特許第5793246号(P5793246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5793246高K誘電体と金属ゲートとを有する不揮発性メモリセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793246
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】高K誘電体と金属ゲートとを有する不揮発性メモリセル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150928BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20150928BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20150928BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20150928BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/10 434
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-523991(P2014-523991)
(86)(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公表番号】特表2014-522122(P2014-522122A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】US2012048603
(87)【国際公開番号】WO2013022618
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】61/515,589
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/559,329
(32)【優先日】2012年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】コトフ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】スー チェン−シェン
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0065917(US,A1)
【文献】 特開2011−096904(JP,A)
【文献】 特開2001−168213(JP,A)
【文献】 特開2011−009321(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0207662(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0108328(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0070725(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型の実質的に単結晶の半導体基板と、
前記基板の表面に沿った第2の導電型の第1の領域と、
前記基板の前記表面に沿って前記第1の領域から離間した前記第2の導電型の第2の領域と、
前記基板のその前記表面に沿った前記第1の領域と前記第2の領域の間にあり、第1の部分及び第2部分を有して該第1の部分が該第1の領域に隣接するチャネル領域と、
底部と側部を有し、該底部が前記チャネル領域の前記第1の部分から離間したワード線であって、該ワード線が、ポリシリコン部分と金属部分を含み、該ワード線の該底部に沿った該金属部分が、該チャネル領域の該第1の部分に最も近い前記ワード線と、
前記ワード線の前記底部と前記チャネル領域の前記第1の部分との間の高K誘電絶縁体と、
前記チャネル領域の前記第2部分から離間し、かつ前記ワード線から離間してそこに隣接する浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲートから離間し、かつ前記ワード線から離間してそこに隣接する結合ゲートと、
前記第2の領域から離間し、前記結合ゲート及び前記浮遊ゲートに隣接してそれらから離間した消去ゲートと、
を含み、
前記ワード線の前記金属部分は、該ワード線の前記側部に沿って延び、かつ前記ポリシリコン部分と前記浮遊ゲート及び前記結合ゲートとの間にあり、
前記高K誘電絶縁体は、前記ワード線の側部に沿って延び、かつ前記金属部分と前記浮遊ゲート及び前記結合ゲートとの間にあることを特徴とする不揮発性メモリセル。
【請求項2】
前記高K誘電絶縁体は、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、及びケイ酸ジルコニウムから選択された材料を含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項3】
前記金属部分は、窒化チタンを含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項4】
前記金属部分は、キャッピング層を更に含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項5】
