特許第5792901号(P5792901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792901ウェブベースの音楽パートナーシステムおよびその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792901
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ウェブベースの音楽パートナーシステムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20150928BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】21
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2014-521830(P2014-521830)
(86)(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公表番号】特表2014-521185(P2014-521185A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2012047620
(87)【国際公開番号】WO2013013160
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】61/509,939
(32)【優先日】2011年7月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ケイト・モロニー−エグネイショス
(72)【発明者】
【氏名】ロン・キューパー
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・アンダーソン
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0117759(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0051785(KR,A)
【文献】 特表2009−515256(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/111208(WO,A1)
【文献】 特開2004−005321(JP,A)
【文献】 特開2003−263157(JP,A)
【文献】 特表2004−506983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサおよびメモリを含むウェブベースのメディアコンテンツ開発プラットフォームを備えるシステムであって、開発プラットフォームは、
プロバイダのメディアコンテンツをコンテンツ配信プラットフォームに統合するためのインタフェースを提供し、
発プラットフォームと併せてテストツールおよびアプリケーションプログラミングインタフェースを提供することにより、メディアコンテンツのセルフテストを促進し、
セルフテストの完了後、プロバイダの申請であって、当該メディアコンテンツに関するモニタ用ベータ版テストについての申請を承認するか又は拒絶するかのためのレビューを行い、
申請が拒絶される場合には、当該申請を修正のためにプロバイダに戻し、
申請が承認される場合には、
モニタ用ベータ版テストのためにメディアコンテンツをあるグループのユーザに提供し
メディアコンテンツを開放するため、モニタ用ベータ版テストの評価を行い、メディアコンテンツの安定性を確かめ
コンテンツ配信プラットフォームを介して、メディアコンテンツを一般利用に供するための開放を可能にする、システム。
【請求項2】
開発プラットフォームは、メディアコンテンツのセルフテストおよびベータ版テストのうちの少なくとも1つに基づいてプロバイダにフィードバックを提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
開発プラットフォームは、アプリケーションプログラミングインタフェースに加えて技術文書を提供し、プロバイダによるメディアコンテンツの構成を促進する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ベータ版テストにおけるメディアコンテンツは、ユーザのグループによるアクセスのためにライブラリに配置され、ベータ版コンテンツとしてフラッグされ、ベータ版テストが成功して完了した場合には、フラッグは取り除かれ、メディアコンテンツは一般利用のために音楽ライブラリ内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
開発プラットフォームは、プロバイダによるダウンロードのためにテスト計画を提供することにより、セルフテストを促進する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
開発プラットフォームは、セルフテストの完了後に1つ以上のプログラム提出基準に照らしてメディアコンテンツを自動的に評価することにより、申請をレビューする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
プロバイダのメディアコンテンツをコンテンツ配信プラットフォームに統合するためのインタフェースを、ウェブベースのメディアコンテンツ開発プラットフォームを介して提供するステップ、
発プラットフォームと併せてテストツールおよびアプリケーションプログラミングインタフェースを提供することにより、メディアコンテンツのセルフテストを促進するステップ、
セルフテストの完了後、プロバイダの申請であって、当該メディアコンテンツに関するモニタ用ベータ版テストについての申請を承認するか又は拒絶するかのためのレビューを行い、
申請が拒絶される場合には、当該申請を修正のためにプロバイダに戻し、
申請が承認される場合には、
モニタ用ベータ版テストのためにメディアコンテンツをあるグループのユーザに提供するステップ、
メディアコンテンツを開放するため、モニタ用ベータ版テストの評価を行い、メディアコンテンツの安定性を確かめるステップ、
コンテンツ配信プラットフォームを介して、メディアコンテンツを一般利用に供するための開放を可能にするステップ、を含むコンピュータ実装方法。
【請求項8】
メディアコンテンツのセルフテストおよびベータ版テストのうちの少なくとも1つに基づいてプロバイダにフィードバックを提供するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
アプリケーションプログラミングインタフェースに加えて技術文書を提供し、プロバイダによるメディアコンテンツの構成を促進するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
ベータ版テストにおけるメディアコンテンツを、ユーザのグループによるアクセスのためにライブラリに配置するステップをさらに含み、そのコンテンツはベータ版コンテンツとしてフラッグされ、ベータ版テストが成功して完了した場合には、フラッグを取り除き、メディアコンテンツを一般利用のために音楽ライブラリ内に配置する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
セルフテストを促進するステップは、プロバイダによるダウンロードのためにテスト計画を提供するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
セルフテストの完了後に1つ以上のプログラム提出基準に照らしてメディアコンテンツを自動的に評価することにより、メディアコンテンツを統合するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
開発プラットフォームは、未解決のエラーの数、パートナーによる提出物の状態、エラー統計データ、性能評価、ユーザ評価、ユーザ考察、ユーザ数、ユーザによるアクティブな関与度合いを考慮することにより、メディアコンテンツのリリースの適合性を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
開発プラットフォームは、参考文書、統合ガイド、テクニカルノート、サンプルコードライブラリ、サポートリソース、FAQ、トラブルシューティングガイドのうちの少なくとも1つを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
開発プラットフォームは、再生デバイスにおけるメディアコンテンツのテストを有効化することにより、セルフテストを促進する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
開発プラットフォームは、品質保証の検証、スクリーンショットのレビュー、ベータ版テストに関する基準のレビューのうちの少なくとも1つを行うことにより、ベータ版テストのための申請のレビューを行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
モニタ用ベータ版テストを評価してメディアコンテンツのリリースの適合性を決定するステップは、未解決のエラーの数、パートナーによる提出物の状態、エラー統計データ、性能評価、ユーザ評価、ユーザ考察、ユーザ数、ユーザによるアクティブな関与度合いを考慮するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
インタフェースを提供してメディアコンテンツを統合するステップは、参考文書、統合ガイド、テクニカルノート、サンプルコードライブラリ、サポートリソース、FAQ、トラブルシューティングガイドのうちの少なくとも1つを提供するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
セルフテストを促進するステップは、再生デバイスにおけるメディアコンテンツのテストを有効化するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
ベータ版テストのために申請をレビューするステップは、品質保証の検証、スクリーンショットのレビュー、ベータ版テストに関する基準のレビューのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項21】
請求項7−12、17−20のうちのいずれか1つに記載の方法をプロセッサに実行させる、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、家電の分野で使用される技術に向けられる。特に、いくつかの実施形態は、各種コンテンツプロバイダからのマルチメディアコンテンツの構成およびそれへのアクセスの促進を目的とする。
【背景技術】
【0002】
音楽は、我々の生活の中で非常に大きな部分を占める。技術の進化により、音楽のコンテンツは以前よりもアクセスしやすくなっている。このことは、テレビや映画などの他の種類の媒体および他のオーディオ・ビデオコンテンツにも当てはまる。実際には、現在のユーザは、従来のオーディオ・ビデオコンテンツへのアクセス手段に加えて、オンラインストア、インターネットラジオステーション、オンライン音楽サービス、オンライン映画サービスなどを通じてインターネット上のコンテンツにアクセスすることができる。
【0003】
このようなオーディオ・ビデオコンテンツへの需要は高まり続けている。これが長年にわたることで、そのようなコンテンツにアクセスして再生するために使用される技術も同様に改善されている。さらには、このようなコンテンツへのアクセスおよびその再生に使用される技術は、市場又はエンドユーザが予期しない方法で大幅に改善又は開発されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示技術の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関してより良く理解される。
図1】いくつかの実施形態が実施され得る構成の例を示す図
図2A】内蔵アンプとスピーカを備える例示的なゾーンプレーヤーを示す図
図2B】内蔵アンプを備えるとともに外部スピーカーに接続された例示的なゾーンプレーヤーを示す図
図2C】A/V受信機およびスピーカーに接続された例示的なゾーンプレーヤーを示す図
図3】例示的なコントローラを示す図
図4】例示的なゾーンプレーヤーの内部機能ブロック図
図5】例示的なコントローラの内部機能ブロック図
図6】分散型の通信、構成および制御構造に従って動作するネットワークオーディオシステムの例を示す図
図7】コンテンツパートナーがコンテンツにアクセスし、コンテンツを検証し、コンテンツをテストし、およびコンテンツをユーザへ提供するための例示的なプロセスに関するフロー図
図8】マルチメディアコンテンツ開発者とマルチメディアコンテンツプラットフォーム/サービスとの間の例示的な統合プロセスに関するフロー図
図9A】新たなコンテンツのベータ版テストおよび一般利用を促進するコントローラインタフェースの例を示す図
図9B】新たなコンテンツのベータ版テストおよび一般利用を促進するコントローラインタフェースの例を示す図
図10】新たなコンテンツサービスの開発、統合、ベータ版および開始のための例示的な機能横断型のワークフローに関するフロー図
図11】例示的な統合テストシステムおよび関連するプロセスフローを示す図
図12】コンテンツサービスのオープンベータ版テストのためのインフラストラクチャの例を示す図
図13】音楽サービス性能フィードバックダッシュボードの例を示す図
図14】認証サービスの例を示す図
図15】音楽システムによる音楽サービスへの統合の例を示す図
図16】コンテンツ再生のための例示的なシステムおよびシーケンス図
図17】音楽サービスと再生デバイスの間の交信の例を示す図
図18】音楽サービスと再生デバイスの間の交信の例を示す図
図19】本明細書に記載のシステム、装置、製造品および方法を実施するために使用され得る例示的なプロセッサシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0005】
(関連出願の参照)
本願は、2011年7月20日に出願された米国仮特許出願61/509939号に関連するとともに、それに基づく優先権を主張するものであり、その内容は参照することにより、本明細書に全体的に組み込まれる。
【0006】
さらに、図面は、いくつかの実施形態を説明することを目的としているが、発明は、図面に示した配置および手段に限定されるものではない。
【0007】
I.概要
本明細書に記載の例示的な実施形態は、新たなパートナーコンテンツサービス、コンテンツアクセスおよび再生システムの統合に関する。本実施形態は、クラウド上のより遠くのメディアソースからハイファイ再生システムへデジタルメディアを提供するシンプルな機構およびプロセスとしてのメディアプロバイダなどのパートナーコンテンツサービスに特に有用である。いくつかの例における実施形態によれば、コンテンツサービスは、接続される再生システムにクラウドを介して利用可能となることを、従来と比べて60%ほど早くすることができる。いくつかの例における実施形態によれば、再生システムのユーザは、開発およびテストの段階におけるコンテンツサービスへ早くアクセスすることができる。さらに、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、クラウド上にて様々な方法により配置され得るオーディオへの多くのアクセスを提供するので、本実施形態は再生デバイスと協働して使用される場合に特に有用である。本実施形態は例えば、各種メディアコンテンツの開発、テスト、認証および展開に柔軟性が望まれる任意の環境およびシステムとともに用いられる際にも有用である。
【0008】
以下において、コンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含む、例示的な方法、装置、システムおよび製品を開示するが、これらは単なる例示であってこれらに限定されるものではない。例えば、ファームウェア、ハードウェアおよび/又はソフトウェアのコンポーネントのいずれか又はその全てが、ハードウェア単独で、ソフトウェア単独で、ファームウェア単独で、および/又はハードウェア、ソフトウェアおよび/又はファームウェアの任意の組み合わせで具現化される。したがって、以下では、例示的な方法、装置、システム、および/又は製品を記述するが、これらの例は、このような方法、装置、システム、および/又は製品を実施するための唯一の方法ではない。
【0009】
特許請求の範囲の請求項がソフトウェアおよび/又はファームウェアの実施を純粋にカバーするように読めるときには、少なくとも1つの例における少なくとも1つの要素が、本明細書にて、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを格納するメモリ、DVD、CD、ブルーレイなどの有形媒体を含むように明示的に定義される。
【0010】
これらの実施形態および多くの付加的な実施形態が以降に記載されている。さらに、発明の詳細な説明は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、およびネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に似た他の記号表現に関して主として提示される。これらのプロセスの記載および表現が一般的に当業者によって使用されることで、それらの仕事の内容が他の当業者に最も効果的に伝えられる。多数の特定の詳細が本開示の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、当業者は、本発明のいくつかの実施形態がある種の特定の詳細なしに実施できることを理解する。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が簡略化して説明され、不必要に実施形態の態様を不明瞭にすることを避けている。
【0011】
