特許第5793419号(P5793419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5793419-ガラス溶融炉 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793419
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ガラス溶融炉
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/04 20060101AFI20150928BHJP
   C03B 5/167 20060101ALI20150928BHJP
   C03B 5/235 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   C03B5/04
   C03B5/167
   C03B5/235
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-512122(P2011-512122)
(86)(22)【出願日】2009年6月4日
(65)【公表番号】特表2011-521883(P2011-521883A)
(43)【公表日】2011年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2009056843
(87)【国際公開番号】WO2009147191
(87)【国際公開日】20091210
【審査請求日】2012年4月2日
【審判番号】不服2014-8110(P2014-8110/J1)
【審判請求日】2014年5月2日
(31)【優先権主張番号】08104268.1
(32)【優先日】2008年6月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ベヘン, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥシャン, オリヴィエ
【合議体】
【審判長】 大橋 賢一
【審判官】 中澤 登
【審判官】 河原 英雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−316121(JP,A)
【文献】 特開2001−165428(JP,A)
【文献】 特開平9−124323(JP,A)
【文献】 特開2003−329240(JP,A)
【文献】 特開平9−255305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00- 5/44, 8/00- 8/04,19/12-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路形状溶融タンクを含むガラス溶融炉であって、バッチ材料の導入が上流端で行なわれ、溶融ガラスが下流端で回収され、前記炉がバーナーによって加熱され、そこで燃焼エネルギーの少なくとも80%が酸素燃焼によって生成され、煙霧との熱交換により予熱される酸素が遠隔地の製造設備からガスパイプを介して又は近くに位置される製造設備から連続的に供給されるものにおいて、連続的供給が止まっても、炉の操作が8時間の最小期間少なくとも温度維持モードで確保されることができるように、炉が酸素を貯蔵するための手段を備え付けられ、温度維持モードにおいてバーナーによって送出される出力が通常の操作に相当する出力の1/3以下であること、ガラス溶融炉が、伝統的な溶融、精製及び状態調節領域を含み、状態調節領域が通常の操作においてエネルギーの有意な供給を持たず、空気燃焼によって操作する追加のバーナーが状態調節領域に位置されること、及び活動状態を維持されるバーナーの操作が、溶融及び精製領域におけるクラウン温度が1100℃以上であり、状態調節領域におけるクラウン温度が1050℃以上であることを特徴とするガラス溶融炉。
【請求項2】
連続的供給が止まっても、炉の操作が少なくとも30時間の最小時間少なくとも温度維持モードで確保されることができるように、炉が酸素を貯蔵するための手段を備え付けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
【請求項3】
