(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クラウドコンピューティング環境において、アプリケーションプログラムを開発するための開発環境を、ネットワークを介して顧客のユーザにサービスとして提供する企業における営業活動を支援するアプリケーション開発営業支援システムであって、
前記開発環境から、前記開発環境を利用した前記顧客によるアプリケーションプログラムの開発についての開発状況の情報を取得して、開発状況記録装置に記録する開発状況抽出部と、
前記開発状況記録装置に記録された前記顧客についての前記開発状況の情報に基づいて、予め設定されたルールに合致する場合に、対応する所定の営業指示に係る情報を出力する評価・分析部とを有する営業支援サーバを有することを特徴とするアプリケーション開発営業支援システム。
【背景技術】
【0002】
従来、企業における営業活動では、一般的に、既存の顧客に対しては、営業員が定期的に訪問したり、顧客からの呼び出し等に応じて訪問したりしている。また、新規の顧客に対しては、広告を出稿したりWebサイトを提供したり等のプロモーションに対する顧客からの問い合わせ等に応じて訪問したり、いわゆる飛び込み営業のように積極的に顧客を訪問したりする場合もある。
【0003】
しかしながら、このような営業活動では、例えば、既存顧客に対して定期訪問しても、商材を販売する段階でなかったり、他社からの購入が決まっていたりなど、無駄足になることが多い。また、新規顧客からの問い合わせに対応しても、商材を販売する段階ではなく、商談につながらないことも多い。このように、タイミングよく営業活動を行えないことから、無駄が多く、営業コストの浪費となっている場合が多い。
【0004】
これに対し、例えば、特開2007−310851号公報(特許文献1)には、案件が発生するパターンと、パターン毎に望ましい活動手順を仮説として組み立て、仮説にある案件発生事案の発生を取引履歴データ、企業データ、その他の顧客データの動きから検出するための検索エンジンにより、案件発生時案の内容と提案手順を営業員に知らせることで、提案型商材の外商営業にとって重要かつ困難な課題である、案件の発掘の過程で営業員に対して、現在どの顧客に訪問し、どのような内容の提案をするべきか、また、それをどのように進めるべきか、というようなアイデアを提供し営業を支援するシステムが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような営業活動における課題は、例えば、ITベンダーのような企業にとっても同様であり、特に、システム開発関連の製品、サービスやツールを販売し、また、システム開発プロジェクトに対して技術者などの人的リソースを提供するようなITベンダーにとっては、いろいろな商材を品揃えして営業活動を行なっても、提案した商材を顧客がその時点では必要としていないという場合も多い。システム開発は常に行われているとは限らず、また、開発にはフェーズがあり、フェーズ毎に必要となる商材が異なることも多いためである。
【0007】
一方、昨今では各種のITサービスやシステムにおいてクラウドコンピューティング環境の利用が拡がっている。例えば、上記のようなITベンダーは、システム開発の際に用いる開発環境(例えば、画面作成やソースコードの作成・生成、ビルド、バージョン管理などの機能を有するツール)を、クラウドコンピューティング環境を利用したサービスの形態で提供することも考えられる。この場合、当該開発環境を使用してシステム開発を行うユーザの承諾を得られれば、開発環境サービスを提供するITベンダーは、当該ユーザの開発状況に係る情報を把握することも可能である。ITベンダー等としては、当該情報を有効活用することで営業コストを最小限に抑えて効果的な営業活動を行うことが考えられる。
【0008】
