特許第5793480号(P5793480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793480
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】2
【全頁数】89
(21)【出願番号】特願2012-194454(P2012-194454)
(22)【出願日】2012年9月4日
(65)【公開番号】特開2014-46175(P2014-46175A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2014年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】 藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−029888(JP,A)
【文献】 特開2012−045224(JP,A)
【文献】 特開2010−162195(JP,A)
【文献】 特開2011−143203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
識別情報の可変表示の表示結果を導出表示する前に、前記特定遊技状態に制御するか否かを事前決定する事前決定手段と、
前記可変表示手段においてリーチ状態に制御するリーチ状態制御手段と、
識別情報の可変表示が開始されてから前記リーチ状態制御手段により一旦前記リーチ状態に制御させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を実行するか否かを決定する再可変表示決定手段と、
前記再可変表示決定手段による決定結果にもとづいて前記再可変表示を実行可能な再可変表示実行手段と、
前記リーチ状態制御手段により一旦前記リーチ状態に制御させた後、前記再可変表示実行手段による前記再可変表示が実行される可能性を報知する再可変表示報知演出を実行する再可変表示報知演出実行手段と、
前記リーチ状態制御手段により前記リーチ状態に制御された後、複数の異なるリーチ演出のうちから一のリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段と、
前記リーチ演出実行手段によってリーチ演出が実行される前に、前記リーチ演出実行手段が実行可能なリーチ演出と、前記可変表示手段において可変表示される識別情報と、の組合せにて構成される組合せパターンを複数提示する予告演出を実行する予告演出実行手段と、
を備え、
前記リーチ演出実行手段は、前記予告演出にて提示された複数の組合せパターンのうちの一の組合せパターンに対応するリーチ演出を実行し、
前記予告演出実行手段は、特定の組合せパターンの提示を含む前記予告演出を、前記事前決定手段によって前記特定遊技状態に制御することが決定されているときには、前記特定遊技状態に制御することが決定されていないときとは異なる割合にて実行し、
前記予告演出において、前記リーチ演出実行手段により実行される特定のリーチ演出と第1識別情報とからなる第1組み合せパターンが提示されたときに特定表示結果となる割合と、前記特定のリーチ演出と前記第1識別情報とは異なる第2識別情報とからなる第2組み合せパターンが提示されたときに特定表示結果となる割合とが異なる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
識別情報の可変表示が開始されてから全ての識別情報について可変表示を再度実行する再可変表示が実行されることを予告する再可変表示予告演出を実行する再可変表示予告演出実行手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する複数の可変表示部から構成される可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞して実行条件(始動条件)が成立すると、複数種類の識別情報(以下、表示図柄)を可変表示装置にて可変表示し、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたパチンコ遊技機がある。こうしたパチンコ遊技機では、可変表示ゲームにおける表示図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。例えば、大当り遊技状態となったパチンコ遊技機は、大入賞口又はアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技球の入賞を極めて容易にして所定の遊技価値を遊技者に与える遊技状態を一定時間継続的に提供する。
【0003】
また、可変表示装置において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態をリーチ状態という。リーチの態様として、それぞれ異なる演出(リーチ演出)が実行される複数の態様が設けられた遊技機も提案されている。リーチ演出として、所定の演出(例えば大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出など
)を実行するものをスーパーリーチともいう。また、大当りやリーチ(特にスーパーリーチ)などが発生する可能性が高いことなどを予告する演出(予告演出)がリーチ演出とは別に実行される遊技機も提案されている。
【0004】
これらの遊技機として、複数のリーチ演出を選択肢として遊技者に提示するとともに、演出用ボタンが操作されることによって遊技者の選択されたリーチ演出を実行するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−143203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が選択可能に表示される場合には、遊技者の期待感を効果的に高められるものの、期待度が低いリーチ演出のみが選択可能に表示される場合には、選択肢のリーチ演出が表示された時点で遊技者の期待感を損なう畏れがあり、選択可能に表示されるリーチ演出の種類にしか遊技者に注目させることが出来ず、遊技機の興趣を向上できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を向上させる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る遊技機は、
別情報(例えば、演出図柄など)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば、演出表示装置5など)に予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ機1)であって、
識別情報の可変表示の表示結果を導出表示する前に、前記特定遊技状態に制御するか否かを事前決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS241を実施する部分など)と、
前記可変表示手段においてリーチ状態に制御するリーチ状態制御手段(例えば、演出制御用CPU120がステップS565を実施する部分など)と、
識別情報の可変表示が開始されてから前記リーチ状態制御手段により一旦前記リーチ状態に制御させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を実行するか否かを決定する再可変表示決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS111を実施する部分など)と、
前記再可変表示決定手段による決定結果にもとづいて前記再可変表示を実行可能な再可変表示実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップS172を実施する部分など)と、
前記リーチ状態制御手段により一旦前記リーチ状態に制御させた後、前記再可変表示実行手段による前記再可変表示が実行される可能性を報知する再可変表示報知演出を実行する再可変表示報知演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップS575を実施する部分など)と、
前記リーチ状態制御手段により前記リーチ状態に制御された後、複数の異なるリーチ演出(例えば、スーパーリーチA〜Dなど)のうちから一のリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップS577を実施する部分など)と、
前記リーチ演出実行手段によってリーチ演出が実行される前に、前記リーチ演出実行手段が実行可能なリーチ演出(例えば、スーパーリーチA〜Dなど)と、前記可変表示手段において可変表示される識別情報(例えば、演出図柄「1」〜「9」など)と、の組合せにて構成される組合せパターンを複数提示する予告演出を実行する予告演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップS571を実施する部分など)と、
を備え、
前記リーチ演出実行手段は、前記予告演出にて提示された複数の組合せパターンのうちの一の組合せパターンに対応するリーチ演出を実行し(例えば、演出制御用CPU120がステップS906またはステップS912において移行組合せパターンの表示位置を決定し、該移行組合せパターンのスーパーリーチの演出をステップS555にて実行する部分など)、
