(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示画像生成手段は、少なくとも前記荷重データに基づいて、前記第1の表示画像とは異なる画像を前記第2の表示画像として逐次生成する、請求項2に記載の情報処理システム。
前記表示画像生成手段は、少なくとも前記荷重データに基づいて、仮想世界における第1の範囲を示す画像を前記第1の表示画像として生成し、当該第1の範囲とは異なる当該仮想世界における第2の範囲を示す画像を前記第2の表示画像として生成する、請求項3に記載の情報処理システム。
前記表示画像生成手段は、少なくとも前記荷重データに基づいて、仮想世界を第1の視点から見た様子を示す画像を前記第1の表示画像として生成し、当該仮想世界を当該第1の視点とは異なる第2の視点から見た様子を示す画像を前記第2の表示画像として生成する、請求項3に記載の情報処理システム。
第1の入力装置から出力されるデータが利用可能であり、当該第1の入力装置から得られたデータを処理する情報処理装置のコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記第1の入力装置に加わる荷重に基づいた荷重データを、当該第1の入力装置から逐次取得する操作データ取得手段と、
可搬型表示装置に表示するための仮想世界を示す第1の表示画像および前記情報処理装置に接続された別の表示装置に表示するための仮想世界を示す第2の表示画像をそれぞれ逐次生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段が生成した第1の表示画像を示す画像データを前記可搬型表示装置へ逐次出力するとともに、前記表示画像生成手段が生成した第2の表示画像を示す画像データを前記別の表示装置へ逐次出力する画像データ出力手段として機能させ、
前記情報処理装置は、前記可搬型表示装置から出力されるデータをさらに利用可能であり、
前記操作データ取得手段は、前記可搬型表示装置に設けられた所定の入力装置に対するユーザ操作および/または前記可搬型表示装置本体の姿勢や前記可搬型表示装置本体を動かすユーザ操作を示す第1の操作データを、当該可搬型表示装置からさらに逐次取得し、
前記表示画像生成手段は、前記操作データ取得手段が取得した荷重データおよび前記第1の操作データの両方に基づいて、前記仮想世界の少なくとも一部を変化させることによって前記第1の表示画像および前記第2の表示画像をそれぞれ逐次生成する、情報処理プログラム。
前記表示画像生成手段は、仮想世界における第1の範囲を示す画像を前記第1の表示画像として生成し、当該第1の範囲とは異なる当該仮想世界における第2の範囲を示す画像を前記第2の表示画像として生成する、請求項15に記載の情報処理プログラム。
前記表示画像生成手段は、仮想世界を第1の視点から見た様子を示す画像を前記第1の表示画像として生成し、当該仮想世界を当該第1の視点とは異なる第2の視点から見た様子を示す画像を前記第2の表示画像として生成する、請求項15に記載の情報処理プログラム。
前記情報処理プログラムは、前記表示画像生成手段が生成した第1の表示画像を示す画像データを、逐次圧縮して圧縮画像データを生成する圧縮画像生成手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記画像データ出力手段は、前記圧縮画像生成手段が生成した圧縮画像データを前記第1の表示画像を示す画像データとして前記可搬型表示装置へ逐次出力し、前記表示画像生成手段が生成した第2の表示画像を示す画像データを前記別の表示装置へ逐次出力する、請求項15乃至17のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
前記情報処理プログラムは、少なくとも前記操作データ取得手段が取得した荷重データに基づいて、所定のゲーム処理を行うゲーム処理手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記表示画像生成手段は、前記所定のゲーム処理に基づいて、前記第1の表示画像および前記第2の表示画像を逐次生成する、請求項15乃至19の何れか1つに記載の情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムを実行する情報処理装置および当該情報処理装置を含む情報処理システムについて説明する。以下、説明を具体的にするために、当該情報処理装置の一例として据置型のゲーム装置本体5を用い、ゲーム装置本体5を含むゲームシステムを用いて説明する。なお、
図1は、据置型のゲーム装置3を含むゲームシステム1の一例を示す外観図である。
図2は、ゲーム装置本体5の一例を示すブロック図である。以下、当該ゲームシステム1について説明する。
【0048】
図1において、ゲームシステム1は、表示手段の一例である家庭用テレビジョン受像機(以下、モニタと記載する)2と、モニタ2に接続コードを介して接続する据置型のゲーム装置3とから構成される。モニタ2は、ゲーム装置3から出力された音声信号を音声出力するためのスピーカ2aを備える。また、ゲーム装置3は、本願発明の情報処理プログラムの一例となるプログラム(例えば、ゲームプログラム)を記録した光ディスク4と、光ディスク4のプログラムを実行してゲーム画面をモニタ2に表示出力させるためのコンピュータを搭載したゲーム装置本体5と、端末装置6と、表示画面に表示されたオブジェクト等を操作するために必要な操作情報をゲーム装置本体5に与えるためのコントローラ7と、ボード型コントローラ9とを含む。ゲームシステム1は、端末装置6、コントローラ7、およびボード型コントローラ9の少なくとも1つを用いたゲーム操作に基づいて、ゲーム装置本体5においてゲーム処理を実行し、ゲーム処理によって得られるゲーム画像をモニタ2および/または端末装置6に表示するものである。なお、ゲーム装置本体5と端末装置6、コントローラ7、およびボード型コントローラ9とは、無線によって無線通信可能に接続される。例えば、上記無線通信は、Bluetooth(登録商標)規格やIEEE802.11n規格に従って実行されるが、赤外線など他の規格に従って実行されてもよい。
【0049】
ゲーム装置本体5には、当該ゲーム装置本体5に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例である光ディスク4が脱着可能に挿入される。光ディスク4には、ゲーム装置本体5において実行されるための情報処理プログラム(典型的にはゲームプログラム)が記憶されている。ゲーム装置本体5の前面には、光ディスク4の挿入口が設けられている。ゲーム装置本体5は、挿入口に挿入された光ディスク4に記憶されている情報処理プログラムを読み出して実行することによってゲーム処理を実行する。
【0050】
ゲーム装置本体5には、モニタ2が接続コードを介して接続される。モニタ2は、ゲーム装置本体5において実行されるゲーム処理によって得られるゲーム画像を表示する。モニタ2はスピーカ2aを有しており、スピーカ2aは、上記ゲーム処理の結果得られるゲーム音声を出力する。なお、他の実施形態においては、ゲーム装置本体5と据置型の表示装置とは一体となっていてもよい。また、ゲーム装置本体5とモニタ2との通信は無線通信であってもよい。
【0051】
ゲーム装置本体5には、セーブデータ等のデータを固定的に記憶するバックアップメモリとして機能するフラッシュメモリ17(
図2参照)が搭載される。ゲーム装置本体5は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラム等を実行することによって、その結果をゲーム画像としてモニタ2および/または端末装置6に表示する。ゲームプログラム等は、光ディスク4に限らず、フラッシュメモリ17に予め記録されたものを実行するようにしてもよい。また、ゲーム装置本体5は、フラッシュメモリ17に記憶されたセーブデータを用いて、過去に実行されたゲーム状態を再現して、ゲーム画像をモニタ2および/または端末装置6に表示することもできる。そして、ゲーム装置3のユーザは、モニタ2および/または端末装置6に表示されたゲーム画像を見ながら、端末装置6、コントローラ7、およびボード型コントローラ9の少なくとも1つを操作することによって、ゲーム進行を楽しむことができる。
【0052】
コントローラ7およびボード型コントローラ9は、コントローラ通信モジュール19を内蔵するゲーム装置本体5へ、例えばBluetoothの技術を用いて操作情報等の送信データをそれぞれ無線送信する。コントローラ7は、主にモニタ2の表示画面に表示された選択肢の選択等をするための操作手段である。コントローラ7は、片手で把持可能な程度の大きさのハウジングと、当該ハウジングの表面に露出して設けられた複数個の操作ボタン(十字キー等を含む)とが設けられている。また、後述により明らかとなるが、コントローラ7は、コントローラ7から見た画像を撮像する撮像情報演算部74を備えている。そして、撮像情報演算部74の撮像対象の一例として、モニタ2の表示画面近傍(
図1では画面の上側)に2つのLEDモジュール(以下、マーカと記載する)8Lおよび8Rが設置される。詳細は後述するが、ユーザ(プレイヤ)は、コントローラ7を動かすゲーム操作を行うことができ、マーカ8は、コントローラ7の動きや位置や姿勢等をゲーム装置本体5が算出するために用いられる。マーカ8は、その両端に2つのマーカ8Lおよび8Rを備えている。マーカ8R(マーカ8Lも同様)は、具体的には1以上の赤外LED(Light Emitting Diode)であり、モニタ2の前方に向かって赤外光を出力する。マーカ8はゲーム装置本体5に接続されており、ゲーム装置本体5はマーカ8が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。なお、マーカ8は可搬型であり、ユーザはマーカ8を自由な位置に設置することができる。
図1ではマーカ8がモニタ2の上に設置された態様を表しているが、マーカ8を設置する位置および向きは任意である。また、コントローラ7は、ゲーム装置本体5のコントローラ通信モジュール19から無線送信された送信データを通信部75で受信して、当該送信データに応じた音や振動を発生させることもできる。
【0053】
なお、他の実施形態においてはコントローラ7および/またはボード型コントローラ9とゲーム装置本体5とは有線で接続されてもよい。また、本実施形態では、ゲームシステム1に含まれるコントローラ7およびボード型コントローラ9はそれぞれ1つとするが、ゲーム装置本体5は複数のコントローラ7および複数のボード型コントローラ9と通信可能であり、所定台数のコントローラ7およびボード型コントローラ9をそれぞれ同時に使用することによって複数人でゲームをプレイすることが可能である。コントローラ7およびボード型コントローラ9の詳細な構成については後述する。
【0054】
端末装置6は、ユーザが把持可能な程度の大きさであり、ユーザは端末装置6を手に持って動かしたり、あるいは、端末装置6を自由な位置に配置したりして使用することが可能な可搬型の装置である。詳細な構成は後述するが、端末装置6は、表示手段であるLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)61、および入力手段(後述するタッチパネル62やジャイロセンサ604等)を備える。端末装置6とゲーム装置本体5(端末通信モジュール28(
図2参照))とは無線(有線であってもよい)によって通信可能である。端末装置6は、ゲーム装置本体5で生成された画像(例えばゲーム画像)のデータをゲーム装置本体5から受信し、当該データが示す画像をLCD61に表示する。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、端末装置6は、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を有していてもよい。また、端末装置6は、端末通信モジュール28を内蔵するゲーム装置本体5へ、自機に対して行われた操作の内容を表す操作データを送信する。
【0055】
次に、
図2を参照して、ゲーム装置本体5の内部構成について説明する。
図2は、ゲーム装置本体5の構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置本体5は、CPU(Central Processing Unit)10、システムLSI(Large Scale Integration)11、外部メインメモリ12、ROM/RTC(Read Only Memory/Real Time Clock)13、ディスクドライブ14、およびAV−IC(Audio Video−Integrated Circuit)15等を有する。
【0056】
CPU10は、光ディスク4に記憶されたプログラムを実行することによって処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間のデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。なお、システムLSI11の内部構成については、後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置本体5の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ35または外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
【0057】
システムLSI11には、入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)31、GPU(Graphics Processor Unit)32、DSP(Digital Signal Processor)33、VRAM(Video RAM)34、および内部メインメモリ35が設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素31〜35は、内部バスによって互いに接続される。
【0058】
GPU32は、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAM34は、GPU32がグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU32は、VRAM34に記憶されたデータを用いて画像データを作成する。なお、本実施形態においては、ゲーム装置本体5は、モニタ2に表示するゲーム画像と、端末装置6に表示するゲーム画像との両方を生成することがある。以下では、モニタ2に表示されるゲーム画像を「モニタ用ゲーム画像」と呼び、端末装置6に表示されるゲーム画像を「端末用ゲーム画像」と呼ぶことがある。
【0059】
DSP33は、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ35や外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。なお、本実施形態においては、ゲーム音声についてもゲーム画像と同様、モニタ2のスピーカ2aから出力するゲーム音声と、端末装置6のスピーカから出力するゲーム音声との両方が生成されることがある。以下では、モニタ2から出力されるゲーム音声を「モニタ用ゲーム音声」と呼び、端末装置6から出力されるゲーム音声を「端末用ゲーム音声」と呼ぶことがある。
【0060】
上記のようにゲーム装置本体5において生成される画像および音声のうち、モニタ2に出力される画像データおよび音声のデータは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、AVコネクタ16を介して、読み出した画像データをモニタ2に出力するとともに、読み出した音声データをモニタ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、モニタ2に画像が表示されるとともにスピーカ2aから音が出力される。
【0061】
また、ゲーム装置本体5において生成される画像および音声のうち、端末装置6に出力される画像データおよび音声のデータは、入出力プロセッサ31等によって端末装置6へ送信される。入出力プロセッサ31等による端末装置6へのデータの送信については後述する。
【0062】
入出力プロセッサ31は、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ31は、フラッシュメモリ17、ネットワーク通信モジュール18、コントローラ通信モジュール19、拡張コネクタ20、メモリカード用コネクタ21、コーデックLSI27に接続される。また、ネットワーク通信モジュール18にはアンテナ22が接続される。コントローラ通信モジュール19にはアンテナ23が接続される。コーデックLSI27は端末通信モジュール28に接続され、端末通信モジュール28にはアンテナ29が接続される。
【0063】
ゲーム装置本体5は、インターネット等のネットワークに接続して外部情報処理装置(例えば他のゲーム装置や、各種サーバ等)と通信を行うことが可能である。すなわち、入出力プロセッサ31は、ネットワーク通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される外部情報処理装置と通信することができる。入出力プロセッサ31は、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データがある場合には、ネットワーク通信モジュール18およびアンテナ22を介して当該データをネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ31は、外部情報処理装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22、およびネットワーク通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10は、プログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してプログラムで利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置本体5と外部情報処理装置との間で送受信されるデータの他、ゲーム装置本体5を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(処理の結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。また、フラッシュメモリ17には、ゲームプログラム等のプログラムが記憶されてもよい。
【0064】
また、ゲーム装置本体5は、コントローラ7および/またはボード型コントローラ9からの操作データを受信することが可能である。すなわち、入出力プロセッサ31は、アンテナ23およびコントローラ通信モジュール19を介して、コントローラ7および/またはボード型コントローラ9から送信される操作データ等を受信し、内部メインメモリ35または外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。なお、内部メインメモリ35には、外部メインメモリ12と同様に、光ディスク4から読み出されたプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりしてもよく、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられてもかまわない。
【0065】
また、ゲーム装置本体5は、端末装置6との間で画像や音声等のデータを送受信することが可能である。入出力プロセッサ31は、端末装置6へゲーム画像(端末用ゲーム画像)を送信する場合、GPU32が生成したゲーム画像のデータをコーデックLSI27へ出力する。コーデックLSI27は、入出力プロセッサ31からの画像データに対して所定の圧縮処理を行う。端末通信モジュール28は、端末装置6との間で無線通信を行う。したがって、コーデックLSI27によって圧縮された画像データは、端末通信モジュール28によってアンテナ29を介して端末装置6へ送信される。なお、本実施形態では、ゲーム装置本体5から端末装置6へ送信される画像データはゲームに用いるものであり、ゲームにおいては表示される画像に遅延が生じるとゲームの操作性に悪影響が出る。そのため、ゲーム装置本体5から端末装置6への画像データの送信に関しては、できるだけ遅延が生じないようにすることが好ましい。したがって、本実施形態では、コーデックLSI27は、例えばH.264規格といった高効率の圧縮技術を用いて画像データを圧縮する。なお、それ以外の圧縮技術を用いてもよいし、通信速度が十分である場合には無圧縮で画像データを送信する構成であってもよい。また、端末通信モジュール28は、例えばWi−Fiの認証を受けた通信モジュールであり、例えばIEEE802.11n規格で採用されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術を用いて端末装置6との間の無線通信を高速に行うようにしてもよいし、他の通信方式を用いてもよい。
【0066】
また、ゲーム装置本体5は、画像データの他、音声データを端末装置6へ送信する。すなわち、入出力プロセッサ31は、DSP33が生成した音声データを、コーデックLSI27を介して端末通信モジュール28へ出力する。コーデックLSI27は、音声データに対しても画像データと同様に圧縮処理を行う。音声データに対する圧縮の方式は、どのような方式であってもよいが、圧縮率が高く、音声の劣化が少ない方式が好ましい。また、他の実施形態においては、音声データは圧縮されずに送信されてもよい。端末通信モジュール28は、圧縮された画像データおよび音声データを、アンテナ29を介して端末装置6へ送信する。
【0067】
さらに、ゲーム装置本体5は、上記画像データおよび音声データの他に、必要に応じて各種の制御データを端末装置6へ送信する。制御データは、端末装置6が備える構成要素に対する制御指示を表すデータであり、例えばマーカ部(
