(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記期限接近部材を確認して警告状態となると前記優先基板に対する部品の優先実装を行う一方、前記警告状態が解除されると前記優先基板に対する部品の優先実装を解消して元の順序で部品の実装を行う請求項1に記載の部品実装装置。
同一部品または代替部品を収納する複数の部品供給部を備え、各ヘッドユニットが前記所定の順序にしたがって前記複数の部品供給部の中から選択して部品を実装する請求項1または2に記載の部品実装装置であって、
前記制御手段は、前記複数の部品供給部のいずれかに収納される部品が有効使用期限に近づくと当該部品を収納する部品供給部を前記複数の部品供給部の中から優先して使用する部品実装装置。
前記制御手段は、前記複数の部品供給部のいずれかに収納される部品が有効使用期限に近づいて警告状態となると部品供給部の優先使用を行う一方、前記警告状態が解除されると前記部品供給部の優先使用を解消して元の順序で部品供給部を選択して使用する請求項3に記載の部品実装装置。
第1基板を第1レーンに沿って搬送して第1実装作業位置に位置決めする第1基板搬送手段と、前記第1基板と異なる第2基板を前記第1レーンと異なる第2レーンに沿って搬送して前記第1実装作業位置と異なる第2実装作業位置に位置決めする第2基板搬送手段と、前記第1実装作業位置に位置決めされた第1基板および前記第2実装作業位置に位置決めされた第2基板の両方にアクセスして部品を実装する複数のヘッドユニットとを備えた部品実装装置を用いて第1基板および第2基板を生産する部品実装基板の生産方法であって、
前記複数ヘッドユニットにより所定の順序で前記第1基板および前記第2基板に対する部品の実装を行っている際に、生産に使用する使用部材が有効使用期限に近づいているか否かを繰り返し確認することで、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材を確認する確認工程と、
前記第1基板および前記第2基板のうち前記確認工程により確認された期限接近部材を使用する優先基板に対する部品の実装を優先して行って前記優先基板の生産を早める生産管理工程と
を備えることを特徴とする部品実装基板の生産方法。
第1基板を第1レーンに沿って搬送して第1実装作業位置に位置決めする第1基板搬送手段と、前記第1基板と異なる第2基板を前記第1レーンと異なる第2レーンに沿って搬送して前記第1実装作業位置と異なる第2実装作業位置に位置決めする第2基板搬送手段と、前記第1実装作業位置に位置決めされた第1基板および前記第2実装作業位置に位置決めされた第2基板の両方にアクセスして部品を実装する複数のヘッドユニットとを備える部品実装装置を複数台備え、前記複数のヘッドユニットによる部品実装を制御して基板を生産する部品実装システムであって、
所定の順序で前記第1基板および前記第2基板に対する部品の実装を行っている際に、生産に使用する使用部材が有効使用期限に近づいているか否かを繰り返し確認することで、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材を確認する確認手段と、
前記確認手段が期限接近部材を確認していない間、各部品実装装置において前記所定の順序で前記第1基板および前記第2基板に対する部品の実装を行わせる一方、前記確認手段が前記期限接近部材を確認すると、前記第1基板および前記第2基板のうち前記期限接近部材を用いる優先基板に対して部品の実装を優先して行わせることで前記優先基板の生産を早める生産管理手段と
を備えることを特徴とする部品実装システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、生産計画の段階で使用部材が有効使用期限を迎えてしまうか否かを判定しているが、これは基板の生産を行っている間、生産が順調に行われるとの前提に立脚したものである。しかしながら、実際の生産現場では、短時間の停止(生産現場では、「チョコ停」と称されることがある)やトラブル等による計画のずれ等が発生することがあり、上記特許文献1に記載の発明では、生産現場で発生する事象については迅速かつ柔軟に対応することができないという問題がある。
【0005】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、有効使用期限に近づいた期限接近部材を優先的に使用して基板を生産することで、有効使用期限を過ぎる前に期限接近部材を使用して生産効率の向上を図ることができる部品実装装置、部品実装基板の生産方法および部品実装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる部品実装装置は、上記目的を達成するため、第1基板を第1レーンに沿って搬送して第1実装作業位置に位置決めする第1基板搬送手段と、第1基板と異なる第2基板を第1レーンと異なる第2レーンに沿って搬送して第1実装作業位置と異なる第2実装作業位置に位置決めする第2基板搬送手段と、第1実装作業位置に位置決めされた第1基板および第2実装作業位置に位置決めされた第2基板の両方にアクセスして部品を実装する複数のヘッドユニットと、複数のヘッドユニットを制御して第1基板および第2基板の生産を制御する制御手段とを備え、制御手段は、所定の順序で第1基板および第2基板に対する部品の実装を行
