(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一時的に活性物質で充填され得るシリンダ/ピストンユニット(100)を備え、中にプレテンション式で解放可能な機械的ばねエネルギリザーバ(50)が配置されるハウジング(200)を備え、ばねエネルギリザーバ(50)、とシリンダ/ピストンユニット(100)のピストン(111)の間に位置する少なくとも一つのピストン−作動ラム(60)を備えた使い捨て注射器(4)であって、ここで、
−ピストン−作動ラム(60)が、いくつかの領域においてハウジング(200)の周りに係合する二つの引張フック(78)を有し、
−ピストン−作動ラム(60)が、緩んでいるばねエネルギリザーバ(50)によってハウジング(200)から分離可能で、ハウジング(200)及びピストン−作動ラム(60)の両方が薄肉の板金部材であることを特徴とする、上記使い捨て注射器(4)。
請求項1に記載の使い捨て注射器(4)であって、少なくともハウジング(200)がスリット(213)を備えた端板(210)を含むことを特徴とする、上記使い捨て注射器(4)。
請求項1に記載の使い捨て注射器(4)であって、ハウジング(200)が、その長さに沿って一定の内部断面を有するジャケットハウジング(270)によって囲まれることを特徴とする、上記使い捨て注射器(4)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜3は、恒久的に装填されるばねエネルギリザーバ(50)を有する使い捨て注射器(4)を示す。使い捨て注射器(4)は、内部ハウジング(200)、ピストン−作動ラム(60)、らせんばねエネルギリザーバ(50)としてのらせん圧縮ばね及びシリンダ/ピストンユニット(100)を収容するジャケットハウジング(270)を含む。シリンダ/ピストンユニット(100)は大部分が保護キャップ(120)中に座する。
【0009】
スリーブ形状のジャケットハウジング(270)は、四角い断面のチューブ部分(271)及びカバー(285)を含む。例えば、チューブ部分(271)の実質的に平らな周囲の表面は、エンボス加工された又は貼り付けられたラベル、銘文などを持つことができる。内壁(272)は、例えば、互いに反対側に横たわる開放溝(273)を有する。具体例において、これらの開放溝(273)はチューブ部分(271)の半分の長さである。
図2から見て、開放溝(273)の上方の、そして、例えば、鋭くとがった端部は、ピストン−作動ラム(60)の上方端の下方3ミリメータに横たわる。開放溝(273)の上方で、内壁はピストン−作動ラム(60)が圧迫するブロック面(275)を形成する。
【0010】
四角いチューブ(271)上に一体的に成形できるカバー(285)は、例えば、中央孔(289)中にトリガーユニット(80)を保持する。このトリガーユニット(80)は、手動で起動可能な、例えば、ロス防止機構(86)を備えたきのこ形状をしたトリガー(81)を含む。具体例において、ロス防止機構(86)は、トリガーラム(85)の周囲面上にオフセット状態で配置される、そしてカバー(285)の内面又はジャケットチューブ(271)のアンダーカット面の背後に係合するロック楔(87)又はロックフックによって形成される。懸かり(barbs)の代わりにランナーも考えられ得る。トリガーユニット(80)は保護キャップ(290)によって覆われる。もし適切ならば、偶然の作動を防ぐために追加のロック機構が備えることができる。
【0011】
ハウジング(200)は、「U」の形に曲げられた板金片(201)である(
図4を参照)。例えば、18ミリメータの幅を有する、角度がつけられた板金片(201)は、約50ミリメータの長さである。もし適切であれば、ばね鋼材から生産される板金片(201)は、例えば、0.5ミリメータの肉厚を有する。曲げられた板金片(201)は、端板(210)及び二つのアーム(220)から構成され、そして少なくとも略垂直に後者から突き出ている。板金片(201)は孔も開口部も持たず、従って実質的に簡単な切削工程及び形成工程を用いて生産され得る。
【0012】
端板(210)とアーム(220)の間の移行部で、二つの硬化ビーズ(211)は各々の場合に、