温度維持モードにおいて酸素燃焼バーナーの幾つかだけが操作において維持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス溶融炉。
【請求項4】
温度維持モードにおいてバーナーの最大半分が操作において維持されることを特徴とする請求項3に記載のガラス溶融炉。
【請求項5】
操作状態を維持されるバーナーが、煙霧が排出される前に煙霧が浴の実質的に全表面の上を通るように位置されることを特徴とする請求項4に記載のガラス溶融炉。
【請求項6】
温度維持モードのような通常の操作モードにおいて、煙霧の少なくとも65%がバッチ材料の充填部の近くで炉の上流に排出されることを特徴とする請求項5に記載のガラス溶融炉。
【請求項7】
溶融ガラスの流れを変えるブレンダー又はダムのように、通常冷却される溶融材料と接触する要素が浴から除去される(ブレンダー)か、又はそれらの冷却が中断される(ダム)ことを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉の温度を維持する方法。
【請求項8】
炉がバブラーを含み、その操作が、バブラーがガラスの固化によりブロックされないように厳格に最小に維持されることを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉の温度を維持する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス溶融炉に関し、そこでは溶融エネルギーは燃料及び酸素又は酸素に非常に富むガスを供給されるバーナーによって本質的に生成される。これらの炉は通常、「酸素燃焼(oxy combustion)」炉と称される。
【背景技術】
【0002】
酸素燃焼バーナーの二次的使用はガス溶融炉において良く知られている。従って、それは、伝統的な方法で空気で運転する炉に対して、一つ又は限られた数の酸素燃焼バーナーを加えることである。これらの追加のバーナーの導入は一般に、おそらく炉の性能が長い使用のために低下するときに、存在する炉の能力を高めることを意図される。それはまた、追加のエネルギー源を導入することによって与えられた炉の能力を簡単に高めることができる。
【0003】
大きな能力の炉に幾つかの酸素燃焼バーナーを追加することは通常、炉の一般的な操作に有意な変更を行なわずに実施される。特に、酸素燃焼から放出されるエネルギーの割合は低いままである。それは全体の20%を超えず、10%を超えないことがほとんどである。この理由のため、酸素の継続した供給は設備に有意な危険を与えない。もし酸素の供給が何らかの理由のために中断されるなら、炉の温度は、空気燃焼で操作する唯一のバーナーによって維持されることができる。出力はおそらく一時的に変化するが、設備は危険な状態にならない。
【0004】
補助的なエネルギー源を持つことを別にして、いわゆる酸素ブーストモード(oxy−boosting mode)で操作するシステムは、酸素燃焼から生じうる全ての公知の利点から利益を得ることができない。エネルギー消費の低下及び望ましくない煙霧の放出の低下が潜在的な利点の中にある。
【0005】
さらに、問題の製造ユニットあたりのエネルギー消費の低下は、二酸化炭素の放出を制限する利点を持ち、それゆえこの分野の法定の条件を満足する利点を持つ。
【0006】
窒素の存在はまた、いわゆるNOx酸化物の形成の源であり、その放出は雰囲気中のこれらの化合物の存在と関連した損傷のために実際には禁止されている。酸素の使用は、空気中の窒素と関連した問題が除外されることを可能にし、それは酸素ブースト技術には当てはまらない。
【0007】
上で述べた利点にかかわらず、大きなガラス製造炉における酸素燃焼の使用はまだ開発されていない。これには様々な理由がある。即ち、酸素の使用は空気の使用より必ずコスト高である。しかしながら、酸素燃焼を使用する経済的評価は、特に2008年3月25日に出願された未公開ヨーロッパ特許出願08102880.5に記載されるように煙霧からの有意な量の熱が回収されるときに高くなる。さらに、操作の継続性は、中断なしで酸素を供給することを要求する。
【0008】