前記キャッピング層は、酸化ランタンを含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項6】
前記消去ゲートは、
底部及び側部を有し、かつ
ポリシリコン部分と、前記消去ゲートの前記側部に沿って該消去ゲートと前記浮遊ゲート及び前記結合ゲートとの間にあり、かつ前記第2の領域に最も近い該消去ゲートの前記底部に沿った金属部分と、
前記消去ゲートのその側部に沿った前記金属部分と前記浮遊ゲート及び前記結合ゲートとの間にあり、かつ該消去ゲートの前記底部に沿った該金属部分と前記第2の領との間にある高K誘電絶縁体と、
を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項7】
前記高K誘電絶縁体は、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、及びケイ酸ジルコニウムから選択された材料を含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項8】
前記金属部分は、窒化チタンを含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項9】
前記金属部分は、キャッピング層を更に含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項10】
前記キャッピング層は、酸化ランタンを含むことを特徴とする請求項に記載のメモリセル。
【請求項11】
第1の導電型の実質的に単結晶の半導体基板上に該基板の表面に沿って第2の導電型の第1の領域を有する不揮発性メモリセルを形成する方法であって、
第1の側壁及び第2の側壁である2つの側壁を有し、前記基板の前記表面から絶縁された浮遊ゲートと該浮遊ゲート上にあってそこから絶縁された結合ゲートとを含むスタックゲート構造を前記第1の領域に隣接して該基板の該表面上に形成する段階と、
前記第1の側壁と前記第2の側壁とに沿って形成されてそれに隣接し、かつ前記スタックゲート構造に隣接して前記基板の前記表面上にある高K誘電体材料の層を該スタックゲート構造の上にかつ該基板の上に堆積させる段階と、
前記第1の側壁と前記第2の側壁とに沿って前記高K誘電体層と直接に隣接し、かつ前記スタックゲート構造に隣接して前記基板の前記表面にわたって該高K誘電体層上に形成された金属層を該高K誘電体層と直接に隣接して堆積させる段階と、
前記スタックゲート構造の一方の側で前記基板の上にそこから絶縁させて前記金属層に直接に隣接して第1のポリシリコンゲートを形成する段階と、
前記スタックゲート構造の別の側で前記第1の領域の上にそこから絶縁させて前記金属層に直接に隣接して第2のポリシリコンゲートを形成する段階と、
前記第1のポリシリコンゲートと直接に隣接して前記基板に第2の領域を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記第1のポリシリコンゲート及び前記第2のポリシリコンゲートは、同じ段階で形成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記高K誘電体材料は、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、及びケイ酸ジルコニウムから選択された材料を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属層は、窒化チタンを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属層は、キャッピング層を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記キャッピング層は、酸化ランタンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スタックゲート構造は、前記第1の側壁と前記第2の側壁の間に上部表面を更に有し、前記高K誘電体材料は、該上部表面上に堆積され、前記金属層は、該上部表面上の該高K誘電体材料上に堆積され、
前記第1のポリシリコンゲート及び第2のポリシリコンゲートは、前記スタックゲート構造の前記第1及び第2の側壁に隣接して該スタックゲート構造の前記上部表面の上にかつ前記基板上にポリシリコンの層を堆積させることにより、同じ段階で形成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記スタックゲート構造の前記上部表面上の前記ポリシリコン、前記高K誘電体材料、及び前記金属層を除去して前記第1のポリシリコンゲート及び前記第2のポリシリコンゲートを形成するための除去段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワード線の一部としての金属ゲートとワード線及びチャネル領域間の高K誘電体とを有する不揮発性メモリセルに関する。
【背景技術】
【0002】