っている際に、生産に使用する使用部材が有効使用期限に近づいているか否かを繰り返し確認し、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材を確認すると、第1基板および第2基板のうち期限接近部材を使用する優先基板に対する部品の実装を優先して行って優先基板の生産を早めることを特徴としている。
【0007】
また、この発明にかかる部品実装基板の生産方法は、第1基板を第1レーンに沿って搬送して第1実装作業位置に位置決めする第1基板搬送手段と、第1基板と異なる第2基板を第1レーンと異なる第2レーンに沿って搬送して第1実装作業位置と異なる第2実装作業位置に位置決めする第2基板搬送手段と、第1実装作業位置に位置決めされた第1基板および第2実装作業位置に位置決めされた第2基板の両方にアクセスして部品を実装する複数のヘッドユニットとを備え
た部品実装装置を用いて第1基板および第2基板を生産する部品実装基板の生産方法であって、上記目的を達成するため、
複数ヘッドユニットにより所定の順序で第1基板および第2基板に対する部品の実装を行っている際に、生産に使用する使用部材が有効使用期限に近づいているか否かを繰り返し確認することで、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材を確認する確認工程と、第1基板および第2基板のうち確認工程により確認された期限接近部材を使用する優先基板に対する部品の実装を優先して行って優先基板の生産を早める生産管理工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
さらに、この発明にかかる部品実装システムは、第1基板を第1レーンに沿って搬送して第1実装作業位置に位置決めする第1基板搬送手段と、第1基板と異なる第2基板を第1レーンと異なる第2レーンに沿って搬送して第1実装作業位置と異なる第2実装作業位置に位置決めする第2基板搬送手段と、第1実装作業位置に位置決めされた第1基板および第2実装作業位置に位置決めされた第2基板の両方にアクセスして部品を実装する複数のヘッドユニットとを備える部品実装装置を複数台備え、複数のヘッドユニットによる部品実装を制御して基板を生産する部品実装システムであって、上記目的を達成するため、
所定の順序で第1基板および第2基板に対する部品の実装を行っている際に、生産に使用する使用部材が有効使用期限に近づいているか否かを繰り返し確認することで、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材を確認する確認手段と、確認手段が期限接近部材を確認していない間、各部品実装装置において所定の順序で第1基板および第2基板に対する部品の実装を行わせる一方、確認手段が期限接近部材を確認すると、第1基板および第2基板のうち期限接近部材を用いる優先基板に対して部品の実装を優先して行わせることで優先基板の生産を早める生産管理手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明(部品実装装置、部品実装基板の生産方法および部品実装システム)では、基板を搬送するレーンが2つ設けられており、いわゆるマルチレーン構造が構築されている。そして、第1レーンに沿って第1基板が搬送されて第1実装作業位置に位置決めされるとともに、第2レーンに沿って第2基板が搬送されて第2実装作業位置に位置決めされる。これらの基板に対し、複数のヘッドユニットがアクセスして部品を実装する。ここで、生産に使用する使用部材の中に有効使用期限に近づいた期限接近部材が確認されると、第1基板および第2基板のうち期限接近部材が実装される基板を優先基板とし、この優先基板に対する部品の実装が優先して実行される。このため、有効使用期限が近づいた期限接近部材が優先的に使用され、有効使用期限を過ぎる前に期限接近部材が使用される。その結果、使用期限の到来により使用部材が廃棄されるのが低減されて生産効率が向上する。
【0010】
ここで、期限接近部材を確認して警告状態となると優先基板に対する部品の優先実装を行う一方、警告状態が解除されると優先基板に対する部品の優先実装を解消して元の順序で部品の実装を行うように構成してもよい。このように警告状態が解消されると、本来の順序に戻して部品実装が行われるため、部品実装を安定して行うことができる。なお、実装順序について予め最適化されている場合が多く、この点から言えば、警告状態の発生によりスループットが低下したとしても、警告状態の解除後に実装順序を元に戻すことでスループットを元の高い状態に戻すことができる。
【0011】
