特許第5793075号(P5793075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5793075検体分析用具、検体分析用具の製造方法および展開部材の液体浸透性低下抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793075
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】検体分析用具、検体分析用具の製造方法および展開部材の液体浸透性低下抑制方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20150928BHJP
   G01N 33/52 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   G01N33/543 521
   G01N33/52 B
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-508358(P2011-508358)
(86)(22)【出願日】2010年4月5日
(86)【国際出願番号】JP2010056187
(87)【国際公開番号】WO2010116979
(87)【国際公開日】20101014
【審査請求日】2011年6月7日
(31)【優先権主張番号】特願2009-94836(P2009-94836)
(32)【優先日】2009年4月9日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】大宮 一紘
(72)【発明者】
【氏名】平山 智子
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−544282(JP,A)
【文献】 特開2008−116235(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/040999(WO,A1)
【文献】 特開2001−083152(JP,A)
【文献】 特開昭64−088156(JP,A)
【文献】 国際公開第03/062824(WO,A1)
【文献】 特開2006−038600(JP,A)
【文献】 特開平10−177028(JP,A)
【文献】 特表平10−505909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開部材と、プラスチック基材とを備え、
前記展開部材の少なくとも一部が、前記プラスチック基材と接触しており、
さらに、親水性成分層を有し、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記親水性成分層が、前記糖類を含む場合、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み
記展開部材の表面の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されており、
前記形成された親水性成分層は、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触表面の一部または全部に、形成されていることを特徴とする検体分析用具。
【請求項2】
前記展開部材が、液体供給部を有し、
前記液体供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されている、請求項1記載の検体分析用具。
【請求項3】
前記展開部材の前記プラスチック基材との接触表面が、前記液体供給部を含む、請求項2記載の検体分析用具。
【請求項4】
前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有し、
前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されている、請求項2または3記載の検体分析用具。
【請求項5】
前記親水性成分層が、不揮発性の親水性成分を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項6】
前記プラスチック基材が、プラスチックケースを含み、
前記展開部材が、前記プラスチックケース内に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項7】
検体を含む検体液および展開液が、それぞれ、前記検体供給部および前記展開液供給部から供給される、請求項4から6のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項8】
前記展開部材が、さらに、検出部を有し、
前記展開部材に、前記展開液供給部、前記検体供給部および前記検出部が、展開液の流れの上流から下流にかけて、前記順序で配置されており、
前記検出部には、検体中の分析対象物に特異的に結合する物質が固定化されており、
前記検体供給部に、検体含む検体液が供給され、
前記展開液供給部に、前記展開液が供給され、
前記分析対象物に特異的に結合する標識化物質の存在下、前記供給された展開液の前記展開部材における展開により、前記供給された検体液が前記検出部に導入され、
前記検出部において、前記固定化された特異的結合物質、前記分析対象物、および前記標識化された特異的結合物質の複合体が形成され、
前記複合体における前記標識の検出により、前記分析対象物の分析が行われる、請求項4から7のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項9】
前記特異的結合物質が、抗原または抗体である、請求項8記載の検体分析用具。
【請求項10】
前記プラスチック基材が、前記展開部材を挟持するように形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項11】
さらに、試薬層を備え、
前記プラスチック基材が、前記展開部材および前記試薬層を挟持するように形成されている、請求項10記載の検体分析用具。
【請求項12】
前記プラスチック基材が、疎水性成分を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の検体分析用具。
【請求項13】
展開部材の少なくとも一部が、プラスチック基材と接触した検体分析用具を製造する方法であって
記展開部材の表面の一部または全部に、親水性成分層を形成する親水性成分層形成ステップを含み、
前記親水性成分層形成ステップにおいて、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み、
前記形成された親水性成分層は、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触表面の一部または全部に、形成されていることを特徴とする検体分析用具の製造方法。
【請求項14】
前記展開部材が、液体供給部を有し、
前記親水性成分層形成ステップにおいて、
前記液体供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層を形成する、請求項13記載の検体分析用具の製造方法。
【請求項15】
前記展開部材の前記プラスチック基材との接触表面が、前記液体供給部を含む、請求項14記載の検体分析用具の製造方法。
【請求項16】
前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有し、
前記親水性成分層形成ステップにおいて、
