(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792893
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】注射器容器を製造するための成形型組立体および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/12 20060101AFI20150928BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
B29C33/12
B29C45/14
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-509265(P2014-509265)
(86)(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公表番号】特表2014-518786(P2014-518786A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】SE2012050414
(87)【国際公開番号】WO2012150897
(87)【国際公開日】20121108
【審査請求日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】1150384-4
(32)【優先日】2011年5月3日
(33)【優先権主張国】SE
(31)【優先権主張番号】61/481,902
(32)【優先日】2011年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503211493
【氏名又は名称】エス・ホー・エル・グループ・アクチボラゲット
【氏名又は名称原語表記】SHL GROUP AB
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディートル,トーマス
【審査官】
今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/043544(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0145284(US,A1)
【文献】
特表2011−510836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/12
B29C 45/14
A61M 5/178
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
套管(51)と注射筒(52)とを備える注射器容器(5)を製造するための成形型組立体(6)であって、前記注射筒(52)には、環状部(526)と、前記套管(51)を保持する接合部(527)とが形成され、
前記成形型組立体(6)は、
第1セット(61)と、
前記第1セットとの間に成形型キャビティ(621,631,661,671)を画定するために、前記第1セット(61)に当接するまで移動可能な第2セット(65)と、
前記成形型キャビティ(621,631,661,671)内に位置するコア(69)と、
前記套管(51)を保持するための第1締め具(64)および第2締め具(68)とを含み、
前記第1および第2締め具(64,68)が、それぞれ前記第1および第2セット(61,65)に固定され、
前記成形型キャビティ(621,631,661,671)は、前記コア(69)の長手軸(692)に沿って、前記接合部(527)に対応する係合キャビティ(631,671)と前記環状部(526)に対応するボアキャビティ(621,661)とを含み、
前記第1セット(61)には、前記係合キャビティ(631,671)に開口する第1ゲート(635)が形成されることを特徴とする、注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項2】
前記第2セット(65)には、前記係合キャビティ(631,671)に開口する第2ゲート(675)が形成され、
前記第1ゲート(635)と前記第2ゲート(675)とは、前記コア(69)の前記長手軸(692)を中心として対称であることを特徴とする、請求項1に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項3】
前記係合キャビティ(631,671)の一部と前記ボアキャビティ(621,661)の一部とは、前記第1セット(61)内に形成され、
前記係合キャビティ(631,671)の他部と前記ボアキャビティ(621,661)の他部とは、前記第2セット(65)内に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項4】
前記第1セット(61)は、第1メインブロック(62)と第1サブブロック(63)とをさらに含み、
前記第2セット(65)は、第2メインブロック(66)と第2サブブロック(67)とをさらに含み、
前記ボアキャビティ(621,661)は、前記第1メインブロック(62)と前記第2メインブロック(66)との間に形成され、
前記係合キャビティ(631,671)は、前記第1サブブロック(63)と前記第2サブブロック(67)との間に形成されることを特徴とする、請求項3に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項5】