図10に示すマーカ部65)の点灯を制御する指示や、カメラ(
図10に示すカメラ66)の撮像を制御する指示等を表す。入出力プロセッサ31は、CPU10の指示に応じて制御データを端末装置6へ送信する。なお、この制御データに関して、本実施形態ではコーデックLSI27はデータの圧縮処理を行わないが、他の実施形態においては圧縮処理を行うようにしてもよい。なお、ゲーム装置本体5から端末装置6へ送信される上述のデータは、必要に応じて暗号化がされていてもよいし、されていなくてもよい。
【0068】
また、ゲーム装置本体5は、端末装置6から各種データを受信可能である。詳細は後述するが、本実施形態では、端末装置6は、操作データ、画像データ、および音声データを送信する。端末装置6から送信される各データは、アンテナ29を介して端末通信モジュール28によって受信される。ここで、端末装置6からの画像データおよび音声データは、ゲーム装置本体5から端末装置6への画像データおよび音声データと同様の圧縮処理が施されている。したがって、これら画像データおよび音声データについては、端末通信モジュール28からコーデックLSI27に送られ、コーデックLSI27によって伸張処理が施されて入出力プロセッサ31に出力される。一方、端末装置6からの操作データに関しては、画像や音声に比べてデータ量が少ないので、圧縮処理が施されていなくともよい。また、必要に応じて暗号化がされていてもよいし、されていなくてもよい。したがって、操作データは、端末通信モジュール28で受信された後、コーデックLSI27を介して入出力プロセッサ31に出力される。入出力プロセッサ31は、端末装置6から受信したデータを、内部メインメモリ35または外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
【0069】
また、ゲーム装置本体5は、他の機器や外部記憶媒体に接続することが可能である。すなわち、入出力プロセッサ31には、拡張コネクタ20およびメモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインタフェースのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラのような周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによってネットワーク通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ31は、拡張コネクタ20やメモリカード用コネクタ21を介して、外部記憶媒体にアクセスし、データを保存したり、データを読み出したりすることができる。
【0070】
ゲーム装置本体5(例えば、前部主面)には、電源ボタン24、リセットボタン25、光ディスク4を脱着する投入口、およびゲーム装置本体5の投入口から光ディスク4を取り出すイジェクトボタン26等が設けられている。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンされると、ゲーム装置本体5の各構成要素に対して電力が供給される。リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置本体5の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
【0071】
なお、他の実施形態においては、ゲーム装置本体5が備える各構成要素のうちでいくつかの構成要素は、ゲーム装置本体5とは別体の拡張機器として構成されてもよい。このとき、拡張機器は、例えば拡張コネクタ20を介してゲーム装置本体5と接続されるようにしてもよい。具体的には、拡張機器は、例えばコーデックLSI27、端末通信モジュール28、およびアンテナ29の各構成要素を備えており、拡張コネクタ20に対して着脱可能であってもよい。これによれば、上記各構成要素を備えていないゲーム装置本体に対して上記拡張機器を接続することによって、当該ゲーム装置本体を端末装置6と通信可能な構成とすることができる。
【0072】
図3および
図4を参照して、コントローラ7について説明する。なお、
図3は、コントローラ7の上側後方から見た一例を示す斜視図である。
図4は、コントローラ7を下側前方から見た一例を示す斜視図である。
【0073】
図3および
図4において、コントローラ7は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング71を有しており、当該ハウジング71に複数の操作部72が設けられている。ハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。ユーザは、コントローラ7に設けられた操作部72(操作ボタン)を押下すること、およびコントローラ7自体を動かしてその位置や姿勢(傾き)を変えることによってゲーム操作を行うことができる。
【0074】
ハウジング71には、複数の操作ボタンが設けられる。
図3に示すように、ハウジング71の上面には、十字ボタン72a、1番ボタン72b、2番ボタン72c、Aボタン72d、マイナスボタン72e、ホームボタン72f、プラスボタン72g、および電源ボタン72hが設けられる。本明細書では、これらの操作ボタン72a〜72hが設けられるハウジング71の上面を「ボタン面」と呼ぶことがある。一方、
図4に示すように、ハウジング71の下面には凹部が形成されており、当該凹部の後面側傾斜面にはBボタン72iが設けられる。これらの各操作ボタン72a〜72iには、ゲーム装置本体5が実行する情報処理プログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。また、電源ボタン72hは、遠隔からゲーム装置本体5本体の電源をオン/オフするためのものである。ホームボタン72fおよび電源ボタン72hは、その上面がハウジング71の上面に埋没している。これによって、ユーザがホームボタン72fまたは電源ボタン72hを誤って押下することを防止することができる。
【0075】
ハウジング71の後面にはコネクタ73が設けられている。コネクタ73は、コントローラ7に他の機器(例えば、他のセンサユニットやコントローラ)を接続するために利用される。また、ハウジング71の後面におけるコネクタ73の両側には、上記他の機器が容易に離脱することを防止するために係止穴が設けられている。
【0076】
ハウジング71上面の後方には複数(
図3では4つ)のLED702が設けられる。ここで、コントローラ7には、他のコントローラと区別するためにコントローラ種別(番号)が付与される。各LED702は、コントローラ7に現在設定されている上記コントローラ種別をユーザに通知したり、コントローラ7の電池残量をユーザに通知したりする等の目的で用いられる。具体的には、コントローラ7を用いてゲーム操作が行われる際、上記コントローラ種別に応じて複数のLED702のいずれか1つが点灯する。
【0077】
また、コントローラ7は撮像情報演算部74(
図6)を有しており、
図4に示すように、ハウジング71前面には撮像情報演算部74の光入射面71aが設けられる。光入射面71aは、マーカ部65やマーカ8からの赤外光を少なくとも透過する材質で構成される。
【0078】
ハウジング71上面における1番ボタン72bとホームボタン72fとの間には、コントローラ7に内蔵されるスピーカ706(
図5)からの音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。
【0079】
次に、
図5および
図6を参照して、コントローラ7の内部構造について説明する。
図5および
図6は、コントローラ7の内部構造を示す図である。なお、
図5は、コントローラ7の上筐体(ハウジング71の一部)を外した状態の一例を示す斜視図である。
図6は、コントローラ7の下筐体(ハウジング71の一部)を外した状態の一例を示す斜視図である。
図6に示す斜視図は、
図5に示す基板700を裏面から見た斜視図となっている。
【0080】
図5において、ハウジング71の内部には基板700が固設されており、当該基板700の上主面上に各操作ボタン72a〜72h、各LED702、加速度センサ701、アンテナ754、およびスピーカ706等が設けられる。これらは、基板700等に形成された配線(図示せず)によってマイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751(
図6参照)に接続される。本実施形態では、加速度センサ701は、X軸方向に関してコントローラ7の中心からずれた位置に配置されている。これによって、コントローラ7をZ軸回りに回転させたときのコントローラ7の動きが算出しやすくなる。また、加速度センサ701は、長手方向(Z軸方向)に関してコントローラ7の中心よりも前方に配置されている。また、無線モジュール753(
図6)およびアンテナ754によって、コントローラ7がワイヤレスコントローラとして機能する。
【0081】
一方、
図6において、基板700の下主面上の前端縁に撮像情報演算部74が設けられる。撮像情報演算部74は、コントローラ7の前方から順に赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を備えている。これらの部材741〜744はそれぞれ基板700の下主面に取り付けられる。
【0082】
さらに、基板700の下主面上には、上記マイコン751およびバイブレータ704が設けられている。バイブレータ704は、例えば振動モータやソレノイドであり、基板700等に形成された配線によってマイコン751と接続される。マイコン751の指示によりバイブレータ704が作動することによってコントローラ7に振動が発生する。これによって、コントローラ7を把持しているユーザの手にその振動が伝達される、いわゆる振動対応ゲームを実現することができる。本実施形態では、バイブレータ704は、ハウジング71のやや前方寄りに配置される。つまり、バイブレータ704がコントローラ7の中心よりも端側に配置することによって、バイブレータ704の振動によりコントローラ7全体を大きく振動させることができる。また、コネクタ73は、基板700の下主面上の後端縁に取り付けられる。なお、
図5および
図6に示す他、コントローラ7は、マイコン751の基本クロックを生成する水晶振動子、スピーカ706に音声信号を出力するアンプ等を備えている。
【0083】
なお、
図3〜
図6に示したコントローラ7の形状や、各操作ボタンの形状、加速度センサやバイブレータの数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であってもよい。また、本実施形態では、撮像手段による撮像方向はZ軸正方向であるが、撮像方向はいずれの方向であってもよい。すなわち、コントローラ7における撮像情報演算部74の位置(撮像情報演算部74の光入射面71a)は、ハウジング71の前面でなくてもよく、ハウジング71の外部から光を取り入れることができれば他の面に設けられてもかまわない。
【0084】
図7は、コントローラ7の構成の一例を示すブロック図である。コントローラ7は、操作部72(各操作ボタン72a〜72i)、撮像情報演算部74、通信部75、加速度センサ701、およびジャイロセンサ703等を備えている。コントローラ7は、自機に対して行われた操作内容を表すデータを操作データとしてゲーム装置本体5へ送信するものである。なお、以下では、コントローラ7が送信する操作データを「コントローラ操作データ」と呼び、端末装置6が送信する操作データを「端末操作データ」と呼び、ボード型コントローラ9が送信する操作データを「ボード操作データ」と呼ぶことがある。
【0085】
操作部72は、上述した各操作ボタン72a〜72iを含み、各操作ボタン72a〜72iに対する入力状態(各操作ボタン72a〜72iが押下されたか否か)を表す操作ボタンデータを通信部75のマイコン751へ出力する。
【0086】
撮像情報演算部74は、撮像手段が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い領域を判別してその領域の重心位置やサイズなどを算出するためのシステムである。撮像情報演算部74は、例えば最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期を有するので、比較的高速なコントローラ7の動きでも追跡して解析することができる。
【0087】
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コントローラ7の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ入射させる。撮像素子743は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDセンサのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を受光して画像信号を出力する。ここで、撮像対象となる端末装置6のマーカ部65およびマーカ8は、それぞれ赤外光を出力するマーカで構成される。したがって、赤外線フィルタ741を設けることによって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを受光して画像データを生成するので、撮像対象(マーカ部65および/またはマーカ8)の画像をより正確に撮像することができる。以下では、撮像素子743によって撮像された画像を撮像画像と呼ぶ。撮像素子743によって生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。画像処理回路744は、撮像画像内における撮像対象の位置を算出する。画像処理回路744は、算出された位置を示す座標を通信部75のマイコン751へ出力する。この座標のデータは、マイコン751によって操作データとしてゲーム装置本体5に送信される。以下では、上記座標を「マーカ座標」と呼ぶ。マーカ座標は、コントローラ7自体の向き(傾斜角度)や位置に対応して変化するので、ゲーム装置本体5はこのマーカ座標を用いてコントローラ7の向きや位置を算出することができる。
【0088】
なお、他の実施形態においては、コントローラ7は、画像処理回路744を備えていない構成であってもよく、撮像画像自体がコントローラ7からゲーム装置本体5へ送信されてもよい。このとき、ゲーム装置本体5は、画像処理回路744と同様の機能を有する回路あるいはプログラムを有しており、上記マーカ座標を算出するようにしてもよい。
【0089】
加速度センサ701は、コントローラ7の加速度(重力加速度を含む)を検出する、すなわち、コントローラ7に加わる力(重力を含む)を検出する。加速度センサ701は、当該加速度センサ701の検出部に加わっている加速度のうち、センシング軸方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の値を検出する。例えば、2軸以上の多軸加速度センサの場合には、加速度センサの検出部に加わっている加速度として、各軸に沿った成分の加速度をそれぞれ検出する。なお、加速度センサ701は、例えば静電容量式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)型加速度センサであるとするが、他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0090】
本実施形態では、加速度センサ701は、コントローラ7を基準とした上下方向(
図3に示すY軸方向)、左右方向(
図3に示すX軸方向)および前後方向(
図3に示すZ軸方向)の3軸方向に関してそれぞれ直線加速度を検出する。加速度センサ701は、各軸に沿った直線方向に関する加速度を検出するものであるため、加速度センサ701からの出力は3軸それぞれの直線加速度の値を表すものとなる。すなわち、検出された加速度は、コントローラ7を基準に設定されるXYZ座標系(コントローラ座標系)における3次元のベクトルとして表される。
【0091】
加速度センサ701が検出した加速度を表すデータ(加速度データ)は、通信部75へ出力される。なお、加速度センサ701が検出した加速度は、コントローラ7自体の向き(傾斜角度)や動きに対応して変化するので、ゲーム装置本体5は取得された加速度データを用いてコントローラ7の向きや動きを算出することができる。例えば、ゲーム装置本体5は、取得された加速度データに基づいてコントローラ7の姿勢や傾斜角度等を算出することができる。
【0092】
なお、加速度センサ701(後述する加速度センサ603についても同様)から出力される加速度の信号に基づいて、ゲーム装置本体5のプロセッサ(例えばCPU10)またはコントローラ7のプロセッサ(例えばマイコン751)等のコンピュータが処理を行うことによって、コントローラ7に関するさらなる情報を推測または算出(判定)することができることは、当業者であれば本明細書の説明から容易に理解できるであろう。例えば、加速度センサ701を搭載するコントローラ7が静止状態であることを前提としてコンピュータ側の処理が実行される場合(すなわち、加速度センサ701によって検出される加速度が重力加速度のみであるとして処理が実行される場合)、コントローラ7が現実に静止状態であれば、検出された加速度に基づいてコントローラ7の姿勢が重力方向に対して傾いているか否かまたはどの程度傾いているかを知ることができる。具体的には、加速度センサ701が単軸方向への加速度のみ検出できる場合であっても、当該検出軸が鉛直下方向を向いている状態を基準としたとき、1G(重力加速度)がかかっているか否かによって、コントローラ7が基準に対して傾いているか否かを知ることができるし、その大きさによって基準に対してどの程度傾いているかも知ることができる。また、多軸の加速度センサ701の場合には、さらに各軸の加速度の信号に対して処理を施すことによって、重力方向に対してコントローラ7がどの程度傾いているかをより詳細に知ることができる。この場合において、プロセッサは、加速度センサ701からの出力に基づいてコントローラ7の傾斜角度を算出してもよいし、当該傾斜角度を算出せずに、コントローラ7の傾斜方向を算出するようにしてもよい。このように、加速度センサ701をプロセッサと組み合わせて用いることによって、コントローラ7の傾斜角度または姿勢を判定することができる。
【0093】
一方、コントローラ7が動的な状態(コントローラ7が動かされている状態)であることを前提とする場合には、加速度センサ701が重力加速度に加えてコントローラ7の動きに応じた加速度を検出するので、検出された加速度から重力加速度の成分を所定の処理により除去することによってコントローラ7の動き方向を知ることができる。また、コントローラ7が動的な状態であることを前提とする場合であっても、検出された加速度から、加速度センサ701の動きに応じた加速度の成分を所定の処理により除去することによって、重力方向に対するコントローラ7の傾きを知ることが可能である。なお、他の実施例では、加速度センサ701は、内蔵の加速度検出手段で検出された加速度信号をマイコン751に出力する前に当該加速度信号に対して所定の処理を行うための、組込み式の処理装置または他の種類の専用の処理装置を備えていてもよい。組込み式または専用の処理装置は、例えば、加速度センサ701が静的な加速度(例えば、重力加速度)を検出するために用いられる場合、加速度信号を傾斜角(あるいは、他の好ましいパラメータ)に変換するものであってもよい。
【0094】
ジャイロセンサ703は、3軸(本実施形態では、XYZ軸)回りの角速度をそれぞれ検出する。本明細書では、コントローラ7の撮像方向(Z軸正方向)を基準として、X軸回りの回転方向をピッチ方向、Y軸回りの回転方向をヨー方向、Z軸回りの回転方向をロール方向と呼ぶ。ジャイロセンサ703は、3軸回りの角速度をそれぞれ検出することができればよく、用いるジャイロセンサの数および組み合わせはどのようなものであってもよい。例えば、ジャイロセンサ703は、3軸ジャイロセンサであってもよいし、2軸ジャイロセンサと1軸ジャイロセンサとを組み合わせて3軸周りの角速度をそれぞれ検出するものであってもよい。ジャイロセンサ703で検出された角速度を表すデータは、通信部75へ出力される。また、ジャイロセンサ703は、1軸または2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。
【0095】
通信部75は、マイコン751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理を行う際にメモリ752を記憶領域として用いながら、マイコン751が取得したデータをゲーム装置本体5へ無線送信する無線モジュール753を制御する。
【0096】
操作部72、撮像情報演算部74、加速度センサ701、およびジャイロセンサ703からそれぞれマイコン751へ出力されたデータは、一時的にメモリ752に格納される。これらのデータは、操作データ(コントローラ操作データ)としてゲーム装置本体5へ送信される。すなわち、マイコン751は、ゲーム装置本体5のコントローラ通信モジュール19への送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている操作データを無線モジュール753へ出力する。無線モジュール753は、例えばBluetooth(ブルートゥース)の技術を用いて、所定周波数の搬送波を操作データで変調し、その微弱電波信号をアンテナ754から放射する。つまり、操作データは、無線モジュール753で微弱電波信号に変調されてコントローラ7から送信される。上記微弱電波信号は、ゲーム装置本体5側のコントローラ通信モジュール19で受信される。そして、受信された微弱電波信号について復調や復号を行うことによって、ゲーム装置本体5はコントローラ7からの操作データを取得することができる。ゲーム装置本体5のCPU10は、コントローラ7から取得した操作データを用いてゲーム処理を行う。なお、通信部75からコントローラ通信モジュール19への無線送信は所定の周期毎に逐次行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として(1フレーム時間として)行われることが一般的であるので、この時間以下の周期で送信を行うことが好ましい。コントローラ7の通信部75は、例えば1/200秒に1回の割合で操作データをゲーム装置本体5のコントローラ通信モジュール19へ出力する。