前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層を形成する、請求項14または15記載の検体分析用具の製造方法。
【請求項17】
展開部材と、プラスチック基材とを備え、
前記プラスチック基材が、疎水性成分を含み、
前記展開部材の少なくとも一部が、前記プラスチック基材と接触している検体分析用具における、前記展開部材の表面の一部または全部に、親水性成分層を形成し、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み、
前記形成された親水性成分層は、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触表面の一部または全部に、形成されており、
前記展開部材への前記疎水性成分の付着を、前記親水性成分層により防止することで、前記展開部材への液体の浸透性の低下を抑制することを特徴とする展開部材の液体浸透性低下抑制方法。
【請求項18】
前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有する検体分析用具における、前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層を形成する、請求項17記載の展開部材の液体浸透性低下抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体分析用具、検体分析用具の製造方法および展開部材の液体浸透性低下抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、感染症の診断等において、細菌またはウイルス等の病原体の抗原を、免疫反応を利用して検出する検体分析用具が普及している。前記検体分析用具では、簡便かつ迅速に、定量分析、半定量分析、定性分析等が可能なことから、イムノクロマトグラフィー法(以下、免疫分析方法ということがある)が汎用されている。近年では、酵素を標識に用いた免疫分析方法(以下、酵素免疫分析方法ということがある)も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6に示すように、従来の検体分析用具60は、展開部材61が、プラスチックケース66内に収容されているという形態が一般的である。図6(a)は、前記検体分析用具の平面図である。図6(b)は、図6(a)のIII−III方向に見た断面図である。前記両図において、同一部分には、同一符号を付している。前記展開部材61には、展開液供給部62、検体供給部63および検出部64が、展開液の流れの上流から下流(同図において右側から左側)にかけて、前記順序で配置されている。前記検出部64には、抗体が、固定化されている(以下、固定化抗体ということがある)。前記プラスチックケース66には、展開液供給口67、検体供給口68および窓69が、形成されている。前記展開液供給口67は、その下端部が、前記展開液供給部62と接するように配置されている。前記検体供給口68は、前記検体供給部63の上方に配置されている。前記窓69は、前記検出部64の上方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−61910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の検体分析用具を用いて、前記酵素免疫分析方法等を実施した場合、例えば、定性分析において、陽性であるべき検体が陰性と分析される、という反応性低下の問題、または定量分析において、定量値がばらつく、という再現性低下の問題があった。このような問題は、免疫分析方法に用いる検体分析用具に限られず、例えば、検体液を試薬層に含まれる試薬と反応させて分析を行う臨床検査等の一般的な検体分析用具においても同様である。
【0006】
そこで、本発明は、分析の反応性および再現性の低下を防止可能な検体分析用具、検体分析用具の製造方法および展開部材の液体浸透性低下抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の検体分析用具は、
展開部材と、プラスチック基材とを備え、
前記展開部材の少なくとも一部が、前記プラスチック基材と接触しており、
さらに、親水性成分層を有し、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み、
前記プラスチック基材の表面および前記展開部材の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されており、
前記形成された親水性成分層は、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触部の一部または全部に、形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の検体分析用具の製造方法は、
展開部材の少なくとも一部が、プラスチック基材と接触した検体分析用具を製造する方法であって、
前記プラスチック基材の表面および展開部材の表面の少なくとも一方の一部または全部に、親水性成分層を形成する親水性成分層形成ステップを含み、
前記親水性成分層形成ステップにおいて、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み、
前記形成された親水性成分層は、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触部の一部または全部に、形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の展開部材の液体浸透性低下抑制方法は、
展開部材と、プラスチック基材とを備え、
前記プラスチック基材が、疎水性成分を含み、
前記展開部材の少なくとも一部が、前記プラスチック基材と接触している検体分析用具における、前記プラスチック基材の表面および前記展開部材の表面の少なくとも一方の一部または全部に、親水性成分層を形成し、
前記親水性成分層は、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、および無機粒子からなる群から選択される少なくとも一つの親水性成分を含み、
前記糖類は、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、およびラクトースからなる群から選択される少なくとも一つの成分を含み、
前記展開部材への前記疎水性成分の付着を、前記親水性成分層により防止することで、前記展開部材への液体の浸透性の低下を抑制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分析の反応性および再現性の低下を防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)は、本発明の一実施形態における検体分析用具が備える展開部材の一例の構成を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)に示す展開部材のI−I方向に見た断面図である。図1(c)は、本発明の一実施形態の検体分析用具の一例の構成を示す平面図である。図1(d)は、図1(c)に示す検体分析用具のII−II方向に見た断面図である。
図2図2は、展開液供給部の表面に形成される親水性成分層の例を示す図である。
図3図3(a)は、本発明の一実施形態における免疫分析方法を説明する断面図である。図3(b)は、検出部における抗原の検出を示す模式図である。
