特許第5793219号(P5793219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5793219
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/36 20060101AFI20150928BHJP
   G01J 3/26 20060101ALI20150928BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   G01J3/36
   G01J3/26
   H04N5/225 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-103106(P2014-103106)
(22)【出願日】2014年5月19日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】507268813
【氏名又は名称】佐鳥 新
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】佐鳥 新
【審査官】 喜々津 徳胤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−226876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J3/00−3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を複数の波長の光に分光し、分光された光を撮像素子に受光させることによって、前記被写体を撮像する撮像装置であって、
被写体からの光が入射するレンズと、
透過させる光の波長を時間の経過とともに変化させることによって、前記被写体からの光を複数の波長の光に分光する、光学フィルタ部と、
前記レンズからの光の焦点位置に受光面が配置され、前記光学フィルタ部によって分光された光を受光して電気信号に変換する複数の画素を有する、撮像素子と、
前記撮像素子によって生成された電気信号から、前記撮像素子の画素ごとに、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータを生成し、これらのデータを画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータに変換する、演算処理部と
を備え
前記光学フィルタ部は、
透過させる光の波長が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタと、
前記リニア可変バンドパスフィルタに対して光の進行方向上流側に配置され、屈折率を変化させることによって入射した光の進行方向に対する出射する光の進行方向の角度を任意に変化させることが可能な屈折率可変材料と、
前記屈折率可変材料の屈折率を時間の経過とともに変化させる電圧を前記屈折率可変材料に加えるための電気的駆動部と
を有す撮像装置。
【請求項2】
前記屈折率可変材料は、KTN結晶であり、前記電気的駆動部は、前記KTN結晶の屈折率を制御する電圧を前記KTN結晶に印加する電源及び駆動回路を有する、請求項に記載の撮像装置。
【請求項3】
被写体からの光を複数の波長に分光し、分光された光を撮像素子に受光させることによって、前記被写体を撮像する撮像方法であって、
被写体からの光を、受光した光を電気信号に変換する複数の画素を有する撮像素子の受光面に合焦させるステップと、
前記被写体からの光を、時間の経過とともに複数の波長の光に分光するステップと、
前記分光された光を前記撮像素子によって受光して、画素ごとに電気信号に変換するステップと、
電気信号に変換する前記ステップによって生成された電気信号から、前記撮像素子の画素ごとに、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータを生成し、これらのデータを画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータに変換するステップと
を含み、
前記分光するステップは、
屈折率を変化させることによって入射した光の進行方向に対する出射する光の進行方向の角度を任意に変化させることが可能な屈折率可変材料に、時間の経過とともに屈折率を変化させるための電圧を加えるステップと、
前記被写体からの光を、前記屈折率可変材料を透過させるステップと、
前記屈折率可変材料を透過した光を、透過させる光の波長領域が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタを透過させるステップと
