特許第5793472号(P5793472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793472
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】携帯型情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   G06F1/16 312M
   G06F1/16 312E
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-150007(P2012-150007)
(22)【出願日】2012年7月3日
(65)【公開番号】特開2014-13466(P2014-13466A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】梅津 秀隆
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−067192(JP,A)
【文献】 特開2011−044341(JP,A)
【文献】 特開2011−248412(JP,A)
【文献】 特開平09−006487(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0286163(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部筐体にキーボードを有し、上部筐体に表示部を有する折り畳み型の携帯型情報処理装置であって、
前記下部筐体の側面に設けられたメモリーカード用のスロットの挿入口と前記スロットとの間に延長ガイドを挿入した携帯型情報処理装置であって、
前記延長ガイドは、奥行きの長さが厚さより長い横長矩形断面形状の筒であり、前記下部筐体とは別体であることを特徴とする携帯型情報処理装置
【請求項2】
前記延長ガイドは、樹脂からなることを特徴とする請求項記載の携帯型情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に携帯型情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み型の情報処理装置としては、下部筐体にキーボードを有し、上部筐体に表示部を有し、両者を蝶番で連結したノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートパソコンと表記)が一般的である。この種のノートパソコンにはメモリーカードを着脱自在に装着するためのスロット(コネクタとも言う。)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、「メモリーカード用コネクタ」に関するものであり、具体的には、「メモリーカードを収納する筐体の側面に配設されるイジェクトレバーの一部を当該筐体の上面と下面に延設し、筐体の側面に設けられるホールドダウンを、前記筐体側面の長手方向の略中央で、且つ、筐体の厚さの範囲内にプリント基板が位置するように設けた」ものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−246109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ノートパソコンにはメモリーカードを使用するためのスロットを有するものが多い。このスロットは、メモリーカードが差し込まれた場合に、スロットの端部からメモリーカードを、ノートパソコンに内蔵されるマザーボードの端部に配置すると、メモリーカードが差し込まれた状態で、下部筐体から突出するメモリーカードの部分が長すぎる。そのため、メモリーカードがユーザを含む人や物体に当たって破損する等の問題があった。
【0006】
このような破損事故に対応するため、メモリーカードをノートパソコンの内部に引き込む構造をとると、下部筐体の開口部とメモリーカードとの間に隙間が生じる。このような場合は、下部筐体の厚みを変えることによって隙間を埋めていたが、下部筐体に用いる板金が極めて薄い場合、下部筐体の厚みを変えることができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、メモリーカードがユーザを含む人や物体に当たって破損することを防止した携帯型情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、下部筐体にキーボードを有し、上部筐体に表示部を有する折り畳み型の携帯型情報処理装置であって、前記下部筐体の側面に設けられたメモリーカード用のスロットの挿入口と前記スロットとの間に延長ガイドを挿入した携帯型情報処理装置であって、前記延長ガイドは、奥行きの長さが厚さより長い横長矩形断面形状の筒であり、前記下部筐体とは別体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メモリーカードがユーザを含む人や物体に当たって破損することを防止した携帯型情報処理装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は、携帯型情報処理装置10としてのノートパソコンの下部筐体の上面図であり、(b)は、(a)に示した下部筐体を有するノートパソコンを前面から見た外観図であり、(c)は、(a)の右側面図である。
図2図1(a)に示した下部筐体を裏(底板)側から見たときの位置関係を示す底面図である。
図3】(a)は、下部筐体11におけるバッテリーパック31の上から見たときの位置関係を説明するための概念図であり、(b)は、(a)に示した下部筐体11のIIIb−IIIb線断面図であり、(c)は、(a)に示したバッテリーパックのIIIc−IIIc線断面図である。
図4】(a)は、図1(a)に示したノートパソコンのスロット41にメモリーカード40を差し込む前の状態を示す外観斜視図であり、(b)は、(a)に示したメモリーカード40をスロット41に差し込んだ後の状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[構 成]
図1(a)は、携帯型情報処理装置10としてのノートパソコンの下部筐体の上面図であり、図1(b)は、図1(a)に示した下部筐体を有するノートパソコンを前面から見た外観図であり、図1(c)は、図1(a)の右側面図である。尚、説明上図1(a)において上部筐体は省略されている。また、図1(b)において上部筐体及び下部筐体は閉じた状態を示している。
【0012】
図1(a)に示す板金(例えば、LA141:マグネシウム・リチウム合金)からなる下部筐体11の上面の中央から背面にわたるほぼ半分の横長の領域にキーボード12が配置されている。下部筐体11の上面の中央から前面にわたる残りの半分の領域の中央にタッチパッド13が配置されている。下部筐体11のキーボード12の背面側近傍には電源スイッチ16が配置されている。
