特許第5793358号(P5793358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793358
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20150928BHJP
   H01R 13/629 20060101ALI20150928BHJP
   H01R 13/74 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H01R13/64
   H01R13/629
   H01R13/74 D
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-147249(P2011-147249)
(22)【出願日】2011年7月1日
(65)【公開番号】特開2013-16304(P2013-16304A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2014年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】清水 智彦
(72)【発明者】
【氏名】田代 晃教
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 哲広
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 和也
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−282183(JP,A)
【文献】 特開2008−027787(JP,A)
【文献】 特開2009−135071(JP,A)
【文献】 特開2011−081951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/629
H01R 13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、該第1コネクタと嵌合可能な第2コネクタと、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの何れか一方に設けられるとともに回動によって前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを嵌合させるレバーとを備え、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが嵌合状態でパネルに形成された取付孔に取り付けられるレバー式コネクタであって、
前記第1コネクタは、ハウジングと、該ハウジングを覆うフレームとを備え、
前記フレームは、本体部と、該本体部の一方の縁部に設けられるとともに前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの嵌合方向に対して直交する直方向に向かって突出するフランジ部とを備え、
前記フランジ部は、前記本体部側に位置する前面に設けられるとともに、可撓性を有する係止部を備え、
前記レバーは、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの正規嵌合状態において前記係止部と係止する被係止部を備え、
前記係止部は、前記フランジ部の前面側から離れる方向に向かって突出する突出部分と、前記突出部分の先端から前記レバーの回動方向の内方に向かって屈曲する屈曲部分とによって構成され、
前記被係止部には、前記屈曲部分が挿入される挿入孔が形成され、
前記係止部は、前記被係止部と係止した状態では前記取付孔の孔縁に当接せずに、前記被係止部と係止していない状態では前記取付孔の孔縁に当接することを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のレバー式コネクタであって、
前記フランジ部は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの半嵌合状態において、前記取付孔の孔縁に当接する当接部を備え、
前記当接部は、前記係止部と異なる位置に設けられることを特徴とするレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに取り付けるレバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パネルに取り付けるタイプのレバー式コネクタとしては、メスコネクタ(第1コネクタ)と、メスコネクタと嵌合可能なオスコネクタ(第2コネクタ)と、オスコネクタに設けられ回動によって両コネクタを嵌合させるレバーとを備える。このレバー式コネクタは、両コネクタが嵌合状態でパネルに形成された取付孔に取り付けられる。
【0003】
このようなレバー式コネクタでは、パネルの取付孔の孔縁と干渉可能な干渉部が、レバーの回動方向後面側となる側面に形成されている(例えば、特許文献1参照)。この干渉部は、両コネクタが正規嵌合状態であるときにはパネルの取付孔の孔縁とは非干渉となり、両コネクタが半嵌合状態であるときには取付孔の孔縁と干渉する。これにより、両コネクタをパネルの取付孔に取り付ける過程で、干渉部が取付孔の孔縁と干渉するか否かによって、両コネクタの嵌合状態を検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−359037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のレバー式コネクタでは、干渉部がレバーの回動方向後面側となる側面に設けられるため、レバーが両コネクタの嵌合方向に対して水平方向に近くなると、干渉部と取付孔の孔縁との干渉が小さくなり、両コネクタが半嵌合状態であるにも関わらず、この半嵌合状態を検知することが困難であった。