を含撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体のハイパースペクトルデータを取得する撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパースペクトルデータ(以下、「HSD」ということもある)を取得する撮像装置(以下「ハイパースペクトル撮像装置」という。)は、被写体からの光(被写体が自ら発する光や被写体が反射する光)を複数の波長の光に分光し、分光された光を複数の画素を有する撮像素子によって受光して電気信号に変換することにより、被写体の2次元画像を構成する画素ごとに、画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量(例えば、反射率)のデータであるハイパースペクトルデータを取得する装置である。ハイパースペクトル撮像装置は、衛星及び航空機に搭載されて農業分野、環境分野などに使用されている。また、将来的にも医療分野、食品分野などでの活用が期待される。ハイパースペクトル撮像装置によれば、従来の色の概念をスペクトル領域に拡張することができるため、人間の目には見えない現象を可視化することができる。
【0003】
図7は、ハイパースペクトル撮像装置によって取得されたハイパースペクトルデータの一例である。ハイパースペクトルデータは、x及びyを画像平面の位置、λを波長とすると、各画素の位置(x,y)における波長λの光の強度又は光の強度に基づく物理量I(x,y,λ)である。
【0004】
こうしたハイパースペクトル撮像装置の従来技術として、スリットの移動によって順次取り込まれる被写体からの光を、波長毎に分光して撮像素子に受光させることによって、被写体を撮像するものが提案されている。こうした装置として、例えば特許文献1(特開2009−039280号)に記載される技術が提案されている。この技術は、一般にステージ走査方式と呼ばれる。この技術においては、微細な幅のスリット、回折格子、CCDなどの撮像素子を搭載した光学ステージ全体を上下に移動させることによって、被写体画像を走査する。スリットを通過した光は、回折格子によって複数の波長の光に分光され、分光された光は撮像素子の撮像面に結像する。結像した光は、電気信号に変換され、解析部に入力される。この技術においては、一次元(x)のスリットを通過した光は、2次元の分光スペクトルデータI(x,λ)となり、y方向への連続的な走査によって最終的に3次元のハイパースペクトルデータI(x,y,λ)に変換されることになる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載されるようなステージ走査方式を用いた技術においては、光学ステージ全体を機械的に移動させるため、装置の移動による振動の影響を受け、画像がぶれやすく、鮮明な画像を得にくい。また、光学ステージ全体を機械的に移動させる機構を必要とするため、装置の小型化が難しい。
【0006】
この問題を解決することを目的として、例えば特許文献2(特開2011−89895号公報)に記載のハイパースペクトル撮像装置が提案されている。この装置は、光学ステージ全体を上下させることなくスリット位置のみを移動させることができる可変スリットを用いてハイパースペクトルデータを取得するものである。
【0007】
しかし、特許文献2に記載された装置においては、スリットを上下させて画像を走査するため、スリットの移動に伴って、撮像素子上の分光スペクトルの結像位置も変化する。このため、撮像素子のy座標と、撮像素子に投影される波長との対応関係を示す波長テーブルを、スリットの位置ごとに事前に多数用意しておく必要があるとともに、スリットをy方向に移動させるたびにこれらの波長テーブルを用いてy座標を波長に変換しなければならない。したがって、この装置においては、複雑なデータ処理を必要とし、データ処理に時間がかかる。また、液晶スリットは、スリット部分とスリット以外の部分とのコントラストに限界があり、スリット以外の部分からの光漏れ(迷光)のために、取得されるデータの精度が低下する。
【0008】
可変スリットを用いてハイパースペクトルデータを取得する装置と同様の考え方の技術として、光選択部材を用いてライン状の光を生成するハイパースペクトル撮像装置が、特許文献3において提案されている。この装置においては、複数の光選択部材の制御が複雑であるとともに、製造の精度が異なる複数の光選択部材の各々において別個に精密な位置だし(キャリブレーション)を要するため、装置ごとの事前の複雑な調整及び制御が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−039280号公報
【特許文献2】特開2011−089895号公報
【特許文献3】特開2012−058037号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】藤浦ら、「高効率電気光学結晶KTNを用いた光デバイスの開発」、NTT技術ジャーナル、NTTフォトニクス研究所、2004年1月、P56-59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の課題に鑑み、本発明は、複雑な演算処理も、機構及び装置の制御及び調整も必要とすることなく、鮮明なハイパースペクトル画像を取得することができる、小型化が容易なハイパースペクトル撮像装置及びハイパースペクトル撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題は、被写体全体からの光を時間の経過とともに順次走査して分光スペクトル情報を得る時間走査方式を採用することによって、解決される。
【0013】