図4に従って押しつけられる。硬化ビーズ(211)は端板(210)内まで突き出るので、それらは端板(210)上のらせん圧縮ばね(50)の最後の捲きを追加的に中心に合わせる(centre)。
【0013】
ピストン−作動ラム(60)は、U形状に曲げられた、そして中間部分、ラム板(73)及び二つの案内アーム(78)から構成される板金片である。具体例において、ピストン−作動ラム(60)は孔も開口部も持たない。従って、それは安価な曲げ操作及び/又はエッジング(edging)操作を用いて生産できる。ラム板(73)は端板(210)に平行に向けられる。案内アーム(78)は上方に直角に突き出る。らせん圧縮ばね(50)
は案内アーム(78)の間に座する。もし適切であれば、案内アーム(78)はラム板(73)に対して硬化ビーズによって硬化される、板金片(201)の硬化ビーズ(211)を参照。
【0014】
それらの上方端で、二つの案内アーム(78)は角度が付けられたカラー(79)を有する。
図2及び4を参照。カラー(79)は、例えば、案内アーム(78)を用いて、135度の角度を囲む。囲まれた角度は、例えば、100度と170度の間であってよい。カラー(79)は、いくつかの領域で、端板(210)の周り及び/又は背後を係合し、そのため
図2及び4によって見ると、ピストン−作動ラム(60)はハウジング(200)から吊り下がる。
【0015】
図1によれば、ピストン−作動ラム(60)は、二つのアーム(220)の間の通常の距離よりも少しばかり、すなわち、約0.1〜0.3ミリメータだけ小さい幅を有する。
図2において、ピストン−作動ラム(60)のフック(79)を有する案内アーム(78)が、上方3ミリメータを介してのみジャケットハウジング(270)の内壁(272)及び/又はブロック面(275)を圧迫する(bear on)ことが見られるであろう。トリガーの際に、この距離が走行されるや否や、フック(79)は、ばね(50)がラム板(73)を前方に駆動するように開放溝(273)内に跳ねる。
【0016】
ラム板(73)はピストン(111)の、次いでピンを備えた場合は、シリンダ/ピストンユニット(100)の後方端を追加的に案内するために中央孔を有ることができる。
【0017】
板金製のハウジング(200)は、殆どの部分が、その中にそれが座しそして滑ることができるジャケットハウジング(270)によって囲まれる。金属、例えば、アルミニウム、又はプラスチック、例えば、ポリアミドで作られるジャケットチューブ(271)は、例えば、1.5〜2.5ミリメータの肉厚を有する。その後方領域において、それはアセンブリ停止部(274)を有する。
【0018】
具体例において、シリンダ/ピストンユニット(100)は、注射溶液(1)又は溶媒、例えば、注射用の水で充填された、そして
図1及び2によれば、その中にピストン(111)がその後方位置において座する透明な円筒(101)を含む。
【0019】
円筒(101)は、例えば、肉厚のポットである。円筒の孔は、例えば、円筒状又は円錐台状である。その円筒のベースがピストン(111)の前端面の輪郭に少なくとも略適合される孔の中心に、短い円筒状でノズル状の孔(106)がある。その直径は約0.1〜0.5ミリメータである。この孔(106)はその直径の1〜5倍長い。それは、円筒(101)の底で外部端面(103)において円筒状凹部(107)中で終わる(
図6を参照)。もし適切であれば、円筒(101)のベースにおいて二つ又はそれ以上のノズル状の孔(106)を配置することも可能である。
【0020】
凹部(107)の周りに、接着リング(108)が端面(103)にしっかりと接着する。接着リング(108)は端面(103)の殆ど全てを覆う。
【0021】
円筒(101)の空間的外部輪郭は、例えば、具体例において四角い形状を有する。しかしながら、それは円筒状でもあってよい。円筒の中央領域において、中心線(5)に対して横切るように向けられる外部輪郭の断面は、中央孔を有する四角い表面である。
【0022】
四角いチューブ(270)の方に向けられた上方の1/4において、円筒(101)は、その外部輪郭において、例えば、矩形のノッチ断面を備えた、例えば、外周の保持ノッチ(104)を有する。保持ノッチ(104)の上方で、円筒(101)は先端の切られたピラミッド形に狭くなる。互いに反対のピラミッド面によって囲まれる角度は、例えば、20〜30度である。もし適切であれば、保持ノッチ(104)も単純に二つの互いに反対の単一ノッチから構成され得る。