大きな能力の炉の場合において、必要な容量の酸素は、最も信頼性のある供給がガスパイプによって又はその場で製造設備によってのいずれかであるようなものである。どのような方式を採用するにしても、一つの問題は、一時的な中断の可能性が常にあるということを考慮して供給が永続的であることを確実にすることである。しかしながら、これらの状況では、設備に危険を課さない条件を維持しなければならない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、この明細書に添付された特許請求の範囲の主題を形成する大きなガラス製造炉における酸素燃焼技術を実施するための方法に関する。
【0010】
供給が中断される場合の第一の目的は、溶融されたガラスがこの状態を維持する温度レベルを設備が保持できる手段を持つことである。このため、有意な不可避のエネルギー損失を考慮すると、一定のエネルギー供給が炉内で維持されなければならない。設備が酸素燃焼を使用して操作するように設計される場合、本手段を使用してこの方法に従ってエネルギーを供給できることが必要である。酸素燃焼のためのバーナーは空気で操作するためのものと同様に使用することができない。燃料の各容積は同じ大きさのオーダーではない。酸素とともに使用される回路及びパイプ系は空気を循環するために使用されることができない。この理由のため、おそらく以下でさらに示される場合に精製領域に位置される幾つかのバーナーを除いて、酸素燃焼を空気燃焼で置換する考えはない。
【0011】
それゆえ、バーナーを供給することができるためには、緊急的に利用可能な酸素源を持つことが必要である。それでもなお、一時的に供給がない場合に対処するために利用可能な十分なリザーブ(reserve)を持つことに困難性がある。通常の操作方式での消費を考えると、緊急用に貯蔵される容積は、設備の完全な操作を確保するために十分であることができない。本発明によれば、これらの貯蔵物をコストが極端に高くならないレベルに維持するために、炉の操作は酸素供給の一時的な停止の場合に低速方式に置かれる。エネルギーの供給は、ガラスを溶融状態に保つために厳しく最小に減少される。炉はもはやバッチ材料を供給されず、潜在的な冷却源はできるだけ遠くに離して維持される。
【0012】
想定される危険及び酸素供給者によってなされる責任の種類によって、少なくとも8時間、炉の温度を維持することが可能でなければならない。設備の現場で貯蔵される酸素の量は少なくともこの時間の間、この状態を維持することが十分でなければならない。それでもなお、可能であるなら、供給者が保証を考えるレベルを超える供給欠陥のいかなる危険も良好に除外するように高い量が貯蔵されることが好ましい。20時間の操作、好ましくは30時間の操作に相当する酸素の量を貯蔵することが有利である。
【0013】
エネルギーの低下した供給は、炉に存在するガラスを溶融状態に保持することを意図されるが、もう一度、材料を溶融することを意図されない。これらの条件では、必要なエネルギーの量は有意に減少されることができる。有利には、必要なエネルギーは、不可避の損失を考慮して通常の操作モード時に消費されるエネルギーの1/3以下である。
【0014】
温度維持モードでは、炉の平衡は大きく変化される。エネルギー供給は通常の操作時のものとは異なる方法で分配される。
【0015】
溶融材料は炉の異なる領域、即ち溶融、精製及び状態調節領域において分配される。通常の操作時のエネルギーの供給は最初の二つの領域に局在化される。フロート浴の前の状態調節領域は、ガラスの温度を低下させ、それを十分な粘度に漸次もたらすように意図される。状態調節領域の上の加熱手段の不存在は温度を維持することを可能にしない。それゆえ、ガラスが固化することを防止するために、この領域における溶融ガラス材料の更新がないことを補償するための手段を与えることが必要である。前記更新は、温度が通常の操作モードで維持されることを確保する。
【0016】
本発明によれば、状態調節領域の上に緊急用のバーナーを与えることが有利である。これらのバーナーは永久に設置されるか、又は除去されることができ、除去される場合は必要時にのみ与えられる。除去可能なバーナーはグローリーホールに配置されることが有利である。グローリーホールは通常のモードでは状態調節領域の上の熱い雰囲気の排気を可能にし、従って望ましい冷却を促進する。
【0017】