図4図4は、本発明の一実施形態の検体分析用具のその他の例の構成を示す断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態の検体分析用具のさらにその他の例の構成を示す断面図である。
図6図6(a)は、従来の検体分析用具の一例の構成を示す平面図である。図6(b)は、図6(a)に示す検体分析用具のIII−III方向に見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者等は、前記目的を達成するために、まず、従来の検体分析用具における分析の反応性および再現性の低下の原因解明を目的に、一連の研究を重ねた。その結果、本発明者等は、従来の検体分析用具では、例えば、展開液供給部または検体供給部等の液体供給部に供給された液体の展開部材への浸透性が低下することが原因であることを突き止めた。前記液体の浸透性の低下とは、例えば、前記展開部材中に前記液体が浸透しないこと、または前記展開部材への浸透に時間がかかること等をいう。この浸透性の低下により、分析の反応性および再現性が低下する。この知見に基づき、本発明者等は、さらに研究を重ねた結果、前記展開部材の少なくとも一部がプラスチック基材と接触している検体分析用具における、前記プラスチック基材の表面および前記展開部材の表面の少なくとも一方の一部または全部に、親水性成分層を形成すれば、前記液体の浸透性の低下を抑制可能であることを見出し、本発明に至った。本発明によれば、分析の反応性および再現性の低下を防止可能である。
【0013】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触部の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されている。
【0014】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記展開部材が、液体供給部を有し、前記液体供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されているという形態であってもよい。前記液体供給部は、特に制限されず、例えば、展開液供給、検体供給部、試薬供給部、洗浄液供給部等があげられる。
【0015】
本発明の検体分析用具および検体分析用具の製造方法において、例えば、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触部が、前記液体供給部を含む形態であってもよい。
【0016】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有し、前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層が形成されているという形態であってもよい。
【0017】
本発明の検体分析用具において、前記親水性成分層は、不揮発性の親水性成分を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の検体分析用具において、前記親水性成分層は、例えば、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、無機粒子等の成分を含む。前記糖類としては、例えば、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトースがあげられる。これらの中でも、スクロースまたはN−メチルグルコースアミンが特に好ましい。
【0019】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記プラスチック基材が、プラスチックケースを含み、前記展開部材が、前記プラスチックケース内に配置されているという形態であってもよい。
【0020】
本発明の検体分析用具は、例えば、検体を含む検体液および展開液が、それぞれ、前記検体供給部および前記展開液供給部から供給されるという形態であってもよい。
【0021】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記展開部材が、さらに、検出部を有し、前記展開部材に、前記展開液供給部、前記検体供給部および前記検出部が、展開液の流れの上流から下流にかけて、前記順序で配置されており、前記検出部には、検体中の分析対象物に特異的に結合する物質が固定化されており、前記検体供給部に、検体含む検体液が供給され、前記展開液供給部に、前記展開液が供給され、前記分析対象物に特異的に結合する標識化物質の存在下、前記供給された展開液の前記展開部材における展開により、前記供給された検体液が前記検出部に導入され、前記検出部において、前記固定化された特異的結合物質、前記分析対象物、および前記標識化された特異的結合物質の複合体が形成され、前記複合体における前記標識の検出により、前記分析対象物の分析が行われという形態であってもよい。
【0022】
前記特異的結合物質は、例えば、分析対象物質に応じて適宜選択され、生体由来物質であってよいし、人工的に生成(合成)された物質であってもよい。前記特異的結合物質としては、例えば、抗体、抗原、プローブ等があげられる。
【0023】
本発明の検体分析用具は、例えば、前記プラスチック基材が、前記展開部材を挟持するように形成されているという形態であってもよい。
【0024】
本発明の検体分析用具は、例えば、さらに、試薬層を備え、前記プラスチック基材が、前記展開部材および前記試薬層を挟持するように形成されているという形態であってもよい。
【0025】
本発明の検体分析用具、検体分析用具の製造方法および展開部材の液体浸透性低下抑制方法において、前記プラスチック基材が、疎水性成分を含むことが好ましい。前記疎水性成分としては、例えば、滑剤、可塑剤、離型剤、安定剤または酸化防止剤等があげられる。
【0026】
本発明の検体分析用具の製造方法における前記親水性成分層形成ステップにおいて、例えば、前記展開部材の前記プラスチック基材との接触部の一部または全部に、前記親水性成分層を形成する
【0027】
本発明の検体分析用具の製造方法において、例えば、前記展開部材が、液体供給部を有し、前記親水性成分層形成ステップにおいて、前記液体供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層を形成してもよい。
【0028】
本発明の検体分析用具の製造方法において、例えば、前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有し、前記親水性成分層形成ステップにおいて、前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層を形成してもよい。
【0029】
本発明の展開部材の液体浸透性低下抑制方法において、例えば、前記展開部材が、液体供給部を有し、前記液体供給部の少なくとも一部と前記プラスチック基材とが接触している検体分析用具における、前記液体供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層を形成してもよい。
【0030】
本発明の展開部材の液体浸透性低下抑制方法において、例えば、前記液体供給部が、展開液供給部および検体供給部を有する検体分析用具における、前記展開液供給部の表面および前記検体供給部の表面の少なくとも一方の一部または全部に、前記親水性成分層を形成してもよい。
【0031】
つぎに、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の記載により制限されない。なお、以下の図1から図6において、同一部分には同一符号を付している。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法等は、実際とは異なる場合がある。