【0023】
円筒(101)は、円筒の後部端面の領域において、シールエレメント(116)を受けるように環状溝(105)中で終わる円筒内壁(109)を有する。
【0024】
その前面及び少なくとも略円錐形をした端面で、円筒(101)中に横たわるピストン(111)は、シールリング(114)又は恒久的に弾性的なシール化合物を受け取るための軸方向の環状溝(112)を有する。その中央領域において、ピストン(111)は腰を有し、そして後方端で、中央円錐台ピン(118)を有する。ピストン(111)及びシールエレメント(116)そしてまたストッパ(121)も円筒の充填された内部(110)を滅菌状態で閉じる。
【0025】
図1及び2の図において、ポット形状をした保護キャップ(120)は、下方から円筒(101)上に嵌め込まれる。幾何形状の観点から原則として5つの面の壁から構成される一体ものの保護キャップ(120)は、少しばかりの遊びを備えて横方向に円筒(101)を囲む。保護キャップ(120)の上方の、そして、例えば、平らな端面は、四角い形のジャケットハウジング(270)の前方端面と接触する。保護キャップ(120)の外壁は、円筒(101)から引き出すことをより容易にするように、プロファイルされ又は構造化される。具体例において溝プロファイル(122)が使用される。
【0026】
保護キャップ(120)のベースは、円筒(101)の凹部(107)中に密閉状態で係合するストッパ(121)を有する(
図1及び6を参照)。保護キャップ(120)は接着リング(108)を介して円筒(101)に接着する。接着リング(108)は保護キャップ(120)のベースに対してそれが有するよりも円筒(101)に対して実質的に大きな接着を有する。接着における違いを更に確保するために、接着リング(108)に対する接触面が、接着リング(108)と円筒の端面(103)の間の接触面よりもより小さくなるように、ベースには、所望ならばプロファイル又はショルダが備えられる。
【0027】
らせん圧縮ばね(50)は、プレテンション式で、板金片(201)のラム板(73)と端板(210)の間に座する。例えば、張力をかけられた状態で500ニュートンであるばね力は、ラム板(73)を介して、端板(210)の背後に係合する引張フック(78)に伝えられる。
【0028】
図1及び2によれば、四角い形状のジャケットチューブ(271)及び保護キャップ(120)の接触領域は、不正開封明示シール、例えば、安全エレメントとしてのバンデロール(90)を用いて閉じられる。引き破いたりできる又は分離できるバンデロール(90)は、例えば、片側上を接着剤で覆われる紙片又はフィルム片である。フィルム片は、例えば、単一層において、これらの部材(270)及び(120)の組合せを一旦、囲む。それはジャケットハウジング(270)及び(120)を一時的に添え付ける。注射器を使用する準備において、注射器をプライミングするために、又は保護キャップ(120)を外すために、ジャケットハウジング(270)と保護キャップ(120)の間の接着連結が解かれるように、バンデロール(90)が引き外され又は分離される。この目的のために、具体例において、ジャケットハウジング(270)の領域中に横たわる引き裂きタブ(96)が掴まれ、そのようにしてバンデロール(90)が、例えば、数セクションにおいて巻き剥がされる。そうすることによって、バンデロール(90)は、例えば、画成された、そして、例えば、端面の領域において正確に横たわる直線に進む所定の破断面(93)でちぎれる。従って、プライミング中に,ジャケットハウジング(270)を圧迫しているバンデロール(90)の部分(91)のみが除かれる。
【0029】
