(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明に係るコネクタ及び冶具の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)その他の実施形態について説明する。
【0026】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0027】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0028】
(1)第1実施形態
以下において、(1−1)コネクタの構成、(1−2)メス側凹部及びオス側凹部の構成、(1−3)冶具の構成、(1−4)メスコネクタとオスコネクタとの嵌合時の説明、(1−5)メスコネクタとオスコネクタとの離脱時の説明、(1−6)作用・効果、(1−7)変更例の順に説明する。
【0029】
(1−1)コネクタの構成
まず、第1実施形態に係るコネクタ1の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係るコネクタ1を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すように、コネクタ1は、メスコネクタ100と、メスコネクタ100と嵌合離脱するオスコネクタ200とを備えている。このメスコネクタ100及びオスコネクタ200のうち少なくとも一方のハウジングに、ハウジングに加わる押圧力を変換する変換部(メス側凹部130及びオス側凹部230)が形成されている。
【0031】
具体的には、メスコネクタ100は、メスハウジング110を有している。このメスハウジング110には、複数の電線101の端末に設けられるメス端子(不図示)が複数収容される端子収容室120と、メスハウジング110の側壁111及び側壁112からメスコネクタ100の内部に向けて凹むメス側凹部130とが形成されている。
【0032】
複数の端子収容室120は、上方側に位置する上側端子収容列121と、上側端子収容列121の下方側に位置する下側端子収容列122とによって構成されている。この上側端子収容列121と下側端子収容列122との間には、上述したメス側凹部130が設けられている。
【0033】
オスコネクタ200は、メスハウジング110に嵌合離脱するオスハウジング210を有している。このオスハウジング210には、複数の電線201の端末に設けられるオス端子(不図示)が収容される複数の端子収容室220と、オスハウジング210の側壁211及び側壁212からオスコネクタ200の内部に向けて凹むオス側凹部230とが形成されている。
【0034】
複数の端子収容室220は、上方側に位置する上側端子収容列221と、上側端子収容列221の下方側に位置する下側端子収容列222とによって構成されている。この上側端子収容列221と下側端子収容列222との間には、上述したオス側凹部230が設けられている。
【0035】
(1−2)メス側凹部及びオス側凹部の構成
次に、上述したメス側凹部130及びオス側凹部230の構成について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第1実施形態に係るメスコネクタ100及びオスコネクタ200を示す断面図である。
【0036】
メス側凹部130及びオス側凹部230は、メスハウジング110又はオスハウジング210に加わる押圧力を変換する変換部を構成する。このメス側凹部130及びオス側凹部230は、メスコネクタ100とオスコネクタ200の嵌合離脱方向ARDと該嵌合離脱方向ARDに対して直交する直交方向CDとの双方に対して傾斜した押圧面131A,131B,231A,231Bをそれぞれ有している。
【0037】
押圧面131A,131B,231A,231Bは、直交方向CDからハウジング(メスハウジング110又はオスハウジング210)に加わる押圧力を、メスコネクタ100及びオスコネクタ200のうち他方に対する嵌合方向AD又は離脱方向RDへの押圧力に変換する。
【0038】
また、メスハウジング110に設けられる押圧面131A,131Bと、オスハウジング210に設けられる押圧面231A,231Bとは、それぞれに加わる押圧力を嵌合方向AD及び離脱方向RDのうち同一方向への押圧力に変換する。
【0039】
(1−2−1)メス側凹部の構成
図2に示すように、メス側凹部130は、メスハウジング110に加わる押圧力を変換する。このメス側凹部130は、メスハウジング110の側壁111及び側壁112における略中央、すなわち、上述したように上側端子収容列121と下側端子収容列122との間に形成されている。
【0040】
このようなメス側凹部130は、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時に用いられる嵌合用凹部130Aと、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時に用いられる離脱用凹部130Bとによって構成されている。
【0041】
嵌合用凹部130Aは、メスハウジング110の一方の側壁111に形成されている。また、嵌合用凹部130Aは、押圧面131Aを有している。この押圧面131Aは、メスハウジング110の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、側壁111)に形成された凹部の底面(奥壁)で構成されている。
【0042】