そこで本発明の目的は、ITベンダー等がシステム開発環境をクラウドコンピューティング環境によりサービスとして提供する仕組みにおいて、営業活動として、当該開発環境を使用しているユーザ(顧客)の開発状況に応じて適切な商材を適切なタイミングで提案することを支援するアプリケーション開発営業支援システムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の代表的な実施の形態によるアプリケーション開発営業支援システムは、クラウドコンピューティング環境において、アプリケーションプログラムを開発するための開発環境を、ネットワークを介して顧客のユーザにサービスとして提供する企業における営業活動を支援するアプリケーション開発営業支援システムであって、前記開発環境から、前記開発環境を利用した前記顧客によるアプリケーションプログラムの開発についての開発状況の情報を取得して、開発状況記録装置に記録する開発状況抽出部と、前記開発状況記録装置に記録された前記顧客についての前記開発状況の情報に基づいて、予め設定されたルールに合致する場合に、対応する所定の営業指示に係る情報を出力する評価・分析部とを有する営業支援サーバを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、ITベンダー等がシステム開発環境をクラウドコンピューティング環境によりサービスとして提供する仕組みにおいて、営業活動として、当該開発環境を使用しているユーザ(顧客)の開発状況に応じて適切な商材を適切なタイミングで提案することを支援し、営業コストを最小限に抑えて効果的な営業活動を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
本発明の一実施の形態であるアプリケーション開発営業支援システムは、クラウドコンピューティング環境によりサービスとしてITシステムにおけるアプリケーションプログラムの開発環境を提供するITベンダーに対して、顧客(すなわち、当該開発環境サービスを利用してシステム開発を行う企業等)への営業活動として、当該開発環境を使用しているユーザ(顧客)の開発状況に応じて適切な商材を適切なタイミングで提案することを支援するシステムである。
【0016】
クラウドコンピューティング環境の利用の拡大に伴い、ITベンダーとしては、従来サーバやPC(Personal Computer)等のコンピュータ機器に個別に導入する形で提供していた開発環境(例えば、画面作成やソースコードの作成・生成、ビルド、バージョン管理などの機能を有するツール)を、クラウドコンピューティング環境を利用したサービスの形態で提供することが考えられる。
【0017】
一般的には、このようなサービスの提供に際しては、サービス提供の対価について月額料金や従量課金等により徴収する形態と、無料のサービスとして提供する形態とがある。後者の場合さらに、例えば、特定の機能についてはオプション料金を払うことによってのみ利用可能となるよう機能を制限する形態や、画面上に広告を表示し、オプション料金を支払うことによって広告が非表示となるよう制限する形態などがある。
【0018】
本実施の形態では、例えば、開発環境サービスの提供の対価として、このような方式による料金の徴収(投下費用の回収)を行う場合や、料金徴収を行わず開発環境サービスを顧客に対して原則として無料で提供する場合など、料金徴収の有無に関わらず、開発環境サービスを提供する代わりに、顧客が開発環境サービスを利用することによって蓄積される固有の情報(顧客毎の開発状況や開発環境サービスの利用状況等)を当該ITベンダーが利用可能とすることで、当該ITベンダーの営業活動を支援するための情報を得るものとする。
【0019】
本実施の形態では、ここで得られた情報に基づいて顧客の開発状況を把握し、開発状況に応じて適切な段階で適切な商材をタイミングよく販売・提案することを支援することで、営業コストを最小限に抑えて効果的な営業活動を行うことを可能とする。
【0020】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態であるアプリケーション開発営業支援システムの構成例について概要を示した図である。アプリケーション開発営業支援システム1は、例えば、ITベンダー等がアプリケーションプログラム(例えば、携帯端末上でサービスを提供するモバイルアプリケーションなど)の開発環境サービスを提供するクラウドコンピューティング環境としてのパブリッククラウド10と、パブリッククラウド10上で提供される開発環境サービスにより取得・収集された情報に基づいて、ユーザ(顧客)の開発状況を把握し、これに応じて商材の販売・提案のための営業員の訪問もしくは広告の表示などの営業活動の指示を行うことで、営業活動を支援する営業支援サーバ20とを有する。
