(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792887
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】調節可能な旋回ブロックを有するカートンクランプアーム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/18 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
B66F9/18 A
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-504090(P2014-504090)
(86)(22)【出願日】2013年1月15日
(65)【公表番号】特表2014-510002(P2014-510002A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】US2013021557
(87)【国際公開番号】WO2013056271
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2013年10月8日
(31)【優先権主張番号】13/615,116
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/621,927
(32)【優先日】2012年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592229487
【氏名又は名称】カスケード コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CASCADE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドッソ アンレア ダル
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト ブライアン
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第02844403(US,A)
【文献】
英国特許出願公開第00812990(GB,A)
【文献】
実開昭61−178797(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00−11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)外端を有するクランプアームと、
(b)該クランプアームの外端に取り付けられた積荷安定板と、
(c)該積荷安定板に取り付けられた複数のクランプパッド支持組み立て体であって、それぞれがそれぞれの旋回軸の周りを前記積荷安定板に対して回動可能なクランプパッド支持組み立て体と、
(d)該積荷安定板によって支持され、前記複数のクランプパッド支持組み立て体によって前記積荷安定板に取り付けられたカートンクランプパッドからなり、前記クランプパッド支持組み立て体のうちの少なくとも一つが前記カートンクランプパッドの隣接部分と前記クランプパッド支持組み立て体の少なくとも一つの各旋回軸の間の距離範囲内で選択された距離を確立する距離調整組み立て体を有し、前記距離調整組み立て体が、前記クランプパッド支持組み立て体の少なくとも一つの一部に螺着されて該クランプパッド支持組み立て体の少なくとも一つの一部から前記調節された距離まで延びた位置決め部材を有すると共に、前記位置決め部材と係合し前記クランプパッドに接続して前記クランプパッドと位置決め部材を相互接続する締着具を有するカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項2】
前記積荷安定板が、垂直方向の中央の主要部分と、該主要部分から前方に延びる第1の複数の細長い水平部材と前記主要部分から後方に延びる第2の複数の細長い水平部材を含み、前記細長い水平部材のそれぞれがそれに取り付けられた前記クランプパッド支持組み立て体のうちの一つを有することを特徴とする前記請求項1に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項3】
前記複数のクランプパッド支持組み立て体が前記主要部分から前方に延びる前記第1の複数の細長い水平部材の複数のそれぞれに取り付けられると共に、前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが、それが取り付けられている前記第1の複数の細長い水平部材のそれぞれに対して回動可能であることを特徴とする前記請求項2に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項4】
前記第1の複数の細長い水平部材のそれぞれに取り付けられた前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが、前記第1の複数の細長い水平部材のそれぞれに取り付けられた前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれ他の垂直方向の旋回軸に対して共軸上に整列されているそれぞれの垂直方向の旋回軸を有することを特徴とする前記請求項3に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項5】