押圧面131Aは、直交方向CDからメスハウジング110に加わる押圧力を、オスコネクタ200に対する嵌合方向ADへの押圧力に変換する第1の面を構成する。また、押圧面131Aは、コネクタ平面視において、メスハウジング110の嵌合側面113から他面114に向かうに連れて側壁111から徐々に離れるように設けられる。さらに、押圧面131Aの他面114に対する傾斜角度(θ1)は、45度であることが好ましい。
【0043】
一方、離脱用凹部130Bは、メスハウジング110の他方の側壁112に形成されている。また、離脱用凹部130Bは、押圧面131Bを有している。この押圧面131Bは、メスハウジング110の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、側壁112)に形成された凹部の底面(奥壁)で構成されている。
【0044】
押圧面131Bは、直交方向CDからメスハウジング110に加わる押圧力を、オスコネクタ200に対する離脱方向RDへの押圧力に変換する第2の面を構成する。また、押圧面131Bは、コネクタ平面視において、メスハウジング110の嵌合側面113から他面114に向かうに連れて側壁112に徐々に近づくように設けられ、押圧面131Aと略平行に設けられている。さらに、押圧面131Bの嵌合側面113に対する傾斜角度(θ2)は、45度であることが好ましい。
【0045】
(1−2−2)オス側凹部の構成
図2に示すように、オス側凹部230は、メスハウジング110に設けられるメス側凹部130(押圧面131A又は押圧面131B)に加わる押圧力を嵌合方向AD及び離脱方向RDのうち同一方向への押圧力に変換する。このオス側凹部230は、オスハウジング210の側壁211及び側壁212における略中央、すなわち、上述したように上側端子収容列221と下側端子収容列222との間に形成されている。
【0046】
このようなオス側凹部230は、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時に用いられる嵌合用凹部230Aと、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時に用いられる離脱用凹部230Bとによって構成されている。
【0047】
嵌合用凹部230Aは、オスハウジング210の一方の側壁211に形成されている。また、嵌合用凹部230Aは、押圧面231Aを有している。この押圧面231Aは、オスハウジング210の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、側壁211)に形成された凹部の底面(奥壁)で構成されている。
【0048】
押圧面231Aは、直交方向CDからオスハウジング210に加わる押圧力を、メスコネクタ100に対する嵌合方向ADへの押圧力に変換する第1の面を構成する。また、押圧面231Aは、コネクタ平面視において、オスハウジング210の嵌合側面213から他面214に向かうに連れて側壁211から徐々に離れるように設けられる。さらに、押圧面231Aの他面214に対する傾斜角度(θ3)は、45度であることが好ましい。
【0049】
一方、離脱用凹部230Bは、オスハウジング210の他方の側壁212に形成されている。また、離脱用凹部230Bは、押圧面231Bを有している。この押圧面231Bは、オスハウジング210の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、側壁212)に形成された凹部の底面(奥壁)で構成されている。
【0050】
押圧面231Bは、直交方向CDからオスハウジング210に加わる押圧力を、メスコネクタ100に対する離脱方向RDへの押圧力に変換する第2の面を構成する。また、押圧面231Bは、コネクタ平面視において、オスハウジング210の嵌合側面213から他面214に向かうに連れて側壁212に徐々に近づくように設けられ、コネクタ平面視において押圧面231Aと略平行に設けられている。さらに、押圧面231Bの嵌合側面213に対する傾斜角度(θ4)は、45度であることが好ましい。
【0051】
(1−3)冶具の構成
次に、上述したコネクタ1のメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合及び離脱に用いられる冶具10の構成について、図面を参照しながら説明する。
図3は、第1実施形態に係る冶具10を示す斜視図である。
【0052】
図3に示すように、冶具10は、操作部10aと、該操作部10aの操作により離間接近する一対の操作片10bとを有している。この冶具10は、長尺状の第1棒状部材11と、第1棒状部材11と交差するように第1棒状部材11と連結される長尺状の第2棒状部材12とを備えている。
【0053】
(1−3−1)第1棒状部材11の構成
第1棒状部材11の一方の端部には、メス側凹部130及びオス側凹部230に押圧力を付与する押圧力付与部20(操作片10b)が設けられ、第1棒状部材11の他方の端部には、コネクタ1の着脱作業(嵌合作業及び離脱作業)を行う作業者が把持可能な第1操作部30(操作部10a)が設けられている。
【0054】
押圧力付与部20は、一対の操作片10bのうちの1つを構成し、操作片10bの他の1つ(後述する当接部材40)に対する接近により押圧面131B,231Bに接触して直交方向CDへの押圧力を付与し、該押圧面131B,231Bをメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合方向AD又は離脱方向RDに移動させる。
【0055】
