工する度に必要な装置を用意し、不足な装置は個別的に買って調達する煩わしい過程を省略することができるので、1種の装置で施工状況に合わせて互換使用することができ、施工の便宜性が顕著に改善される。
【0087】
また、鉄筋が支持される位置、コンクリートの高さを測定する位置およびアンカーを設ける位置など個々に箇所に別途の装置を設けることなく、1つの一貫した装置を設けて簡便な施工が可能であるため、コンクリートの強度を低下させる内部挿入物を最小化して施工の安定性が向上される。
【0088】
図5は、本発明の第2実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置がコンクリートに打ち込まれている状態を示す例示図である。第2実施形態においては、スペーサー胴部130と支持胴部150の間にストッパ胴部160が設けられることを除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0089】
図5に示したように、支持胴部150の上部およびスペーサー胴部130の間には、下側への移動時に支持胴部150の上部を加圧して昇降胴部120が固定されるように内部に形成された加圧締結孔161の内周に沿って第2ネジ山121にネジ結合する第4ネジ山161aが形成されたストッパ胴部160が設けられる。
【0090】
ストッパ胴部160は、締結部120aにネジ結合されて上下方向への移動が可能であり、昇降胴部120が既に設計されたコンクリートの打設高さに昇降すると、締結部120aに沿って下側に移動して昇降胴部120を固定する。
【0091】
詳しくは、ストッパ胴部160は、他方向回転時に締結部120aの外周の第2ネジ山121に沿って下方に移動し、支持胴部150の上部に至ると、それ以上下降できず支持胴部150の上部を加圧するとともに、昇降胴部120を上方に押圧する。
【0092】
このとき、中空締結孔151の第1ネジ山151aと締結部120aの第2ネジ山121が上下方向に互いに加圧し、昇降胴部120が回転できない状態で固定される。
【0093】
これにより、昇降胴部120が高さ調節後にコンクリートを打設するとき、流動圧力によって回転して高さが変更することを防止でき、より正確な打設基準を提供して施工の正確性が向上される。
【0094】
ここで、スペーサー胴部130およびストッパ胴部160は、機能によって異なる名称をつけただけであり、同じ形状であり、スペーサー胴部130およびストッパ胴部160は互いに互換して使用することができる。
【0095】
図6は、本発明の第3実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置がコンクリートに打ち込まれている状態を示す例示図である。第3実施形態においては、スペーサー胴部230の形状を除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0096】
図6に示したように、スペーサー胴部230内には締結部220aが貫通する結合貫通孔231が形成される。結合貫通孔231は支持胴部250の上縁部に掛かる直径を有することが好ましい。
【0097】
すなわち、締結部220aはスペーサー胴部230を貫通して支持胴部250に結合するが、スペーサー胴部230は締結部220aによって上下方向に移動し、支持胴部250の上部に掛かって支持される。
【0098】
このとき、スペーサー胴部230上に鉄筋sが載置され、スペーサー胴部230は鋼鉄などの金属材やポリオキシメチレンなどの強化プラスチック材からなる。
【0099】
スペーサー胴部230は薄い円板状に形成され、結合貫通孔231の外郭に沿って鉄筋結束ワイヤwが挿入および締結されるように複数のワイヤ挿入孔232が貫通形成される。ここで鉄筋結束ワイヤwは一般的な工事現場で鉄筋固定のために使用される針金を意味する。
【0100】
またスペーサー胴部230が支持胴部250の上縁部に係止された状態でスペーサー胴部230上に鉄筋sを載置し、鉄筋結束ワイヤwを夫々のワイヤ挿入孔232に挿入して鉄筋sを束ねて固定することができる。
【0101】
これにより、スペーサー胴部230の素材にかかわりなく鉄筋sを容易に固定することができ、コンクリートを流し込むときに圧力によって鉄筋が流動することを防止して施工の正確性を向上させることができる。
【0102】
図7は、本発明の第4実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す断面図であり、
図8は、本発明の第4実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置がコンクリートに打ち込まれている状態を示す例示図である。
【0103】
第4実施形態においては、支持胴部350の形状および支持胴部350の下端に貫通誘導部370が結合されることを除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0104】
図7および
図8に示したように、コンクリート打込用複合インサート装置300は、さらに支持胴部350の下側に着脱可能に結合した貫通誘導部370を含む。
【0105】
ここでコンクリート打込用複合インサート装置300は、建築物の天井の下部や壁の内部に断熱材が設けられている場合は、断熱材eを貫通して板材pに固定される。