また、同一部品または代替部品を収納する複数の部品供給部を備え、各ヘッドユニットが所定の順序にしたがって複数の部品供給部の中から選択して部品を実装することがあるが、この場合、複数の部品供給部のいずれかに収納される部品が有効使用期限に近づくと当該部品を収納する部品供給部を複数の部品供給部の中から優先して使用するのが好適である。これによって、同一部品または代替部品の中で有効使用期限に近づいた部品から順次使用されていくため、使用期限の到来により廃棄される部品数を低減することができ、生産効率がさらに向上する。なお、このように複数の部品供給部のいずれかに収納される部品が有効使用期限に近づいた警告状態となると部品供給部の優先使用を行う一方、警告状態が解除されると部品供給部の優先使用を解消して元の順序で部品供給部を選択して使用するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、有効使用期限が近づいた期限接近部材を使用する基板に対する部品の実装を優先して行って当該基板の生産を早めているので、有効使用期限を過ぎる前に使用部材が使用されて生産効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明にかかる部品実装システムの一実施形態の概略構成を示す図である。この部品実装システム1では、同図に示すように、基板を搬送する搬送ライン2に沿って基板搬送方向Xの上流側(同図の右手側)から下流側(同図の左手側)にかけて、基板搬入機3、印刷機4、複数の実装機(部品実装装置)5、検査機6および基板搬出機7等が並設されている。これらのライン構成装置のうち基板搬入機3は、未処理基板を収容する基板収容部(図示省略)を有しており、この基板収容部から基板を印刷機4に順次搬入する。また、印刷機4は、搬入された基板の処理領域にクリーム半田を印刷により塗布する。
【0015】
また、半田が印刷された基板に対して部品を実装するために、複数(本実施形態では3台)の実装機5が搬送ライン2に沿って一列に並設されている。この明細書では、これら3台の実装機を区別して説明するために、基板搬送方向Xの上流側に位置する実装機5を「実装機A」と称し、下流側に位置する実装機5を「実装機C」と称するとともに、それらの間に位置する実装機5を「実装機B」と称する一方、これらを区別しない場合には、単に「実装機5」と称する。
【0016】
3台の実装機5により部品が実装された基板、つまり部品実装基板は検査機6に搬送され、部品実装基板の検査を行い、良否判定を行う。そして、この検査機6から搬送される検査済みの部品実装基板は基板搬出機7の実装基板収容部(図示省略)に順次収容される。
【0017】
この部品実装システム1を構成する各基板処理装置(印刷機4、複数の実装機5、検査機6)、基板搬入機3、および基板搬出機7はローカルエリアネットワークLANに接続されている。また、このローカルエリアネットワークLANには、各基板処理装置で所定の処理を実行するための処理プログラムを作成するとともに部品実装システム1全体を制御するサーバーPC(データ作成装置などと称されることもある)8が接続されている。そして、サーバーPC8および基板処理装置の間で種々のプログラムやデータ等がローカルエリアネットワークLANを介して通信可能となっている。また、サーバーPC8は、実装機5から送られてくる各種情報やデータ等に基づいて各実装機5での部品劣化度などの情報収集、優先レーンの指定などを行う機能を有している。この点については後で詳述する。
【0018】
図2は、
図1の部品実装システムに装備される実装機の概略構成を示す平面図である。また、
図3は、サーバーPCおよび実装機の電気的構成を部分的に示すブロック図である。なお、
図2では、基板搬送方向X、基板搬送方向Xに直交する水平方向Yおよび鉛直方向Zに対応した三次元の座標系を採用している。
【0019】
実装機5では、不図示の基台上に2つの基板搬送機構520A、520BがY方向に並設されており、それぞれ基板PBA、PBBを基板搬送方向Xに延設された搬送路に沿って搬送可能となっている。このように基板搬送機構520A、520Bに設けられる搬送路が本発明の「第1レーン」および「第2レーン」に相当しており、実装機5はいわゆるデュアルレーン構造を構成している。より詳しくは、基板搬送機構520A、520Bはともに同一構成を有している。なお、ここでは、第1レーン(以下「第1レーンLA」と称する)に沿って基板PBAを搬送する基板搬送機構520Aについて説明する一方、第2レーン(以下「第2レーンLB」と称する)に沿って基板PBBを搬送する基板搬送機構520Bについては同一または相当符号を付して説明を省略する。
【0020】
この基板搬送機構520Aは基台上において基板PBAを
図2の右側から左側へ搬送する一対のコンベア521、522を有している。これらのコンベア521、522はX軸方向に沿って延設され、しかもY軸方向に所定間隔だけ離間しながら配置されている。このようにコンベア521、522によって第1レーンLAが規定される。
【0021】
また、基板搬送機構520Aでは、基板搬送方向Xの上流側(
図2の右手側)から搬送されてくる基板PBAを実装機本体内に引き入れ、コンベア521、522により搬送する。そして、コンベア521、522は、基板PBAを本発明の「第1実装作業位置」に相当する実装作業位置(
図2に示す基板PBAの位置)で停止させる。なお、当該基板PBAは図略の保持装置により固定保持される。
【0022】
そして、実装作業位置で固定された基板PBAに対して部品収容部550から供給される電子部品(図示省略)がヘッドユニット560A、560Bに複数搭載された吸着ノズル561により移載される。すなわち、ヘッドユニット560Aが(+Y)側部品収容部550の上方と基板PBAの上方の間を複数回往復し、またヘッドユニット560Bが(−Y)側部品収容部550の上方と基板PBAの上方の間を複数回往復して当該実装機によって基板PBAに実装すべき部品の全部について実装処理が完了すると、基板搬送機構520Aは実装機コントローラ530からの駆動指令に応じて基板PBAを搬出する。