具体的には、押圧力付与部20は、嵌合用凹部130Aの押圧面131A及び嵌合用凹部230Aの押圧面231Aに接触可能な嵌合用付与部21(第1の押圧力付与部)と、離脱用凹部130Bの押圧面131B及び離脱用凹部230Bの押圧面231Bに接触可能な離脱用付与部22(第2の押圧力付与部)とを有している。
【0056】
嵌合用付与部21は、押圧力付与部20の平面視において両端が突出する形状を有している。この嵌合用付与部21は、メス側凹部130における嵌合用凹部130Aの押圧面131Aに対向する傾斜面21Aと、オス側凹部230における嵌合用凹部230Aの押圧面231Aに対向する傾斜面21Bとによって構成されている。
【0057】
傾斜面21A及び傾斜面21Bは、嵌合離脱方向ARDに対応する押圧力付与部20の長手方向に沿った中心線CLに対して線対称に設けられている。傾斜面21A及び傾斜面21Bでは、押圧力付与部20の中心線CLに対するそれぞれの傾斜角度が45度であることが好ましい。
【0058】
離脱用付与部22は、押圧力付与部20の平面視において矢じり状に突出する形状を有している。この離脱用付与部22は、メス側凹部130における離脱用凹部130Bの押圧面131Bに対向する傾斜面22Aと、オス側凹部230における離脱用凹部230Bの押圧面231Bに対向する傾斜面22Bとによって構成されている。
【0059】
傾斜面22A及び傾斜面22Bは、押圧力付与部20の中心線CLに対して線対称に設けられている。傾斜面22A及び傾斜面22Bでは、押圧力付与部20の中心線CLに対するそれぞれの傾斜角度が45度であることが好ましい。
【0060】
このような押圧力付与部20は、操作片10bの他の1つに対する接近により、嵌合用付与部21と離脱用付与部22とのうちいずれか一方を、押圧面131A,231A(第1の面)及び押圧面131B,231B(第2の面)のうち対応する一方の面に選択的に接触させるように構成されている。すなわち、押圧力付与部20は、第1棒状部材11に対して回動可能に構成されている。
【0061】
(1−3−2)第2棒状部材12の構成
第2棒状部材12の一方の端部には、押圧力付与部20と対向する位置でメスコネクタ100の側壁111,112とオスコネクタ200の側壁211,212を押さえ付ける板状の当接部材40(操作片10b)が設けられ、第2棒状部材12の他方の端部には、コネクタ1の着脱作業(嵌合作業及び離脱作業)を行う作業者が把持可能な第2操作部50(操作部10a)が設けられている。
【0062】
当接部材40は、一対の操作片10bのうちの他の1つを構成し、押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100の側壁111,112とオスコネクタ200の側壁211,212から当接する当接面41を有している。
【0063】
(1−4)メスコネクタとオスコネクタとの嵌合時の説明
次に、上述した冶具10が用いられたメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第1実施形態に係るメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時を説明するための平面図である。
【0064】
図4(a)に示すように、冶具10の当接面41がメスコネクタ100の側壁112とオスコネクタ200の側壁212とに当接した状態で、冶具10の嵌合用付与部21が嵌合用凹部130A及び嵌合用凹部230Aに挿入される。
【0065】
そして、嵌合用付与部21が当接部材40に接近することにより、嵌合用付与部21(傾斜面21A及び傾斜面21B)は、嵌合用凹部130Aの押圧面131A及び嵌合用凹部230Aの押圧面231Aに当接しながら、該押圧面131A及び押圧面231Aを摺動する。これにより、ハウジング(メスハウジング110及びオスハウジング210)に加わる押圧力がメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合方向ADへの押圧力に徐々に変換されることによって、メスコネクタ100とオスコネクタ200とが徐々に近づいていく。
【0066】
その後、
図4(b)に示すように、嵌合用付与部21が嵌合用凹部130A及び嵌合用凹部230A内に全て入り込むことによって、ハウジングに加わる押圧力がメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合方向ADへの押圧力に全て変換され、メスコネクタ100とオスコネクタ200とが嵌合する。
【0067】
(1−5)メスコネクタとオスコネクタとの離脱時の説明
次に、上述した冶具10が用いられたメスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第1実施形態に係るメスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時を説明するための平面図である。
【0068】
図5(a)に示すように、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時において、冶具10の当接面41がメスコネクタ100の側壁111とオスコネクタ200の側壁211とに当接した状態で、冶具10の離脱用付与部22が離脱用凹部130B及び離脱用凹部230Bに挿入される。
【0069】
そして、離脱用付与部22が当接部材40に接近することにより、離脱用付与部22(傾斜面22A及び傾斜面22B)は、離脱用凹部130Bの押圧面131B及び離脱用凹部230Bの押圧面231Bに当接しながら、該押圧面131B及び押圧面231Bを摺動する。これにより、ハウジング(メスハウジング110及びオスハウジング210)に加わる押圧力がメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合方向ADへの押圧力に徐々に変換され、メスコネクタ100とオスコネクタ200とが徐々に離されていく。