【0106】
このとき、断熱材eは、建築物の内部熱の放出を防止するために発泡スチロールなどからなり、板材pの内面あるいは上面に断熱材eが配置された状態でコンクリートが流し込まれる。
【0107】
コンクリート打込用複合インサート装置300は、断熱材eを貫通して板材pに固定された状態でコンクリートを打設した後コンクリート内に固定され、断熱材eをコンクリートcに堅固に固定することができる。
【0108】
貫通誘導部370は、中空締結孔351の下部に着脱可能に結合される結合部370bと、結合部370bの下部に形成され、外力により板材pに沿って設けられた断熱材eを貫通するように上部から下部へ行くほど狭くなる楔形状の貫通部370aとを含む。
【0109】
楔形状とは、上部に比べて下部が狭い形態を意味し、貫通部370aの上部は支持胴部350の外周に連続する円形断面からなり、下部へ行くほど狭くなって下部は点あるいは線で鋭く形成される。
【0110】
すなわち、貫通部370aは逆円錐状、あるいは支持胴部350の外周から下方に狭く延びて直線状の刃を形成する刃状に形成されることが好ましい。
【0111】
これにより、貫通誘導部370が結合した支持胴部350は外力によって断熱材e内に容易に挿入される。
【0112】
なお、
図8に示したように、支持胴部350が断熱材eに挿入された状態でコンクリートcを養生し、板材pの除去後に貫通誘導部370が露出するように断熱材の一側を開放することができる。
【0113】
露出した貫通誘導部370を分離して中空締結孔351の下部が開放され、開放した中空締結孔351内にアンカーaが挿入されて昇降胴部320のアンカー結合溝322に結合される。
【0114】
ここで、結合部370bは中空締結孔351の下部の開口から挿入される。結合部370bは中空締結孔351の内周面を支持することにより断熱材eを貫通するために支持胴部350を加圧する時に貫通誘導部370が分離されることを防止し、貫通誘導部370に正確に力を伝達することができる。
【0115】
結合部370bは中空締結孔351にネジ結合されるか、あるいは強制に嵌め込まれる。これにより、貫通誘導部370を露出するために板材pを分離して断熱材eを開放すると、結合部370bの結合を容易に解除することができ、貫通誘導部370を再使用することができるので、製品の効率性が向上される。
【0116】
支持胴部350の外周には固定突出部353が互いに離隔して複数個設けられる。
【0117】
固定突出部353の下部には断熱材eを加圧・挿入するために上方に傾いたスライド部353aが形成され、固定突出部353上には断熱材e内に係止拘束される段部を形成する係止部353bが形成される。
【0118】
このとき、固定突出部353は支持胴部350の外周に上下方向に突出した翼状に形成され、夫々の固定突出部353は互いに離隔して配置される。
【0119】
ここで、固定突出部353は、支持胴部350の断熱材挿入時、スライド部353aによる摩擦力の減少により断熱材eをスライド移動し、やわらかく挿入しながらも板材の分離後に係止部353bにより断熱材eの離脱を防止することができ、断熱材eとコンクリートの間の結合力を改善することができる。
【0120】
これにより、コンクリートの施工後に断熱材を設置する煩わしい過程を省略でき、コンクリート打設時に断熱材eを一緒に設置することができるので、施工の便利性が改善するだけではなく、コンクリートと断熱材の間の結合力を改善して施工の品質が向上される。
【0121】
貫通誘導部370の下部には断熱材eを貫通して板材pに挿入されるように固定釘371がインサート成形される。
【0122】
ここで固定釘371は貫通誘導部370が板材pの表面に挿入されると、板材p内に挿入固定されることにより貫通誘導部370および貫通誘導部370に結合された支持胴部350を断熱材e内に一層堅固に固定することができる。
【0123】
コンクリートの養生後に板材pを分離すると、断熱材eの外部に突出した固定釘371の端部を通じて貫通誘導部370の位置を確認することができる。
【0124】
これにより、アンカー締結のために断熱材eを開放したとき、貫通誘導部370の位置に合わせて正確な切削が可能であり、断熱材の損失を最小化できるので施工の品質が向上される。
【0125】
図9は、本発明の第5実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す断面図である。第5実施形態においては、板材が構造用デッキプレートdからなることを除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0126】
図9に示したように、板材は、コンクリートの打設後にも分離されず、コンクリートに結合してコンクリートの構造力を向上させた構造用デッキプレートdからなる。
【0127】
このとき、構造用デッキプレートdにはアンカーaの配置位置によって穿孔hが形成され、支持胴部450は穿孔hの縁部に固定され、中空締結孔451は穿孔hに連通している。
【0128】
詳しくは、デッキプレートdは建物の天井を施工するために建物の骨格を形成する支柱に設けられ、設けられたデッキプレートdにコンクリートを流し込んで天井を施工する。