電荷を蓄えるために浮遊ゲートを使用する不揮発性メモリは、当業技術で公知である。図1を参照して、従来技術の不揮発性メモリセル10の断面図を示している。メモリセル10は、P型のような第1の導電型の単結晶基板12を含む。基板12の表面又はその近くには、N型のような第2の導電型の第1の領域14がある。第1の領域14から離間して、同じく第2の導電型の第2の領域16がある。第1の領域14と第2の領域16の間には、チャネル領域18がある。ポリシリコンで作られたワード線20が、チャネル領域18の第1の部分の上に位置決めされる。ワード線20は、(二)酸化シリコンの層22によりチャネル領域18から離間される。ワード線20と直接に隣接し、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られ、かつチャネル領域18の別の部分の上に位置決めされた浮遊ゲート24がある。浮遊ゲート24は、典型的には同じく(二)酸化シリコンの別の絶縁層30によりチャネル領域から分離される。同じくポリシリコンで作られた結合ゲート26が、浮遊ゲート24の上に位置決めされ、かつ別の複合絶縁層32によりそこから絶縁される。複合絶縁層32に関する典型的な材料は、シリコン−二酸化物−シリコン窒化物−二酸化シリコン、又はONOである。浮遊ゲート24の別の側にかつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られた消去ゲート28がある。消去ゲート28は、第2の領域16の上に位置決めされ、かつそこから絶縁される。消去ゲート28は、同じく結合ゲート26から離間しているがそこと直接に隣接し、かつ結合ゲート26の別の側と直接に隣接している。
【0003】
メモリセル10は以下のように作動する。プログラミング作動中、電荷を浮遊ゲート24に蓄える時に、第1の正電圧をワード線20に印加し、ワード線20下のチャネル領域18の部分を導電性にする。第2の正電圧を結合ゲート26に印加する。第3の正電圧を第2の領域16に印加する。電流を第1の領域14に加える。電子は、領域16の正電圧に引きつけられる。電子は、浮遊ゲート24に近づく時に、結合ゲート26に印加した電圧に起因する電界の急激な増大を受け、浮遊ゲート24の上へ電荷を注入させる。すなわち、ホットエレクトロン注入機構を通してプログラミングが行われる。消去作動中に電荷を浮遊ゲート24から除去する時に、高い正電圧を消去ゲート28に印加する。負電圧又は接地電圧を結合ゲート26及び/又はワード線20に印加することができる。浮遊ゲート24上の電荷は、浮遊ゲート24と消去ゲート28の間にある絶縁層を通してトンネリングすることによって消去ゲート28に引きつけられる。特に、浮遊ゲート24は、消去ゲート28に面する尖った先端を有するように形成することができ、それによって先端を通して浮遊ゲート24と消去ゲート28の間にある絶縁層を通した浮遊ゲート24から消去ゲート28の上への電子のFowler−Nordheimトンネリングを促進する。読み取り作動中、第1の正電圧をワード線20に印加し、ワード線20下のチャネル領域18の部分をオンにする。第2の正電圧を結合ゲート26に印加する。第1の領域及び第2の領域に電位差が印加される。浮遊ゲート24がプログラムされていた、すなわち、浮遊ゲート24が電子を蓄えている場合には、結合ゲート26に印加された第2の正電圧は、浮遊ゲート24に蓄えられた負電子に打ち勝てず、浮遊ゲート24下のチャネル領域18の部分は非導電性のままである。従って、領域14と領域16の間には、全く電流が流れないか又は最小量の電流が流れることになる。しかし、浮遊ゲート24がプログラムされておらず、すなわち、浮遊ゲート24が中性のままであるか又は恐らくは正電荷を蓄えている場合でさえも(電子の欠乏)、結合ゲート26に印加された第2の正電圧は、浮遊ゲート24下のチャネル領域18の部分を導電性にすることができる。すなわち、領域14と領域16の間には電流が流れると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリセル10は、現在までのところ90nm程度の処理ノードに対して実行可能であると証明されている。しかし、スケーリングが増大し、すなわち、処理幾何学形状が縮小する時に、スケーリング不能であるワード線酸化物層22の厚みのためにスケーリングが難題となってくる。これが酸化物層22を通した漏れを引き起こし、これは、プログラミング障害条件をトリガする可能性がある。更に、酸化物層22がスケーリング不能である場合には、1.2V及びそれ未満のVccで読み取りを行うことは、チャージポンプの使用を必要として難題となる可能性があり、これは、より遅い読み取り、読み取りの待ち時間、並びにチャージポンプのための価値ある面積の占有を引き起こす可能性がある。更に、これは、非選択のメモリセル10の消去状態においてワード線下のチャネル領域18を通過する高サブスレッショルドセル電流を引き起こす可能性があり、プログラム、読み取り、及びプログラム障害に関して高温作動が難題となってくる。すなわち、メモリセル10の設計から極端に外れることなく、メモリセル10をより小さい幾何学形状にスケーリングすることができるように、処理スケーリングの問題に対する解決法を見つけることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の第1の実施形態において、不揮発性フラッシュメモリセルは、P型のような第1の導電型の単結晶基板を有する。基板の表面又はその近くには、N型のような第2の導電型の第1の領域がある。第1の領域から離間して、同じく第2の導電型の第2の領域がある。第1の領域と第2の領域の間には、チャネル領域がある。ポリシリコン及び金属ゲートで作られたワード線が、チャネル領域の第1の部分の上に位置決めされる。ワード線は、高K誘電体層によりチャネル領域18から離間される。ワード線の金属部分は、高K誘電体層と直接に隣接している。