もしこれらのバーナーが除去可能であるなら、それらの供給モードはこの特別な特徴に適合されなければならない。それらは素早く操作されなければならないので、それらは容易に接続される供給パイプを持たなければならない。燃料(液体又はガス)のための供給回路への接続は特別な困難性を投げかけない。逆に、この移動可能な特徴は酸素、特に熱い酸素の供給を極めてデリケートなものにする。この理由のため、状態調節領域の上で使用される緊急バーナーは、空気燃焼で操作するバーナーであることが好ましい。酸素燃焼を使用する利点はこれらの緊急的な場合に必ず無視されることに注意しなければならない。空気燃焼区域の存在は、エネルギー供給を最適化する目的のためではなく、単に炉内の温度を維持するためである。
【0018】
バーナーの操作は最適化されたシステムのために手配される。各バーナーは、公称参考出力付近の特定の制限内で変化しうる出力範囲で操作する。良好なエネルギー効率を保持するために、この範囲からはずれすぎることは望ましくない。それゆえ、エネルギー供給の減少の結果として、温度維持モードで活動しているバーナーの数を制限することが必要である。
【0019】
活動状態を維持するバーナーの選択は酸素燃焼、及びバッチ材料の溶融をもはや要求しないこの特定の操作モードの詳細を考慮する。
【0020】
上で引用されたヨーロッパ特許出願に記載された酸素燃焼システムは炉内の煙霧の特別な循環を含む。煙霧の最も大きな部分のこの循環は炉の上流に向けられ、最も大きな供給を要求する炉の領域へのエネルギーの移動を有利にする。
【0021】
煙霧の循環後、それが担持するエネルギーをできるだけ多く回収する目的のためのこれらの大部分が収集される。この回収されたエネルギーは、特に酸素を、及びもし必要なら消費される燃料を予熱するために使用される。
【0022】
問題の炉はまた、窒素を充填された雰囲気が実質的にないようにしなければならない。この理由のため、炉の全てのバーナーはほとんど酸素燃焼によって操作する。しかしながら、空気燃焼の一部を保持することができるが、酸素燃焼によって発生されるエネルギーは炉で使用される全エネルギーの少なくとも80%、好ましくはその少なくとも90%である。
【0023】
燃焼から来る炉の雰囲気の構成成分にかかわらず、外部空気の再加熱に対応するエネルギー損失を防止するために外部空気の進入をできるだけ防止することが必要であるが、とりわけこの空気が高温の火炎を通過することによる望ましくないNOxの形成をできるだけ防止することが必要である(これらの火炎の温度は1800〜2300℃であり、選択される酸素バーナーのタイプに依存する)。
【0024】
考えられる設計にかかわらず、ガラス製造炉は外側の雰囲気に対して完全な封止状態を維持されることができない。さらに、周囲雰囲気の進入を防止するために、炉内の煙霧の循環は、それが動的封止を作るように配置される。
【0025】
緊急モードの特定の条件を考慮するために炉の取付部品を完全に修正することができない。しかしながら、操作状態を維持されるバーナーと一時的に停止されるバーナーを選択することができる。
【0026】
この特定のシステムでは、煙霧は炉の上流に向けられ続けるが、これは使用される酸素を加熱するためにエネルギー回収を維持し続けるためだけである。通常の操作モードでは、煙霧の限定された部分は、状態調節領域から来る制限された容量の空気がこれらの煙霧とともに排出されるように精製領域の下流区域において抽出される。窒素酸化物の形成の危険がかくして避けられる。状態調節領域から来る空気の流れを維持する目的は、炉の雰囲気中に懸濁されるダストのいかなる連行も防止することである。
【0027】
緊急操作モードでは、主な関心事は温度を維持することである。炉内に少量の空気が一時的に導入されることは許容される。これらの状態では、本発明によれば、全ての煙霧が上流に排出されることを確実にすることが好ましい。一方、エネルギーの使用は溶融材料に最良に伝達され、他方、煙霧が放出されることが少ない緊急モードであっても、そこからの熱の回収はできるだけ高いレベルで維持され、特に使用される酸素の加熱を可能にする状態が維持されることを確実にする。
【0028】
バッチ材料の供給が中断されるので、炉の上流区域で必要なエネルギーの量は大きく減少される。たとえバーナーのエネルギーが上で示したように減少されたとしても、第一バーナーが操作状態に維持されなくてもこの上流区域で熱平衡を達成することができる。
【0029】
操作状態に維持されたバーナーの選択による出力の分布は、溶融及び精製領域の温度を均一にする傾向がある。この分布はまた、浴の内側の対流ループをできるだけ維持するために達成される。これらの流れは、遅くなったときであっても、冷気に最も露出している区域の再加熱を確保し続ける。これは特に炉の床に関する。