【0097】
以上のように、コントローラ7は、自機に対する操作を表す操作データとして、マーカ座標データ、加速度データ、角速度データ、および操作ボタンデータをそれぞれ送信可能である。また、ゲーム装置本体5は、上記操作データをゲーム入力として用いてゲーム処理を実行することが可能である。したがって、コントローラ7を用いることによって、ユーザは、各操作ボタンを押下する従来の一般的なゲーム操作に加えて、コントローラ7自体を動かすゲーム操作を行うことができる。例えば、コントローラ7を任意の姿勢に傾ける操作、コントローラ7によって画面上の任意の位置を指示する操作、および、コントローラ7自体を動かす操作等を行うことが可能となる。
【0098】
また、本実施形態において、コントローラ7は、ゲーム画像を表示する表示手段を有しないが、例えば電池残量を表す画像等を表示するための表示手段を有していてもよい。
【0099】
次に、
図8〜
図10を参照して、端末装置6の構成について説明する。なお、
図8は、端末装置6の外観構成の一例を示す図である。
図8の(a)部は端末装置6の正面図であり、(b)部は上面図であり、(c)部は右側面図であり、(d)部は下面図である。
図9は、ユーザが端末装置6を把持した様子の一例を示す図である。
【0100】
図8に示されるように、端末装置6は、大略的には横長の長方形の板状形状であるハウジング60を備える。ハウジング60は、ユーザが把持することができる程度の大きさである。したがって、ユーザは、端末装置6を持って動かしたり、端末装置6の配置位置を変更したりすることができる。
【0101】
端末装置6は、ハウジング60の表面にLCD61を有する。LCD61は、ハウジング60の表面の中央付近に設けられる。したがって、ユーザは、
図9に示すようにLCD61の両側部分のハウジング60を持つことによって、LCD61の画面を見ながら端末装置6を持って動かすことができる。なお、
図9では、ユーザがLCD61の左右両側の部分のハウジング60を持つことで端末装置6を横持ちで持つ(すなわち、長辺方向を横にして端末装置6を持つ)例を示しているが、端末装置6を縦持ちで持つ(すなわち、長辺方向を縦にして端末装置6を持つ)ことも可能である。
【0102】
図8の(a)部に示すように、端末装置6は、操作手段として、LCD61の画面上にタッチパネル62を有する。本実施形態では、タッチパネル62は、抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、タッチパネル62は、抵抗膜方式に限らず、例えば静電容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いることができる。また、タッチパネル62は、シングルタッチ方式でもよいし、マルチタッチ方式であってもよい。本実施形態では、タッチパネル62として、LCD61の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル62の解像度とLCD61の解像度とが一致している必要はない。タッチパネル62に対する入力は、通常タッチペンを用いて行われるが、タッチペンに限らずユーザの指でタッチパネル62に対する入力をすることも可能である。なお、ハウジング60には、タッチパネル62に対する操作を行うために用いられるタッチペンを収納するための収納穴が設けられていてもよい。このように、端末装置6がタッチパネル62を備えているため、ユーザは、端末装置6を動かしながらタッチパネル62を操作することができる。つまり、ユーザは、LCD61の画面を動かしつつ、その画面に対して直接(タッチパネル62によって)入力を行うことができる。
【0103】
図8に示すように、端末装置6は、操作手段として、2つのアナログスティック63Aおよび63Bと、複数の操作ボタン64A〜64Lとを備えている。各アナログスティック63Aおよび63Bは、方向を指示するデバイスである。各アナログスティック63Aおよび63Bは、ユーザの指で操作されるスティック部がハウジング60の表面に対して任意の方向(上下左右および斜め方向の任意の角度)にスライドまたは傾倒することができるように構成されている。また、左アナログスティック63Aは、LCD61の画面の左側に、右アナログスティック63Bは、LCD61の画面の右側にそれぞれ設けられる。したがって、ユーザは、左右いずれの手でもアナログスティック63Aまたは63Bを用いて方向を指示する入力を行うことができる。また、
図9に示すように、各アナログスティック63Aおよび63Bは、ユーザが端末装置6の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられるので、ユーザは、端末装置6を持って動かす場合においても各アナログスティック63Aおよび63Bを容易に操作することができる。
【0104】
各操作ボタン64A〜64Lは、所定の入力を行うための操作手段である。以下に示すように、各操作ボタン64A〜64Lは、ユーザが端末装置6の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられる(
図9参照)。したがって、ユーザは、端末装置6を持って動かす場合においてもこれらの操作手段を容易に操作することができる。
【0105】
図8の(a)部に示すように、ハウジング60の表面には、各操作ボタン64A〜64Lのうち、十字ボタン(方向入力ボタン)64Aと、操作ボタン64B〜64Hとが設けられる。これらの操作ボタン64A〜64Gは、ユーザの親指で操作可能な位置に配置されている(
図9参照)。
【0106】
十字ボタン64Aは、LCD61の左側であって、左アナログスティック63Aの下側に設けられる。つまり、十字ボタン64Aは、ユーザの左手で操作可能な位置に配置されている。十字ボタン64Aは、十字の形状を有しており、上下左右の方向を指示することが可能なボタンである。また、操作ボタン64B〜64Dは、LCD61の下側に設けられる。これら3つの操作ボタン64B〜64Dは、左右両方の手で操作可能な位置に配置されている。また、4つの操作ボタン64E〜64Hは、LCD61の右側であって、右アナログスティック63Bの下側に設けられる。つまり、4つの操作ボタン64E〜64Hは、ユーザの右手で操作可能な位置に配置されている。さらに、4つの操作ボタン64E〜64Hは、(4つの操作ボタン64E〜64Hの中心位置に対して)上下左右の位置関係となるように配置されている。したがって、端末装置6は、ユーザに上下左右の方向を指示させるためのボタンとして4つの操作ボタン64E〜64Hを機能させることも可能である。
【0107】
また、
図8の(a)部、(b)部、および(c)部に示すように、第1Lボタン64Iおよび第1Rボタン64Jは、ハウジング60の斜め上部分(左上部分および右上部分)に設けられる。具体的には、第1Lボタン64Iは、板状のハウジング60における上側の側面の左端に設けられ、上側および左側の側面から突設されている。また、第1Rボタン64Jは、ハウジング60における上側の側面の右端に設けられ、上側および右側の側面から突設されている。このように、第1Lボタン64Iは、ユーザの左手人差し指で操作可能な位置に配置され、第1Rボタン64Jは、ユーザの右手人差し指で操作可能な位置に配置される(
図9参照)。
【0108】
また、
図8の(b)部および(c)部に示すように、第2Lボタン64Kおよび第2Rボタン64Lは、板状のハウジング60の裏面(すなわちLCD61が設けられる表面の反対側の面)に突出して設けられた足部68Aおよび68Bにそれぞれ突設される。具体的には、第2Lボタン64Kは、ハウジング60の裏面の左側(表面側から見たときの左側)のやや上方に設けられ、第2Rボタン64Lは、ハウジング60の裏面の右側(表面側から見たときの右側)のやや上方に設けられる。換言すれば、第2Lボタン64Kは、表面に設けられる左アナログスティック63Aの概ね反対側の位置に設けられ、第2Rボタン64Lは、表面に設けられる右アナログスティック63Bの概ね反対側の位置に設けられる。第2Lボタン64Kは、ユーザの左手中指で操作可能な位置に配置され、第2Rボタン64Lは、ユーザの右手中指で操作可能な位置に配置される(
図9参照)。また、第2Lボタン64Kおよび第2Rボタン64Lは、
図8の(c)部に示すように、上記足部68Aおよび68Bの斜め上方を向く面に設けられ、斜め上方を向くボタン面を有する。ユーザが端末装置6を把持した場合には、中指が上下方向に動くと考えられるので、ボタン面を上方に向けることで、ユーザは第2Lボタン64Kおよび第2Rボタン64Lを押下しやすくなる。また、ハウジング60の裏面に足部68Aおよび68Bが設けられることにより、ユーザはハウジング60を把持しやすくなり、かつ、足部68Aおよび68Bに操作ボタンが設けられることで、ハウジング60を把持したまま操作しやすくなる。
【0109】
なお、
図8に示す端末装置6に関しては、第2Lボタン64Kおよび第2Rボタン64Lが裏面に設けられるので、LCD61の画面(ハウジング60の表面)が上を向いた状態で端末装置6を載置させる場合、画面が完全に水平にはならない場合がある。そのため、他の実施形態においては、ハウジング60の裏面に3つ以上の足部が形成されてもよい。これによれば、LCD61の画面が上を向いた状態では3つ以上の足部が床面と接するように端末装置6を載置できるので、画面が水平になるように端末装置6を載置することができる。また、着脱可能な足部を装着することで端末装置6を水平に載置可能にしてもよい。
【0110】
各操作ボタン64A〜64Lには、ゲームプログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。例えば、十字ボタン64Aおよび操作ボタン64E〜64Hは、方向指示操作や選択操作等に用いられてもよいし、各操作ボタン64B〜64Eは、決定操作やキャンセル操作等に用いられてもよい。
【0111】
なお、図示しないが、端末装置6は、端末装置6の電源をオン/オフするための電源ボタンを有している。また、端末装置6は、LCD61の画面表示をオン/オフするための操作ボタンや、ゲーム装置本体5との接続設定(ペアリング)を行うための操作ボタンや、スピーカ(
図10に示すスピーカ607)の音量を調節するための操作ボタンを有していてもよい。
【0112】
図8の(a)部に示すように、端末装置6は、マーカ65Aおよびマーカ65Bからなるマーカ部(
図10に示すマーカ部65)をハウジング60の表面に備えている。一例として、マーカ部65は、LCD61の上側に設けられる。マーカ65Aおよびマーカ65Bは、マーカ8のマーカ8Lおよび8Rと同様、それぞれ1以上の赤外LEDで構成される。マーカ部65は、上述したマーカ8と同様、マーカ部65に対するコントローラ7の動き等をゲーム装置本体5が算出するために用いられる。また、ゲーム装置本体5は、マーカ部65が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。
【0113】
端末装置6は、撮像手段であるカメラ66を備えている。カメラ66は、所定の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)と、レンズとを含む。例えば、カメラ66は、ハウジング60の表面に設けられる。したがって、カメラ66は、端末装置6を持っているユーザの顔を撮像することができ、一例としてLCD61を見ながらゲームを行っている状態におけるユーザを撮像することができる。
【0114】
なお、端末装置6は、音声入力手段であるマイク(
図10に示すマイク609)を備えている。ハウジング60の表面には、マイクロフォン用孔60bが設けられる。マイク609は、マイクロフォン用孔60bの内側となるハウジング60内部に設けられる。マイク609は、ユーザの音声等、端末装置6の周囲の音を検出する。
【0115】
端末装置6は、音声出力手段であるスピーカ(
図10に示すスピーカ607)を備えている。
図8の(d)部に示すように、ハウジング60の下側側面にはスピーカ孔60aが設けられる。スピーカ607の出力音は、スピーカ孔60aから出力される。本実施形態では、端末装置6は、2つのスピーカを備えており、左スピーカおよび右スピーカのそれぞれの位置にスピーカ孔60aが設けられる。
【0116】
また、端末装置6は、他の装置を端末装置6に接続するための拡張コネクタ67を備えている。本実施形態においては、
図8の(d)部に示すように、拡張コネクタ67は、ハウジング60の下側側面に設けられる。なお、拡張コネクタ67に接続される他の装置はどのようなものであってもよく、例えば、特定のゲームに用いるコントローラ(銃型のコントローラ等)やキーボード等の入力装置であってもよい。他の装置を接続する必要がなければ、拡張コネクタ67は設けられていなくともよい。
【0117】
なお、
図8に示した端末装置6に関して、各操作ボタンやハウジング60の形状や、各構成要素の数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であってもよい。
【0118】
次に、
図10を参照して、端末装置6の内部構成について説明する。
図10は、端末装置6の内部構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、端末装置6は、
図8に示した構成の他、タッチパネルコントローラ601、磁気センサ602、加速度センサ603、ジャイロセンサ604、ユーザインタフェースコントローラ(UIコントローラ)605、コーデックLSI606、スピーカ607、サウンドIC608、マイク609、無線モジュール610、アンテナ611、赤外線通信モジュール612、フラッシュメモリ613、電源IC614、電池615、およびバイブレータ619を備える。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されてハウジング60内に収納される。
【0119】
UIコントローラ605は、各種の入出力部に対するデータの入出力を制御するための回路である。UIコントローラ605は、タッチパネルコントローラ601、アナログスティック63(アナログスティック63Aおよび63B)、操作ボタン64(各操作ボタン64A〜64L)、マーカ部65、磁気センサ602、加速度センサ603、ジャイロセンサ604、およびバイブレータ619に接続される。また、UIコントローラ605は、コーデックLSI606と拡張コネクタ67とに接続される。また、UIコントローラ605には電源IC614が接続され、UIコントローラ605を介して各部に電力が供給される。電源IC614には内蔵の電池615が接続され、電力が供給される。また、電源IC614には、コネクタ等を介して外部電源から電力を取得可能な充電器616またはケーブルを接続することが可能であり、端末装置6は、充電器616またはケーブルを用いて外部電源からの電力供給と充電とを行うことができる。なお、端末装置6は、図示しない充電機能を有するクレイドルに端末装置6を装着することで充電を行うようにしてもよい。
【0120】
タッチパネルコントローラ601は、タッチパネル62に接続され、タッチパネル62の制御を行う回路である。タッチパネルコントローラ601は、タッチパネル62からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してUIコントローラ605へ出力する。タッチ位置データは、タッチパネル62の入力面において入力が行われた位置の座標を表す。なお、タッチパネルコントローラ601は、タッチパネル62からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。また、UIコントローラ605からタッチパネルコントローラ601へは、タッチパネル62に対する各種の制御指示が出力される。
【0121】
アナログスティック63は、ユーザの指で操作されるスティック部がスライドした(または傾倒した)方向および量を表すスティックデータをUIコントローラ605へ出力する。また、操作ボタン64は、各操作ボタン64A〜64Lに対する入力状況(押下されたか否か)を表す操作ボタンデータをUIコントローラ605へ出力する。
【0122】
磁気センサ602は、磁界の大きさおよび方向を検知することで方位を検出する。検出された方位を示す方位データは、UIコントローラ605へ出力される。また、UIコントローラ605から磁気センサ602へは、磁気センサ602に対する制御指示が出力される。磁気センサ602に関しては、MI(磁気インピーダンス)素子、フラックスゲートセンサ、ホール素子、GMR(巨大磁気抵抗)素子、TMR(トンネル磁気抵抗)素子、あるいはAMR(異方性磁気抵抗)素子等を用いたセンサがあるが、方位を検出することができればどのようなものが用いられてもよい。なお、厳密には、地磁気以外に磁界が発生している場所においては、得られた方位データは方位を示さないことになるが、そのような場合であっても、端末装置6が動いた場合には方位データが変化するため、端末装置6の姿勢の変化を算出することができる。
【0123】
加速度センサ603は、ハウジング60の内部に設けられ、3軸(
図8の(a)部に示すxyz軸)方向に沿った直線加速度の大きさを検出する。具体的には、加速度センサ603は、ハウジング60の長辺方向をx軸、ハウジング60の短辺方向をy軸、ハウジング60の表面に対して垂直な方向をz軸として、各軸の直線加速度の大きさを検出する。検出された加速度を表す加速度データはUIコントローラ605へ出力される。また、UIコントローラ605から加速度センサ603へは、加速度センサ603に対する制御指示が出力される。加速度センサ603は、本実施形態では例えば静電容量式のMEMS型加速度センサであるとするが、他の実施形態においては他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度センサ603は1軸または2軸方向を検出する加速度センサであってもよい。
【0124】
ジャイロセンサ604は、ハウジング60の内部に設けられ、上記x軸、y軸、およびz軸の3軸周りの角速度をそれぞれ検出する。検出された角速度を表す角速度データは、UIコントローラ605へ出力される。また、UIコントローラ605からジャイロセンサ604へは、ジャイロセンサ604に対する制御指示が出力される。なお、3軸の角速度を検出するために用いられるジャイロセンサの数および組み合わせはどのようなものであってもよく、ジャイロセンサ604はジャイロセンサ703と同様、2軸ジャイロセンサと1軸ジャイロセンサとで構成されてもよい。また、ジャイロセンサ604は1軸または2軸方向を検出するジャイロセンサであってもよい。
【0125】
バイブレータ619は、例えば振動モータやソレノイドであり、UIコントローラ605と接続される。UIコントローラ605からバイブレータ619へ出力される制御指示に応じて、バイブレータ619が作動することによって端末装置6に振動が発生する。これによって、端末装置6を把持しているユーザの手にその振動が伝達される、いわゆる振動対応ゲームを実現することができる。
【0126】
UIコントローラ605は、上記の各構成要素から受け取ったタッチ位置データ、スティックデータ、操作ボタンデータ、方位データ、加速度データ、および角速度データを含む操作データをコーデックLSI606に出力する。なお、拡張コネクタ67を介して端末装置6に他の装置が接続される場合には、当該他の装置に対する操作を表すデータが上記操作データにさらに含まれていてもよい。
【0127】
コーデックLSI606は、ゲーム装置本体5へ送信するデータに対する圧縮処理、およびゲーム装置本体5から送信されたデータに対する伸張処理を行う回路である。コーデックLSI606には、LCD61、カメラ66、サウンドIC608、無線モジュール610、フラッシュメモリ613、および赤外線通信モジュール612が接続される。また、コーデックLSI606は、CPU617と内部メモリ618とを含む。例えば、端末装置6は、ゲーム処理自体を行わない構成であるが、端末装置6の管理や通信のための最小限のプログラムを実行する必要がある。一例として、電源投入時にフラッシュメモリ613に格納されたプログラムを内部メモリ618に読み出してCPU617が実行することで、端末装置6が起動する。また、内部メモリ618の一部の領域は、LCD61のためのVRAMとして使用される。
【0128】
カメラ66は、ゲーム装置本体5からの指示に従って画像を撮像し、撮像した画像データをコーデックLSI606へ出力する。また、コーデックLSI606からカメラ66へは、画像の撮像指示等、カメラ66に対する制御指示が出力される。なお、カメラ66は、動画の撮影も可能である。すなわち、カメラ66は、繰り返し撮像を行って画像データをコーデックLSI606へ繰り返し出力することも可能である。
【0129】
サウンドIC608は、スピーカ607およびマイク609に接続され、スピーカ607およびマイク609への音声データの入出力を制御する回路である。すなわち、コーデックLSI606から音声データを受け取った場合、サウンドIC608は、当該音声データに対してD/A変換を行って得られる音声信号をスピーカ607へ出力し、スピーカ607から音を出力させる。また、マイク609は、端末装置6に伝わる音(ユーザの音声等)を検知して、当該音を示す音声信号をサウンドIC608へ出力する。サウンドIC608は、マイク609からの音声信号に対してA/D変換を行い、所定の形式の音声データをコーデックLSI606へ出力する。
【0130】