【0023】
基板搬送機構520A、520BのY軸方向の両側には、上記した部品収容部550が配置されており、これらの部品収容部550に対して複数のテープフィーダー551を装着可能に構成されている。また、部品収容部550では、各フィーダー551に対応して電子部品を一定ピッチで収納・保持したテープを巻回したリール(図示省略)が配置されており、各フィーダー551による電子部品の供給が可能となっている。なお、本実施形態では、部品収容部550は、コンベア521、522に対して(+Y)側と(−Y)側のそれぞれ上流部と下流部の合計4箇所に設けられており、各部品収容部550では、基板データに対応する段取りで複数のフィーダー551が装着される。
【0024】
また、実装機5では、基板搬送機構520A、520Bの他に、ヘッド駆動機構(図示省略)が設けられている。このヘッド駆動機構はヘッドユニット560A、560Bを基台の所定範囲にわたりX軸方向およびY軸方向に移動するための機構であり、X軸方向およびY軸方向への移動に、それぞれX軸モーターおよびY軸モーターが使用される。この実施形態では、
図2に示すように、ヘッドユニット560Aは(+Y)側の部品収容部550の上方位置から第2レーンLBの基板PBBの上方位置までの範囲562Aを移動可能となり、ヘッドユニット560Bは(−Y)側の部品収容部550の上方位置から第1レーンLAの基板PBAの上方位置までの範囲562Bを移動可能となっている。このように、各ヘッドユニット560A、560Bは基板PBA、PBBのいずれにもアクセス可能となっており、後述するように両基板PBA、PBBに部品を実装する。このような配置関係を採用しているため、ヘッドユニット560A、560Bがそれぞれ基板PBA、PBBに同時にアクセスすることは可能である。しかしながら、ヘッドユニット560A、560Bの相互干渉を防止するため、ヘッドユニット560Aが基板PBBにアクセスしている間、ヘッドユニット560Bは基板PBAにアクセスすることはできず、これは逆の場合も同様である。
【0025】
各ヘッドユニット560A、560Bの移動により吸着ノズル561で吸着された電子部品が基板PBA、PBBの上方位置に搬送される。各ヘッドユニット560A、560Bでは、鉛直方向Zに延設された不図示の実装ヘッドが8本、X軸方向(基板搬送機構520A、520Bによる基板PBA、PBBの搬送方向)に等間隔で列状配置されている。また、実装ヘッドのそれぞれの先端部には、吸着ノズル561が装着されている。
【0026】
各実装ヘッドはヘッドユニット560A、560Bに対してZ軸モーターを駆動源とするノズル昇降駆動機構により昇降(Z軸方向の移動)可能に、かつR軸モーターを駆動源とするノズル回転駆動機構によりノズル中心軸回りに回転可能となっている。これらの駆動機構のうちノズル昇降駆動機構は吸着もしくは装着を行う時の下降位置と、搬送や撮像を行う時の上昇位置との間で実装ヘッドを昇降させるものである。一方、ノズル回転駆動機構は部品吸着ノズルを、電子部品の実装方向への合致のためやR軸方向の吸着ズレの補正のため等、必要に応じて回転させるための機構であり、回転駆動により電子部品を実装時における所定のR軸方向に位置させることが可能となっている。
【0027】
そして、ヘッド駆動機構によってヘッドユニット560A、560Bが部品収容部550の上方に移動し、Z軸モーターによって吸着ノズル561が吸着対象部品を搭載するフィーダー551の部品吸着位置上方に位置されるとともに、吸着ノズル561が下降して部品収容部550から供給される電子部品に対して吸着ノズル561の先端部が接して吸着保持し、吸着ノズル561が上昇する。こうして吸着ノズル561で電子部品を吸着保持したままヘッドユニット560A、560Bが基板PBA、PBBの上方に搬送され、所定位置において所定方向に向けて電子部品を基板PBA、PBBに移載する。
【0028】
このように構成された実装機5全体を制御するコントローラ530は、演算処理部531と、ハードディスクドライブなどの記憶部532と、モーター制御部533と、画像処理部534と、通信制御部535とを備えている。この演算処理部531はCPU等により構成されており、後述するようにサーバーPC8で作成されて記憶部532に書き込まれた実装プログラムにしたがって実装機各部を制御して部品実装を行う。また、演算処理部531は、実装プログラムに基づく生産中に、部品の期限確認プログラムを実行して部品の中に有効使用期限に近づいている期限接近部品を確認する機能を有している。
【0029】
モーター制御部533には、実装機5の各部を駆動するモーターが電気的に接続されており、各モーターを駆動制御する。また、画像処理部534には、部品を撮像して認識する部品認識カメラや基板を撮像して認識する基板認識カメラが電気的に接続されており、これら各カメラから出力される撮像信号がそれぞれ画像処理部534に取り込まれる。そして、画像処理部534では、取り込まれた撮像信号に基づいて、部品画像の解析ならびに基板画像の解析がそれぞれ行われる。
【0030】
