(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記おもり部材は、ヒール−トウ方向におもり部材幅をさらに有し、前記おもり部材幅の前記クラブヘッド全幅に対する比率は少なくとも0.3である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記おもり部材は、溶接、ろう付け、接着剤接合、および機械的留め具からなる群から選択された取り付け方法で前記本体に固定される、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
クラブヘッド総質量をさらに有し、前記おもり部材の前記質量の前記クラブヘッド総質量に対する比率は少なくとも0.04である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記おもり部材は第1の材料を含み、前記周縁凹部は、前記第1の材料とは異なる第2の材料を少なくとも部分的に充填される、請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
前記おもり部材の前記第1の面は第1の位置決め体を有し、前記本体の前記内側面は第2の位置決め体を有し、前記第1および第2の位置決め体は互いに相補的である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0015】
説明することを目的としているため、これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。すべての図面において、同じ部品は同じ参照数字で示されている。
【0016】
本発明の1つまたは複数の態様によるゴルフクラブヘッドの例が、下記に提示する1つまたは複数の定義を使用して説明される。
【0017】
図1〜1(c)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、トウ部分108、ヒール部分110、底部部分112、上部部分114、前縁116を有する打撃面106、およびシャフト(図示せず)を受け入れるためのホーゼル100を含む。ホーゼル100は、ホーゼル中心線102(
図1(a)を参照のこと)を有する。打撃面106は、クラブヘッド101と一体とするか、または、例えば、溶接、ろう付け、接着剤結合、または機械的な結合によってクラブヘッドに結合することができる。打撃面106はフェースセンタ118を含む。
【0018】
図1(a)〜1(c)を参照すると、「フェースセンタ」、例えば、フェースセンタ118は、本明細書において、ヒール−トウ軸120が上部−底部軸122に直交する座標系を有するテンプレート126を使用して位置を特定することができる。開孔124は座標系の原点に配置され、軸には等間隔刻みで目盛りが付けられている。テンプレート126は、可撓性材料、例えば、透明なシート状ポリマーで作製することができる。
【0019】
フェースセンタ118の位置は以下の通りに決められる。最初に、開孔124が打撃面106のほぼ中央にあり、ヒール−トウ軸120が線135とほぼ平行になるように、テンプレート126を前面128にあてがう。次いで、打撃面106の両縁部で、軸120に沿ったヒールおよびトウでの測定値が同じ絶対値を有するまで、テンプレート126を打撃面106に沿ってヒール−トウ方向に平行移動させる。打撃面106に対してテンプレート126をヒール−トウ方向の中心に置いた時点で、打撃面106の両縁部で、軸122に沿った測定値が同じ絶対値を有するまで、テンプレート126を打撃面106に沿って上部−底部方向に平行移動させる。軸120に沿ったヒールでの測定値の絶対値が、トウでの測定値の絶対値と等しくなり、軸122に沿った底部での測定値の絶対値が、上部での測定値の絶対値と等しくなるまで、上記の一連の動作を繰り返す。次いで、フェースセンタ118を示すために、開孔124を通して前面に点で印を付ける。
【0020】
テンプレート126などの位置特定テンプレートは、全米ゴルフ協会(USGA)のProcedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead(バージョン2.0、2005年3月25日)に示されており、USGAから入手可能である。
【0021】
図1および
図1(a)を参照して、本明細書では、「基準位置」という用語は、クラブヘッドの位置を意味し、ホーゼル100はホーゼル中心線102を有する。
図1(a)に示すように、ホーゼル中心線102は、水平大地面142に対して60°のライ角αで向きを合わされ、打撃面106に対して概ね平行な仮想の水平線135を含む仮想の鉛直ホーゼル面104内にある。別途指摘がない限り、すべてのパラメータは、クラブヘッド101が基準位置にある状態で特定される。
【0022】
図1を参照して、本明細書では、「上部部分」、例えば、上部部分114とは、クラブヘッド101が基準位置にある状態の上面図で見ることができるクラブヘッド101の、打撃面106およびホーゼル100を除いた部分を意味する。
【0023】
図2を参照して、本明細書では、「周縁」、例えば、ゴルフクラブヘッド101の周縁139とは、上面図でのクラブヘッド101の周囲境界を意味する。
【0024】
図3を参照して、本明細書では、「底部部分」、例えば、底部部分112とは、クラブヘッド101が基準位置にある状態の底面図で見ることができるクラブヘッド101の、ホーゼル100を除いた部分を意味する。
【0025】
図4を参照して、本明細書では、「中心頂部」、例えば、中心頂部138とは、クラブヘッド101が基準位置にある状態での、仮想の鉛直面140と打撃面106の上部との交点を指す。仮想の鉛直面140は、仮想のホーゼル面104に対して垂直に向けられ、フェースセンタ118を通る。
【0026】
図5を参照して、本明細書では、「全長」、例えば、全長L
oとは、ゴルフクラブヘッド101が基準位置にあるとして、仮想のホーゼル面104に対して平行で、かつ中心頂部138を通る第1の仮想鉛直面144と、第1の仮想鉛直面144に対して平行で、かつクラブヘッド101の後方最大拡張部132を通る第2の仮想鉛直面146との間の最短水平距離を意味する。
【0027】
図6を参照して、本明細書では、「前部トウ点」、例えば、前部トウ点151とは、トウ部分108に近接した、打撃面106の最も遠い横方向突出点を意味する。前部トウ点151を通る仮想水平面160は、点158でホーゼル中心線102と交差する。本明細書では、「ホーゼル」、例えば、ホーゼル100とは、ホーゼル中心線102に対して垂直で、かつ点158を含む仮想平面156によってヘッド101の残りの部分から分けられるクラブヘッド101の部分を意味する。
【0028】
再度
図6を参照して、本明細書では、「全幅」例えば、全幅W
oとは、仮想ホーゼル面104(例えば、