ワード線と直接に隣接し、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られてチャネル領域の別の部分の上に位置決めされた浮遊ゲートがある。浮遊ゲートは、典型的に同じく(二)酸化シリコンで作られた別の絶縁層によりチャネル領域から分離される。同じくポリシリコンで作られた結合ゲートが、浮遊ゲートの上に位置決めされ、かつそこから別の絶縁層により絶縁される。浮遊ゲートの別の側にかつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られた消去ゲートがある。消去ゲートは、第2の領域の上に位置決めされ、かつそこから絶縁される。消去ゲートはまた、結合ゲートから離間しているがそこと直接に隣接し、かつ結合ゲートの別の側と直接に隣接している。
【0006】
本発明の第2の実施形態において、メモリセルは、第2の実施形態のメモリセルが、ワード線と隣接浮遊ゲート及び結合ゲートとの間でワード線の側壁に沿って高K誘電体材料を更に有し、ワード線の金属部分が、更にワード線の側壁に沿って高K誘電体に隣接していること以外は第1の実施形態に類似である。
【0007】
本発明の第3の実施形態において、メモリセルは、第3の実施形態のメモリセルが、消去ゲートと隣接浮遊ゲート及び結合ゲートとの間で消去ゲートの側壁に沿って高K誘電体材料を更に有し、消去ゲートの金属部分が、消去ゲートの側壁に沿って高K誘電体材料に隣接していること以外は第2の実施形態に類似である。消去ゲートは、消去ゲートと第2の領域の間に高K誘電体層を更に有し、消去ゲートの金属部分は、消去ゲートと第2の領域の間の高K誘電体層に隣接している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来技術のフラッシュメモリセルの断面図である。
図2】本発明のフラッシュメモリセルの第1の実施形態の断面図である。
図3】本発明のフラッシュメモリセルの第2の実施形態の断面図である。
図4】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態の断面図である。
図5a】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5b】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5c】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5d】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5e】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5f】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図5g】本発明のフラッシュメモリセルの第3の実施形態を作るために本発明の処理フローで使用される段階の断面図である。
図6】本発明の処理フローで使用される段階のうちの1つの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2を参照して、本発明のメモリセルの第1の実施形態50を示している。メモリセル50は、図1に示すメモリセル10と類似している。従って、類似した部分を同じ数字で以下に示す。メモリセル50は、P型のような第1の導電型の単結晶基板12を含む。基板12の表面又はその近くには、N型のような第2の導電型の第1の領域14がある。第1の領域14から離間して、同じく第2の導電型の第2の領域16がある。第1の領域14と第2の領域16の間には、チャネル領域18がある。ワード線20が、チャネル領域の第1の部分の上に位置決めされる。ワード線は、高K誘電体層52によりチャネル領域から離間される。高K誘電体層52のための典型的な材料は、二酸化ハフニウムである。酸化ランタン(La23)のようなキャッピング層53を原子層堆積法(ALD)によって高K誘電体層52上に堆積させることができる。ワード線20は、2つの部分を含み、すなわち、高K誘電体層52と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)する窒化チタンのような金属材料で作られた第1の部分54、及びポリシリコンで作られた第2の部分56である。第1の部分54及び第2の部分は、併せてワード線20を形成する。キャッピング層53の目的は、ワード線20のNMOSターゲット仕事関数に近い平坦バンド電圧シフトを達成することにある。ワード線20と直接に隣接し、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られ、かつチャネル領域18の別の部分の上に位置決めされた浮遊ゲート24がある。浮遊ゲート24は、典型的に同じく(二)酸化シリコンで作られた別の絶縁層30によりチャネル領域18から分離される。同じくポリシリコンで作られた結合ゲート26が、浮遊ゲート24の上に位置決めされ、かつ別の絶縁層32によって浮遊ゲート24から絶縁される。浮遊ゲート24の別の側に、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られた消去ゲート28がある。消去ゲート28は、第2の領域16の上にあり、かつそこから絶縁されている。消去ゲート28はまた、結合ゲート26から離間しているがそこと直接に隣接し、かつ結合ゲート26の別の側と直接に隣接している。