本明細書での「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書における様々な部分でのこのフレーズの使用は、同じ実施形態を必ずしも言及しておらず、また、他の実施形態と互いに排他的な別個の又は代替的な実施形態でもない。このように、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせてもよいことが、明示的および暗示的に当業者によって理解される。
【0012】
II.例示的な環境
図面の全体を通して同様のパーツに対しては、同様の符号を用いる。図1は、例示的なシステム構成100を示し、このシステム構成100において、本明細書に記載の1つ以上の実施形態が実施される。
【0013】
システム構成100が、複数のゾーンを有する家庭に用いられた場合を、例示的に示すが、1つのゾーンのみを有する家庭であってもよい。それぞれのゾーンは例えば、オフィス、浴室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、ファミリールーム、ホームシアタールーム、ユーティリティ又はランドリールーム、パティオなどの異なる部屋又はスペースを表す。そのように構成される場合には、1つのゾーンが複数の部屋やスペースを占めるものであっても良い。各ゾーンに1つ以上のゾーンプレーヤー102―124が示されている。ゾーンプレーヤー102―124は、再生デバイス、マルチメディアユニット、スピーカなどで構成され、それぞれ、オーディオ、ビデオ、および/又はオーディオビジュアルの出力を行う。コントローラ130(ここでは例示的にキッチンに設けられている)は、システム構成100の制御を行う。コントローラ130は、1つのゾーンに固定されてもよく、あるいは複数のゾーンで移動可能な可動式であってもよい。システム100は、複数のコントローラ130を備えてもよい。システム構成100は、例示的なハウスオーディオシステム全体を表すが、本明細書に記載の技術は、これらの特定の場所への用途に限定されず、又は図1のハウスオーディオシステム100全体のような広範囲のシステムにも限定されない。
【0014】
a.例示的なゾーンプレーヤー
図2A図2B図2Cは、ゾーンプレーヤー200の例示的なタイプを示す。図2A図2B図2Cのゾーンプレーヤー200、202、204のそれぞれは、図1のゾーンプレーヤー102―124のいずれにも対応するものである。いくつかの実施形態では、オーディオは、フルレンジプレーヤーなどの単一のゾーンプレーヤーを用いて再現される。いくつかの実施形態では、オーディオは、複数のフルレンジプレーヤーの組み合わせ又はフルレンジプレーヤーと特化型プレーヤーの組み合わせなど、2つ以上のゾーンプレーヤーを用いて再現される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200−204は、オーディオの再現を超える処理能力を有することで「スマートスピーカー」と称される場合があり、この詳細は以下で説明する。
【0015】
図2Aは、フルレンジ音声を再現可能な音声生成機器208を備えるゾーンプレーヤー200を示す。ここでの音声は、無線又は有線のデータネットワークを介してゾーンプレーヤー200によって受信され処理されるオーディオ信号から生じるものであってもよい。音声生成機器208は、1つ以上の内蔵アンプと1つ以上のスピーカーとを備える。内蔵アンプは、図4を参照して以下で詳細に説明される。スピーカー又は音響変換器は、例えば、ツイーター、ミッドレンジドライバ、ローレンジドライバおよびサブウーファーのうちの任意のものを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200は、ステレオオーディオ、モノラルオーディオ又はその両方を再生するように静的又は動的に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200は、ステレオオーディオ、モノラルオーディオおよび/又はサラウンドオーディオを再生するように他のゾーンプレーヤーとグループ化されるとき、あるいはゾーンプレーヤー200によって受信されるオーディオコンテンツがフルレンジよりも低いときなどに、フルレンジ音声のサブセットを再現するように構成される。
【0016】
図2Bは、分離したスピーカー210のセットを起動するための内蔵アンプを備えるゾーンプレーヤー202を示す。分離したスピーカーは、例えば、任意のタイプのラウドスピーカーを有してもよい。ゾーンプレーヤー202は、1つ、2つ又はそれより多い別々のラウドスピーカーを起動するように構成されてもよい。ゾーンプレーヤー202は、有線パスを介してオーディオ信号(例えば、左側および右側のチャネルオーディオ又はそれらの設定に依存するより多くのチャネル)を、分離したスピーカー210に通信するよう構成されてもよい。
【0017】
図2Cは、内蔵アンプを含まないが、データネットワークを介して受信されたオーディオ信号を内蔵アンプを有するオーディオ(又は「オーディオ/ビデオ」)受信機214へ通信するよう構成されたゾーンプレーヤー204を示す。
【0018】
図1に戻ると、いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102―124のうちの1つ、いくつか、又は全てがソースから直接的にオーディオを取得することができる。例えば、ゾーンプレーヤーは、再生されるべきオーディオ項目のプレイリスト又は待ち行列を含んでもよい(「再生待ち行列」とも称される)。待ち行列内のそれぞれの項目は、統一資源識別子(URI)又はいくつかの他の識別子を含んでもよい。URI又は識別子は、ゾーンプレーヤーをオーディオソースに指定することができる。ソースは、インターネット(例えば、クラウド)上で、データネットワーク128を介して別のデバイスからローカルに、コントローラ130から(詳細は後述)、ゾーンプレーヤー自体に保存されている、又はゾーンプレーヤーに直接的に通信するオーディオソースから、見つけられてもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、オーディオ自体を再現し、オーディオ自体を再現のために別のゾーンプレーヤーに送信し、又はその両方を行うことで、そのゾーンプレーヤーと1つ以上の付加的なゾーンプレーヤーによってそのオーディオが同期して再生される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、第1のオーディオコンテンツを再生する(又は全く再生しない)一方で、第2の異なるオーディオコンテンツを再現のために別のゾーンプレーヤーに送信することができる。
【0019】
例として、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドは、「プレイ:5」、「プレイ:3」、「コネクト:アンプ」、「コネクト」および「サブ」と称されるゾーンプレーヤーを販売する。他の任意の過去の、現在のおよび/又は将来のゾーンプレーヤーを追加的又は代替的に用いて、本明細書に開示された例示的な実施形態のゾーンプレーヤーを実装することもできる。さらに、ゾーンプレーヤーは、図2A図2B図2Cに示される特定の実施形態又はソノズが提供する製品に限定されない。例えば、ゾーンプレーヤーは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。さらに別の例では、ゾーンプレーヤーは、テレビ用サウンドバーが含まれる場合があります。さらに別の例では、ゾーンプレーヤーは、アップル社のiPod(商標)又は同様のデバイス用のドッキングステーションを含む、又はそれと交信可能である。
【0020】
b.例示的なコントローラ
図3は、ドッキングステーション302に入っている例示的な無線コントローラ300を示している。例として、コントローラ300は、図1の制御デバイス130に対応し得る。ドッキングステーション302がもしあれば、コントローラ300のバッテリを充電するために使用することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ300には、タッチスクリーン304が設けられている。ユーザはタッチスクリーン304を用いて、コントローラ300と交信して、例えば、オーディオアイテムのプレイリストの読み出し操作、1つ以上のゾーンプレーヤーの制御操作、およびシステム構成100全体の制御操作を行うことができる。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御するために、任意の数のコントローラが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御することができるコントローラの数に制限が存在してもよい。コントローラは、無線コントローラ300のような無線式であっても、データネットワーク128に接続された有線式であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、システム100において複数のコントローラが使用される場合、それぞれのコントローラは、共通のコンテンツを表示するように調整されてもよく、また、その全てが単一のコントローラからの変更を示すように動的に更新されてもよい。調整は、例えば、1つ以上のゾーンプレーヤーから直接的に又は間接的に状態変数を定期的に要求するコントローラによって生じてもよい。状態変数は、現在のゾーングループ設定、1つ以上のゾーン内にて再生しているもの、音量レベルおよび関連のある他のアイテムなどのシステム100に関する情報を提供することができる。状態変数は、必要に応じて又はプログラムされる限りにおいて、複数のゾーンプレーヤー間(所望の場合にはコントローラも)にてデータネットワーク128上で渡されてもよい。
【0022】
さらに、iPhone(商標)、iPad(商標)、アンドロイド(商標)電話などの任意のネットワーク対応ポータブルデバイス上で動作するアプリケーション、又は他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス上で動作するアプリケーションを、コントローラ130として使用してもよい。ラップトップ又はデスクトップのPC又はMac(商標)上で動作するアプリケーションをコントローラ130として使用しても良い。このようなコントローラは、データネットワーク128へのインタフェース、ゾーンプレーヤー、無線ルータ又は他の構成された接続パスを通じてシステム100に接続してもよい。カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって提供されるコントローラの例には、「コントローラ200」、「ソノズ(登録商標)・コントロール」、「ソノズ(登録商標)・iPhone(商標)用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)・iPad(商標)用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)・アンドロイド(商標)用コントローラ」および「ソノズ(登録商標)・Mac(商標)又はPC用コントローラ」が含まれる。
【0023】
c.例示的なデータ接続
図1のゾーンプレーヤー102−124は、データネットワーク128などのデータネットワークに直接的又は間接的に接続されている。コントローラ130も、データネットワーク128又は個々のゾーンプレーヤーに直接的又は間接的に接続されてよい。データネットワーク128は、他の代表的な構成要素から目立つように図中では八角形で表されている。データネットワーク128は単一の場所に示されているが、このようなネットワークは、システム100内およびその周囲に分配されてもよい。特に、データネットワーク128は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、独自(proprietary)のメッシュネットワークに基づいてデータネットワーク128に無線で接続されている。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、非メッシュトポロジーを用いてデータネットワーク128に無線で接続されている。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、イーサネット(登録商標)又は類似の技術を用いてデータネットワーク128に有線で接続されている。1つ以上のゾーンプレーヤー102―124がデータネットワーク128に接続することに加えて、データネットワーク128によってインターネットなどの広域ネットワークへのアクセスが可能であっても良い。
【0024】
いくつかの実施形態では、任意のゾーンプレーヤー102―124又はいくつかの他の接続デバイスをブロードバンドルータに接続することによって、データネットワーク128を作成してもよい。このとき、他のゾーンプレーヤー102―124をさらにデータネットワーク128に有線又は無線で接続してもよい。例えば、ゾーンプレーヤー(例えば、任意のゾーンプレーヤー102−124)は、単にゾーンプレーヤー自体のボタンを押すことによって、システム構成100に追加してもよく、これにより、データネットワーク128への接続が可能となる。ブロードバンドルータは、例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に接続することができる。ブロードバンドルータは、他の用途(例えば、ウェブサーフィン)に使用され得るシステム構成100内の別のデータネットワークを形成するために使用されてもよい。データネットワーク128は、そのようにプログラムされる場合には他の用途に使用されてもよい。例示的な第2のネットワークは、サンタバーバラにあるソノズ・インコーポレイテッドによって開発されたソノズネット(商標)プロトコルを実装してもよい。ソノズネット(商標)は、安全で、AESで暗号化された、ピアツーピアの無線メッシュネットワークを表す。あるいは、いくつかの実施形態において、データネットワーク128は、家庭内の他の用途に使用される従来の有線又は無線のネットワークなどの同一のネットワークである。
【0025】
d.例示的なゾーン構成
特定のゾーンは、2つ以上のゾーンプレーヤーを含んでもよい。例えば、図1のファミリールームは、2つのゾーンプレーヤー106、108を含み、キッチンには1つのゾーンプレーヤー102が示されている。別の例では、ホームシアタールームは、5.1以上のチャネルのオーディオソースからのオーディオ(例えば、5.1以上のオーディオチャネルにてエンコードされたムービー)を再生する付加的なゾーンプレーヤーを有する。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーを部屋又はスペースに配置するとともに、コントローラ130を介してそのゾーンプレーヤーを新たな又は既存のゾーンに割り当てることができる。このように、ゾーンは、所望の場合には、又は、コントローラ130によりそのようにプログラムされている場合には、生成され、別のゾーンと組み合わされ、取り除かれ、特定の名前(例えば、「台所」)が与えられてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ゾーン構成は、コントローラ130又は他の機構を用いて構成された後であっても動的に変化してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つのゾーンが、ファミリールームにおける2つのゾーンプレーヤー106、108のような2つ以上のゾーンプレーヤーを含む場合には、例えば、2つのゾーンプレーヤー106、108が同期して同じオーディオソースを再生するように構成されるか、あるいは、左右のチャネルにおいて2つの別々の音声を再生するようにペアであってもよい。換言すれば、音声のステレオ効果は、1つは左側の音声に対応しもう1つは右側の音声に対応する2つのゾーンプレーヤー106、108を通じて再現又は増強することができる。いくつかの実施形態では、ペアになったゾーンプレーヤー(「結合されたゾーンプレーヤー」とも称する)が、同一の又は異なるゾーンにおける他のゾーンプレーヤーと同期してオーディオを再生することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーが、単一の統合ゾーンプレーヤーを形成するように音響的に統合されてもよい。(複数の別々のデバイスで構成されている)統合ゾーンプレーヤーは、非統合のゾーンプレーヤーやペアになっているゾーンプレーヤーとは異なる音声を処理および再現するように構成されてもよい。その理由は、統合ゾーンプレーヤーが、音声を通す付加的なスピーカードライバを持つためである。統合ゾーンプレーヤーはさらに、単一のゾーンプレーヤーや別の統合ゾーンプレーヤーとペアリングすることができる。統合された再生デバイスにおけるそれぞれの再生デバイスは、例えば、統合モードに設定することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、例えば、所望の構成が完了するまで、ゾーンプレーヤーのグループ化、統合およびペアリングのうちの任意の操作を実行し続けることができる。グループ化、統合およびペアリングの動作は、例えば、異なる構成を生成するようにスピーカ線を個々の別々のスピーカに物理的に接続および再接続するのではなく、コントローラ130などを使用することにより制御インタフェースを介して行われることが好ましい。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、エンドユーザに対して音声再現を提供可能な、より柔軟で動的なプラットフォームを提供している。
【0029】
e.例示的なオーディオソース