前記予告演出実行手段は、特定の組合せパターンの提示を含む前記予告演出(例えば、変形例におけるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンなど)を、前記事前決定手段によって前記特定遊技状態に制御することが決定されているときには、前記特定遊技状態に制御することが決定されていないときとは異なる割合にて実行(例えば、演出制御用CPU120が、図24のパネル種別決定用テーブルを用いてパネル種別を決定する部分や、変形例においてスーパーリーチ大当りの場合において、スーパーリーチハズレの場合よりも高い割合にてスーパーリーチDと「7」との組合せパターンの表示を決定し、該決定した予告演出を実行する部分など)
前記予告演出において、前記リーチ演出実行手段により実行される特定のリーチ演出と第1識別情報とからなる第1組み合せパターンが提示されたときに特定表示結果となる割合と、前記特定のリーチ演出と前記第1識別情報とは異なる第2識別情報とからなる第2組み合せパターンが提示されたときに特定表示結果となる割合とが異なる
ことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、予告演出において提示される組合せパターンにおけるリーチ演出の種別のみならず、これらリーチ演出の種別と識別情報との組合せパターンや組合せパターンが提示される表示態様にも遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0010】
(2)上記(1)の遊技機において、
識別情報の可変表示が開始されてから全ての識別情報について可変表示を再度実行する再可変表示が実行されることを予告する再可変表示予告演出を実行する再可変表示予告演出実行手段(例えば、変形例における演出制御用CPU120が擬似連予告演出を実行する部分など)をさらに備え、
前記再可変表示決定手段は、識別情報の可変表示が開始されてから前記リーチ状態制御手段によりリーチ状態に制御されるまでに全ての識別情報について可変表示を再度実行するリーチ前再可変表示を実行するか否かをさらに決定し(例えば、変形例における遊技制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS111の処理にてリーチ状態となる前に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンと、リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンと、リーチ状態の前後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンと、を決定する部分など)、
前記再可変表示実行手段は、前記再可変表示決定手段による決定結果にもとづいて前記リーチ前再可変表示をさらに実行可能であり(例えば、変形例における演出制御用CPU120がリーチ状態となる前に「擬似連」の可変表示演出を実行する部分など)、
前記再可変表示予告演出実行手段は、前記再可変表示決定手段により前記リーチ後再可変表示を実行すると決定された場合には、前記再可変表示予告演出の実行を制限する(例えば、変形例における、リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンである場合には、擬似連予告演出設定処理を実行しない部分など)
ようにしてもよい。
【0011】
このような構成によれば、リーチ状態となった後に再可変表示が行われることによる意外性を高めることができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン31Bなど)をさらに備え、
前記再可変表示報知演出実行手段は、前記操作手段による操作を要する操作演出(例えば、「ボタン演出」など)と前記操作手段による操作を要さない操作なし演出(例えば、「画像表示演出」など)とのいずれかの再可変表示報知演出を実行し(例えば、演出制御用CPU120ステップS909にて設定された演出態様の再変動煽り演出を実行する部分など)、
前記再可表示報知演出として前記操作演出が実行される場合(例えば、「ボタン演出」の再変動煽り演出を実行する場合など)には、前記操作演出が実行される前に前記再可変表示が行われることを示す再可変表示確定演出の実行を制限する再可変表示確定演出制限手段(例えば、変形例において、図31のステップS909において、「ボタン演出」の再変動煽り演出が決定された場合、複数の演出態様のうち、「再可変表示確定演出」を除く演出態様の中から、擬似連予告演出の演出態様を決定するなど)をさらに備える
ようにしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、再可変表示が実行されることが事前に遊技者に認識されてしまうことで操作手段への操作意欲が低減してしまう、といったことを抑制することができる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)の遊技機において、
前記予告演出実行手段は、特定の組合せパターン(例えば、スーパーリーチDと「7」との組合せパターンなど)の提示を複数含む予告演出を、前記事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されているときには、特定表示結果とすることが決定されていないときよりも高い割合にて実行する(例えば、演出制御用CPU120が、図25の特定パネル表示数決定用テーブルを用いて、スーパーリーチDと「7」との組合せパターンの表示数を決定し、該決定した表示数のスーパーリーチDと「7」との組合せパターンを含む予告演出を実行する部分など)
ようにしてもよい。
【0015】
このような構成によれば、特定の組合せパターンが提示される数にも遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0016】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記予告演出実行手段は、提示する各組合せパターンを複数の表示位置(例えば5など)のいずれかに割り当てて提示するとともに、特定の表示位置(例えば、特別位置など)に特定の組合せパターン(例えば、移行組合せパターンなど)を割り当てて提示する予告演出を、前記事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されているときには、特定表示結果とすることが決定されていないときよりも高い割合にて実行する(例えば、演出制御用CPU12
0が、図26の表示位置決定用テーブルを用いて、移行組合せパターンの表示位置を特別位置または特別位置以外に決定し、該決定した表示位置に移行組合せパターンが表示された予告演出を実行する部分など)
ようにしてもよい。
【0017】
このような構成によれば、特定の組合せパターンが提示される表示位置を遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0018】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記予告演出実行手段は、前記事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されているときには、特定表示結果とすることが決定されていないときよりも高い割合にて特定の識別情報と特定のリーチ演出の種別との組合せパターン(例えば、スーパーリーチDと「7」との組合せパターンなど)を含む予告演出を実行する
ようにしてもよい。
【0019】
このような構成によれば、提示された組合せパターンに含まれるリーチ演出の種別だけではなく、識別情報が特定の識別情報であるか否かについても遊技者に注目させることができるようになるので、遊技機の興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図3】演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図4】主基板の側にてカウントされる遊技用乱数を例示する説明図である。
図5】変動パターンを例示する図である。
図6】第1特図表示結果判定テーブル及び第2特図表示結果判定テーブルの構成例を示す図である。
図7】変動パターン種別を例示する図である。
図8】大当り変動パターン種別判定テーブル、小当り変動パターン種別判定テーブル及び突確変動パターン種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図9】はずれ用変動パターン種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図10】ハズレ変動パターン判定テーブルの構成例を示す図である。
図11】大当り変動パターン判定テーブルの構成例を示す図である。
図12】小当り/突確変動パターン判定テーブルの構成例を示す図である。
図13】大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。