【0032】
(実施形態1)
本実施形態の検体分析用具は、前記「固定化された特異的結合物質」として固定化抗体を用い、前記「標識化された特異的結合物質」として、酵素を標識として用いた標識化抗体(酵素標識化抗体)を用いた免疫分析方法(酵素免疫分析方法)に用いる検体分析用具である。
【0033】
図1に、本実施形態の検体分析用具の一例の構成を示す。図1(a)は、この例の検体分析用具が備える展開部材の平面図である。図1(b)は、図1(a)のI−I方向に見た断面図である。図示のとおり、この展開部材11には、展開液供給部12、検体供給部13および検出部14が、展開液の流れの上流から下流(図1(a)における右側から左側)にかけて、前記順序で配置されている。なお、本実施形態において、前記展開液供給部12、前記検体供給部13および前記検出部14は、それぞれ、前記展開部材11における所定の領域である。前記展開液供給部12の表面には、前記展開液供給部12の表面の全部を覆うように、親水性成分層15が形成されている。前記検出部14には、抗体が固定化されている(固定化抗体)。
【0034】
図1(c)は、本実施形態の検体分析用具の平面図である。図1(d)は、図1(c)に示す検体分析用具のII−II方向に見た断面図である。図示のとおり、この例の検体分析用具10は、図1(a)に示す前記展開部材11と、前記プラスチック基材であるプラスチックケース16とを備える。前記展開部材11は、前記プラスチックケース16内に配置されている。前記プラスチックケース16は、展開液供給口17、検体供給口18および窓19を有する。前記展開液供給口17は、その下端部が、前記親水性成分層15と接するように配置されている。前記検体供給口18は、前記検体供給部13の上方に配置されている。前記窓19は、前記検出部14の上方に配置されている。
【0035】
この検体分析用具10では、図2(a)に示すように、前記親水性成分層15は、前記検体供給部12の表面の全部を覆うように、円形状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限定されず、例えば、図2(b)に示すように、前記親水性層15は、前記検体供給部12の表面の全部を覆うように、矩形状に形成されていてもよいし、図2(c)に示すように、前記親水性層15は、前記検体供給部12の表面の一部を覆うように、矩形状に形成されていてもよいし、図2(d)に示すように、前記親水性層15は、前記検体供給部12の表面の一部を覆うように、十字状に形成されていてもよい。本実施形態の検体分析用具では、前記親水性成分層15は、前記展開部材11(展開液供給部12)と前記プラスチックケース16(展開液供給口17の下端部)との接触部に形成された状態である。また、この検体分析用具10では、前記親水性成分層15は、前記展開液供給部12の表面に形成されているが、本発明は、この例に限定されず、前記親水性成分層15は、例えば、前記検体供給部13の表面の一部または全部に形成されていてもよいし、例えば、前記展開液供給部12および前記検体供給部13の両方に形成されていてもよい。
【0036】
前記展開部材は、毛細管作用を奏する多孔質構造であればよい。前記展開部材の形成材料としては、例えば、多孔質膜、粒状物質または微粒子粉末等があげられる。前記多孔質膜としては、例えば、セルロース膜、酢酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体膜、ガラスフィルター、濾紙等があげられる。前記粒状物質または微粒子粉末としては、例えば、ポリマービーズ、ガラスビーズ、二酸化チタン、セルロース、塩類、疎水化多糖類等があげられる。前記展開部材の大きさは、特に制限されず、例えば、分析装置の規格等に応じて適宜設定できる。
【0037】
前記親水性成分層は、親水性成分を含めばよい。前記親水性成分層は、前述のとおり、前記展開液供給部の表面の一部または全部に形成されている。これにより、前記展開液の浸透性の低下を抑制し、分析の反応性および再現性の低下を防止可能である。このような効果は、以下のメカニズムによると推察される。すなわち、前記プラスチックケースに含まれる疎水性成分(例えば、滑剤、可塑剤、離型剤、安定剤、酸化防止剤等)が、前記展開液供給部の表面の一部または全部に付着することにより、前記展開液の浸透性が、低下する。特に、前記疎水性成分の付着は、例えば、高温(例えば、30℃以上)環境下で保管された場合、または長期間(例えば、6ヶ月間以上)保管された場合等に、顕著である。本実施形態の検体分析用具では、前記展開液供給部の表面の一部または全部に、前記親水性成分層を形成することにより、前記疎水性成分の付着を防止し、その結果、展開液の浸透性低下を抑制する。ただし、本発明は、これらの推察によってなんら制限ないし限定されない。また、本発明において、前記親水性成分層が形成される箇所は、前述の展開液供給部のみに限定されない。前記親水性成分層が、前記プラスチック基材表面および前記展開部材表面の少なくとも一方の一部または全部に形成されていれば、本発明の効果を得ることができる。
【0038】
前記親水性成分層は、親水性成分を含めばよい。また、前記親水性成分としては、例えば、糖類、水溶性ポリマー、界面活性剤、コロイド粒子、または無機粒子の成分があげられる。前記親水性成分は、例えば、一種類が単独で、含まれてもよいし、二種類以上が、含まれてもよい。前記糖類としては、例えば、スクロース、N−メチルグルコースアミン、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトースがあげられる。これらの中でも、スクロースまたはN−メチルグルコースアミンが特に好ましい。前記水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等があげられる。前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル(Tween系界面活性剤等)、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル(Triton系界面活性剤等)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等があげられる。前記コロイド粒子としては、例えば、金コロイド粒子、水酸化第二鉄コロイド粒子、銀コロイド粒子等があげられる。前記無機粒子としては、例えば、シリカ粉末、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等があげられる。
【0039】
前記固定化抗体は、検体中の分析対象物である抗原に結合する抗体であればよい。前記抗体は、後述する抗原等に応じて適宜設定できる。前記抗体は、例えば、生体由来の抗体であってもよいし、人工合成された抗体であってもよい。前記生体由来の抗体としては、例えば、免疫グロブリン(Ig)、抗体フラグメント、キメラ抗体等があげられる。前記免疫グロブリンとしては、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等があげられる。前記抗体フラグメントとしては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2等があげられる。前記キメラ抗体としては、例えば、ヒト化抗体等があげられる。前記抗体は、例えば、マウス、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の哺乳動物、ニワトリ等の鳥類、ヒト等の動物種由来のものでもよく、特に制限されない。また、前記抗体としては、例えば、前記動物種由来の血清から、従来公知の方法により作製してもよく、あるいは市販の各種抗体を利用してもよく、特に制限されない。前記抗体としては、例えば、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体のいずれを用いてもよい。前記人工合成された抗体としては、例えば、アフィボディー等があげられる。前記検出部への抗体の固定化方法としては、例えば、塗布装置を用いて多孔質膜等の展開部材に、前記抗体を含む抗体液を塗布し、乾燥機等により風乾させる方法等があげられる。