いくつかの実施形態では、それぞれのゾーンは、別のゾーンと同じオーディオソースから再生を行ってもよく、又は、異なるオーディオソースから再生を行ってもよい。例えば、誰かがパティオでグリルしながらゾーンプレーヤー124を通じてジャズ音楽を聞いている一方で、誰かはキッチンで料理を準備しながらゾーンプレーヤー102を通じてクラシック音楽を聞くこともできる。さらに誰かがパティオでゾーンプレーヤー124を通じて再生されているものと同じジャズ音楽をオフィスにてゾーンプレーヤー110を通じて聞くこともできる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー110、124を通じて再生されるジャズ音楽が同期して再生される。複数のゾーンにわたって再生を同期することで、オーディオを途切れなく聞きながら複数のゾーンを通過することができる。さらに、関連する全てのゾーンが同期してオーディオを再生するように、ゾーンを「パーティーモード」としてもよい。
【0030】
ゾーンプレーヤー102−124によって再生されるオーディオコンテンツの供給源は多数ある。コンピュータ又はネットワーク接続ストレージ(NAS)に保存された個人のライブラリにある音楽が、データネットワーク128を介してアクセスされ、再生することができる。インターネットラジオステーション、番組、ポッドキャストは、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。ユーザストリームや音楽およびオーディオコンテンツのダウンロードを提供する音楽サービスには、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。さらに、音楽は例えば、ゾーンプレーヤーへのラインイン接続を介して、ターンテーブル又はCDプレ−ヤーなどの従来の供給源から得ることができる。オーディオコンテンツもまた、例えば、アップル社のAirPlay(商標)無線技術を介してアクセスすることができる。1つ以上の供給源から受信されたオーディオコンテンツは、データネットワーク128およびコントローラ130を介してゾーンプレーヤー102ー124の間で共有されてもよい。音声コンテンツの上に開示したソースは、ネットワークベースの音声情報源と呼ぶ。しかし、ネットワークベースのオーディオ情報ソースはこれに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態では、例えば、ホームシアターゾーンプレーヤー116 、 118 、 120は、テレビ132などのオーディオ情報ソースに接続されている。他の例では、テレビジョン132からの音声情報には、ゾーンプレーヤー102ー124のいずれかと共有することができ、一方いくつかの例では、テレビジョン132は、ホームシアターゾーンプレーヤー116 、 118 、 120のオーディオのソースとして使用されオーディオシステム100 。
【0032】
III.例示的なゾーンプレーヤー
図4を参照すると、1つの例示的な実施形態に係るゾーンプレーヤー400の例示的な機能ブロック図が示されている。ゾーンプレーヤー400は、ネットワークインタフェース402、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、1つ以上のモジュール414、オーディオアンプ416およびオーディオアンプ416に接続されたスピーカーユニット418を含む。図2Aは、このようなゾーンプレーヤーの例示的な図である。ゾーンプレーヤーの他の種類は、スピーカーユニット418(例えば、図2B)又はオーディオアンプ416(例えば、図2C)を含まなくてもよい。また、ゾーンプレーヤー400は、別のコンポーネントに統合されてもよい。例えば、ゾーンプレーヤー400は、屋内又は屋外の使用のためのテレビ、照明又は他のデバイスの一部として構成することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、データネットワーク128上におけるゾーンプレーヤー400および他のデバイスの間のデータフローを促進する。いくつかの実施形態では、データネットワーク128上で別のゾーンプレーヤー又はデバイスからオーディオを取得することに加えて、ゾーンプレーヤー400は、広域ネットワークやローカルネットワークなどを介して直接的にオーディオソースからオーディオにアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、それぞれのパケットのアドレス部分が正しい宛先に到達するように又はゾーンプレーヤー400宛てのパケットを傍受するようにそのアドレス部分を処理することができる。したがって、いくつかの実施形態では、それぞれのパケットは、インターネットプロトコル(IP)ベースのソースアドレスおよびIPベースの宛先アドレスを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、無線インタフェース404および有線インタフェース406のうちの1つ又はその両方を含んでもよい。無線インタフェース404は、無線周波数(RF)インタフェースとも称され、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.15を含む無線規格)に従って他のデバイス(例えば、データネットワーク128に関連する他のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機およびコンポーネントなど)と無線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に応じて他のデバイスと有線で通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。無線インタフェース404は、1つ以上のラジオを含んでもよい。無線信号を受信し、その無線信号を無線インタフェース404に提供し、さらに無線信号を伝達するために、ゾーンプレーヤー400は、1つ以上のアンテナ420を含む。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に従って他のデバイスと有線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、複数の有線インタフェース406を含む。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、インタフェース404、406の両方を含む。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー400は、無線インタフェース404又は有線インタフェース406のいずれかのみを含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、プロセッサ408は、メモリ410に保存された命令に従って入力データを処理するように構成されているクロック駆動の電子デバイスである。メモリ410は、プロセッサ408によって実行されることで特定のタスクを達成可能な1つ以上のソフトウェアモジュール414が搭載されるデータ記憶装置である。例示的な実施形態では、メモリ410は、プロセッサ408によって実行可能な命令を保存した有形の機械可読媒体である。いくつかの実施形態では、タスクとは、ゾーンプレーヤー400が(例えば、ユーアールエル(URL)や他の識別子を用いて)別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスからオーディオデータを取得することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスにオーディオデータを送信することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400がオーディオの再生を1つ以上の付加的なゾーンプレーヤーと同期させることであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400を1つ以上のゾーンプレーヤーとペアリングすることで、マルチチャネルオーディオ環境を作成することであってもよい。付加的又は代替的なタスクは、1つ以上のソフトウェアモジュール414およびプロセッサ408を介して達成することができる。
【0036】
オーディオ処理コンポーネント412は、1つ以上のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント又はデジタル信号プロセッサなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント412は、プロセッサ408の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402を介して取得されたオーディオは、オーディオ処理コンポーネント210によって処理される、および/又は意図的に変更される。さらに、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログオーディオ信号を生成してもよい。処理されたアナログオーディオ信号は、スピーカー418を通じた再生のためにオーディオアンプ416に提供される。また、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログ信号又はデジタル信号を、ゾーンプレーヤー400から再生するための入力として、ネットワーク上の別のゾーンプレーヤーに送信するための入力として、又は再生および送信の両方を行うための入力として処理するための回路を含んでもよい。例示的な入力は、ラインイン接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)を含む。
【0037】
オーディオアンプ416は、1つ以上のスピーカー418を駆動するレベルまでオーディオ信号を増幅するデバイスである。1つ以上のスピーカー418には、個々の変換器(例えば、「ドライバ」)や1つ以上のドライバを内包する筐体を含んだ完全なスピーカーシステムが含まれてもよい。特定のドライバは、例えば、サブウーファー(例えば低周波用)、ミッドレンジドライバ(例えば中周波用)、およびツイーター(例えば高周波用)であってもよい。筐体は、例えば、密封され又は移植されていてもよい。各トランスデューサは、独自の個々の増幅器によって駆動することができる。
【0038】
例えば、1つの商業的な例は、現在、PLAY:5として知られており、これは、内蔵アンプとスピーカーを備えた、インターネットやローカルネットワーク上におけるソースからオーディオを直接的に回収することができるゾーンプレーヤーである。具体的には、PLAY:5は、2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバおよび1つのウーファーを含む5アンプ・5ドライバのスピーカーシステムである。PLAY:5を経由してオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左側のオーディオデータが左側のツイーターおよび左側のミッドレンジドライバから送信され、トラックの右側のオーディオデータが右側のツイーターおよび右側のミッドレンジドライバから送信され、モノラル低音がサブウーファーから送信される。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターが、同じイコライゼーション(又は実質的に同じイコライゼーション)を有する。すなわち、それらはともに、同じ周波数であるものの異なるオーディオのチャンネルから送信される。PLAY:5からは、インターネットラジオステーションやオンライン音楽・ビデオサービスからのオーディオ、ダウンロードされた音楽、アナログオーディオ入力、テレビ、DVDなどを再生することができる。
【0039】
IV.例示的なコントローラ
図5を参照すると、図1の制御デバイス130に対応し得るコントローラ500の例示的なブロック図が示されている。コントローラ500は、システム内のマルチメディアアプリケーションの制御、自動化およびその他のことを促進するために使用することができる。特に、コントローラ500は、ネットワーク上にて利用可能な複数のオーディオソースの中からの選択を容易にするとともに、無線又は有線のネットワークインタフェース508を介した1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、図1のゾーンプレーヤー102―124)の制御を可能にするように構成されている。1つの例示的な実施形態によれば、無線通信は、業界標準に基づいている(例えば、赤外線、ラジオ、あるいはIEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n又は802.15を含む無線規格など)。さらに、特定のオーディオがコントローラ500を介してアクセスされている、又はゾーンプレーヤーを経由して再生されている場合、オーディオおよび/又はオーディオソースに関連付けられている画像(例えば、アルバムアート)又は他のデータが、あるゾーンプレーヤー又は他の電子機器から、表示のためにコントローラ500へ送信されてもよい。
【0040】
コントローラ500には、画面502および入力インタフェース514が設けられており、これにより、ユーザはコントローラ500と交信し、多くのマルチメディアアイテムのプレイリストをナビゲートしたり、1つ以上のゾーンプレーヤーの動作を制御することができる。コントローラ500上の画面502は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)画面であってもよい。画面500は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)506によって制御されるスクリーンドライバ504と通信するとともに、指令を受ける。メモリ510は、1つ以上のアプリケーションモジュール512がロードされてもよい。そのアプリケーションモジュール512は、ユーザインタフェース514を介したユーザ入力の有無にかかわらず、特定のタスクを達成するようにマイクロコントローラ506によって実行可能である。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、選択された多くのゾーンプレーヤーを1つのゾーングループにグループ化すること、およびオーディオ再生のために複数のゾーンプレーヤーを同期することを促進するように構成されている。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーのオーディオ音声(例えば、ボリューム)を制御するように構成されている。動作中において、マイクロコントローラ506がアプリケーションモジュール512の1つ以上を実行するときには、スクリーンドライバ504は、画面502を特定のユーザインタフェースにアプリケーションを表示するように駆動するための制御信号を生成する。
【0041】
コントローラ500は、ゾーンプレーヤーとの無線又は有線の通信を促進するネットワークインタフェース508を含む。いくつかの実施形態では、このようなボリュームコントロールやオーディオ再生の同期化などのコマンドは、ネットワークインタフェース508を介して送信される。いくつかの実施形態では、保存されたゾーングループ設定は、ネットワークインタフェース508を介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間で通信される。コントローラ500は、図1に示す符号102−124のような1つ以上のゾーンプレーヤーを制御してもよい。特定のシステムに対して複数のコントローラがあってもよく、それぞれのコントローラは、別のコントローラと共通の情報を共有する、あるいは1つのゾーンプレーヤーが構成データ(例えば、状態変数)を保存している場合には、そのゾーンプレーヤーから共通の情報を回収してもよい。また、コントローラは、ゾーンプレーヤーに組み込まれてもよい。
【0042】
なお、iPhone(商標)やiPad(商標)のような他のネットワーク対応デバイスや、他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス(例えば、PCやMacなどのネットワーク化されたコンピュータなど)を、特定の環境内におけるゾーンプレーヤーと交信又は制御するためのコントローラとして使用することができる。いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアアプリケーション又はアップグレードを、本明細書に記載の機能を実行するためにネットワーク対応デバイス上にダウンロードしてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、ユーザは、コントローラ500から少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループ(結合ゾーンとも称する)を作成することができる。ゾーングループ内のゾーンプレーヤーを同期させて、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーの全てが、遅れや中断が聞こえないような方法により同一のオーディオソース又は同一のオーディオソースのリストを再生するようにオーディオを再生させてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、ユーザがコントローラ500からグループの音量を増大させると、グループの音量を増大させる信号又はデータがゾーンプレーヤーのうちのいずれか1つに送信されて、グループ内の他のゾーンプレーヤーのボリュームをともに増加させる。
【0044】
ユーザは、コントローラ500を介して、「ゾーンのリンク」又は「ゾーンの追加」のソフトボタンを作動させることによって、ゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することができ、又は、「ゾーンのリンク解除」又は「ゾーンのドロップ」のボタンを作動させることによって、ゾーングループのグループ化の解除を行うことができる。例えば、オーディオ再生に関してゾーンプレーヤーをともに「参加」させるための1つのメカニズムは、グループを形成するように多くのゾーンプレーヤーをともにリンクすることである。多くのゾーンプレーヤーをともにリンクするには、ユーザが手動でそれぞれのゾーンプレーヤーや部屋を順にリンクするようにしてもよい。例えば、以下のゾーン:浴室、寝室、書斎、ダイニングルーム、ファミリールーム、玄関を含むマルチゾーンシステムの場合を想定する。