コーデックLSI606は、カメラ66からの画像データ、マイク609からの音声データ、およびUIコントローラ605からの操作データを、端末操作データとして無線モジュール610を介してゲーム装置本体5へ送信する。本実施形態では、コーデックLSI606は、画像データおよび音声データに対して、コーデックLSI27と同様の圧縮処理を行う。圧縮された画像データおよび音声データと上記端末操作データとは、送信データとして無線モジュール610に出力される。無線モジュール610にはアンテナ611が接続されており、無線モジュール610はアンテナ611を介してゲーム装置本体5へ上記送信データを送信する。無線モジュール610は、ゲーム装置本体5の端末通信モジュール28と同様の機能を有している。すなわち、無線モジュール610は、例えばIEEE802.11nの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。無線モジュール610から送信されるデータは、必要に応じて暗号化されていてもよいし、されていなくてもよい。
【0131】
以上のように、端末装置6からゲーム装置本体5へ送信される送信データには、操作データ(端末操作データ)、画像データ、および音声データが含まれる。なお、拡張コネクタ67を介して端末装置6に他の装置が接続される場合には、当該他の装置から受け取ったデータが上記送信データにさらに含まれていてもよい。また、赤外線通信モジュール612は、他の装置との間で例えばIRDAの規格に従った赤外線通信を行う。コーデックLSI606は、赤外線通信によって受信したデータを、必要に応じて上記送信データに含めてゲーム装置本体5へ送信してもよい。
【0132】
また、上述のように、ゲーム装置本体5から端末装置6へは、圧縮された画像データおよび音声データが送信される。これらのデータは、アンテナ611および無線モジュール610を介してコーデックLSI606で受信される。コーデックLSI606は、受信した画像データおよび音声データを伸張する。伸張された画像データは、LCD61へ出力され、当該画像データに応じた画像がLCD61に表示される。また、伸張された音声データは、サウンドIC608へ出力され、当該音声データに応じた音がスピーカ607から出力される。
【0133】
また、ゲーム装置本体5から受信されるデータに制御データが含まれる場合、コーデックLSI606およびUIコントローラ605は、制御データに従った制御指示を各部に行う。上述のように、制御データは、端末装置6が備える各構成要素(本実施形態では、カメラ66、タッチパネルコントローラ601、マーカ部65、各センサ602〜604、バイブレータ619、および赤外線通信モジュール612)に対する制御指示を表すデータである。本実施形態では、制御データが表す制御指示としては、上記各構成要素を動作させたり、動作を休止(停止)させたりする指示が考えられる。すなわち、ゲームで使用しない構成要素については電力消費を抑えるために休止させてもよく、その場合、端末装置6からゲーム装置本体5へ送信される送信データには、休止した構成要素からのデータが含まれないようにする。なお、マーカ部65は、赤外LEDであるので、制御は単に電力の供給のON/OFFでよい。
【0134】
以上のように、端末装置6は、タッチパネル62、アナログスティック63、および操作ボタン64といった操作手段を備えるが、他の実施形態においては、これらの操作手段に代えて、または、これらの操作手段とともに、他の操作手段を備える構成であってもよい。
【0135】
また、端末装置6は、端末装置6の動き(位置や姿勢、あるいは、位置や姿勢の変化を含む)を算出するためのセンサとして、磁気センサ602、加速度センサ603、およびジャイロセンサ604を備えるが、他の実施形態においては、これらのセンサのうち1つまたは2つのみを備える構成であってもよい。また、他の実施形態においては、これらのセンサに代えて、または、これらのセンサとともに、他のセンサを備える構成であってもよい。
【0136】
また、端末装置6は、カメラ66およびマイク609を備える構成であるが、他の実施形態においては、カメラ66およびマイク609を備えていなくてもよく、また、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0137】
また、端末装置6は、端末装置6とコントローラ7との位置関係(コントローラ7から見た端末装置6の位置および/または姿勢等)を算出するための構成としてマーカ部65を備える構成であるが、他の実施形態ではマーカ部65を備えていない構成としてもよい。また、他の実施形態では、端末装置6は、上記位置関係を算出するための構成として他の手段を備えていてもよい。例えば、他の実施形態においては、コントローラ7がマーカ部を備え、端末装置6が撮像素子を備える構成としてもよい。さらにこの場合、マーカ8は赤外LEDに代えて、撮像素子を備える構成としてもよい。
【0138】
次に、
図11〜
図13を参照して、ボード型コントローラ9の構成について説明する。なお、
図11は、
図1に示したボード型コントローラ9の外観の一例を示す斜視図である。
図11に示されるように、ボード型コントローラ9は、ユーザがその上に乗る(ユーザの足を乗せる)台9a、台9aに掛かる荷重を検出するための少なくとも4つの荷重センサ94a〜94dを備える。各荷重センサ94a〜94dは、それぞれ台9aに内包されており(
図12参照)、
図11においてはそれらの配置位置がそれぞれ破線で示されている。なお、以下の説明において、4つの荷重センサ94a〜94dを総称して説明する場合、荷重センサ94と記載することがある。
【0139】
台9aは、略直方体に形成されており、上面視で略長方形状である。例えば、台9aは、長方形状の短辺が30cm程度に設定され、長辺が50cm程度に設定される。台9aの上面は、平坦に形成され、ユーザが両足裏をそれぞれ置いて乗るための一対の面が設定されている。具体的には、台9aの上面には、ユーザが左足を乗せるための面(
図11における左奥側に2重線で囲まれた領域)および左足を乗せるための面(
図11における右手前側に2重線で囲まれた領域)がそれぞれ設定されている。そして、台9aの4隅の側面は、例えば部分的に円柱状に張り出すように形成されている。
【0140】
台9aにおいて、4つの荷重センサ94a〜94dは、所定の間隔を置いて配置される。当該実施例では、4つの荷重センサ94a〜94dは、台9aの周縁部に、具体的には4隅にそれぞれ配置される。荷重センサ94a〜94dの間隔は、台9aに対するユーザの荷重のかけ方によるゲーム操作の意図をより精度良く検出できるように適宜な値に設定される。
【0141】
図12は、
図11に示したボード型コントローラ9のA−A断面図の一例を示すとともに、荷重センサ94が配置された隅の部分が拡大表示された一例を示している。
図12において、台9aは、ユーザが乗るための支持板90と脚92とを含む。荷重センサ94a〜94dは、脚92が配置される箇所にそれぞれ設けられる。この実施例では、4つの脚92が4隅に設けられているので、4つの荷重センサ94a〜94dがそれぞれ4隅に配置されることになる。脚92は、例えばプラスチック成型によって略有底円筒状に形成されており、荷重センサ94は、脚92内の底面に設けられた球面部品92a上に配置される。支持板90は、荷重センサ94を介して脚92に支持される。
【0142】
支持板90は、上面と側面上部とを形成する上層板90a、下面と側面下部とを形成する下層板90b、および上層板90aと下層板90bとの間に設けられる中層板90cを含む。上層板90aと下層板90bとは、例えばプラスチック成型により形成されており、接着等により一体化される。中層板90cは、例えば1枚の金属板のプレス成型により形成されている。中層板90cは、4つの荷重センサ94a〜94dの上に固定される。上層板90aは、その下面に格子状のリブ(図示しない)を有しており、当該リブを介して中層板90cに支持されている。したがって、台9aにユーザが乗ったときには、その荷重は、支持板90および荷重センサ94a〜94dを介して、4つの脚92に伝達する。
図12に矢印で示したように、入力された荷重によって生じた床からの反作用は、脚92から、球面部品92a、荷重センサ94a〜94d、および中層板90cを介して、上層板90aに伝達する。
【0143】
荷重センサ94は、例えば歪ゲージ(歪センサ)式ロードセルであり、入力された荷重を電気信号に変換する荷重変換器である。荷重センサ94では、荷重入力に応じて、起歪体95が変形して歪が生じる。この歪が、起歪体95に貼り付けられた歪センサ96によって電気抵抗の変化に変換され、さらに電圧変化に変換される。したがって、荷重センサ94は、入力荷重を示す電圧信号を出力端子から出力することができる。
【0144】
なお、荷重センサ94は、音叉振動式、弦振動式、静電容量式、圧電式、磁歪式、またはジャイロ式のような他の方式の荷重センサであってもよい。
【0145】
図11に戻って、ボード型コントローラ9には、さらに、電源ボタン9cが設けられる。ボード型コントローラ9が起動していない状態で電源ボタン9cが操作(例えば、電源ボタン9cの押下)されると、ボード型コントローラ9の各回路コンポーネント(
図13参照)に電力が供給される。ただし、ボード型コントローラ9は、ゲーム装置本体5からの指示に従って電源オンされて各回路コンポーネントに電力供給が開始される場合もある。なお、ボード型コントローラ9は、ユーザが乗っていない状態が一定時間(例えば、30秒)以上継続すると、自動的に電源がオフされてもよい。また、ボード型コントローラ9が起動している状態で、電源ボタン9cが再度操作された場合、電源がオフされて各回路コンポーネントへの電力供給が停止されてもよい。
【0146】
図13は、ボード型コントローラ9の電気的な構成の一例を示すブロック図である。なお、
図13では、信号およびデータの流れは実線矢印で示され、電力の供給が破線矢印で示されている。
【0147】
図13において、ボード型コントローラ9は、その動作を制御するためのマイクロコンピュータ(マイコン)100を含む。マイコン100は、図示しないCPU、ROM、およびRAM等を含み、CPUがROMに記憶されたプログラムに従ってボード型コントローラ9の動作を制御する。
【0148】
マイコン100には、電源ボタン9c、ADコンバータ102、DC−DCコンバータ104、および無線モジュール106が接続される。さらに、無線モジュール106には、アンテナ106aが接続される。4つの荷重センサ94a〜94dは、それぞれ増幅器108を介してADコンバータ102に接続される。
【0149】
また、ボード型コントローラ9には、各回路コンポーネントへの電力供給のために電池110が収容されている。他の実施例では、電池110に代えてACアダプタをボード型コントローラ9に接続し、商用電力を各回路コンポーネントに供給するようにしてもよい。この場合、DC−DCコンバータ104に代えて、交流を直流に変換し、直流電圧を降圧および整流する電源回路をボード型コントローラ9内に設ける必要がある。この実施例では、マイコン100および無線モジュール106への電力供給は、電池110から直接的に行われる。つまり、マイコン100内部の一部のコンポーネント(CPU)と無線モジュール106とには、常に電池110からの電力が供給されており、電源ボタン9cがオンされたか否か、ゲーム装置本体5から電源オンを指示するコマンドが送信されたか否かを検出する。一方、荷重センサ94a〜94d、ADコンバータ102、および増幅器108には、DC−DCコンバータ104を介して電池110からの電力が供給される。DC−DCコンバータ104は、電池110からの直流電流の電圧値を異なる電圧値に変換して、荷重センサ94a〜94d、ADコンバータ102、および増幅器108に与える。
【0150】
これら荷重センサ94a〜94d、ADコンバータ102、および増幅器108への電力供給は、マイコン100によるDC−DCコンバータ104の制御によって、必要に応じて行われるようにしてもよい。つまり、マイコン100は、荷重センサ94a〜94dを動作させて荷重を検出する必要があると判断される場合に、DC−DCコンバータ104を制御して、荷重センサ94a〜94d、ADコンバータ102、および増幅器108に電力を供給するようにしてよい。
【0151】
電力が供給されると、荷重センサ94a〜94dは、入力された荷重を示す信号をそれぞれ出力する。これらの信号は、各増幅器108で増幅され、ADコンバータ102でアナログ信号からデジタルデータに変換されて、マイコン100に入力される。荷重センサ94a〜94dの検出値には荷重センサ94a〜94dの識別情報が付与されて、いずれの荷重センサ94a〜94dの検出値であるかが識別可能にされる。このようにして、マイコン100は、同一時刻における4つの荷重センサ94a〜94dそれぞれの荷重検出値を示すデータを取得することができる。
【0152】
一方、マイコン100は、荷重センサ94a〜94dを動作させる必要がないと判断される場合、つまり、荷重検出タイミングでない場合、DC−DCコンバータ104を制御して、荷重センサ94a〜94d、ADコンバータ102、および増幅器108への電力の供給を停止する。このように、ボード型コントローラ9は、必要な場合にだけ、荷重センサ94a〜94dを動作させて荷重や距離の検出を行うことができるので、荷重検出のための電力消費を抑制することができる。
【0153】
荷重検出が必要な場合とは、典型的には、ゲーム装置本体5(
図1)が荷重データを取得したいときである。例えば、ゲーム装置本体5が荷重情報を必要とするとき、ゲーム装置本体5は、ボード型コントローラ9に対して情報取得命令を送信する。マイコン100は、ゲーム装置本体5から情報取得命令を受信したときに、DC−DCコンバータ104を制御して、荷重センサ94a〜94d等に電力を供給し、荷重を検出する。一方、マイコン100は、ゲーム装置本体5から情報取得命令を受信していないときには、DC−DCコンバータ104を制御して、荷重センサ94a〜94d等への電力供給を停止する。
【0154】
なお、マイコン100は、一定時間ごとに荷重検出タイミングが到来すると判断して、DC−DCコンバータ104を制御するようにしてもよい。このような周期的な荷重検出を行う場合、周期情報は、例えば、ゲーム開始時点においてゲーム装置本体5からボード型コントローラ9のマイコン100に与えられて記憶されてもよいし、予めマイコン100にプリインストールされてもよい。
【0155】
荷重センサ94a〜94dからの検出値を示すデータは、ボード型コントローラ9のボード操作データ(入力データ)として、マイコン100から無線モジュール106およびアンテナ106aを介してゲーム装置本体5に送信される。例えば、ゲーム装置本体5からの命令を受けて荷重検出を行った場合、マイコン100は、ADコンバータ102から荷重センサ94a〜94dの検出値データを受信したことに応じて、当該検出値データをゲーム装置本体5に送信する。なお、マイコン100は、一定時間ごとに上記検出値データをゲーム装置本体5に送信するようにしてもよい。荷重の検出周期よりも送信周期が長い場合には、送信タイミングまでに検出された複数の検出タイミングの荷重値を含むデータを送信すればよい。
【0156】
なお、無線モジュール106は、ゲーム装置本体5のコントローラ通信モジュール19と同じ無線規格(Bluetooth、無線LANなど)で通信可能にされる。したがって、ゲーム装置本体5のCPU10は、コントローラ通信モジュール19等を介して情報取得命令をボード型コントローラ9に送信することができる。このように、ボード型コントローラ9は、無線モジュール106およびアンテナ106aを介して、ゲーム装置本体5からの命令を受信することができる。また、ボード型コントローラ9は、荷重センサ94a〜94dの荷重検出値(または荷重算出値)を含むボード操作データをゲーム装置本体5に送信することができる。
【0157】
例えば4つの荷重センサ94a〜94dで検出される4つの荷重値の単なる合計値を用いて実行されるようなゲームの場合には、ユーザはボード型コントローラ9の4つの荷重センサ94a〜94dに対して任意の位置をとることができる。つまり、ユーザは、台9aの上の任意の位置に任意の向きで乗ってゲームをプレイすることができる。しかしながら、ゲームの種類によっては、4つの荷重センサ94で検出される荷重値がユーザから見ていずれの方向の荷重値であるかを識別して処理を行う必要がある。つまり、ボード型コントローラ9の4つの荷重センサ94とユーザとの位置関係が把握されている必要がある。この場合、例えば、4つの荷重センサ94とユーザとの位置関係を予め規定しておき、当該所定の位置関係が得られるようにユーザが台9a上に乗ることが前提とされてもよい。典型的には、台9aの中央に乗ったユーザの前後左右にそれぞれ荷重センサ94a〜94dが2つずつ存在するような位置関係、つまり、ユーザがボード型コントローラ9の台9aの中央に乗った位置関係が規定される。この場合、この実施例では、ボード型コントローラ9の台9aが平面視で矩形状に形成されるとともにその矩形の1辺(長辺)に電源ボタン9cが設けられているので、この電源ボタン9cを目印として利用して、ユーザには電源ボタン9cの設けられた長辺が所定の方向(前、後、左または右)に存在するようにして台9aに乗ってもらうことを予め決めておく。このようにすれば、荷重センサ94a〜94dで検出される荷重値は、ユーザから見て所定の方向(右前、左前、右後および左後)の荷重値となる。したがって、ボード型コントローラ9およびゲーム装置本体5は、荷重検出値データに含まれる荷重センサ94の識別情報と、予め設定(記憶)された荷重センサ94のユーザに対する位置または方向を示す配置データとに基づいて、各荷重検出値がユーザから見ていずれの方向に対応するかを把握することができる。これにより、例えば前後左右の操作方向や上げている足の区別のようなユーザによるゲーム操作の意図を把握することが可能になる。
【0158】
次に、ゲーム装置本体5が行う具体的な処理を説明する前に、
図14、
図15A、および
図15Bを用いてゲーム装置本体5で行う情報処理の概要について説明する。以下の情報処理の概要の説明においては、情報処理の一例として第1のゲーム例を用いる。なお、
図14は、第1のゲーム例において、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作するユーザの様子の一例を示す図である。
図15Aは、第1のゲーム例において、端末装置6のLCD61に表示される画像の一例を示す図である。
図15Bは、第1のゲーム例において、モニタ2に表示される画像の一例を示す図である。
【0159】
図14に示すように、第1のゲーム例では、ユーザは、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作する。具体的には、ユーザは、端末装置6を把持しながら、ボード型コントローラ9上に乗って操作する。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で動作(例えば、足踏み動作や屈伸動作)するとともに、端末装置6自体を動かす操作をすることによってプレイする。そして、端末装置6のLCD61およびモニタ2には、ユーザが把持する端末装置6の方向や姿勢と、ボード型コントローラ9上におけるユーザ動作とに応じて、仮想空間においてプレイヤオブジェクトPoが動作するように表現される。
【0160】
図15Aに示すように、端末装置6のLCD61には仮想空間内を移動するプレイヤオブジェクトPoが表示される。
図15Aに示した一例では、海中を泳ぐプレイヤオブジェクトPoの背後近傍から見た仮想空間内の様子がプレイヤオブジェクトPoとともに表示されている。このように、プレイヤオブジェクトPoの背後近傍から見た仮想空間をLCD61に表示することによって、端末装置6を把持しているユーザに仮想空間の臨場感を与えるとともに、ユーザがプレイヤオブジェクトPoの移動方向や移動速度を直感的に知ることができる。
【0161】
また、
図15Bに示すように、モニタ2にもLCD61に表示されている仮想空間と同じ仮想空間が表示される。
図15Bに示した一例では、海中を泳ぐプレイヤオブジェクトPoを遠方から鳥瞰した仮想空間内の様子がプレイヤオブジェクトPoとともに表示されている。また、
図15Bに示した一例では、海中を泳いだプレイヤオブジェクトPoの移動軌跡Lpが仮想空間内に表示される。このように、プレイヤオブジェクトPoを遠方から鳥瞰した仮想空間内の様子をモニタ2に表示することによって、ユーザがプレイヤオブジェクトPoの周囲の状況が把握しやすくなるとともに、第1のゲーム例をユーザがプレイしている様子を見ている他の人が仮想空間をプレイヤオブジェクトPoが移動する様子を楽しむこともできる。
【0162】
一例として、ボード型コントローラ9上でユーザが足踏みするような動作をした場合、当該足踏み動作に応じた速度でプレイヤオブジェクトPoがバタ足して海中を泳ぐ動作をする。また、ボード型コントローラ9上でユーザが屈伸するような動作をした場合、当該屈伸動作に応じた速度でプレイヤオブジェクトPoがドルフィンキックして海中を泳ぐ動作をする。このように、ユーザは、ボード型コントローラ9上の動作によって、プレイヤオブジェクトPoの泳法や移動速度を変化させることができる。
【0163】
例えば、上述したように、ボード型コントローラ9からはボード型コントローラ9上のユーザ動作に応じた荷重検出値が出力される。そして、上記荷重検出値を用いれば、ボード型コントローラ9に加わっている合計荷重やボード型コントローラ9に加わっている荷重の重心位置の算出が可能である。また、上記合計荷重の変化や重心位置の変化を用いれば、ユーザがボード型コントローラ9上でどのような動作をしているのか推定することが可能となる。このようなボード型コントローラ9上で推定されるユーザ動作に応じて、プレイヤオブジェクトPoの泳法や移動速度が設定される。
【0164】