【0040】
前記プラスチックケースの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂等があげられる。前記プラスチックケースは、疎水性成分を含んでいることが好ましい。前記疎水性成分としては、例えば、滑剤、可塑剤、離型剤、安定剤、酸化防止剤等があげられる。前記プラスチックケースの形状および大きさは、特に制限されず、前記展開部材等の形状および大きさに応じて適宜設定できる。
【0041】
本発明の検体分析用具は、特に制限されないが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。また、前記本発明の製造方法において、各ステップは、逐次で行っても、同時に行ってもよい。以下に、本実施形態の検体分析用具の製造方法の一例を、図1を参照して説明する。
【0042】
親水性成分層15を、前記展開部材11における展開液供給部12の表面の一部または全部に形成する。前記親水性成分層は、例えば、以下のようにして形成する。すなわち、まず、前記親水性成分を含む溶液または懸濁液等を調製する。前記溶液等における前記親水性成分の濃度は、例えば、0.1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜7.5重量%の範囲であり、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。前記溶液等は、例えば、前記親水性成分を溶媒に溶解または懸濁することで調製できる。前記溶媒としては、例えば、水、緩衝液等があげられる。前記緩衝液としては、特に制限されず、例えば、後述の緩衝液等があげられる。つぎに、前記親水性成分を含む溶液を、例えば、塗布装置等を用いて、前記展開部材に塗布し、乾燥機等により風乾させることにより、前記親水性成分層を形成する。この状態で、前記展開部材11を、前記プラスチックケース16内に配置する。この際、前記展開液供給口17の下端部と、展開部材11(展開液供給部12)とを前記親水性成分層15を介して接触させる。このようにして、図1に示す本実施形態の検体分析用具を製造可能である。ただし、本実施形態の検体分析用具を製造する方法は、この例に限定されない。なお、前記プラスチックケース16および前記展開部材11は、いずれも市販品を購入してもよいし、自家製作してもよい。
【0043】
つぎに、本実施形態の検体分析用具を用いた酵素免疫分析方法は、例えば、検体液、酵素標識化抗体、展開液、基質等を用いて実施される。
【0044】
前記検体液は、検体を含んでいればよい。前記検体としては、特に制限されず、例えば、生体試料、食品等があげられる。前記検体は、液状のものであっても、固体状のものを緩衝液等に溶解、懸濁または分散等したものであってもよい。前記液状の生体試料としては、例えば、鼻腔吸引液、鼻腔洗浄液、鼻腔ぬぐい液、鼻汁、咽頭ぬぐい液、含漱液、唾液、全血、血清、血漿、汗、尿等があげられる。前記固体状の生体試料としては、例えば、細胞、糞便等があげられる。前記食品としては、例えば、動物および植物等の食物、または加工食品等があげられる。前記緩衝液としては、特に制限されず、例えば、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等があげられる。前記緩衝液のpHは、特に制限されず、例えば、pH4〜10の範囲であり、好ましくは、pH6〜9の範囲である。
【0045】
前記免疫分析方法では、前記検体中の分析対象物は、前述の固定化抗体および後述する標識化抗体に結合する抗原である。前記抗原としては、特に制限されず、例えば、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、ノロウイルス、麻疹ウイルス、ロタウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV−1)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヘルペスウイルス、マイコプラズマ、梅毒トレポネーマ、クラミジア・トラコマチス、結核菌、大腸菌群、A群溶連菌、B群溶連菌、肺炎球菌、ブドウ球菌、MRSA、レジオネラ、腸管出血性大腸菌O157、ベロ毒素、サルモネラ、クロストリジウム・ディフィシル、ヘリコバクター・ピロリ、CRP、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗原、HBc抗体、HBe抗原、HBe抗体、前立腺特異抗原(PSA)、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、トロポニンT、トロポニンI、ミオグロビン、D−ダイマー、便中ヘモグロビン、ヘモグロビンA1c、IgE抗体等の病原体抗原、抗体、癌マーカー、ホルモン等の生体成分、残留農薬、環境ホルモン、食品中のアレルギー物質等があげられる。
【0046】
前記検体液は、例えば、緩衝液、界面活性剤、抗菌剤等を含んでもよい。前記緩衝液としては、特に制限されず、例えば、前述の緩衝液等があげられる。前記界面活性剤としては、特に制限されず、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等があげられる。前記抗菌剤としては、特に制限されず、例えば、アジ化ナトリウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等があげられる。
【0047】
前記酵素標識化抗体は、前記検体中の分析対象物である抗原に結合する、酵素標識化された抗体であればよい。前記酵素標識化抗体の抗体としては、例えば、前述の各種抗原等に対する抗体があげられ、前記抗原等に応じて適宜設定できる。前記抗体としては、例えば、前述の固定化抗体の抗体として例示した抗体等があげられる。
【0048】
前記酵素標識化抗体の酵素としては、特に制限されず、例えば、パーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等があげられる。前記酵素標識化抗体の調製方法は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法を用いてもよい。
【0049】
前記酵素標識化抗体は、例えば、前記検体液に予め含ませておいてもよいし、前記展開部材または別途設けたパッド等に、予め含浸させておいてもよい。ただし、例えば、前記パッド等を別途設けなくとも、より高感度な分析が可能であることから、前記検体液に前記酵素標識化抗体を予め含ませておくことが好ましい。
【0050】
前記展開液としては、例えば、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を用いてもよい。前記展開液には、例えば、安定化剤、抗菌剤等を適宜添加してもよい。また、前記展開液の供給量は、例えば、前記検体液の供給量等に応じて、適宜設定できる。