下部筐体11の一方(例えば、右側)の側面には、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポートが配置されている。
下部筐体11の他方(この場合、左側)の側面には、例えば、SD(Secure Digital)メモリーカード(以下、「メモリーカード」と表記)40用のスロット41、及び排気口が配置されている。
下部筐体11の前面には、一対のスピーカ25L、25R、LED(Light Emitting Diode)インジケータが配置されている。
下部筐体11の右側には、電源(DC:Direct Current)入力コネクタが配置されている。これらの各部品の配置は限定されるものではない。
上部筐体14は、表示部を有し下部筐体11の背面側に設けられた蝶番により下部筐体11と開閉自在に連結されている。
【0013】
図2は、図1(a)に示した下部筐体を裏(底板)側から見たときの位置関係を示す底面図である。
図2に示す下部筐体11の右奥には冷却ファン22が配置され、冷却ファン22の近傍にはスロット41が配置されている。下部筐体11の冷却ファン22の左側の領域には、図示しないマザーボードが配置される。下部筐体11の左側中央にはSSD(Solid State Drive)21が配置されている。SSD21は、HDD(Hard Disk Drive)と同様に大容量(例えば、数〜数十GB)の記憶容量を有する記憶媒体である。
下部筐体11の前面側のほぼ矩形状の領域24は、後述するバッテリーパック31の底面と面接触するための領域である。
【0014】
図3(a)は、下部筐体11におけるバッテリーパック31の上から見たときの位置関係を説明するための概念図であり、図3(b)は、図3(a)に示した下部筐体11のIIIb−IIIb線断面図であり、図3(c)は、図3(a)に示したバッテリーパックのIIIc−IIIc線断面図である。尚、説明の都合上、バッテリーパックは実際より厚く、大きめに記載されている。
【0015】
図3(a)に示すように、下部筐体11の右側面にメモリーカード用のスロット41が配置されている。スロット41は、図には示されないマザーボードに固定されている。
スロット41の左下にはバッテリーパック31が配置されている。
バッテリーパック31は、6セルの場合で説明する。バッテリーパック31のケース中には、矩形状(例えばタイル状、もしくはシート状)の二次電池32c、32b、32d、32eが中央に2行2列配置され、下段の二次電池列の両側に二次電池32a、32fが1セルずつ配置され、凸字平面形状に収納されている。これは、下部筐体11の厚みを薄くするためである。
【0016】
ここで、バッテリーパック31のケースは、図3(c)に示すように、ガルウィング状に形成されている。すなわち、中央の二次電池32b〜32eに対し、両側の二次電池32a、32fが高くなるように(段差hを有するように)ケース内に配置されている。この段差hは、下部筐体11の底面の四隅に配置されるゴム脚15の収容部(下から見ると凹部、内部から見ると凸部となる。)の高さ分に合わせて設定されている。
ゴム脚15は、下部筐体11の四隅(限定されない)に外側から内側に向かって粘着剤で貼り付けられている。
【0017】
バッテリーパック31は、そのケースの二次電池32b〜32eに対応する下面が下部筐体11の底面11bと面接触し、そのケースの二次電池32a、32fに対応する下面がゴム脚15の収容部と接触し、そのケースの二次電池32a、32fに対応する上面が下部筐体11の天板11aに部分的に面接触するとともに、前面側の側面がスピーカ25R,25Lと接触して押さえるようになっている。尚、バッテリーパック31の背面側は図示しないマザーボード、SSDや各部品と隣り合うように配置されている。バッテリーパック31は図示しないリード線及びスロットでマザーボードと接続され、電源を供給できるようになっている。
【0018】
ここで、下部筐体11には、キーボード12の下側に図示しないマザーボードが配置され、マザーボードと下部筐体11の前面側の側壁との間には、バッテリーパック31が配置されているが、これは、CPUや冷却ファン等の発熱部品を操作者側から遠ざけることにより不快感を回避するためである。
【0019】
二次電池32a〜32fは、リチウムイオンポリマー電池であるのが好ましい。円柱状の二次電池を用いる場合と比べて携帯型情報処理装置を薄く、軽く構成することができるためである。
【0020】
図4(a)は、図1(a)に示したノートパソコンのスロット41にメモリーカード40を差し込む前の状態を示す外観斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示したメモリーカード40をスロット41に差し込んだ後の状態を示す外観斜視図である。
【0021】
スロット41は、スロット43と、スロット本体43の開口部から下部筐体11の側面までの間に挿入された延長ガイド42とで構成されている。スロット本体43は、通常の市販されているスロットであればよく、メモリーカード40を差し込むとロックし、再度メモリーカード40を押すとロックが解除される機構を有することが好ましい。延長ガイド42は、横長の矩形断面形状を有する筒状部材であり、例えば熱可塑性樹脂やエンジニアイングプラスチック等の合成樹脂で構成される。
【0022】
延長ガイド42の長さLGは、メモリーカード40を、長さLSのスロット41に差し込んだときにメモリーカード41が下部筐体11の側面から露出する部分の長さLOが所定の範囲内であればよい。長さLOは、メモリーカード40をスロット41に差し込んだままノートパソコンを使用したときに、ユーザを含む人や物により破損されない程度の長さが好ましく、例えば2mm〜5mm程度が好ましい。
【0023】
[作用効果]
メモリーカード用として市販されているスロットをスロット本体として、スロット本体の開口部と下部筐体の開口部との間に延長ガイドを挿入することにより、メモリーカードをスロットに差し込んだままノートパソコンを使用しても、メモリーカードの露出部は数mm程度であって外部の人や物との接触するおそれが大幅に減少するので、メモリーカードがユーザを含む人や物体に当たって破損することを防止した携帯型情報処理装置の提供を実現することができる。
【0024】
尚、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0025】
10 携帯型情報処理装置
11 下部筐体
11a 天板
11b 底板
12 キーボード
13 タッチパッド
14 上部筐体
15 ゴム脚
16 電源スイッチ
21 SSD
22 冷却ファン
25L、25R スピーカ
31 バッテリーパック
32a〜32f 二次電池
40 SDメモリーカード(メモリーカード)
41 スロット
42 延長ガイド
43 スロット本体
h 段差
図1
図2
図3
図4