図4を参照のこと)に対して垂直で、かつ一番トウ側の点152を通る第1の仮想鉛直面148と、ホーゼル面104に対して垂直で、かつ仮想平面156の一番ヒール側の点154を通る第2の仮想鉛直面150との間の最短水平距離を意味する。
【0029】
「全高」、例えば、全高H
oとは、ゴルフクラブヘッド101が基準位置にある状態で、大地面142から、ホーゼル部分100を含まないゴルフクラブヘッド101の最高点130までの鉛直距離を意味する。
【0030】
図7に示すように、基準位置に向きを合わせたクラブヘッド101は、打撃面106に対して実質的に直角で、かつフェースセンタ118を通る仮想鉛直面162と、仮想鉛直面162に対して直角で、かつ中心頂部138から全長L
oの半分ほど離間した仮想鉛直面164とによって4つの象限に分割されている。第1象限である「象限1」は、クラブヘッド101の打撃面106およびヒール部分110に近接している。第2象限である「象限2」は、クラブヘッド101の打撃面106およびトウ部分108に近接している。第3象限である「象限3」は、トウ部分108に近接し、「象限2」の後方に配置されている。第4象限である「象限4」は、ヒール部分110に近接し、「象限1」の後方に配置されている。
【0031】
図8は、基準位置に向きを合わせたクラブヘッド101の重心CGに原点がある、軸x、y、zを有する仮想の3次元直交座標系を示している。z軸は鉛直方向であり、ホーゼル中心線102を含むホーゼル面104に対して平行である。y軸は、ホーゼル面104に対して実質的に平行であり、z軸に対して垂直である。x軸は、z軸およびy軸に対して垂直である。
【0032】
クラブヘッド101のz軸まわりの慣性モーメントI
zz(主MOI(慣性モーメント))およびy軸まわりの慣性モーメントI
yy(二次的なMOI)は、全米ゴルフ協会(USGA)およびR&A Rules Limited (R&A)によって指定されたProcedure for Measuring the Moment of Inertia of Golf Clubheads、Revision 1.0(2006年4月12日)に開示された一般的な方法を使用して求めることができ、I
yyを測定するための手順の修正について下記に説明する。USGAのProcedure for Measuring the Moment of Inertia of Golf Clubheadsおよび付属の「USGA MOI Calculation.xls」プログラムは、参照により、それらの全体を本明細書に援用するものとする。
【0033】
USGAのProcedure for Measuring the Moment of Inertia of Golf Clubheadsに記載されているように、ゴルフクラブヘッドのものと同様な質量特性および全体寸法を有する試験部品の慣性モーメントを測定するために設計された測定器166(
図9および
図10を参照のこと)、例えば、New Hartford, Connecticutに所在のInertia Dynamics, Inc.から入手可能なMoment of Inertia Instrument (Model #MOI−005−104)を使用して、ゴルフクラブヘッド101のz軸まわりの慣性モーメントI
zzおよびy軸まわりの慣性モーメントI
yyを求めることができる。もう一度
図9および
図10を参照すると、USPGのProcedure for Measuring the Moment of Inertia of Golf Clubheadsに記載された水平治具プレート168は、測定器166に取り付けられており、治具プレート168および測定器166は水平である。
【0034】
図11に示すように、治具プレート168は、第1の側172および第2の側174を有する。第1の側172は、取付ピン176を含み、第2の側174は、取付ピン178を含む。ピン176、178は、治具プレート168に対して長手方向に配置された行と、治具プレート168に対して横方向に配置された列とを含む。
【0035】
クラブヘッド101の主MOIを測定するために、アダプタ180(
図9)を使用して、クラブヘッド101の底部部分112が上向きになり、ホーゼル中心線102と仮想の水平面170との間の角度θをほぼ60°としてクラブヘッド101が配置されるように、治具プレート168に対してクラブヘッド101の向きを合わる。さらに、クラブヘッド101の打撃面106は、取付ピン176、178の長手方向の行に対して実質的に平行である。クラブヘッド101の主MOIを測定するために、治具プレート168の第1の側172のピン176は、右利き用のクラブヘッドに使用され、治具プレート168の第2の側174のピン178は、左利き用のクラブヘッドに使用される。
【0036】
クラブヘッド101の二次的MOIを測定するために、アダプタ180(
図10)を利用して、クラブヘッド101の底部部分112が実質的に鉛直方向になるように、治具プレート168に対してクラブヘッド101の向きを合わせる。言い換えると、クラブヘッド101は、ホーゼル中心線102と仮想の鉛直面182との間の角度βがほぼ60°になるように治具プレート168に対して配置される。
【0037】
さらに、USGAのProcedure for Measuring the Moment of Inertia of Golf Clubheadsに提示されるように、クラブヘッド101の打撃面106は、取付ピン176、178の長手方向の行に対して実質的に平行である。クラブヘッド101の二次的MOIを測定するために、治具プレート168の第1の側172の取付ピン176は、左利き用のクラブヘッドに使用され、治具プレート168の第2の側174のピン178は、右利き用のクラブヘッドに使用される。
【0038】
図12(a)〜12(c)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、上部部分114、底部部分112、打撃面106、およびホーゼル部分100を含む本体を有する。本体は、外側面184aおよび反対側の内側面184bをさらに含む(例えば、
図12(b)を参照のこと)。おもり部材186は、クラブヘッド101の内側面184bに固定されている。ゴルフクラブヘッド101は、約250cm
3以上の体積、および約150g以上の質量を有するのが好ましい。ゴルフクラブヘッド101は、約350cm
3以上の体積、および約175g以上の質量を有するのがより好ましい。ゴルフクラブヘッド101は、約400cm
3以上の体積、および約190g以上の質量を有するのが最も好ましい。ゴルフクラブヘッド101は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドであるのが好ましい。ただし、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、アイアンタイプまたはパタータイプのゴルフクラブヘッドであってよい。