【0021】
パブリッククラウド10上には、例えば、ITベンダー等が複数ユーザ(顧客)に対して共通にサービスとして開発環境を提供するための共通環境11と、顧客が開発したアプリケーションの実行等を行うために顧客毎にそれぞれ個別に提供される顧客専用環境12とを有する。
【0022】
共通環境11には、例えば、開発環境サービスを提供する開発環境110およびリポジトリ114を有する。開発環境110は、パブリッククラウド10上の仮想サーバ上にASP(Application Service Provider)等のソフトウェアとして実装され、インターネット等のネットワーク30を介してアクセスする開発者2等のユーザに対して、画面作成やソースコードの作成・生成、ビルド、バージョン管理などの一般的なアプリケーションの開発環境サービスやツールが有する各種機能を提供する。
【0023】
開発環境110は、例えば、開発フロントエンド111、テンプレート112、およびライブラリ113などの構成を有する。開発フロンドエンド111は、開発環境サービスを利用する開発者2等のユーザに対して、ユーザインタフェースを含むフロントエンドとしての機能を提供する。テンプレート112は、アプリケーションの開発に際してよく利用される画面遷移や画面構成、ソースコードなどをテンプレートとして提供する。ライブラリ113は、ソースコードの作成やアプリケーションのビルドの際に必要となるSDK(Software Development Kit)や各種ライブラリなどを提供する。リポジトリ114は、開発環境110で作成された成果物(例えば、クライアントプログラム、サーバプログラム、ロジックパラメータなど)を保持するデータベースである。
【0024】
開発環境110は、クライアントに配布するアプリケーションであるクライアントアプリ123や、サーバ上で稼働するアプリケーションであるサーバアプリ122を自動ビルドし、生成されたクライアントアプリ123を配布可能なように対象の顧客専用環境12上に配備するとともに、生成されたサーバアプリ122を稼働させるための仮想サーバ120を顧客専用環境12上に構築し、サーバアプリ122を配備する。これらの処理は手動で行なってもよい。なお、顧客専用環境12上の仮想サーバ120は、例えば、サーバアプリ122を稼働させるためのOS(Operating System)等のミドルウェアや、CPU、ストレージ、ネットワークなどの基盤サービスを提供するインフラ基盤121を有している。
【0025】
このような開発環境サービスにおいて、顧客企業の開発者2は、ネットワーク30を介して開発環境110にアクセスして、例えば、モバイルアプリケーションなどについて、予め定義されたテンプレート112等を利用して、容易にプロトタイプやモックアップ等の開発・テストを行う。完成したアプリケーション(クライアントアプリ123、サーバアプリ122)は、顧客専用環境12に配備され、利用者3がネットワーク30を介してクライアントアプリ123を携帯端末等にダウンロードしてインストールし、当該携帯端末等から仮想サーバ120上のサーバアプリ122にアクセスしてアプリケーションを利用する。
【0026】
一方、営業支援サーバ20は、サーバ機器やPCなどのコンピュータシステムにより構成され、例えば、ソフトウェアにより実装される開発状況抽出部210、および評価・分析部220などの各部を有する。また、データベース(以下では単に「DB」と記載する場合がある)やファイルテーブルなどにより構成される開発状況DB211、営業員DB221、商材DB222、広告DB223、顧客DB224、およびルールDB225などの各テーブルを有する。
【0027】
開発状況抽出部210は、パブリッククラウド10上の共通環境11(開発環境110)や顧客専用環境12が保持するデータをモニタリングして、顧客(もしくは顧客が開発中のプロジェクト)毎の開発状況や開発環境サービスの利用状況に係る情報(以下ではこれらの情報を総称して「開発状況」と記載する場合がある)を抽出し、開発状況DB211に記録する。例えば、開発環境110が記録するログ情報などに基づいて、開発環境110が提供する各機能に対して顧客の開発者2がどの程度の頻度や時間でアクセスしているかを集計することで、開発プロセスにおける現在の開発フェーズ(例えば、画面遷移や構成等の設定や設計、ロジック作成、テスト、運用など)を判定することができる。