【0051】
前記基質は、特に制限されず、例えば、前記酵素に反応して発色または発光等するものが好ましい。前記基質の種類は、特に制限されず、例えば、前記酵素標識化抗体における酵素の種類に応じて選択できる。具体例としては、例えば、2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)、3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン(TMB)、ジアミノベンチジン(DAB)、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)、4−メチルウムベリフェニル−β−D−ガラクトシド(4MUG)、3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’−β−D−ガラクトピラノシル)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMGPD)等があげられる。
【0052】
前記基質は、例えば、前記展開液の展開により、前記展開液供給部から、前記検体供給部を経て、前記検出部に導入できる。この際、前記基質は、例えば、前記展開液に予め含ませておいてもよいし、前記検体液に前記基質を予め含ませておいてもよいし、前記展開部材等に、前記基質を含浸させておいてもよい。前記展開部材等に、前記基質を含浸させる場合は、例えば、前記基質を、前記展開部材の前記検体供給部と前記検出部との間、または前記展開液供給部と前記検体供給部との間等に含浸させてもよい。
【0053】
つぎに、図3に基づき、本実施形態における免疫分析方法を具体的に説明する。
【0054】
図3(a)は、検体分析用具の断面図である。図3(b)は、検出部における抗原の検出を示す模式図である。
【0055】
まず、図3(a)に示すとおり、前記検体供給口18を通して、前記検体供給部13に、前記検体液を供給する(矢印a)。なお、前記酵素標識化抗体は、供給前の前記検体液に予め配合していてもよいし、前記展開部材11の検体供給部13付近に予め含浸させておいてもよい。つぎに、前記展開液供給口17を通して、表面全体が前記親水性成分層15に覆われた前記展開液供給部12に、前記展開液を供給する(矢印b)。この時、前記展開液供給部12の表面の全部が、前記親水性成分層15に覆われているため、供給された前記展開液は、前記プラスチックケース16由来の疎水性成分の悪影響を受けることなく、かつ前記親水性成分層15の前記親水性成分を溶かしながら、矢印cに示すように、前記展開部材11中に、速やかに浸透する。前記展開部材11中に浸透した前記展開液は、矢印dに示すように、前記展開部材11中を前記検出部14(同図において左方向)に向かって、前記展開部材11の上流から下流へ展開する。この時、予め、前記展開液供給部12付近の展開部材11中に前述の基質が含浸されている場合は、前記展開液の展開によって、前記基質が、前記検出部14に向かって移動する。なお、前記基質は、供給前の展開液に予め配合されていてもよい。このようにして、前記展開部材11において、前記標識化抗体の存在下、前記展開液の展開(矢印d)により、前記基質、前記検体液および前記酵素標識化抗体が、抗体33が固定化された前記検出部14に導入される。図3(b)に示すように、前記検出部14において、固定化抗体33、前記検体の分析対象物である抗原32、および前記酵素標識化抗体31の複合体34が形成される。そして、前記複合体34における酵素35と、同じく前記検出部14に導入された前記基質とが反応して、発色または発光等を生じる。このように、前記検出部14において、前記酵素35と前記基質との反応により生じた発色または発光等を、前記窓19からの観察で検出する。これにより、間接的に前記抗原32を検出(定量分析、半定量分析、定性分析等)することができる。前記検出は、例えば、目視による判定で行ってもよいし、比色計、蛍光光度計、フォトンカウンター、感光フィルム等を用いることで行ってもよい。
【0056】
本実施形態において、前記検体分析用具は、前記展開液の展開を促進するために、例えば、さらに、展開液受取パッドおよび廃液吸収パッドを備えてもよい。また、前記検体分析用具は、形状を安定に保つために、例えば、支持体を備えてもよい。具体的には、前記支持体の上に、例えば、前記展開部材、展開液受取パッド、廃液吸収パッド等を配置することで、前記検体分析用具内部の各構成部材を支持できる。
【0057】
前記展開液受取パッドおよび前記廃液吸収パッドの材質としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン、グラスファイバー、レーヨン、ナイロン、紙、セルロース等があげられる。前記展開液受取パッドの形状および大きさは、特に制限されず、例えば、前記展開部材の形状等に応じて適宜設定できる。
【0058】
前記支持体の材質としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、酢酸セルロース等があげられる。また、前記支持体の形状としては、特に制限されず、例えば、フィルム状、シート状、板状等があげられる。前記支持体の形状および大きさは、特に制限されず、前記展開部材等に応じて、適宜設定できる。
【0059】
前記展開部材、前記展開液受取パッドおよび前記廃液吸収パッドは、例えば、常法により前記支持体上に配置することができる。具体的には、例えば、両面テープまたは接着剤等を用いて、前記支持体上に固定してもよい。
【0060】
図4の断面図に、本実施形態の検体分析用具のその他の例の構成を示す。図示のとおり、この検体分析用具40は、展開部材41と、展開液受取パッド42と、廃液吸収パッド43と、支持体44と、プラスチックケース46とを主要な構成部材として備える。前記展開液受取パッド42は、前記展開部材41の上流側(同図において右側)に隣接して配置されている。前記廃液吸収パッド43は、前記展開部材41の検出部14より下流側(同図において左側)に隣接して配置されている。前記展開部材41、前記展開液受取パッド42および前記廃液吸収パッド43は、前記支持体44上に配置され、この状態で、前記プラスチックケース46内に収容されている。前記プラスチックケース46は、展開液供給口47、検体供給口48および窓49を有する。この検体分析用具40では、前記展開部材41の上流側に隣接して配置された(展開部材41と一体化した)前記展開液受取パッド42に、前記展開液供給部12が配置されている。この展開液供給部12の表面の全部を覆うように、前記親水性成分層15が形成されている。なお、本実施形態において、前記展開液供給部12は、前記展開液受取パッド42における所定の領域である。これら以外の構成は、前述の検体分析用具10と同様である。
【0061】
この検体分析用具40を用いた免疫分析方法では、前記展開液供給口47を通して、前記展開液受取パッド42に、前記展開液を供給する。これら以外は、前述の免疫分析方法と同様である。また、前記基質は、例えば、前述のように、予め展開液に含ませてもよいし、予め前記展開液受取パッド42に含浸させておいてもよい。
【0062】