【0070】
その後、
図5(b)に示すように、ハウジングに加わる押圧力がメスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱方向RDへの押圧力に全て変換されると、メスコネクタ100とオスコネクタ200とが離脱する。
【0071】
(1−6)作用・効果
以上説明した第1実施形態では、押圧面131A,131B,231A,231Bは、直交方向CDからハウジング(メスハウジング110又はオスハウジング210)に加わる押圧力を、メスコネクタ100及びオスコネクタ200のうち他方に対する嵌合方向AD又は離脱方向RDへの押圧力に変換する。これにより、メスコネクタ100やオスコネクタ200に接続される電線に邪魔されることなく、直交方向CDから押圧面に対して押圧力を付与することで、該押圧力が嵌合方向AD又は離脱方向RDへの押圧力に変換される。このため、着脱作業(嵌合作業及び離脱作業)を容易に行うことができるとともに、従来のようにコネクタにレバーを設けることがない。
【0072】
また、レバーが不要になることに伴い、部品点数を減少させることができ、製造コストの低減を図ることができる。さらに、メスコネクタ100とオスコネクタ200とを一度嵌合してしまえば、メスコネクタ100とオスコネクタ200とを離脱させるまでは、コネクタ1の嵌合又は離脱に用いられる冶具10等が不要となる。このため、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時において、冶具10等をコネクタ1自体に設ける必要ないため、コネクタ1の縮小化を図ることもできる。
【0073】
第1実施形態では、押圧面131A,131B,231A,231Bは、ハウジング(メスハウジング110又はオスハウジング210)の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面に形成された凹部の底面で構成されている。これにより、ハウジングに凹部が形成されない場合と比較して、ハウジングに使用される材料を減少させることができ、製造コストの低減をさらに図ることができる。
【0074】
第1実施形態では、押圧面131A,131B,231A,231Bは、メスコネクタ100及びオスコネクタ200のそれぞれのメスハウジング110及びオスハウジング210に設けられている。これにより、押圧面がメスハウジング110又はオスハウジング210の一方に設けられる場合と比較して、直交方向CDからハウジングに加わる押圧力を嵌合方向AD又は離脱方向RDへの押圧力に変換しやすくなる。このため、メスコネクタ100とオスコネクタ200との着脱作業をスムースに行うことができ、着脱作業がさらに容易となる。
【0075】
第1実施形態では、押圧面は、直交方向CDからハウジングに加わる押圧力を嵌合方向ADへの押圧力に変換する第1の面(押圧面131A及び押圧面231A)と、該ハウジングに加わる押圧力を離脱方向RDへの押圧力に変換する第2の面(押圧面131B及び押圧面231B)とを有している。これにより、直交方向CDからハウジングに加わる押圧力を嵌合方向AD又は離脱方向RDへの押圧力に変換できるため、嵌合方向ADのみへの押圧力の変換や離脱方向RDのみへの押圧力の変換と比較して、メスコネクタ100とオスコネクタ200との着脱作業の自由度が増大する。
【0076】
第1実施形態では、メス側凹部130及びオス側凹部230(変換部)は、メスハウジング110の側壁111及び側壁112における略中央や、オスハウジング210の側壁211及び側壁212における略中央に設けられる。これにより、直交方向CDからの押圧力が側壁111及び側壁112における略中央に加わるため、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合離脱が安定し易くなる。
【0077】
(1−7)変更例
次に、上述した第1実施形態に係るコネクタ1及び冶具10の変更例について、(1−7−1)変更例1、(1−7−2)変更例2、(1−7−3)変更例3の順に説明する。なお、上述した第1実施形態に係るコネクタ1及び冶具10と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0078】
(1−7−1)変更例1
まず、変更例1に係るコネクタ1A及び冶具10Aの構成について、図面を参照しながら説明する。
図6(a)は、第1実施形態の変更例1に係るコネクタ1Aを示す斜視図であり、
図6(b)は、第1実施形態の変更例1に係る冶具10Aを示す斜視図である。
図7は、第1実施形態の変更例1に係るメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時を説明するための平面図である。
【0079】
変更例1では、
図6(a)及び
図7に示すように、メスコネクタ100に設けられるメス側凹部130は、一対の嵌合用凹部130Aによって構成されている。すなわち、変更例1では、第1実施形態で説明した離脱用凹部130Bの代わりに、もう1つの嵌合用凹部130Aが設けられている。同様に、オスコネクタ200に設けられるオス側凹部230についても、一対の嵌合用凹部230Aによって構成されている。
【0080】
この場合、
図6(b)及び