本発明の第1の態様においては、被写体からの光を複数の波長の光に分光し、分光された光を撮像素子に受光させることによって、被写体を撮像するハイパースペクトル撮像装置が提供される。本ハイパースペクトル撮像装置は、被写体からの光が入射するレンズと、透過させる光の波長を時間の経過とともに変化させることによって、被写体からの光を複数の波長の光に分光する、光学フィルタ部と、レンズからの光の焦点位置に受光面が配置され、光学フィルタ部によって分光された光を受光して電気信号に変換する複数の画素を有する、撮像素子と、撮像素子によって生成された電気信号から、撮像素子の画素ごとに、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータを生成し、これらのデータを画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータに変換する、演算処理部とを備える。
【0014】
一実施形態においては、光学フィルタ部は、透過させる光の波長が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタと、リニア可変バンドパスフィルタを、時間の経過とともに一方向に沿って、受光面の法線方向に対して垂直に移動させる機械的駆動部とを備えるものとすることができる。駆動部は、リニアモータであることがより好ましい。
【0015】
別の実施形態においては、光学フィルタ部は、透過させる光の波長が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタと、リニア可変バンドパスフィルタに対して光の進行方向上流側に配置され、屈折率を変化させることによって入射した光の進行方向に対する出射する光の進行方向の角度を任意に変化させることが可能な屈折率可変材料と、屈折率可変材料の屈折率を時間の経過とともに変化させる電圧を屈折率可変材料に加えるための電気的駆動部とを備えるものとすることができる。屈折率可変材料は、KTN結晶であることがより好ましく、電気的駆動部は、KTN結晶の屈折率を制御する電圧をKTN結晶に印加する電源及び駆動回路を有することがより好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、被写体からの光を複数の波長に分光し、分光された光を撮像素子に受光させることによって、被写体を撮像する撮像方法が提供される。本方法は、被写体からの光を、受光した光を電気信号に変換する複数の画素を有する撮像素子の受光面に合焦させるステップと、被写体からの光を、時間の経過とともに複数の波長の光に分光するステップと、分光された光を撮像素子によって受光して、画素ごとに電気信号に変換するステップと、電気信号に変換するステップによって生成された電気信号から、撮像素子の画素ごとに、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータを生成し、これらのデータを画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータに変換するステップとを含む。
【0017】
一実施形態においては、分光するステップは、透過させる光の波長が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタを、時間の経過とともに一方向に沿って、受光面に対して平行に移動させるステップと、被写体からの光を、リニア可変バンドパスフィルタを透過させるステップとを含むものとすることができる。
【0018】
別の実施形態においては、分光するステップは、屈折率を変化させることによって入射した光の進行方向に対する出射する光の進行方向の角度を任意に変化させることが可能な屈折率可変材料に、時間の経過とともに屈折率を変化させるための電圧を加えるステップと、被写体からの光を、屈折率可変材料を透過させるステップと、屈折率可変材料を透過した光を、透過させる光の波長領域が一方向に連続的に変化するように構成されたリニア可変バンドパスフィルタを透過させるステップとを含むものとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置の調整、制御及び小型化が容易で、装置が振動や光漏れの影響を受けないため鮮明な画像を得ることが可能なハイパースペクトル撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】リニア可変バンドパスフィルタを用いた第1の実施形態によるハイパースペクトル撮像装置の概略的な構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るハイパースペクトル撮像装置における演算処理部及び記憶部を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態によるハイパースペクトル撮像装置において、撮像素子の受光面に受光される光の波長が時間の経過とともにどのように変化するかを模式的に示す図である。
図4】第1の実施形態によるハイパースペクトル撮像装置において取得される画像データのイメージを示す図である。
