(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エア吹き出し装置は、前記フランジに形成される前記係止片と係合する前記係止爪の両側部のうち少なくとも一方に、前記フランジに形成される前記係止片の両側部に形成される前記一対の溝に対応する第2リブを有することを特徴とする、請求項2に記載のエア吹き出し装置の取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両のセンターコンソールには、エア吹き出し装置の他にナビゲーションやオーディオ等の装置も配設されている。そして、見栄えの向上のために、ナビゲーションやオーディオ等の装置のセンターコンソールへの取付部をエア吹き出し装置を組み付けるセンターパネルにて覆うようにしている。
しかしながら、センターパネルのナビゲーションやオーディオ等の装置が挿入されるとば口には、ナビゲーションやオーディオ等の装置の車載時にセンターパネルを容易に被せることを可能にするために、そして、ナビゲーションやオーディオ等の装置とセンターパネルとの間隙を減らすために車体側に向かってフランジが形成されている。
【0005】
よって、上記特許文献1のエア吹き出し装置の取付構造を適用すると、エアコン吹き出し装置をセンターパネルに取り付けるためにエアコン吹き出し装置の下部に形成される係止爪と係合する係止片をエアコン吹き出し装置とフランジとの間に形成する必要がある。
このように、エアコン吹き出し装置とフランジとの間に係止片を形成するためには、エアコン吹き出し装置とフランジとの間隔を大きくする必要があり、センターパネルの意匠に制限を与えることとなり好ましいことではない。
【0006】
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、センターパネルの意匠の自由度を増すことのできるエア吹き出し装置の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1のエア吹き出し装置の取付構造では、車両のエアダクトに接続されるエアアウトレットケースと、前記エアアウトレットケースの出口部に風向調整機構とを有するエア吹き出し装置と、前記車両のセンターコンソールとは別体に構成され、前記センターコンソールに組み付けられるセンターパネルと、を備え、前記エア吹き出し装置は、前記エアアウトレットケースの外周部に相対して配設される複数の係止爪を有し、前記センターパネルは、前記エアアウトレットケースの前記出口部と連通する第1開口部と、前記センターコンソールに配設される車載装置の外周に沿うフランジを有し、前記車載装置が挿入される第2開口部と、前記第1開口部の前記エアアウトレットケースの前記複数の係止爪と対応する位置に、前記エアアウトレットケースの前記複数の係止爪がそれぞれに係合する複数の係止片と、を有し、前記第1開口部の前記複数の係止片のうち前記第2開口部側に位置する前記係止片を前記フランジに形成
し、前記フランジに形成される前記係止片は、前記フランジと独立するように前記係止片の両側部に一対の溝が形成され、前記フランジに形成される前記係止片の前記センターパネルとの接合部の板厚を薄く形成されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2のエア吹き出し装置の取付構造では、請求項1において
、前記第1開口部は、前記アウトレットケースの前記出口部の縁を内包する挿入部を有し、前記センターパネルは、前記フランジ側の前記第1開口部の前記挿入部と、前記センターパネルの前面部とを接合する第1リブを有することを特徴とする。
【0009】
また、
請求項3のエア吹き出し装置の取付構造では、請求項
2において、前記エア吹き出し装置は、前記フランジに形成される前記係止片と係合する前記係止爪の両側部のうち少なくとも一方に、前記フランジに形成される前記係止片の両側部に形成される前記一対の溝に対応する第2リブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、エア吹き出し装置の出口部と連通する第1開口部のエアアウトレットケースの複数の係止爪と対応するそれぞれの位置に複数の係止片を形成し、第1開口部の複数の係止片のうち第2開口部側に位置する係止片を第2開口部の周囲に形成されるフランジに形成して、エア吹き出し装置のエアアウトレットケースに形成される複数の係止爪とそれぞれに対応する複数の係止片とを係合
し、フランジに形成される係止片の両側部に一対の溝を形成して、係止片の左右がフランジと独立するように形成し、そして、フランジに形成される係止片のセンターパネルとの接合部の板厚を薄く形成して、エア吹き出し装置をセンターパネルに固定するようにしている。