【0030】
一般に、この結果を達成するために、エネルギーの大部分は、溶融領域と精製領域の境界の中心領域に設けられたバーナーによって供給される。上流では、示したように、エネルギーの必要性は通常の操作におけるより低い。逆に、精製領域に向かう溶融材料の流れがない場合には、この領域及び状態調節領域において、通常の操作で操作するものに加えてバーナーを与えることが必要であるかもしれない。
【0031】
有利には、もし追加のバーナーが精製領域において与えられるなら、これらのバーナーはまた、酸素燃焼の利益をできるだけ保持するために酸素で操作する。これらのバーナーが永久に設置されない場合には、除去可能な供給回路は熱い酸素の使用に悪く適合される。それゆえ、精製領域におけるこれらの追加の可動バーナーの操作は加熱されない酸素で確保されることが好ましい。
【0032】
酸素バーナーの選択はさらに好ましい。なぜならばそれは温度が炉のこの領域において適切に維持されることを確実にするからである。存在するグローリーホールに面するように配置される空気燃焼で操作する追加のバーナーは、必要な温度を適切に維持することができないだろう。通常の可動バーナーの空間条件は、これらが火炎を炉の壁の厚さに発達させることを意味する。これらの条件におけるクラウン(crown)の加熱は燃焼ガスとの接触により確保されるにすぎないだろう。それらの温度はクラウンを所望の値に維持するためには十分に高くない。
【0033】
火炎が壁から発達する空気燃焼バーナーの配置は原理的に可能である。しかしながら、かかる配置は普通ではない。それは炉の壁からの耐火要素の除去を要求し、これは特に不便な操作である。緊急バーナーの構築時の配置もまた可能であるが、実用上の理由のため好ましくない。
【0034】
酸素燃焼のために意図されるバーナーは上で示した理由のために空気燃焼のためのもののように使用可能でないが、これらのバーナーの修正はもし必要なら代替的な操作を可能にする。空気による酸素の代替はこれらのバーナーの供給パイプを使用して可能ではないことは述べた。これらのバーナーに対する代替的な解決策は燃料の導入及び燃料とともに導入されたいわゆる「一次」酸素の導入を維持することである。この一次酸素は永続的な点火を確実にする。「二次」及び可能なら「三次」の酸素の供給(それらは燃料の最も大きな部分を表し、火炎の段階的な燃焼を確保する)は中断される。従って、代わりの空気は、「一次」火炎に隣接する耐火ブロックに配置された適切な導管を通して導入される。これらの状態における火炎は炉の室内で良好に発達する。結果として、それらの輻射によりクラウンが適切な温度に維持されることを可能にする。しかしながら、これらの空気供給パイプの設置は相対的に難しい操作である。この理由のため、もし上記の代替方式を維持することができない場合にそれが計画されるにすぎない。
【0035】
通常の操作モードでは、炉のクラウンの温度は1350℃〜1450℃である。エネルギー供給を減少し、浴を溶融状態に維持することは、これらのクラウンの温度の適切な低下を伴う。しかしながら、これらの温度は高められたままである。溶融及び精製領域においては、温度は好ましくは1100℃以上でなければならない。
【0036】
状態調節領域では、通常の操作モードにおける温度は、ガラスがフロート浴中に流れ込むときに約1100℃のガラスを利用可能にするように制御される。これらの温度に到達するために、バーナーが与えられないだけでなく、ガラスの温度を漸次低くするために有意な換気が維持される。これらの状態では、クラウンの温度は溶融及び精製領域における温度よりかなり低い。
【0037】
上で示したように、緊急モードでは、ガラスが固化することを防ぐためにエネルギーを供給することが必要である。しかしながら、クラウン温度は前述の領域における温度より少し低い。それは好ましくは1050℃以上でなければならない。
【0038】
対流ループは、通常の操作モードでは、炉の領域間に存在する温度の差によって生じる自然の機構の結果としてだけでなく、補助的な手段によって生じる動きの結果として維持される。これらは、例えばバブラー、ブレンダー又はダムである。これらの全てに共通しているものは、これらの対流の動きのためになるのに加えて、ガラスの幾らかの冷却を起こすことである。
【0039】