【0010】
図3を参照して、本発明のメモリセルの第2の実施形態150を示している。メモリセル150は、図2に示すメモリセル50と類似している。従って、類似した部分は同じ数字で以下に示す。メモリセル150は、P型のような第1の導電型の単結晶基板12を含む。基板12の表面又はその近くには、N型のような第2の導電型の第1の領域14がある。第1の領域14から離間して、同じく第2の導電型の第2の領域16がある。第1の領域14と第2の領域16の間には、チャネル領域18がある。ワード線20が、チャネル領域18の第1の部分の上に位置決めされる。ワード線20は、高K誘電体層52によりチャネル領域から離間される。高K誘電体層52のための典型的な材料は、二酸化ハフニウムである。酸化ランタン(La23)のようなキャッピング層53を原子層堆積法(ALD)によって高K誘電体層52上に堆積させることができる。ワード線20は、2つの部分を含み、すなわち、高K誘電体層52と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)する窒化チタンのような金属材料で作られた第1の部分54、及びポリシリコンで作られた第2の部分56である。第1の部分54及び第2の部分56は、併せてワード線20を形成する。キャッピング層53の目的は、ワード線20のNMOSターゲット仕事関数に近い平坦バンド電圧シフトを達成することにある。ワード線20と直接に隣接し、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られ、かつチャネル領域18の別の部分の上に位置決めされ浮遊ゲート24がある。浮遊ゲート24は、典型的に同じく(二)酸化シリコンで作られた別の絶縁層30によりチャネル領域18から分離される。同じくポリシリコンで作られた結合ゲート26が、浮遊ゲート24の上に位置決めされ、かつ別の絶縁層32によって浮遊ゲート24から絶縁される。ワード線20も、高K誘電体材料の層52(及び別のキャッピング層53)により、浮遊ゲート24及び結合ゲート26から離間している。更に、金属層54もワード線20の側壁に沿って延び、ワード線20の側部に沿って高K誘電体層52と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)している。従って、高K誘電体層は、ワード線20の底部に沿い、かつワード線20に隣接している。キャッピング層53も、高K誘電体層52とワード線20の間に存在する場合がある。最後に、金属ゲートは、ワード線20の底部及び側壁に沿っている。浮遊ゲート24の別の側に、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られた消去ゲート28がある。消去ゲート28は、第2の領域16の上に存在し、かつそこから絶縁されている。消去ゲート28はまた、結合ゲート26から離間しているがそこと直接に隣接し、かつ結合ゲート26の別の側と直接に隣接している。
【0011】
図4を参照して、本発明のメモリセルの第3の実施形態250を示している。メモリセル250は、図3に示すメモリセル150と類似している。従って、類似した部分は同じ数字で以下に示す。メモリセル250は、P型のような第1の導電型の単結晶基板12を含む。基板12の表面又はその近くには、N型のような第2の導電型の第1の領域14がある。第1の領域14から離間して、同じく第2の導電型の第2の領域16がある。第1の領域14と第2の領域16の間には、チャネル領域18がある。ワード線20が、チャネル領域18の第1の部分の上に位置決めされる。ワード線20は、高K誘電体層52によりチャネル領域18から離間される。高K誘電体層52のための典型的な材料は、二酸化ハフニウムである。キャッピング層53が、高K誘電体層52上に存在する場合がある。ワード線20は、2つの部分を含み、すなわち、高K誘電体層52と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)する窒化チタンのような金属材料で作られた第1の部分54、及びポリシリコンで作られた第2の部分56である。第1の部分54と第2の部分56は、併せてワード線20を形成する。ワード線20と直接に隣接し、かつそこから離間して、同じくポリシリコンで作られ、かつチャネル領域18の別の部分の上に位置決めされた浮遊ゲート24がある。浮遊ゲート24は、典型的に同じく(二)酸化シリコンで作られた別の絶縁層30によりチャネル領域18から分離される。同じくポリシリコンで作られた結合ゲート26が、浮遊ゲート24の上に位置決めされ、かつ別の絶縁層32によって浮遊ゲート24から絶縁される。ワード線20も、高K誘電体材料の層52(及び別のキャッピング層53)により、浮遊ゲート24及び結合ゲート26から離間している。更に、キャッピング層53も、ワード線20と隣接高K層52の間に存在する場合がある。金属層54も、ワード線20の側壁に沿って延び、かつワード線20の側部に沿って高K誘電体層52と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)している。従って、金属ゲート54は、ワード線20の底部と側壁に沿っている。浮遊ゲート24の別の側に、かつそこから離間して、消去ゲート28がある。消去ゲート28は、第2の領域16の上に位置決めされ、かつ同じ高K誘電体材料52とすることができる高K誘電体材料の層60によってそこから絶縁される。