図5は、アセンブリの中間段階にある注射器(4)を示す。アセンブリ手順は、最初にらせん圧縮ばね(50)をピストン−作動ラム(60)にそして板金片(201)に接合することを必要とする。そうするために、らせん圧縮ばね(50)は、ばねの一端が端板(210)圧迫するようになるよう、既に形作られた板金片(201)内に嵌め込まれる。鐙状のピストン−作動ラム(60)は、ばねの他端上に押される。次いで、外部又は内部上でらせん圧縮ばね(50)を案内するアセンブルデバイスに助けられて、板金片(201)は端板(210)とピストン−作動ラム(60)の間でばねの作用に抗して、カラー(79)が端板(210)上をロックする程度まで一緒に押される。
【0030】
アセンブリデバイス中でまだ張力をかけられている、張力がかけられるばね(50)、板金片(201)及びピストン−作動ラム(60)の組合せは、ここで下方からジャケットハウジング(270)内に挿入される。
【0031】
端板(210)はアセンブリ停止部(274)まで前方に押される。フック(79)は次いでブロック面(275)によってブロックされる。ここでアセンブリツールが取り外すことができる。ばね(50)はブロックされそしてトリガーできない。
【0032】
更なるアセンブリ段階において、充填されたシリンダ/ピストンユニット(100)は、(111)の案内ピン(118)を用いて、前方に、四角いチューブ(270)内に挿入される。ジャケットハウジング(270)のロックエレメント(277)は、保持ノッチ(104)中にしっかりと係合し、そのようにしてシリンダ/ピストンユニット(100)を四角いチューブ(270)中に固定する。ピストン−作動ラム(60)を圧迫しているブロック面(275)によって、ピストン−作動ラムが安定な位置に固定される。
図1において示されるアセンブリ段階において、残された実行すべきことの全ては不正開封明示シール(90)を適用することだけである。
【0033】
図1〜6において示された使い捨て注射器の使用の準備をするために、引き裂きタブ(96)及び後方バンデロールセクション(91)が最初に引きちぎられる。次いで、保護キャップ(120)がシリンダ/ピストンユニット(100)から取り去られる。次いで、接着リング(108)を前方に有する注射器が注射部位上に位置する。使い捨て注射器(4)は四角いチューブ(270)によって手で保持される。それを保持する手の親指は、例えば、ペンを持つ時のように、例えば、トリガー(81)上に横たわる。
【0034】
トリガーエレメント(81)はここでシリンダ/ピストンユニット(100)の方向に動かされる。トリガーラム(85)はジャケットハウジング(270)に対してハウジング(200)を動かす。もし適切ならば、トリガーエレメント(81)はカバー(285)における他のロック楔(87)と係合する。ピストン−作動ラム(60)の案内アーム(78)は、それらの座面を減らしながら、ブロック面(275)に沿って下方に滑る。案内アーム(78)がもはやブロック面(275)を圧迫しなくなるや否や、安定な固定が取り外される。ハウジング(200)上に支持され、そしてラム板(73)上に作用するばね(50)はピストン−作動ラム(60)を下方に押す。そうすることによって、カラー(79)は、端板(210)を用いてそして開放溝(273)内にロック状態から係合解除する。ピストン−作動ラム(60)はハウジング(200)から取り外されて自由にされる。ハウジング(200)は、例えば、アセンブリ停止部(274)に抗して投げ戻される。ラム板(73)の端面(74)は、それまで約3ミリメータ離れて置かれていたピストン(111)の端面を打つ。ピストン(111)は、注射溶液又は薬剤(1)を、ノズル(106)を通して円筒(101)が空になるまで、例えば、初期には200×10
5Paで無理やり押し出す(
図6を参照)。注射手順は注射溶液(1)の排出と共に完了する。
【0035】
図7〜11は、トリガーユニット(80)の構造に関して、及びハウジング(200)の構造に関して、前述の注射器とは異なる使い捨て注射器(4)を示す。シリンダ/ピストンユニット(100)は、第一の具体例に関連して述べられたように構成される。
【0036】
ハウジング(200)は、例えば、90度の角度でその自由端が各々曲がる二つの長くそして広いアーム(220)を有する。そこでは、それらは、例えば、1.5ミリメータと3ミリメータの間の長さであり、互いに向かって指し示し、そして端板(210)に平行な面中に向いている保持エレメント(221)を形成する。フックの形をした保持エレメント(221)の代わりに、各アーム(220)は、その中にシリンダ/ピストンユニット(100)の円筒が、各々の場合、ピンを用いてつるすことができる凹部を備えることができる。