図7に示すように、冶具10Aに設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11の一方の端部に設けられることに加えて、第2棒状部材12の一方の端部にも設けられる。この一対の押圧力付与部20には、それぞれ嵌合用付与部21のみが設けられ、第1棒状部材11又は第2棒状部材12に対して非回動の状態で固定されている。
【0081】
ここで、一対の押圧力付与部20の何れか一方は、当接部材40に相当する。すなわち、変更例1では、第2棒状部材12に設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11に設けられる押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100及びオスコネクタ200のハウジングに直交方向CDから当接する当接部材40に相当する。
【0082】
以上説明した変更例1では、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱が不要な場合においても、直交方向CDからの押圧力が嵌合方向ADへの押圧力にスムースに変換され、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が嵌合方向ADに対して互いにスムースに移動できるため、嵌合作業がさらに容易となる。
【0083】
なお、変更例1では、メス側凹部130は、一対の嵌合用凹部130Aによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも一つの嵌合用凹部130Aが設けられていればよい。同様に、オス側凹部230についても、少なくとも一つの嵌合用凹部230Aが設けられていればよい。この場合、押圧力付与部20についても、第1棒状部材11又は第2棒状部材12の何れか一方に設けられていればよい。
【0084】
(1−7−2)変更例2
次に、変更例2に係るコネクタ1B及び冶具10Bの構成について、図面を参照しながら説明する。
図8(a)は、第1実施形態の変更例2に係るコネクタ1Bを示す斜視図であり、
図8(b)は、第1実施形態の変更例2に係る冶具10Bを示す斜視図である。
図9は、第1実施形態の変更例2に係るメスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時を説明するための平面図である。
【0085】
変更例2では、
図8(a)及び
図9に示すように、メスコネクタ100に設けられるメス側凹部130は、一対の離脱用凹部130Bによって構成されている。すなわち、変更例2では、第1実施形態で説明した嵌合用凹部130Aの代わりに、もう1つの離脱用凹部130Bが設けられている。同様に、オスコネクタ200に設けられるオス側凹部230についても、一対の離脱用凹部230Bによって構成されている。
【0086】
この場合、
図8(b)及び
図9に示すように、冶具10Bに設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11の一方の端部に設けられることに加えて、第2棒状部材12の一方の端部にも設けられる。この一対の押圧力付与部20には、それぞれ離脱用付与部22のみが設けられ、第1棒状部材11又は第2棒状部材12に対して非回動の状態で固定されている。
【0087】
ここで、一対の押圧力付与部20の何れか一方は、上述した変更例1と同様に、当接部材40に相当する。すなわち、変更例2では、第2棒状部材12に設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11に設けられる押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100及びオスコネクタ200のハウジングに直交方向CDから当接する当接部材40に相当する。
【0088】
以上説明した変更例2では、メスコネクタ100とオスコネクタ200との着脱が不要な場合においても、直交方向CDからの押圧力が離脱方向RDへの押圧力にスムースに変換され、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が離脱方向RDに対して互いにスムースに移動できるため、離脱作業がさらに容易となる。
【0089】
なお、変更例2では、メス側凹部130は、一対の離脱用凹部230Bによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも一つの離脱用凹部230Bが設けられていればよい。同様に、オス側凹部230も、少なくとも一つの離脱用凹部230Bが設けられていればよい。この場合、押圧力付与部20についても、第1棒状部材11又は第2棒状部材12の何れか一方に設けられていればよい。
【0090】
(1−7−3)変更例3
次に、変更例3に係るコネクタ1C及び冶具10Cの構成について、図面を参照しながら説明する。
図10(a)は、第1実施形態の変更例3に係るコネクタ1Cを示す斜視図であり、
図10(b)は、第1実施形態の変更例3に係る冶具10Cを示す斜視図である。
【0091】
変更例3では、
図10(a)に示すように、メスハウジング110の側壁111,112には、嵌合用凹部130Aと、該嵌合用凹部130Aと上下方向に連なる離脱用凹部130Bとが形成されている。同様に、オスハウジング210の両方の側壁211,122には、嵌合用凹部230Aと、該嵌合用凹部230Aと上下方向に連なる離脱用凹部230Bとが形成されている。
【0092】
この場合、