この実装機5では、表示/操作ユニット540が設けられて実装プログラムなどを表示する。また、表示/操作ユニット540は、作業者がコントローラ530に対して各種データや指令などの情報を入力するためにも使用される。さらに、実装機5には、サーバーPC8や他の基板処理装置等との間で実装プログラムなどの各種データの授受を行うために通信制御部535が設けられている。
【0031】
サーバーPC8は実装プログラムを作成するコントローラ810を有している。このコントローラ810は実装プログラム以外に印刷プログラム、検査プログラムなどを作成し、また部品実装システム1全体を制御する。このコントローラ810には、CPU等により構成される演算処理部811と、ハードディスクドライブなどの記憶部812と、通信制御部813とが設けられている。
【0032】
演算処理部811は、上記のように実装プログラムを作成するのみならず、有効使用期限に近づいた期限接近部品を使用して基板を生産する実装機5に対して優先レーンなどの優先情報を作成する生産管理動作を実行し、当該優先情報を上記実装機5に与えることで優先レーンを適宜設定させながら部品実装処理を実行させる。なお、
図3中の符号820は演算処理部811により作成された印刷プログラム、検査プログラム、実装プログラム、優先情報などを表示したり、作業者がコントローラ810に対して各種データや指令などの情報を入力するための表示/操作ユニットである。
【0033】
次に、実装機5での期限確認動作および部品実装動作、ならびにサーバーPC8での生産管理動作について図面を参照しつつ説明する。サーバーPC8の演算処理部811は、部品実装システム1により製造する部品実装基板の品種毎に、基板PBA、PBBに実装すべき部品の分配についての最適化処理を行い、実装プログラムを作成する。そして、この実装プログラムを受け取った実装機5は、例えば
図4の「優先レーン=設定なし」の欄に示すように、ヘッドユニット560A、560Bによって各レーンLA、LBの実装作業位置に位置決めされた基板PBA、PBBに部品を実装し、各レーンLA、LBにおける部品実装がほぼ同一タイミングで終了するようになっている。これによって、部品実装の効率化が図られている。
【0034】
ここで、
図4(および後で説明する
図8〜
図11)中の白抜きの矩形ブロックは、吸着ノズル561による部品の吸着保持動作、部品認識カメラによる当該部品の認識動作および吸着ノズル561による基板への当該部品の実装動作を1サイクルとするタスクを示し、これら白抜き矩形ブロックの数が搭載点数となる。一方、
梨地模様のブロックは部品実装を行うことができず、待ち時間となっていることを示している。これは、例えば第1レーンLAの基板PBAに対して第2レーンLB側のヘッドユニット560Bを用いて部品実装を行う場合、第1レーンLA側のヘッドユニット560Aがヘッドユニット560Bと干渉するのを避けるために、第2レーンLBの基板PBBへの部品実装を行わず、待機する必要があるからである。また、部品の搭載順序に制約がある場合にも、待ち時間が発生することがある(同図では、第1レーンLAでの第2番目の
梨地模様ブロックがこれに相当する)。さらに、以下の説明理解を容易にするために、各ブロック中にタスク順序を示す数字を付しており、適宜参照しながら本実施形態の動作について説明する。
【0035】
このように実装機5では、第1レーンLAおよび第2レーンLBで部品実装が並行して行われているが、部品の有効使用期限はレーン毎に異なることがある。そこで、本実施形態では、実装機5の稼働中、当該実装機5の演算処理部531は
図5に示す期限確認処理を一定時間間隔で繰り返して実行する。すなわち、演算処理部531は記憶部812に予め記憶されている期限確認プログラムにしたがってステップS11〜S17を実行する。
【0036】
ステップS11で、演算処理部531は、部品の期限確認を行うモードが設定されているか否かを判別し、モード設定されている場合(ステップS11で「YES」)にのみ、ステップS12〜S17を繰り返して行う。
【0037】
ステップS12では、演算処理部531は部品の状況をチェックする。例えば電子部品を収納したリールは、防湿包装(ドライパック)開封後にフィーダー551に装着され、このタイミングよりリールに収納されている電子部品は外気の影響を受けて劣化し始める。ただし、当該リールをフィーダー55から外して、棚やドライ庫にて保管する間、また、当該リールをフィーダー55につけたまま保管庫に入れたり、フィーダー55のまま保管する間においては、劣化は進行しない。そこで、本実施形態では、防湿包装開封後の電子部品の保管日数を単純にカウントするのではなく、保管場所に入庫する際に、リールの識別コードとして機能するバーコードを読み取り、どの管理状態にあるかをサーバーPC8に通知することにより、サーバーPC8にて正確な保管日数を管理し、そのカウント日数がサーバーPC8から実装機5のコントローラ530に与えられる。こうして、カウント日数により電子部品の吸湿状態などが把握される。そして、演算処理部531は、状況チェックにより得られた値が部品毎に予め設定されている有効使用期限と比較して部品が有効使用期限に接近しているかを確認する(ステップS13)。なお、本実施形態では、部品毎の有効使用期限については記憶部532あるいは記憶部812に記憶されている。
【0038】