【0039】
図13(a)〜13(b)を参照すると、ゴルフクラブヘッド101の底部部分112は、凹凸のある輪郭部分242を含む(
図13(b)を参照のこと)。具体的には、ゴルフクラブヘッド101の底部部分112は、湾曲が急激に変化する部分を含む。本発明の1つまたは複数の態様では、底部部分112またはクラブヘッド101の他の任意の面は、屈曲、鋭角、起伏、隆起、溝、突起、または凹部を含むことができる。そのような凹凸のある輪郭は、クラブヘッド101の剛性を改善し、空力特性を改善し、美観を改善することができる。さらに、クラブヘッド101の一部の剛性を改善することにより、クラブヘッド101のより望ましい部分に質量塊を移すことができる。凹凸のある輪郭の面は、鋳造によって、または曲げ加工、スタンピング、プレス加工を含めることができる鍛造によって形成することができる。
【0040】
おもり部材186は、クラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分242に概ね合致するように構成されている。おもり部材186は、クラブヘッド101の底部部分112に固定されるのが好ましい。
図13(b)に示すように、おもり部材186は、内側面184bに近接した第1の面198aと、内側面184bから離れた第2の面198bとを含む。本発明の代替の態様では、おもり部材186は、クラブヘッド101の打撃面106および/または上面114に固定することができる。
【0041】
おもり部材186を凹凸のある輪郭部分242に合致するように構成することで、クラブヘッド101の重心をより有利に配置することができる。具体的には、クラブヘッド101の重心は、高さをより低くし、より後方に置くことができる。さらに、自由裁量的質量をクラブヘッド101の外側拡張部の方に移すと、クラブヘッド101の慣性モーメントを大きくすることができる。
【0042】
おもり部材186を内側面184bの凹凸のある輪郭部分に合致するように構成することで、製造コストが削減され、組立精度が改善される。おもり部材186の第1の面198aが、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bに概ね合致する場合、組み立て工は、おもり部材186をより迅速に配置することができる。さらに、おもり部材186を内側面184bの凹凸のある輪郭部分242に合致するように構成することで、組立時におもり部材186を誤配置し、その結果として、ゴルフクラブヘッドが仕様に従って製造されない可能性が低くなる。さらに、おもり部材186は、凹凸のある輪郭部分の剛性を高めて、クラブヘッド101の振動特性を改善することができる。組み立てた状態で、クラブヘッド101は、約2800Hz〜約4800Hzの範囲内の一次固有振動数を有するのが好ましい。クラブヘッド101は、約3000Hz〜約4600Hzの範囲内の一次固有振動数を有するのがより好ましい。クラブヘッド101は、約3200Hz〜約4400Hzの範囲内の一次固有振動数を有するのが最も好ましい。
【0043】
おもり部材186は、クラブヘッド101の総質量の約4%〜約12%の範囲内の質量を有するのが好ましい。おもり部材186の質量は、クラブヘッド101の総質量の約6%〜約10%の範囲内であるのがより好ましい。具体的には、おもり部材186は、約8g以上の質量を有するのが好ましい。おもり部材186は、約12g以上の質量を有するのがより好ましい。おもり部材186は、約15g以上の質量を有するのが最も好ましい。おもり部材186の体積は、約2.75cc以上であるのが好ましい。おもり部材186の体積は、約3.25cc以上であるのがより好ましい。おもり部材186の体積は、約3.75cc以上であるのが最も好ましい。
【0044】
クラブヘッド101が基準位置にある場合、おもり部材186は、投影面積、すなわち、おもり部材186の周縁によって範囲を限定される領域の大地面142への投影面積が少なくとも約2cm
2であるのが好ましい(
図13(a)を参照のこと)。投影面積は少なくとも約3cm
2であるのがより好ましい。投影面積は少なくとも約5cm
2であるのが最も好ましい。
【0045】
おもり部材186は、チタンもしくはチタン合金、ステンレス鋼、アルミニウム、タングステン、銅、ポリマー、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。おもり部材186は、少なくとも約3g/cm
3の密度を有するのが好ましい。おもり部材186の密度は、少なくとも約5g/cm
3であるのがより好ましい。おもり部材186の密度は、少なくとも約7g/cm
3であるのが最も好ましい。
【0046】
本発明の1つまたは複数の態様では、おもり部材186は鋳造物である。ただし、本発明の他の態様では、おもり部材186は、鍛造するか、スタンピングするか、または当技術分野で公知の適切な手段で形成することができる。本発明の一部の態様では、鍛造、曲げ加工、またはプレス加工を容易にするために、少なくともクラブヘッド101の底部部分は、約10%以上の伸び率を有する材料を含む。底部部分は、約10%〜約20%の範囲内の伸び率を有する材料を含むのがより好ましい。底部部分は、約10%〜約16%の範囲内の伸び率を有する材料を含むのが最も好ましい。
【0047】
本発明の一つまたは複数の態様による、特に、
図13(a)を参照すると、第1の仮想鉛直面A−A’はフェースセンタ118を通り、おもり部材186を貫通している。第2の仮想鉛直面B−B’は、鉛直面A−A’に対してほぼ横方向であり、おもり部材186を貫通している。
【0048】
図13(b)および
図13(c)を参照すると、ゴルフクラブヘッド101が、鉛直面A−A’を横断する断面図で示されている。おもり部材186は、この断面図に特有の第1の横方向端点200aおよび第2の横方向端点200bを含む。おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bに近接した第1の面198aと、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bから離れた第2の面198bとを含む。断面図で示すように、おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分242に概ね合致するように輪郭を合わされる。具体的には、おもり部材186の第1の面198aおよび第2の面198bはともに、クラブヘッド101の内側面184bに概ね合致するように輪郭を合わされる。クラブヘッド101の外側面184aもまた、クラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分242に概ね合致するように輪郭を合わされる。本発明の代替の態様では、外側面184aの輪郭は、内側面184bの輪郭にあまり合致しない。
【0049】
