特許第5793349号(P5793349)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5793349単独運転検出方法、パワーコンディショナおよび分散型電源システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793349
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】単独運転検出方法、パワーコンディショナおよび分散型電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   H02J3/38 120
   H02J3/38 180
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-129487(P2011-129487)
(22)【出願日】2011年6月9日
(65)【公開番号】特開2012-70611(P2012-70611A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】特願2010-133654(P2010-133654)
(32)【優先日】2010年6月11日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2010-185965(P2010-185965)
(32)【優先日】2010年8月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000217491
【氏名又は名称】田淵電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144082
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100167977
【弁理士】
【氏名又は名称】大友 昭男
(72)【発明者】
【氏名】杉本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】日高 秀樹
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−127542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00−19/32、31/327−31/36、
H02J 3/00− 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定するステップである、
ことを特徴とする単独運転検出方法。
【請求項2】
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定する、
ステップであることを特徴とする単独運転検出方法。
【請求項3】
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所値以上であるとした計測の時間が所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の時間が、所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の時間が、所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定する、
ステップであることを特徴とする単独運転検出方法。
【請求項4】
上記第1ステップが、上記系統電圧の1周期において、連続して正の電圧が続く第1時間間隔と、連続して負の電圧が続く第2時間間隔との2つに分割するステップである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
上記第2ステップが、系統電圧の各1周期ごとに、その系統出力電流を、その各1周期を1周期とする基本波電流とその偶数次高調波電流との和とするものであって、前記基本波電流が0のときに前記高調波電流のピークがくるように当該高調波電流の位相をずらして加算することで上記時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統に出力する電流を流すステップである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記第2ステップが、系統出力電流の各1周期に対して前記第1時間間隔と第2時間間隔とで系統出力電流の振幅を変える系統出力電流を流す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
上記第2ステップが、系統出力電流の各1周期ごとに、その系統出力電流を、その各1周期を1周期とする基本波電流とその偶数次高調波電流との和とするものであって、前記基本波電流が0のときに前記高調波電流のピークがくるように当該高調波電流の位相をずらして加算する場合において、各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう上記偶数次高調波電流を大きくする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
上記第3ステップが、第1時間間隔と第2時間間隔の差を大きさで計測するか、または第1時間間隔と第2時間間隔の差を符号を含めて計測するステップである、請求項5ないしのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナにおいて、
分散型電源から出力する直流入力電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ部と、
上記インバータ部の交流出力電圧を平滑して出力波形を正弦波状の波形に成形するLCフィルタ部と、
インバータ部と電力系統ラインの電源との間に介装された解列リレーと、