前記複数のクランプパッド支持組み立て体が前記主要部分から後方に延びる前記第2の複数の細長い水平部材の複数のそれぞれに取り付けられると共に、前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが、それが取り付けられている前記第2の複数の細長い水平部材のそれぞれに対して回動可能であることを特徴とする前記請求項2に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項6】
前記第2の複数の細長い水平部材のそれぞれに取り付けられた前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが、前記第2の複数の細長い水平部材のそれぞれに取り付けられた前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれ他の垂直方向の旋回軸に対して共軸上に整列されているそれぞれの垂直方向の旋回軸を有することを特徴とする前記請求項5に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項7】
前記細長い水平部材のうちの一つが収容箇所を画定し、前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが前記収容箇所内に取り付けられることを特徴とする前記請求項2に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項8】
前記収容箇所が前記細長い水平部材のうちの一つを通過して延びる開口を有し、前記複数のクランプパッド支持組み立て体のそれぞれが前記細長い水平部材のうちの一つに設けられて前記開口に延びるピンにより前記細長い水平部材のうちの一つに取り付けられることを特徴とする前記請求項7に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項9】
前記細長い水平部材のうちの一つに取り付けられ、前記クランプパッド支持組み立て体のうちの一つによって前記カートンクランプパッドが取り付けられている前記細長い水平部材のうちの一つとカートンクランプパッドを平行に維持するように配設されるスプリングを含むことを特徴とする前記請求項2に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項10】
前記クランプパッド支持組み立て体のうちの一つが、前記クランプパッド支持組み立て体が前記積荷安定板に対してその周りを旋回する旋回軸を画定する軸受けブロックを有しており、前記距離調整組み立て体の位置決め部材が前記軸受けブロックに螺着されて前記軸受けブロックから調節可能な距離まで延びていることを特徴とする前記請求項1に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項11】
前記距離調整組み立て体が、位置決め部材と係合する戻り止め締着具を有し、選択された調節位置において前記位置決め材によって前記締着具を前記位置決め部材に固定して前記選択された距離を確立することを特徴とする前記請求項10に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項12】
前記クランプパッド支持組み立て体の旋回軸が前記軸受けブロックの中央に配設され、前記クランプパッド支持組み立て体が前記旋回軸の両側にそれぞれ位置する一対の距離調整組み立て体を有することを特徴とする前記請求項10に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項13】
前記積荷安定板が前記クランプアームの外端を介して延びる垂直方向の旋回軸の周りに角度を有して前記クランプアームに対して回動することを特徴とする前記請求項1に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項14】
向き合った第2のカートンクランプアーム組み立て体と組み合わされて、前記カートンクランプアーム組み立て体の一方と前記第2のカートンクランプ組み立て体が横向きの水平部材に沿って前記カートンクランプアーム組み立て体の他方と前記第2のカートンクランプ組み立て体に対し進退動するために該横向きの水平部材に取り付けられていることを特徴とする前記請求項1に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項15】
(a)外端を有するクランプアームと、
(b)該クランプアームの外端に取り付けられた積荷安定板と、
(c)該積荷安定板に取り付けられた複数のクランプパッド支持組み立て体と、
(d)該積荷安定板によって支持され、前記複数のクランプパッド支持組み立て体によって前記積荷安定板に取り付けられたカートンクランプパッドであって、前記クランプパッド支持組み立て体のうち少なくとも一つが調節可能であり、前記クランプパッド支持組み立て体のうち少なくとも一つに取り付けられた前記カートンクランプパッドの隣接部分と前記複数のクランプパッド支持組み立て体の少なくとも一つが取り付けられた積荷安定板の部分の間の調整可能な範囲内で選択された距離を確立するカートンクランプパッドからなるカートンクランプアーム組み立て体であって、