また、ユーザが把持する端末装置6の方向や姿勢に応じて、プレイヤオブジェクトPoが海中を泳ぐ方向が変化する。一例として、ユーザが端末装置6自体を上下左右方向へ向けることによって、当該方向変化に応じてプレイヤオブジェクトPoが泳ぐ方向も変化する。具体的には、ユーザが端末装置6の背面を上方向へ向けるように端末装置6自体の方向を変えた場合、プレイヤオブジェクトPoが海面方向へ上昇するように泳ぐ方向を変化させる。また、ユーザが端末装置6の背面を左方向へ向けるように端末装置6自体の方向を変えた場合、プレイヤオブジェクトPoから見た左方向へ泳ぐ方向を変化させる。このように、ユーザは、把持する端末装置6の方向や姿勢によって、プレイヤオブジェクトPoの移動方向を変化させることができる。
【0165】
例えば、端末装置6からは端末装置6の姿勢変化に応じた加速度データや角速度データが出力される。そして、上記加速度データが示す加速度を用いれば、端末装置6に作用している重力加速度の方向が算出できるため、実空間における鉛直方向を基準として端末装置6がどのような姿勢になっているのか推定することができる。また、上記角速度データが示す角速度および/または上記加速度データが示す加速度を用いれば、端末装置6に作用している角速度や動的な加速度がわかるため、これらの角速度および/または動的な加速度を用いて、実空間における端末装置6の初期姿勢からの姿勢変化(方向変化)を推定することができる。このように推定される端末装置6の姿勢変化(方向変化)に応じて、プレイヤオブジェクトPoの移動方向が設定される。
【0166】
次に、ゲームシステム1において行われる処理の詳細を説明する。まず、
図16を参照して、処理において用いられる主なデータについて説明する。なお、
図16は、ゲーム装置本体5の外部メインメモリ12および/または内部メインメモリ35(以下、2つのメインメモリを総称して、単にメインメモリと記載する)に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図である。
【0167】
図16に示すように、メインメモリのデータ記憶領域には、ボード操作データDa、端末操作データDb、荷重値データDc、重心位置データDd、端末装置方向姿勢データDe、動作データDf、移動ベクトルデータDg、位置データDh、移動軌跡データDi、仮想カメラデータDj、および画像データDk等が記憶される。なお、メインメモリには、
図16に示す情報に含まれるデータの他、モニタ2やLCD61に表示される各種オブジェクトの画像データやゲームに使用される音声データ等、ゲーム処理に必要なデータが適宜記憶される。また、メインメモリのプログラム記憶領域には、情報処理プログラムを構成する各種プログラム群Paが記憶される。
【0168】
ボード操作データDaは、ボード型コントローラ9から送信データとして送信されてくる一連の操作情報(ボード操作データ)が格納され、最新のボード操作データに更新される。例えば、ボード操作データDaは、荷重データDa1等を含んでいる。荷重データDa1は、ボード型コントローラ9の荷重センサ94a〜94dがそれぞれ検出した荷重検出値を示すデータである。
【0169】
端末操作データDbは、端末装置6から送信データとして送信されてくる一連の操作情報(端末操作データ)が格納され、最新の端末操作データに更新される。例えば、端末操作データDbは、加速度データDb1および角速度データDb2等を含んでいる。加速度データDb1は、加速度センサ603によって検出された加速度(加速度ベクトル)を表すデータである。例えば、加速度データDb1は、
図8に示すxyzの3軸の方向に関する加速度を各成分とする3次元の加速度を表すものであるが、他の例においては、任意の1以上の方向に関する加速度を表すものであってもよい。角速度データDb2は、ジャイロセンサ604によって検出された角速度を表すデータである。例えば、角速度データDb2は、
図8に示すxyzの3軸回りのそれぞれの角速度を表すものであるが、他の例においては、任意の1軸以上の軸回り角速度を表すものであってもよい。
【0170】
なお、ゲーム装置本体5は、コントローラ7、ボード型コントローラ9、および端末装置6からそれぞれ所定周期毎(例えば、1/200秒毎)に送信される操作情報に含まれるデータ(例えば、荷重検出値、加速度、および角速度を示すデータ)を逐次受信している。例えば、受信されたデータは、入出力プロセッサ31によってメインメモリに逐次記憶される。後述する処理フローでは、CPU10が最新のボード操作データおよび端末操作データを1フレーム毎(例えば、1/60秒毎)にメインメモリから読み出して、ボード操作データDaおよび端末操作データDbをそれぞれ更新する例を用いる。
【0171】
なお、コントローラ7、ボード型コントローラ9、および端末装置6からそれぞれ所定周期毎に送信される操作情報は、コントローラ通信モジュール19や端末通信モジュール28等に備える図示しないバッファに一旦蓄えられてもよい。この場合、上記バッファに蓄えられたデータが、1フレーム毎に読み出されて、メインメモリのボード操作データDa(例えば、荷重データDa1)や端末操作データDb(例えば、加速度データDb1および角速度データDb2)が更新されて用いられる。このとき、操作情報を受信する周期と処理周期とが異なるために、上記バッファには複数の時点に受信した操作情報が記述されていることになるが、複数の時点に受信した操作情報のうち最新の操作情報のみを用いて当該処理が実行される。
【0172】
荷重値データDcは、ボード型コントローラ9が検出する荷重値を示すデータの集合である。例えば、荷重値データDcは、荷重センサ94a〜94dがそれぞれ検出した荷重の合計値(合計荷重値)を示すデータの集合である。具体的には、荷重値データDcは、時系列的に算出された所定期間内の上記合計荷重値を示すデータの配列であり、配列の各要素に上記合計荷重値を示すデータが時系列に格納される。
【0173】
重心位置データDdは、ボード型コントローラ9に加わっている荷重の重心位置を示すデータの集合である。例えば、重心位置データDdは、荷重センサ94a〜94dがそれぞれ検出した荷重値から所定の数式を用いて算出される重心位置を示すデータの集合である。具体的には、重心位置データDdは、時系列的に算出された所定期間内の上記重心位置を示すデータの配列であり、配列の各要素に上記重心位置を示すデータが時系列に格納される。
【0174】
端末装置方向姿勢データDeは、実空間における端末装置6の方向および姿勢を示すデータである。例えば、端末装置方向姿勢データDeは、端末操作データDbに含まれる加速度データDb1および角速度データDb2に基づいて算出される。端末装置方向姿勢データDeの算出方法については後述する。
【0175】
動作データDfは、仮想世界におけるプレイヤオブジェクトPoの動作や姿勢を示すデータである。移動ベクトルデータDgは、仮想世界におけるプレイヤオブジェクトPoの移動速度および移動方向を示すデータ(例えば、仮想世界における移動ベクトルを示すデータ)である。位置データDhは、仮想世界におけるプレイヤオブジェクトPoの位置を示すデータである。移動軌跡データDiは、仮想世界においてプレイヤオブジェクトPoが移動した軌跡を示すデータである。仮想カメラデータDjは、仮想世界に設定される仮想カメラに関するデータである。例えば、仮想カメラデータDjは、端末装置6のLCD61に表示するゲーム画像を生成するための第1仮想カメラに関するデータと、モニタ2に表示するゲーム画像を生成するための第2仮想カメラに関するデータとを含む。
【0176】
画像データDkは、プレイヤオブジェクトデータDk1および背景画像データDk2等を含んでいる。プレイヤオブジェクトデータDk1は、仮想世界にプレイヤオブジェクトPoを配置してゲーム画像を生成するためのデータである。背景画像データDk2は、仮想世界に背景を配置してゲーム画像を生成するためのデータである。
【0177】
次に、
図17および
図18を参照して、ゲーム装置本体5において行われる処理の詳細を説明する。なお、
図17は、ゲーム装置本体5において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図18は、
図17におけるステップ44のゲーム制御処理の一例を示すサブルーチンである。ここで、
図17および
図18に示すフローチャートにおいては、処理のうち、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いたユーザの操作に応じて、プレイヤオブジェクトPoが動作して表示される処理について主に説明し、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、
図17および
図18では、CPU10が実行する各ステップを「S」と略称する。
【0178】
ゲーム装置本体5の電源が投入されると、ゲーム装置本体5のCPU10は、ROM/RTC13に記憶されている起動用のプログラムを実行し、これによってメインメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に記憶された情報処理プログラムがメインメモリに読み込まれ、CPU10によって当該プログラムの実行が開始される。
図17および
図18に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
【0179】
図17において、CPU10は、初期処理を実行し(ステップ41)、次のステップに処理を進める。例えば、上記ステップ41における初期処理において、CPU10は、仮想空間を構築し、ゲーム空間に登場するプレイヤオブジェクトPoや各オブジェクトを初期位置に配置したり、ゲーム処理で用いる各種パラメータの初期値を設定したりする。
【0180】
上記ステップ41の次にステップ42の処理が実行される。以降、ステップ42〜ステップ51の一連の処理からなる処理ループが所定時間(1フレーム時間)に1回の割合で繰り返し実行される。
【0181】
ステップ42において、CPU10は、ボード型コントローラ9から送信されてくるボード操作データを取得し、次のステップに処理を進める。ここで、ボード型コントローラ9は、ボード操作データをゲーム装置本体5へ繰り返し送信している。したがって、ゲーム装置本体5においては、コントローラ通信モジュール19が上記ボード操作データを逐次受信し、受信されたボード操作データが入出力プロセッサ31によってメインメモリに逐次記憶される。ボード型コントローラ9のボード操作データ送信の間隔は、ゲームの処理時間(1フレーム時間)よりも短い方が好ましく、例えば200分の1秒である。上記ステップ42においては、CPU10は、メインメモリから最新のボード操作データを読み出してボード操作データDaを更新する。なお、上記ボード操作データには、荷重センサ94a〜94dの識別情報を示すデータおよび荷重センサ94a〜94dがそれぞれ検出した荷重検出値を示すデータが含まれており、当該識別情報によって区別されたデータをそれぞれ用いて、荷重データDa1が更新される。
【0182】
次に、CPU10は、端末装置6から送信されてくる各種のデータを取得し(ステップ43)、次のステップに処理を進める。ここで、端末装置6は、上記データをゲーム装置本体5へ繰り返し送信している。したがって、ゲーム装置本体5においては、端末通信モジュール28が上記データを逐次受信し、カメラ画像データおよびマイク音データについてはコーデックLSI27によって伸張処理が逐次施される。そして、入出力プロセッサ31は、端末操作データとカメラ画像データとマイク音データとをメインメモリに逐次記憶する。上記ステップ43においては、CPU10は、メインメモリから最新の端末操作データを読み出して加速度データDb1および角速度データDb2を更新する。
【0183】
次に、CPU10は、ゲーム制御処理を行って(ステップ44)、次のステップに処理を進める。上記ゲーム制御処理は、ユーザによるゲーム操作に従って仮想空間内のプレイヤオブジェクトPoを動作させる処理等を実行し、ゲームを進行させる処理である。第1のゲーム例においては、ユーザは、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて種々のゲームを行うことが可能である。以下、
図18を参照して、ゲーム制御処理について説明する。
【0184】
図18において、CPU10は、荷重値および重心位置を算出して(ステップ81)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、荷重データDa1が示す荷重検出値を合計して合計荷重値を算出し、当該合計荷重値を示すデータを用いて荷重値データDcにおける時系列データ配列のうち最新のデータを更新する。具体的には、荷重データDa1は、荷重センサ94a〜94dがそれぞれ検出した最新の荷重検出値を示しているため、当該荷重検出値を合計することによって、上記合計荷重値が算出される。また、CPU10は、荷重データDa1が示す荷重検出値を用いて重心位置を算出し、当該重心位置を示すデータを用いて重心位置データDdにおける時系列データ配列のうち最新のデータを更新する。以下、重心位置の算出方法の一例を説明する。
【0185】
上記重心位置は、ボード型コントローラ9の台9aに加わる荷重の重心位置であり、各荷重センサ94a〜94d(
図11参照)が検出する荷重値によって定められる。例えば、上記重心位置は、ボード型コントローラ9の台9a上の位置に対応する所定の座標系(例えば、台9aの中心を原点、台9aの長辺方向をX1軸方向、短辺方向をY1軸方向とするX1Y1座標系)に基づいた座標値によって表される。そして、荷重センサ94aが検出する荷重値をa、荷重センサ94bが検出する荷重値をb、荷重センサ94cが検出する荷重値をc、荷重センサ94dが検出する荷重値をdとした場合、重心のX1軸座標値(X1)およびY1軸座標値(Y1)は、以下の数式を用いて算出することができる。
X1=((a+c)―(b+d))×m
Y1=((c+d)―(a+b))×n
ここで、mおよびnは、それぞれ予め定められた定数である。
【0186】
このようにして算出される合計荷重値および重心位置は、ボード型コントローラ9上のユーザ動作や体重移動(姿勢)に応じて変化する。一例として、ユーザがボード型コントローラ9上で足踏みを繰り返した場合、合計荷重値が足踏み周期に応じて変動するとともに、ユーザが左足を乗せる位置と右足を乗せる位置の間を、重心位置が足踏み周期に応じて往復移動するように変化する。他の例として、ユーザがボード型コントローラ9上で屈伸運動を繰り返した場合、合計荷重値が屈伸周期に応じて変動するが、重心位置の変化が相対的に少なくなる。
【0187】
次に、CPU10は、端末装置6の方向変化および姿勢を算出し(ステップ82)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、加速度データDb1が示す加速度および角速度データDb2が示す角速度に基づいて、端末装置6の方向変化および姿勢を算出し、算出された端末装置6の方向変化および姿勢を示すデータを用いて端末装置方向姿勢データDeを更新する。ここで、CPU10は、角速度データDb2が示す角速度を用いて、端末装置6の単位時間当たりにおける実空間での回転量(方向変化量)を算出することができる。また、実空間において端末装置6がほぼ静止している状態(静的な状態)では、端末装置6に対して加えられる加速度が重力加速度となるため、加速度データDb1が示す加速度によって端末装置6に加えられる重力方向(すなわち、実空間における鉛直方向を基準とした端末装置6の姿勢)を算出することができる。したがって、CPU10は、加速度データDb1が示す加速度および角速度データDb2が示す角速度に基づいて端末装置6の方向変化や姿勢を算出することができる。
【0188】
なお、本実施形態においては、端末装置6で検出される加速度および角速度を示すデータに基づいて端末装置6の方向変化や姿勢を算出するが、他の実施形態においては、何れか1つのデータや3つ以上のデータを用いて端末装置6の方向変化や姿勢を算出してもよい。例えば、端末装置6に設けられた磁気センサ602は、端末装置6に加わる磁気を検出しており、端末装置6に加わる地磁気の方向から端末装置6を基準とした所定の方位(すなわち、所定の方位を基準とした端末装置6の姿勢)を算出することができる。なお、端末装置6が配置されている実空間に、地磁気以外の磁界が発生している場合であっても、端末装置6の回転量を算出することができる。したがって、CPU10は、端末装置6で検出される加速度、角速度、および磁気を示すデータの少なくとも1つを用いれば、端末装置6の方向変化や姿勢を算出することができる。
【0189】
また、端末装置6の姿勢の具体的な算出方法はどのような方法であってもよいが、例えば、角速度データDb2が示す角速度に基づいて算出される端末装置6の姿勢を、加速度データDb1が示す加速度および磁気センサ602が検出した磁気の方向を用いて補正する方法が考えられる。
【0190】
具体的には、CPU10は、まず、角速度データDb2が示す角速度に基づいて端末装置6の姿勢を算出する。端末装置6の姿勢を角速度から算出する方法はどのような方法であってもよいが、一例として、前回の姿勢(前回に算出された姿勢)と今回の角速度(今回の処理ループにおけるステップ42で取得された角速度)とを用いて算出される。CPU10は、前回の姿勢を今回の角速度で単位時間分だけ回転させることによって新たな姿勢を算出する。なお、前回の姿勢は、端末装置方向姿勢データDeにより表され、今回の角速度は、角速度データDb2により表される。したがって、CPU10は、端末装置方向姿勢データDeおよび角速度データDb2を読み出して、端末装置6の姿勢を算出する。
【0191】
なお、角速度を用いて端末装置6の姿勢を算出する場合、初期姿勢を定めておいてもよい。つまり、端末装置6の姿勢を角速度から算出する場合には、CPU10は、最初に端末装置6の初期姿勢を算出しておく。端末装置6の初期姿勢は、加速度データDb1が示す加速度に基づいて算出されてもよいし、磁気センサ602が検出した磁気の方向に基づいて算出されてもよいし、端末装置6を特定の姿勢にした状態でユーザに所定の操作を行わせることで、所定の操作が行われた時点における特定の姿勢を初期姿勢として用いるようにしてもよい。なお、実空間における所定方向を基準とした絶対的な姿勢として端末装置6の姿勢を算出する場合には上記初期姿勢を算出することが必要となるが、例えばゲーム開始時点における端末装置6の姿勢を基準とした相対的な姿勢として端末装置6の姿勢を算出する場合には、上記初期姿勢は算出されなくてもよい。
【0192】
次に、CPU10は、角速度に基づいて算出した端末装置6の姿勢を、加速度データDb1が示す加速度を用いて補正する。具体的には、CPU10は、加速度データDb1が示す加速度に基づいて端末装置6の姿勢を算出する。ここで、端末装置6がほぼ静止している状態では、端末装置6に対して加えられている加速度は重力加速度となる。したがって、この状態においては、加速度データDb1が示す加速度の方向を用いて重力加速度の方向(重力方向)を算出することができるので、重力方向に対する端末装置6の向き(姿勢)を算出することができる。
【0193】
加速度に基づく端末装置6の姿勢が算出されると、CPU10は、加速度に基づく姿勢を用いて、角速度に基づく姿勢を補正する。具体的には、CPU10は、角速度に基づいて算出された端末装置6の姿勢を、加速度に基づいて算出された端末装置6の姿勢へ所定の割合で近づける補正を行う。上記所定の割合は、予め定められた固定値であってもよいし、加速度データDb1が示す加速度等に応じて設定されてもよい。また、加速度に基づいて算出された端末装置6の姿勢に関しては、重力方向を軸とする回転方向については姿勢を算出することができないので、CPU10は、当該回転方向に関して補正を行わないようにしてもよい。なお、角速度に基づいて算出された端末装置6の姿勢を、磁気センサ602が検出した磁気の方向に基づいて補正する場合には、CPU10は、角速度に基づいて算出された端末装置6の姿勢を、磁気の方向に基づいて算出された端末装置6の姿勢へと所定の割合で近づけるようにすればよい。以上によれば、CPU10は、端末装置6の姿勢を正確に算出することができる。
【0194】
次に、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの動作を設定し(ステップ83)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、荷重値データDcが示す合計荷重値の時系列的な配列(合計荷重値の変化履歴)および重心位置データDdが示す重心位置の時系列的な配列(重心位置の変化履歴)に基づいて、プレイヤオブジェクトPoの動作を設定し、設定された動作を用いて動作データDfを更新する。一例として、CPU10は、合計荷重値の変化履歴において当該合計荷重値の変化幅が所定の閾値以上であり、かつ重心位置の変化履歴において当該重心位置の移動距離が所定の閾値未満である場合、ボード型コントローラ9の上でユーザが屈伸運動していると判断する。この場合、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの動作をドルフィンキック泳法で泳ぐ動作に設定する。他の例として、CPU10は、合計荷重値の変化履歴において当該合計荷重値の変化幅が所定の閾値以上であり、かつ重心位置の変化履歴において当該重心位置の移動距離が所定の閾値以上で当該重心位置が往復移動している場合、ボード型コントローラ9の上でユーザが足踏み運動していると判断する。この場合、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの動作をバタ足泳法で泳ぐ動作に設定する。
【0195】