【0129】
このとき、デッキプレートdは、コンクリートの打設後にも分離されず、コンクリートに結合して天井を形成し、金属材からなっている。デッキプレートdは軽量で高強度のアルミニウムや比較的安価で高い荷重支持力を有するスチール系素材からなることが好ましい。
【0130】
支持胴部450は既に形成された穿孔hの縁部に固定されてコンクリート内に埋め込まれ、アンカーaは穿孔h内の昇降胴部420に結合される。
【0131】
ここで、中空締結孔451の直径は穿孔hの直径に同一であるか、あるいは穿孔hの直径よりも小さく形成されることが好ましい。また締結部420aは穿孔より小さい直径を有することが好ましく、穿孔hを通過してデッキプレートdの下部に露出される。
【0132】
締結部420aの長さはデッキプレートdの厚さおよび支持胴部450の高さの和より長く形成され、昇降胴部420の上ぶがコンクリートの打設面まで上昇した状態で締結部420aの下端が穿孔hを貫通して露出するように設けられる。
【0133】
これにより、締結部420aのアンカー結合溝422が穿孔hを通して外部に露出できるので、凹凸状に設けられたデッキプレートdの下面において目視で容易に区分でき、作業者がアンカー結合溝422の位置を容易に確認できるため作業性が改善される。
【0134】
支持胴部450下部の外周部には、外側に突出したフランジ部452が形成され、フランジ部452は鉄板ピス、両面テープ、接着剤などでデッキプレートdに固定される。このとき、支持胴部450が金属材からなっている場合は溶接によってデッキプレートdに結合固定することができる。
【0135】
図10は、本発明の第6実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す断面図である。第6実施形態においては、支持胴部550の形状を除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0136】
図10に示したように、支持胴部550はスペーサー胴部530と同じ形状であり、上下反転してデッキプレートdに固定される。このとき、スペーサー胴部530の定置部530aに対応する部分550aが下側に配置されてデッキプレートdに対面することによって溶接されて結合される。
【0137】
締結部520aには、支持胴部550の上側にストッパ胴部560およびスペーサー胴部530が結合される。このとき、支持胴部550およびスペーサー胴部530、ストッパ胴部560は機能によって異なる名称をつけただけであり、同じ形状である。
【0138】
このとき、レベリング支持部520aが既に設計されたコンクリートの打設面の高さに配置されるように、昇降胴部520が上下方向に移動すれば、ストッパ胴部560を下側に回転させて支持胴部550を加圧することにより昇降胴部520を固定することができる。
【0139】
また、スペーサー胴部530を鉄筋の背筋位置に対応して昇降させて鉄筋を固定することにより、コンクリート打設の厚さに合わせた位置に鉄筋を正確に整列して配置することができる。
【0140】
図11は、本発明の第7実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す使用模式図である。第7実施形態においては、支持胴部650の下部に設けられるドリル部680を除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0141】
図11に示したように、コンクリート打込用複合インサート装置600はさらにドリル部680を含む。ドリル部680は中空締結孔651の下部に着脱可能に結合され、回転時にデッキプレートdを穴あけすることができる。
【0142】
詳しくは、ドリル部680は、中空締結孔651の下部にネジ結合され、中空締結孔651の下部に配置された状態で他方向に回転する時に中空締結孔651内にネジ結合されて挿入される。
【0143】
ドリル部680の下部には切削刃部680aが形成されてデッキプレートdに接した状態で回転するときデッキプレートdを穴あけすることができる。このとき、切削刃部680aの切削方向mとドリル部680のネジ結合方向nは互いに反対方向であることが好ましい。
【0144】
すなわち、切削刃部680aが切削のために回転する方向は、ドリル部680が中空締結孔651に挿入されるように結合される方向とは逆方向である一方向である。
【0145】
これにより、切削刃部680aの回転時に発生する摩擦力によってドリル部680が中空締結孔651から抜けて分離されることなく固定状態で切削が行われる。
【0146】
支持胴部650の外周上端にはドリルチャックbと一体に回転するように挟まれるドリル挟止部654が形成される。ここで、ドリル挟止部654はドリルチャックbと一体に回転するように多角断面からなるか、あるいはDカット状からなる。
【0147】
これにより、ドリル挟止部654は、ドリルチャックbの回転力をドリル部680に正確に伝達することができる。ドリルチャックbは、電動ドリル胴部の端部に設けられ、ネジ締めなどによって広がるか狭まれる。またドリルチャックbは、様々な形状のドリルを挟止して固定させ、電動ドリル胴部内のモータで発生した回転力をドリルに伝達する一般的な装置を意味する。
【0148】