図13(d)を参照すると、
図13(b)に示す断面図の一部がさらに詳細に示されている。第1の点208および第2の点210が内側面184bに配置されている。仮想線206は、第1の点208および第2の点210を通っている。第1の仮想境界線202は、仮想線206に垂直な方向で第1の点208を通っている。第2の仮想境界線204は、仮想線206に垂直な方向で第2の点210を通っている。第1の仮想境界線および第2の仮想境界線はそれぞれ、おもり部材186を貫通している。
【0050】
図13(d)をもう一度参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、内側面184bは、第1の点208と第2の点210との間で基準長さL
nomを有する。内側面の基準長さL
nomは、第1の点208と第2の点210との間の最短距離に一致する。内側面184bはまた、第1の点と第2の点との間で表面長さL
surfを有する。内側面の表面長さL
surfは、第1の点208と第2の点210との間の内側面184bの実長に一致する。
【0051】
図13(e)を参照すると、おもり部材186の第2の面198bは、第1の点208と第2の点210との間で、内側面184bから平均距離d
avgだけ離間している。本明細書において、「平均距離」d
avgという用語は、仮想線206を含む鉛直面内で点208、210を内包する仮想線206に対してそれぞれ垂直方向に測定した、おもり部材186の第2の面198bとクラブヘッド101の本体の内側面184bとの間の複数の距離d
0…d
nの平均値を意味し、距離d
0は、点208を通る仮想線202に沿って測定され、距離d
1,…,d
nは、線202に対して平行に向けられ、1mm刻みで互いに離間した複数の線l
1…l
nに沿って測定される。線l
1は、線202から距離1mmだけ離間し、線l
1…l
nには、点208、210間で線202に対して平行な線以外の他の線は含まれないので、線l
1…l
nは点208を通らないが、線l
nは、点210を通る可能性がある。
【0052】
測定した距離の標準偏差σ
dは、求めた複数の距離d
0,…,d
n、および平均距離d
avgから以下の通り定義される。
【0054】
上記に求めたパラメータに基づき、A−A’断面の点208と点210との間で、それぞれがクラブヘッド101の特性に対応する様々な要素を計算することができる。
【0055】
第1に、複数の距離d
0,…,d
nの平均距離d
avgおよび標準偏差σ
dを基にして、おもり部材186の一致度F
confを求めることができる。一致度F
confは、点208と点210との間で、おもり部材が結合される内側面184bの輪郭におもり部材186の輪郭が一致する程度に対応する。一致度F
confは以下の通り定義される。
Fconf=σd/davg
【0056】
第2に、内側面184bの測定した基準長さL
nomと、内側面184bの測定した表面長さL
surfとを基にして、内側面184bの凹凸度F
irrを第1の点208と第2の点210との間で求めることができる。内側面184bの凹凸度F
irrは、第1の点208と第2の点210との間で、内側面184bの湾曲が急激に変化する程度に対応する。凹凸度F
irrは以下の通り定義される。
Firr=(Lsurf,int/Lnom,int)2
【0057】
第3に、おもり部材186の平均距離d
avgおよび内側面184bの表面長さL
surfを基にして、おもり部材186の分離度F
distを第1の点208と第2の点210との間で求めることができる。おもり部材186の分離度F
distは、仮想鉛直断面A−A’の第1の点208と第2の点210との間で、おもり部材186の領域が内側面184bに比較的近接して配置された程度に対応する。分離度F
distは以下の通り定義される。
Fdist=davg/Lsurf,int
【0058】
第1の点208と第2の点210との間で、184bの凹凸度は1.2以上であり、おもり部材186の一致度は0.07以下であり、おもり部材186の分離度は1.0以下であるのが好ましい。第1の点208と第2の点210との間で、内側面184bの凹凸度は1.2以上であり、おもり部材186の一致度は0.05以下であり、おもり部材186の分離度は0.1〜1.0であるのがより好ましい。第1の点208と第2の点210との間で、内側面184bの凹凸度は1.2以上であり、おもり部材186の一致度は約0.04以下であり、おもり部材186の分離度は0.25〜1.0であるのが最も好ましい。
【0059】
図13(f)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、第1の点208と第2の点210との間で、おもり部材186の第2の面198b、クラブヘッド101の内側面184b、およびクラブヘッド101の外側面184aはすべて互いに合致している。上記に説明したパラメータに加えて、外側面184aの基準長さL
nomおよび外側面184aの実長L
surf,extを第1の点208と第2の点210との間で求めることができる。
【0060】
図13(g)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、第1の点208と第2の点210との間で、本体は平均厚さt
avgを有する。本明細書において、「平均厚さ」t
avgという用語は、仮想線206を含む鉛直面内で、点208、210を内包する仮想線206に対してそれぞれ垂直方向に測定した、本体の内側面184bとクラブヘッド101の本体の外側面184aとの間の複数の厚さt
0,…,t
nの平均値を意味し、厚さt
0は、点208を通る仮想線202に沿って測定され、厚さt
1,…,t
nは、線202に対して平行に向けられ、1mm刻みで互いに離間した複数の線l
1,…,l
nに沿って測定される。線l
1は、線202から距離1mmだけ離間し、線l
1,…,l
nには、点208、210間で線202に対して平行な線以外の他の線は含まれないので、線l
1,…,l
nは点208を通らないが、線l
nは、点210を通る可能性がある。
【0061】
測定した厚さの標準偏差σ
tは、複数の厚さt
0,…,t
n、および計算した平均厚さt
avgから以下の通り定義される。
【0063】
測定した厚さ群の平均厚さt
avgおよび標準偏差σ
tを基にして、第1の点208と第2の点210との間で、外側面184aの一致度F
conf,extを求めることができる。一致度F
conf,extは、第1の点208と第2の点210との間で、外側面184aの輪郭が内側面184bの輪郭に合致する程度に対応する。F
conf,extは以下の通り定義される。
Fconf,ext=σt/tavg
【0064】
第1の点208と第2の点210との間で、F
conf,extは0.07以下であるのが好ましい。第1の点208と第2の点210との間で、F