極めて強烈な条件にさらされるブレンダー又はダムは使用時に永続的に冷却されなければならない。その目的は、温度維持モードでの損失を最小にすることである。これに基づくと、ブレンダーは有利には浴から除去されるか又はそれらの冷却が中断される。冷却はまた、ダムについて中断される。ダムは明らかに除去できない。
【0040】
床上に配置されたバブラーの供給を完全に止めることは難しい。幾らかのガスの流れが維持される。その理由は、バブラーがガラス固化の結果としてブロックされることから防止されなければならないからである。この導入と関連した冷却を制限するために、流れは厳しく最小に減少される。
【0041】
実際には、問題の酸素燃焼炉の場合には、浸漬された電極によって浴を加熱するための手段の使用は考えられないか、又はもしその使用が考えられるなら極めて制限された程度、例えばバッチ材料のための充填領域に制限される。全ての場合においてエネルギー供給は通常操作モードでは全体の5%を超えない。これらの手段は酸素の供給から完全に明らかに独立しており、この理由のために緊急モードの操作のためのエネルギー供給に寄与することができる。
【0042】
大きな酸素燃焼炉の有利な経済的バランスを得るために、炉から放出する煙霧に含まれる熱のかなりの部分を回収することが必要である。実際には、空気燃焼炉の場合のように、この回収されたエネルギーの最も経済的な使用は、炉内に導入される材料、即ち酸素、燃料及び可能ならバッチ材料を再加熱することにある。
【0043】
酸素を加熱することは極めて厳しい予防措置を必要とする。酸素が循環する設備は完全に封止され、高温に耐え、これらの温度にもたらされる酸素に耐えなければならない。酸素の予熱は、熱い酸素に対して優れた耐性を持つ鋼から作られた熱交換器で実施されることが有利である。熱交換器及びこの使用に適した材料は、2007年5月10日に出願された未公開のヨーロッパ特許出願No.07107942に記載されている。熱い酸素の動きと関連した危険を最小にするために、既に引用したヨーロッパ特許出願No.08102880.5には様々な装置が提案されている。
【0044】
実質的には、二種の装置が提案されている。第一に、エネルギーの伝達は二段階で実施される。第一段階では、煙霧が復熱装置(recuperator)内に進み、エネルギーの伝達が中間熱伝達流体(例えば空気)で行なわれる。第二段階では、熱伝達流体は熱交換器内に進み、そこでそれは酸素を再加熱する。第二に、酸素を加熱する熱交換器はバーナーのできるだけ近くに設けられ、腐食に関する危険を低下する。継目及び接続は同じようにできるだけ避けられる。
【0045】
この回収のシステムは、縮小したモードで操作し続ける。処理は、活動状態を維持しているバーナーに供給する酸素を加熱することに専念しているだけである。
【0046】
実際には、完全な操作の信頼性を保証するために、酸素の温度が650℃未満、好ましくは600℃未満に維持されることが好ましい。
【0047】
使用される燃料は、それが天然ガスであるか又は液体燃料油であるかにかかわらず予熱されることが有利である。天然ガスの場合には、予熱温度は有利には650℃未満、好ましくは550℃未満である。重油の場合には、これらの燃料のクラッキングから生じる汚れを防止するために、予熱温度は一般にあまり高められず、180℃を超えず、好ましくは150℃を超えない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明は、一連の図面を参照して以下に詳細に記載される。
【0049】
図1図1は、本発明による炉の概略透視図である。
【0050】
図2図2は、緊急操作モードにおける図1の装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1に示された炉は、フロートガラス技術を使用する平板ガラス製造を供給するために使用されるもののような大規模ガラス製造の操作に使用されるタイプのものである。このタイプの炉は、1000トン/日にも達しうる量のガラスを連続的に製造する。これらの生産量を達成するために、炉は60MWまでの利用可能な出力を持たなければならない。
【0052】
炉1は、閉鎖された室に配置されたタンクを含む。集成装置は、温度、煙霧による腐食、及び溶融材料の攻撃的作用に耐える耐火材料から作られる。タンク内の浴レベルは破線2によって示される。
【0053】