本実施形態において、前記検体中の分析対象物が抗体である場合は、例えば、前記検出部が、前記固定化抗体に代えて、固定化抗原を含む形態があげられる。これにより、前記酵素標識化抗体または酵素標識化抗原、前記検体中の分析対象物である抗体および前記固定化抗原の複合体が形成され、前記複合体における前記酵素と前記基質とが反応して、発色または発光等を生じる。この発色または発光等を検出することにより、前記抗体を間接的に検出することができる。前記検体中の分析対象物である抗体としては、特に制限されず、種々の抗体があげられる。前記固定化抗原の抗原としては、前記検体中の分析対象物である抗体に結合可能な抗原であればよい。前記酵素標識化抗体の抗体としては、特に制限されず、前記検体中の分析対象物である抗体に結合する抗体であればよい。また、前記酵素標識化抗原の抗原としては、特に制限されず、前記検体中の分析対象物である抗体に結合する抗原であればよい。なお、前記酵素標識化抗体における抗体の調製や標識化の方法は、従来公知の方法が適用でき、酵素としては、例えば、前述と同様である。また前記酵素標識化抗原における抗原の調製や標識化の方法は、従来公知の方法が適用でき、酵素としては、例えば、前述と同様である。前記固定化抗原の作製方法は、例えば、従来公知の方法等があげられ、特に制限されない。また、前記固定化抗原の検出部への固定方法としては、例えば、従来公知の方法等を用いることができ、特に制限されない。
【0063】
(実施形態2)
本実施形態の検体分析用具は、標識化抗体の標識として、着色不溶性担体粒子を用いた免疫分析方法に用いる検体分析用具である。
【0064】
前記着色不溶性担体粒子としては、特に制限されず、例えば、着色ラテックス粒子、金属コロイド粒子、着色ポリメチルメタクリレート粒子、着色ポリ乳酸粒子、着色多孔性ガラス粒子、着色シリカ粒子、着色アガロース粒子、着色デキストラン粒子等があげられる。前記着色ラテックス粒子としては、特に制限されず、例えば、青色ラテックス粒子、赤色ラテックス粒子等があげられる。前記金属コロイド粒子としては、特に制限されず、例えば、金コロイド粒子、白金コロイド粒子等があげられる。
【0065】
前記着色不溶性担体粒子を抗体に標識化する方法は、特に制限されず、例えば、前記着色不溶性担体粒子を緩衝液等に懸濁し、この懸濁液に前記抗体を加えて、前記両者を反応させることで調製できる。前記緩衝液としては、特に制限されず、例えば、前述の緩衝液等があげられる。
【0066】
本発明において、例えば、前記着色不溶性担体粒子を結合させた標識化抗体を、前記検体液に予め含ませておいてもよいし、前記展開部材または別途設けたパッド等に、前記着色不溶性担体粒子を結合させた標識化抗体を含浸させておいてもよい。ただし、例えば、前記パッド等を別途設けなくても、より高感度な分析が可能であることから、前記検体液に前記着色不溶性担体粒子を結合させた標識化抗体を含ませておくことが好ましい。
【0067】
つぎに、本実施形態における免疫分析方法を説明する。本実施形態では、検出部において、前記着色不溶性担体粒子の凝集による着色を検出することにより、間接的に前記抗原を検出(定量分析、半定量分析、定性分析等)する。なお、本実施形態では、基質は使用しない。前記検出は、例えば、目視による判定で行ってもよいし、比色計等を用いることで行ってもよい。これら以外は、実施形態1と同様である。
【0068】
(実施形態3)
本実施形態の検体分析用具は、標識化抗体の標識として、蛍光色素を用いた免疫分析方法に用いる検体分析用具である。
【0069】
前記蛍光色素としては、特に制限されず、例えば、FITC等があげられる。蛍光色素で標識化された抗体または抗原によれば、例えば、前記固定化抗体、分析対象物である抗原および前記標識化抗体の複合体、または前記固定化抗原、分析対象の抗体および前記標識化抗体または前記標識化抗原の複合体を形成させ、前記複合体に励起光を照射することによって、前記標識化抗体または前記標識化抗原の蛍光色素の発光を検出することができる。
【0070】
(実施形態4)
本実施形態の検体分析用具は、検体液を、試薬層に含まれる試薬と反応させる分析方法に用いる検体分析用具である。
【0071】
図5(a)の断面図に、本実施形態の検体分析用具の一例の構成を示す。図示のとおり、この検体分析用具50は、検体供給部53を有する展開部材51と、試薬層54と、一対のプラスチック基材56とを備える。前記展開部材51の前記検体供給部53の反対側の面には、試薬層54が配置されている。前記一対のプラスチック基材56は、前記展開部材51および前記試薬層54を、挟持している。また、前記検体供給部53の表面の全部を覆うように、親水性成分層55が、形成されている。このため、本実施形態の検体分析用具は、前記プラスチック基材由来の疎水性成分の前記検体供給部への付着を防止可能である。この結果、本実施形態の検体分析用具においても、本発明の効果を得ることができる。なお、本実施形態の検体分析用具は、この例に限定されず、例えば、図5(b)の断面図に示すように、前記親水性成分層55が、前記展開部材51の前記一対のプラスチック基材56との接触部に、形成されているという形態であってもよい。このような形態でも、前記プラスチック基材由来の疎水性成分の前記検体供給部への付着を防止可能である。また、本実施形態の検体分析用具は、例えば、図5(c)の断面図に示すように、前記親水性成分層55が、前記検体供給部53と前記接触部のいずれにも形成されているという形態であってもよい。このような形態でも、前記プラスチック基材由来の疎水性成分の前記検体供給部への付着を防止可能である。なお、本実施形態の検体分析用具では、前記プラスチック基材56は、一対であるが、本発明は、この例に限定されず、例えば、異なる形状のプラスチック基材が、前記展開部材および前記試薬層を挟持するように形成されていてもよい。
【0072】
前記展開部材および前記親水性成分層は、前述と同様である。
【0073】
前記試薬層は、例えば、多孔質部材に試薬を含浸させ乾燥させたものである。前記多孔質部材としては、従来公知のものが使用できる。前記含浸する試薬の種類は、後述する検体中の分析対象物に応じて適宜決定される。
【0074】
前記一対のプラスチック基材の材質は、特に制限されず、前述のプラスチックケースまたは支持体と同様のものがあげられる。なお、この検体分析用具50では、前記一対のプラスチック基材56は、前記展開部材51および前記試薬層54を挟持する形状であるが、プラスチック基材の形状は、特に制限されず、例えば、フィルム状、シート状、板状であってもよいし、前記展開部材51および前記試薬層54に積層されて、前記展開部材51および前記試薬層54を支持する形状のものであってもよい。
【0075】
本実施形態の検体分析用具を用いた検体分析は、以下のようにして実施できる。まず、前記検体供給部53に、検体液を供給する。この時、前記検体供給部53の表面の全部が、前記親水性成分層55に覆われているため、供給された検体液は、前記プラスチック基材56由来の疎水性成分の悪影響を受けることなく、かつ前記親水性成分層55の前記親水性成分を溶かしながら、前記展開部材51中に、速やかに浸透する。ついで、前記検体液が、前記試薬層54に接触することで、前記検体液中の検査対象物と試薬とが反応して、発色や色調変化等を生じる。前記発色や色調変化等の検出は、目視による判定で行ってもよいし、比色計等を用いることで行ってもよい。
【0076】
前記検体液は、検体を含んでいればよい。前記検体中の分析対象物としては、例えば、グルコース、コレステロール、トリグリセリド、アンモニア、尿酸、クレアチニン、尿素窒素、カルシウム、無機リン、マグネシウム、GGT、GOT、GPT、LDH、アミラーゼ、総蛋白量、アルブミン、フルクトサミン、クレアチンホスホキナーゼ、ピリルビン、アルカリホスファターゼ、HDL等があげられる。
【実施例】
【0077】
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例および比較例に限定ないし制限されない。
【0078】
[実施例1]