(e)前記クランプパッド支持組み立て体のうちの一つが、前記クランプパッド支持組み立て体が前記積荷安定板に対してその周りを旋回する旋回軸を画定する軸受けブロックを有しており、前記クランプパッド支持組み立て体のうちの一つが距離調整組み立て体を有して前記カートンクランプパッドの隣接部と前記積荷安定板の部分の間で選択された距離を確立し、更に、前記距離調整組み立て体が前記軸受けブロックに螺着されて前記軸受けブロックから調節可能な距離まで延びた位置決め部材を有すると共に、前記位置決め部材と係合し前記クランプパッドに接続して前記クランプパッドと位置決め部材を相互接続する締着具を有することを特徴とするカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項16】
前記積荷安定板が前記クランプアームの外端を介して延びる旋回軸の周りに角度を有して前記クランプアームに対して回動することを特徴とする前記請求項15に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項17】
前記距離調整組み立て体が、位置決め部材と係合する戻り止め締着具を有し、選択された調節位置において前記位置決め材によって前記戻り止め締着具を前記位置決め部材に固定して前記選択された距離を確立することを特徴とする前記請求項15に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【請求項18】
前記クランプパッド支持組み立て体の旋回軸が前記軸受けブロックの中央に配設され、前記クランプパッド支持組み立て体が前記旋回軸の両側にそれぞれ位置する一対の距離調節組み立て体を有することを特徴とする前記請求項15に記載のカートンクランプアーム組み立て体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫などにおいて段ボール箱に梱包された大型の家庭用器具のような梱包物形式の積荷をつり上げたり持ち上げたりする時に用いられるリフトトラック用のカートンクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫やそれに類似する場所で商品を持ち上げるために用いられるリフトトラックは、様々なタイプの積荷をしっかりと把持するための専用のアタッチメントを装備することができる。リフトトラックは、該リフトトラックから前方に延びて略平行な向かい合ったクランプパッドを支持する一対の略平板な直立クランプアーム組み立て体を含むカートンクランプを有することができる。このクランプアームは、家庭用器具を梱包した大きなカートンのような積荷を把持したり解放したりするために、リフトトラックの側方向に互いに進退可能である。そのようなカートンクランプのクランプアーム上に支持されたクランプパッドはほぼ平坦で直立しており、約4フィート(1.2m)の高さを有し約4乃至5フィート(1.2−1.5m)の前後長を有する。クランプパッドは、一体であってもよいし、又は、各クランプアームに前後して取り付けられた2つの別々のクランプパッド部として提供されてもよい。クランプパッドは、容器又はカートンを押しつけたり把持したりするためのスリップしない弾性材料製の把持面を有することもできる。
【0003】
ほとんどのカートン又はそれに類似する容器は平行する直立側面を有するけれども、カートン内部の商品やカートンの外装内の他の包装材料の性質ために、クランプアーム組み立て体によって係合されたカートンの底部近くに大きな圧力を加える一方カートンの一部の頂部近くではより小さな圧力を加えるような不均一な状態であるタイプのカートンの外面に対し圧力を加えることが望ましいことがある。
【0004】
クランプパッド(単数又は複数)が少なくともすこし隙間を有し、クランプアームの片寄りを考慮に入れたりカートンの形状そして、ある程度はカートンの中身により適応したりするために垂直軸周りで連結されていることが望ましい。たとえば、以下の特許文献1は、垂直軸周りで少し連結を可能にする様な方法でカートンクランプアームに取り付けられたクランプパッドを開示している。
【0005】
下記の特許文献2は、クランプパッドが弾性変形するように前もって負荷が加えられていると共に把持されるべきカートンの表面に対して凹面を提供した、カートンを持ち上げるためのリフトトラック用のクランプアッタチメントを開示している。クランプジョーによって提供された圧力は、把持される梱包物に対する圧力の平均値に対して重要な特別な圧力勾配が存在しない程度で、つり上げたり搬送されたりされる梱包物に対してのクランプ圧力の均一な分布を提供することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許文献1 :米国特許第3643827号
特許文献2:欧州特許第1997771B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ある場合には、クランプパッドに接する表面全体に亘って加えられる均等な圧力を有するより、むしろ、限定的な圧力勾配を有することが好ましいことがある。若しくは、クランプバッドの特定の箇所により大きな圧力を加えることが好ましいこともある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本願発明においては、2又はそれ以上、好適には3つの共軸旋回動クランプパッドマウント又はクランプパッド支持組み立て体がカートンクランプアーム上に載置されて、共軸旋回動支持組み立て体よって画定された回転軸と前記マウントによって支持されたクランプパッドの間に調節可能なスペースを提供し、共軸旋回動支持組み立て体の回転軸から離間した半径方向の距離が調節されて所望の姿勢にクランプパッドを備え付け、カートンクランプ組み立て体によって把持されるカートンの外面に対して付勢接続するときにクランプパッドの最上部と最下部の間に限定的な圧力勾配を提供するために旋回軸の方向から小角度で変更する。