炉はその端部の一方でバッチ材料を供給される。これらのバッチ材料が充填される開口は3で概略的に示されている。実際には、浴の表面上の分布を容易にするために、幾つかの充填ポイントが通常与えられる。溶融ガラスは、タンクの幅より小さい幅でネック4を介して反対端で出る。ネック4のベースは通常、炉の床のレベルである。
【0054】
ネックは溶融ガラスに完全に浸漬されない。ネックの上部とガラスのストリップの表面の間に空間が残っている。炉内のガス流れに関する操作条件は、懸濁されるダスト粒子の連行の危険を防止するために炉の雰囲気がネック内に進まないように調節される。この操作を確実にするために、溶融ガラスの流れとは逆に循環するガスの弱い流れを保持することが好ましい。その意図は逆方向のガスの流れを防止するためだけであるので、この流れはできるだけ弱く保持される。
【0055】
場所が6で示されるバーナーは、火炎をタンクの実質的に全幅にわたって分散するために炉の側壁に沿ってその各側上に配置される。バーナーは、この同じ溶融及び精製タンクの長さの大部分にわたってエネルギー供給を分配するために互いに間隔を置かれている。
【0056】
燃焼ガスFは、充填領域の近くでかつ最も近いバーナーからある距離で位置される出口7を通って大部分が排出される。図面(図1及び2)では、二つの出口7は側壁上で対称的に配置され、一方バッチ材料(MP)の充填は炉の軸にある。これは好ましい実施形態であるが、上流部分の炉を閉鎖する壁8におけるガスの出口のような他の配置も可能である。これらの出口はまた、異なって分布されることができるが、煙霧が炉内のガラスVの流れと対流で生じることを確実にすることが重要である。もし必要なら、煙霧は充填開口を通って少なくとも部分的に出ることができる。
【0057】
上で示したように、本発明によれば、炉の室が外側の空気の侵入に対して実質的に封止されることを確実にしなければならない。上流の煙霧の循環は炉のその側上で外側の空気の侵入を防止する。側壁に配置されるいかなる通路も周囲空気の侵入に対して実質的に封止される。状態調節区域5に到着しうる少量の空気を強制的に戻すために、炉の下流の煙霧の極めて制限された循環が配置されることが有利である。これらの煙霧F′は出口9を通って排出される。
【0058】
炉の三つの領域は図2ではI(溶融)、II(精製)、III(状態調節)として示されている。
【0059】
溶融と精製の間の境界は一般に、炉の構造において具体化されない。特に、もしダムがこれらの炉の床上に配置されるなら、たとえそれがその位置付けに導く条件の部分を持っていたとしても、このダムは通常、この境界と一致しない。
【0060】
溶融領域と精製領域の間の区別は全ての場合において機能的である。それはタンク内のガラスの循環の方式に対応する。これは、溶融区域における第一対流ループ、及び精製区域における第一のものとは逆方向に回転するループに対応する。循環に直接影響するいかなる手段もない場合には、溶融領域と精製領域の境界の位置は、特にバーナーによるエネルギーの分配を含む操作パラメーターの収集によって決定される。
【0061】
一般則として、通常の操作中、バッチ材料を溶融するために必要なエネルギーの供給は精製のための温度にガラスを維持するものより多い。結果として、バーナーの数、特にそれらが送出する出力は溶融領域においてより多い。
【0062】
最も有利であるとわかっている操作モードによれば、「熱曲線」(即ち、炉に沿った温度の分布)はまず上流から精製領域の開始の近くの中央区域まで進む。次いで、温度は状態調節内への通路を作るネック4に向かってわずかに減少する。この理由のため、炉の下流端は通常、バーナーがない。
【0063】
バーナーの分布はその軸によって図2に示される。それらは、対向方向に放出された火炎が互いに当たらないことを確実にするためにタンクの両側で互い違いの列で配置されることが好ましい。
【0064】
状態調節領域5は通常の操作モードにおいていかなるバーナーも含まない。開口11は壁に配置され、周囲空気は室5内に送られ、ガラスをフロート浴上での適用に適合した温度にもたらす。
【0065】
温度維持モードの操作は図2に示されている。バーナーの一つの区域だけが操作状態を維持される。示された例では、バーナーは充填領域から出発して炉に沿ってそれらの位置に従って番号付けされ、炉内に永続的に設置されたバーナーである十個のバーナーのうちバーナー3,8及び9だけが活動状態である。活動状態のバーナーは、対応する火炎の概略図によって示される。