次に、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの移動ベクトルを設定し(ステップ84)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、荷重値データDcが示す合計荷重値の時系列的な配列(合計荷重値の変化履歴)および上記ステップ83で設定されたプレイヤオブジェクトPoの動作(泳法)に基づいて、プレイヤオブジェクトPoの移動速度を算出する。一例として、CPU10は、合計荷重値が変化する周期が短いほど、プレイヤオブジェクトPoが移動する速度を速く算出するとともに、合計荷重値の最大値や変化幅が大きいほど、プレイヤオブジェクトPoが移動する速度を速く算出する。つまり、ユーザがボード型コントローラ9上で足踏みしたり屈伸したりするピッチが短いほどプレイヤオブジェクトPoの移動速度が速くなり、ユーザがボード型コントローラ9上で足踏みしたり屈伸したりする強さが強いほどプレイヤオブジェクトPoの移動速度が速くなることになる。そして、CPU10は、算出された移動速度を設定されている泳法による係数で補正して、プレイヤオブジェクトPoの移動速度を決定する。
【0196】
また、CPU10は、端末装置方向姿勢データDeが示す端末装置6の方向変化および姿勢に基づいて、仮想空間におけるプレイヤオブジェクトPoの移動方向を算出する。一例として、CPU10は、端末装置方向姿勢データDeが示す端末装置6の姿勢に基づいて、仮想空間における上下方向の移動方向を算出する。具体的には、端末装置6が背面を上方向に向けた姿勢である場合、CPU10は、当該背面が鉛直方向に対して仰向いている角度に応じた仰角に仮想空間における移動方向を設定する。一方、端末装置6が背面を下方向に向けた姿勢である場合、CPU10は、当該背面が鉛直方向に対して俯けられている角度に応じた俯角に仮想空間における移動方向を設定する。また、CPU10は、端末装置方向姿勢データDeが示す端末装置6の方向変化(実空間での回転量(方向変化量))に基づいて、プレイヤオブジェクトPoの移動方向を変化させる。例えば、端末装置6がy軸回りの回転方向であるヨー方向(
図8参照)に回転している場合、当該回転量に応じてプレイヤオブジェクトPoの移動方向を変化させる。具体的には、端末装置6がy軸負方向からみて左方向へy軸周りの回転をしている場合、当該回転量に応じてプレイヤオブジェクトPoの移動方向をプレイヤオブジェクトPoから見て左方向へ変化させる。
【0197】
そして、CPU10は、上述したように算出されたプレイヤオブジェクトPoの移動速度および移動方向を用いて、仮想空間における移動ベクトルを算出し、算出された移動ベクトルを用いて移動ベクトルデータDgを更新する。例えば、CPU10は、算出されたプレイヤオブジェクトPoの移動速度を移動ベクトルの長さとし、算出されたプレイヤオブジェクトPoの移動方向を移動ベクトルの方向とする。
【0198】
次に、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの位置を設定し(ステップ85)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、移動ベクトルデータDgが示す移動ベクトルに基づいて、位置データDhが示すプレイヤオブジェクトPoの位置を仮想空間内で移動させ、移動後の位置を用いて位置データDhを更新する。
【0199】
次に、CPU10は、仮想カメラに関するパラメータを設定し(ステップ86)、次のステップに処理を進める。例えば、端末用ゲーム画像およびモニタ用ゲーム画像は、仮想空間内に仮想カメラを配置して、仮想カメラから見たゲーム空間を計算することによって得られる3次元のCG画像等によってそれぞれ生成される。具体的には、端末用ゲーム画像を生成するための第1仮想カメラは、仮想空間に配置されているプレイヤオブジェクトPoの背後近傍から見た仮想空間内の様子が含まれるように設定される。また、モニタ用ゲーム画像を生成するための第2仮想カメラは、上記第1仮想カメラが設定されている同じ仮想空間に設定され、当該仮想空間に配置されているプレイヤオブジェクトPoを遠方から鳥瞰した仮想空間内の様子が含まれるように設定される。CPU10は、位置データDhが示すプレイヤオブジェクトPoの位置や動作データDfおよび移動ベクトルデータDgに応じたプレイヤオブジェクトPoの方向に基づいて、第1仮想カメラおよび第2仮想カメラの仮想空間における位置(第1仮想カメラおよび第2仮想カメラに関するパラメータ)を設定する。このように、端末用ゲーム画像およびモニタ用ゲーム画像がそれぞれ異なる視点から見た仮想空間のゲーム画像となるため、それらが表示されるLCD61およびモニタ2にもそれぞれ異なる視点から見た仮想空間のゲーム画像が表示されることになる。
【0200】
次に、CPU10は、プレイヤオブジェクトPoの移動軌跡を設定し(ステップ87)、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、CPU10は、移動軌跡データDiが示す移動軌跡に、位置データDhが示すプレイヤオブジェクトPoの現在位置を追加し、現在位置が追加された移動軌跡を用いて移動軌跡データDiを更新する。
【0201】
図17に戻り、上記ステップ44におけるゲーム制御処理の後、CPU10およびGPU32は、モニタ2に表示するためのモニタ用ゲーム画像を生成し(ステップ45)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10およびGPU32は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果を表す各データをメインメモリから読み出し、モニタ用ゲーム画像を生成するために必要なデータをVRAM34から読み出してゲーム画像を生成し、生成されたモニタ用ゲーム画像をVRAM34に記憶する。上記モニタ用ゲーム画像は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果を表すものであればよく、どのような方法で生成されてもよい。例えば、モニタ用ゲーム画像は、仮想カメラデータDjが示す第2仮想カメラに関するパラメータに基づいて仮想空間に第2仮想カメラを配置し、動作データDfおよび位置データDhに基づいて仮想空間にプレイヤオブジェクトPoを配置し、移動軌跡データDiに基づいて仮想空間に移動軌跡Lpを配置して、当該第2仮想カメラから見た仮想空間を計算することによって得られる3次元のCG画像によって生成される。
【0202】
次に、CPU10およびGPU32は、端末装置6に表示するための端末用ゲーム画像を生成し(ステップ46)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10およびGPU32は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果を表す各データをメインメモリから読み出し、端末用ゲーム画像を生成するために必要なデータをVRAM34から読み出してゲーム画像を生成し、生成されたモニタ用ゲーム画像をVRAM34に記憶する。端末用ゲーム画像についても、上記モニタ用ゲーム画像と同様に上記ステップ44のゲーム制御処理の結果を表すものであればよく、どのような方法で生成されてもよい。また、端末用ゲーム画像は、上記モニタ用ゲーム画像と同様の方法で生成されてもよいし、異なる方法で生成されてもよい。例えば、端末用ゲーム画像は、仮想カメラデータDjが示す第1仮想カメラに関するパラメータに基づいて仮想空間に第1仮想カメラを配置し、動作データDfおよび位置データDhに基づいて仮想空間にプレイヤオブジェクトPoを配置して、当該第1仮想カメラから見た仮想空間を計算することによって得られる3次元のCG画像によって生成される。なお、ゲームの内容によってはモニタ用ゲーム画像と端末用ゲーム画像とが同一のゲーム画像であってもよく、この場合、上記ステップ46において端末用ゲーム画像の生成処理が実行されなくてもよい。
【0203】
次に、CPU10は、モニタ2のスピーカ2aに出力するためのモニタ用ゲーム音声を生成し(ステップ47)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果に応じてスピーカ2aから出力するためのモニタ用ゲーム音声をDSP33に生成させる。一例として、CPU10は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果に応じて設定された仮想空間において、第2仮想カメラの位置を基準として聞こえると想定される各オブジェクトの声、動作音、および効果音等に、モニタ2から出力させたいBGM等を加えたモニタ用ゲーム音声を、DSP33に生成させる。
【0204】
次に、CPU10は、端末装置6のスピーカ607に出力するための端末用ゲーム音声を生成し(ステップ48)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果に応じてスピーカ607から出力するための端末用ゲーム音声をDSP33に生成させる。一例として、CPU10は、上記ステップ44のゲーム制御処理の結果に応じて設定された仮想空間において、第1仮想カメラの位置を基準として聞こえると想定される各オブジェクトの声、動作音、および効果音等に、端末装置6から出力させたいBGM等を加えた端末用ゲーム音声を、DSP33に生成させる。なお、上記端末用ゲーム音声は、上記モニタ用ゲーム音声と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記端末用ゲーム音声は、上記モニタ用ゲーム音声に対して、一部の音声が異なる(例えば効果音は異なるが、BGMが同じ)ものでもよい。なお、モニタ用ゲーム音声と端末用ゲーム音声とが同一である場合、ステップ48において端末用ゲーム音声の生成処理が実行されなくてもよい。
【0205】
次に、CPU10は、モニタ2へモニタ用ゲーム画像およびモニタ用ゲーム音声を出力し(ステップ49)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、VRAM34に記憶されたモニタ用ゲーム画像のデータと、DSP33によって生成されたモニタ用ゲーム音声のデータとを、AV−IC15へ送る。これに応じて、AV−IC15は、モニタ用ゲーム画像およびモニタ用ゲーム音声を示すデータを、AVコネクタ16を介してモニタ2へ出力する。これによって、モニタ用ゲーム画像がモニタ2に表示されるとともに、モニタ用ゲーム音声がスピーカ2aから出力される。
【0206】
次に、CPU10は、端末装置6へ端末用ゲーム画像および端末用ゲーム音声を送信し(ステップ50)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、VRAM34に記憶された端末用ゲーム画像のデータおよびDSP33によって生成された端末用ゲーム音声のデータは、CPU10によってコーデックLSI27に送られ、コーデックLSI27によって所定の圧縮処理が行われる。さらに、圧縮処理が施された端末用ゲーム画像のデータおよび端末用ゲーム音声のデータは、コーデックLSI27によって端末通信モジュール28に送られ、アンテナ29を介して端末通信モジュール28によって端末装置6へ送信される。ゲーム装置本体5から送信された端末用ゲーム画像のデータおよび端末用ゲーム音声のデータは、端末装置6の無線モジュール610によって受信され、コーデックLSI606によって所定の伸張処理が行われる。そして、伸張処理が行われた端末用ゲーム画像のデータは、LCD61に出力され、伸張処理が行われた端末用ゲーム音声のデータ音声データは、サウンドIC608に出力される。これによって、端末用ゲーム画像がLCD61に表示されるとともに、端末用ゲーム音声がスピーカ607から出力される。
【0207】
次に、CPU10は、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップ51)。ゲームを終了する条件としては、例えば、ゲームオーバーやゲームクリアとなる条件が満たされたことや、ユーザがゲームを終了する操作を行ったこと等がある。CPU10は、ゲームを終了しない場合に上記ステップ42に戻って処理を繰り返し、ゲームを終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。以降、ステップ42〜ステップ51の一連の処理は、ステップ51でゲームを終了すると判定されるまで繰り返し実行される。
【0208】
このように、上述した処理によれば、ボード型コントローラ9上でユーザ自身の動作に基づいた操作を行って当該ユーザ動作に基づいた処理を行う場合に、ユーザが当該処理結果を可搬型の端末装置6のLCD61で見ることができるため、端末装置6を把持して動作することによって好適な状況で処理結果を見ることが可能となる。
【0209】
なお、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作するゲームは、上記第1のゲーム例に限らず、種々のゲーム例が考えられる。以下、
図19、
図20A、および
図20Bを用いてゲーム装置本体5で行う第2のゲーム例について説明する。なお、
図19は、第2のゲーム例において、端末装置6、コントローラ7、およびボード型コントローラ9を用いて操作するユーザの様子の一例を示す図である。
図20Aは、第2のゲーム例において、端末装置6のLCD61に表示される画像の一例を示す図である。
図20Bは、第2のゲーム例において、モニタ2に表示される画像の一例を示す図である。
【0210】
第2のゲーム例は、端末装置6およびボード型コントローラ9に加えて、コントローラ7を用いて操作することによって、仮想世界におけるプレイヤオブジェクトPoを動作させるゲームである。
図19に示すように、ユーザは、コントローラ7の姿勢を変化させる操作と、ボード型コントローラ9に加える荷重を変化させる操作を行う。具体的には、ユーザは、椅子に着席した姿勢でコントローラ7を把持し、両足をボード型コントローラ9上に乗せる。また、ユーザは、LCD61に表示される画像が見えるように、ユーザ自身の前方(例えば、前方床面)に端末装置6のLCD61をユーザの方へ向けて起立させて配置する。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9にかける体重を強弱する動作を繰り返す操作)するとともに、コントローラ7自体を動かす操作をすることによってプレイする。そして、端末装置6のLCD61およびモニタ2には、ユーザが把持するコントローラ7の方向や姿勢と、ボード型コントローラ9上におけるユーザ動作とに応じて、仮想空間においてプレイヤオブジェクトPoが動作するように表現される。
【0211】
図20Aに示すように、端末装置6のLCD61には仮想空間内においてボート(例えば、レガッタ)を漕いで移動するプレイヤオブジェクトPoが表示される。
図20Aに示した一例では、水面を進むレガッタを漕いでいるプレイヤオブジェクトPoの背後近傍から見た仮想空間内の様子がプレイヤオブジェクトPoとともに表示されている。このように、プレイヤオブジェクトPoの背後近傍から見た仮想空間をLCD61に表示することによって、端末装置6を前方に配置してLCD61に表示を見ているユーザが実際のレガッタの選手と同じような視点でゲームプレイが可能となり、仮想空間の臨場感を与えることができる。また、第2のゲーム例では、ボード型コントローラ9に足を乗せてユーザ自身の動作に基づいた操作が行われるが、ユーザが当該操作に基づいたゲーム画像を可搬型の端末装置6で見ることができるため、ユーザ自身が操作する際に好適な位置に端末装置6を配置することができ、ユーザにとって好適な状況でゲーム画像を見ることが可能となる。
【0212】
また、
図20Bに示すように、モニタ2にもLCD61に表示されている仮想空間と同じ仮想空間が表示される。
図20Bに示した一例では、レガッタを漕いでいるプレイヤオブジェクトPoの左横遠方から見た仮想空間内の様子がプレイヤオブジェクトPoとともに表示されている。このように、プレイヤオブジェクトPoの横遠方から見た仮想空間内の様子をモニタ2に表示することによって、ユーザがプレイヤオブジェクトPoの周囲の状況や他のレガッタとの位置関係が把握しやすくなるとともに、第2のゲームをユーザがプレイしている様子を見ている他の人が仮想空間をプレイヤオブジェクトPoが移動する様子を楽しむこともできる。
【0213】
一例として、ユーザがボード型コントローラ9上に体重をかける動作をした場合、当該プレイヤオブジェクトPoが身体を前方に傾けるとともに、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールを押す(すなわち、握っているシャフト部が押し出されてブレード部が水面上で後方へ引かれる)動作をする。また、ユーザがボード型コントローラ9上にかける体重を弱める動作をした場合、当該プレイヤオブジェクトPoが身体を後方に傾けるとともに、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールを引く(すなわち、握っているシャフト部を引いてブレード部が水中で前方へ押し出される)動作をする。このように、ユーザは、ボード型コントローラ9上の動作によって、プレイヤオブジェクトPoがボートを漕ぐ動作を行わせることができ、ボード型コントローラ9上にかける体重を強弱するピッチによって漕ぐ速度(ボートの移動速度)を変化させることができる。
【0214】
例えば、上述したように、ボード型コントローラ9からはボード型コントローラ9上のユーザ動作に応じた荷重検出値が出力される。そして、上記荷重検出値を用いれば、ボード型コントローラ9に加わっている合計荷重の算出が可能である。上記合計荷重の変化を用いれば、ユーザがボード型コントローラ9上に体重をかけているのか、ボード型コントローラ9にかけている体重を弱めているのか推定することが可能となる。このようなボード型コントローラ9上で推定されるユーザ動作に応じて、プレイヤオブジェクトPoの漕ぐ動作が設定される。
【0215】
また、ユーザが把持するコントローラ7の姿勢(方向)に応じて、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールの角度(ブレードの角度)が変化する。第1の例として、ユーザがコントローラ7を第1の姿勢(例えば、初期姿勢)で把持している場合に、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールのブレードが水平になる状態(すなわち、ブレードが寝た状態となったフェザー状態)となる。また、ユーザがコントローラ7の長軸方向(Z軸方向)を中心に上記第1の姿勢から90°回転させた姿勢で把持している場合に、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールのブレードが垂直になる状態(すなわち、ブレードが立った状態となったスクウェア状態)となる。第2の例として、ユーザがコントローラ7の上面を上方(例えば、
図2に示すY軸方向が鉛直方向となる方向)に向けることによって、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールのブレードが水平になる状態となる。また、ユーザがコントローラ7の上面を横方向(例えば、
図2に示すY軸方向が水平となる方向)に向けることによって、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールのブレードが垂直になる状態となる。なお、第2のゲーム例では、オールを漕ぐ際のブレードの角度によってボードの推進力が変わるボート競技における一般的な操作技術(ボートの力学環境)を採用することも可能であり、この場合、ユーザが把持するコントローラ7の姿勢(方向)によって、ボートの推進力、すなわちプレイヤオブジェクトPoが漕いでいるボートの移動速度を変化させることができる。
【0216】
例えば、コントローラ7からはコントローラ7の姿勢変化に応じた加速度データや角速度データが出力される。上記角速度データが示す角速度を用いれば、コントローラ7に作用している角速度がわかるため、これらの角速度を用いて、実空間におけるコントローラ7の初期姿勢からの姿勢変化(方向変化)を推定することができる。そして、この姿勢変化を用いれば、上記第1の例におけるコントローラ7の第1の姿勢および第2の姿勢を区別することが可能となる。また、上記加速度データが示す加速度を用いれば、コントローラ7に作用している重力加速度の方向が算出できるため、実空間における鉛直方向を基準としてコントローラ7がどのような姿勢になっているのか推定することができる。そして、この鉛直方向を基準とした姿勢を用いれば、上記第2の例におけるコントローラ7の姿勢を判別することが可能となる。さらに、上記角速度データが示す角速度および上記加速度データが示す加速度を用いれば、コントローラ7に作用している角速度や動的な加速度がわかるため、これらの角速度および動的な加速度を用いて、実空間におけるコントローラ7の初期姿勢からの姿勢変化(方向変化)や鉛直方向を基準とした姿勢を推定することができる。このように推定されるコントローラ7の姿勢変化(方向変化)に応じて、プレイヤオブジェクトPoが握っているオールの角度(ブレードの角度)が設定される。
【0217】
次に、
図21、
図22A、
図22B、
図23A、および
図23Bを用いてゲーム装置本体5で行う第3のゲーム例について説明する。なお、
図21は、第3のゲーム例において、端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作するユーザの様子の一例を示す図である。
図22Aは、第3のゲーム例において、端末装置6のLCD61に表示される画像の一例を示す図である。
図22Bは、第3のゲーム例において、モニタ2に表示される画像の一例を示す図である。
図23Aは、第3のゲーム例において、プレイヤオブジェクトPoに付着したように表現されたオブジェクト画像の一例を示す図である。
図23Bは、第3のゲーム例において、プレイヤオブジェクトPoに付着したように表現されたオブジェクトをタッチ操作によって除去している画像の一例を示す図である。
【0218】
第3のゲーム例は、第1のゲーム例と同様に端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界におけるプレイヤオブジェクトPoを動作させるゲームである。