〔検体分析用具の作製〕
下記の手順により、図4に示す構成の検体分析用具40を作製した。すなわち、まず、長さ:50mm、幅:4mm、厚み:5μmのニトロセルロース製の多孔質材を展開部材41、長さ:20mm、幅:4mm、厚み:0.5mmのガラス繊維製の多孔質材を展開液受取パッド42、長さ:25mm、幅:4mm、厚み:1.5mmのセルロース製の多孔質材を廃液吸収パッド43、および長さ:80mm、幅:4mmのバッキングシート(PET)を支持体44として、それぞれ準備した。前記展開部材41の一端(図4における右側端部)から30mmの位置に卵白アレルゲン抽出蛋白質水溶液(1mg/mL(5mmol/L)ホウ酸緩衝液(pH8.5)で希釈後、透析した水溶液)を、幅1mmとなるように塗布した。このようにして、前記展開部材41表面に、検出部14を形成した。また、前記展開液受取パッド42の一端(図4における右側端部)から10mmの位置に、基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(20mg/mL、ベーリンガーマンハイム社製、商品名「BCIP」)5μLを塗布し、37℃で1時間放置して乾燥させた。ついで、前記展開液受取パッド42の前記展開液供給部12の全部を覆うように、塗布装置を用いて、1重量%のスクロース水溶液16μLを塗布し(塗布面積:4〜8mm)、乾燥させ、前記展開液受取パッド42に、親水性成分層15を形成した。これらの部材を、図4に示すように、プラスチックケース46内に収容し、本実施例の検体分析用具40を作製した。ついで、本実施例の検体分析用具40を、60℃で1週間保管した。
【0079】
[実施例2]
5重量%のスクロース水溶液16μLを塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、本実施例の検体分析用具40を作製した。
【0080】
[実施例3]
5重量%のN−メチルグルコースアミン水溶液16μLを塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、本実施例の検体分析用具40を作製した。
【0081】
[実施例4]
1重量%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液16μLを塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、本実施例の検体分析用具40を作製した。
【0082】
[実施例5]
1重量%のポリビニルピロリドン水溶液16μLを塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、本実施例の検体分析用具40を作製した。
【0083】
[比較例1]
親水性成分層15を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、本比較例の検体分析用具を作製した。
【0084】
[比較例2]
水16μLを塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、本比較例の検体分析用具を作製した。
【0085】
〔検体分析用具を用いた免疫分析〕
(1)検体液の調製
50mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH:7.4)に、10μLの卵白特異IgE陽性血清、および60μLのアルカリホスファターゼ標識化抗体(酵素標識化抗体、10μg、ヤギ由来)を含ませて、検体液を調製した。
【0086】
(2)展開液の調製
100mmol/L 炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH10.0)を調製した。この緩衝液を展開液とした。
【0087】
(3)免疫分析方法の実施
各実施例および各比較例の検体分析用具を用いて、以下のようにして免疫分析方法を行った。すなわち、まず、前記検体供給口48を通して、前記検体供給部13に、前記検体液10μLを供給した。ついで、前記展開液供給口47を通して、前記展開液供給部12に、前記展開液100μLを供給した。
【0088】
〔展開液の浸透性評価〕
展開液の供給から、1分後および20分後に、前記展開液供給部12を目視で観察することにより、展開液の浸透性を、下記の評価基準に従って評価した。
【0089】
展開液の浸透性評価基準
G :前記展開液が、完全に浸透した。
NG:前記展開液が、完全には浸透せず、残存していた。
【0090】
〔免疫分析評価〕
展開液の供給から、20分後に、前記検出部14の発色ラインを、免疫分析装置(アークレイ(株)製、商品名「スポットケムIL SL−4720」)を用いて分析を行った。前記免疫分析装置では、前記発色ラインの濃さに応じて、前記分析結果が0〜6の数値、または「E」で表示される。なお、前記数値が「2〜6」と表示された場合、発色ラインが確認され、陽性(+)と分析されたことを示す。一方、前記数値が「0または1」と表示された場合、または「E」が表示された場合は、発色ラインが確認されず、陰性(−)と分析されたことを示す。
【0091】
各実施例の評価結果を、下記表1に示す。各比較例の評価結果を、下記表2に示す。
【0092】
(表1)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
浸透性評価
1分後 G G G G G
20分後 G G G G G
免疫分析評価 + + + + +
(装置の表示) (3) (3) (3) (3) (3)
【0093】
(表2)
比較例1 比較例2
浸透性評価
1分後 NG NG
20分後 NG NG
免疫分析評価 − −
(装置の表示) (E) (E)
【0094】
前記表1に示すとおり、親水性成分層15が形成されている実施例1から5の検体分析用具40においては、展開液の供給から1分後に、展開液は、展開部材11中に浸透し、浸透性が良好であった。また、免疫分析評価において、陽性と分析された。一方、前記表2に示すとおり、親水性成分層15が形成されていない比較例1、および水を塗布した比較例2の検体分析用具においては、展開液の供給から20分後においても、展開液は、展開部材11中に浸透せず、前記展開液供給部12に、水滴の状態で残存した。すなわち、展開液の浸透性が悪かった。また、免疫分析評価において、陰性と分析された。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明によれば、分析の再現性および反応性の低下を防止可能である。本発明は、例えば、全血、血清、血漿、唾液、尿、髄液等に含まれる特定物質の検出(定量分析、半定量分析、定性分析等)に好適に使用できる。また、本発明は、臨床検査、生化学検査、医学研究等の分野に適用可能であり、その用途は制限されず、広い分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
10、40、50、60 検体分析用具
11、41、51、61 展開部材
12、62 展開液供給部
13、53、63 検体供給部
14、64 検出部
15、55 親水性成分層
16、46、66 プラスチックケース
17、47、67 展開液供給口
18、48、68 検体供給口
19、49、69 窓
31 酵素標識化抗体
32 抗原
33 固定化抗体
34 複合体
35 酵素
42 展開液受取パッド
43 廃液吸収パッド
44 支持体
54 試薬層
56 一対のプラスチック基材
a、b、c、d 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6