前記第1セット(61)は、2つの前記第1サブブロック(63)を含み、
前記第2セット(65)は、2つの前記第2サブブロック(67)を含み、
前記第1ゲート(635)は、前記第1サブブロック(63)の間に形成され、
前記第2ゲート(675)は、前記第2サブブロック(67)の間に形成されることを特徴とする、請求項4に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項6】
前記第1締め具(64)と前記第2締め具(68)とは、プラスチック材料から製造されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項7】
前記第1締め具(64)には、第1スロット(641)が形成され、
前記套管(51)の一部は、前記第1スロット内で前記第1締め具(64)に当接することを特徴とする、請求項6に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項8】
前記第1セット(61)には、前記第1スロット(641)を前記成形型キャビティ(621,631,661,671)と連通させる第1トラフ(633)が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項9】
前記コア(69)は、その一端にポート(691)が形成され、
前記套管(51)の一端は、前記ポート(691)内に配置され、
前記套管(51)の他端は、前記成形型組立体(6)の外側に位置することを特徴とする、請求項8に記載の注射器容器を製造するための成形型組立体。
【請求項10】
成形型組立体(6)を用いて注射器容器(5)を製造する方法であって、
前記注射器容器(5)は、套管(51)と、前記套管(51)を保持する注射筒(52)とを備え、
前記成形型組立体(6)は、
第1セット(61)と、
第1締め具(64)と、
前記第1セット(61)とともに、前記注射筒(52)の外側輪郭に対応する成形型キャビティ(621,631,661,671)を画定する第2セット(65)と、
前記第1締め具(64)に面する第2締め具(68)と、
前記第1セット(61)と前記第2セット(65)との間に位置するコア(69)とを含み、
前記方法は、
前記套管(51)の一端を前記コア(69)のポート(691)内に配置するステップと、
前記第1および第2セット(61,65)を移動するステップと、
ポリマー材料を前記成形型キャビティ(621,631,661,671)内に注入するステップと、
前記第1および第2セット(61,65)を前記コア(69)から引離すステップと、
前記注射器容器(5)を前記コア(69)から取外すステップとを含み、
前記第1および第2セット(61,65)が移動して互いに当接するときに、前記第1および第2締め具(64,68)が、前記套管(51)を保持するように機能することを特徴とする、成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項11】
前記第1および第2締め具(64,68)は、それぞれ前記第1および第2セット(61,65)に固定されることを特徴とする、請求項10に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項12】
前記ポリマー材料は、前記套管(51)の一端および/または前記コア(69)の、前記ポート(691)が形成されている一端を収容する前記成形型キャビティ(621,631,661,671)の一部を通して、前記成形型キャビティに注入されることを特徴とする、請求項11に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項13】
前記ポリマー材料は、前記成形型キャビティ(621,631,661,671)の前記一部に開口しかつ前記コア(69)の長手軸(692)を中心として対称である第1ゲート(635)および第2ゲート(675)を通って、前記成形型キャビティ(621,631,661,671)に注入されることを特徴とする、請求項12に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項14】
前記第1ゲート(635)と前記第2ゲート(675)とは、それぞれ前記第1セット(61)と前記第2セット(65)との中に形成されることを特徴とする、請求項13に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項15】
前記第1セット(61)は、第1メインブロック(62)と第1サブブロック(63)とをさらに含み、
前記第2セット(65)は、第2メインブロック(66)と第2サブブロック(67)とをさらに含み、
前記成形型キャビティ(621,631,661,671)の前記一部は、前記第1サブブロック(63)と前記第2サブブロック(67)との間に形成され、
前記成形型キャビティ(621,631,661,671)の、前記套管(51)を受けない他部は、前記第1メインブロック(62)と前記第2メインブロック(66)との間に形成されることを特徴とする、請求項14に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項16】
前記第1セット(61)は、2つの前記第1サブブロック(63)を含み、
前記第2セット(65)は、2つの前記第2サブブロック(67)を含み、