加えて、この半嵌合状態の検知を向上させるために、干渉部をレバーの回動方向外方に張り出させることが考えられるが、レバー式コネクタが大型化してしまう恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、大型化を抑制しつつ、第1コネクタ及び第2コネクタの嵌合状態を確実に検知できるレバー式コネクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、第1コネクタと、該第1コネクタと嵌合可能な第2コネクタと、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの何れか一方に設けられるとともに回動によって前記第1コネクタ及び前記第2コネクタを嵌合させるレバーとを備え、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが嵌合状態でパネルに形成された取付孔に取り付けられるレバー式コネクタであって、前記第1コネクタは、ハウジングと、該ハウジングを覆うフレームとを備え、前記フレームは、本体部と、該本体部の一方の縁部に設けられるとともに前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの嵌合方向に対して直交する直方向に向かって突出するフランジ部とを備え、前記フランジ部は、前記本体部側に位置する前面に設けられるとともに、可撓性を有する係止部を備え、前記レバーは、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの正規嵌合状態において前記係止部と係止する被係止部を備え、前記係止部は、前記フランジ部の前面側から離れる方向に向かって突出する突出部分と、前記突出部分の先端から前記レバーの回動方向の内方に向かって屈曲する屈曲部分とによって構成され、前記被係止部には、前記屈曲部分が挿入される挿入孔が形成され、前記係止部は、前記被係止部と係止した状態では前記取付孔の孔縁に当接せずに、前記被係止部と係止していない状態では前記取付孔の孔縁に当接することを要旨とする。
【0008】
かかる特徴によれば、フランジ部は、本体部の一方の縁部に設けられる。これにより、従来のような干渉部をレバーに設ける必要がないため、このような干渉部がレバーの回動方向外方に張り出すことなく、レバー式コネクタの大型化を抑制できる。
【0009】
また、係止部は、被係止部と係止した状態では取付孔の孔縁に当接せずに、被係止部と係止していない状態では取付孔の孔縁に当接する。すなわち、係止部は、第1コネクタ及び第2コネクタの正規嵌合状態では取付孔の孔縁に当接せずに、第1コネクタ及び第2コネクタの半嵌合状態では取付孔の孔縁に当接する。このため、第1コネクタ及び第2コネクタの半嵌合状態であることを検知でき、すなわち、第1コネクタ及び第2コネクタの嵌合状態を確実に検知できる。
【0011】
さらに、屈曲部分は、レバーの挿入孔に挿入される。これにより、係止部は、第1コネクタ及び第2コネクタの正規嵌合状態において被係止部に確実に係止され、第1コネクタ及び第2コネクタの半嵌合状態において被係止部に挿入されない。このため、第1コネクタ及び第2コネクタの嵌合状態をより確実に検知できる。
【0012】
本発明の第の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記フランジ部は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの半嵌合状態において、前記取付孔の孔縁に当接する当接部を備え、前記当部は、前記係止部と異なる位置に設けられることを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、当部は、係止部と異なる位置に設けられる。これにより、係止部の取付孔の孔縁への当接による第1コネクタ及び第2コネクタの半嵌合状態を検知することに加えて、当設部の取付孔の孔縁への当接によっても第1コネクタ及び第2コネクタの半嵌合状態を検知できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の特徴によれば、大型化を抑制しつつ、第1コネクタ及び第2コネクタの嵌合状態を確実に検知できるレバー式コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1を示す分解斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1を示す側面図である。
図3図3は、本実施形態に係るフレーム120の斜視図である。
図4図4(a)は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1においてメスコネクタ100及びオスコネクタ200の仮嵌合状態を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)の係止部123及び被係止部330近傍を示す拡大図である。
図5図5(a)は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1においてメスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)の係止部123及び被係止部330近傍を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係るレバー式コネクタの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)レバー式コネクタ1の構成、(2)メスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合状態の説明、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。
【0017】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0018】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0019】
(1)レバー式コネクタ1の構成
まず、本実施形態に係るレバー式コネクタ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1を示す分解斜視図である。図2は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1を示す側面図である。図3は、本実施形態に係るフレーム120の斜視図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、レバー式コネクタ1は、メスコネクタ100(第1コネクタ)と、該メスコネクタ100と嵌合可能なオスコネクタ200(第2コネクタ)と、メスコネクタ100に設けられるとともに回動によってメスコネクタ100及びオスコネクタ200を嵌合させるレバー300とを備え、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が嵌合状態でパネルPに形成された取付孔Hに取り付けられる。