【0037】
ピストン−作動ラム(60)は、第一の具体例に関連して述べられたピストン−作動ラム(60)と似た構造のものである。
図7〜9においてハウジング(200)の上方に向かって突き出ているフック(79)は、両側上に曲がって離れている(bent off)タブ(261)を含む。タブ(261)の各々は、トリガー(81)の方向に向けられて端板(210)及び案内面(263)の背後に係合しているロック面(262)を有する(
図10を参照)。具体例において、両方の表面(262、263)の面は60度の角度を囲む。引張フック(78)の個々のロック面(262)及び付随する長いアーム(266)は、例えば、互いに直角である。
【0038】
ロック面(262)の各々は、案内アーム(78)の長いアーム(266)から離れて向けられているスライド面(264)によって隣接される。具体例において、二つの上記面(262、264)は135度の角度を囲む。
【0039】
トリガーユニット(80)はトリガーエレメント(81)及びトリガーディスク(311)を含む。例えば、きのこの形をしたトリガーエレメント(81)はトリガーラム(85)を用いてカバー(285)内に突き出る。カバー(285)の背後に係合するロックフック(87)はトリガーエレメント(81)がカバー(285)から落ちるのを避ける。
【0040】
具体例において、トリガーディスク(311)はハウジング(200)の上方で、ジャケットハウジング(270)中に緩く横たわる。その周辺で、それは、例えば、四つのセンタリングラグ(312)を用いて、四角いチューブ(270)の内壁(272)上に中心を合わされる。
図10の図によれば、トリガーディスク(311)は、作動されたトリガーユニット(80)を少なくとも用いて、ピストン−作動ラム(60)の案内面(263)を圧迫する挿入面(313)を有する。
【0041】
四角いチューブ(270)の後方領域において、三つの弾性ロックタブ(181〜183)が、数十分の1ミリメータ内側に突き出て配置される(
図11及び12を参照)。ロックタブ(181〜183)は各々、例えば、矩形の形状を有する。それらの肉厚は四角いチューブ(270)の肉厚の約50パーセントに対応する。三つの側部上で、それらはギャップ(185)を介して、四角いチューブ(270)の壁及び最も近いロックタブと隣接する。ギャップ(185)は、例えば、0.5ミリメータの幅を有する。この幅は端板(210)の肉厚に対応する。二つのギャップ(185)が互いに直角に隣接する場所で、ロックタブ(181〜183)は丸められる。
【0042】
四角いチューブ上に統合されて形成される、偏心的に配置されるロックタブ(181〜183)は、三つの場所(186〜188)で板金片(201)の位置を固定する。この目的のために、それらはトリガーエレメント(81)の内側に数十分の1ミリメータ突き出る。第一の場所(186)は前方ロックタブ(181)と中間ロックタブ(182)の間のギャップである。そこにおいて水平であるギャップにおいて、端板(210)は、板金片(201)が、ピストン−作動ラム(60)と端板(210)の間で張力をかけられるらせん圧縮ばね(50)を用いて、更なる中間保存のために組立てられるとき、ロックされる(
図11を参照)。
【0043】
第二の場所(187)は中間ロックタブ(182)と後方ロックタブ(183)の間のギャップである。
図7及び12によると、端板(210)は、トリガーされる前後で、完全にアセンブルされた使い捨て注射器においてここで座する。このギャップにおいて端板(210)をロックすることによって、保護キャップ(120)が取り外された後、ハウジング(200)が四角いチューブ(270)から落ちることが避けられる。第三の場所(188)は後方ロックタブ(183)の上方のギャップである。
【0044】
もし、適切であれば、ロックタブ(181〜183)の上部コーナー、つまり、カバー(285)の方に向かうコーナーは、板金片(201)が四角いチューブ(270)内にのみ押され得るように、鋭い端部を有して設計される。次いで、反対方向への動きが不可能になる。
【0045】