【0045】
いくつかの実施形態では、ユーザは例えば、単一のゾーンで開始してから手動でそのゾーンに各ゾーンをリンクすることによって、6つのゾーンプレーヤーのうちの任意の数をリンクさせることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、(最初のゾーンのシーンを作成してから)ゾーンのシーンやテーマを作成するためのコマンドを使用することで、1セットのゾーンを動的に相互にリンクすることができる。例えば、「朝」のゾーンシーンコマンドは、1つのアクションで寝室、オフィスおよびキッチンのゾーンをともにリンクすることができる。この単一のコマンドを使用しない場合、ユーザは手動で個別に各ゾーンをリンクする必要がある。単一のコマンドには、マウスクリック、マウスのダブルクリック、ボタン押し、ジェスチャー又は他のいくつかのプログラムされたアクションが含まれてもよい。他の種類のゾーンシーンがプログラムされてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ゾーンシーンは、時間に基づいて始動される(例えば、目覚まし時計機能)。例えば、ゾーンシーンを午前8時に適用するように設定することができる。システムは、適切なゾーンを自動的にリンクするとともに、再生する特定の曲を設定してから所定期間後に音楽を停止することができる。任意の特定のゾーンが時間に基づいて「オン」又は「オフ」の状態となるが、ゾーンシーンを用いることで、例えば、そのシーンにリンクされた全てのゾーンにおいて、特定の時および/又は期間にて所定のオーディオ(例えば、お気に入りの歌や所定のプレイリスト)を再生することができる。何らかの理由で、予定された音楽が再生されなかった場合には(例えば、空のプレイリスト、共有への接続なし、ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)なし、インターネットラジオステーションへのインターネット接続なし)、バックアップブザーが鳴るようにプログラムすることもできる。ブザーは、例えば、ゾーンプレーヤーに記憶されたサウンドファイルを含んでもよい。
【0048】
V.例示的な分散型同期グループ
いくつかの実施形態では、1つ以上の再生デバイスが分散ネットワークにて動作することで、1つ以上の同期グループによる1つ以上の交換可能なマスタ−スレーブ関係を促進する。分散型のネットワーク、通信および制御モデルを用いることで、再生デバイスがリスナーにコンテンツを出力しない場合でも、その再生デバイスはそのコンテンツを別の再生デバイスに提供することができる。さらに、再生デバイスは、ある時点ではマスタデバイス又はマスタ制御として機能するとともに、別の時点ではマスタデバイスとして機能する他のデバイスから命令(例えば、コンテンツおよび/又は同期化)を受信してもよい。
【0049】
図6は、分散型の通信、構成および制御構造に従って動作するネットワークオーディオシステム610の例を示す。図6の例を参照すると、ネットワークオーディオシステム610は、ローカルネットワーク612によって相互接続された複数のゾーンプレーヤー611(1)―611(N)(通常、符号611(n)で示される)を備え、これらは全て、通常は参照符号613によって示される1つ以上のユーザインタフェースモジュールの制御下で動作する。ゾーンプレーヤー611(n)は、上述した再生デバイスと同一又は類似であってもよい。ゾーンプレーヤー611(n)の1つ以上が、1つ以上のオーディオ情報ソースおよび/又は1つ以上のオーディオ再現デバイスに接続されてもよい。オーディオ情報ソースは通常、参照符号614(n)(s)で示され、オーディオ再現デバイスは通常、参照符号615(n)(r)で示される。参照符号614(n)(s)に関して、インデックス「n」は、オーディオ情報ソースが接続されているゾーンプレーヤー611(n)のインデックス「n」を意味し、インデックス「s」(1からSn)は、「n番目」のゾーンプレーヤー611(n)に接続された「s番目」のオーディオ情報ソースを意味する。これより、例えば、ゾーンプレーヤー611(n)が4つのオーディオ情報ソース614(n)(1)―614(n)(4)に接続される場合、これらのオーディオ情報ソースは通常、Sn=4の参照符号614(n)(s)で示される。オーディオ情報ソースSnの数は、各種ゾーンプレーヤー611(n)の間で変化してもよく、ゾーンプレーヤーによってはオーディオ情報ソースに接続されてなくてもよい。
【0050】
同様に、参照符号615(n)(r)に関して、インデックス「n」は、オーディオ再現デバイスが接続されているゾーンプレーヤー611(n)のインデックス「n」を意味し、インデックス「r」(1からRn)は、n番目のゾーンプレーヤー611(n)に接続される「r番目」のオーディオ情報ソースを意味する。オーディオ情報ソース614(n)(s)に加えて、ネットワークオーディオシステム610は、適切なネットワークインタフェースデバイス(別々には図示せず)を介してローカルネットワーク612に接続された1つ以上のオーディオ情報ソース616(1)―616(M)を備えてもよい。また、ローカルネットワーク612は、ローカルネットワーク612を他のネットワークに接続するように構成される1つ以上のネットワークインタフェースデバイス(これも別々には図示せず)を備えてもよく、ここでの他のネットワークには、インターネットなどの広域ネットワーク、公衆電話交換回線網(PSTN)、あるいはオーディオ情報ソースへの接続が確立されるその他のネットワークが含まれる。
【0051】
システム610に関連するゾーンプレーヤー611(n)は、住居、オフィスビル、ホテル、会議場、競技場若しくは講堂、又は他の種類の施設に配置されてもよい。例えば、ゾーンプレーヤー611(n)並びにそれに関連するオーディオ情報ソースおよび/又はオーディオ再現デバイスが住居に配置される場合、1つをリビングルームに配置し、別の1つをキッチンに配置し、さらに別の1つをダイニングルームに配置し、さらに別のものを各寝室に配置することで、それらの部屋に選択的に娯楽を提供することができる。
【0052】
一方、ゾーンプレーヤー611(n)並びにそれに関連するオーディオ情報ソースおよび/又はオーディオ再現デバイスがオフィスビルに配置される場合、例えば、それぞれのオフィスに1つ配置されることで、各オフィスの従業員に選択的に娯楽を提供してもよい。同様に、ゾーンプレーヤー611(n)並びにそれに関連するオーディオ情報ソースおよび/又はオーディオ再現デバイスがホテルに配置される場合、それらを複数の部屋に配置することで、利用客に娯楽を提供してもよい。同様の配置は、競技場や講堂で使用されるゾーンプレーヤー611(n)並びにそれに関連するオーディオ情報ソースおよび/又はオーディオ再生デバイスでも使用することができる。他の種類の環境におけるその他の構成も当業者には明らかである。それぞれの場合において、ゾーンプレーヤー611(n)を用いて、例えば、各位置に選択的に娯楽を提供してもよい。
【0053】
オーディオ情報ソース614(n)(s)、616(m)は、例えば、コンパクトディスク(「CD」)プレーヤー、AMおよび/又はFMラジオ受信機、アナログ又はデジタルテープカセットプレーヤー、アナログレコードのターンテーブルなどを含む、任意の従来のオーディオ情報ソースであってもよい。また、オーディオ情報ソース614(n)(s)、616(m)は、パーソナルコンピュータ(PC)やパーソナルデジタルアシスタント(PDA)に記憶されたデジタルオーディオファイル、又は揮発式若しくは不揮発式でデジタル情報を格納可能な同様のデバイスに記憶されたデジタルオーディオファイルを含んでもよい。上述のように、ローカルネットワーク612は、ネットワークオーディオシステム610がオーディオ情報を得ることができる広域ネットワークへのインタフェースを有してもよい。また、オーディオ情報ソース614(n)(s)の1つ以上は、インターネットなどの広域ネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、又はその他のオーディオ情報ソースへのインタフェースを含んでもよい。また、オーディオ情報ソース614(n)(s)、616(m)の1つ以上は、例えば、衛星で配信されるラジオサービスへのインタフェースを含んでもよい。広域ネットワークを介して取得したオーディオ情報は、例えば、インターネットラジオなどのストリーミングデジタルオーディオ情報、サーバに保存されたデジタルオーディオファイル、および他の種類のオーディオ情報およびオーディオ情報ソースを含んでもよい。
【0054】
一般的に、オーディオ情報ソース614(n)(s)、616(m)は、オーディオプログラムに関連したオーディオ情報を再生のためにゾーンプレーヤーに提供する。オーディオ情報ソース614 (n)(s)からオーディオ情報を受信したゾーンプレーヤーは、再生タイミング情報にしたがって、そのオーディオ情報をローカルネットワーク612を介して他のゾーンプレーヤーに再生および/又は転送することができる。同様に、ゾーンプレーヤーに直接的に接続されていない各オーディオ情報ソース616(m)は、オーディオ情報を、ネットワーク612を介して再生のために任意のゾーンプレーヤー611(n)に送信してもよい。
【0055】
また、各ゾーンプレーヤー611(n)は、接続されたオーディオ情報ソース614(n)(s)又はオーディオ情報ソース616(m)のいずれかから受信したオーディオ情報を、再生のために、他のゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n‘‘)、・・(nはn‘とn‘‘と異なる)のうちの選択されたものに送信してもよい。ゾーンプレーヤー611(n)によって再生のためにオーディオ情報が送信される他のゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n‘‘)、・・は、ユーザインタフェースモジュール613を用いたユーザによって選択されてもよい。その操作において、ゾーンプレーヤー611(n)は、ネットワーク612を介して、選択したゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n‘‘)、・・にオーディオ情報を送信する。ゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n‘‘)がオーディオプログラムの再生をゾーンプレーヤー611(n)による再生と同期化することで、ゾーンプレーヤー611(n)、611(n‘)、611(n‘‘)は、同じオーディオプログラムを同じ時間に提供するように動作する。
【0056】
ユーザインタフェースモジュール613を用いるユーザは、ゾーンプレーヤーの異なるグループ又はセットにおいて、異なるオーディオプログラムのオーディオ再生を同期化することができる。例えば、ユーザインタフェースモジュール613を用いるユーザは、ゾーンプレーヤー611(1)、611(2)に、例えば、1つのオーディオ情報ソース614(1)(1)によって提供される1つのオーディオプログラムおよびオーディオ情報を再生させることもできる。同一の又は異なるユーザインタフェースモジュール613を用いる同一の又は異なるユーザは、ゾーンプレーヤー611(4)、611(5)に、オーディオ情報ソース614(5)(2)などの第2のオーディオ情報ソースによって提供される別のオーディオプログラムおよびオーディオ情報を同時に再生させることもできる。さらに、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(3)に、オーディオ情報ソース616(1)などのさらに別のオーディオ情報ソースによって提供されるさらに別のオーディオプログラムおよびオーディオ情報を同時に再生させることもできる。さらに別の可能性として、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(1)に、オーディオ情報ソース614(1)(2)などのオーディオ情報ソースからのオーディオ情報を、再生のためにゾーンプレーヤー611(6)などの別のゾーンプレーヤー6に同時に提供させることもできる。
【0057】
以下において、「同期グループ」との用語は、同一のオーディオプログラムを同期して再生する1つ以上のゾーンプレーヤーによる集合を指すために使用される。これより、上記の例では、ゾーンプレーヤー611(1)、611(2)は1つの同期グループを構成し、ゾーンプレーヤー611(3)は第2の同期グループを構成し、ゾーンプレーヤー611(4)、611(5)は第3の同期グループを構成し、ゾーンプレーヤー611(6)は第4の同期グループを構成する。このように、ゾーンプレーヤー611(1)、611(2)は同一のオーディオプログラムを再生しつつ、それを同期化して再生する。同様に、ゾーンプレーヤー611(4)、611(5)は同一のオーディオプログラムを再生しつつ、それを同期化して再生する。一方で、別のオーディオプログラムを再生しているゾーンプレーヤーが無関係なタイミングでそれを行ってもよい。すなわち、例えば、ゾーンプレーヤー611(1)、611(2)がオーディオプログラムを再生するタイミングは、ゾーンプレーヤー611(3)、611(4)、611(5)がオーディオプログラムを再生するタイミングとは無関係であってもよい。なお、「同期グループ」は、同一のオーディオプログラムを同期して再生しているゾーンプレーヤーの集合を指すために使用されるので、ゾーンプレーヤー611(1)がそのオーディオプログラム用のオーディオ情報をゾーンプレーヤー611(6)に提供している場合であっても、ゾーンプレーヤー611(1)はゾーンプレーヤー611(6)の同期グループの一部ではない。
【0058】
ネットワークオーディオシステム610においては、同期グループは固定されていない。ユーザは、同期グループを動的に確立および修正することができる。上記の例に続いて、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(1)に、オーディオ情報ソース614(1)(1)によって提供されるオーディオプログラムの再生の提供を開始させ、続いてゾーンプレーヤー611(2)をその同期グループに参加可能とすることができる。
【0059】
同様に、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(5)に、オーディオ情報ソース614(5)(2)によって提供されるオーディオプログラムの再生を開始させるとともに、続いてゾーンプレーヤー611(4)をその同期グループに参加させることができる。さらに、ユーザは、ゾーンプレーヤーに、同期グループを離れて別の同期グループに参加させることができる。例えば、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(2)にゾーンプレーヤー611(1)との同期グループを離れて、ゾーンプレーヤー611(6)との同期グループに参加させることができる。別の例として、ユーザは、ゾーンプレーヤー611(1)にゾーンプレーヤー611(2)との同期グループを離れて、ゾーンプレーヤー611(6)との同期グループに参加させることができる。この例に関連して、ゾーンプレーヤー611(1)は、オーディオ情報ソース614(1)(1)からのオーディオ情報を再生のためにゾーンプレーヤー611(2)に提供し続けてもよい。
【0060】
ユーザインタフェースモジュール613を使用するユーザは、ある同期グループのメンバーではないゾーンプレーヤー611(n)を同期グループに参加させてもよく、これにより、ゾーンプレーヤー611(n)は、その同期グループによって再生されているオーディオプログラムを再生することができる。同様に、ユーザインタフェースモジュール613を使用するユーザは、1つの同期グループのメンバーであるゾーンプレーヤー611(n)をその同期グループから離脱させ、別の同期グループに参加させてもよく、これにより、そのゾーンプレーヤーはその別の同期グループに関連するオーディオプログラムを再生する。
【0061】
例えば、ゾーンプレーヤー611(6)がどの同期グループのメンバーでもない場合、ユーザインタフェースモジュール613の制御の下において、ゾーンプレーヤー611(6)は、同期グループのメンバーになってもよく、これにより、その同期グループの他のメンバーによって再生されているオーディオプログラムをそのメンバーと同期して再生する。同期グループのメンバーになる際に、ゾーンプレーヤー611(6)は、その同期グループのメンバーになることを希望していることをその同期グループのマスタデバイスであるゾーンプレーヤーに通知してもよく、これにより、そのゾーンプレーヤーは、タイミング情報とともにオーディオプログラムに関連するオーディオ情報をゾーンプレーヤー611(6)に送信する。ゾーンプレーヤー611(6)がマスタデバイスからオーディオ情報とタイミング情報を受信すると、そのタイミング情報が示すタイミングにてそのオーディオ情報を再生することにより、ゾーンプレーヤー611(6)はその同期グループの他のゾーンプレーヤー6と同期してそのオーディオプログラムを再生する。
【0062】
同様に、ユーザインタフェースモジュール613を用いるユーザが、ある同期グループに関連するゾーンプレーヤー611(n)にその同期グループから離脱させるとともに、そのゾーンプレーヤー611(n)がその同期グループのマスタデバイスでない場合には、ゾーンプレーヤー611(n)はマスタデバイスに通知してもよく、これにより、マスタデバイスは、そのゾーンプレーヤーへのオーディオ情報およびタイミング情報の送信を終了してもよい。ユーザが、ゾーンプレーヤー611(n)に、それに接続されるオーディオ情報ソース614(n)(s)からのオーディオ情報を使用して別のオーディオプログラムの再生を開始させる場合、ゾーンプレーヤー611(n)はオーディオ情報ソース614(n)(s)からのオーディオ情報を取得するとともに、それの再生を開始する。ユーザが、別のゾーンプレーヤー611(n‘)をゾーンプレーヤー611(n)に関連する同期グループに参加させる場合、直前に記載したように、それらに関連する動作を開始してもよい。