上記インバータ部からの系統電圧の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割し、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すよう上記インバータ部内の複数のスイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、
上記系統電圧の各1周期に同期して上記LCフィルタ部から流れる系統出力電流から上記各時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測する計測部と、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法の実行において、上記計測部からの計測に基づいて単独運転と判定したとき少なくとも上記解列リレーの解列動作を行う単独運転判定部と、
を具備することを特徴とするパワーコンディショナ。
【請求項10】
分散型電源と、上記請求項9に記載のパワーコンディショナと、を備えた、ことを特徴とする分散型電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散型電源が商用電源から切り離されて単独運転しているか否かを検出する単独運転検出方法、分散型電源の直流電力を交流電力に変換し電力系統に系統連系して負荷に供給するパワーコンディショナおよびこのパワーコンディショナを備えた分散型電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
分散型電源システムにおける単独運転とは、商用電源が停止等している状態で分散型電源から系統負荷に電力が供給されている状態である。このように分散型電源だけで負荷に電力を供給する単独運転が行われると、本来、無電圧であるべき系統が充電されることとなり、保安面等から種々の問題が生じるおそれがある。そのため、分散型電源の単独運転を検出して上記問題の発生を未然に防止する必要がある。
【0003】
このような分散型電源の単独運転を検出する方式として、系統電圧を監視して、系統停電の場合に単独運転時に表れる変化を検出する受動的方式と、分散型電源側から系統電圧に変動を与えるために外乱信号(能動信号)を印加して、系統停電の場合に単独運転時に表れる変化を検出する能動的方式とがある。なお、単独運転検出の特許文献は多数ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−074943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
能動方式の代表例の1つに、周波数シフト方式があり、この方式では系統の基本波の周期より低い周期で出力周波数をシフトさせ、系統周波数に変化があればシフト方向を固定し、これが0.5秒継続すればゲートブロック、連系リレーを解列するものである。
【0006】
また、能動方式の代表例の別の1つに、無効電力変動方式がある。この方式では、系統の基本波より低い周期で無効電力を変動させ、所定値以上の系統周波数の変化が所定時間以上継続すれば単独運転と判定し、ゲートブロック、連系リレーを解列するものである。
【0007】
しかしながら、これら方式では、分散型電源に複数それらが接続されている場合、能動信号が相互干渉すると単独運転検出性能が劣化することが懸念される。
【0008】
また、能動方式の代表例のさらに別の1つに、スリップモード周波数シフト方式がある。この方式では、定格周波数からの周波数変化に応じて出力電流の周波数をシフトさせる特性を持たせることにより、有効、無効電力の平衡時にも生じる微小な周波数変化を正帰還して周波数を変化させ、所定の周波数になったときに単独運転と判定し、ゲートブロック、連系リレーを解列するものである。
【0009】
しかしながら、この方式の場合、能動信号が無いから、分散型電源の発電電力と負荷電力とが等しく系統に電流が流れていないときには、周波数変化が生じないので単独運転検出ができない可能性がある。これに対して周波数変動がないときでかつ電圧や高調波の増加が検出されたときに無効電力をステップ注入して周波数変化を発生させるような方法がとられているが、電圧や高調波の増加が検出されないときはこれもできず、単独運転検出ができない可能性がある。
【0010】
本発明においては、上記した能動方式の諸課題を解決すべくなしたものであり、単独運転を確実に検出できる単独運転検出方法、この方法を実施するパワーコンディショナおよびこのパワーコンディショナを具備した分散型電源システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明第1による単独運転検出方法は、
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、所定回数以上であるときは単独運転と判定するステップである、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明第2による単独運転検出方法は、
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の回数が、所定時間内で所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数以上であるときは単独運転と判定する、
ステップであることを特徴とする。
【0013】
本発明第3による単独運転検出方法は、
分散型電源と、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとを具備し、パワーコンディショナで変換した交流電力を電力系統ラインの電源と連系して系統負荷に供給する分散型電源システムにおいて、
上記分散型電源の単独運転を検出する方法であって、第1〜第4ステップを含み、
第1ステップは、上記パワーコンディショナから出力され系統電源と連系している系統電圧あるいは系統出力電流の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割するステップであり、