conf,extは0.05以下であるのがより好ましい。第1の点208と第2の点210との間で、F
conf,extは0.04以下であるのが最も好ましい。
【0065】
図13(h)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、おもり部材186は、第1の横方向端点200aから第2の横方向端点200bまで、おもり部材186の全長にわたって、凹凸のある輪郭部分242に実質的に合致する。これは、第1の横方向端点200aおよび第2の横方向端点200bとそれぞれ一致する第1の点208および第2の点210を設けることで定量化され得る。この特定の実例では、仮想線206は第1の横方向端点200aおよび第2の横方向端点200bを通っている。第1の仮想境界線202は、仮想線206に垂直な方向で第1の横方向端点200aを通っている。第2の仮想境界線204は、仮想線206に垂直な方向で第2の横方向端点200bを通っている。
【0066】
第1の横方向端点200aと第2の横方向端点200bとの間で、基準長さL
nomおよび表面長さL
surfを求めることができる。点200aと点200bとの間で、おもり部材186の第2の面198bが内側面184bから離間した平均距離d
avgおよび対応する標準偏差σ
dは、
図13(g)に示す選択した点に関して上記に説明した態様で求めることができる。
【0067】
上記のパラメータを基にして、内側面184bのF
irrは1.2以上であり、おもり部材186のF
confは0.07以下であり、おもり部材186のF
distは1.0以下であるのが好ましい。内側面184bのF
irrは1.2以上であり、おもり部材186のF
confは0.05以下であるのがより好ましい。内側面184bのF
irrは1.2以上であり、おもり部材186のF
confは約0.04以下であるのが最も好ましい。
【0068】
図13(i)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101がB−B’断面(
図13(a)を参照のこと)で示されている。この断面図では、おもり部材186が内側面184bに結合されている。おもり部材186は、B−B’断面にそれぞれ特有の第1の横方向端点200aおよび第2の横方向端点200bを含む。内側面184bは、3つの異なる凹凸輪郭部分243a、243b、243cを含む。おもり部材186は、凹凸のある輪郭部分243a、243b、243cに近接して、内側面184bの輪郭と概ね合致している。さらに、本発明の一部の態様では、示すように、外側面184aは、内側面184bの輪郭に概ね合致している。あるいは、本発明の一部の態様では、外側面184aの輪郭は、内側面184bの輪郭とは異なる。
【0069】
図14(a)〜14(g)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、基準位置に向きを合わせたゴルフクラブヘッド101は、フェースセンタ118を有する打撃面106、およびおもり部材186を含む。ゴルフクラブヘッド101は、外側面184aおよび内側面184bを含む(
図14(b)を参照のこと)。おもり部材186は、クラブヘッド101の内側面184bに固定されている。
図14(a)に示すように、仮想の鉛直面A−A’はフェースセンタ118およびおもり部材186の一部を貫通している。
【0070】
図14(b)を参照すると、ゴルフクラブヘッド101が、A−A’面を横断する断面図で示されている。おもり部材186は、第1の横方向端点200aおよび第2の横方向端点200bを含む。
【0071】
図14(c)を参照して、仮想鉛直面A−A’の一部がさらに詳細に検討される。第1の点194および第2の点196は、クラブヘッド101の本体の内側面184bに配置されている。仮想線192は、第1の点194および第2の点196を通っている。仮想鉛直面A−A’にある第1の仮想境界線202は、仮想線192に垂直な方向で第1の点194を通っている。仮想鉛直面A−A’にある第2の仮想境界線204は、仮想線192に垂直な方向で第2の点196を通っている。第1の仮想境界線202および第2の仮想境界線204はそれぞれ、おもり部材186を貫通している。
【0072】
図14(d)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、内側面184bは、第1の点194と第2の点196との間の基準長さL
nomを有する。内側面184bの基準長さL
nomは、第1の点194と第2の点196との間の最短距離に一致する。内側面184bはまた、第1の点194と第2の点196との間で表面長さL
surfを有する。内側面184bの表面長さL
surfは、第1の点194と第2の点196との間の内側面184bの実長に一致する。ギャップ197は、おもり部材186の第1の面198aと本体の内側面184bとの間に配置されている。
【0073】
図14(e)を参照すると、おもり部材186は、第1の点194と第2の点196との間で、内側面184bから平均距離d
avgだけ離間している。本明細書において、「平均距離」d
avgという用語は、仮想線192を含む鉛直面内で、点194、196を内包する仮想線192に対してそれぞれ垂直方向に測定した、おもり部材186の第2の面198bとクラブヘッド101の本体の内側面184bとの間の複数の距離d
0,…,d
nの平均値を意味し、距離d
0は、点194を通る仮想線202に沿って測定され、距離d
1,…,d
nは、線202に対して平行に向けられ、1mm刻みで互いに離間した複数の線l
1,…,l
nに沿って測定される。線l
1は、線202から距離1mmだけ離間し、線l
1,…,l
nには、点194、196間で線202に対して平行な線以外の他の線は含まれないので、線l
1,…,l
nは点194を通らないが、線lnは、点196を通る可能性がある。
【0074】
複数の距離の標準偏差σ
dは、求めた複数の距離d
0,…,d
nから以下の通り定義される。
【0076】
上記の測定したパラメータを基にして、
図13(a)に示した本発明の態様に関して上記に説明した態様で、第1の点194と第2の点196との間での、内側面184aの凹凸度F
irr、おもり部材186の一致度F
conf、およびおもり部材186の分離度F
distを求めることができる。
【0077】
クラブヘッド101の内側面184bおよびおもり部材186は、第1の点194と第2の点196との間で、内側面184bのF
irrが1.2以上であり、おもり部材186のF
confが0.07以下であり、おもり部材186のF
distが1.0以下であるように構成されるのが好ましい。第1の点194と第2の点196との間で、内側面184bのF
irrが1.2以上であり、おもり部材186のF
confが0.05以下であり、おもり部材186のF