このステップS13で、いずれの部品も有効使用期限に近づいておらず、期限接近部品に該当しないと判定される間、ステップS11に戻って上記ステップS11、S12を繰り返す。一方、有効使用期限に近づいた期限接近部品がある(ステップS13で「YES」)場合には、上記値が有効使用期限を過ぎているか否かを演算処理部531は判定し(ステップS14)、有効使用期限を過ぎている場合には、その旨を示すメッセージを表示/操作ユニット540にエラー出力する(ステップS15)とともに、マシンが停止する(ステップS16)。
【0039】
一方、有効使用期限に近づいているものの過ぎてはいない、いわゆる警告状態となっている期限接近部品を確認すると、演算処理部531はその部品を特定するとともに当該部品が警告状態となっていることを示す警告情報を出力する(ステップS17)。そして、この警告情報の出力後にステップS11に戻って上記処理を繰り返す。なお、この実施形態では、各実装機5において期限確認動作を個別に実行しているが、もちろんサーバーPC8において各実装機5での期限確認を一括して行ってもよく、期限確認動作を一定時間間隔で繰り返して実行することで、警告状態となった期限接近部品を早期に見つけ出すように構成されておればよい。
【0040】
実装機5は、上記した期限確認動作とは別個に、サーバーPC8から与えられる実装プログラムを受け取って最適化処理された実装順序で部品を基板PBA、PBBに実装する。また、有効使用期限に近づいた期限接近部品が確認されているときには当該期限接近部品を実装して基板を生産するレーンを優先レーンとし、この優先レーンに沿って搬送される基板を優先基板として部品実装を優先して行う。具体的には、
図6に示すように、サーバーPC8と協同して優先レーンを適宜設定しながら部品実装を実行する。
【0041】
図6は
図1に示す部品実装システムにより部品を基板に実装する動作を示すフローチャートである。実装機5では、演算処理部531は期限確認動作により得られる警告情報に基づいて実装機5での部品の状況チェックを行い(ステップS21)、警告状態の部品(期限接近部品)の有無、警告状態の部品に関する情報などを含む警告状況をサーバーPC8に通知する(ステップS22)。この通知は、単にサーバーPC8に対して実装機5の状況を報告するだけではなく、警告状況に応じた優先情報(優先レーンの設定有無、ならびにいずれのレーンLA、LBを優先レーンとするのかを示す情報等)の作成および通知を要求するものでもある。
【0042】
この実装機5からの要求をサーバーPC8が受信する(ステップS31)と、サーバーPC8では演算処理部811が実装機5から送信されてきた警告状況に基づいて記憶部812に記憶している判定情報テーブルを更新する(ステップS32)。すなわち、新たに警告状態となった部品、つまり期限接近部品が存在する場合には、その期限接近部品に関する情報が追加される。逆に、警告状態となっていた期限接近部品を使い終わった、あるいは取り外されるなどの理由から警告状態は解除されると、その期限接近部品に関する情報が削除される。この判定情報テーブルは、例えば
図7に示すように、各実装機A〜Cにおいて警告状態となっている期限接近部品に関する情報をレーンLA、LB毎にリストアップしたものである。同図中において、○印内の数字は、警告状態が発生した順番を示しており、例えば実装機Aの第1レーンLAで搬送される基板PBAに実装すべき部品「PARTS00A」が最初に通知されたことを示している。また、カッコ内の数字は優先度を示しており、数字が大きいほど優先度が高く、優先的な部品実装が望まれることを示している。なお、図中の実装機Aの第2レーンLB、実装機Cの第1レーンLAの欄はブランクであり、このことは警告状態の部品(期限接近部品)が含まれていないことを示している。
【0043】
そして、演算処理部811は判定情報テーブルに基づいてステップS33〜S41を実行した上で優先情報を更新し(ステップS42)、その更新された優先情報を実装機5に送信する。ステップS33では、警告状態となっていた部品を使い終わった等の理由により全警告状態が解除されているときには、そのままステップS42に進んで優先情報を更新する。具体的には、優先レーンを設けず、元の順番で部品実装を行う、つまり実装プログラムにしたがって部品実装を行う旨の優先情報に更新する。
【0044】
また、演算処理部811はステップS33で「NO」と判定すると、次のステップS34に進み、優先情報の更新が必要か否かを判定する。新たな部品が警告状態となったとき、逆に警告状態であった部品の一部を使い終わったり、取り外された場合には、警告状態となった部品の種類や配設位置が異なってくるため、その都度、優先情報の更新を行うのが好適な場合(随時変更モード)がある。その一方で、優先レーンが決定されると、その優先レーンを固定しておき、当該優先レーンに沿って搬送される基板に対する部品実装を優先させる方(優先レーン固定モード)が優先レーンを頻繁に切り替えるよりも望ましいこともある。これらは基板の品種や部品実装システム1の稼働状況などによって異なる。そこで、本実施形態では、オペレーターやユーザなどが「随時変更モード」または「優先レーン固定モード」を予め選択し、そのモード選択情報を記憶部812に記憶している。
【0045】