第2ステップは、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すステップであり、
第3ステップは、上記時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測するステップであり、
第4ステップは、上記計測につき上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所値以上であるとした計測の時間が所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定し、
符号を含めて計測するときは、
上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上であるとした計測の時間が、所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定し、
上記計測した値の符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の時間が、所定時間内で所定時間未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間内で所定時間以上であるときは単独運転と判定する、
ステップであることを特徴とする。
【0014】
本発明第1〜第3において、
好ましくは、上記第1ステップが、上記系統電圧の1周期において、連続して正の電圧が続く第1時間間隔と、連続して負の電圧が続く第2時間間隔との2つに分割するステップである。
【0015】
好ましくは、上記第2ステップが、系統電圧の各1周期ごとに、その系統出力電流を、その各1周期を1周期とする基本波電流とその偶数次高調波電流との和とするものであって、前記基本波電流が0のときに前記高調波電流のピークがくるように当該高調波電流の位相をずらして加算することで上記時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統に出力する電流を流すステップである。
【0016】
好ましくは、上記第2ステップが、系統出力電流の各1周期に対して前記第1時間間隔と第2時間間隔とで系統出力電流の振幅を変える系統出力電流を流す。
【0018】
好ましくは、上記第2ステップが、系統電圧の各1周期ごとに、その系統出力電流を、その各1周期を1周期とする基本波電流とその偶数次高調波電流との和とするものであって、前記基本波電流が0のときに前記高調波電流のピークがくるように当該高調波電流の位相をずらして加算する場合において、各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう上記偶数次高調波電流を大きくするステップである。
【0019】
好ましくは、上記第3ステップが、第1時間間隔と第2記時間間隔の差を大きさで計測するか、または第1時間間隔と第2時間間隔の差を符号を含めて計測するステップである。
【0020】
本発明第4によるパワーコンディショナは、分散型電源の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナであって、
分散型電源から出力する直流入力電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ部と、
上記インバータ部の交流出力電圧を平滑して出力波形を正弦波状の波形に成形するLCフィルタ部と、
インバータ部と電力系統ラインの電源との間に介装された解列リレーと、
上記インバータ部からの系統電圧の各1周期ごとに複数の時間間隔に分割し、上記パワーコンディショナからは各1周期ごとの上記複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう系統出力電流を流すよう上記インバータ部内の複数のスイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、
上記系統電圧の各1周期に同期して上記LCフィルタ部から流れる系統出力電流から上記各時間間隔の差を大きさで計測するか、または上記時間間隔の差を符号を含めて計測する計測部と、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法の実行において、上記計測部からの計測に基づいて単独運転と判定したとき少なくとも上記解列リレーの解列動作を行う単独運転判定部と、
を具備することを特徴とする。
【0021】
本発明第4において、
好ましくは、上記制御部は、上記1周期において連続して正の電圧が続く第1時間間隔と、連続して負の電圧が続く第2時間間隔との2つに分割する。
【0022】
好ましくは、上記制御部は、系統出力電流の各1周期に対して第1時間間隔と第2時間間隔とで系統出力電流の振幅を変える系統出力電流を流すよう制御する。
【0023】
本発明第5による分散型電源システムは、分散型電源と、上記パワーコンディショナと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、パワーコンディショナから出力され電力系統ラインの電源と連系している系統電圧の各1周期を少なくとも2つの異なる時間間隔に分割し、それら2つの時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が発生するようパワーコンディショナから系統出力電流を流し、その差を、大きさで計測するかまたは符号を含めて計測し、上記計測を上記時間間隔の差の大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の連続回数が、また、上記計測を、符号を含めて計測するときは、上記計測した値の符号が、プラスであるときはプラスの上限値を所定値とし、上記値が、この所定値以上でかつその符号がマイナスであるときは、マイナスの下限値を所定値とし、上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数以上であるときは単独運転と判定するようにしたので、従来の能動方式の代表例の1つである周波数シフト方式や、能動方式の代表例の別の1つである無効電力変動方式とは異なって、複数接続された分散型電源同士が能動信号の相互干渉により単独運転検出性能が劣化するという懸念は無く、また、能動方式の代表例のさらに別の1つのスリップモード周波数シフト方式とは異なって、分散型電源の発電電力と負荷電力とが等しく系統に電流が流れていないときでも、単独運転検出ができるようになり、確実に単独運転を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明の実施の形態に係る分散型電源システムを示す図である。