図5】光の屈折率を任意に変化させることが可能な屈折率可変材料を用いた第2の実施形態によるハイパースペクトル撮像装置の概略的な構成を示す図である。
図6】第2の実施形態によるハイパースペクトル撮像装置において取得される画像データのイメージを示す図である。
図7】ハイパースペクトルデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るハイパースペクトル撮像装置及びハイパースペクトル撮像方法を具体化した第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
[装置の概要]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るハイパースペクトル撮像装置1の概略構成を示す図である。図2は、ハイパースペクトル撮像装置1の演算処理部20及び記憶部22を示すブロック図である。
図1に示されるように、ハイパースペクトル撮像装置1は、被写体10が発する光や反射光が入射するレンズ12と、透過させる光の波長を時間の経過とともに変化させることによって、被写体10からの光を複数の波長の光に分光することができる光学フィルタ部13と、光学フィルタ部13を透過することによって分光された光を受光する受光面17を有する撮像素子18とを備える。撮像素子18は、受光した光を電気信号に変換して出力する。ハイパースペクトル撮像装置1は、さらに、変換された電気信号を取り込んでハイパースペクトルデータを生成する演算処理部20と、各種データ及びプログラム等を記憶するための記憶部22と、必要に応じてディスプレイ等の表示部24とを備える。
【0023】
本発明に係るハイパースペクトル撮像装置は、例えば、食品分野(例えば、野菜、肉、魚などの鮮度の可視化)、医療分野(例えば、悪性腫瘍の可視化)、リモートセンシング分野(例えば、上空からの植生の観察)、工業分野(例えば、電子回路の配線チェック)、化粧品分野(例えば、顔のしみや肌水分量の可視化)、セキュリティ分野(例えば、侵入者の検知)、農業分野(例えば、収穫時期の予測)などといった、さまざまな分野における用途に適用可能であり、こうした用途に適した構成及び出力手段(例えば、測定結果としてのスペクトル画像を表示する画像表示手段や、スペクトルデータを印刷する印刷手段など)を備えたスペクトル計測器として構成して用いることができる。
【0024】
[各構成の説明]
以下、図1に示される各構成について、詳細に説明する。
【0025】
レンズ12は、被写体10からの光を受光し、その光を光学フィルタ部13に向ける。レンズ12は、レンズ駆動部(図示せず)によって光軸方向に駆動され、被写体10からの光を撮像素子18の受光面17に合焦させることができる。
【0026】
光学フィルタ部13は、透過させる光の波長を時間の経過とともに変化させることができるように構成されている。本実施形態においては、光学フィルタ部13は、リニア可変バンドパスフィルタ14と、このリニア可変バンドパスフィルタ14を移動させる機械的駆動部16とを含むものとすることができる。
【0027】
リニア可変バンドパスフィルタ14は、撮像素子18の受光面17に対応するサイズ又はそれより大きいサイズの光学フィルタであり、透過させることができる光の波長が、一方の端部から他方の端部に向かって、λ1〜λnまで一方向に(以下、この方向を「波長変化方向」という。)、連続的に変化するスペクトル特性を備えている。図1の上方において示されているリニア可変バンドパスフィルタは、下方のリニア可変バンドパスフィルタ14を光の進行方向上流側からみた状態を表すものである。したがって、リニア可変バンドパスフィルタ14に入射した光のうちの特定の波長の光が、リニア可変バンドパスフィルタ14の一方の端部から他方の端部までの位置(すなわち、一方の端部からの波長変化方向の長さ)に応じて、リニア可変バンドパスフィルタ14を透過することになる。本発明の一実施形態においては、リニア可変バンドパスフィルタ14として、例えば、エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社のリニア可変バンドパスフィルタなどといった市販の光学フィルタを用いることができる。
【0028】
リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長分解能Δλをより高くすることが可能となるように、受光面17との距離をできるだけ近づけることが好ましい。また、リニア可変バンドパスフィルタ14が、例えばガラスなどの基板に光学薄膜をコーティングしたものである場合には、波長分解能Δλをより高くすることが可能となるように、受光面17に近い方の面に光学薄膜がコーティングされたリニア可変バンドパスフィルタ14を用いることが好ましい。
【0029】