【0011】
このように、第1開口部の複数の係止片のうち第2開口部側に位置する係止片を第2開口部の周囲に形成されるフランジに形成することで、係止片を第1開口部と第2開口部との間に設ける必要がないので第1開口部と第2開口部との間隔を小さくすることが可能となる
。しかも、フランジに形成される係止片の両側部をフランジと独立するように形成し、フランジに形成される係止片のセンターパネルとの接合部の板厚を薄く形成することで、エアアウトレットケースの係止爪をフランジに形成される係止片に係合する際に、フランジに形成される係止片を接合部で撓むように変形させることが可能となる。
したがって、フランジと第1開口部の挿入部との間隔を小さくすることができるので、センターパネルの意匠の自由度を増すことができる。
しかも、エアアウトレットケースの係止爪をフランジに形成される係止片に容易に係合させることができる。即ち、エア吹き出し装置をセンターパネルに容易に固定することができる。
【0013】
また、
請求項2の発明では、センターパネルは、フランジ側の第1開口部の挿入部とセンターパネルの前面部とを接合する第1リブを有しており、第1リブとフランジとの間にエアアウトレットケースの出口部の縁を挿入することでエア吹き出し装置の第2開口部方向の位置を規制するようにしているので、エア吹き出し装置をセンターパネルへ取り付ける際にエア吹き出し装置の第2開口部方向の位置決めを容易にすることができる。
【0014】
また、
請求項3の発明では、エア吹き出し装置は、フランジに形成される係止片と係合する係止爪の両側部のうち少なくとも一方に、フランジに形成される係止片の両側部に形成される一対の溝に対応する第2リブを有しており、フランジに形成される係止片の両側部に形成される一対の溝に、フランジに形成される係止片と係合する係止爪の両側部のうち少なくとも一方に形成される第2リブを挿入することでエア吹き出し装置のフランジに形成される係止片の幅方向の位置を規制するようにしているので、エア吹き出し装置をセンターパネルへ取り付ける際にエア吹き出し装置のフランジに形成される係止片の幅方向の位置決めを容易にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まずは、本発明に係るエア吹き出し装置の取付構造を適用したセンターパネルとエアアウトレットの構造を説明する。
図1は、本発明に係るエア吹き出し装置の取付構造を適用したセンターパネルとエアアウトレットとの正面視図である。
図2は、本発明に係るエア吹き出し装置の取付構造を適用したセンターパネルとエアアウトレットとの下面視図である。そして、
図3は、
図2のA部の拡大図であり、
図4は、
図3のC−C線における断面図である。また、
図5は、
図2のB−B線における断面図である。
図6は、センターパネルの後面視図である。そして、
図7は、
図6のD部を拡大した斜視図である。
図8は、
図7のE部の拡大図であり、
図9は、
図8のF−F線における断面図である。
図10は、エアアウトレットの斜視図であり、
図11は、
図10のG部の拡大図である。
【0017】
車両のインストルメントパネルには、センターコンソールが設けられている。そして、センターコンソールには、センターコンソールに取り付けられたナビゲーション装置或いはオーディオ装置等の車載装置の取付部を覆うようにセンターパネル100が取り付けられている。
図1及び
図2に示すように、センターパネル100には、車両の空気調和機のエアダクトに接続されるエアアウトレット(エア吹き出し装置)200が係合されている。
【0018】
そして、
図6に示すように、センターパネル100は、合成樹脂で形成され、上部には後述するエアアウトレット200のエア吹き出し口(出口部)211と連通し左右に配設される一対のエアアウトレット開口孔(第1開口部)101と、エアアウトレット開口孔101の下方にはセンターコンソールに取り付けられたナビゲーション装置或いはオーディオ装置等の車載装置を挿入する車載装置開口孔(第2開口部)102と、左右一対のエアアウトレット開口孔101の間には、図示しないハーザードスイッチ等のスイッチユニットが挿入されるスイッチ開口孔115とが形成されている。
【0019】
センターパネル100の車載装置開口孔102の外周縁には、車載装置を車載装置開口孔102に挿入を容易にするため及び車載装置とセンターパネル100との間隙を減少させるためのフランジ103が反車室側となる方向に突出して形成されている。