詳しくは、ドリル部680は支持胴部650の下部に結合された状態でデッキプレートdのアンカー配置箇所に接し、回転力を加えるとデッキプレートdを切削して穴あけすることができる。
【0149】
フランジ部652がデッキプレートdに接すると回転を止め、フランジ部652をデッキプレートdに結合させる。その後、ドリル部680を分離し、支持胴部650上に昇降胴部を結合してレベラーおよび鉄筋スペーサーの用途に合わせて高さを調節した後、コンクリートを打設することができる。
【0150】
このように、支持胴部650の中空締結孔651とデッキプレートdに既に形成された穿孔を整列してフランジ部652を結合するのではなく、ドリル部680を通じて穿孔を形成することにより中空締結孔651が自動に整列されるので、製品の便宜性が向上される。
【0151】
図12は、本発明の第8実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置を示す断面図である。第8実施形態においては、支持胴部750が多段からなることを除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0152】
図12に示したように、支持胴部750は、板材pに固定される第1支持胴部750bと、第1支持胴部750b内にネジ結合されて昇降する第2支持胴部750aとを有する。
【0153】
第2支持胴部750a内に形成された中空締結孔751に昇降胴部720がネジ結合される。これにより、第2支持胴部750aおよび昇降胴部720が多段に昇降し、適用可能なコンクリートの厚さおよび鉄筋配置の間隔の範囲が広がって様々な施工環境で使用できるので、製品の互換性が改善される。
【0154】
第2支持胴部750aの外側には支持胴部ストッパ790が結合される。ここで、支持胴部ストッパ790内には第2支持胴部750aが貫通する支持貫通孔791が形成され、支持貫通孔791は第2支持胴部750aにネジ結合される。
【0155】
第1支持胴部750bが板材pに固定された状態で第2支持胴部750aの高さを調節し、支持胴部ストッパ790を通じて第1支持胴部750bの上部を加圧することにより第2支持胴部750aが固定される。
【0156】
このとき、支持胴部ストッパ790には溶接や鉄筋結束ワイヤによって鉄筋が固定される。これにより、一般的な建築に比べて規模の大きい橋梁、トンネル、道路などを作る土木施工の場合にも鉄筋の多段背筋および厚いコンクリートの厚さに対応して鉄筋スペーサーおよびレベラーの役割を果たす。
【0157】
図13は、本発明の第9実施形態によるコンクリート打込用複合インサート装置のスペーサー胴部を示す断面図である。第9実施形態においては、延長胴部840が中央部に設けられることを除く基本的な構成が第1実施形態と同様であるので、同じ構成については具体的な説明を省略する。
【0158】
図13に示したように、コンクリートが打設される型枠に固定される支持胴部850には内部を貫通する延長締結孔851が形成されている。延長胴部840の外周は延長締結孔851に選択的に上下方向に移動するようにネジ結合され、延長胴部内には貫通する中空締結孔841が形成される。
【0159】
ここで、昇降胴部820の締結部824は中空締結孔841に選択的に上下方向に移動するようにネジ結合され、その内部にはアンカー結合溝821が形成されている。昇降胴部820のレベラー支持部825は締結部824の上縁部に沿って半径方向の外側に一体に突出する。このとき、レベラー支持部825の上面はコンクリートの打設高さが測定できるように平坦であることが好ましい。
【0160】
レベラー支持部825の縁部には鉄筋を束ねる鉄筋結束ワイヤが通過する複数個の孔825aが形成されている。これらの孔の形成は前述した第1ないし第8の実施形態にも適用可能である。
【0161】
このように、延長胴部840が追加されたことにより、コンクリート打込用複合インサート装置の上下高さをさらに可変して調節することができ、コンクリートの厚さが厚くなった場合にも適用可能である。
【0162】
以上、本発明は、限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有した者であればこのような記載から多様な修正および変形が可能である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められねばならない。
【課題】コンクリートに各種構造物を取り付けるためのアンカーが設けられて、1つの装置で複合的な機能を提供して施工の便宜性が向上したコンクリート打込用複合インサート装置を提供する。
【解決手段】コンクリート打設のための板材pに固定され、内部に貫通形成された中空締結孔51の内周に沿って第1ネジ山51aが形成された支持胴部50と、中空締結孔51を貫通して選択的に上下移動するように外周に第1ネジ山51aにネジ結合する第2ネジ山21が形成され、内部にアンカー結合溝22が形成された締結部20aおよび締結部20aの上縁部に沿って一体に形成され、半径方向の外側に突出したレベリング支持部20bを有する昇降胴部20と、支持胴部50上に設けられ、内部に締結部20aが貫通する結合貫通孔31が形成されたスペーサー胴部30と、を含むコンクリート打込用複合インサート装置10。