リニア可変バンドパスフィルタ14には、機械的駆動部16が接続される。本実施形態においては、図1に示されるように、リニア可変バンドパスフィルタ14を、機械的駆動部16を用いて、撮像素子18の受光面17の法線方向に対して垂直に、波長変化方向に沿って移動させることによって、ある時点で受光面17の前(すなわち、被写体10からの光の進行方向上流側)に位置するリニア可変バンドパスフィルタ14の長さに対応する波長領域を透過した光が、受光面17によって受光される。なお、図1においては、リニア可変バンドパスフィルタ14を、波長変化方向が受光面17の上下方向になるように受光面17の法線方向に対して垂直に移動させているが、リニア可変バンドパスフィルタ14の移動方向はこの方向に限定されるものではなく、例えば、リニア可変バンドパスフィルタ14を、波長変化方向が受光面17の左右方向になるようにして受光面17の法線方向に対して垂直に移動させてもよい。
【0030】
例えば、図1に示されるように、透過させる光の波長が波長変化方向(すなわち、図1の上下方向)にλ1〜λnまで変化するように形成されたリニア可変バンドパスフィルタ14を用い、このリニア可変バンドパスフィルタ14を、撮像素子18の受光面17の下方から上方に向かって移動させることによって、被写体10からの光のうち波長λ1〜λnの光が、時間の経過ととともに順次、リニア可変バンドパスフィルタ14を透過して、受光面17によって受光される。機械的駆動部16は、演算処理部20の駆動部制御部203からの制御信号によって制御され、この制御信号によって、リニア可変バンドパスフィルタ14の移動速度が制御される。リニア可変バンドパスフィルタ14の動作と受光面17において受光される光の波長との関係については、図3を用いて後述する。
【0031】
機械的駆動部16は、リニアモータを用いることも、回転式モータとボールねじとの組み合わせを用いることもできるが、リニアモータを用いることがより好ましい。リニアモータは、軸受けが無く、駆動系を小さくすることができるため、リニアモータを用いた装置は、回転式モータを用いた装置より小型化することができる。本発明の一実施形態においては、リニアモータとして、例えば、テクノハンズ株式会社の超音波モータTULAシリーズなどといった市販のリニアモータを用いることができる。本発明の別の実施形態においては、回転式モータとボールねじとの組み合わせとして、例えば、ゼイバー・テクノロジーズ社のリニアステージT−LSRシリーズなどを用いることができる。
【0032】
撮像素子18は、 例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを用いて構成することができ、撮像素子18の受光面17に結像された光を、画素ごとに電気信号に変換する。撮像素子18のサイズは、用いられる用途や装置の大きさによって適宜選択することができる。撮像素子18において変換された電気信号(デジタル信号)は、演算処理部20に取り込まれる。
【0033】
演算処理部20は、図2に示されるように、駆動部制御部203、画像データ生成部204、データ変換部206、CPU210を含む。また、記憶部22は、演算処理部20において処理を行うのに必要なデータ、処理後のデータ、ワーキングデータ、各種プログラム等を記憶するものであり、画像データ記憶部222、HSD記憶部224、及びプログラム記憶部226を含む。
【0034】
駆動部制御部203は、リニア可変バンドパスフィルタ14を受光面17の法線方向に対して垂直に、好ましくは一定の速度で移動させるように、機械的駆動部16を制御する。画像データ生成部204は、撮像素子18において変換された電気信号を取得するとともに、駆動部制御部203からリニア可変バンドパスフィルタ14の移動速度に関するデータを取得し、上述の電気信号と移動速度データとを用いて、画素ごとに光の強度又は光の強度に基づく物理量(例えば、反射率など)Iを表す画像データを生成する。ある時間tにおいて受光面17で受光される光の波長λは、時間tにおいて受光面17の前に位置する、リニア可変バンドパスフィルタ14の波長変化方向の長さによって、決まる。この長さは、時間tとリニア可変バンドパスフィルタ14の移動速度vとから算出することができる。画像データ生成部204は、各々の画素の位置情報x、yと、各々の画素において受光された光の波長情報λと、光が受光された時間の情報tとの対応付けを行い、画像データI(t,x,y,λ)を生成する。
【0035】
生成された画像データは、画像データ記憶部222に記憶される。データ変換部206は、画像データ記憶部222から画像データを読み出し、ハイパースペクトルデータ(HSD)に変換する。変換されたハイパースペクトルデータは、HSD記憶部224に記憶される。こうして変換されたハイパースペクトルデータは、演算処理部20の外部出力部208によって必要に応じて加工され、外部モニタに画像として視覚的に出力したり、プリンタ装置によってデータや画像を印刷したりすることができる。
【0036】
以下に、光学フィルタ部13の動作と、ハイパースペクトルデータの生成について、詳細に説明する。
【0037】
[光学フィルタ部の動作及びHSDの生成]
図3は、リニア可変バンドパスフィルタ14を用いた本実施形態において、撮像素子18の受光面17に受光される光の波長が時間の経過とともにどのように変化するかを、模式的に示したものである。リニア可変バンドパスフィルタ14は、図1に示されるように、撮像素子18の受光面17の前に配置されており、機械的駆動部16によって、受光面17の法線方向に対して垂直に移動する。リニア可変バンドパスフィルタ14の移動方向は、波長変化方向である。