前記第1ゲート(635)は、前記第1サブブロック(63)の間に形成され、
前記第2ゲート(675)は、前記第2サブブロック(67)の間に形成されることを特徴とする、請求項15に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項17】
前記第1締め具(64)と前記第2締め具(68)とは、プラスチック材料から製造されることを特徴とする、請求項10から16のいずれか1項に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項18】
前記第1締め具(64)には、第1スロット(641)が形成され、
前記套管(51)の一部は、前記第1スロット内で前記第1締め具(64)に当接することを特徴とする、請求項17に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項19】
前記第1セット(61)には、前記第1スロット(641)を前記成形型キャビティ(621,631,661,671)と連通させる第1トラフ(633)が形成されることを特徴とする、請求項18に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【請求項20】
前記套管(51)の他端は、前記成形型組立体(6)の外側に位置し、
前記套管(51)の中間部(513)は、前記第1トラフ(633)に収容されることを特徴とする、請求項19に記載の成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、射出成形法および成形型組立体に関し、より具体的には、注射器容器、特にポリマー注射器容器を製造するための成形型組立体および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
図1は、米国特許公開番号第2010/0270702号A1に開示された、注射筒3に針2を成形するためのインサート成形型1を示す図である。その開示は、引用により本明細書に援用される。この従来のインサート成形型1は、A側成形型11と、B側成形型12と、コア部材13と、集め機構14とを備える。
【0003】
従来の成形プロセスでは、まず、針1の一端をコア部材13の先端内に配置する。次に、A側成形型11がB側成形型12と接触する程度にA側成形型11をコア部材13の上に挿入する。次いで、集め機構14を、A側成形型11の左端に形成された高圧テーパ受入室111に挿入する。集め機構14の可撓性アーム141が針2を保持しているときに、A側成形型11とB側成形型12との間に画定された成形型スペース112に、成形型スペース112の広い端部114の近くのゲート113を介して、溶融したポリマー材料を注入する。成形型スペース112内のポリマー材料が冷却されると、A側成形型11から集め機構14を取外す。その後、針2が成形された注射筒3をコア部材13から取出すことができるように、B側成形型12からA側成形型11を引離す。
【0004】
しかしながら、従来のインサート成形型1において、集め機構14とA側成形型11とは2つの独立部分であるため、集め機構14の長手軸は、成形型スペース112の長手軸と一致するとは限らない。よって、溶融ポリマー材料が注入された後、針2の長手軸は、注射筒3の長手軸と一致するとは限らない。
【0005】
また、可撓性アーム141の移動方向は、集め機構14を高圧テーパ受入室111に挿入する方向またはそこから取外す方向と直交する。よって、集め機構14がその長手軸に沿って移動を開始するときに、アーム141を直ちに針2から離すことはできず、すなわち、アーム141は、まだ針2に接触しているかまたは針2を保持している場合がある。この場合、針2が、アーム141の接触面を摩耗して締め精度に影響を与えるか、またはアーム141が、針2を曲げたり損傷したりする恐れがある。
【0006】
さらに、ゲート113が成形型スペース112の広い端部114の近くに配置される場合に、成形型スペース112の収束端部115には、溶融ポリマー材料を十分に充填することができず、その結果、細長い成形型スペース112における溶融ポリマー材料の抗力に起因するヒケマークという欠陥が形成される。たとえ溶融ポリマー材料が収束端部115に流込むことができたとしても、収束端部115におけるポリマー材料の圧力は、依然として広い端部114におけるポリマー材料の圧力よりも小さい。その結果、注射筒3の収束端部115における強度および寸法安定性が低い。さらに悪いことに、圧力が低いため、得られた、収束端部115に対応する注射筒3の一部は、針2を堅固に保持することができない。
【0007】
加えて、コア部材13は、単一のゲート113を介して成形型スペース112に注入されたポリマー材料によりオフセットされ、成形型スペース112の長手軸に対して傾斜することになる。
【0008】
さらに、アーム141の接触面の材料は、圧縮解除後に元の形状を回復するような可撓性を有していない。また、その材料は、高圧および高温に対する十分な耐久性を有していない。また、接触面の材料を正確に成形し、アームに適合させることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
したがって、本発明は、従来技術における限界および欠点により生じた問題のうち1つ以上を防ぐことを実質的に意図している、注射器容器を製造するための成形型組立体および方法に関する。
【0010】