キャッピング層53も、消去ゲート28と高K材料の層60の間に存在する場合がある。消去ゲート28はまた、結合ゲート26から離間しているがそこと直接に隣接し、かつ結合ゲート26の別の側と直接に隣接している。消去ゲート28と浮遊ゲート24及び結合ゲート26との間には、同じく高K誘電体材料52と同じ材料のものとすることができる高K誘電体材料の別の層60がある。別のキャッピング層53も、消去ゲート28と、隣接高K誘電体層60の間に存在する場合があり、それは、浮遊ゲート24及び結合ゲート26に隣接している。消去ゲート28は、2つの部分を含み、すなわち、消去ゲート28の底部に沿って高K誘電体層60と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)する金属ゲート62と、消去ゲート62と浮遊ゲート24及び結合ゲート26との間で高K誘電体層60と直接に隣接(又はキャッピング層53に隣接)して消去ゲート28の側壁に沿ったものとである。
【0012】
本発明のメモリセル250を製造する方法をここで以下に説明する。処理は、図1に示すメモリセル10を作るのに使用されるものと同じ処理段階である以下の段階で始まる。
1.DIFFマスキング及びエッチング−これは、浅いトレンチ隔離形成及びパッド窒化物除去を含む。
2.浮遊ゲート酸化物、ポリシリコン堆積、及びポリシリコンインプラント
3.浮遊ゲートポリシリコン平坦化
4.MCELマスキング及びポリシリコンエッチバック
5.ONO及び制御ゲートスタック形成
6.制御ゲートマスキング及びエッチング
7.制御ゲートS/Wスペーサ形成
8.浮遊ゲートのポリシリコンエッチング
9.MCEL−2マスキング及びワード線Vtインプラント
10.浮遊ゲート高温酸化物スペーサ形成
11.高電圧酸化物堆積
12.HVIIマスキング、HVIIインプラント、及び酸化物エッチ
13.トンネル酸化物形成
14.LVOXマスキング及び酸化物エッチング
【0013】
得られる構造を図5Aに示している。フォトレジスト80が除去される。その後に、任意の酸化物層をこの構造に付加することができる。その後に、高K誘電体材料の層22を次に付加する。処理は、以下に限定されるものではないが、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、及びケイ酸ジルコニウムを含む高K誘電体材料の「原子層堆積(ALD)」により行うことができる。ランタン酸化物(La23)のようなキャッピング層53は、「原子層堆積(ALD)」により高K誘電体層52上に堆積させることができる。その後、金属層54を堆積させる。この堆積は、金属ゲート材料の「物理気相堆積(PVD)」により行うことができ、その後に「急速熱処理(RTP)」による高温アニールが続く。得られる構造を図5Bに示している。
【0014】
その後に、図5Bの構造の上にポリシリコン層82を堆積させる。次に、ポリシリコン層82の上へリン又はヒ素のインプラントを行う。これは、ポリシリコン層の中へリン又はヒ素のようなN+ドーパントを注入し、その後にRTPによる高温アニールが続くことにより行うことができる。得られる構造を図5Cに示している。
【0015】
その後に、図5Cに示す構造は、CMP(化学機械研磨)エッチ処理を受ける。得られる構造を図5Dに示している。
【0016】
図5Dに示す構造は、ポリシリコン層82をエッチングすることができるように、フォトレジスト84を有するマスクを適用することによりマスキング段階を受ける。得られる構造を図5Eに示している。
【0017】
フォトレジスト84が除去される。二酸化珪素スペーサ86が、二酸化珪素の層を付加し、その後にその異方性エッチを行うことによって形成される。得られる構造を図5Fに示している。
【0018】
NNII(N+)マスキング及びNNII(N+)インプラントが行われる。結果として第1の領域14が形成される。得られる構造を図5Gに示している。
【0019】
キャッピング層53上及び高K誘電体層52上(キャッピング層53がない場合)に堆積した金属層54は、図5Bに示すように浮遊ゲート24の側壁及び結合ゲート26に沿っても堆積される。ワード線20が消去ゲート28とも他のワード線とも短絡しないように、結合ゲートの端部を開口させて金属ゲート54を削り取るためにトリムマスクが使用される。これは、金属層54のトリミングが行われる位置を示すこの構造の上面図である図6に示している。
【0020】
図5Gに示す構造を形成した後、以下の処理段階が行われる。これらの処理段階は、図1に示すメモリセル10の形成に使用するのと同じ処理段階である。
1.PPII(P+)マスキング及びPPII(P+)インプラント
2.CGCTのマスキング及びエッチング
3.サリサイド形成−ワード線ポリシリコン56、消去ゲートポリシリコン28、ビット線シリコン(図示せず)、高電圧/論理ゲートのポリシリコン(図示せず)、及び高電圧/論理拡散区域(図示せず)上に行われる。
4.ILD堆積及びCMP
5.CONTマスキング
6.MTL1マスキング
7.VIA1マスキング
8.MTL2マスキング
9.BPADマスキング
10.APADマスキング
11.BPADマスキング
【符号の説明】
【0021】
12 基板
20 ワード線
28 消去ゲート
50 メモリセル
52 高K誘電体層
図1
図5a
図5b
図5c
図5e
図5f
図5g
図2
図3
図4
図5d
図6