distが0.1〜1.0であるのがより好ましい。第1の点194と第2の点196との間で、内側面184bのF
irrが1.2以上であり、おもり部材186のF
confが0.04以下であり、おもり部材186のF
distが0.25〜1.0であるのが最も好ましい。
【0078】
図14(f)を参照すると、
図14(c)の鉛直断面図の一部がさらに詳細に示されている。境界線202は、点244でおもり部材186の第2の面198bを通っている。境界線204は、点246でおもり部材186の第2の面198bを通っている。点244と点246との間の最短距離は第2の面198bの基準長さL
nom,2に一致する。点244と点246との間での第2の面198bの実長は、第2の面198bの表面長さL
sur,2に一致する。
【0079】
上記のパラメータに加えて、おもり部材186の第2の面198bの凹凸度F
irr,2は、第1の点194と第2の点196との間で、おもり部材186の第2の面198bの輪郭が急激に変化する程度に対応する。第1の点194と第2の点196との間での第2の面198bの凹凸度F
irr,2は以下の通り定義される。
Firr,2=(Lsurf,2/ Lnom,2)2
【0080】
クラブヘッド101は、第1の点194と第2の点196との間で、おもり部材186の第2の面198bが1.20以上の凹凸度F
irr,2を有し、クラブヘッド101の本体の内側面184bが1.20以上の凹凸度F
irr,intを有するように構成されるのが好ましい。おもり部材186の第2の面198bが1.25以上の凹凸度F
irr,2を有し、クラブヘッド101の本体の内側面184bが1.25以上の凹凸度F
irr,intを有するのがより好ましい。
【0081】
さらに、第1の点194と第2の点196との間で、おもり部材186の第2の面198bの凹凸度F
irr,2の、クラブヘッド101の本体の内側面184bの凹凸度F
irr,intに対する比率が0.70〜1.30の範囲内にあるのが好ましい。おもり部材186の第2の面198bの凹凸度F
irr,2の、クラブヘッド101の本体の内側面184bの凹凸度F
irr,intに対する比率が約0.85〜約1.15の範囲内にあるのがより好ましい。おもり部材186の第2の面198bの凹凸度F
irr,2の、クラブヘッド101の本体の内側面184bの凹凸度F
irr,intに対する比率が約0.95〜約1.05の範囲内にあるのが最も好ましい。
【0082】
図14(f)を再度参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、クラブヘッド101の本体の外側面184aもまた、第1の点194と第2の点196との間で、クラブヘッド101の本体の内側面184bに概ね合致し、おもり部材186の第2の面198bに概ね合致する。境界線202は、点248で外側面184aを通っている。境界線2
04は、点250で外側面184aを通っている。点248と点250との間の最短距離は、外側面184aの基準長さL
nom,extに一致する。点248と点250との間の外側面184aの実表面長さは、クラブヘッド101の本体の外側面184aの表面長さL
surf,extに一致する。L
nom,extおよびL
surf,extを基にして、点248と点250との間での、クラブヘッド101の本体の外側面184aの凹凸度F
irr,extは以下の通り定義される。
Firr,ext=(Lsurf,ext/ Lnom,ext)2
【0083】
クラブヘッド101は、点248と点250との間で、おもり部材186の第2の面198bが1.20以上の凹凸度F
irr,2を有し、クラブヘッド101の本体の内側面184bが1.20以上の凹凸度F
irr,intを有し、クラブヘッド101の本体の外側面184aが1.20以上の凹凸度F
irr,extを有するように構成されるのが好ましい。おもり部材186の第2の面198bが1.25以上の凹凸度F
irr,2を有し、クラブヘッド101の本体の内側面184bが1.25以上の凹凸度F
irr,intを有し、クラブヘッド101の本体の外側面184aが1.25以上の凹凸度F
irr,extを有するのがより好ましい。
【0084】
さらに、点248と点250との間で、F
irr,2のF
irr,intに対する比率が0.70〜1.30の範囲内であるのが好ましく、F
irr,2のF
irr,extに対する比率が0.70〜1.30の範囲内であるのが好ましい。F
irr,2のF
irr,intに対する比率が約0.85〜約1.15の範囲内であり、F
irr,2のF
irr,extに対する比率が0.85〜1.15の範囲内であるのがより好ましい。F
irr,2のF
irr,intに対する比率が約0.95〜約1.05の範囲内であり、F
irr,2のF
irr,extに対する比率が0.95〜1.05の範囲内であるのが最も好ましい。
【0085】
図14(g)を参照すると、ギャップ197は、おもり部材186の第1の面198aとクラブヘッド101の本体の内側面184bとの間に配置されている。ギャップ197は、クラブヘッド101の本体の内側面184bとおもり部材186の第1の面198aとの間に平均ギャップ距離g
avgで延びている。本明細書において、「平均ギャップ距離」g
avgという用語は、仮想線192を含む鉛直面内で、点194、196を内包する仮想線192に対してそれぞれ垂直方向に測定した、おもり部材186の第1の面198aとクラブヘッド101の本体の内側面184bとの間の複数のギャップ距離g
0,…,g
nの平均値を意味し、ギャップ距離g
0は、点194を通る仮想線188に沿って測定され、ギャップ距離g
1,…,g
nは、線188に対して平行に向けられ、1mm刻みで互いに離間した複数の線l
1,…,l
nに沿って測定される。線l
1は、線188から距離1mmだけ離間し、線l
1,…,l
nには、点194、196間で線188に平行な線以外の他の線は含まれないので、線l
1,…,l
nは点194を通らないが、線l
nは、点196を通る可能性がある。
【0086】
点194と点196との間で、おもり部材186の第1の面198aと内側面184bとの間の平均ギャップ距離g
avgは3mm以下であるのが好ましい。点194と点196との間で、おもり部材186の第1の面198aと内側面184bとの間の平均ギャップ距離g
avgは2mm以下であるのがより好ましい。点194と点196との間で、おもり部材186の第1の面198aと内側面184bとの間の平均ギャップ距離g
avgは1mm以下であるのが最も好ましい。
【0087】