本発明の一つの目的は、溶融ポリマー材料が注入される前後に、套管の長手軸を注射筒の長手軸と一致させることができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、締め具が磨耗され、締め精度に影響を与えることを避けることができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、成形工程において套管が締め具により曲げられたり損傷されたりすることを避けることができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、注射器容器の接合部における強度および寸法安定性を向上させることができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、接合部が注射器容器の套管を堅固に保持することを容易にすることができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、コアの長手軸を成形型キャビティの長手軸と一致させた状態を維持することができる成形型組立体および/または方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、成形型組立体および/または方法に用いられる締め具の材料を提供することである。締め具の材料は、以下の特性、すなわち、圧縮解除後に元の形状を回復するような可撓性、高圧高温に対する耐久性、正確に成形する可能性、低い熱膨張性、套管の表面の損傷を防ぐ高弾性、および非付着性を有する。
【0017】
これらの目的は、請求項1により定義された成形型組立体および請求項11により定義された方法によって達成される。従属請求項は、成形型組立体および方法の好ましいまたは有利な実施形態を定義する。
【0018】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明に記載され、その一部分は説明から明らかになるかまたは本発明の実施によって認識し得る。本発明の目的および利点は、特に明細書および特許請求の範囲に記載され、添付の図面に示される構造によって実現および達成されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらのおよび他の利点を達成するために、具現化され広く説明された本発明の目的によれば、注射器容器を製造するための成形型組立体は、第1セットと、第1セットとの間に成形型キャビティを画定するために、第1セットに当接するまで移動可能な第2セットと、成形型キャビティ内に位置するコアと、套管を保持するための第1締め具および第2締め具とを含み、第1および第2締め具が、それぞれ第1および第2セットに固定されることを特徴とする。
【0020】
本発明の別の局面は、成形型組立体を用いて注射器容器を製造する方法に関する。この方法は、套管の一端をコアのポート内に配置するステップと、第1および第2セットを移動するステップと、ポリマー材料を成形型キャビティに注入するステップと、第1および第2セットをコアから引離すステップと、注射器容器をコアから取外すステップとを含み、第1および第2セットが移動して互いに当接するときに、第1および第2締め具が、套管を保持するように機能することを特徴とする。
【0021】
これらの好ましい実施形態は、套管の長手軸を注射筒の長手軸と一致させることができ、締め具が磨耗され、締め精度に影響を与えることを避けることができ、套管が締め具により損傷されることを避けることができる。
【0022】
また、成形型キャビティは、コアの長手軸に沿って、接合部に対応する係合キャビティと環状部に対応するボアキャビティとを含む。第1セットには、係合キャビティに開口する第1ゲートが形成される。この好ましい実施形態は、注射器容器の接合部における強度および寸法安定性を向上させ、接合部が注射器容器の套管を堅固に保持することを容易にすることができる。
【0023】
さらに、第2セットには、係合キャビティに開口する第2ゲートが形成される。第1ゲートと第2ゲートとは、コアの長手軸を中心として対称である。
【0024】
ポリマー材料は、套管の一端および/またはコアの、ポートが形成されている一端を収容する成形型キャビティの一部を通して、成形型キャビティに注入される。
【0025】
ポリマー材料は、成形型キャビティの一部に開口しかつコアの長手軸を中心として対称である第1ゲートおよび第2ゲートを通して、成形型キャビティに注入される。
【0026】
第1ゲートと第2ゲートとは、それぞれ第1セットと第2セットとの中に形成される。
係合キャビティの一部とボアキャビティの一部とは、第1セット内に形成され、係合キャビティの他部とボアキャビティの他部とは、第2セット内に形成される。
【0027】
コアの両側から溶融ポリマー材料を成形型キャビティに流込み、コアの両側の圧力が同じであるため、これらの好ましい実施形態は、コアの長手軸を成形型キャビティの長手軸と一致させた状態を維持することができる。
【0028】
別の好ましい特徴として、第1締め具と第2締め具は、プラスチック材料から製造される。この締め具用の特殊材料は、以下の特性、すなわち、圧縮解除後に元の形状を回復するような可撓性、高圧高温に対する耐久性、正確に成形する可能性、低い熱膨張性、套管の表面の損傷を防ぐ高弾性、および非付着性を有する。
【0029】