このステップS34では、演算処理部811は、モード選択情報が「優先レーン固定モード」であるときには、更新の必要がないと判定し、そのままステップS42に進み、以前に設定した優先レーンを維持する旨を実装機5に送信する。一方、ステップS34で演算処理部811は、モード選択情報が「随時変更モード」であるときには、更新の必要があると判定し、判定情報テーブルにリストアップされている部品(以下、「期限接近部品」という)の優先度(カッコ内数字)、通知順番(○印内数字)および部品個数に基づいて優先レーンを決定するためのレーン決定情報を求める(ステップS35〜S41)。
【0046】
この実施形態では、レーン決定情報として、
・MAX…期限接近部品の優先度のうち最も高い値、
・平均…レーン毎の優先度の平均値、
・順番…通知順番のうち最も早い順番、
・個数…レーン毎の期限接近部品の個数
のいずれかを求めている。すなわち、レーン決定情報「MAX」に基づく場合、最も高い優先度を有する期限接近部品を実装するレーンを優先とする。また、レーン決定情報「平均」に基づく場合、優先度の平均値が高いレーンを優先とする。また、レーン決定情報「順番」に基づく場合、期限接近部品のうち最先に有効使用期限に近づいた部品を実装するレーンを優先とする。さらに、レーン決定情報「個数」に基づく場合、期限接近部品の個数が多い方のレーンを優先とする。これら4つのレーン決定情報のうちいずれを用いるかについては、オペレーターやユーザなどが表示/操作ユニット820を介して予め設定しており、その設定値は記憶部812に記憶されている。
【0047】
図6に戻って説明を続ける。この実施形態では、レーン決定情報を特定するため、優先度のランク判定を行うか否か(ステップS35)、「MAX」であるか「Ave(平均)」であるか(ステップS36)、「順番」であるか「個数」であるか(ステップS39)という判定ステップを演算処理部811は実行し、それらの判定結果に応じたレーン決定情報を求める(ステップS37、S38、S40、S41)。判定情報テーブルが例えば
図7に示すとおりである場合、
・レーン決定情報「MAX」…レーンLAの「10」
・レーン決定情報「平均」…レーンLBの「6.75」
・レーン決定情報「順番」…レーンLAの「1」
・レーン決定情報「個数」…レーンLBの「4」
となり、レーン決定情報として例えば「MAX」または「順番」が設定されているときには、レーンLAを優先レーンとする優先情報に演算処理部811は更新し(ステップS42)、実装機5に送信する。
【0048】
実装機5がサーバーPC8からの優先情報を受信する(ステップS23)と、その優先情報に基づき演算処理部531が装置各部を制御してテーブルタスク処理を実行して優先レーンの基板(優先基板)への部品実装を優先的に行う(ステップS24)。これら一連の処理(ステップS21〜S24)を、全部品についての実装が完了するまで繰り返して実行する(ステップS25)。その結果、例えば
図4の下段に示すタスク順序で部品実装が実行され、優先レーンとなっている第1レーンでの部品実装が早期に完了している。
【0049】
図8ないし
図11は
図6に示す動作を実行したときのタスク順序の一例を模式的に示す図である。
図6に示す動作を実行することで優先レーンを設定していない場合のタスク順序(
図4中の上段)と異なる順序でタスクが実行される。より詳しくは、大きく分けて4種類の順序入替が実質的に実行される。ここでは第1レーンLAの実装作業位置に位置決めされた基板PBAに実装する部品の一部(
図7の部品「PARTS00A」)が警告状態となり、優先レーン固定モードで第1レーンLAが優先レーンとなっている場合を例示して説明する。
【0050】
第1順序入替は、非優先レーンLBに対応するヘッドユニット560Bが常に優先レーンLAの基板PBAに対する部品実装を優先させるものである。本実施形態では、上記したようにデュアルレーン構造を採用し、ヘッドユニット560Bは非優先レーンLBの基板PBBのみならず優先レーンLAの基板PBAにもアクセスして部品実装を行うが、
図8の太点線および太実線で示すように、ヘッドユニット560Bは、非優先レーンLBの基板PBBに対して部品実装を行うタスク「2」を実行する前に、優先レーンLAの基板PBAに対して部品実装を行うタスク「3」を実行する。この第1順序入替を実行した直後のタスク配列は
図9の上段に示す通りである。
【0051】
第2順序入替は、非優先レーンLBの基板PBBに対する部品実装を行うために、優先レーンLAの基板PBAへの部品実装を待機するタスクを後回しにするものである。具体的には、
図9に示すように、非優先レーンLBの基板PBBに対する部品実装はスキップされ、優先レーンLAの基板PBAに対する部品実装がないときに実行する。この第2順序入替を実行すると、
図9の下段および
図10の上段に示すように、非優先レーンLBの基板PBBに対する部品実装が後回しにされることで基板PBBの生産が遅れる。
【0052】
この遅れを抑制するため、第3順序入替が実行される。非優先レーンLBの基板PBBに対する部品実装はヘッドユニット560A、560Bにより行われるが、第3順序入替では、ヘッドユニット560Aにより基板PBBに部品を実装するタスクを、ヘッドユニット560Bにより基板PBBに部品を実装するタスクよりも後回し、
図10の下段中の太実線に示すように、ヘッドユニット560Aによる基板PBAへの部品実装と並行して、ヘッドユニット560Bによる基板PBBへの部品実装を実行することで第2順序入替により発生する遅れを最小化する。