【0063】
別の例では、ユーザインタフェースモジュール613を用いるユーザが、ある同期グループに関連するゾーンプレーヤー611(n)をその同期グループから離脱させて、別の同期グループに参加させるとともに、そのゾーンプレーヤーが離脱しようとする同期グループのマスタデバイスでない場合には、ゾーンプレーヤー611(n)は離脱しようとする同期グループのマスタデバイスに通知してもよく、これにより、そのゾーンプレーヤーは、離脱しようとするゾーンプレーヤー611(n)へのオーディオ情報およびタイミング情報の送信を終了する。
【0064】
同時に、ゾーンプレーヤー611(n)は、参加している同期グループ(すなわち、ゾーンプレーヤー611(n)が参加している同期グループ)のマスタデバイスに通知してもよく、これにより、マスタデバイスは、ゾーンプレーヤー611(n)へのオーディオ情報およびタイミング情報の送信を開始する。その後、ゾーンプレーヤー611(n)は、そのオーディオ情報によって定義されるオーディオプログラムの再生をそのタイミング情報にしたがって開始しるタデバイスと同期してそのオーディオプログラムを再生することができる。
【0065】
別の例として、ユーザインタフェースモジュール613を使用するユーザは、ある同期グループに関連付けられていないゾーンプレーヤー611(n)に、オーディオ情報ソース614(n)(s)によって提供されるオーディオ情報を用いてオーディオプログラムの再生を開始させてもよい。その場合、ユーザインタフェースモジュール613を用いるユーザ又はオーディオ情報ソース614(n)(s)に特有のユーザインタフェースデバイスを用いるユーザは、オーディオ情報ソース614(n)(s)にゾーンプレーヤー611(n)へオーディオ情報を提供させてもよい。ゾーンプレーヤー611(n)が再生を開始した後、又はそれと同時に、ユーザインタフェースモジュール613を使用するユーザは、他のゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n’‘)、・・を、ゾーンプレーヤー611(n)の同期グループに参加させるとともに、ゾーンプレーヤー611(n)に上述のようにオーディオ情報およびタイミング情報を送信させてもよく、これにより、他のゾーンプレーヤー611(n‘)、611(n’‘)、・・によるオーディオプログラムの同期再生を促進することができる。ユーザはユーザインタフェースモジュール613を用いて、ネットワークオーディオシステム610の他の側面を制御してもよく、それには、特定のゾーンプレーヤー611(n)が利用しようとするオーディオ情報ソース614(n)(s)の選択や、オーディオ再生の音量などが含まれるが、これらに限定されない。さらに、ユーザはユーザインタフェースモジュール613を用いて、オーディオ情報ソース614(n)(s)のオン、オフを行うとともに、オーディオ情報ソース614(n)(s)に各ゾーンプレーヤー611(n)へオーディオ情報を提供させてもよい。
【0066】
VI.例示的なウェブベースの音楽パートナーシステムおよびその方法
いくつかの実施形態は、コンテンツサービスがコンテンツアクセスおよび再生ネットワークと統合するためのシステムおよびその方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態によれば、音楽コンテンツプロバイダは、再生デバイス又は再生デバイスのネットワーク若しくはグループにてアップデートや設定変更を行うことなく、音楽サービスをその再生デバイス又は再生デバイスのネットワーク若しくはグループに統合させることができる(例えば、上述したように、ゾーンやグループの編成など)。別の例では、いくつかの実施形態は、再生デバイスのハードウェア/ソフトウェア製造者は、音楽コンテンツプロバイダが自身のコンテンツを再生デバイスのエンドユーザに(例えば、無料アクセスで又は有料契約により)利用可能させるためのシンプルなインタフェースを提供する。このように、再生デバイスを使用するユーザは、例えば、新しいコンテンツプロバイダにアクセスすることで、新しいメディアコンテンツを最小限の労力で容易に探索および発見するすることができる。本技術およびビジネスへの応用は、本明細書に記載および理解されるような多くの他の方法で利用可能である。また、以下の説明は一般に、音楽に向けられているが、その技術はビデオや他のタイプのオーディオの目的のために使用することもできる。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゾーンプレーヤーは、有線又は無線のネットワーク(例えば、ソノズ(商標)無線HiFiシステム)に関するハイファイ(HiFi)のオーディオを再生するように編成されてもよい。ネットワークシステムを使用して、ユーザは、インターネットラジオステーションやオンライン音楽サービスと同様に、1つ以上の記憶された音楽ライブラリにアクセスすることができる。いくつかの実施形態は、コンテンツプロバイダが音楽サービスの構成、開発、テスト、認証を行う際に、および、コンテンツプロバイダが再生デバイスおよび/又は有線若しくは無線ネットワーク再生システムに音楽サービスを利用可能とさせる際に、コンテンツプロバイダを支援する。
【0068】
いくつかの実施形態は、中心位置(central location)からウェブサービスへのコンテンツサービスアクセスを可能にするシステムを提供する。統合のためのパートナーのコンテンツサービスの技術的詳細はウェブサイトを介して入力され、1つ以上のサーバの設定を行うことで、そのサービスは顧客による操作なしに顧客のファームウェアに現れる。
【0069】
いくつかの実施形態では、コンテンツサービスは、セルフサービスのウェブベースのプラットフォームにアクセスする。そのプラットフォームは、契約にサインし、ツールと文書をダウンロードし、そのサービスを認証して登録することで、コンテンツサービスによる再生デバイスおよび再生ネットワークへの統合を促進する。いくつかの実施形態では、ツールには、コンテンツサービスを再生デバイスに接続するためのユーザインタフェース(UI)およびアプリケーションプログラミングインタフェース(API)が含まれる。API(例えば、ソノズ(登録商標)音楽API)は、ウェブベースのサービスによってソノズ(登録商標)および/又は他のメディア再生システムへコンテンツが配信されるようにするための一貫した方法を提供するオープンウェブサービスAPIであってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、コンテンツプロバイダは、ウェブサービス(例えば、アマゾン(商標)ウェブサービス又は「クラウド」内の他のサービス)を利用することができる。いくつかの実施形態は、開発者、プラットフォーム/システムプロバイダおよびエンドユーザにスケーラビリティと低コストを提供する。いくつかの実施形態によれば、進行中で(on-going)、「帯域外の(out of band)」(例えば、ファームウェアの更新なし)、新たなパートナーの開始が可能である。
【0071】
いくつかの実施形態では、自動化された認証処理は、例えば、パートナー認証プロセスのどこにいるかをコンテンツサービスに通知する。コンテンツパートナーは、そのプロセス内の状態に可視的であり、プロセスを通じて案内される(すなわち、プロセスがパートナーに透過的である)。コンテンツパートナーは、プロセスにおけるゲート又はマイルストーンに到達して、次に何を行うかを指示される。柔軟で拡張可能なプログラムにおいて、プロセス、ツールおよびマイルストーンを使用することで、新しい音楽やその他のマルチメディアコンテンツのための起動時間を短縮することができる(例えば、ハードウェア/ソフトウェア製造者と直接作業するコンテンツプロバイダから半分に短縮)。
【0072】
いくつかの実施形態では、コンテンツのリリースサイクルは、開発若しくはプレアルファ、アルファリリース(例えば、初期のテストと検証)、ベータリリース(例えば、機能の完成したコンテンツにおける使用性と機能のテスト)、および一般利用(ベータフェーズからのレビューと検証が完了して一般的な市場へのリリース又は発売)を含むいくつかのフェーズがある。一般利用リリースは、コンテンツおよび/又はコンテンツ配信サービス(例えば、インターネットラジオやストリーミングサービスなど)の「最終」の安定したバグのないバージョンであると考えられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、コンテンツパートナーは、ツールなどを利用して、音楽リスナーに自身のベータ版を実行させてフィードバックを受け取ることができる。例えば、パートナーが実際の顧客のフィードバックを閲覧して、迅速に反復することができるように、ベータセルフサービスツールが用意され、これにより、顧客により良い体験を与えることができる。ベータ版および最終的なフルコンテンツリリースを経て、パートナーは、(音楽コンテンツメニューの一部であるソノズラボ(商標)などのベータ版又はテスト領域を介して)ウェブサイトの配置、顧客とのコミュニケーションおよび製品内の音楽メニュー配置について恩恵を受ける。いくつかの実施形態は、例えば、パフォーマンス、使用状況のモニタ又はその両方の組み合わせを行う。
【0074】
オープンベータ版を使用して、実際の顧客(例えば、音楽リスナーおよびシステムユーザ)の前で音楽サービスをライブで実演して反復するための試験的な場が提供されることにより、テスト作業のクラウドソーシングを促進することができる。例えば、製品内のオープンベータ機能(例えば、「ソノズラボ」)は、リスナーに利用可能とすることができる。リスナーは、最新の音楽にアクセスし、ベータ版テストに参加することができる。テスト作業をクラウドソースしたオープンベータ版を使用することで、コンテンツの問題が、主にコンテンツプロバイダによって稼働され事前にプラットフォーム又はリスナーには公開されない従来の技術と比べて早く特定される。テストは、例えば、複数のサービスにおける問題を同時に表面化する。オープンベータ版はまた、品質管理の場所として機能することができる。いくつかの実施形態では、パートナーは、例えば、ベータ版コンテンツがシステムユーザに一般利用可能となる前に、プログラムが指定された特定の性能および品質基準を満たす必要がある。したがって、例えば、品質の負担はパートナーにシフトされ、プログラムはパートナーに知らされている特定の品質基準を適用および実行する。
【0075】
音楽リスナーの観点から、新たなコンテンツを顧客に利用可能な音楽ライブラリに容易に統合することを促進することで、それらの楽しみとして配信される音楽の世界を広げることができる。音楽サービスへのアクセスは、例えば、オープンベータ版を介して、より速く、より良く促進することができる。プラットフォームとプロセスを使用することで、コンテンツの統合を、音楽パートナーにとって簡単に、そして顧客に対して信頼性高く行うことができる。さらに、消費者は、デジタルコンテンツやクラウドベースの音楽サービスの概念に対して、および、コンテンツ/音楽へアクセスするための「支払い」の全体的な考え方と価値に対してより安心する(馴染み深い)ようになっている。新たなコンテンツのオープンベータ版と最終的な一般利用を使用することで、顧客は、上述したコントローラや再生デバイスを介して、有効的で無制限な音楽のセレクションを発見し、閲覧し、再生することができる。
【0076】
いくつかの実施形態は、コンテンツパートナーが顧客からのフィードバックを管理するためのセルフサービスモデルを提供する。例えば、ウェブベースの形式が顧客のフィードバックのために提供されてもよい。各パートナーの音楽サービス用にディスカッションフォーラムを設定してもよい。このフォーラムを通じて、顧客とパートナーの双方がフィードバックを閲覧し、掲示することができる。例えば、問題追跡ツール(例えば、バグジラ(Bugzilla)(商標))を使用して、サービス内のエラー、欠陥および障害(共通して「バグ」と呼ばれる)などを報告するようにしてもよい。
【0077】
例えば、ソーシャルメディアを活用することで、フィードバックおよび広告の促進およびモニタを行ってもよい。いくつかの実施形態では、常連ユーザの体験のウィジェット又は特徴を推奨エンジンの相互作用モデルとして使用することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、継続的パフォーマンスのモニタ・測定は、自動化された24時間週7日のモニタとスナップショットダッシュボードの可視性を介して促進される。例えば、進行中における品質とパフォーマンスダッシュボードは、様々なリアルタイムの警告やデータに基づいて、音楽パートナーの全体的な健全性と利用性のリアルタイムのスナップショットを提供することができる。このような測定例の1つは、例えば、特定のサービスに対するバグの数である。別の例示的な測定例は、報告されたオーディオのドロップアウトの数である。さらに別の例示的な測定例は、音楽サービスを使用するユーザの総数である。これらの測定例は、例えば、発生回数の合計あるいは24時間ごとの発生回数の合計を表してもよい。
【0079】
a.例示的な構成
1つの例示的な実施形態において、再生ネットワークとの統合を簡略化するために、1つ以上の構成パラメータが全体的(perspective)コンテンツサービスに提供される。例えば、オーディオサンプルレート(例えば、48kHz、44.1kHz、32kHz、24kHz、22.05kHz、16kHz、11.025kHz、8kHzなど)、コーデック(例えば、HTTPを使用するWMAや、HTTPのようなストリーミングを有するMMSを使用するHTTPや、RTSP、HE−AAC、PSを使用するWMAや、HTTPを使用するSBRなど)、ローカライゼーション用の言語(例えば、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、日本語、中国語、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語など)、およびサポートされているセキュリティ(例えば、SSL TLS v1)が提供される。多くの従来のソフトウェア開発プログラムとは異なり、1つの例示的な実施形態では、プロセスを開始するために特殊なディベロッパーキーは必要ではない。代わりに、ある実施形態によれば、コンテンツサービスがプロセスを開始するために必要なことは、代表者(representative)にウェブサービス記述言語(WSDL)をダウンロードさせる、文書を読ませる、およびウェブサービスを実装させることである。この実施形態によれば、プロセスの開始前における新たなサービス又はデベロッパーの認証が長期化しやすいことを排除又は実質的に排除する。
【0080】
コンテンツサービスに提供することができる基本的な構成パラメータに加えて、再生システムアーキテクチャ記述を設けてもよい。例えば、音楽の保存、コントローラのキャッシング、プレイリストの構成、デバイスの制限などを記述することができる。1つの例示的な実施形態においては、再生デバイスは、音楽をローカルに保存せず、コンテンツサービスからストリーミングされた音楽を直接的に再生する。例えば、プレーヤーのRAMにいくらかの内部バッファリングがある可能性があるが、そのバッファリングは、信頼性の低いネットワーク上での音楽の中断を低減する又は回避するものである。別の実施形態では、コントローラは、音楽のメタデータ、アルバムアート(jpgやpng形式など)および検索結果をキャッシュする。キャッシュされるデータ量は、例えば、コントローラアプリケーションプラットフォームの間で変化するとともに、各デバイス内のRAMの量に依存する。別の実施形態では、音楽待ち行列(music queue)の内容は、再生システムに格納されているプレイリストに保存することができる。1つの例示的な実施形態では、プレイリストは、トラック、トラックのMIMEタイプおよびトラックIDを提供しているサービスを表す符号化された識別子を含んでいてもよい。別の例示的な実施形態では、プレイリストは、プレイリスト内の各トラックの実際のオーディオコンテンツおよび/又は各トラックのための実際のストリーミング識別子(例えば、ユーアールアイ(URI))を含んでもよい。さらに別の実施形態では、再生システムにおける再生デバイスの最大数が設けられる。例えば、ソノズのシステムにおいて、それぞれが独自のストリームを再生している32個のゾーンがサポートされる。
【0081】
b.例示的な開発ガイド
1つの例示的な実施形態では、音楽サービスのAPIは、シンプルオブジェクトアクセスプロトコル(SOAP)に基づいている。しかしながら、コンテンツプロバイダのバックエンドサービスが異なるプロトコルに基づいている場合、そのサービスはそのバックエンドプロトコルをSOAPコマンドにマッピングする仲介層として機能することができる。バックエンドサービスがレスト(REST)プロトコルに基づいている場合、APIサービスはSOAP APIメソッドをRESTバックエンドプロトコルにマッピングする仲介層として使用することができる。例示的なシステムでは、全てのSOAP応答は、共通の符号化を使用する必要がある。例えば、ユニコードトランスフォーメーションフォーマット−8(UTF−8)の拡張マークアップ言語(XML)による符号化をほとんどの応答に使用することができ、また、GNUジップ(GZip)による符号化をより長い応答を圧縮するために使用することができる。
【0082】
1つの例示的な実施形態では、検索結果には、何千ものアイテムが含まれてもよく、好ましくは、コンテンツサービスは一度に全てのアイテムを提供する必要はない。1つの例示的な実施形態では、アイテムのコレクションを戻すAPIは、開始インデックスとカウントを指定するパラメータを含む。カウントがアイテムの合計数よりも小さい場合、再生システムは全体の結果を得るためにアイテムの連続範囲を要求することができる。