図2図2は系統出力電流においてその1周期における前半すなわち系統出力電流が正の期間と、後半すなわち系統出力電流が負の期間で、各期間の時間と絶対値の最大値とに関する表を示す図である。
図3図3(a)はパワーコンディショナからの系統出力電流Is波形を示す図、図3(b)は系統連系時の系統電圧Esの波形を示す図、図3(c)は単独運転時の系統電圧Esの波形を示す図である。
図4図4は動作説明に用いるフローチャートを示す図である。
図5図5(a)ないし(c)は系統出力電流の生成過程の説明のため波形を示す図である。
図6図6(a)(b)は系統出力電流の別の生成過程の説明に供するもので系統出力電流を基本波電流と高調波電流とに分解した図である。
図7図7は本発明の他の実施形態の動作説明に用いるフローチャートを示す図である。
図8図8は本発明のさらに他の実施形態の動作説明に用いるフローチャートを示す図である。
図9図9は本発明のさらに他の実施形態に係り図4に対応するフローチャートを示す図である。
図10図10は本発明のさらに他の実施形態に係り図7に対応するフローチャートを示す図である。
図11図11は本発明のさらに他の実施形態に係り図8に対応するフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法、パワーコンディショナ、分散型電源システムを説明する。図1に実施の形態の単独運転検出方法を実施する分散型電源システムを示す。このシステムは、分散型電源1と、パワーコンディショナ(系統連系装置)2と、商用(系統)電源3と、負荷4とを備える。5は配電用遮断器、6は配電用開閉器である。その他、柱上トランス等の図示は図解の都合で略する。
【0027】
分散型電源1は例えば太陽電池や燃料電池等である。
【0028】
パワーコンディショナ2は、分散型電源1が出力する直流電力を交流電力に変換すると共に、その交流電力を商用電源3と連系して負荷4に供給するものであり、インバータ部7と、LCフィルタ部8と、解列リレー9と、制御部10と、計測部11と、単独運転判定部12と、を備える。
【0029】
インバータ部7は、例えばフルブリッジ接続された複数のIGBT等のスイッチング素子を含み、制御部10からのPWMスイッチング制御信号S1によるスイッチング素子のオンオフにより分散型電源1から入力される直流電圧であるインバータ入力電圧Edを直流/交流変換してインバータ出力電圧Eiとして出力することができると共に、単独運転判定部12からの運転停止信号S3が制御部10に入力されたときに該制御部10を通じて上記スイッチング素子のオンオフ動作を停止制御されることでゲートブロック(停止)されることができる。
【0030】
なお、パワーコンディショナ2内でインバータ部7の前段には分散型電源1が例えば太陽電池である場合、その直流電圧を昇圧する昇圧回路等を設けることができるがその図示は略している。
【0031】
LCフィルタ部8は、リアクトルLとコンデンサCとを含み、インバータ部7からのインバータ出力電圧Eiに対してPWMスイッチング制御に起因するキャリア周波数のリップル成分を平滑することで正弦波状とし商用電力系統ラインの商用電源3と連系する系統電圧Esに波形整形する。なお、この系統電圧Esと系統出力電流(系統側に出力する電流)Isとが同期するように後述する制御部10はインバータ部7に対して上記PWMスイッチング制御信号S1を出力制御している。
【0032】
解列リレー9は、LCフィルタ部8の後段側で商用電源3との間で接続され、単独運転判定部12からのリレー解列信号S2によりオフして商用電力系統ラインにおける商用電源3に対してパワーコンディショナ2を解列するものである。
【0033】
制御部10は、インバータ部7内の上記複数のスイッチング素子のオンオフを制御するPWMスイッチング制御信号S1を出力するものであり、そのPWMスイッチング制御信号S1をインバータ部7に出力することで、パワーコンディショナ2から系統側に出力する電流である系統出力電流Isの各1周期(これの逆数を各周波数)それぞれに対してその前半の電流が正の期間とその後半の電流が負の期間とを変えてそれぞれの時間が変わるよう制御する。
【0034】
例えば系統出力電流Isの各周期をTn(その逆数を各周波数fn)とすると、前半の電流が正(Is>0)の期間における系統出力電流Isの逆数周波数f1をf+Δf(式1)、後半の電流が負(Is<0)の期間における系統出力電流Isの周波数f2を次式2とする。なお、上記「前半」「後半」は1周期を半分に分割の意義ではなく、単に、1周期内で、時間的に前側、後側の意義であり、以下でも同様である。
【0035】
【数1】
【0036】
また、制御部10は、インバータ部7の系統出力電流Isの各1周期(0〜2πrad)それぞれに対してその前半の電流が正の期間(Is>0)での系統出力電流Isの絶対値での振幅を本来の振幅A0より大きい振幅A1と後半の電流が負の期間(Is<0)での系統出力電流Isの絶対値での振幅を本来の振幅A0より小さい振幅A2に変えるよう制御する。
【0037】
例えば系統出力電流Isの本来の振幅をA0とすると、前半の電流が正の期間(Is>0)の系統出力電流Isの振幅A1は振幅A0の[(f+Δf)/f]倍(*式3)、後半の電流が負の期間(Is<0)の系統出力電流Isの振幅A2は元々の振幅A0のA1(式4)倍とする。