センターパネル100の一対のエアアウトレット開口孔101のそれぞれの上方には、エアアウトレット200の上部を係合するための一対の上側係止片(係止片)104が形成されている。また、センターパネル100の一対のエアアウトレット開口孔101のそれぞれの下方のセンターパネル100の幅方向外側部には、エアアウトレット200の下部の一方を係合するための下側係止片(係止片)105が形成されている。そして、センターパネル100の一対のエアアウトレット開口孔101のそれぞれの下方のセンターパネル100の幅方向内側部のフランジ103には、エアアウトレット200の下部の他方を係合するための下側係止片(本請求項のフランジに形成される係止片に対応)106が形成されている。
【0020】
図7に示すように、上側係止片104、下側係止片105、下側係止片106は、反車室側となる方向に突出する板状で形成され、それぞれの板状の中央部には、エアアウトレット200の係止爪(係止爪)214,215(
図10参照)が係合する係止孔107,108が形成されている。
図8に示すように、下側係止片106は、左右両側に溝109が設けられ、フランジ103と独立して弾性変形可能に形成されている。そして、
図9に示すように、下側係止片106のセンターパネル100の前面部112との接合部114には、エアアウトレット200の下部の係止爪215が係合する際に下側係止片106が車載装置開口孔102側に容易に撓むように下側係止片106の車載装置開口孔102側に溝110が形成されている。
【0021】
センターパネル100のそれぞれのエアアウトレット開口孔101の下部には、
図7のように、エアアウトレット200の吹き出し口211内に挿入される挿入部111が形成されている。そして、エアアウトレット200のセンターパネル100への取付時には、エアアウトレット200の吹き出し口211の開口端部(出口部の縁)212の下部が挿入部111に内包される。また、挿入部111には、挿入部111とセンターパネル100の前面部112とを繋ぐ複数のリブ(第1リブ)113が設けられている。そして、複数のリブ113は、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際に、フランジ103とでエアアウトレット200の吹き出し口211の開口端部212の上下方向の位置を規制する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、エアアウトレット200は、車両のエアダクトに接続されるエアダクト取付孔213とエアを吹き出す吹き出し口211とを有するエアアウトレットケース210と、エアアウトレットケース210の吹き出し口211に吹き出し口211から吹き出される風の方向を調整する風向調整部(風向調整機構)220とで構成されている。
【0023】
図10に示すように、エアアウトレットケース210の上部及び下部には、センターパネル100の上側係止片104及び下側係止片105と係合する複数の係止爪214と、下側係止片106と係合する係止爪(本請求項のフランジに形成される係止片と係合する係止爪に対応)215とが設けられている。係止爪214,215は、エアアウトレットケース210の開口端部212側の高さが低くなるようにエアアウトレットケース210の外側方向に突出して形成されている。
【0024】
また、エアアウトレットケース210の幅方向内側に形成される係止爪215の両側部には、
図11のように、センターパネル100(フランジ103)の下側係止片106の両側部の溝109と対応した位置に溝109に挿入可能な一対のリブ(第2リブ)216が形成されている。そして、一対のリブ216は、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際に、それぞれの溝109に挿入されてエアアウトレット200の幅方向の位置を規制して係止爪215をガイドする。
【0025】
そして、エアアウトレット200は、
図5のように、エアアウトレットケース210の吹き出し口211の開口端部212が複数のリブ113とフランジ103との間に挿入され、また、
図3及び
図4のように、エアアウトレットケース210の一対のリブ216が下側係止片106の左右両側の溝109にそれぞれ挿入されて、エアアウトレットケース210の係止爪214,215と、センターパネル100の上側係止片104及び下側係止片105,106とを係合してセンターパネル100に取り付けられる。
【0026】
以下、このように構成された本発明のエア吹き出し装置の取付構造の作用及び効果について説明する。
下側係止片106は、左右両側に溝109を有しセンターパネル100のフランジ103から左右が独立するようにフランジ103に形成されている。そして、下側係止片106は、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際にエアアウトレットケース210の係止爪215に係合される。
【0027】