【0009】
それとは別に、本願発明の他の側面によると、旋回動クランプパッド支持組み立て体は調節されて、旋回軸とクランプパッドの特定の部分の間に半径方向のスペースを提供し、クランプパッドの頂部と基部のいずれか一方又はその双方において、又は、クランプパッドの中間部において、若しくは、クランプパッドの前面又は背面において、結果としてより大きな圧力となる。
【0010】
添付の図面と併せて以下のより詳細な説明を考慮することで、本願発明の以下の特徴又は他の特徴はより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、リフトトラックのクランプアーム組み立て体の側立面図であり、調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体を用いたクランプアーム組み立て体に載置されたクランプパッドが含まれている。
【
図2】
図2は、
図1の2−2線で切断された、クランプアーム組み立て体の断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示されたクランプアーム及びクランプパッド組み立て体の上部左前方から見た等角展開図である。
【
図5】
図5は、調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体を含む、
図4の一部を示す拡大詳細図である。
【
図6】
図6は、
図3と
図5に示されたもののような旋回ブロックの等角斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5の7−7線の方向から見た、
図6に示された旋回ブロックの立面図である。
【
図8】
図8は、調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体のうちの一つのねじ切りされたカラーの等角斜視図である。
【
図9】
図9は、異なる設定に調節された旋回動クランプパッド支持組み立て体を示す、
図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図面の
図1と
図2に関して、リフトトラック用のカートンクランプアーム組み立て体10は、(図示しない)リフトトラックの前面に取り付けられて、カートンクランプアーム組み立て体10がリフトトラックに対して横方向に移動可能にするように適合された横向きに配向された水平部材12を有し、一対の向かい合ったクランプアーム組み立て体10が互いに進退して積荷を把持したりそれを解放したりする。クランプアーム組み立て体10がリフトトラックに使用するために取り付けられたときにリフトトラックから前方に延びるクランプアーム14は横向き部材12に載置されている。積荷安定板16は、クランプアーム14の外端18に載置されていると共に、積荷安定板16は、蝶着様のほぼ垂直方向の旋回軸をなす共軸ピン20によって外端18に取り付けられ、それによってクランプアーム14の片寄りや把持されるべき梱包物のずれを見込んで、積荷安定板16が共軸ピン20の周りを旋回動する。積荷安定板16は、実質的にスチール部材でよく、ほぼ垂直方向の中央の主要部と該主要部から前方及び後方に延びたそれぞれ3個一組の水平方向の指状部材24を有する。スプリング22は、積荷安定板16の指状部材24のうちの一つに取り付けられていて、クランプアーム14の内面に対して押圧して、共軸ピン20の周りに積荷安定板16を回動するのに役立ち、一方、クランプアーム14に取り付けられた一対の停止部材26が若干斜め外側の姿勢になる積荷安定板16の角度運動を制限する。
【0013】
カートンクランプパッド又は積荷接触パッドは、一体構造の部材であってもよいし、図示されているような、分離した積荷接触パッドの2個の大きなほぼ矩形で実質的に平坦な積荷接触パッド部材28と30のような形状を有していてもよい。積荷接触パッド部材28と30は、積荷安定板16の前方及び後方に延びた水平方向の指状部材24にそれぞれ支持されている。カートンクランプパッド又は積荷接触パッド部材28と30は、それぞれ、3つの調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体(調節可能な旋回動組み立て体とも呼ぶ)32によって積荷安定板16に取り付けられていて、それぞれの旋回動クランプパッド支持組み立て体32は水平方向の指状部材24のそれぞれにおいて画定された収容箇所34内に嵌め込まれている。
【0014】
また、
図3、
図4及び
図5に関連して、それぞれの収容箇所34は積荷安定板16の指状部材24のそれぞれに延びる開口であってもよい。
【0015】
分離したカートンクランプパッド部材28と30のそれぞれにおいては、旋回軸が旋回軸ピン36によって定められており、該旋回軸ピン36は、クランプパッド28又は30を支持するそれぞれの指状部材24のボア38内に共軸方向に且つ垂直に延びてそれぞれの調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体32を収容箇所34に固定する。
【0016】
図5に示されているように、各収容箇所34はそれぞれの調節可能な旋回動組み立て体32を収容するための上下一対の対向する水平方向の軸受け面35を有し、旋回軸ピン36用のボア38は軸受け面35に通過して延びている。