【0038】
【数2】
【0039】
なお、上記周波数と振幅に関して図2の表1に示す。この表1について説明すると、fは50Hz、Δfは、1Hz、1.5Hz、2Hzの3つで示す。もちろん、この例は説明のためであり、本発明を限定するものではない。
【0040】
系統出力電流Isの各1周期(0〜2πrad)それぞれに対してその前半の電流が正の期間(Is>0)ではΔfが「1Hz」「1.5Hz」「2Hz」では周波数は上記式1ではそれぞれ「51Hz」「51.5Hz」「52Hz」とし、振幅は上記式2ではそれぞれ「51/50」「51.5/50」「52/50」とする。
【0041】
後半の電流が負の期間(Is<0)ではΔfが「1Hz」「1.5Hz」「2Hz」では周波数は上記式3ではそれぞれ「49.04Hz」「48.58Hz」「48.15Hz」とし、振幅は上記式4ではそれぞれ「49.04/50」「48.58/50」「48.15/50」とする。
【0042】
なお、系統出力電流Isがある値から小さくなると、上記周波数Δfを増加させることで、高調波成分が小さくならないようにして単独運転の検出ができるようにしてもよい。
【0043】
計測部11は、系統電圧Esを入力すると共に、系統連系時と単独運転とで系統電圧Esの各1周期内を連続して正の電圧が続く第1時間間隔と、連続して負の電圧が続く第2時間間隔とに分割し、第1と第2の時間間隔の差を大きさで計測し、その計測した出力結果を単独運転判定部12に出力するようになっている。
【0044】
単独運転判定部12は、計測部11で上記時間間隔の差を計測した値が所定値以上であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数以上であるときは単独運転と判定し、単独運転と判定したときは、制御部10と、解列リレー9とに上記信号S2,S3を入力し、インバータ部7には制御部10を通じてゲートブロック(インバータ部7の動作停止)、解列リレー9には解列の動作を行わせて、パワーコンディショナ2の運転を停止させる。
【0045】
なお、計測部11において、時間間隔の差を、符号を含めて計測するときは、単独運転判定部12は、計測部11で計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上、符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときは単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数以上であるときは単独運転と判定する。
【0046】
図3(a)に、パワーコンディショナ2から系統側に流す系統出力電流Isの波形、図3(b)に、系統連系時にパワーコンディショナ2の計測部11に入力する系統電圧Esの波形、図3(c)に、単独運転時にパワーコンディショナ2の計測部11に入力する系統電圧Esの波形を示す。これらの図を参照して制御部10、計測部11、単独運転判定部12の動作を説明する。
【0047】
制御部10は、インバータ部7にPWMスイッチング制御信号S1を入力してインバータ部7内の複数のスイッチング素子をオンオフして直流の入力電圧Edを交流の出力電圧Eiに変換する。この変換においては、インバータ入力電圧Ed、インバータ出力電流Ii、系統電圧Es、系統出力電流Isのデータを入力し、これらデータに基づいて、インバータ部7からLCフィルタ部8を介して系統側に出力される系統出力電流Isが図3(a)で示す波形となるように当該インバータ部7内の複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。
【0048】
図3(a)を参照して、この系統出力電流Isの波形を説明すると、系統出力電流Isの各周期(0〜2πrad)Tn−2,Tn−1,Tn,…それぞれを連続して正の電圧が続く第1時間間隔(前半時間間隔という)と、連続して負の電圧が続く第2時間間隔(後半時間間隔という)との2つに分割する。前半時間間隔を例えばΔTn−2〜1、ΔTn−1〜1、ΔTn〜1とし、後半時間間隔をΔTn−2〜2、ΔTn−1〜2、ΔTn〜2とし、前半時間間隔<後半時間間隔となるように設定する。これにより、いずれの任意1周期における前半時間間隔と後半時間間隔との間に設定時間差を生じる。こうして系統には、パワーコンディショナ2から図3(a)で示す波形の系統出力電流Isが出力される。この場合の設定時間差は、所定時間差より大きくなる時間差である。
【0049】
ここで、上記の所定時間差を説明すると、例えば50Hzでの1周期は0.02秒であり、この周期において、前半時間間隔を例えば0.008秒、後半時間間隔を例えば0.012秒とすれば、前半時間間隔と後半時間間隔との時間差である設定時間差は0.004秒となる。そうした場合に、上記の所定時間差を例えば0.003秒に設定することができる。
【0050】
なお、前半時間間隔での系統出力電流Isの振幅をA1とし、後半時間間隔での系統出力電流Isの振幅をA2とし、A1>A2となるように変え、直流成分が生じないようにする。
【0051】
次に、系統連系時を説明すると、系統連系時では、パワーコンディショナから上記説明した図3(a)で示す系統出力電流Isが系統の商用電源3側に出力されても、商用電源3側ではパワーコンディショナ2から出力される系統出力電流Isには、ほぼ影響されず、計測部11には結局、図3(b)で示す商用電源3の電圧に同期した系統電圧Esが入力される。この図3(b)で示す波形の系統電圧Esは、各1周期Tn−2´,Tn−1´,Tn´…いずれにおいても前半時間間隔ΔTn−2´〜1、ΔTn−1´〜1、ΔTn´〜1と後半時間間隔ΔTn−2´〜2、ΔTn−1´〜2、ΔTn´〜2とはほぼ等しい。この場合、系統電圧Esの前半時間間隔と後半時間間隔それぞれでの振幅A1´,A2´はほぼ等しい。
【0052】