好ましくは、第1セットは、第1メインブロックと第1サブブロックとをさらに含む。第2セットは、第2メインブロックと第2サブブロックとをさらに含む。ボアキャビティは、第1メインブロックと第2メインブロックとの間に形成される。係合キャビティは、第1サブブロックと第2サブブロックとの間に形成される。
【0030】
第1セットは、2つの第1サブブロックを含む。第2セットは、2つの第2サブブロックを含む。第1ゲートは、第1サブブロックの間に形成される。第2ゲートは、第2サブブロックの間に形成される。
【0031】
第1締め具には、第1スロットが形成され、套管の一部は、第1スロットで第1締め具に当接する。
【0032】
第1セットには、第1スロットを成形型キャビティと連通させる第1トラフが形成される。
【0033】
コアは、その一端にポートが形成される。套管の一端は、ポート内に配置され、套管の他端は、成形型組立体の外側に位置する。
【0034】
理解すべきことは、前述の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方が、例示的かつ説明的なものであり、請求項に記載の本発明のさらなる非限定的な説明を提供することを意図していることである。
【0035】
本発明のさらなる理解を提供するように含まれ、明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来の組立て済みインサート成形型を示す断面図である。
【
図2】本発明に係る成形型組立体および方法により製造された組立て済み注射器容器を示す断面図である。
【
図3】本発明に係る組立て済み成形型組立体の開放位置を示す斜視図である。
【
図4】
図3の成形型組立体の第1セットを示す分解斜視図である。
【
図5】閉合位置にある本発明に係る組立て済み成形型組立体の、コアの長手軸を通る水平面に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明の詳細な説明
注射器容器
図2に示すように、本発明の注射器容器5は、中空套管51と、実質的に円筒状の注射筒52とを含んでもよい。套管51は、たとえば金属から製造され、鈍端511と、鋭端512と、鈍端511と鋭端512との間にある中間部513と、鈍端511から鋭端512までの套管51を貫通する通路514とを有してもよい。
【0038】
注射筒52は、たとえばポリマー材料から形成された壁521と、壁521によって画定されたチャンバ522とを含んでもよい。注射筒52は、側面図で、広い末端523と、狭い末端524と、広い末端523において壁521によって画定された開口部525と、広い末端523の近くにある環状部526と、開口部525と反対側にある環状部526の他端から狭い末端524まで延在する接合部527とを有してもよい。接合部527は、それぞれ異なる直径を有する複数の段差部分を有してもよい。
【0039】
套管51の鈍端511が注射筒52のチャンバ522内に配置され、套管51の鈍端511の近くにある部分が注射筒52の接合部527により堅固に固定され、鋭端512が注射筒52の外側に位置し、套管の通路514が注射筒52のチャンバ522に連通するように、注射筒52を套管51の一部の周りに成形してもよい。套管51の長手軸515は、注射筒52の長手軸528と一致するまたは一直線になる。
【0040】
成形型組立体
図3に示すように、本発明の注射器容器5を製造するための成形型組立体6は、ベース60と、ベース60に対して可動である第1セット61と、第1セット61に堅固に固定された第1締め具64と、ベース60に対して可動である第2セット65と、第2セット65に堅固に固定された第2締め具68と、ベース60に堅固に固定され、かつ、第1セット61と第2セット65との間に設けられたピン状のコア69とを含んでもよい。
【0041】
コア69の外側輪郭は、注射筒52の内側輪郭に対応する。コア69は、たとえば金属から製造され、ベース60と反対側の一端においてテーパ形状の受入ポート691を形成してもよい。
【0042】
図3、
図4および
図5に示すように、第1セット61は、第1メインブロック62と、第1メインブロック62に堅固に固定された2つの第1サブブロック63とをさらに含んでもよい。第1メインブロック62は、たとえば金属から製造される。第1メインブロック62には、その長手方向がコア69の長手軸692に平行である第1ボアキャビティ621と、コア69のポート691の近くにある第1ボアキャビティ621に開口する第1凹部622とが形成されてもよい。第1ボアキャビティ621の内側輪郭は、注射筒52の環状部526の外側輪郭の半分に対応する。
【0043】
第1サブブロック63は、たとえば金属から製造される。第1サブブロック63の各々には、第1係合キャビティ半分631と、第1ボアキャビティ621の近くにおいて第1係合キャビティ半分631に連通する第1ランナ半分632と、第1係合キャビティ半分631の他端において第1係合キャビティ半分に連通する第1トラフ半分633と、第1トラフ半分633の他端において第1トラフ半分に連通する第1レセプタクル半分634とが形成されてもよい。第1係合キャビティ半分631の内側輪郭は、長手方向に沿って切断された注射筒52の接合部527の外側輪郭の四分の一に対応する。2つの第1サブブロック63の構造は、面対称の関係にあってもよい。2つの第1サブブロック63が第1凹部622に取付けられ第1メインブロック62に堅固に固定されると、2つの第1ランナ半分632は、2つの第1サブブロック63の間のランナ632を構成する。また、2つの第1係合キャビティ半分631は、第1ボアキャビティ621に開口する第1係合キャビティ631を構成する。第1ランナ632と第1係合キャビティ631とが接続している箇所は、第1ランナ632を第1係合キャビティ631と連通させるための第1ゲート635を形成する。2つの第1トラフ半分633と2つの第1レセプタクル半分634とは、それぞれ第1トラフ633と第1レセプタクル634とを構成する。第1係合キャビティ631と第1ボアキャビティ621は、第1成形型キャビティを構成する。代替的には、2つの第1サブブロック63は、一体部材になるように形成されてもよい。同様に、2つの第2サブブロック67は、一体部材になるように形成されてもよい。