【0038】
リニア可変バンドパスフィルタ14の上端14aが撮像素子18の受光面17の下端17bと一致しているときを時刻T=t0とする。リニア可変バンドパスフィルタ14のこの基準位置は、装置の製造時に正確に位置出しされる。次に、フィルタ14の上端14aは、T=t0〜t1の間に、受光面17の下端17bから上端17aの方向に向かって一定の移動速度vで移動し、時刻T=t1において、図3(a)に示されるように、例えば受光面17の下端17bからL1の距離に位置する。L1の長さは、移動速度vと時間t1とを用いて算出することができる。このとき、リニア可変バンドパスフィルタ14は、(長さL1)×(受光面の横の長さ)から求められる受光面17の面積を覆っていることになる。時刻T=t1の時点では、リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長変化方向の長さL1内の位置に対応する複数の波長、例えばλ1〜λ2の光を透過させる。T=t0〜t1の間に、リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長変化方向の長さL1内の位置に対応する複数の波長(ここでは、λ1〜λ2)の光を、時間の経過とともに順次透過させ、その結果、受光面17においては、時間の経過とともに、透過した波長λ1及びλ2の光が順次受光される。
【0039】
リニア可変バンドパスフィルタ14は、一定の移動速度vでさらに移動し、時刻T=tmのときに、図3(b)に示されるように、フィルタ14の上端14aは、例えば受光面17の上端17aと一致する位置、すなわち受光面17の下端17bからL2の距離に達する。L2の長さは、移動速度vと時間tmとを用いて算出することができる。時刻T=tmの時点では、リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長変化方向の長さL2内の位置に対応する複数の波長、例えばλ1〜λm〜λn−rの光を透過させる。T=t1〜tmの間に、リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長変化方向の長さL2内の位置に対応する複数の波長(ここでは、λ1〜λm〜λn−r)の光を、時間の経過とともに順次透過させ、その結果、受光面17においては、時間の経過とともに、透過した波長の光が順次受光される。
【0040】
リニア可変バンドパスフィルタ14は、一定の移動速度vでさらに移動し、時刻T=tnのときには、図3(c)に示されるように、フィルタ14の下端14bは、例えば受光面17の上端17aからL3の距離に位置する。時刻T=tnの時点では、リニア可変バンドパスフィルタ14は、波長変化方向の長さL3内の位置に対応する複数の波長、例えばλn−2〜λnの光を透過させる。T=tm〜tnの間に、リニア可変バンドパスフィルタ14は、この間に受光面17の前に位置する波長変化方向の長さに対応する複数の波長(ここでは、λ1〜λn)の光を、時間の経過とともに順次透過させ、その結果、受光面17においては、時間の経過とともに、透過した波長領域の光が順次受光される。すべての波長についてデータの取得を終えると、リニア可変バンドパスフィルタ14は、基準位置に戻される。
【0041】
このようにして受光面17に受光された光は、撮像素子18によって電気信号に変換され、変換された電気信号から、画像データ生成部204によって、受光された時刻ごとに複数の波長に分光された画像データが作成される。作成された画像データは、画像データ記憶部222に順次格納される。取得される光の波長の精度(波長分解能)Δλは、画像データのサンプリング時間間隔ΔTと、リニア可変バンドパスフィルタ14の移動速度vと、リニア可変バンドパスフィルタ14の性能(波長変化方向における単位長さ当たりの透過波長幅)とによって決まる。したがって、サンプリング時間間隔ΔTを短くするか、リニア可変バンドパスフィルタ14の移動速度vを遅くすることによって、用途に応じて必要な波長分解能Δλでデータを取得することができる。本実施形態においてここで取得される画像データは、撮像素子18の受光面17の幅方向をx方向、当該x方向に直交する方向をy方向とすると、時間tiごとに各画素(xi,yi)において受光された波長λiの光の強度IのデータセットI(ti,xi,yi,λi)であり、すなわち、撮像素子の画素ごとに取得された、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータである。
【0042】
図4は、このデータセットのイメージを表している。図中において、升目の各々は撮像素子の画素を表し、画素内の斜線の高さが、光の強度を表す。なお、図4はデータセットのイメージを説明するためのものであるため、図における撮像素子の画素の数は、実際の撮像素子の数より大幅に少なく表されている。例えば、時刻T=t1のときに画素(xn,y1)において受光された光(波長λ2)の強度のデータは、I(t1,xn,y1、λ2)となる。また、例えば、時刻T=tmのときに画素(x1,yn)において受光された光(波長λ1)の強度のデータは、I(tm,x1,yn、λ1)となり、画素(xm,ym)において受光された光(波長λm)の強度のデータは、I(tm,xm,ym、λm)となる。さらに、時刻T=tnのときに画素(xm,yn)において受光された光(波長λn−2)の強度のデータは、I(tn,xm,yn,λn−2)となる。