そのため、各1周期Tn−2´,Tn−1´,Tn´…いずれにおいても前半時間間隔と後半時間間隔との間の時間間隔の差はほぼゼロとなる。
【0053】
したがって、各1周期Tn−2´,Tn−1´,Tn´…いずれにおいても前半時間間隔と後半時間間隔それぞれの間の設定時間差、には上記所定時間差は無いので、こうした設定時間差が所定時間差以上となる計測が連続して行われる回数が所定回数を超えることはない。このような計測出力結果は単独運転判定部12に入力される。なお、上記所定回数は、系統連系規定JEAC9701に定められた単独運転検出機能による解列時限の最少値により、決定することができる。
【0054】
例えば、上記規定での解列時限は、単独運転発生後0.5秒以上1秒以内となっているので、解列時限の最少値は0.5秒であり、上記所定回数は、この0.5秒以上における回数である。ただし、設定時間差が所定時間差以上となる計測が連続して行われることもあれば、例えば系統に接続されている他の能動的方式単独運転検出を採用しているパワーコンディショナの注入信号の影響その他で不連続になることがある。上記所定回数は、0.5×周波数以上ということになるが、周波数は一定とは限らず、また、50Hzと60Hzのいずれにも対応しようとした場合、その周波数が±2Hzになるようにすると、48Hz〜62Hzまで対応する必要があり、0.5秒以上にするためには上記所定回数は31回以上となる。
【0055】
一方、商用電源3の停電や故障による遮断器6の遮断などで単独運転になると、計測部11には、図3(c)の系統電圧Esが入力される。単独運転時では、系統電圧Esは図3(a)で示す系統出力電流Isに反映した波形を有する。勿論、図3(a)そのままには対応しないが、その負荷の影響を受ける。
【0056】
図3(c)の系統電圧Esでは、各1周期Tn−2´´,Tn−1´´,Tn´´…ごとに前半時間間隔ΔTn−2´´〜1、ΔTn−1´´〜1、ΔTn´´〜1と後半時間間隔ΔTn−2´´〜2、ΔTn−1´´〜2、ΔTn´´〜2それぞれの上記時間間隔の差である時間差が所定時間差以上となり、その時間差が所定時間差以上となる計測が連続して行われる回数が所定回数を超える。このような計測出力結果は単独運転判定部12に入力される。この所定回数は例えば実験等により決定することができる。なお、振幅は図3(a)のA1、A2にそのまま対応しないが、図3(c)ではA1´´、A2´´であり、勿論、負荷の影響を受ける。
【0057】
単独運転判定部12では、図3(b)で示す計測出力結果が入力されると単独運転ではなく系統連系であると判定し、運転停止信号S3やリレー解列信号S2を出力しないが、図3(c)で示す計測出力結果が入力されると単独運転であると判定し、上記信号S3,S2を出力する。
【0058】
図4のフローチャートを参照して動作を説明する。
【0059】
ステップn1で、パワーコンディショナ2から出力され電力系統ラインの商用電源3と連系している系統電圧Esの各1周期を、前半時間間隔(連続して正の電圧が続く第1時間間隔)と、後半時間間隔(連続して負の電圧が続く第2時間間隔)との2つの時間間隔に分割する。
【0060】
ついで、ステップn2で上記各1周期内の上記前半と後半の各時間間隔に系統連系運転と単独運転とで差が発生するようパワーコンディショナ2から系統出力電流Isを流す。
【0061】
ついでステップn3で上記差の大きさを計測する。
【0062】
ついでステップn4で上記計測した値の大きさが、所定値以上であるとした計測の連続回数が所定時間内で所定回数N1未満であるときは、ステップn5で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定時間内で所定回数N1以上であるときはステップn6で単独運転していると判定する。
【0063】
なお、ステップn3で、上記差を、符号を含めて計測するときは、ステップn4で上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし、上記値がこの所定値以上、符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときはステップn5で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数以上であるときはステップn6で単独運転と判定するようにしてもよい。
【0064】
例えば、50Hzでの1周期(0.02秒)内の系統出力電流Isにおいて、前半の時間として例えば0.0085秒間とし例えば正の電流、後半の時間とし例えば0.0115秒間を逆の負の電流になるようにパワーコンディショナから系統へ系統出力電流Isとして流す。そして系統電圧Esの1周期内の電圧において、前半時間間隔と後半時間間隔との差を計測部11で計測し、その計測した値が前半時間間隔>後半時間間隔となって前半時間間隔−後半時間間隔の値の符号がプラスであるとき、そのプラスの値が所定値である上限値を超えたか否かで上記判定を行う。
【0065】
符号がマイナスの場合も同様である。
【0066】
このように「上記差の符号を含めて計測するとき」の符号とは、系統電圧Esの1周期内の前半時間間隔から後半時間間隔を引いた時間の符号のことであり、その符号がプラスになるのは系統電圧Esの1周期内の前半時間間隔>後半時間間隔のときである。また、この前半時間間隔と後半時間間隔の時間関係が逆になれば符号はマイナスになる。その時間差は系統電圧Esが系統やパワーコンディショナ2の種々の変化要因の影響を受けるので必ずしも一定ではないが、普通の状態では小さく、時間差が所定値を超えたとしてもそれが継続することはない。その時間差が継続的にあるいは1秒の中で相当量断続的に所定値を超えるためには、パワーコンディショナ2が接続されている系統が単独運転状態になること、およびパワーコンディショナ2の出力電流Isの正の時間と負の時間sの時間差が所定値以上あるときである。所定値は、このように普通の状態では超えず、時間差が所定値を超えたとしてもそれが継続することはない時間で、かつ、パワーコンディショナ2が接続されている系統が単独運転状態になること、およびパワーコンディショナ2の出力電流Isの前半時間間隔と後半時間間隔との時間差の影響でパワーコンディショナ2の出力電圧(系統電圧と等しい)の前半時間間隔と後半時間間隔との時間差がある時間以上になる値に設定する。したがって、この時間差が所定値以上になったということはパワーコンディショナ2が単独運転になった可能性を示しており、それが連続するか、あるいは断続するがその頻度が高いときは、単独運転状態になったと判定できる。