したがって、下側係止片106をフランジ103に形成しており、エアアウトレット開口孔101と、ナビゲーション装置或いはオーディオ装置等の車載装置を挿入する車載装置開口孔102との間に係止片を設ける必要がないので、エアアウトレット開口孔101と車載装置開口孔102との間隔を小さくすることが可能となる。よって、エアアウトレット開口孔101と車載装置開口孔102との間隔を小さくすることで、センターパネル100の意匠の自由度を増すことができる。
【0028】
また、下側係止片106の左右に溝109を形成して、センターパネル100のフランジ103と下側係止片106の左右とが独立するように形成し、そして、下側係止片106とセンターパネル100の前面部112との接合部114の車載装置開口孔102側に溝110を形成して、下側係止片106の接合部114の板厚を薄く形成している。
したがって、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際に、フランジ103に形成される下側係止片106の板厚の薄い接合部114で下側係止片106が撓むように変形させることが可能となる。よって、エアアウトレットケース210の係止爪215を下側係止片106に容易に係合させることができる。即ち、エアアウトレット200をセンターパネル100に容易に固定することができる。
【0029】
また、センターパネル100の挿入部111に、挿入部111とセンターパネル100の前面部112とを繋ぐ複数のリブ113を設けている。
したがって、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際に、複数のリブ113とフランジ103とで、エアアウトレット200の吹き出し口の211の開口端部212の上下方向の位置、即ち、車載装置開口孔102方向の位置を規制するようにしているので、エアアウトレット200をセンターパネル100へ取り付ける際にエアアウトレット200の上下方向の位置決め、即ち、車載装置開口孔102方向の位置決めを容易にすることができる。
【0030】
また、エアアウトレット200は、係止爪215の左右にセンターパネル100のフランジ103に形成される下側係止片106の左右の溝109に対応する一対のリブ216を設けている。
したがって、エアアウトレット200をセンターパネル100に取り付ける際に、下側係止片106の左右の溝109で、エアアウトレット200の係止爪215の左右のリブ216で左右方向の位置、即ち下側係止片106の幅方向の位置を規制するようにしているので、エアアウトレット200をセンターパネル100へ取り付ける際にエアアウトレット200の左右方向の位置決め、即ち下側係止片106の幅方向の位置決めを容易にすることができる。
【0031】
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、発明の形態は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、下側係止片106のセンターパネル100の前面部112との接合部114の車載装置開口孔102側に溝110を形成しているが、これに限定されるものではなく、溝110をエアアウトレット開口孔101側に形成してもよく、下側係止片106の板厚を減少させて、下側係止片106が撓むように容易に変形することができればよい。
【0032】
また、エアアウトレット開口孔101を車載装置開口孔102の上側に配設しているが、これに限定されるものではなく、エアアウトレット開口孔101を車載装置開口孔102の下側、或いはエアアウトレット開口孔101を車載装置開口孔102の両側に配設するようにしても良く、例えば、エアアウトレット開口孔101を車載装置開口孔102の両側に配設するような場合には、エアアウトレットケース210の左右に係止爪214或いは、係止爪215と同様の係止爪を形成し、また、センターパネル100のエアアウトレット開口孔101側のフランジ103に下側係止片106と同様の係止片を形成し、更にエアアウトレットケース210の係止爪に対応する係止片をセンターパネル100に形成すればよく、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、下側係止片106の左右両側の溝109と、一対のリブ216とで、エアアウトレット200の左右方向の位置、即ち下側係止片106の幅方向の位置を規制するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、一対のリブ216を下側係止片106の左右の溝109のいずれか一方の溝に対応するように一本のリブで形成してもよく、リブ216を一対で形成した場合と同様の効果を得ることができる。