図10(b)に示すように、冶具10Cに設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11の一方の端部に設けられることに加えて、第2棒状部材12の一方の端部にも設けられる。この一対の押圧力付与部20は、第1実施形態と同様に第1棒状部材11又は第2棒状部材12のそれぞれに対して回動可能に構成されている。
【0093】
ここで、一対の押圧力付与部20の何れか一方は、上述した変更例1及び変更例2と同様に、当接部材40に相当する。すなわち、変更例3では、第2棒状部材12に設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11に設けられる押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100及びオスコネクタ200のハウジングに直交方向CDから当接する当接部材40に相当する。
【0094】
以上説明した変更例3では、冶具10Cを用いて着脱作業(嵌合作業及び離脱作業)を行う際、直交方向CDからの押圧力が嵌合離脱方向ARDへの押圧力にスムースに変換され、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が嵌合離脱方向ARDに対して互いにスムースに移動できるため、着脱作業がさらに容易となる。
【0095】
なお、変更例3では、嵌合用凹部130Aと離脱用凹部130Bとは、該嵌合用凹部130Aと上下方向に連なるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、嵌合用凹部130Aと離脱用凹部130Bとの間に仕切壁が設けられていてもよい。同様に、嵌合用凹部230Aと離脱用凹部230Bにおいても、例えば、嵌合用凹部230Aと離脱用凹部230Bとの間に仕切壁が設けられていてもよい。
【0096】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係るコネクタ1D及び冶具10Dの構成について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(2−1)コネクタの構成、(2−2)冶具の構成、(2−3)作用・効果、(2−4)変更例の順に説明する。なお、上述した第1実施形態に係るコネクタ1及び冶具10と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0097】
(2−1)コネクタの構成
まず、第2実施形態に係るコネクタ1Dの構成について、図面を参照しながら説明する。
図11は、第2実施形態に係るコネクタ1Dを示す斜視図である。
【0098】
上述した第1実施形態では、メスコネクタ100(メスハウジング110)には、メス側凹部130が設けられ、オスコネクタ200(オスハウジング210)には、オス側凹部230が設けられる。
【0099】
これに対して、第2実施形態では、
図11に示すように、メスハウジング110には、メスハウジング110の上壁115及び下壁116から外側に向けて突出するメス側凸部140が設けられている。また、オスハウジング210には、オスハウジング210の上壁215及び下壁216から外側に向けて突出するオス側凸部240が設けられている。
【0100】
このようなメス側凸部140及びオス側凸部240は、メスハウジング110又はオスハウジング210に加わる押圧力を変換する変換部を構成する。このメス側凸部140及びオス側凸部240は、メスコネクタ100とオスコネクタ200の嵌合離脱方向ARDと該嵌合離脱方向ARDに対して直交する直交方向CDとの双方に対して傾斜した押圧面141A,141B,241A,241Bをそれぞれ有している。
【0101】
(2−1−1)メス側凸部の構成
メス側凸部140は、メスハウジング110に加わる押圧力を変換する。このメス側凸部140は、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時に用いられる嵌合用凸部140Aと、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時に用いられる離脱用凸部140Bとによって構成される。
【0102】
嵌合用凸部140Aは、メスハウジング110の一方の側壁111寄りに形成されているる。また、嵌合用凸部140Aは、押圧面141Aを有している。この押圧面141Aは、メスハウジング110の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、上壁115及び下壁116)に形成された凸部の表面(側面)で構成されている。
【0103】
押圧面141Aは、直交方向CDからメスハウジング110に加わる押圧力を、オスコネクタ200に対する嵌合方向ADへの押圧力に変換する第1の面を構成する。また、押圧面141Aは、コネクタ平面視において、メスハウジング110の嵌合側面113から他面114に向かうに連れて側壁111から徐々に離れるように設けられる。また、押圧面141Aの他面114に対する傾斜角度は、45度であることが好ましい。
【0104】
一方、離脱用凸部140Bは、メスハウジング110の他方の側壁112寄りに形成される。また、離脱用凸部140Bは、押圧面141Bを有している。この押圧面141Bは、メスハウジング110の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、上壁115及び下壁116)に形成された凸部の表面(側面)で構成されている。
【0105】