【0067】
図5(a)ないし図5(c)を参照して系統出力電流Isの別の生成方法を説明する。図5(a)では、基本波電流Ioの波形を示す。この基本波電流Ioに対して図5(b)では偶数次として例えば2次高調波電流I1の波形を示す。この図5(a)と図5(b)との各波形を合成して図5(c)に示す系統出力電流Isを生成することができる。図5(c)の系統出力電流Isは、各1周期Tn−2、Tn−1,Tn…において前半時間間隔ΔTn−2〜1、ΔTn−1〜1、ΔTn〜1と、後半時間間隔ΔTn−2〜2、ΔTn−1〜2、ΔTn〜2との時間間隔は、前半が短く、後半が長くなる。また、系統出力電流Isの振幅も前半時間間隔での振幅が後半の時間間隔でのそれより大きくして、直流成分が発生しないようにしている。
【0068】
なお、本発明はこの2次高調波電流に限定するものではない。
【0069】
なお、系統出力電流Isに含まれる高調波は予め定められた所定値を超えないように設定する。
【0070】
なお、基本波電流ioの振幅がある値から小さくなってくる場合、2次高調波電流I1の振幅も小さくなるようにして、2次高調波電流I1の波形が単独運転検出に影響しないように維持可能としてもよい。
【0071】
なお、系統出力電流Isの各1周期Tn−2,Tn−1,Tn,…内で、その系統出力電流Isを、その各1周期を1周期とする基本波電流I0とその2次高調波電流I1との和とする場合において、各1周期内の複数の時間間隔に系統連系運転か単独運転かで差が生じるよう上記2次高調波電流I1を大きくすることが感度向上のうえでは好ましい。
【0072】
図6を参照して、系統出力電流Isの別の生成方法を説明する。制御部10はインバータ部7に対して、系統出力点での系統出力電流Isが図6(a)(b)それぞれで示す正弦波状の電流Is1と、以下で説明するIs2とが流れるよう制御してもよい。すなわち、図6(a)では、ハッチングA1,A2,A3で示す波形の系統出力電流Is2を生成し、この生成した系統出力電流Is2を系統出力電流Is1と合成して流すようにしている。図6(b)ではハッチングA1,A2,A3,A2´で示す波形の系統出力電流Is2を生成し、この生成した系統出力電流Is2を系統出力電流Is1と合成して流すようにしている。そして、この合成した系統出力電流Isをパワーコンディショナ2から系統に流すようにしている。
【0073】
なお、上記実施形態では、系統出力電流の各1周期内を前半と後半それぞれの時間間隔に分割しているが、これに限定されず、系統電圧の各1周期内を前半と後半それぞれの時間間隔に分割してもよく、また、半周期ではなく、上記1周期において0Vを挟んだ時間間隔に分割してもよく、また、2つに分割ではなく、それ以上の分割も含むことができる。
【0074】
なお、分散型電源の単独運転を検出するために、パワーコンディショナ2から出力され商用電源2と連系している系統電圧Esあるいは系統出力電流Isの各1周期内を複数の時間間隔に分割する場合、当該1周期の周波数が商用電源(系統電源)3の定格周波数に対して所定周波数範囲を超えないように制限することが好ましい。すなわち、系統電源3の定格周波数が50Hzや60Hzである場合、系統電圧Esあるいは系統出力電流Isの各1周期の周波数がその±3%を超えないよう制限することが単独運転検出誤動作防止の上では好ましい。
【0075】
また、上記系統電圧(パワーコンディショナ出力電圧)Esあるいはパワーコンディショナ出力電流Isの各1周期内で、その1周期の時間間隔を前半時間間隔と後半時間間隔とに分割する。上記前半と後半との時間間隔の差を、大きさで計測するかまたは符号を含めて計測する。上記計測を上記時間間隔の差を大きさで計測するときは、上記計測した値が所定値以上であるとした計測の連続回数が、また、上記計測を符号を含めて計測するときは上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上、符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数以上であって単独運転と判定した場合において、その判定後も、上記前半時間と後半時間との和の変化が所定値以上または所定値以下であれば、単独運転継続中と判定することがより好ましい。なお、上記前半の時間と後半の時間との和の変化とは、上記前半の時間と後半の時間との和つまり1周期ごとの周期変化を直接或いは移動平均してみていることを意味する。
【0076】
次に、図7を参照して本発明の別の実施形態を説明する。図7において、ステップn11,n12,n13は、図4のステップn1、n2,n3に対応する。ステップn14は所定時間内で上記計測した値が所定値以上であるとした回数が所定回数N1未満であるときはステップn15で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記回数が上記所定時間内で所定回数N1以上であるときはステップn16で単独運転と判定する。
【0077】
なお、ステップn13で、上記差を符号を含めて計測するときは、ステップn14で上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上、符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数N1未満であるときはステップn15で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数N1以上であるときはステップn16で単独運転と判定するようにしてもよい。