【0083】
1つの例示的な実施形態では、デバイスIDは、再生システム内の再生デバイスの固有ID(例えば、家庭内のゾーンプレーヤーの固有識別子)である。このIDは、再生システムが最初に設定されるときに確立され、変更される可能性は低い。例示的なシステムでは、コンテンツサービスはこのIDを使用して、再生デバイスの単一の「インスタンス」を指定することができる。これは例えば、複数の場所から同時にコンテンツサービスにアクセスしているユーザの同時的な「インスタンス」をカウントする場合に有用である。いくつかの状況では、音楽ライセンスルールは、同じアカウントから同時に再生することができるトラック数のリミットを含む。1つの例示的な実施形態では、APIは、単一のユーザカウントから同時にコンテンツにアクセス可能な場所の数のリミットに達したことを識別するための特定のSOAPデフォルトコード「Device Limit」を提供する。再生デバイスが新しいトラックの再生を開始しようするが、サービスが「Device Limit」を返した場合、例えば、プレーヤーはそのサービスを「ブラックリスト化」し、そのサービスからの待ち行列内の全てのトラックをスキップする。1つの例示的な実施形態では、「ブラックリスト」は、ユーザがトラックを再生しようとする次回に持ち越される。
【0084】
ある実施形態では、サービスプロバイダは、音楽サービス仲介層のための独自のプログラミング言語を選択することができる。その言語は、WSDL言語を取り込んでコードを生成することが可能なものの1つである。例えば、C#、PHP、RubyおよびJava(登録商標)を使用することができる。
【0085】
ある実施形態では、認証を実行する方法として3つの方法がある。1つの例示的な実施形態では、認証は匿名(anonymous)である。このモードでは、ユーザは資格情報を提供する必要はなく、再生システムは、トークン(例えば、セッショントークン)にログインする又はトークンを取得することなくコンテンツサービスと通信する。別の例では、認証は、セッションIDに基づいている。このモードでは、再生システムは、コンテンツサービスへユーザ名とパスワードを入力して、セッショントークンが再生システムに戻されることを待つ。例えば、再生システムは、HTTPSなどの保護プロトコルを介して、「getSessionID」の要求にユーザ名とパスワードを入力し、セッショントークンが戻される。再生システムからコンテンツサービスへの後続する全ての呼び出しは、カスタムSOAPヘッダーにおけるセッショントークンを含む。この例では、セッションは、コンテンツサービスによって決定されるビジネスルールを使用して、有効期限が切れる場合がある。再生システムが有効期限切れのセッションの報告を取得すると、その後、再生システムは、コンテンツプロバイダからのコンテンツを再生する前に再度ログインする必要がある。さらに別の例では、認証は、ユーザ名およびパスワードとコンテンツサービスへの各呼び出しとの交換に基づいている。
【0086】
ある実施形態では、いくつかのメソッドを使用して最低限の機能のみを実施することができる。例えば、「getSessionID」、「getMetadata」、「getMediaMetadata」、「getStreamingURL」、および「getLastUpdate」を使用することで、基本的なサービスを提供してもよい。この例では、「getSessionID」はコンテンツサービスを再生システムに追加して、必要に応じて認証情報を含む。「getMetadata」を使用することで、ユーザは、コンテナー階層構造にある音楽を閲覧することができる。例えば、ユーザがアーティスト、トラックおよびジャンルなどによって音楽を閲覧したい場合、ユーザはこの方法を使用してそれを行う。「getMediaMetadata」は、特定のトラックやストリームに関するメタデータを取得するために再生システムによって使用される。例えば、再生システムはトラック又はストリームIDを通過している本方法を呼び出して、コンテンツサービスはそのトラック又はストリームを記述した情報で応答してもよい。「getStreamingURL」が再生システムによって使用されることで、コンテンツサービスからコンテンツを再生する。例えば、トラック又はストリームIDが本方法により通過することで、ストリーミングコンテンツを開始することもできる。「getLastUpdate」が再生デバイスによって使用されることで、コンテンツカタログをタイムリーな形式によりリフレッシュする。
【0087】
ある実施形態では、上述の「getMetadata」の方法と、カテゴリ識別子(例えば、トラック、アルバム、アーティスト、プレイリストなど)、検索用語およびページネーションパラメータを受け取るとともに適切な結果に応答する検索方法とを使用して、検索機能を実行することができる。例示的なシステムにおいては、「getScrollIndices」方法を用いて、アルファベット(alphabetic)スクロール(例えば、「パワースクロール」)を実施することができる。
【0088】
ある実施形態では、コンテンツプロバイダのためのビジネスルールに対処するために、プログラムされたラジオステーションのためのスキップの制限をサポートすることができる。1つの例示的な実施形態において、再生デバイスは、トラックの小さいセグメントをフェッチすることによって、プログラムされたラジオステーションを再生し、現在のセグメントがほぼ完了したときに次のセグメントを取得する。ユーザがトラックをスキップすることを防止するために、コンテンツプロバイダは、再生システムに戻される「trackMetadata」に「canSkip=false」を返すことができる。
【0089】
ある実施形態では、コントローラ(例えば、コントローラ500)は、トラック、アルバム、アーティスト情報について2行を表示できるようにすることができる。1つの例示的な実施形態では、コントローラは音楽コンテナーの「itemType」を検査することで、アイテムの2行の表示が使用されるべきか否かを判定する。
【0090】
ある実施形態では、ユーザが3つのメソッド:「createItem」、「deleteItem」および「getLastUpdate」を実行することで、コンテンツサービス上にパーソナライズされたコンテンツのコレクションを管理することができる。これらの方法を使用して、例えば、お気に入りを確認し、又は、必要に応じてトラック、アルバムおよびアーティストを追加/削除することで、カスタムサービス記述子(custom service descriptor)を設定することができる。ポーリング間隔(例えば、300秒)を用いて、パーソナライズされたコンテンツが最新であることを確認することができる。
【0091】
ある実施形態では、エラー状態を示すための予め定義されたSOAPエラーコードのセットを使用して、コンテンツサービスから再生デバイスにエラーを報告し、必要に応じてユーザにも続いて報告することができる。標準エラーコードのセットに加えて、例えば、APIサービスによって、あるサービスは、通常の故障コードが適用されない状況においてカスタマイズされたエラー条件を提供することが可能となる。
【0092】
c.例示的なベータプログラム
例示的なシステムでは、新たなサービスが一般大衆にリリースされる前に、その品質管理を支援するためのベータプログラムが使用される。1つの例示的な実施形態では、ベータプロセスは、2、4週間持続するとともに、再生システムの製造者によって決定されるベータ版から正常な終了(successful exit)を成功させる(例えば、成功したベータ版の決定は、ソノズ再生デバイスを提供するソノズインコーポレイテッドによって決定される)。ベータ版からの正常終了で役割を果たすいくつかの要因には、ユーザ数、ベータプールからの積極的な関与性、ベータ中のサービスのパフォーマンス、ベータ版参加者からのフィードバックおよび未解決の問題の解決が含まれる。例示的な実施形態では、全てのフィードバックは、オープンベータ版フィードバックウェブサイトで閲覧することができる。ソノズデバイス用のオープンベータ版フィードバックは、例えば、http://publicbeta.sonos.comで見つけることができる。
【0093】
d.例示的なプロセスフロー
図7は、フロー図700を示しており、これはコンテンツパートナーがコンテンツにアクセスし、コンテンツを検証し、コンテンツをテストし、およびコンテンツをユーザへ提供するための例示的なプロセスに関する。ブロック702で、音楽コンテンツ開発者などのコンテンツプロバイダは、コンテンツの検証および再生プラットフォームへの統合のためのプログラムウェブサイトにアクセスする。ブロック704で、プロバイダは、音楽開発者として登録する。ブロック706で、登録後において、開発者は1つ以上のプラットフォームAPIおよび技術文書にアクセスすることができる。そのAPIおよび文書を用いることで、コンテンツプロバイダは、それらのコンテンツ(例えば、オンデマンドの音楽、スマートラジオステーション、ラジオのストリーミングなど)を配信プラットフォーム(例えば、マルチルーム音楽システムなど)に統合することができる。
【0094】
APIと文書を用いた後に、ブロック708で、開発者のコンテンツ用の技術構成(technical configuration)がプログラムに送信される。ブロック710で、開発者の内容についての技術構成を評価およびテストするために、開発者によってセルフテストが実行されてもよい。例えば、開発者によるコンテンツの配置に対して、デバッグ、パフォーマンスおよび他のツール若しくはシミュレーションが実行されてもよい。
【0095】
ブロック712で、セルフテストの成功に続いて、開発者は、そのコンテンツがベータテストに認容されるための申請を提出する。ブロック714で、申請がレビューされ、承認される(又はさらなる修正のために返される)。ブロック716で、認証されたコンテンツ上で、プログラム(例えば、自動化ツール)を通じて統合と検証のテストが実行される。ブロック718で、例えば、テスト結果が条件を満たしているか否について、開発者にフィードバックを提供することができる。
【0096】
ブロック720で、配信プラットフォームのユーザに対する公開ベータ版テストのために、技術構成内の開発者のコンテンツが提供される。例えば、新しい音楽ストリーミングラジオを、ソノズ(商標)ラボのベータ版テストメニューを介してソノズ(商標)ユーザに提供することができる。そのテストメニューは、ソノズ(商標)コントローラを用いて閲覧可能なユーザの音楽ライブラリを経由してアクセスすることができる。ブロック722で、ベータ版へのアクセスがモニタされ、評価される。例えば、ベータコンテンツへのユーザクセスおよびユーザ交信が自動的にモニタされてもよく、パラメータ又はメトリックは、プログラムや開発者レビューのために数値化され、保存されてもよい。
【0097】
ブロック724で、オープン(公開)ベータ版の結果は、一般利用基準に照らして評価される。基準は、プログラムや業界標準などによって設定されてもよい。一般利用基準に対する考察において、正式リリースの前にさらなる修正を行うために、フィードバックを開発者に提供してもよい。ブロック726で、プログラムおよび開発者が認められた後、コンテンツは、配信プラットフォームを経由して一般利用のために始動(開始)される(例えば、ソノズ(商標)コントローラ上の音楽ライブラリを経由して、ゾーン再生デバイスのネットワークへ)。
【0098】
図8は、フロー図800を示しており、これはマルチメディアコンテンツ開発者とマルチメディアコンテンツプラットフォーム/サービスとの間の例示的な統合プロセスに関する。ブロック801で、(例えば、プログラムウェブサイトへのアクセスを介して)統合プロセスが開始される。ブロック802で、開発者が既存のパートナーであるか否かを判断する。そうでない場合、ブロック803で、登録情報が収集される。ブロック804で、登録情報が評価されることで、必要な全ての情報が提供されていることが決定される。そうでない場合、登録情報が再度要求される(ブロック803)。もしそうであれば、開発者のコーデックがブロック805で確認され、それがサポートされているかどうかが決定される。コーデックは、例えば、デジタルオーディオストリームなどのデジタルストリーム又は信号を符号化および/又は復号化することが可能なデバイス又はコンピュータプログラムである。もしそうであれば、ブロック806で、開発者との契約が成立する(例えば、開発者がプログラムの条件に同意する)。契約が合意されていないか、コーデックがサポートされていない場合、ブロック807で、プログラムの代表に接触する。契約が受け入れられた場合、ブロック808で、パートナーは歓迎される。例えば、パートナーのログイン名とパスワードを含む電子メールがパートナーに送信される。
【0099】
ブロック809で、(例えば、プログラムのウェブサイト、ポータル、アプリケーションインタフェースなどを経由して)パートナーのログイン名とパスワードの情報が入力される。これらの資格情報を使用して、パートナーはログインし、ウェブサイトに戻って、統合プロセスを継続することができる。ブロック810で、ログイン名とパスワード情報が認証される。ブロック811で、パートナーのツールと開発エリア(例えば、セルフサービスのエクストラネット)がアクセスされる。
【0100】
ブロック812で、開発者のためにダウンロードエリアが提供される。登録されたパートナーは、パートナーおよび開発者向けのポータル専用ウェブサイトへの安全なアクセスを行うことができる。この場所において、幅広い種類の文書、技術情報およびサポートリソースへアクセスすることができ、開発者が統合の試みを成功させることに役立つ。ポータルのいくつかの特徴には、高レベルのホワイトペーパーおよび開始情報(getting started information)、APIリファレンス文書および統合ガイド、特定の統合タスクを解決するのに役立つテクニカルノートやサンプルコードライブラリ、ヒントやコツなどを含むサポートリソース、頻繁に問われる質問ガイド、トラブルシューティングガイド並びに問題追跡などが含まれる。例えば、開発者のアクセスのために、開発者ガイド、API概要、APIリファレンス(参照)、ストリーミング基準・要件、ブランディングガイドライン、サンプルサービス実装(sample service implementation)、ユーザインタフェースガイドライン、テスト計画、自動パッケージソフト(automation suite)およびテストスクリプトなどが提供されてもよい。ブロック813で、開発者はこれらのツールとリソースを使用して、コンテンツの実装を行う。例えば、技術文書のダウンロード後、パートナーは、自身の音楽サービス機能をプラットフォームと統合し始めることができる。
【0101】
ブロック814で、実装に関してテスト計画が実行される。例えば、自動パッケージソフトを使用して、開発者によるコンテンツ実装をシミュレートし、テストしてもよい。いくつかの例では、統合の完了後、パートナーは、自身のサービスを実際の音楽システムとともにテストしてもよい。いくつかの実施形態では、ポータルは、パートナーに「セルフサービス・セットアップ」のページを提供してもよく、このページは、APIウェブサービスをサポートしているエンドポイントに音楽プレーヤーのコンポーネント(例えば、ゾーンプレーヤーとコントローラ)を案内する。「セルフサービス・セットアップ」のページ上に自身のシステムを構成した後、パートナーはコントローラの音楽メニューにおいて自身の音楽サービスを見ることができる。この時点では、音楽サービスはテストのためにパートナーにのみ可視的であり、他のユーザに利用可能となっていない。
【0102】
音楽サービスを構成した後、パートナーはプログラムによって提供されるテスト計画をダウンロードして、1つ以上のテストケースを実行する。パートナーは、完成したテスト計画を実行して、全ての機能が指定された品質と性能基準内で実行されていることを確認することが予測される。それらの音楽サービスのテスト成功後、パートナーは、オープンベータ版プログラムに入るための要求を提出することができる。
【0103】
ブロック815で、開発者の実装のための申請が送信される(又は変更した後に再提出される)。ブロック816で、申請はプログラム提出基準に照らして自動的に評価される。
【0104】
ブロック817で、評価され自動的に承認された申請が再度レビューされ、ブロック818で、承認又は拒絶(はい/いいえ)のいずれかが行われる。パートナーの申請は、レビューと承認のプロセスのためのチェックポイントを通過する。いくつかの実施形態では、レビューと承認には、品質保証(QA)の検証、スクリーンショットのレビュー、およびオープンベータ版基準のレビューが含まれる。申請が承認された場合は、パートナーはオープンベータ版に入る。ブロック819で、実装の変更(ブロック813)のために、拒絶報告が開発者に返される。例えば、パートナーが性能と品質の基準を満たしていない場合、申請は拒絶され、拒絶の理由を含む電子メールが送信される。問題を修正した後、パートナーは承認のための申請を再提出することができる。ブロック820で、承認されたアプリケーションが、オープンベータ版内でのサービス(例えば、音楽サービス)として有効になる(例えば、音楽再生コントローラを介して)。
【0105】
ブロック821で、オープンベータ版が開始される。オープンベータ版の間は、ユーザはそのサービスとそのコンテンツにアクセスすることができる(例えば、実験的若しくはベータ領域において、ベータラベルを有する定期的な音楽領域などにおいて)。例えば、エラー統計、性能測定、ユーザ評価、ユーザ議論および他のフィードバックなどを収集して報告することができる。これは、パートナーがベータ版の間に負荷テストやそれらのサービスの微調整を実行可能なように設計される。製品内のオープンベータ版テストツールが提供されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、ベータ版テスト領域(例えば、ソノズサウンドラボ(商標))により、パートナーはテスト作業をクラウドソースすることができる。実際の顧客とのライブ環境において音楽サービスが自身のコンテンツをデモしてストリーミングするためのテスト場を提供することにより、パートナーは、それらのサービスにおける使用性と性能の問題をより迅速に特定して、市場投入までの全体的な時間を低減することができる。顧客がベータ版テストに参加することにより、最新の音楽サービスにアクセスすることができる。