押圧面141Bは、直交方向CDからメスハウジング110に加わる押圧力を、オスコネクタ200に対する離脱方向RDへの押圧力に変換する第2の面を構成する。また、押圧面141Bは、コネクタ平面視において、メスハウジング110の嵌合側面113から他面114に向かうに連れて側壁112に徐々に近づくように設けられ、押圧面141Aと略平行に設けられている。また、押圧面141Bの嵌合側面113に対する傾斜角度は、45度であることが好ましい。
【0106】
(2−1−2)オス側凸部の構成
オス側凸部240は、メスハウジング110に設けられるメス側凸部140(押圧面141A又は押圧面141B)に加わる押圧力を嵌合方向AD及び離脱方向RDのうち同一方向への押圧力に変換する。このオス側凸部240は、メスコネクタ100とオスコネクタ200との嵌合時に用いられる嵌合用凸部240Aと、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱時に用いられる離脱用凸部240Bとによって構成される。
【0107】
嵌合用凸部240Aは、オスハウジング210の一方の側壁211寄りに形成されているる。また、嵌合用凸部240Aは、押圧面241Aを有している。この押圧面241Aは、オスハウジング210の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、上壁215及び下壁216)に形成された凸部の表面(側面)で構成されている。
【0108】
この押圧面241Aは、直交方向CDからオスハウジング210に加わる押圧力を、メスコネクタ100に対する嵌合方向ADへの押圧力に変換する第1の面を構成する。また、押圧面241Aは、コネクタ平面視において、オスハウジング210の嵌合側面213から他面214に向かうに連れて側壁211から徐々に離れるように設けられる。また、押圧面241Aの他面214に対する傾斜角度は、45度であることが好ましい。
【0109】
一方、離脱用凸部240Bは、オスハウジング210の他方の側壁212寄りに形成される。また、離脱用凸部240Bは、押圧面241Bを有している。この押圧面241Bは、オスハウジング210の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面(すなわち、上壁215及び下壁216)に形成された凸部の表面(側面)で構成されている。
【0110】
この押圧面241Bは、直交方向CDからオスハウジング210に加わる押圧力を、オスコネクタ200に対する離脱方向RDへの押圧力に変換する第2の面を構成する。また、押圧面241Bは、コネクタ平面視において、オスハウジング210の嵌合側面213から他面214に向かうに連れて側壁212に徐々に近づくように設けられ、押圧面241Aと略平行に設けられている。また、押圧面241Bの嵌合側面213に対する傾斜角度は、45度であることが好ましい。
【0111】
(2−2)冶具の構成
次に、第2実施形態に係る冶具10Dの構成について、図面を参照しながら説明する。
図12は、第2実施形態に係る冶具10Dを示す斜視図である。
【0112】
図12に示すように、冶具10Dにおける第1棒状部材11の一方の端部には、二つの押圧力付与部20が設けられている。この二つの押圧力付与部20の間隔は、コネクタ1Dの高さ(メスハウジング110の上壁115と下壁116との間隔及びオスハウジング210の上壁215と下壁216との間隔)とほぼ同等である。その他、二つの押圧力付与部20の構成については、上述した第1実施形態に係る冶具10と同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0113】
(2−3)作用・効果
以上説明した第2実施形態では、第1実施形態の作用・効果と同様に、着脱作業を容易にしつつ、製造コストの低減及びコネクタ1Dの縮小化を図ることができる。
【0114】
また、第2実施形態では、押圧面は、ハウジング(メスハウジング110及びオスハウジング210)の嵌合離脱方向ARDと平行に延在する表面に形成された凸部の表面で構成されている。これにより、ハウジングに凸部が形成されない場合と比較して、ハウジングの強度を確保しやすく、コネクタ1Dの耐久性を向上させることができる。
【0115】
(2−4)変更例
次に、上述した第2実施形態に係るコネクタ1D及び冶具10Dの変更例について、(2−4−1)第2実施形態の変更例1、(2−4−2)第2実施形態の変更例2の順に説明する。なお、上述した第2実施形態に係るコネクタ1D及び冶具10Dと同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0116】
(2−4−1)変更例1
まず、変更例1に係るコネクタ1E及び冶具10Eの構成について、図面を参照しながら説明する。
図13(a)は、第2実施形態の変更例1に係るコネクタ1Eを示す斜視図であり、
図13(b)は、第2実施形態の変更例1に係る冶具10Eを示す斜視図である。
【0117】
変更例1では、
図13(a)に示すように、メスコネクタ100に設けられるメス側凸部140は、一対の嵌合用凸部140Aによって構成されている。すなわち、変更例1では、第2実施形態で説明した離脱用凸部140Bの代わりに、もう1つの嵌合用凸部140Aが設けられている。同様に、オスコネクタ200に設けられるオス側凸部240についても、一対の嵌合用凸部240Aによって構成されている。
【0118】
この場合、
図13(b)に示すように、冶具10Eに設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11の一方の端部に二つ設けられることに加えて、第2棒状部材12の一方の端部にも二つ設けられる。これらの押圧力付与部20には、それぞれ嵌合用付与部21のみが設けられ、第1棒状部材11又は第2棒状部材12に対して非回動の状態で固定されている。