【0028】
また、現在のフェーズの滞留時間の情報や、開発環境110に対する同時利用ユーザ数、アクセス数などの利用状況に係る情報についても把握することができる。また、開発環境110の利用に際して顧客が属性情報等を登録している場合は、これらの情報を取得するようにしてもよい。
【0029】
評価・分析部220は、開発状況DB211等の内容に対して、ルールDB225に登録されたルール等に基づいて評価・分析を行い、各顧客の開発状況に応じて適切な商材を提案するよう指示等を行う。例えば、開発中の特定のフェーズで長時間滞留している状況が把握された場合、何らかのトラブルで先に進めない状況である可能性が高いことから、技術支援サービス等を提案すべく営業員4に対して訪問指示を出すことが考えられる。
【0030】
また、例えばテストフェーズでの滞留時間が長い顧客にはテスト自動化ツールを提案するなど、開発フェーズに合わせて各種開発支援ツール等を提案する広告コンテンツを開発環境110の開発フロントエンド111を介して開発画面上に表示させるようにすることも可能である。また、顧客専用環境12上でアプリケーションを利用している顧客に対しては、完成したプロトタイプやモックアップから本番開発を行うための正規環境の構築や、携帯端末のキッティング等を含む展開サービスなどを提案すべく営業員4に対して訪問指示を出すことも考えられる。このように、営業活動において、顧客の開発状況に応じて適切な商材を適切なタイミングで提案することが可能となる。
【0031】
<データ構成>
図2は、開発状況DB211のデータ構成の例について概要を示した図である。開発状況DB211は、パブリッククラウド10上の共通環境11(開発環境110)や顧客専用環境12が保持するデータから抽出した、顧客(もしくは顧客が開発中のプロジェクト)毎の開発状況に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、顧客ID、プロジェクトID、画面数、コード数、現開発フェーズ、滞留時間、同時利用ユーザ数、およびアクセス数などの項目を有する。
【0032】
顧客IDの項目は、開発環境110を利用して開発プロジェクトを行なっている(もしくは行った)顧客を特定する顧客ID(後述)の情報を保持する。プロジェクトIDの項目は、対象の顧客が開発環境110を利用して開発中の(もしくは開発を行った)プロジェクトを一意に識別するID情報を保持する。画面数およびコード数の項目は、それぞれ、対象のプロジェクトにおいて開発する(もしくは開発した)画面数およびソースコード数の情報をプロジェクトの規模を表す情報として保持する。
【0033】
現開発フェーズの項目は、開発状況抽出部210によって判定された、対象の顧客(プロジェクト)での現在の開発フェーズを示す情報を保持する。滞留時間の項目は、対象の顧客(開発者2)が、対象の開発フェーズにどの位の期間滞留しているかの情報を保持する。上述したように、滞留時間が標準的なものに比べて一定以上長いような場合には、何らかのトラブルで先に進めない状況である可能性が高い。従って、その解決に資するような技術支援サービスやツール、製品等の商材を評価・分析部220によって判定する。
【0034】
同時利用ユーザ数の項目は、開発環境110に同時にアクセスした顧客のユーザ(開発者2)の数の情報を保持する。この値は、例えば、直近の一定時間の平均値や最大値などにより求める。アクセス数の項目は、開発環境110に対する現開発フェーズでのアクセス数の合計を保持する。これらの値により、顧客の利用の集中度合いを把握することができ、集中度合いが高い場合には、対象フェーズでの作業を支援等するツールや製品等の商材を評価・分析部220によって判定して営業指示の対象とすることができる。例えば、当該商材に係る広告を開発環境110の開発フロントエント111を介して開発画面上に表示させるようにすることで広告の参照頻度を高めて広告効果を高めることも可能である。
【0035】