【0107】
図9Aに示すように、例えば、コントローラは、「もっと音楽を」メニュー920を提供してもよく、このメニューには、顧客に利用可能なベータ版サービスのリストが表示される。簡単なセットアップウィザードを使用して顧客がサービスを選択すると、それは「音楽メニュー」930の下に表示される。すでに一般に利用可能なものからベータ版サービスを区別するために、音楽サービスのロゴは、例えば、「ベータ版」バッジ920でタグ付けされている。図9Bの例に示すように、「ベータ版」バッジは、ベータ版テストの終了時に削除されてもよい。
【0108】
ブロック822で、オープンベータ版の評価が行われる。例えば、オープンベータ版が一般利用のための準備ができているかどうかの評価が行われる。ベータ版テスト中において、顧客はサービスをテストし、フィードバックを提供し、自身が発見し得るバグを提出する。パートナーおよび開発者のポータルにより、パートナーは、フォーラムおよび問題追跡ソフトウェアへアクセスすることができ、フィードバックをモニタし、ユーザが直面している問題を解決する。ブロック823で、未解決のバグや問題が識別される。もしそうであれば、ベータ版テストが続行される。もしそうでない場合、ブロック824で、性能基準が評価される(例えば、1から10までのスケールで)。この段階では、パートナーのサービスは未解決の問題を追跡し、性能を監視し、全てのパートナーの成果物がサービスの一般利用可能な状態であることを確認するために、別のチェックポイントを通過する。ベータ版テストの期間の後、サービスが特定の性能ガイドライン内にて稼働し、特段の問題もない場合、ベータ版テストは終了し、サービスは一般利用可能となる(GA)。性能基準を満たしていない場合には、ベータ版テストが続行する。基準が満たされた場合、ブロック825において、認容性についてユーザ評価が評価される(例えば、1から5のスケールで)。Noの場合には、ベータテストが続行される。Yesの場合には、ブロック826で、パートナーの提出物が利用可能性のために確認される。Noの場合、ベータ版テストが続行される。Yesの場合、次に、ブロック827において、コンテンツ/サービスが、コンテンツ配信プラットフォーム828を介した一般利用によってユーザに提供される。図9Bに示すように、GA開始によりベータ版バッジが削除され、サービスがコントローラ上の音楽メニューの下に表示される。
【0109】
図10は、フロー図1000を示し、これは、新たなコンテンツサービスの開発、統合、ベータ版および開始のための例示的な機能横断型のワークフローに関する。ブロック1001で、プログラム情報が提供される。例えば、統合プログラムに関する新たなパートナーと開発者のための情報が、ウェブサイト又は他のポータルを介して提供される。ブロック1002で、新たなパートナーから登録情報が取得されるとともに、新たに登録されたパートナーおよび既に登録されているパートナーによってログイン情報が提供される。
【0110】
ブロック1003で、パートナーのダッシュボードや「ホーム画面」がパートナーのウェブサイトや他のポータルを介して提供される。ブロック1004で、プロバイダのポータルを経由して、技術リソースのダウンロードエリアにアクセスすることができる。技術情報、APIリソース又はその他のツールが、例えば、登録されたパートナーによってアクセスされてもよい。
【0111】
ブロック1005で、パートナーは、所望のコンテンツ(例えば、デジタルオーディオ)サービスを実装する。ブロック1006で、パートナーサービスは、パートナーによるセルフテストのために設けられたテストシステム上でのテストが可能となる。セルフテストが完了した後、ブロック1007で、サービスのためのプログラムに申請が提出される。申請の一部として、パートナーは、実装されたサービス用の全ての最終的な提出物を提出する。
【0112】
ブロック1008で、サービスの申請が、品質やコンプライアンスなどの点でレビューされる。基準が満たされると、申請が承認される。それ以外の場合は、申請がさらなる開発やテストのために返却される。
【0113】
ブロック1009で、承認されたサービスはベータ版テストが有効となる。例えば、サービスがオープンベータ版で提供され、使用およびレビューのために顧客に利用可能となる。サービスはモニタされ、例えば、ベータ版テスト中において自動的にユーザのフィードバックによって評価される。フィードバックは、例えば、検討および考えられる修正のために開発者に提供される。
【0114】
ブロック1010で、一般利用可能性のチェックリストがレビューされ、基準を満たしているサービスの候補がリリースされる。ブロック1011で、文書、よくある質問(FAQ)およびトレーニングなどが、コンテンツのプラットフォームを経由して、一般利用のために更新される。ブロック1012で、サービスは、ベータ版外で一般に利用可能とされる。コンテンツと音楽サービスは、例えば、新たに利用可能となったサービスに基づいて、コントローラ又は他のインタフェース上にて更新されてもよい。
【0115】
図11は、例示的な統合テストシステムおよび関連するプロセスフロー1100を示す。図11に示すように、パートナーポータル1101は、1102においてアクセスされ、インターネット1103又は他のネットワークを介してテストツール1104をダウンロードする。テストツール1104は、テスト計画やAPIの機能テストパッケージソフトなどを含んでもよい。テストツール1104を使用して、1105でテストが実行されてもよい。テストは、パートナーのファイアウォール1106を介してパートナーのテストサーバ1107にて実行されてもよく、および/又は、ゾーンプレーヤー/コントローラ構成1109を使用して1108で実行され、その結果がパートナーのテストサーバ1107に提供されてもよい。ブロック1110で、テスト結果が収集され、1111で、テスト結果がインターネット又は他のネットワーク1103を介してパートナーポータル1101に送信されてもよい。
【0116】
代替的又は付加的に、テストが、ブロック1112で、パートナーの公開テストサーバ1113(例えば、オープンベータ版)にて実行されてもよい。テストサーバ1115もまた、API機能テストやAPI負荷(ロード)テストなどのテスト1114を実行するために使用することができる。
【0117】
ブロック1116で、テスト結果が1117で比較され、レビュー(およびさらなるアクション)のためにパートナーポータル1101に提出される。
【0118】
図12は、コンテンツサービスのオープンベータ版テストのためのインフラストラクチャ1200の例を示す。図12に示す音楽サービスパートナー1、2、3のような1つ以上の音楽サービス1201は、インターネット1202又は他のネットワークを介して、ベータ版の顧客1、2、3、4、・・・Nなどの1つ以上の家庭1203にアクセスすることができる。それぞれのベータ版の顧客1203は、データコレクション(例えば、データウェアハウス)1204に検証用のデータを送信する。
【0119】
収集されたデータは1205で評価され、1つ以上の性能基準が満たされているかどうかが決定される。1つ以上の性能基準が満たされていない場合、ベータ版テストは顧客1203とともに続く。1つ以上の性能基準が満たされている場合、1206でデータが評価され、ベータ版が、認容可能とするユーザ評価を受けたかどうかが決定される。ベータ版が認容可能とするユーザ評価を受けていない場合、ベータ版は続行される。認容可能とするユーザ評価が得られた場合、その候補はチェックポイント1209に送信される。さらに、ベータ版のフィードバックがパートナーエクストラネット1207を介して提供されてもよく、これには1つ以上の音楽パートナーフォーラム、エラー報告およびユーザ評価などが含まれる。1208で、未解決のバグや問題が、パートナーエクストラネット1207のフィードバックに基づいて特定される。未解決のバグや問題が特定されると、ベータ版テストが続行される。未解決のバグや問題が特定されない場合、その候補はチェックポイント1209に送信される。
【0120】
チェックポイント1209で、サービス候補に関するベータ版の間に収集されたデータが評価され、ベータ版テストを継続すべきか、あるいはその候補を一般利用としてリリースすべきどうかが判断される。
【0121】
図13は、音楽サービス性能フィードバックダッシュボード1300の例を示す。パートナーは、性能評価1302、ユーザ評価1303および特定された問題(知られている問題)1304に関して、1つ以上のサービス1301の情報を得ることができる。フィードバックは、例えば、サービスのさらなる修正、テスト又は承認のために使用することができるとともに、ベータ版テストが継続するときに更新されてもよい。
【0122】
上述のシステムおよび方法を使用して、コンテンツサービスが開発され、検証され、実際の顧客によってベータ版のテストが行われ、さらにはコンテンツ配信プラットフォームに統合されてもよい。いくつかの実施形態では、コンテンツがウェブベースのストリーミング音楽サービスによって配信され、ソノズ(商標)マルチルーム音楽システムなどのコンテンツ配信システムによって消費されるための簡単な方法を提供するオープンウェブサービスAPIを提供する。APIは、インターネットラジオストリーミングと同様にオンデマンド音楽サービスを含むコンテンツプロバイダの範囲をサポートするように設計されている。いくつかの実施形態では、APIは、音楽をダウンロードしてローカルハードドライブ又は他のストレージに保存するように設計されるのではなく、代わりに、例えば、大量の内部ストレージを含まない再生デバイス間のストリーミングメディアに焦点を当てて設計される。
【0123】
いくつかの実施形態では、APIのウェブサービス仕様は、SOAP1.2仕様を使用して構築されるとともに、音楽サービスから音楽を閲覧して再生する方法を定義する。SOAPメッセージには、オプションヘッダー(optional header)と必要なボディ(required body)を含有するエンベロープを含む。ヘッダーは、メッセージの処理方法に関連する情報のブロックを含む。これには、ルーティングおよび配信の設定、認証若しくは認証アサーション、並びにトランザクションコンテキストが含まれる。ボディは、配信されて処理される実際のメッセージを含む。例示的なAPIでは、SOAPヘッダーはユーザの資格情報を渡すために使用される。
【0124】
ウェブサービス記述言語(WSDL)は、メッセージを交換可能な通信エンドポイントの集合としてネットワークサービスを記述するためのXML文法である。いくつかの実施形態では、APIの物理的な仕様は、WSDL文書およびXMLスキーマ定義(XSD)文書として与えられる。WSDLとXSDによる文書は、APIにおける全ての方法とデータ種類の明確な定義を提供し、複数の一般的なコード生成ツールによって機械読み取り可能であるというさらなる利点がある。
【0125】
いくつかの実施形態では、APIにおけるエラー処理は、標準のSOAP1.1フォールトを介して、特にSOAP<faultcode>エレメントを介して行われる。 APIは、例えば、予め定められた故障コードのセットを定義してもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、APIは、メディア利用の4つの領域:1)認証、2)閲覧と検索、3)オーディオ再生および4)ユーザカスタマイズのためのコアサービスを提供する。特定のオプションサービスが提供されてもよい。
【0127】
e.例示的な認証サービス
図14は、認証サービスの例を示す。多くのサービスプロバイダは、コンテンツ階層又はストリームにアクセスするためのユーザ名とパスワードを必要とする。いくつかの実施形態では、サービスAPIは、ユーザ名/パスワードを経由してデバイスが認証を行うための方法を提供する。さらに、デバイス固有の固有識別子(メディアアクセスコントロール(MAC)のアドレスなど)がデバイスとサービスの間で渡され、場合によっては、サービスは任意のデバイスごとのビジネスルールの適用を希望する。
【0128】
サーバ状態の維持に関連するオーバーヘッドを回避するために、ユーザ認証を必要とするそれぞれのAPI/SOAPリクエストが資格情報を運ぶ。それぞれのAPI/SOAPリクエストは、エンドユーザの資格情報を有するSOAPヘッダー要素を含む。サービスプロバイダによっては、ユーザ名とパスワードの資格情報を有効に解決することができないため、APIも資格情報用のトークン化された形式をサポートする。ユーザ名/パスワードのペアを「sessionid」と呼ばれる不透明なトークンに変換するために、別のAPI/SOAPリクエストが出される。
【0129】
認証は、「getSessionID」によって実行される、あるいは、例えば、HTTPヘッダーを有する資格情報を渡すことで実行可能である。
【0130】
このように、認証は、少なくとも1つのコントローラ1412および少なくとも1つのゾーンプレーヤー1414を含む音楽システム1410と、音楽サービス1430との間において、SOAPリクエスト1420およびSOAP応答1422を介して、並びに、WDSL1432および音楽サーバ1436に関連するAPIエンドポイント1434を介した「getSessionID」(ユーザ名、パスワード)1424および「getSessionIDResponse」を介して容易に行うことができる。
【0131】
f.例示的な閲覧・検索サービス
消費者は、アーティストやジャンルなどによってコンテンツを探索することを好む。このように、いくつかの実施形態では、APIによって、音楽サービスは、アーティスト、アルバム、作曲者、プレイリスト、ジャンル、プログラムされたステーションおよびトラックなどのメタデータに基づくブラウジングを提供することができる。サービスプロバイダが自身のブラウザ階層を追加することで、消費者はトップ100などの編集コンテンツを探索することができる。
【0132】
ウェブサービスAPIによって、サービスプロバイダは、提示するコンテンツ階層を調整して動的に変更することができる。この機能により、サービスプロバイダとパートナーは、例えば、影響を受けるデバイス上のビジネスルール、地理又はユーザ体験に基づいて、異なるコンテンツを提示することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、APIにおいて、サービスプロバイダは、階層内の要素を、例えば、アルファベット順又はいくつかの計算された関連性によるソートを担う。サービスは要素をソートして選択するが、ソート順はストリーミングデバイスのユーザに一貫して理解可能である必要がある。
【0134】
いくつかの実施形態では、閲覧および検索のコールは、インクリメンタルブラウジング(incremental browsing)を可能とするように構築されてもよい。これは、低メモリフットプリントのデバイスをより良くサポートするものである。例えば、デバイスが文字列「ヒット」を含む全てのアルバムの検索を実行すると、コールもまた、検索結果における所望の開始インデックスとカウントを特定する(例えば、「ヒット」の全てのトラックを検索し、100の結果の始まりとして20の結果を出す)。
【0135】
いくつかの実施形態では、ブラウジングは、「getMetadata」、「getMediaMetadata」および「getLastUpdate」の方法によって実装される。 APIも、オプション検索およびアルファベット順スクロール機能を提供する。検索は検索方法によって実装され、文字検索による文字を使用する。アルファベット順スクロールは、「getScrollIndices」方法によって実装される。
【0136】
いくつかの実施形態では、APIを使用するクライアントデバイスは、トラック識別子( ID)が与えられたトラックの再生URLを取得する「getMediaURI」方法を呼び出す。この方法は、セキュアソケットレイヤー(SSL)を使用した安全なエンドポイントで呼び出され、トラックの安全なハイパーテキスト転送プロトコル(HTTPS)のURLを返す。
【0137】
いくつかの実施形態では、APIは、任意の特定のプロトコルを使用する実装者(implementer)を制約しない。いくつかの実施形態では、唯一の要件は、「getMediaURI」が、例えば、デバイスによって認識された形式でストリーミングすることができるコンテンツを提供することである。APIの実装は、例えば、HTTPやマルチメディアメッセージングサービス(MMS)を介したストリーミングにより構築される。
【0138】
いくつかの実施形態では、APIは、コンテンツ配信のために使用される転送およびコンテンツのエンコード方法について関知しない。コンテンツは、HTTPストリーミングを使用したMP3ファイルとして配信されてもよく、MMSを使用するマイクロソフトのウィンドウズ(登録商標)メディアオーディオとして配信されてもよい。
【0139】
コンテンツプロバイダは、ユーザに、カスタムプレイリストの作成の許可など、コンテンツのカスタマイズを許可することを希望してもよい。いくつかの実施形態では、APIはこれを一般的な「アイテム」の管理機能でサポートする。カスタマイズは、例えば、「createItem」と「deleteItem」方法で実行される。
【0140】