【0053】
図11の上段に示すように、優先レーンLAの基板PBAに対する部品実装が完了した時点でヘッドユニット560Aによる基板PBBへの部品実装タスク(
図11中において太点線で囲ったもの)と、ヘッドユニット560Bによる基板PBBへの部品実装タスクとが混在している場合、前者を後者に対して優先させることで、
図11に示すように、ヘッドユニット560Aの作業が早期に完了し、ヘッドユニット560Aによる次の部品実装を実行するための準備を早期に開始することが可能となる。これが第4順序入替である。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、部品実装基板の生産に使用する部品の中に有効使用期限が近づいた期限接近部品が確認されると、基板PBA、PBBのうち期限接近部品が実装される優先基板(上記実施形態では基板PBAが優先基板に該当する場合を例示している)とし、この優先基板に対する部品の実装を優先して実行している。このように有効使用期限が近づいた期限接近部品を優先的に使用しており、期限接近部品が有効使用期限を過ぎる前に使用される。その結果、使用期限の到来により部品が廃棄されるのを抑制することができ、生産効率の向上を図ることができる。
【0055】
また、警告状態が解除されると優先基板に対する部品の優先実装を解消して元の順序、つまり最適化された実装プログラムで部品の実装を行うので、スループットを元の高い状態に戻すことができる。
【0056】
また、上記実施形態では、複数台(上記実施形態では3台)の実装機5での優先レーンを一括してサーバーPC8で管理しているので、実装機5間での部品実装が相互に関連付けて行われ、部品実装基板の生産を効率的に行うことができる。
【0057】
また、モード選択情報に応じて「優先レーン固定モード」と「随時変更モード」とを切り替え可能となっており、オペレーターやユーザなどに要望に応じた態様で優先レーンを切り替えることが可能となっている。また、優先レーンを決定する態様としてレーン決定情報(「MAX」、「平均」、「順番」、個数」)の4種類を用意しており、生産する基板や部品などの態様、生産ラインの稼働状況などに応じて適切に切り替えることが可能となっている。このように部品実装システム1は、基板の品種や稼働状況に柔軟に対応することができ、汎用性に優れたシステムとなっている。
【0058】
本実施形態では、部品のみについて有効使用期限を考慮しているが、それ以外の使用部材、例えばハンダや基板について、あるいは部品とともに有効使用期限を考慮して優先レーンを決定してもよく、部品、ハンダ等が本発明の「使用部材」に相当している。また、コントローラ530の演算処理部531は期限接近部品の確認を行う期限確認処理(本発明の「確認工程」に相当)を実行する確認部として機能しており、本発明の「確認手段」に相当する。また、コントローラ810の演算処理部811は優先情報を作成して優先基板の生産を早める生産管理動作(本発明の「生産管理工程」に相当)を実行する生産管理部として機能しており、本発明の「生産管理手段」に相当する。
【0059】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、部品収容部550に対して複数のテープフィーダー551を装着可能となっているが、それらのうち2台以上のテープフィーダー551に同一部品または代替部品が収納されることがあるが、この場合、次のように構成してもよい。つまり、これらの共通テープフィーダー551のいずれかに収納される部品が有効使用期限に近づくと当該部品を収納するテープフィーダー551を共通テープフィーダー551の中から優先して使用するように構成してもよい。これによって、同一部品または代替部品の中で有効使用期限に近づいた部品から順次使用されていくため、使用期限の到来により廃棄される部品数を低減することができ、生産効率をさらに向上させることができる。この場合も、警告状態が解除されると、テープフィーダー551の優先使用を解消して元の順序でテープフィーダー551を選択して使用するように構成してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、本発明の「部品供給部」としてテープフィーダー551のみを装備させているが、その他のフィーダーや部品トレイなどの部品供給部を用いた実装機を組み込んだシステムに対しても本発明を適用することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、部品実装を行う位置に基板を搬送するレーンを2つ有する、いわゆるデュアルレーン方式の実装機の代わりに、3つ以上のレーンを有する実装機を組み込んだシステムに対しても本発明を適用することができる。つまり、本発明はいわゆるマルチレーン方式の部品実装装置を用いて部品を基板に実装して部品実装基板を生産する技術全般に適用可能である。
【0062】
さらに、上記実施形態では、期限確認処理および生産管理処理をそれぞれ演算処理部531、811で行っているが、両方をいずれか一方の演算処理部で行ってもよい。例えば一台の実装機5において、演算処理部531が期限確認処理および生産管理処理を行うように構成してもよい。