図15を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様のゴルフクラブヘッド101が、上面図に基準位置で示されている。ゴルフクラブヘッド101は、ゴルフクラブヘッド101の内側面に固定されたおもり部材186を含む。おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の後部の方に配置され、クラブヘッド101の凹凸のある輪郭部分に概ね合致している。おもり部材186の質量の大部分は、示すように、第3「象限」および第4「象限」内に配置されている。本発明の1つまたは複数の態様では、おもり部材186の質量の約75%以上が、第3「象限」および第4「象限」内に配置される。本発明の一部の態様では、おもり部材186の質量の約90%以上が、第3「象限」および第4「象限」内に配置される。
【0088】
図16を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様のゴルフクラブヘッド101が基準位置で示されている。ゴルフクラブヘッド101は、ヒール部分110、トウ部分108、およびゴルフクラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分に固定されたおもり部材186を含む。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101のヒール部分110の方に配置されている。おもり部材186をヒール部分110の方に配置することで、所望のドローバイアスが得られる。おもり部材186の質量の大部分は、第1「象限」および第4「象限」内に配置されるのが好ましい。おもり挿入体186の質量の約75%以上が、第1「象限」および第4「象限」内に配置されるのがより好ましい。おもり部材186の質量の約90%以上が、第1「象限」および第4「象限」内に配置されるのが最も好ましい。
【0089】
本発明の代替の態様では、フェードバイアスが望ましいことがある。この場合、おもり部材186の質量の大部分が第2「象限」および第3「象限」に配置されるのが好ましい。おもり部材186の質量の約75%以上が第2「象限」および第3「象限」に配置されるのがより好ましい。おもり部材186の質量の約90%以上が、第2「象限」および第3「象限」に配置されるのが最も好ましい。
【0090】
図17を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様のゴルフクラブヘッド101が、上面図に基準位置で示されている。ゴルフクラブヘッド101は、打撃面106、ホーゼル面104を有するホーゼル部分100、おもり部材186、および周縁139を含む。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の周縁139の方に配置されて、クラブヘッド101の慣性モーメントを大きくしている。具体的には、おもり部材186の大部分は、周縁139と、周縁139から内側にずれた仮想の内側境界136とが囲む3次元空間212に配置されている。クラブヘッド101は、約3800g・cm
2以上の主慣性モーメントI
zz、および約2000g・cm
2以上の二次的な慣性モーメントI
yyを有するのが好ましい。主慣性モーメントは、約4500g・cm
2以上であり、二次的な慣性モーメントは、約2500g・cm
2以上であるのがより好ましい。クラブヘッド101の主慣性モーメントは、約4800g・cm
2以上であり、クラブヘッド101の二次的な慣性モーメントは、約2900g・cm
2以上であるのが最も好ましい。
【0091】
仮想の内側境界136は、クラブヘッド101の全長L
oの0.3倍の距離だけ内側にずれているのが好ましい。仮想の内側境界136は、クラブヘッド101の全長L
oの0.25倍の距離だけ内側にずれているのがより好ましい。仮想の内側境界136は、クラブヘッド101の全長L
oの0.2倍の距離だけ内側にずれているのが最も好ましい。
【0092】
図18(a)〜18(b)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、上部部分114、底部部分112、打撃面106、内側面184b、外側面184a、およびクラブヘッド101の内側面184bに固定されたおもり部材186を含む。クラブヘッド101の底部部分112は、凹凸のある輪郭部分242を含む。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。
【0093】
図18(a)に示すように、おもり部材186の質量の大部分は、「象限」3および「象限」4内にある。さらに、おもり部材186の質量の大部分は、周縁139および仮想の内側境界136が囲む3次元空間212内に配置されている。仮想の内側境界136は、クラブヘッド101の全長L
oの0.30倍だけ周縁139から内側にずれている。
【0094】
特に、
図18(b)を参照すると、おもり部材186は、第1の仮想水平面214と第2の仮想水平面216との間に配置されている。おもり部材186の質量は約8g以上であり、おもり部材の体積は約3cm
3以上であり、第1の水平面214は、H
oの0.03倍の距離だけ大地面142から離間しており、第2の仮想水平面216は、H
oの0.25倍の距離だけ大地面142から離間しており、おもり部材186の質量の大部分は、第1の水平面214と第2の水平面216との間に配置されているのが好ましい。おもり部材186の質量は約10g以上であり、おもり部材の体積は約3.5cm
3以上であり、第1の水平面214は、H
oの0.04倍の距離だけ大地面142から離間しており、第2の仮想水平面216は、H
oの0.22倍の距離だけ大地面142から離間しており、おもり部材186の75%を超える質量が、第1の水平面214と第2の水平面216との間に配置されているのがより好ましい。おもり部材186の質量は約12g以上であり、おもり部材の体積は約3.75cm
3以上であり、第1の水平面214は、H
oの0.05倍の距離だけ大地面142から離間しており、第2の仮想水平面216は、H
oの0.19倍の距離だけ大地面142から離間しており、おもり部材186の90%を超える質量が、第1の水平面214と第2の水平面216との間に配置されているのが最も好ましい。
【0095】
図19(a)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様の、基準位置に向きを合わせたゴルフクラブヘッド101が上面図で示されている。ゴルフクラブヘッド101は、フェースセンタ118を有する打撃面106、ホーゼル部分100、周縁139、およびクラブヘッド101の内側面184bに固定されたおもり部材186を含む。内側面184bは、凹凸のある輪郭部分を含む。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。
【0096】
おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の周縁139の方に配置されている。具体的には、おもり部材186の質量の大部分は、周縁139と、クラブヘッド101の全長L