図21に示すように、ユーザは、端末装置6の姿勢や方向を変化させる操作と、ボード型コントローラ9に加える荷重を変化させる操作を行う。具体的には、ユーザは、端末装置6を把持した状態で、片足をボード型コントローラ9上に乗せる。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9上の片足で踏むような動作をすることによって、ボード型コントローラ9上の片足にかける体重を強弱する操作)するとともに、端末装置6のタッチパネル62をタッチ操作したり、端末装置6自体を動かす操作をしたりすることによってプレイする。そして、端末装置6のLCD61およびモニタ2には、ユーザが把持する端末装置6の方向や姿勢と、ボード型コントローラ9上におけるユーザ動作とに応じて、仮想空間においてプレイヤオブジェクトPoが動作するように表現される。また、端末装置6のタッチパネル62をタッチ操作することによって、プレイヤオブジェクトPoに付着したように表現されたオブジェクトに対する操作が可能となっている。
【0219】
図22Aに示すように、端末装置6のLCD61には仮想空間内においてプレイヤオブジェクトPoが水鉄砲を発射している様子がプレイヤオブジェクトPoの主観視点で表示される。
図22Aに示した一例では、プレイヤオブジェクトPoが操作している水鉄砲の先端部を含む主観視点による仮想空間内が表示され、当該水鉄砲から水Wを噴き出している様子が表示されている。また、上記仮想空間内には複数の敵オブジェクトEoが配置されており、敵オブジェクトEoの1つが敵弾BをプレイヤオブジェクトPoに向かって投げつけている様子も表示されている。このように、プレイヤオブジェクトPoの主観視点による仮想空間をLCD61に表示することによって、端末装置6を把持してLCD61に表示を見ているユーザがプレイヤオブジェクトPoと同じ視点でゲームプレイが可能となり、仮想空間の臨場感を与えることができる。
【0220】
また、
図22Bに示すように、モニタ2にもLCD61に表示されている仮想空間と同じ仮想空間が表示される。
図22Bに示した一例では、水鉄砲を操作しているプレイヤオブジェクトPoの背後上方遠方から仮想空間内の様子がプレイヤオブジェクトPoとともに表示されている。このように、プレイヤオブジェクトPoの背後上方遠方から見た仮想空間内の様子をモニタ2に表示することによって、ユーザがプレイヤオブジェクトPoの周囲の状況や敵オブジェクトEoとの位置関係が把握しやすくなるとともに、第3のゲームをユーザがプレイしている様子を見ている他の人がプレイヤオブジェクトPoの攻撃動作を楽しむこともできる。
【0221】
一例として、ユーザがボード型コントローラ9上に片足で体重をかける動作をした場合、プレイヤオブジェクトPoが水鉄砲から水Wを発射する動作を行う。このとき、ユーザがボード型コントローラ9上にかける荷重が大きいほど噴き出す水Wの水量が多くなり、ボード型コントローラ9上にかける荷重の増加する変化量が大きいほど噴き出す水Wの水勢が増加(単位時間当たりに噴き出す水量が多い)する。また、ユーザがボード型コントローラ9上にかける体重を弱める(例えば、0にする)動作をした場合、プレイヤオブジェクトPoが水鉄砲から噴き出ている水Wを止める動作を行う。このように、ユーザは、ボード型コントローラ9上の動作によって、プレイヤオブジェクトPoが水Wを発射する動作(すなわち、水Wの発射有無、水Wの水量および水勢)を制御することができる。
【0222】
例えば、上述したように、ボード型コントローラ9からはボード型コントローラ9上のユーザ動作に応じた荷重検出値が出力される。そして、上記荷重検出値を用いれば、ボード型コントローラ9に加わっている合計荷重の算出が可能である。上記合計荷重を用いれば、ユーザがボード型コントローラ9上に体重をかけているのか、ボード型コントローラ9にかけている体重を弱めているのか推定することが可能となる。また、上記合計荷重を用いれば、ユーザがボード型コントローラ9上にかけている荷重の大きさや、ボード型コントローラ9にかけてられている荷重の変化量も算出することが可能となる。このようなボード型コントローラ9上で推定されるユーザ動作に応じて、プレイヤオブジェクトPoが水Wを発射する動作が設定される。
【0223】
また、ユーザが把持する端末装置6の姿勢(方向)に応じて、プレイヤオブジェクトPoが仮想空間内を見る方向が変化するとともに、プレイヤオブジェクトPoが水Wを発射させる方向(水鉄砲の方向)が変化する。例えば、ユーザが端末装置6の背面を上下左右に向けることに応じて、水鉄砲が水Wを発射する方向も仮想空間内で上下左右に変化する。また、ユーザが端末装置6の背面を上下左右に向けることに応じて、プレイヤオブジェクトPoが仮想空間内を見る方向も上下左右に変化するため、プレイヤオブジェクトPoの主観視点で表示されているLCD61のゲーム画像も当該方向変化に応じて変化する。このように、ユーザは、把持する端末装置6の方向や姿勢によって、プレイヤオブジェクトPoの動作を変化させることができる。
【0224】
例えば、端末装置6からは端末装置6の姿勢変化に応じた加速度データや角速度データが出力される。そして、上記加速度データが示す加速度を用いれば、端末装置6に作用している重力加速度の方向が算出できるため、実空間における鉛直方向を基準として端末装置6がどのような姿勢になっているのか推定することができる。また、上記角速度データが示す角速度および/または上記加速度データが示す加速度を用いれば、端末装置6に作用している角速度や動的な加速度がわかるため、これらの角速度および/または動的な加速度を用いて、実空間における端末装置6の初期姿勢からの姿勢変化(方向変化)を推定することができる。このように推定される端末装置6の姿勢変化(方向変化)に応じて、プレイヤオブジェクトPoが見る方向や水Wが発射される方向が設定される。
【0225】
また、
図23Aに示すように、第3のゲーム例では敵オブジェクトEoが投げつけた敵弾BがプレイヤオブジェクトPoに命中した場合、敵弾Bの命中によってプレイヤオブジェクトPoが汚れた様子を表現するために、LCD61の表面に敵弾Bによる汚れBdが付着したように表現される。この汚れBdの付着によって、
図23Aに示すようにLCD61を用いた仮想空間への視界が妨げられるため、ユーザは、第3のゲーム例におけるプレイが不利な状況となってしまう。
【0226】
LCD61の表面に付着した汚れBdは、端末装置6のタッチパネル62をタッチ操作することによって、除去することができる。例えば、
図23Bに示すように、ユーザがLCD61の表面を覆うタッチパネル62をタッチ操作した場合、当該タッチした位置に対応するLCD61の表面に付着した汚れBdが除去される。一例として、汚れBdは、タッチパネル62に対するユーザのタッチ位置を中心とする所定範囲がLCD61の表面から除去される。したがって、ユーザがタッチパネル62をドラッグするようにタッチ操作(例えば、
図23Bに示す破線上をなぞるようにタッチ操作)した場合、当該ドラッグした線上および当該線上から所定の線幅分の領域に対応するLCD61の表面の汚れBdが除去されることになる。なお、LCD61の表面に付着した汚れBdを除去する動作は、プレイヤオブジェクトPoが自身に付着した汚れBdを取り除いている動作と考えることもできるため、この場合、ユーザが端末装置6のタッチパネル62を操作することによってプレイヤオブジェクトPoを動作させていることになる。
【0227】
次に、
図24を用いてゲーム装置本体5で行う他のゲーム例について説明する。なお、
図24は、第1〜第10のゲーム例それぞれにおける表示画像および操作制御の一例を示す図である。
【0228】
第4のゲーム例は、第1のゲーム例等と同様に端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界における戦車(プレイヤオブジェクト)を動作させるゲームである。第4のゲーム例では、端末装置6のLCD61には仮想空間内において上記戦車の背後近傍から見た仮想空間の様子が表示され、モニタ2には上記戦車を遠方から見た仮想空間の全体がわかる画像が表示される。
【0229】
第4のゲーム例では、ユーザは、端末装置6の姿勢や方向を変化させる操作と、ボード型コントローラ9に加える荷重の位置を変化させる操作とを行う。具体的には、ユーザは、端末装置6を把持した状態で、ボード型コントローラ9上に乗る。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9上でユーザの体重をかける重心を前後に変化させる操作)するとともに、端末装置6自体を動かす操作をしたりすることによってプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上でユーザの体重をかける重心を前にした場合、上記戦車が前進して移動し、体重をかける重心を後ろにした場合、上記戦車が後退して移動する。また、ユーザが把持する端末装置6の姿勢(上下左右の方向変化)に応じて、上記戦車の砲塔方向が変化する。また、端末装置6の左右方向変化が所定の角度以上である場合、当該左右方向変化に応じて上記戦車の車体方向(進行方向)も左右に変化する。さらに、ユーザが端末装置6の攻撃ボタン(例えば、操作ボタン64E)を押下した場合、設定されている砲塔の方向へ上記戦車が砲塔から砲弾を発射する。
【0230】
このように、第4のゲーム例において、ユーザは、把持する端末装置6の姿勢や操作ボタン64の操作、およびボード型コントローラ9に与える荷重変化によって、戦車(プレイヤオブジェクト)の動作を変化させることができる。また、戦車の背後近傍から見た仮想空間をLCD61に表示することによって、端末装置6を把持しているユーザに仮想空間の臨場感を与えるとともに、砲塔の照準や戦車の移動方向を直感的に知ることができる。さらに、戦車を含む仮想空間の全体像をモニタ2に表示することによって、ユーザが戦車の周囲の状況が把握しやすくなるとともに、第4のゲーム例をユーザがプレイしている様子を見ている他の人が仮想空間を戦車が移動して砲撃する様子を楽しむこともできる。
【0231】
第5のゲーム例は、第1のゲーム例等と同様に端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界におけるパズルピース(プレイヤオブジェクト)を集めて完成させるゲームである。第5のゲーム例では、端末装置6を把持するユーザの床面に仮想床面が設定され、当該仮想床面に上記パズルピースがばらまかれて配置される。そして、端末装置6のLCD61には、ユーザが端末装置6の背面を下方に向けた場合に、実空間におけるユーザの位置(すなわち、実空間における端末装置6の位置)に応じて当該下方の仮想床面に配置されているパズルピースが表示される。また、モニタ2には、パズルの全体像を示す画像が表示される。
【0232】
第5のゲーム例では、ユーザは、端末装置6の方向や位置を変化させる操作と、端末装置6のタッチパネル62へのタッチ操作と、ボード型コントローラ9に乗ったり降りたりする操作とを行う。具体的には、ユーザが端末装置6を把持した状態でボード型コントローラ9上に乗った場合、ユーザの位置(端末装置6の位置)が上記仮想床面における基準位置にあると設定する。そして、ユーザが端末装置6のLCD61に表示された仮想床面の画像を見ながら、ボード型コントローラ9上から降りて移動することによって、当該仮想床面から所望のパズルピースを探し出し、LCD61に表示されたパズルピースと重なる位置をタッチ操作することによって、当該パズルピースを取得する。その後、ユーザが上記タッチ操作を継続した状態でボード型コントローラ9上に再び乗って、当該タッチ操作を解除(タッチオフ)した場合、取得したパズルピースが本体パズルにはめ込まれる。
【0233】
このように、第5のゲーム例において、ユーザは、把持する端末装置6の方向や位置、タッチパネル62へのタッチ操作、およびボード型コントローラ9への昇降によって、仮想床面に配置されたパズルピースの探索、パズルピースの取捨、およびパズルピースのはめ込みを行うことができる。また、ユーザから見た仮想床面上のパズルピースをLCD61に表示することによって、端末装置6を把持しているユーザに実空間にパズルピースがばらまかれているかのようなゲーム状況を与えるとともに、仮想床面にパズルピースが配置されている場所をユーザが直感的に知ることができる。さらに、パズルピースをはめ込むパズル全体像をモニタ2に表示することによって、ユーザがパズルの完成状況や必要なパズルピース等の把握がしやすくなる。
【0234】
第6のゲーム例は、第1のゲーム例等と同様に端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界における布(プレイヤオブジェクト)を動作させてミシンで縫うゲームである。第6のゲーム例では、端末装置6のLCD61には仮想世界においてミシンで縫う対象となっている布の一部が表示され、モニタ2には上記布全体がわかる画像が表示される。
【0235】
第6のゲーム例では、ユーザは、端末装置6の方向を変化させる操作と、端末装置6のタッチパネル62へのタッチ操作と、ボード型コントローラ9に荷重を加える操作とを行う。具体的には、ユーザは、端末装置6を机の上等に載置した状態で着席し、ボード型コントローラ9上に片足または両足が乗せられる状態で操作する。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9に荷重をかける動作をするとともに、端末装置6自体を机上で回転させる操作をしてプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上に荷重をかけた場合に、LCD61に表示されている布の一部が端末装置6を操作するユーザに方に向かってミシンで縫われるように表現される。ここで、ユーザが端末装置6の方向を机上で変えたとしても、LCD61に表示されている布の方向は変わらないが、LCD61に表示されている布が端末装置6を操作するユーザに方に向かってミシンで引き続き縫われるように表現されるため、結果的に布が縫われる方向が変わることになる。つまり、ユーザは、端末装置6をミシンで縫う布のように扱ってミシンで縫うゲームを行うことができる。また、ユーザがボード型コントローラ9上に荷重をかけた場合に、ミシンによってLCD61に表示されている布の一部が縫われている状況を模した振動が端末装置6に与えられる。具体的には、ユーザがボード型コントローラ9上に荷重をかけた場合、ゲーム装置本体5は、バイブレータ619を作動させる制御データを端末装置6へ送信する。そして、端末装置6は、ゲーム装置本体5から受信されるデータにバイブレータ619を作動させる制御データが含まれる場合、コーデックLSI606およびUIコントローラ605が制御データに従った制御指示をバイブレータ619に行い、当該制御指示に応じてバイブレータ619が作動することによって端末装置6に振動が発生する。また、ユーザは、端末装置6のタッチパネル62へのタッチ操作によって、上記布全体に対してLCD61に表示する布の位置を変更することができる。例えば、LCD61に布の一部が表示された状態でユーザがドラッグ操作することによって、LCD61に表示される布の範囲が当該ドラッグ方向に移動する。これによって、ユーザは、上記ミシンで縫いたい布の位置を変更することができる。
【0236】
このように、第6のゲーム例において、ユーザは、机上で載置する端末装置6の方向、タッチパネル62へのタッチ操作、およびボード型コントローラ9へ荷重をかける操作によって、仮想世界における布を回転させたり移動させたりミシンで縫ったりする操作を行うことができる。また、ユーザが縫う布の一部をLCD61に表示するとともに、当該布が縫われる方向を常に端末装置6を操作するユーザの方向にすることによって、あたかも端末装置6をミシンで縫う布のように扱うことができるため、端末装置6を操作しているユーザに実空間でミシンの作業をしているかのようなゲーム状況を与えるとともに、布が縫われる位置や方向をユーザが直感的に知ることができる。さらに、ミシンで縫われる布の全体像をモニタ2に表示することによって、ユーザは、布全体に対して縫う箇所を構想したり縫い終わった箇所の状況を把握したりしやすくなる。
【0237】
第7のゲーム例は、ボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界におけるもぐら(プレイヤオブジェクト)を動作させるゲームである。第7のゲーム例では、端末装置6のLCD61には仮想空間内における地下の画像が表示され、モニタ2には仮想空間内における地上の画像が表示される。
【0238】
第7のゲーム例では、ユーザは、端末装置6を床面等に配置し、ボード型コントローラ9上に乗って動作する操作を行う。具体的には、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で進行方向へ重心をかけながら土をかくような動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9上で進みたい方向に重心をかけながら、交互または同時に両腕を上下にかくような動作)や屈伸するような動作を行ってプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上で土をかく動作に応じてもぐらが仮想空間内を移動するとともに、ユーザがボード型コントローラ9に体重をかける重心位置に応じてもぐらが仮想空間内を移動する方向が変化する。また、ユーザがボード型コントローラ9上で屈伸する動作をした場合、もぐらが地下から地上へ移動、または地上から地下へ移動する。
【0239】
このように、第7のゲーム例において、ユーザは、ボード型コントローラ9に与える荷重変化によって、もぐら(プレイヤオブジェクト)の動作を変化させることができる。また、仮想空間内における地下の画像をLCD61に表示し、仮想空間内における地上の画像をモニタ2に表示することによって、仮想空間が表示装置によって2分して表示されるため他方の仮想空間の様子がわからないプレイヤオブジェクトの状況を的確に表現することができ、2分された仮想空間の臨場感をユーザに与えることができる。
【0240】
第8のゲーム例は、第7のゲーム例と同様に、ボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界において一輪車に乗るプレイヤオブジェクトを動作させるゲームである。第8のゲーム例では、端末装置6のLCD61には仮想空間内において一輪車に乗るプレイヤオブジェクトを遠方から鳥瞰した画像が表示され、モニタ2には一輪車に乗るプレイヤオブジェクトの背後近傍から見た仮想空間の様子を示す画像が表示される。
【0241】
第8のゲーム例では、ユーザは、端末装置6を把持または床面等に配置し、ボード型コントローラ9上に乗って動作する操作を行う。具体的には、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、ボード型コントローラ9上で荷重をかける重心位置を調整しながら足踏みするような動作や屈伸するような動作を行ってプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上で足踏みする動作に応じて、プレイヤオブジェクトが一輪車のペダルを漕ぐ動作をするとともに、ユーザがボード型コントローラ9に体重をかけている重心位置に応じて、一輪車に乗るプレイヤオブジェクトがバランスをとって仮想空間内を一輪車で移動する方向が変化する。また、ユーザがボード型コントローラ9上で屈伸する動作をした場合、一輪車に乗った状態でプレイヤオブジェクトが仮想空間内でジャンプする動作を行う。
【0242】
このように、第8のゲーム例において、ユーザは、ボード型コントローラ9に与える荷重変化によって、一輪車に乗るプレイヤオブジェクトの動作を変化させることができる。また、一輪車に乗るプレイヤオブジェクトの背後近傍から見た仮想空間をモニタ2に表示することによって、モニタ2を見ているユーザに仮想空間の臨場感を与えるとともに、プレイヤオブジェクトの移動方向やバランスを相対的に大きな画面に表示される画像で直感的に知ることができる。さらに、一輪車に乗るプレイヤオブジェクトを遠方から鳥瞰した画像を端末装置6に表示することによって、ユーザがプレイヤオブジェクトの周囲の状況が把握しやすくなる。
【0243】
第9のゲーム例は、第2のゲーム例等と同様にコントローラ7およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界においてトランポリンをする選手(プレイヤオブジェクト)を動作させるゲームである。第9のゲーム例では、端末装置6のLCD61には上記選手を上方から鳥瞰した仮想空間の様子を示す画像が表示され、モニタ2には上記選手を横遠方から見た仮想空間の様子を示す画像が表示される。
【0244】
第9のゲーム例では、ユーザは、端末装置6を例えばLCD61が上方に向いた状態で床面に配置し、コントローラ7の姿勢や方向を変化させる操作と、ボード型コントローラ9に加える荷重の位置を変化させる操作とを行う。具体的には、ユーザは、コントローラ7を把持した状態で、ボード型コントローラ9上に乗る。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、コントローラ7を把持してボード型コントローラ9上で動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9上にかける荷重の重心位置を調整しながら、ボード型コントローラ9上で屈伸したりジャンプしたりする操作)することによってプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上で伸び上がるまたはジャンプしたタイミングに合わせて、上記選手も仮想空間内のトランポリン上で跳躍する。また、ユーザが屈伸動作中やジャンプ動作中においてボード型コントローラ9上に掛かる荷重の重心位置に応じて、上記選手がトランポリン上で跳躍する方向が変化したり、上記選手が跳躍中に身体をひねったり宙返りしたりする。さらに、ユーザが把持するコントローラ7の姿勢(方向)に応じて上記選手の腕の位置が変化し、例えばユーザがコントローラ7を把持する腕を上げた場合に上記選手も腕を上げて跳躍し、コントローラ7を把持する腕を下げた場合に上記選手も腕を下げて跳躍する。