【0021】
メスコネクタ100は、インナハウジング110と、該インナハウジング110を覆うフレーム120とを備える。インナハウジング110は、2つの筐体部材を上下に2段重ねた構造をなしている。インナハウジング110は、複数のメス端子111(図4及び図5参照)を収容する端子収容室112がメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合方向に沿った状態で形成されている。この端子収容室112の後側(図面では、右側)からは、メス端子111に接続される電線(不図示)が導出される。このようなインナハウジング110は、フレーム120内に収容される。
【0022】
フレーム120は、レバー300が設けられる本体部121と、本体部121の一方の縁部に設けられるとともにメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合方向に対して直交する直行方向に向かって突出するフランジ部122とを備えている。
【0023】
本体部121は、メスコネクタ100が装着され、該メスコネクタ100にオスコネクタ200が嵌合することによって、メスコネクタ100及びオスコネクタ200を収容する。この本体部121には、パネルPに形成された取付孔Hに係止される複数のパネルロック121Aが形成されている。また、本体部121は、フランジ部122と一体に形成される。
【0024】
フランジ部122は、パネルPに形成された取付孔Hよりも直行方向に向かって大きく突出しており、フレーム120が取付孔Hに取り付けられる際に取付孔Hを覆うように形成される。
【0025】
また、フランジ部122は、図3に示すように、本体部121側に位置する前面122Aに設けられるとともに、可撓性を有する係止部123を備えている。この係止部123は、鈎状をなしている。具体的には、係止部123は、フランジ部122の前面122A側から離れる方向に向かって突出する突出部分123Aと、突出部分123Aの先端からレバー300の回動方向の内方に向かって屈曲する屈曲部分123Bとを備える。
【0026】
なお、レバー300の回動方向の内方とは、レバー300の回動によって描かれる軌跡に対する内方を示す。すなわち、ここでは、レバー300の回動方向の内方がレバー300の回動の軌跡からレバー300の軸支部310に向かう方向となり、レバー300の回動方向の外方がレバー300の回動の軌跡から外側に離れる方向となる。
【0027】
このような係止部123は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態において取付孔Hの孔縁に対応する位置に形成されている。また、係止部123は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態では取付孔Hの孔縁に当接せずに、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態では取付孔Hの孔縁に当接する。この係止部123は、レバー300の回動操作の後半においてレバー300の被係止部330に当接され、レバー300の回動操作の終了時において被係止部330に係止されることになる。
【0028】
また、フランジ部122は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態において、取付孔Hの孔縁に当接する当接部124を備える。この当接部124は、係止部123と異なる位置に設けられ、本実施形態では、フランジ部122の上面に設けられる。
【0029】
オスコネクタ200は、インナハウジング110よりも大きな2つの筐体部材を上下に2段重ねた構造をなしている。オスコネクタ200は、メス端子111が接続される複数のオス端子211(図4及び図5参照)を収容する端子収容室212が嵌合方向に沿った状態で形成されている。この端子収容室212の後側(図面では、左側)からは、オス端子211に接続される電線(不図示)が導出される。
【0030】
また、オスコネクタ200の両側面には、レバー300のカム溝311に挿入されるカムフォロア213がそれぞれ突設されている。このオスコネクタ200は、カムフォロア213がカム溝311に挿入され、レバー300の回動によってインナハウジング110と嵌合される。これにより、複数のメス端子111と複数のオス端子211とが互いに接続される。
【0031】
レバー300は、両側面にそれぞれ設けられた軸支部310でフレーム120に回動可能に組み付けられている。このレバー300は、オスコネクタ200のカムフォロア213がカム溝311に挿入された状態、すなわちメスコネクタ100及びオスコネクタ200の仮嵌合状態で、操作部320を押圧操作することにより回動する。そして、レバー300は、てこ作用によってメスコネクタ100とオスコネクタ200とを正規嵌合状態にさせる。このようなレバー300は、フレーム120の係止部123に係止される被係止部330を備えている。
【0032】
被係止部330は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態において、係止部と係止する。この被係止部330には、係止部123(屈曲部分123B)が挿入される挿入孔331が形成される。また、被係止部330には、頂部から傾斜する傾斜面が設けられている。
【0033】
このような被係止部330は、レバー300の回動操作によって係止部123に当接すると、係止部123をレバー300の回動方向外方に撓ませる。この状態からさらにレバー300の回動操作が継続されると、係止部123は、被係止部330を乗り越えてレバー300の回動方向内方に向けて復元され、被係止部330に係止される。この係止部123と被係止部330との係止により、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態が保持される。
【0034】
(2)メスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合状態の説明
次に、上述したメスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合状態について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4(a)は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1においてメスコネクタ100及びオスコネクタ200の仮嵌合状態を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)の係止部123及び被係止部330近傍を示す拡大図である。