【0119】
ここで、一対の押圧力付与部20の何れか一方は、当接部材40に相当する。すなわち、変更例1では、第2棒状部材12に設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11に設けられる押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100及びオスコネクタ200のハウジングに直交方向CDから当接する当接部材40に相当する。
【0120】
以上説明した変更例1では、メスコネクタ100とオスコネクタ200との離脱が不要な場合においても、直交方向CDからの押圧力が嵌合方向ADへの押圧力にスムースに変換され、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が嵌合方向ADに対して互いにスムースに移動できるため、嵌合作業がさらに容易となる。
【0121】
なお、メス側凸部140は、一対の嵌合用凸部140Aによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも一つの嵌合用凸部140Aが設けられていればよい。同様に、オス側凸部240も、少なくとも一つの嵌合用凸部240Aが設けられていればよい。この場合、押圧力付与部20についても、第1棒状部材11又は第2棒状部材12の何れか一方に設けられていればよい。
【0122】
(2−4−2)変更例2
まず、変更例2に係るコネクタ1F及び冶具10Fの構成について、図面を参照しながら説明する。
図14(a)は、第2実施形態の変更例2に係るコネクタ1Fを示す斜視図であり、
図14(b)は、第2実施形態の変更例2に係る冶具10Fを示す斜視図である。
【0123】
変更例2では、
図14(a)に示すように、メスコネクタ100に設けられるメス側凸部140は、一対の離脱用凸部140Bによって構成されている。すなわち、変更例2では、第1実施形態で説明した嵌合用凸部140Aの代わりに、もう1つの離脱用凸部140Bが設けられている。同様に、オスコネクタ200に設けられるオス側凸部240についても、一対の離脱用凸部240Bによって構成されている。
【0124】
この場合、
図14(b)に示すように、冶具10Fに設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11の一方の端部に二つ設けられることに加えて、第2棒状部材12の一方の端部にも二つ設けられる。これらの押圧力付与部20には、それぞれ離脱用付与部22のみが設けられ、第1棒状部材11又は第2棒状部材12に対して非回動の状態で固定されている。
【0125】
ここで、一対の押圧力付与部20の何れか一方は、上述した変更例1と同様に、当接部材40に相当する。すなわち、変更例2では、第2棒状部材12に設けられる押圧力付与部20は、第1棒状部材11に設けられる押圧力付与部20に対する接近によりメスコネクタ100及びオスコネクタ200のハウジングに直交方向CDから当接する当接部材40に相当する。
【0126】
以上説明した変更例2では、メスコネクタ100とオスコネクタ200との着脱が不要な場合においても、直交方向CDからの押圧力が離脱方向RDへの押圧力にスムースに変換され、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が離脱方向RDに対して互いにスムースに移動できるため、離脱作業がさらに容易となる。
【0127】
なお、メス側凸部140は、一対の離脱用凸部140Bによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも一つの離脱用凸部140Bが設けられていればよい。同様に、オス側凸部240も、少なくとも一つの離脱用凸部240Bが設けられていればよい。この場合、押圧力付与部20についても、第1棒状部材11又は第2棒状部材12の何れか一方に設けられていればよい。
【0128】
(3)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0129】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、上述した実施形態や変更例など、様々な構成を組み合わせることも可能であることは勿論である。
【0130】
また、変換部(メス側凹部130及びオス側凹部230やメス側凸部140及びオス側凸部240)として、必ずしもメスハウジング110及びオスハウジング210に形成される必要はなく、何れか一方のハウジングに形成されていればよい。この場合、押圧力付与部20は、メスハウジング110及びオスハウジング210のうち少なくとも一方のハウジングに設けられた押圧面に接触して直交方向CDへの押圧力を付与し、押圧面をメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合方向AD又は離脱方向RDに移動させる。
【0131】
また、押圧面131A,131B,231A,231Bは、平面によって形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、湾曲状の面や階段状の面によって形成されていてもよい。この場合、冶具10の押圧力付与部20についても、押圧面の形状に一致する形状を有することとなる。
【0132】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。