図11は、アセンブリの中間段階における注射器を示す。第一の実施態様と類似して、ハウジング(200)は最初に、ばね(50)及びピストン−作動ラム(60)と共に組立てられる。
【0046】
アセンブリデバイス中にまだ張力をかけられた、張力がかけられるばね(50)、板金片(201)及びピストン−作動ラム(60)の組合せが、ここで下方から四角いチューブ(270)内に挿入される。挿入手順は、端板(210)が、ロックタブ(181)と(182)の間に置かれるギャップ(186)中にロックされるときに終了する。この第二の場所(186)(
図11を参照)において、アーム(220)の自由端は四角いチューブ(270)から下方に突き出る。
【0047】
アーム(220)の保持エレメント(221)が円筒(101)の保持ノッチ(104)中に係合するように、更なるアセンブリ段階において、充填されたシリンダ/ピストンユニット(100)は、(111)の案内ピン(118)を用いて、前方に、四角いチューブ(270)内に挿入される。この位置から出発して、四角いチューブ(270)は、端板(210)がロックタブ(182)と(183)の間に置かれるギャップ(187)中にロックされるまで、板金片(201)に亘って更に押される。この過程で、保持エレメント(221)は、保持ノッチ(104)中にしっかりと係合し、そのようにしてシリンダ/ピストンユニット(100)を四角いチューブ(270)中に固定する。次いで、不正開封明示シールが適用される。
【0048】
ハウジング(200)は、アーム(220)なしで、及び/又は保持エレメント(221)なしで設計できる。次いで、第一の具体例に関連して述べられた方法で、アセンブリが実行される。ピストン−作動ラム(60)のラム板(73)は、ピストン(111)の案内ピン(118)を受け取るための中央孔を有することができる。
【0049】
使い捨て注射器(4)をトリガーするために、不正開封明示シール(90)の除去及び保護キャップ(120)と(290)の取り外しの後に、トリガー(81)が作動される(
図8及び10を参照)。トリガーラム(85)は、その挿入面(313)を用いて案内面(263)上に作用するトリガーディスク(311)上を押し付ける。案内面(263)は、スライド面(264)が端板(210)のエッジ(212)に達するまで、無理や
り離される。
【0050】
端板(210)上及びラム板(73)上で作用するらせん圧縮ばね(50)は、端板(210)からタブ(261)を引き離して引き、そのようにしてピストン−作動ラム(60)からハウジング(200)を分離させる。ピストン−作動ラム(60)はピストン(111)をノズル(106)の方向に押し、その際、注射溶液(1)がノズル(106)を通して排出される。
【0051】
図13及び14は、そのトリガーユニット(80)が楔ギヤ(83)を含む使い捨て注射器(4)の詳細を示す。使い捨て注射器(4)の構造は、先の具体例において述べられた注射器(4)の構造に実質的に対応する。しかしながら、ジャケットハウジング(270)の内壁(272)は開放溝(273)を全く有しない。具体例において、四角いチューブ(270)は、その長さに沿って一定の内部断面を有し、ここで全ての内面は互いに等しい。内部断面も円形、八面体、楕円などの断面表面領域を有し得る。この使い捨て注射器(4)はカバー(285)を全く有しない。
【0052】
具体例において、ロックタブ(181〜183)及びギャップ(185)によって保持され得る端板(210)(
図11を参照)は四つの偏心的スリット(213)を有する。よりよく説明するために、
図13は端板(210)の部分的詳細を示す。個々のスリット(213)の長さ及び幅は、個々のタブ(261)の対応する寸法より大きい。
図13及び14を見るところ、ピストン−作動ラム(60)は、
図7〜12において示されるピストン−作動ラム(60)と同じように構成される。
【0053】
トリガーユニット(80)は、例えば、ジャケットハウジング(270)中に案内され、そしてトリガーラム(85)を有するトリガー(81)を含む。トリガー(81)は、例えば、少なくともいくつかの領域において、四角い断面の表面領域を有し、それは同時にトリガーエレメント(81)の最大断面の表面領域を表す。ハウジング(200)の方に向かうその端面(88)上で、トリガーラム(85)は二つの楔(89)を持つ。縦方向(5)に対して、例えば、15度の角度で囲っている楔面(84)はピストン−作動ラム(60)のタブ(261)を圧迫する。