【0035】
図5(a)は、本実施形態に係るレバー式コネクタ1においてメスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)の係止部123及び被係止部330近傍を示す拡大図である。なお、レバー式コネクタ1は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200が予め嵌合した状態でパネルPに形成された取付孔Hに取り付けられる。
【0036】
メスコネクタ100及びオスコネクタ200の仮嵌合状態では、図4に示すように、レバー式コネクタ1をパネルPに取り付けるとき、係止部123は、パネルPに形成された取付孔Hの孔縁(下端縁)に当接する。言い換えると、係止部123は、被係止部330と係止していない状態では取付孔Hの孔縁に当接する。これにより、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態を検知できる。
【0037】
ここで、図4に示すようなメスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態である場合において、レバー式コネクタ1をパネルPに形成された取付孔Hの上方にずらして係止部123と取付孔Hの孔縁との当接を回避することが考えられる。しかしながら、この場合には、当接部124が取付孔Hの孔縁(上端縁)に当接されるため、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態を検知できる。
【0038】
一方、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態では、図5に示すように、係止部123は、被係止部330が被係止部330を乗り越えて、レバー300の回動方向内方に復元されている。これにより、レバー式コネクタ1をパネルPに取り付けるとき、係止部123がパネルPに形成された取付孔Hの孔縁(下端縁)へ当接することを回避できる。言い換えると、係止部123は、被係止部330と係止した状態では取付孔Hの孔縁に当接しない。そして、パネルPに形成された取付孔Hにパネルロック121Aが係止されることにより、レバー式コネクタ1がパネルPに取り付けられる。
【0039】
(3)作用・効果
以上説明した本実施形態では、フランジ部122は、本体部121の一方の縁部に設けられる。これにより、従来のような干渉部をレバー300の回動方向外方に張り出させることがないため、レバー式コネクタ1の大型化を抑制できる。
【0040】
また、係止部123は、被係止部330と係止した状態では取付孔Hの孔縁に当接せずに、被係止部330と係止していない状態では取付孔Hの孔縁に当接する。すなわち、係止部123は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態では取付孔Hの孔縁に当接せずに、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態では取付孔Hの孔縁に当接する。このため、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態であることを検知でき、すなわち、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合状態を確実に検知できる。
【0041】
本実施形態では、屈曲部分123Bは、レバー300の挿入孔331に挿入される。これにより、係止部123は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態において被係止部330に確実に係止される。このため、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の嵌合状態をより確実に検知できる。
【0042】
本実施形態では、当接部124は、係止部123と異なる位置に設けられる。これにより、係止部123における取付孔Hの孔縁への当接によるメスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態を検知することに加えて、当接部124における取付孔Hの孔縁への当接によってもメスコネクタ100及びオスコネクタ200の半嵌合状態を検知できる。
【0043】
本実施形態では、係止部123は、メスコネクタ100及びオスコネクタ200の正規嵌合状態において取付孔Hの孔縁に対応する位置に形成されている。これにより、メスコネクタ100及びオスコネクタ200がパネルPに形成された取付孔Hに取り付けられると、係止部123が取付孔Hの孔縁によりレバー300の回動方向の外方に向けて撓まなくなる。このため、係止部123が取付孔Hの孔縁から外れることを防止できる。
【0044】
(4)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0045】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、メスコネクタ100は、インナハウジング110とフレーム120とが別体で形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、インナハウジング110とフレーム120とが一体に形成されていてもよい。
【0046】
また、レバー300は、メスコネクタ100(フレーム120)に設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、オスコネクタ200に設けられていてもよい。
【0047】
また、フランジ部122は、当接部124を備えるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、当接部124を備えていなくてもよい。
【0048】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0049】
1…レバー式コネクタ
100…メスコネクタ(第1コネクタ)
110…インナハウジング
120…フレーム
121…本体部
122…フランジ部
122A…前面
123…係止部
123A…突出部分
123B…屈曲部分
124…当接部
200…オスコネクタ(第2コネクタ)
300…レバー
330…被係止部
331…挿入孔
図1
図2
図3
図4
図5