【0043】
画像データは、次に、データ変換部206によって画像データ記憶部222から読み出され、ハイパースペクトルデータ(HSD)に変換される。画像データ記憶部222に格納されている画像データは、上述のように、時間tiごとに各画素(xi,yi)における波長λiの光の強度のデータI(ti,xi,yi,λi)であり、データ変換部206は、これらのデータを読み出して、波長λiごとの各画素の位置(xi,yi)における光の強度のデータとして再配列することによって、ハイパースペクトルデータI(xi,yi,λi)を生成する。すなわち、このハイパースペクトルデータは、画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータである。生成されたハイパースペクトルデータは、HSD記憶部224に格納される。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、本発明に係るハイパースペクトル撮像装置及びハイパースペクトル撮像方法を具体化した第2の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、第1の実施形態を示す図1に対応する図として、第2の実施形態に係るハイパースペクトル撮像装置1の概略構成を示す図である。本実施形態においては、光学フィルタ部13の構成が第1の実施形態と異なっている。なお、図5において、図1に示される各要素と同一の要素については、それぞれ同一の符号を付しており、重複する要素についてはここでは説明しない。
【0045】
[光学フィルタ部の構成]
本実施形態のハイパースペクトル撮像装置1は、光学フィルタ部13において、電圧を加えることによって透過する光の屈折率を任意に変化させることができ、それによって、入射光の進行方向に対する出射光の進行方向の角度を任意に変化させることが可能な、屈折率可変材料30を用いる。屈折率可変材料30は、光学フィルタ部13において、リニア可変バンドパスフィルタ14の前(すなわち、被写体10からの光の進行方向上流側)に設けられる。この実施形態においては、リニア可変バンドパスフィルタ14は、受光面17の前に、受光面17全体を覆うように固定されており、したがって、リニア可変バンドパスフィルタ14を移動させるための機械的駆動部16は不要である。リニア可変バンドパスフィルタ14は、取得することが必要な波長域全体が受光面17を覆うように配置される。
【0046】
屈折率可変材料30には、屈折率可変材料30の屈折率を変化させるための電気的駆動部32が接続され、電気的駆動部32の動作は、演算処理部20の駆動部制御部203によって制御される。こうした屈折率可変材料30とリニア可変バンドパスフィルタ14とを用いて光学フィルタ部13を構成することによって、第1の実施形態とは異なり、機械的駆動部の存在しない構成が可能となるため、装置をさらに小型化することができるとともに、装置自体が振動の影響を受けないため画像がぶれにくく、より鮮明な画像を得ることができる。
【0047】
本実施形態における屈折率可変材料30として、典型的には、KTN結晶(KTa1−xNb)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、屈折率可変材料30として、例えばニオブ酸リチウム結晶(LiNbO)、タンタル酸リチウム結晶(LiTaO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)などといった、電気光学効果を有する他の材料を用いることもできる。「電気光学効果」は、電圧を加えることにより材料の屈折率が変化する現象をいい、加えた電圧に屈折率変化が比例する効果は「1次の電気光学効果」(ポッケルス効果)、加えた電圧の二乗に屈折率変化が比例する効果は「2次の電気光学効果」(カー効果)と呼ばれている。例えばKTN結晶は、カリウム、タンタル、ニオブ及び酸素からなる透明な電気光学結晶であり、2次の電気光学効果が極めて大きい材料として知られている。KTN結晶の詳細は、例えば非特許文献1に記載されている。
【0048】
[光学フィルタ部の動作及びHSDの生成]
このように屈折率可変材料30は、電気的駆動部32からの制御電圧の大きさによってその屈折率を任意に変化させることができる。したがって、屈折率可変材料30を透過する際に屈折によって進行方向が変化した光が、リニア可変バンドパスフィルタ14の波長変化方向全体を順次網羅するように、電気的駆動部32から屈折率可変材料30に加える制御電圧の大きさを時間の経過とともに変化させることによって、被写体10からの光を複数の波長の光に分光することができる。透過した光がリニア可変バンドパスフィルタ14の波長変化方向全体を網羅するように屈折率を変化させることができるようにするための制御電圧の大きさは、屈折率可変材料30の種類に応じて変わるものであり、装置の製造時には、制御電圧の大きさと光の屈折角度との関係が調整される。