【0066】
精製領域の下流端は通常、活動状態のバーナーを含まない。溶融ガラスの流れは温度条件を維持するために十分である。緊急操作モードでは、ガラスの流れが停止される。それゆえ、精製区域の端はエネルギーの供給を必要とする。示された実施形態では、二つの追加のバーナーa及びbは炉の壁に予め作られた位置に一時的に配置される。バーナーは、酸素燃焼に変化される室内で操作するので、これらのバーナーが酸素タイプバーナーであることを確実にすることが好ましい。それらの脱着可能な性質は熱い酸素の供給を極めて困難にする。全ての要求される安全性を確保するために、熱い酸素の移動のために使用されるパイプ系及び熱交換器の構成は、可動性にあまり適合しない特別な特徴を要求する。これらの理由のため、酸素バーナーa及びbは冷たい酸素を供給されることが好ましい。しかしながら、これらのバーナーの操作の一時的な性質に照らすと、空気バーナーを与えることができる。従って、酸素燃焼の利点の幾つかは一時的に持てない。逆に、空気バーナーの使用は酸素の消費を減少することができ、所定の緊急リザーブの場合には、このリザーブの使用を延長させることができる。
【0067】
通常の操作モードでは、状態調節領域5は、ガラスを加熱するためのいかなる装置も含まない。緊急モードでは、ガラスを溶融状態に維持するために最小量のエネルギーを供給することが必要になる。状態調節室には煙霧が全く発生しないので、これは同様に、この室からこれらの煙霧を運ぶための導管を持たない。これらの状態では、設置されたバーナーc及びdのために空気バーナーを選択することが有利である。もう一度、必然的に制限された容積のリザーブである酸素リザーブから酸素をとることを避ける工程が行なわれる。さらに、除去可能なバーナーの使用は、火炎の位置付けによりクラウンを高い温度に加熱できないことを意味する。しかしながら、精製区域では、要求される温度は溶融及び精製区域における温度より低い。これらのバーナーの使用はこれらの温度に到達できる。
【0068】
炉の出口の煙霧Fは、これらの煙霧によって連行されるエネルギーの一部の回収のために意図される装置に使用される。有利には、この回収はバーナーの酸素を加熱するために作用する。酸素を加熱するための最も信頼性のあるシステムは中間熱伝達流体との熱交換の二重システムを含む。上で引用された特許出願に記載された問題のシステムは復熱装置における最初の熱交換を含み、この復熱装置で加熱される熱伝達流体は次いで酸素を加熱するために熱交換器内に進み、加熱された酸素が次いでバーナーに運ばれる。
【0069】
炉を出ると、煙霧は最初、1200〜1400℃のオーダーの温度である。復熱装置(換言すれば雰囲気に放出される前に煙霧の処理のために煙霧の温度を低下させることができる基本的な熱交換器)に煙霧を向けることが好ましい。熱伝達流体(例えば空気)は極めて高い温度、例えば800℃のオーダーの温度にもたらされることができる。この空気は酸素を加熱するために熱交換器の方へ向けられる。これらの熱交換器の出口の酸素の温度は600℃程度に高くすることができるが、550℃を超えないことが好ましい。酸素を加熱する熱交換器はバーナーのすぐ近くに設置して、熱い酸素の使用地点までの経路を最短にすることが好ましい。
【0070】
緊急モードの操作では、煙霧の循環は通常モードと本質的に同じままである。煙霧は通常モードにおけるより少ないが、同様に少ない量の酸素を加熱するために再び作用することができる。
【0071】
一例として、図1に示されたもののような炉では、ガラスの600トン/日の生産量を得るために供給される出力は60MWである。緊急モードの操作では、バーナー3,8及び9によって供給される出力は約7MW以下である。精製領域における二つの追加のバーナーa及びbは約2.5MWを追加し、状態調節領域におけるバーナーc及びdは4MWをそれらの部分に対して供給する。全体として、出力は13.5MWであり、生産モードにおける操作出力の1/4より少し小さい。9.5MWを生産する酸素燃焼におけるバーナーを供給するために、必要な酸素は2000Nm/hのオーダーである。80000リットルの液体酸素のリザーブは、炉が30時間供給されることを可能にし、それは原則として供給者が十分な供給を再確立するために想定されるものよりずっと多い。そうでなければ、可動タンクによる供給が必ず優先しなければならない。
図1
図2