【0044】
第1締め具64は、第1スロット641を有するように形成されてもよい。第1締め具64は、第1レセプタクル634に収容され、第1スロット641が第1トラフ633と整列されるように2つの第1サブブロック63に堅固に固定される。換言すれば、第1締め具64は、第1サブブロック63または第1セット61に内設されてもよい。第1締め具64は、プラスチック材料から製造される。この締め具用の特殊材料は、以下の特性、すなわち、圧縮解除後に元の形状を回復するような可撓性、高圧高温に対する耐久性、正確に成形する可能性、低い熱膨張性、套管の表面の損傷を防ぐ高弾性、および非付着性を有する。
【0045】
第1セット61と第2セット65とは、それらの間にある仮想分割面7を中心として対称であってもよい。コア69の長手軸692は、仮想分割面7に位置してもよい。よって、第2セット65は、第2メインブロック66と、2つの第2サブブロック67とを含んでもよい。第2メインブロック66は、第2ボアキャビティ661と第2凹部662とを有するように形成されてもよい。第2サブブロック67の各々は、第2係合キャビティ671と、第2ランナ672と、第2トラフ673と、第2レセプタクル674と、第2ゲート675とを有するように形成してもよい。また、第2締め具68は、第2スロット681を有するように形成されてもよい。
【0046】
第1ゲート635と第2ゲート675とは、それぞれ異なる段差部分において第1係合キャビティ631と第2係合キャビティ671とに連通してもよい。しかしながら、好ましくは、第1ゲート635と第2ゲート675とは、コア69の長手軸692を中心として対称である。
【0047】
工程
本発明の注射器容器5を製造する方法は、以下のステップを含んでもよい。まず、自動化システム(図示せず)のアームエンドは、套管51を搬送し、套管51の長手軸515がコア69の長手軸692と実質的に一致するように、鈍端511をコア69のポート691内に配置する。
【0048】
次に、射出成形機(図示せず)は、第1メインブロック62と第2メインブロック66とを作動させ、コア69に向かって移動する。上述したように、第1および第2サブブロック63,67は、それぞれ第1および第2メインブロック62,66に固定され、第1および第2締め具64,68は、それぞれ第1および第2サブブロック63,67に固定されている。したがって、第1メインブロック62が第2メインブロック66に当接するとき、第1サブブロック63も第2サブブロック67に当接し、成形型組立体6の閉合位置および第1セット61と第2セット65との間にある仮想分割面7を画定する。閉合位置において、第1ボアキャビティ621と第2ボアキャビティ661とは、ボアキャビティを構成し、第1係合キャビティ631と第2係合キャビティ671とは、係合キャビティを構成し、第1トラフ633と第2トラフ673とは、トラフを構成している。さらに、係合キャビティとボアキャビティとは、コア69が位置する成形型キャビティを構成する。
【0049】
閉合位置において、第1締め具64は、第2締め具68に当接してもしなくてもよいが、第1および第2締め具64,68は、套管51の長手軸515がボアキャビティと係合キャビティとの長手軸に一致するように、第1および第2スロット641,681内の套管51の中間部513を適切な力で締める。鈍端511は、係合キャビティ内に位置している。鋭端512は、第1および第2締め具64,68から外側に突出している。第1および第2サブブロック63,67が套管51をほとんど締めないように、第1および第2トラフ633,673の内径を第1および第2スロット641,681の内径より少し大きくしてもよい。
【0050】
第1および第2締め具64,68が套管51を保持した後、アームエンドは、套管51の長手軸515とコア69の長手軸692と成形型キャビティの長手軸とが一致するように、套管51を解放する。次いで、第1ランナ632および第2ランナ672を介して、次に、第1ゲート635および第2ゲート675を介して、溶融ポリマー材料を空の係合キャビティとボアキャビティに注入する。成形型キャビティ内のポリマー材料をほぼ固化状態に冷却すると、第1セット61および第2セット65を分割面7に沿って引離し、成形型組立体6の開放位置を画定する。その後、得られた注射器容器5をコア69から取出す。
【0051】
本発明は、特定の実施形態をもって開示されている。本発明から逸脱することなく、開示した構造およびステップに対して多くの変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に属する、このようなすべての変形および変更を包含することを意図する。