【0049】
例えば、時刻T=t1において、電気的駆動部32からの電圧によって、屈折率可変材料30の屈折率が、該屈折率可変材料30から出射した光が図5(a)において一点鎖線で示される光路(Pt1)を進むように制御されたときには、当該光のうち、当該光の光路上にあるリニア可変バンドパスフィルタ14の位置(すなわちリニア可変バンドパスフィルタ14の下方)における透過波長に対応する複数の波長、例えばλ1〜λ2の光が、リニア可変バンドパスフィルタ14を透過し、撮像素子18の受光面17において受光される。このときの受光面17における受光状態は、例えば図5(b)においてT=t1として示される状態となる。なお、本実施形態においては、リニア可変バンドパスフィルタ14は、図1に示される第1の実施形態とは上下逆に配置されている。
【0050】
次いで、時刻T=tmにおいて、電気的駆動部32からの電圧によって、屈折率可変材料30の屈折率が、該屈折率可変材料30から出射した光が図5(a)において実線で示される光路(Ptm)を進むように制御されたときには、当該光のうち、当該光の光路上にあるリニア可変バンドパスフィルタ14の位置(すなわちリニア可変バンドパスフィルタ14の中央付近)における透過波長に対応する複数の波長、例えばλm−1〜λm+1の光が、リニア可変バンドパスフィルタ14を透過し、受光面17において受光される。このときの受光面17における受光状態は、例えば図5(b)においてT=tmとして示される状態となる。同様に、時刻T=tnにおいて、電気的駆動部32からの電圧によって、屈折率可変材料30の屈折率が、該屈折率可変材料30から出射した光が図5(a)において点線で示される光路(Ptn)を進むように制御されたときには、受光面17の状態は、図5(b)においてT=tnとして示される状態となる。
【0051】
このようにして受光面17に受光された光は、撮像素子18によって電気信号に変換され、変換された電気信号から、画像データ生成部204によって、受光された時刻ごとに複数の波長に分光された画像データが作成される。作成された画像データは、画像データ記憶部222に順次格納される。本実施形態においてここで取得される画像データは、第1の実施形態と同様に、時間tiごとに各画素(xi,yi)において受光された波長λiの光の強度IのデータセットI(ti,xi,yi,λi)であり、すなわち、撮像素子の画素ごとに取得された、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度のデータ又は光の強度に基づく物理量のデータである。
【0052】
図6は、このデータセットのイメージを表している。図中において、升目の各々は撮像素子の画素を表し、画素内の斜線の高さが、光の強度を表す。なお、図6はデータセットのイメージを説明するためのものであるため、図における撮像素子の画素の数は、実際の撮像素子の数より大幅に少なく表されている。例えば、時刻T=t1のときに画素(x1,y2)において受光された光(波長λ2)の強度のデータは、I(t1,x1,y2、λ2)となる。また、例えば、時刻T=tmのときに画素(x2,ym)において受光された光(波長λm)の強度のデータは、I(tm,x2,ym、λm)となる。さらに、例えば時刻T=tnのときに画素(x1,yn−1)において受光された光(波長λn−1)の強度のデータは、I(tn,x1,yn−1,λn−1)となる。取得された画像データは、第1の実施形態と同様に、データ変換部206によってハイパースペクトルデータに変換される。
【符号の説明】
【0053】
1 ハイパースペクトル撮像装置
10 被写体
12 レンズ
13 光学フィルタ部
14 リニア可変バンドパスフィルタ
16 機械的駆動部
17 受光面
18 撮像素子
20 演算処理部
203 駆動部制御部
204 画像データ生成部
206 データ変換部
208 外部出力部
210 CPU
222 画像データ記憶部
224 HSD記憶部
226 プログラム記憶部
22 記憶部
24 表示部
30 屈折率可変材料
32 電気的駆動部
【要約】
【課題】 複雑な演算処理、機構及び装置の制御及び調整を必要とすることなく鮮明なハイパースペクトル画像を取得することが可能な、ハイパースペクトル撮像装置を提供する。
【解決手段】 本装置は、被写体からの光が入射するレンズと、透過させる光の波長を時間経過とともに変化させることによって、被写体からの光を複数の波長の光に分光する、光学フィルタ部と、レンズからの光の焦点位置に受光面が配置され、光学フィルタ部によって分光された光を受光して電気信号に変換する複数の画素を有する、撮像素子と、撮像素子によって生成された電気信号から、撮像素子の画素ごとに、画素の位置情報、波長情報及び時間情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータを生成し、これらのデータを画素の位置情報及び波長情報と関連付けられた光の強度又は光の強度に基づく物理量のデータに変換する、演算処理部とを備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7