図3は、営業員DB221のデータ構成の例について概要を示した図である。営業員DB221は、営業活動を行う営業員4の情報を保持するテーブルであり、例えば、社員ID、氏名、所属部署、連絡先、担当顧客ID、および担当商材IDなどの項目を有する。社員IDの項目は、営業員4を一意に識別する社員番号等のID情報を保持する。氏名の項目は、対象の営業員4の氏名の情報を保持する。所属部署および連絡先の項目は、それぞれ、対象の営業員4の所属部署および電話番号や電子メールアドレスなどの連絡先の情報を保持する。担当顧客IDの項目は、対象の営業員4が担当する1つ以上の顧客を特定する顧客ID(後述)の情報を保持する。担当商材IDの項目は、対象の営業員4が販売・提案を担当する1つ以上の商材を特定する商材ID(後述)の情報を保持する。
【0036】
図4は、商材DB222のデータ構成の例について概要を示した図である。商材DB222は、開発環境110を提供するITベンダー等が販売・提案することができる商材の情報を保持するテーブルであり、例えば、商材ID、商材名、商材タイプ、および対応フェーズなどの項目を有する。商材IDの項目は、各商材を一意に識別するID情報を保持する。商材名の項目は、対象の商材の名称(商品名やサービス名等)の情報を保持する。商材タイプの項目は、対象の商材のタイプ(商品/サービスの区分や、その中でのカテゴリ等)の情報を保持する。対応フェーズの項目は、対象の商材が対応する(適する)1つ以上の開発フェーズの情報を保持する。
【0037】
図5は、広告DB223のデータ構成の例について概要を示した図である。広告DB223は、開発環境110を提供するITベンダー等が販売・提案することができる商材についての広告に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、広告ID、対応商材ID、対応フェーズ、出力メディア、および広告コンテンツなどの項目を有する。
【0038】
広告IDの項目は、各広告を一意に識別するID情報を保持する。対応商材の項目は、対象の広告に対応する商材を特定する商材IDの情報を保持する。対応フェーズの項目は、対象の広告に対応する、すなわち対象の広告を表示すべき1つ以上の開発フェーズの情報を保持する。出力メディアの情報は、対象の広告を出力する1つ以上のメディアの情報を保持する。例えば、開発環境110の開発フロントエンド111を介して画面出力されるようにしてもよいし、クライアントアプリ123の画面上に表示されるよう、開発環境110でのクライアントアプリ123の開発・ビルド時に広告領域を強制的に設定するようにしてもよい。また、顧客が自社のホームページ等のWebサイトにアクセスした際に当該Webサイト上に表示するようにしてもよい。広告コンテンツの項目は、広告のコンテンツデータ(もしくはその所在場所を示す情報)を保持する。
【0039】
図6は、顧客DB224のデータ構成の例について概要を示した図である。顧客DB224は、開発環境110を利用する顧客企業、すなわち開発環境サービスを提供するITベンダー等にとっての営業活動の対象となる顧客企業に係る属性情報等を保持するテーブルであり、例えば、顧客ID、顧客名、業種・業務内容、顧客規模、所在地、および担当営業IDなどの項目を有する。
【0040】
顧客IDの項目は、顧客企業を一意に識別するID情報を保持する。顧客名の項目は、対象の顧客の名称の情報を保持する。業種・業務内容および顧客規模の項目は、それぞれ、対象の顧客の業種や業務内容などのカテゴリに係る情報および従業員数などの規模の情報を保持する。所在地の項目は、対象の顧客の所在地の情報を保持する。担当営業IDの項目は、開発環境110を提供するITベンダーにおいて、対象の顧客に対する営業を担当する1人以上の営業員4を特定する社員IDの情報を保持する。
【0041】
図7は、ルールDB225のデータ構成の例について概要を示した図である。ルールDB225は、評価・分析部220において開発状況DB211の内容を評価・分析して営業指示を行う際のルールの情報を保持するテーブルであり、例えば、ルールID、対応フェーズ、条件、訪問指示、および広告指示などの項目を有する。
【0042】
ルールIDの項目は、各ルールを一意に識別するID情報を保持する。対応フェーズの項目は、対象のルールが適用されるべき1つ以上の開発フェーズの情報を保持する。条件の項目は、対象のルールが適用される際の条件の情報を保持する。例えば、「設定フェーズにいる」など、特定の開発フェーズにいる顧客には全て適用される条件や、「テストフェーズでの滞留時間が所定の時間より長い」場合や、「同一画面を何度も修正している」、「顧客専用環境での実機での利用(テスト)開始から所定の期間が経過」など、フェーズ毎の開発状況に応じた種々の条件を指定することができる。なお、ここでは便宜上、文言により条件を例示したが、実装に際しては、開発状況DB211等に保持されている情報を示すパラメータを利用した評価式等によって表現される。