【0245】
このように、第9のゲーム例において、ユーザは、把持するコントローラ7の姿勢およびボード型コントローラ9に与える荷重変化によって、トランポリンをする選手(プレイヤオブジェクト)の動作を変化させることができる。また、上記選手を上方から鳥瞰した仮想空間をLCD61に表示することによって、上記選手がトランポリンに対して着地している位置をユーザが正確に知ることができる。さらに、上記選手を横から見た仮想空間をモニタ2に表示することによって、上記選手がトランポリンを跳躍している状態や跳躍中の技などをユーザが見ることができるとともに、第9のゲーム例をユーザがプレイして上記選手が跳躍している様子を他の人が楽しむこともできる。
【0246】
第10のゲーム例は、第1のゲーム例等と同様に端末装置6およびボード型コントローラ9を用いて操作することによって、仮想世界においてホッピングをする遊技者(プレイヤオブジェクト)を動作させるゲームである。第10のゲーム例では、端末装置6のLCD61には、端末装置6の姿勢に応じた方向から仮想空間内における上記遊技者を見た画像が表示される。また、モニタ2には、上記遊技者を遠方から見た仮想空間の様子を示す画像が表示される。
【0247】
第10のゲーム例では、ユーザは、端末装置6の姿勢や方向を変化させる操作と、ボード型コントローラ9に加える荷重の位置を変化させる操作とを行う。具体的には、ユーザは、端末装置6を把持した状態で、ボード型コントローラ9上に乗る。そして、ユーザは、モニタ2に表示された画像や端末装置6のLCD61に表示された画像を見ながら、端末装置6を把持してボード型コントローラ9上で動作(例えば、ユーザがボード型コントローラ9上にかける荷重の重心位置を調整しながら、ボード型コントローラ9上で屈伸したりジャンプしたりする操作)することによってプレイする。そして、ユーザがボード型コントローラ9上で伸び上がるまたはジャンプしたタイミングに合わせて、上記遊技者も仮想空間内においてホッピングでジャンプする。また、ユーザが屈伸動作中やジャンプ動作中においてボード型コントローラ9上に掛かる荷重の重心位置に応じて、上記遊技者がホッピングによって移動する方向が変化したり、上記遊技者のホッピングするバランスが変化したりする。さらに、ユーザが把持する端末装置6の姿勢(方向)に応じて、LCD61にゲーム画像を表示するための仮想カメラの位置が変化する。例えば、ユーザが端末装置6の背面を下方に向けて実質的に水平に把持した場合、上記遊技者を上方から鳥瞰する位置に仮想空間における仮想カメラが移動する。また、ユーザが端末装置6の背面を前方に向けて実質的に垂直に把持した場合、上記遊技者を背後から見る位置に仮想空間における仮想カメラが移動する。
【0248】
このように、第10のゲーム例において、ユーザは、把持する端末装置6の姿勢およびボード型コントローラ9に与える荷重変化によって、ホッピングをする遊技者(プレイヤオブジェクト)の動作や仮想カメラの位置を変化させることができる。また、端末装置6の姿勢に応じた方向から上記遊技者を見た仮想空間をLCD61に表示することによって、ユーザは自分が上記遊技者を見たい方向から見た画像をLCD61に表示することができる。例えば、上記遊技者がホッピングした着地点をユーザが見たい場合、端末装置6の背面を下方に向けることによって上記遊技者が着地する地点を見ることができる。また、上記遊技者がホッピングで進む方向をユーザが見たい場合、端末装置6の背面を前方に向けることによって上記遊技者がホッピングで進む方向の様子を見ることができる。さらに、上記遊技者を遠方から見た仮想空間をモニタ2に表示することによって、ユーザが上記遊技者の周囲の状況が把握しやすくなる。
【0249】
このように、上述した第1〜第10のゲーム例では、ボード型コントローラ9上でユーザ自身の動作に基づいた操作を少なくとも行って当該ユーザ動作に基づいた処理を行う場合に、ユーザが当該処理結果を少なくとも可搬型の端末装置6のLCD61で見ることができるため、端末装置6を把持したり適切な位置に配置したりしてボード型コントローラ9上で動作することによって好適な状況で処理結果を見ることが可能となる。
【0250】
また、上述した第1〜第10のゲーム例では、端末装置6のLCD61に表示されるゲーム画像と、モニタ2に表示されるゲーム画像とは、何れも同じ仮想世界(仮想空間)の様子を示す画像であるが、当該仮想世界(仮想空間)を見る視点や範囲が異なる画像である。したがって、ユーザは、2つの表示画面に表示された異なる視界による仮想世界(仮想空間)を見ることが可能となり、ゲーム状況等に応じて適宜好適なゲーム画像を見ることが可能となる。また、ユーザが端末装置6を把持して操作する場合(第1、第3〜第6、および第10のゲーム例)、実空間における端末装置6の姿勢や位置に応じてプレイヤオブジェクトや仮想カメラを移動させるとともに、LCD61に表示される画像もプレイヤオブジェクトや仮想カメラの移動に応じて変化する。したがって、端末装置6を把持しながらLCD61に表示される画像を見るユーザに、仮想世界(仮想空間)の臨場感を与えることができる。その一方で、LCD61に表示される画像だけを見ていると仮想世界(仮想空間)全体に対する位置やプレイヤオブジェクトの周囲の状況の把握が難しくなるが、モニタ2に相対的に広い範囲の仮想世界(仮想空間)を表示することによって、このような問題を解消することができる。また、ユーザが端末装置6を床面等に配置してゲーム操作する場合(第2、第7〜第9のゲーム例)、端末装置6が可搬型であるため据置型のモニタ2に対してユーザの好みの位置に端末装置6を配置することができる。したがって、ユーザは、ボード型コントローラ9上で操作するにあたって、好適な位置に端末装置6を配置することが可能となる。また、モニタ2に表示される仮想世界(仮想空間)の方向に対して、LCD61に表示される仮想世界(仮想空間)の方向が異なる場合、当該異なる方向と一致するような位置に端末装置6を配置することによって、実空間が仮想世界(仮想空間)となったような位置関係でゲーム画像を見ることが可能となる。一例として、第2のゲーム例では、ユーザの横方向にモニタ2の表示画面が配置される位置をユーザの操作位置とし、当該操作位置に着席するユーザの正面に端末装置6のLCD61を配置する。これによって、ユーザの正面にはプレイヤオブジェクトの背後近傍から見た画像が表示され、ユーザの横にプレイヤオブジェクトを横遠方から見た画像が表示されるため、ユーザ自身があたかも仮想世界(仮想空間)にいるかのような感覚を与えることが可能となる。
【0251】
また、上述した第1、第3〜第6および第10のゲーム例では、ユーザは、ボード型コントローラ9にかける荷重変化によって操作が可能であるとともに、プレイヤオブジェクトを含むゲーム画像が表示される端末装置6を把持して行う操作(本体姿勢や位置による操作、タッチ操作、ボタン操作等)も可能となっている。そして、端末装置6に表示されるプレイヤオブジェクトは、ボード型コントローラ9にかける荷重変化によって操作および/または端末装置6を用いた操作に応じて、仮想世界(仮想空間)内で動作する。したがって、ユーザ自身がプレイヤオブジェクトとなって動作して仮想世界(仮想空間)を見ているような感覚をユーザに与えたり、プレイヤオブジェクトを実世界で触っているような感覚をユーザに与えたりすることが可能となる。
【0252】
ここで、上述したボード型コントローラ9を用いた操作では、ボード型コントローラ9に掛かる荷重の有無、荷重変化、および荷重の重心位置を用いて、プレイヤオブジェクトの様々な動作制御に用いられている。例えば、第3、第5、および第6のゲーム例では、ボード型コントローラ9に掛かる荷重の有無によって、ユーザがボード型コントローラ9を操作したか否か(第3および第6のゲーム例)の判定や、ユーザがボード型コントローラ9上に乗っているか否か(第5のゲーム例)の判定に用いられている。そして、前者の判定では、当該判定をトリガとしてプレイヤオブジェクトが所定の動作を開始し、後者の判定では、当該判定が肯定である場合に実空間における基準位置にユーザがいると判断している。また、第1〜第3および第7〜第10のゲーム例では、ボード型コントローラ9に掛かる荷重変化によって、プレイヤオブジェクトの動作や移動速度を変化させている。さらに、第4および第7〜第10のゲーム例では、ボード型コントローラ9に掛かる荷重の重心位置によって、プレイヤオブジェクトの動作や移動方向を変化させている。なお、第1〜第6のゲーム例では、ユーザの操作方向に応じて仮想世界(仮想空間)における方向(例えば、プレイヤオブジェクトの移動方向や攻撃方向等)が設定されるゲーム例ではあるが、当該方向が端末装置6の姿勢(方向)に基づいて設定されている。これは、ボード型コントローラ9に掛かる荷重の重心位置から方向を設定するより操作が容易である場合やよりゲームの臨場感が増す場合等であり、端末装置6の姿勢およびボード型コントローラ9に掛かる荷重の重心位置の適切な方をゲーム内容に応じて選択することができる。このように、端末装置6およびボード型コントローラ9を操作手段として用いる場合、ユーザの操作に応じて仮想世界(仮想空間)における方向を設定する際、複数の操作を選択肢として好適な方式を選択することが可能となる。
【0253】
なお、ゲームシステム1は、上記で説明したように種々のゲームを行うための動作を行うことが可能である。端末装置6は、可搬形のディスプレイや第2のディスプレイとしても使用することができる一方で、本体の動きによる操作、タッチ操作、ボタン操作等による入力を行うコントローラとしても使用することができ、ゲームシステム1によれば、幅広いゲームを実施することが可能となる。つまり、端末装置6は、表示装置として機能するものであるため、モニタ2およびコントローラ7を使用せずに端末装置6を表示手段として使用し、ボード型コントローラ9を操作手段として使用するようなゲームシステムのような形態もあり得る。また、端末装置6は、表示装置として機能するとともに、操作装置としても機能するものであるため、モニタ2およびコントローラ7を使用せずに端末装置6を表示手段として使用し、端末装置6およびボード型コントローラ9を操作手段として使用するようなゲームシステムのような形態もあり得る。
【0254】
また、上記実施形態においては、端末装置6は、ゲーム処理を実行しない、いわゆるシンクライアント端末として機能するものであった。しかしながら、端末装置6は、上記実施形態においてゲーム装置本体5によって実行される一連のゲーム処理のうち、少なくとも一部の処理が端末装置6によって実行されてもよい。一例として、一部の処理(例えば、端末用ゲーム画像の生成処理)を端末装置6が実行するようにしてもよい。他の例として、ゲーム装置本体5によって実行される一連のゲーム処理全てを端末装置6が実行するようにしてもよい。この場合、端末装置6は、表示装置として機能するとともに、ゲーム処理を実行する処理装置としても機能するものであるため、モニタ2、ゲーム装置本体5、およびコントローラ7を使用せずに端末装置6を表示手段として使用し、ボード型コントローラ9を操作手段として使用し、端末装置6を処理手段として使用するようなゲームシステムのような形態もあり得る。当該ゲームシステムでは、端末装置6およびボード型コントローラ9のみが無線または有線によって接続され、ボード型コントローラ9からボード操作データを端末装置6へ出力することによって、種々のゲームを行うことができる。
【0255】
なお、上述した説明では、端末装置6とゲーム装置本体5との間、コントローラ7とゲーム装置本体5との間、およびボード型コントローラ9とゲーム装置本体5との間がそれぞれ無線通信によって接続された態様を用いたが、他の態様によって装置間の無線通信が行われてもかまわない。第1の例として、端末装置6が他の無線通信の中継装置として機能する。この場合、コントローラ7のコントローラ操作データおよび/またはボード型コントローラ9のボード操作データが端末装置6へ無線送信され、受信したコントローラ操作データおよび/またはボード操作データと共に端末装置6の端末操作データを、端末装置6がゲーム装置本体5へ無線送信する。この場合、端末装置6とゲーム装置本体5とが無線通信によって直接的に接続されるが、コントローラ7および/またはボード型コントローラ9は、端末装置6を介してゲーム装置本体5と無線通信によって接続されることになる。第2の例として、コントローラ7が他の無線通信の中継装置として機能する。この場合、端末装置6の端末操作データおよび/またはボード型コントローラ9のボード操作データがコントローラ7へ無線送信され、受信した端末操作データおよび/またはボード操作データと共にコントローラ7のコントローラ操作データを、コントローラ7がゲーム装置本体5へ無線送信する。この場合、コントローラ7とゲーム装置本体5とが無線通信によって直接的に接続されるが、端末装置6および/またはボード型コントローラ9は、コントローラ7を介してゲーム装置本体5と無線通信によって接続されることになる。第3の例として、ボード型コントローラ9が他の無線通信の中継装置として機能する。この場合、端末装置6の端末操作データおよび/またはコントローラ7のコントローラ操作データがボード型コントローラ9へ無線送信され、受信した端末操作データおよび/またはコントローラ操作データと共にボード型コントローラ9のボード操作データを、ボード型コントローラ9がゲーム装置本体5へ無線送信する。この場合、ボード型コントローラ9とゲーム装置本体5とが無線通信によって直接的に接続されるが、端末装置6および/またはコントローラ7は、ボード型コントローラ9を介してゲーム装置本体5と無線通信によって接続されることになる。なお、他の装置が中継してゲーム装置本体5に操作データを送信する場合、ケーブルを介して当該操作データを生成する装置と当該操作データを中継する他の装置との間を電気的に接続してもかまわない。
【0256】
また、端末装置6、コントローラ7、および/またはボード型コントローラ9と、ゲーム装置本体5とがケーブルを介して電気的に接続されてもかまわない。この場合、端末装置6、コントローラ7、および/またはボード型コントローラ9に接続されたケーブルをゲーム装置本体5の接続端子に接続する。第1の例として、端末装置6とゲーム装置本体5とが第1のケーブルを介して電気的に接続され、コントローラ7とゲーム装置本体5とが第2のケーブルを介して電気的に接続され、ボード型コントローラ9とゲーム装置本体5とが第3のケーブルを介して電気的に接続される。第2の例として、端末装置6および/またはコントローラ7とゲーム装置本体5との間がケーブルを介して電気的に接続される。この場合、ボード型コントローラ9のボード操作データは、端末装置6および/またはコントローラ7へ無線送信された後に上記ケーブルを介してゲーム装置本体5に送信されてもいいし、ボード型コントローラ9から直接ゲーム装置本体5に無線送信されてもよい。第3の例として、端末装置6および/またはボード型コントローラ9とゲーム装置本体5との間がケーブルを介して電気的に接続される。この場合、コントローラ7のコントローラ操作データは、端末装置6および/またはボード型コントローラ9へ無線送信された後に上記ケーブルを介してゲーム装置本体5に送信されてもいいし、コントローラ7から直接ゲーム装置本体5に無線送信されてもよい。第4の例として、コントローラ7および/またはボード型コントローラ9とゲーム装置本体5との間がケーブルを介して電気的に接続される。この場合、端末装置6の端末操作データは、コントローラ7および/またはボード型コントローラ9へ無線送信された後に上記ケーブルを介してゲーム装置本体5に送信されてもいいし、端末装置6から直接ゲーム装置本体5に無線送信されてもよい。
【0257】
また、上記実施形態においては、ゲームシステム1が端末装置6およびボード型コントローラ9をそれぞれ1つ有する構成であったが、ゲームシステム1は、複数組の端末装置6およびボード型コントローラ9を有する構成であってもよい。すなわち、ゲーム装置本体5は、複数組の端末装置6およびボード型コントローラ9とそれぞれ無線通信可能であり、ゲーム画像のデータとゲーム音声のデータと制御データとを各端末装置6へ送信し、端末操作データとカメラ画像データとマイク音データとボード操作データとを各端末装置6およびボード型コントローラ9から受信するものであってもよい。なお、ゲーム装置本体5は、複数の端末装置6およびボード型コントローラ9のそれぞれと無線通信を行うが、このとき、ゲーム装置本体5は、各端末装置6およびボード型コントローラ9との無線通信を時分割で行ってもよいし、周波数帯域を分割して行ってもよい。
【0258】
上記のように複数組の端末装置6およびボード型コントローラ9を有する場合には、ゲームシステム1を用いてより多くの種類のゲームを行うことができる。例えば、ゲームシステム1が2組の端末装置6およびボード型コントローラ9を有する場合には、2人のユーザが同時にゲームを行うことができる。また、ゲームシステム1が2組の端末装置6およびボード型コントローラ9を有する場合には、ゲームシステム1は3つの表示装置を有することになるので、3人のユーザのそれぞれのためのゲーム画像を生成し、各表示装置に表示させることができる。
【0259】
また、上述した説明では、ボード型コントローラ9に複数の荷重センサ94を設けているが、上記処理においてボード型コントローラ9に加わっている荷重の重心位置の情報が不要であれば、荷重センサ94を少なくとも1つボード型コントローラ9に設けてもかまわない。
【0260】
また、上記実施例では、据置型のゲーム装置3を用いて説明したが、携帯型のゲーム装置や一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で本発明の情報処理プログラムを実行して、本発明を実現してもかまわない。また、他の実施形態では、ゲーム装置に限らず任意の携帯型電子機器、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話、パーソナルコンピュータ、カメラ等であってもよい。何れの装置であっても、当該装置と端末装置6およびボード型コントローラ9とを無線または有線で接続することによって、本発明を実現することができる。
【0261】
また、上述した説明では情報処理をゲーム装置本体5で行う例を用いたが、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部をゲームシステム1の外部に設けられた他の装置で行ってもかまわない。例えば、ゲーム装置本体5が他の装置(例えば、サーバや他のゲーム装置)と通信可能に構成されている場合、上記情報処理における処理ステップは、ゲーム装置本体5および当該他の装置が協働することによって実行してもよい。一例として、他の装置において、プレイヤオブジェクトおよび仮想世界等を設定する処理が行われ、ゲーム装置本体5からプレイヤオブジェクトの動作に関するデータが他の装置へ送信されて、上記情報処理が行われることが考えられる。そして、他の装置で生成された仮想世界を示す画像データがゲーム装置本体5へ送信され、当該仮想世界がモニタ2やLCD61に表示される。このように、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行うことによって、上述した情報処理と同様の処理が可能となる。なお、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部をボード型コントローラ9(マイコン100)で行ってもよい。また、上述した情報処理は、少なくとも1つの情報処理装置により構成される情報処理システムに含まれる1つのプロセッサまたは複数のプロセッサ間の協働により実行されることが可能である。また、上記実施形態においては、ゲーム装置本体5のCPU10が所定のプログラムを実行することによって、上述したフローチャートによる処理が行われたが、ゲーム装置本体5が備える専用回路によって上記処理の一部または全部が行われてもよい。
【0262】
また、上述したゲーム装置本体5の形状や、端末装置6、コントローラ7、およびボード型コントローラ9の形状および各種操作ボタンやセンサの形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した情報処理で用いられる処理順序、設定値、表示態様、判定に用いられる値等は、単なる一例に過ぎず他の順序、表示態様、値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0263】
また、上記情報処理プログラム(ゲームプログラム)は、光ディスク4等の外部記憶媒体を通じてゲーム装置本体5に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてゲーム装置本体5に供給されてもよい。また、情報処理プログラムは、ゲーム装置本体5内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、情報処理プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどでもよい。また、上記情報処理プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、不揮発性半導体メモリや揮発性メモリでもよい。このような記憶媒体は、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体ということができる。例えば、コンピュータ等に、これらの記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述で説明した各種機能を提供させることができる。
【0264】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。