oの0.3倍以下の距離だけ周縁139から内側にずれた仮想の内側境界136とが囲む3次元空間212内に配置されている。
【0097】
おもり部材186の質量の大部分は、フェースセンタ118を通る第1の仮想鉛直面218と、フェースセンタ118を通る第2の仮想鉛直面220との間に配置されている。角度βは、第1の仮想鉛直線218と第2の仮想鉛直線220との間に形成されている。角度βは、約20°以上であるのが好ましい。角度βは、約30°以上であるのがより好ましい。角度βは、約40°以上であるのが最も好ましい。
【0098】
本発明の一部の態様では、例えば、
図19(b)に示すように、おもり部材186は、ドローバイアスにするために、ヒール部分110の方のゴルフクラブヘッド101の内側面184bに固定することができる。あるいは、本発明の1つまたは複数の態様では、おもり部材186は、フェードバイアスにするために、トウ部分108の方のゴルフクラブヘッド101の内側面184bに固定することができる。
【0099】
上記に説明した本発明の態様のいずれにおいても、おもり部材186は、溶接、ろう付け、はんだ付け、化学接着、または機械的留め具によって、内側面184bに固定することができる。例えば、おもり部材186は、ねじ手段、クランプ手段、締まり嵌め、または圧入によって内側面184bに固定することができる。
【0100】
図20(a)〜20(c)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、底部部分112、上部部分114、ホーゼル100、打撃面106、内側面184b、および外側面184aを含む。第1の材料からなるおもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面の凹凸のある輪郭部分に固定され、これの輪郭に実質的に合致している。
【0101】
特に、
図20(b)に示すように、ゴルフクラブヘッド101の一部が組立途中の状態で示されている。おもり部材186は、複数の周縁凹部230を含む。本発明の代替の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、ただ1つの周縁凹部を含む。周縁凹部230は、おもり部材186をその意図した位置に配置するのを容易にする。おもり部材186を内側面184bに溶接する際に、周縁凹部230により、溶接工は意図した溶接位置が分かり、正確かつ効率的な組立が保証される。さらに、凹部により、溶接領域の高さを低くすることができ、クラブヘッド101の重心がさらに低くなる。さらに、周縁凹部230により、より迅速な溶接作業が可能になり、ひいては加えられる熱が少なくなる。その結果、溶接作業によって悪影響を受けるクラブヘッド101の領域が最小限になる。
【0102】
図20(c)に示すように、組み立てた状態で、周縁凹部230は、充填物232を少なくとも部分的に充填されている。本発明の一部の態様では、充填物232は、クラブヘッド101の本体またはおもり部材186の組成と同じ材料を含む。本発明の他の態様では、充填物232は、クラブヘッド101の本体の組成とは異なる材料を含む。本発明の一部の態様では、第1の材料には、チタン、タングステン、ステンレス鋼、アルミニウム、またはポリマーが含まれる。本発明の一部の態様では、組み立てた状態で、周縁凹部230は部分的にのみ充填物を充填される。
【0103】
図21(a)〜21(c)を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様では、ゴルフクラブヘッド101は、上部部分114、底部部分112、ホーゼル100、打撃面106、内側面184b、外側面184a、およびおもり部材186を含む。おもり部材186は、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分に固定されている。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。
【0104】
図21(b)および
図21(c)に示すように、ゴルフクラブヘッド101は、内側面184bから延びる突起からなる位置決め体236をさらに含む。おもり部材186は、位置決め突起236に合わせた相補的な形状の位置決め体234を含む。具体的には、おもり部材186の位置決め体234は、クラブヘッド101の内側面184bから延びる位置決め体236と係合するように構成された凹部からなる。
【0105】
組み立てた状態では、
図21(b)に示すように、位置決め体236は、位置決め体234に少なくとも部分的に嵌入されている。このようにして、おもり部材186は、内側面184bに、より迅速かつより正確に配置することができる。本発明の代替の態様では、ゴルフクラブヘッド101の内側面184bが、凹部を有する位置決め体を含み、おもり部材が、凹部に合わせた相補的な突起を有する位置決め体を含む。本発明の一部の態様では、おもり部材186および内側面184bは、他の相補的な構造、例えば、さねはぎ構造を有する位置決め体を含む。
【0106】
図22を参照すると、本発明の1つまたは複数の態様のゴルフクラブヘッド101が基準位置で示されている。ゴルフクラブヘッド101は、全幅W
o、打撃面106、凹凸のある輪郭部分を有する内側面184b、ホーゼル面104を有するホーゼル100、およびゴルフクラブヘッド101の内側面184bに固定されたおもり部材186を含む。おもり部材186は、
図12(b)に示す本発明の態様に含まれるおもり部材186と同様に、クラブヘッド101の内側面184bの凹凸のある輪郭部分の輪郭に実質的に合致している。
【0107】
おもり部材186は、一番ヒール側の点238および一番トウ側の点240をさらに含む。第1の仮想鉛直面248は、ホーゼル面104に対して直角であり、一番ヒール側の点238を通っている。第2の仮想鉛直面250は、ホーゼル面104に対して直角であり、一番トウ側の点240を通っている。第1の仮想鉛直面248と第2の仮想鉛直面250との間の最短距離は、おもり部材の幅W
wtに一致する。
【0108】
おもり部材186は、約8g以上の質量と、約2.75cm
3以上の体積と、0.3以上のW
wtのW
oに対する比率とを有する。おもり部材186は、約12g以上の質量と、約3.75cm
3以上の体積と、0.4以上のW
wtのW
oに対する比率とを有するのがより好ましい。おもり部材186は、約15g以上の質量と、約3.75cm
3以上の体積と、0.5以上のW
wtのW
oに対する比率とを有するのが最も好ましい。
【0109】
前述の説明では、本発明が例示的な実施形態に関連して説明された。一方、添付の特許請求の範囲に記載した本発明のより広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であるのは明白である。したがって、説明および図面は、限定ではなく例示を意図されていると考えることができる。