【0043】
訪問指示および広告指示の項目は、それぞれ、上記の対応フェーズおよび条件の項目に合致したため対象のルールが適用される際の営業指示の内容を保持する。例えば、訪問指示の項目では、訪問先の顧客と販売・提案する商材を特定するID情報、および指示を受ける営業員4のID情報等(もしくはこれらを決定するための条件式等)を保持する。また、広告指示の項目では、出力する広告(および出力メディア)を特定するID情報や出力対象の顧客、出力する期間等(もしくはこれらを決定するための条件式等)を保持する。
【0044】
なお、上述の
図2〜
図7で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。
【0045】
<処理フロー>
図8は、営業支援サーバ20において営業指示を行う際の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。まず、開発状況抽出部210が、パブリッククラウド10上の開発環境110や顧客専用環境12が保持するデータから、顧客毎の開発に係る情報を抽出する(S01)。抽出する情報としては、例えば、顧客の各開発者2による開発環境110へのアクセスログや、設計情報、成果物の作成状況などの情報が考えられる。
【0046】
その後、抽出した情報に基づいて、現在の開発フェーズなどを含む顧客毎の開発状況を判定する(S02)。例えば、アクセスログの情報などに基づいて、開発環境110が提供する各機能に対して顧客の開発者2がどの程度の頻度や時間でアクセスしているか等を集計したり、どのような成果物がどの程度作成されているか等を確認することで開発フェーズを判定する。また、現在の開発フェーズの滞留時間の情報や、開発環境110に対する同時利用ユーザ数、アクセス数などの利用状況に係る情報についても把握する。その後、これらの情報を開発状況DB211に記録する(S03)。
【0047】
その後、開発状況DB211の内容に対してルールDB225に予め設定されている各ルールを適用し、指定された条件に合致するか否かを判定する(S04)。その後、条件に合致するルールの有無を判定し(S05)、条件に合致するルールがない場合は、処理を終了する。ステップS05で条件に合致するルールがある場合は、当該ルールに指定された内容(訪問指示、広告指示)に従って営業指示を行い(S06)、処理を終了する。
【0048】
例えば、営業員DB221や商材DB222、顧客DB224の内容を参照して、該当する営業員4やその管理者等に対して、対象の商材を対象の顧客に販売・提案するよう指示する旨の電子メールを送信したり、営業支援サーバ20もしくはこれに接続するクライアント端末の画面を介して通知したりする。また、商材DB222や広告DB223、顧客DB224の内容を参照して、開発環境110の画面フロントエンド111を介して対象の顧客のユーザ(開発者2)に対して対応する広告を画面表示したり、顧客専用環境12からダウンロードおよびインストールされるクライアントアプリ123の画面上に対応する広告を表示したりするよう設定する。
【0049】
なお、上記のステップS01〜S06の一連の処理は、例えば、日次などのタイミングで定期的に実行されるようにするとともに、適宜手動でも実行可能とする。
【0050】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態であるアプリケーション開発営業支援システム1によれば、ITベンダー等がアプリケーションの開発環境サービスをクラウドコンピューティング環境によりサービスとして提供する仕組みにおいて、当該開発環境サービスにより取得・収集された情報に基づいて顧客の開発状況を把握し、これに基づいて適切な商材の販売や提案のための営業員の訪問もしくは広告の表示などの営業活動の指示を適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。