【0054】
トリガーエレメント(81)が作動されるとき、タブ(261)は、楔ギヤ(83)を用いて、
図13から見て左に動かされる。小さな楔角度の故に、オペレータはこの目的のための少しばかりの力をかける必要があるのみである。タブ(261)がスリット(213)の上方に来るや否や、緩和しているばね(50)は、凹部(213)を通してタブ(261)を引き下げる。ピストン−作動ラム(60)はハウジング(200)から分離され、そしてピストン(111)をノズル(106)の方向に押す。突き出していないトリガーエレメント(81)の長い案内経路のせいで、傾く危険も、そして使用者が指を挟まれる危険も全くない。具体例において、端板(210)及び引張フック(78)の包絡線の輪郭によって画成される断面の表面領域のサイズは、トリガー中及びトリガー後、一定に留まる。しかしながら、上記表面の表面広がりも、トリガー後、勿論、曲げ弾性がある案内アーム(78)の事前張力に依存して減らすことができる。
【0055】
図15及び16は、挿入ハウジングを有する別の使い捨て注射器(4)を示す。ピストン−作動ラム(60)及びシリンダ/ピストンユニット(100)は、
図1〜6に関連して述べられるように構成される。後者において示されるハウジング(200)とは対照的に、ここでハウジング(200)はアーム(220)及び保持エレメント(221)を有する。これらは、
図7〜12に関連して述べられた通りに設計される。使い捨て注射器(4)は分離されたトリガーエレメントを全く有しない。四角いチューブ(270)は二つの部品に設計される。この具体例において、上方部分(278)の長さは、
図1〜12において示されたチューブ部分(271)の長さの約半分である。これらの具体例におけるように、ジャケットハウジング(270)はブロック面(275)及び開放溝(273)を有する。ここでブロック面(275)は、例えば、高さが2ミリメータある。
図15及び16において見ると、保護キャップ(120)は取り外されている。
【0056】
アセンブリ中に、ばね(50)及びピストン−作動ラム(60)を有するハウジング(200)は、端板(210)がジャケットハウジング(270)から約0.5ミリメータ突き出るまで、四角いチューブ(270)内に挿入される。次いで、フック(79)は約1ミリメータだけ突き出る。シリンダ/ピストンユニット(100)の挿入後、ジャケットチューブ(271)の下方半分(279)は押し続けられそして固定される。保護キャップ(120)は次いで、噛み込まれる。(示されていない)不正開封明示シールが適用された後、注射器(4)は使用準備のためにパッケージされる。
【0057】
使い捨て注射器(4)が使用される前に、不正開封明示シールが除かれ、そして保護キャップ(120)が引かれる。注射器(4)はここでペンのようにピックアップされ、そして注射部位の上に置かれる。それをトリガーするために、使用者は、自らの親指を端板(210)にかけ、そして後者を約2ミリメータだけ押す。そこからピストン−作動ラム(60)がつり下げられるハウジング(200)は、
図15及び16から見るところ、ジャケットチューブ(270)に対して下方に向けて押される。ばね(50)の作用下で、フック(79)はブロック面(275)を去り、そして開放溝(273)内に跳ねる。ばね(50)はピストン−作動ラム(60)をトリガリング運動の方向(6)に加速させる。例えば、ピストン−作動ラム(60)がハウジング(200)から開放された後、それは最初ラム板(73)から離れてスペースを開けられていたピストン(111)を打つ。ピストン(111)はノズル(106)の方向に駆動され、その際に注射溶液(1)が排出される。
【0058】
図15及び16に示される使い捨て注射器(4)は8つの構造部材からのみ構成される。これらの部材はハウジング(200)、ピストン−作動ラム(60)、ばね(50)、二つの四角いチューブセクション(278、279)、円筒(101)、ピストン(111)及び保護キャップ(120)である。