いくつかの実施形態では、オプションサービスは、例えば、1)お気に入り、2)アルファベット順スクロール、3)ステータスレポート、4)拡張メタデータ、5)トラック評価を含んでもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、サービスプロバイダは、ユーザがアーティスト、アルバム又はトラックを特別な「お気に入り」コレクションに追加するための機構を有してもよい。お気に入りのコレクションがデバイスに露出される場合、サービスプロバイダはこれらの方法を実現する必要がある。お気に入りは、例えば、「createItem」および「deleteItem」方法によって実現される。
【0142】
いくつかの実施形態では、アルファベット順スクロールは、メタデータの大規模なコレクションにおけるコンテンツの列挙を最適化する技術である。これにより、ユーザは、例えば、アルファベットをスクロールして文字を選択することができ、特定のインデックスにおけるコレクションへの「getMetadata」リクエストを開始することができる。サービスプロバイダがこの機能を大規模なアイテムのリスト用に提供することを希望する場合、これらの方法を実施してもよい。アルファベット順スクロールは、例えば、「getScrollIndices」方法によって実現される。
【0143】
いくつかの実施形態において、サービスプロバイダは、ストリーミング障害が発生したときに通知されることによって、統計情報を収集する、あるいはサービスの品質を向上することを希望する場合がある。サービスプロバイダがデバイスからそのようなフィードバックを望む場合、サービスプロバイダはこれらの方法を実装してもよい。ステータスレポートは、例えば、「reportStatus」および「setPlayedSeconds」方法によって実装される。
【0144】
いくつかの実施形態では、サービスプロバイダは、トラック、アーティスト、アルバム、又はステーションに関する追加のメタデータを公開してもよく、これらがユーザによって使用されることで、ユーザはより豊かなブラウジング体験を経験することができる。拡張メタデータは、getExtendedMetadataおよびgetExtendedMetadataText方法によって実装される。
【0145】
いくつかの実施形態では、音楽サービスは、提示を希望する追加の情報閲覧項目を決定してもよい。通常、情報閲覧項目は、3つのカテゴリに分類される。1)アーティスト、アルバム又はトラックに関するテキスト情報がある。例としては、アルバムレビュー、アーティストバイオグラフィー、ツアー日程が含まれる。2)選択したコンテンツを開始ポイントとする音楽サービス内での付加的な音楽ブラウジングがある。例えば、情報は、選択したアーティストに類似する又は影響を与えたアーティストを見つけるために提供されてもよい。3)選択したトラック、アルバム又はアーティストに基づくライブラリのアクションがある。例えば、情報は、「ライブラリにトラックを追加する」又は「ライブラリからアルバムを削除する」ために提供されてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、サービスプロバイダによって、クライアントがトラックに評価を与えることが可能となってもよい。評価値は、APIを介して単純に、固有の意味論的意味を持たない整数として表現される。それぞれの特定の「評価値」の意味を定義および合意し、それに応じて動作することは、サービスと顧客次第である。トラックの評価は、例えば、「rateItem」方法によって実現される。
【0147】
図15は、ソノズ(商標)マルチルーム音楽システム1510によるACME音楽サービス(AMS)1530との統合1500の一例を示し、これは、図15に示すように、ソノズAPIサービス1537を稼働するSOAPウェブサーバ1533へのエンドポイント1531を提供する。図15のシーケンス図は、音楽システム1510とAMS1530の間における様々な音楽操作のためのSOAP APIリクエスト1522およびSOAP応答メッセージ1524を示す。
【0148】
音楽システム1510は、音楽サービス1530のウェブサーバ1533におけるウェブサービス1537を呼び出す(1520)ことができる。音楽システム1510の構成要素(ゾーンプレーヤー1514とコントローラ1512)は、HTTPとHTTPS1522を介したSOAPを使用してAMS1530を呼び出す。API1535は、利用可能な場合にユーザの資格情報を提示するSOAPヘッダーブロックを利用する。ユーザの資格情報がAPIで必要とされる場合には、HTTPSによる転送が使用される、あるいはHTTPによる転送が使用される。例えば、ユーザの「お気に入り」ディレクトリの列挙は有効な資格情報を必要とするのに対し、AMSからの全コンテンツ階層の閲覧は、ユーザのログインや認証を必要としない。
【0149】
図16は、コンテンツ再生のためのシステムおよびシーケンス図の例を示す。図16に示すように、ゾーンプレーヤー1610は、オーディオトラックを再生するためのリクエストを受信する。プレーヤー1610は、メディアファイル用の統一リソースインジケータ(URI)をWSDL1630および音楽サービスAPIエンドポイント1640を介して取得するためのメッセージ(例えば、HTTPS SOAPメッセージ)1620を使用する。WSDL1630は、1つ以上のサービスコンテンツサーバ1650と通信してメディアの位置を特定するAPIエンドポイント1640のリクエストをフォーマットする。サーバ1650は、返信メッセージ1660を経由してトラックの場所を提供する。
【0150】
例えば、図17に示すように、インターネット1720などのネットワークを介した音楽サービス1710と再生デバイス1730の間における従来の相互作用が、デバイス1730の不適合に陥ると、結果的に、各サービス1710から各デバイス1730へのコンテンツの提供のために1つのAPI1740―1748を使用することとなる。
【0151】
例えば、図18に示すように、いくつかの実施形態によれば、インターネット1820などのネットワーク上での音楽サービス1810と再生デバイス1830の間におけるより良好な相互作用を促進するために提供されるリソース、ガイドライン、APIおよびテストを通じた相互運用が促進される。図18の例では、一般的な音楽API1840を用いて、コンテンツの提供および共有のために接続された全てのサービス1810およびデバイス1830での通信および相互運用を促進している。
【0152】
上述した図(少なくとも図7、8、10−12、14―16など)は、プロセスを代表するフロー図の例を示す。ここでのプロセスは、例えば、新たなマルチメディアコンテンツを開発し、評価し、ベータ版でテストし、承認し、およびアクセスおよび再生のためにゾーンプレーヤーおよび/又は他の再生デバイスを介してリリースするように使用可能なコンピュータ可読命令を用いて実装される。例示的なプロセスは、プロセッサ、コントローラおよび/又は任意の他の適切な処理デバイスを用いて実行することができる。例えば、例示的なプロセスは、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)および/又はランダムアクセスメモリ(RAM)などの有形コンピュータ可読媒体に保存されたコード化された命令(例えば、コンピュータ可読命令)を使用して実施されてもよい。本明細書で使用されるように、有形コンピュータ可読媒体との用語は、任意の種類のコンピュータ可読ストレージを含むが、伝播信号(propagating signal)は除外するように明示的に定義される。追加的又は代替的に、例示的なプロセスは、非一時的(non-transitory)コンピュータ可読媒体に保存されたコード化された命令(例えば、コンピュータ可読命令)を用いて実施されてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体には、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュ、又は、情報が任意の持続時間(例えば、長期間、永久、短期間、一時的バッファリングおよび/又は情報のキャッシング)で保存されている任意の他の保存媒体などがある。本明細書で使用するように、非一時的コンピュータ可読媒体は、任意の種類のコンピュータ可読媒体を含むが、伝搬信号は除外するように明示的に定義される。
【0153】
あるいは、例示的なプロセスの一部又は全部は、特定用途向け集積回路(ASIC(s))、プログラマブルロジックデバイス(PLD(s))、フィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD(s))、個別論理(discrete logic)、ハードウェア、ファームウェアなどのあらゆる組み合わせを用いて実施されてもよい。また、例示的なプロセスの一部又は全部が、手動により、又は例えばファームウェア、ソフトウェア、個別論理および/又はハードウェアなどの前述の技術の任意の組み合わせとして実施することができる。さらに、例示的なプロセスは、図7、8、10−12、14−16のフロー図を参照して説明されるが、そのプロセスを実施する他の方法を用いてもよい。例えば、ブロックの実行順序を変更してもよく、および/又は、記載されるブロックのいくつかを変更、削除、再分割又は結合してもよい。さらに、例示的なプロセスのいずれか又は全てを、例えば別々の処理スレッド、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路などにより、連続しておよび/又は平行して実施してもよい。
【0154】
VII.例示的な処理システム
図19は、本明細書に記載のシステム、装置、製造品および方法を実施するために使用され得る例示的なプロセッサシステム1900のブロック図である。プロセッサシステム1900は、上述したプロセス、システムおよび構成の中に含まれても、それを実行するために使用されても、それを制御するために使用されても、および/又はそれに1つ以上の情報を提供するように使用されてもよい。図19に示すように、プロセッサシステム1900は、相互接続バス1904に結合されたプロセッサ1902を含む。プロセッサ1902は、任意の適切なプロセッサ、処理装置又はマイクロプロセッサであってもよい。図19に示されていないが、システム1900は、マルチプロセッサシステムであってもよいため、プロセッサ1902と同一又は類似するものであって相互接続バス1904と通信可能に結合されている1つ以上の追加のプロセッサを含んでもよい。
【0155】
図19のプロセッサ1902は、メモリコントローラ1908および入/出力(I/O)コントローラ1910を含むチップセット1906に結合されている。周知のように、チップセットは、典型的には、チップセット1906に結合される1つ以上のプロセッサにアクセス可能な又はそれによって使用されるレジスタやタイマなどの複数の汎用および/又は特殊な目的と同様に、入/出力(I/O)・メモリ管理機能を提供する。メモリコントローラ1908は、プロセッサ1902(複数でもよい)によるシステムメモリ1912および大容量記憶メモリ1914へのアクセス機能を実行する。
【0156】
システムメモリ1912には、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリおよび読み出し専用メモリ(ROM)などの揮発性および/又は不揮発性メモリの任意の所望のタイプが含まれてもよい。大容量記憶メモリ1914には、ハードディスクドライブ、光学ドライブおよびテープストレージデバイスを含む大容量記憶装置の任意の所望のタイプが含まれてもよい。
【0157】
I/Oコントローラ1910は、プロセッサ1902によるI/Oバス1922を介した周辺I/Oデバイス1916、1918およびネットワークインタフェース1920との通信機能を実行する。I/Oデバイス1916、1918は、例えば、キーボード、ビデオディスプレイ若しくはビデオモニタ、マウスなどのI/Oデバイスの任意の所望のタイプであってもよい。ネットワークインタフェース1920は、例えば、イーサネット(登録商標)デバイス、非同期転送モード(ATM)デバイス、802.11デバイス、DSLモデム、ケーブルモデム、セルラーモデムなど、プロセッサシステム1900による別のプロセッサシステムとの通信を可能にするものであってもよい。
【0158】
図19では、メモリコントローラ1908およびI/Oコントローラ1910はチップセット1906内の別々のブロックとして図示されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合されてもよく、あるいは2種以上の別々の集積回路を用いて実装することができる。
【0159】
VIII.結論
本明細書に記載の例示的な実施形態は、音楽プロバイダサービスをコンテンツ配信および再生のためにプラットフォームやシステムと統合するシステムおよび方法を提供する。例示的な実施形態の技術は、建物、電動車両、ボート、飛行機および屋外の場所で正確な音の再現が望まれる任意の用途で使用することができる。
【0160】
いくつかの実施形態は、プロセッサやメモリを含むウェブベースのメディアコンテンツ開発プラットフォームおよびコンテンツ配信プラットフォームを有するシステムを提供する。例示的な開発プラットフォームは、プロバイダからのメディアコンテンツを認証として受け入れるインタフェースを提供するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、テストツールによるインタフェースや、開発プラットフォームと併せて提供されるアプリケーションプログラミングインタフェースを介した、プロバイダによるメディアコンテンツのセルフテストを促進するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、ユーザのグループがモニタするベータ版テストのために、コンテンツ配信プラットフォームを介してメディアコンテンツを処理するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、メディアコンテンツのリリースのための適合性を判断するために、モニタされるベータ版テストを評価するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、コンテンツ配信プラットフォームを介して、一般利用としてのメディアコンテンツのリリースを促進するように構成されている。
【0161】
いくつかの実施形態は、ウェブベースのメディアコンテンツ開発プラットフォームを介して、プロバイダからのメディアコンテンツを認証として受け入れるインタフェースを提供するステップを含む、コンピュータ実装方法を提供する。例示的な方法は、テストツールによるインタフェースや、開発プラットフォームと併せて提供されるアプリケーションプログラミングインタフェースを介した、プロバイダによるメディアコンテンツのセルフテストを促進するステップを含む。例示的な方法は、ユーザのグループがモニタするベータ版テストのために、コンテンツ配信プラットフォームを介してメディアコンテンツを処理するステップを含む。例示的な方法は、メディアコンテンツのリリースのための適合性を判断するために、モニタされるベータ版テストを評価するステップを含む。例示的な方法は、コンテンツ配信プラットフォームを介して、一般利用としてのメディアコンテンツのリリースを促進するステップを含む。
【0162】
いくつかの実施形態は、プロセッサによる実行のための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供し、その命令はプロセッサによって実行されたときに、ウェブベースのコンテンツ開発・展開のためのシステムを実行する。例示的なシステムは、プロセッサやメモリを含むウェブベースのメディアコンテンツ開発プラットフォームおよびコンテンツ配信プラットフォームを有する。例示的な開発プラットフォームは、プロバイダからのメディアコンテンツを認証として受け入れるインタフェースを提供するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、テストツールによるインタフェースや、開発プラットフォームと併せて提供されるアプリケーションプログラミングインタフェースを介した、プロバイダによるメディアコンテンツのセルフテストを促進するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、ユーザのグループがモニタするベータ版テストのために、コンテンツ配信プラットフォームを介してメディアコンテンツを処理するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、メディアコンテンツのリリースのための適合性を判断するために、モニタされるベータ版テストを評価するように構成されている。例示的な開発プラットフォームは、コンテンツ配信プラットフォームを介して、一般利用としてのメディアコンテンツのリリースを促進するように構成されている。
【0163】
前述したシステムのコンポーネント、要素、および/または機能は、例えば、ハードウェア、ファームウェアにおいておよび/またはソフトウェアの指令のセットとして様々な形態で、単独または組み合わせて実装することができる。いくつかの実施形態は、コントローラおよび/または再生デバイスなどの処理バイス上で実行される、メモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD、および/またはEPROMなどのコンピュータ可読媒体上に常駐する指令の1セットとして提供されてもよい。
【0164】
様々な発明が、ある程度の具体性を持って十分に詳細に記載されている。本開示の実施形態は、例示の目的のみで作られることと、部品の配置および組み合わせにおいて多くの変更が、特許請求の範囲に記載された発明の精神および範囲から逸脱しないように行われてもよいことが、当業者に理解される。本明細書に記載された実施形態は、情報単位の提示に関していくつかの制限を含むように見えるかもしれないが、形式または配置の点で、実施形態は、そのような実施形態をはるかに超えて適用可能であることが、当業者によって理解される。したがって、本発明の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19