【0017】
それぞれの調節可能な旋回動クランプパッド支持組み立て体32は、
図6と
図7に示されているように、ピンボア42を設けて旋回軸ピン36を収容する軸受けブロック40を有する。一対のねじ切りされたボア44が軸受けブロック40の平坦な基部を通過してピンボア42の軸に垂直な方向に延びている。
図8に示すような、外側に螺子山を有しレンチによって係合されるべく形成された部分を有するカラー46が
図3と
図5に示されているように各ボア44に螺入され、以下に説明するように、位置決め部材として作動する。
【0018】
軸受けブロック40の基部のそれと同様の形状を有する平坦なスペーサー板48は、好適にはボア44よりも小さい一対のボア50を画定するが、それらは軸受けブロック40の各ボア44と共軸上で整列される。キャップスクリュー52のような締着具が皿穴に埋められてクランプパッド28又は30の支持プレート部54を通過し、スペーサー板48のボア50を通過し、更に、カラー部46に画定されたボア56を通過して延びる。ロックワッシャ58と戻り止めナット60は、キャップスクリュー52に提供されてカラー46を締着し、
図3に示すようにスペーサー板48に対してしっかりと保持されたクランプパッド28又は30と共にキャップスクリュー52を保持し、カラー46に対しスペーサー板48が移動しないようにする。
【0019】
図3に示すように、カラー46の内端は軸受けブロック40の内面と同一面であるが、空間を有していてもよい。スペーサー板48は軸受けブロック40の内面にしっかりと動かないようにされている。このように、
図3に示すように、半径方向の最短距離61は、旋回動ピン36とクランプパッド30のプレート54の間で、スペーサー板48によって決められる。
【0020】
図3に示すようにすべて組み立てられた調節可能なパッド支持組み立て体32に関して、クランプパッド部材28と30の両者は、旋回軸ピン用のボア38とピンボア42によって決められる中心軸と平行であり、カートンクランプによって把持されるカートンの縦側に対しそれぞれのクランプパッド28又は30の全高に沿って均等な圧力を加えられるように位置決めされる。しかしながら、
図9に示すように、クランプパッド支持組み立て体32を調節してクランプパッドのプレート部54とピンボア42の軸の間で別に空間を提供するようにして、各クランプパッド28又は30の向き及びいくらかは形状も変更可能である。調節可能なパッド支持組み立て体32は、キャップスクリュー52から戻り止めナット
60をゆるめて、カラー46から圧力を解放することによって調節可能である。カラー46は、軸受けブロック40の基部からもっと深く螺着することができ、各カラーの内端がスペーサー板48を支持して、カラー46の長さと軸受けブロック
40の内面を越えて突出することが可能なように得られた距離によって決められる利用可能な位置の範囲内で、スペーサー板48と軸受けブロック40の基部の間に隙間の距離62を作り出すことによって、クランプパッドのプレート部54の隣接部の選択された位置を確定することを可能にする。戻り止めナット60は、その後、ロックワッシャ58と各カラー46の下に押された面に対して締着され、カラー46の内端に対してスペーサー板をしっかりと位置決めされるようにし、軸受けブロック40とスペーサー板48の間に隙間62を確立保持する。
【0021】
クランプパッド28と30を積荷安定板16の各指状部分24に対してほぼ平行に維持する傾向を有する、
図4に示されたスプリング対64が存在する。一度カートンクランプ組み立て体10が側方に移動されてクランプパッド28又は30がカートンの略垂直且つ平坦な面に接触されると、スプリング64の力が簡単にうち消されて、クランプパッドが調節可能なクランプパッド支持組み立て体32の旋回軸ピンの周りで向きを変えてカートンに適合する。しかしながら、同時に、調節可能なクランプパッド支持組み立て体32のうちの一つが調整されて他のクランプパッド支持組み立て体において提供されたものよりも大きな隙間距離62を提供すると、クランプパッド支持組み立て体32がそのような隙間距離を有しない場合に比べて、クランプパッド28又は30はカートン又は他の積荷の平坦面に対してより大きな圧力を加える。
【0022】
上記の明細書に使用された用語や表現はここでは説明用語として用いられているのであって、制限的に解されるべきではなく、そのような用語や表現の使用において、図示され、記載された特徴又はその一部の均等物を排除するような意図は存在していない。発明の範囲が以下の特許請求の範囲によってのみ定義され制限されることが理解される。
【符号の説明】
【0023】
10・・・カートンクランプアーム組み立て体、12・・・水平部材、14・・・クランプアーム、16・・・積荷安定板、18・・・外端、20・・・共軸ピン、22・・・スプリング、24・・・指状部材、26・・・停止部材、28、30・・・カートンクランプパッド又は積荷接触パッド部材、32・・・旋回動クランプパッド支持組み立て体又は調節可能な旋回動組み立て体、34・・・収容箇所、35・・・軸受け面、36・・・旋回軸ピン、40・・・軸受けブロック、42・・・ピンボア、44・・・ボア、46・・・カラー、48・・・スペーサー板、50・・・ボア、52・・・キャップスクリュー、54・・・プレート部、56・・・ボア、58・・・ロックワッシャ、60・・・戻り止めナット、62・・・隙間、64・・・スプリング。