【0078】
また、図8を参照して本発明のさらに別の実施形態を説明する。図8において、ステップn21,n22,n23は、図4のステップn1、n2,n3に対応する。ステップn24は所定時間T1内で上記計測した値が所定値以上であるとした計測の時間が、所定時間未満であるときはステップn25で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記所定時間T1内で所定時間以上であるときはステップn26で単独運転と判定する。
【0079】
なお、ステップn23で、上記差を、符号を含めて計測するときは、ステップn24で上記計測した値の符号がプラスであるときはプラスの上限値を所定値とし上記値がこの所定値以上、符号がマイナスであるときはマイナスの下限値を所定値とし上記計測した値がこの所定値以下であるとした計測の連続回数が、所定回数未満であるときはステップn25で単独運転で無く系統連系していると判定する一方、上記連続回数が所定回数以上であるときはステップn26で単独運転と判定するようにしてもよい。
【0080】
図4のフローチャートのステップn4において、系統内の他のパワーコンディショナの出力電流の変動が大きいときでは、単独運転であるにもかかわらず、所定時間内に計測値が所定値以上であるとした計測の連続回数が所定回数超えず、単独運転と検出されない場合がある。そこで、そのような誤検出を防止するためには、図4のフローチャートに代えて図9のフローチャートで実行してもよい。図9のフローチャートにおいて、ステップn1,n2は図4のステップn1,n2と同様であり、ステップn3で前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測してステップn4に移行し、また、ステップn3´´で前半の時間間隔と後半の時間間隔との和の大きさを計測してステップn4´に移行する。
【0081】
ステップn4,n4´で、計測値が所定値以上であるとした計測の連続回数がN1回超えたときはステップn2´に移行し、そうでないときはステップn5に移行する。
【0082】
ステップn2´で前半の時間間隔と後半の時間間隔との間で系統連系時と単独運転時とでステップn2よりも大きな差が生じるよう系統出力電流を流し、ステップn3´で、前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測し、ステップn4´´で計測値がステップn4より大きな所定値以上であるとした計測の連続回数が所定回数N1−N2を超えない場合はステップn5´で系統連系運転し、計測回数を加えて所定回数を超えた場合はステップn6で単独運転と判定する。
【0083】
同様に、図7のフローチャートのステップn14において、系統内の他のパワーコンディショナの出力電流の変動が大きいときでは、単独運転であるにもかかわらず、計測値が所定値以上であるとした計測の連続回数が所定時間内に所定回数超えない場合がある。そこで、そのような場合には、図7のフローチャートに代えて図10のフローチャートで実行してもよい。図10のフローチャートにおいては、ステップn11、n12からステップn13で前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測してステップn14に移行し、ステップn13´´で前半の時間間隔と後半の時間間隔との和の大きさを計測してステップn14´に移行する。ステップn14,n14´で、所定時間Tで計測値が所定値以上であるとした計測の連続回数がN1回超えたときはステップn12´に移行し、そうでないときはステップn15に移行する。
【0084】
ステップn12´で前半の時間間隔と後半の時間間隔との間で系統連系時と単独運転時とでステップn12よりも大きな差が生じるよう系統出力電流を流し、ステップn13´で、前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測し、ステップn14´´で所定時間T内で計測値がステップn14より大きな所定値以上であるとした計測の連続回数が所定回数N1−N2を超えない場合はステップn15´で系統連系運転し、超えた場合はステップn16で単独運転とする。
【0085】
同様に、図8のフローチャートのステップn24において、系統内の他のパワーコンディショナの出力電流の変動が大きいときでは、単独運転であるにもかかわらず、計測の時間が所定時間以上であると計測しない場合がある。そこで、そのような場合には、図8のフローチャートに代えて図11のフローチャートで実行してもよい。図11のフローチャートにおいては、ステップn21、n22からステップn23で前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測してステップn24に移行し、ステップn23´´で前半の時間間隔と後半の時間間隔との和の大きさを計測してステップn24´に移行する。ステップn24,n24´で、所定時間T内で計測値が所定値以上であるとした計測の時間が所定時間を超えたときはステップn22´に移行し、そうでないときはステップn25に移行する。
【0086】
ステップn22´で、前半の時間間隔と後半の時間間隔との間で系統連系時と単独運転時とでステップn22よりも大きな差が生じるよう系統出力電流を流し、ステップn23´で、前半の時間間隔と後半の時間間隔との差の大きさを計測し、ステップn24´´で所定時間T内で計測値がステップn24より大きな所定値以上であるとした計測の時間が所定時間以上でないときはステップn25´で系統連系運転し、所定時間以上であるときはステップn26で単独運転とする。
【符号の説明】
【0087】
1 分散型電源
2 パワーコンディショナ
7 インバータ部
8 LCフィルタ部
10 計測部
11 制御部
12 単独運転判定部
3 商用電源
4 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11