図14】遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。
図15】演出制御パターンの構成例等を示す図である。
図16】演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。
図17】遊技制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
図18】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図19】始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図20】入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。
図21】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
図22】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図23】演出制御基板の側にてカウントされる遊技用乱数を例示する説明図である。
図24】(a)、(b)は、パネル種別決定用テーブルを示す図である。
図25】(a)、(b)は、特定パネル表示数決定用テーブルを示す図である。
図26】(a)、(b)は、表示位置決定用テーブルを示す図である。
図27】コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。
図28】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図29】変動表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
図30】最終停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。
図31】予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図32】再変動煽り演出決定テーブルの構成例を示す図である。
図33】変動表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
図34】演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。
図35】予告演出処理の一例を示す図である。
図36】特別演出処理の一例を示す図である。
図37】予告演出の表示態様を示す図である。
図38】予告演出の表示態様を示す図である。
図39】特定パネルの表示態様と信頼度との関係を示す図である。
図40】リーチ図柄決定テーブルの一例を表す図である。
図41】リーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルの一例を表す図である。
図42】リーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルの一例を表す図である。
図43】特別演出A(リーチ図柄を含むトリプルリーチ)の一例を表す図である。
図44】特別演出B(リーチ図柄を含まないトリプルリーチ)の一例を表す図である。
図45】非移行組合せパターン決定用テーブルの一例を表す図である。
図46】変形例の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0022】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等か
ら構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
【0023】
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0024】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
【0025】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
【0026】
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
【0027】
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
【0028】
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
【0029】
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
【0030】
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶数表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
【0031】
この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1始動入賞記憶表表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示(第2始動入賞記憶表表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、例えば、共に丸型の白色表示等の同一態様であってもよい。
【0032】
図1に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
【0033】
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
【0034】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0035】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0036】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0037】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0038】
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0039】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
【0040】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
【0041】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0042】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0043】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0044】
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
【0045】
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
【0046】
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
【0047】
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
【0048】
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
【0049】
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0050】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
【0051】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0052】
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
【0053】
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0054】
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0055】
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
【0056】
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
【0057】
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
【0058】
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
【0059】
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
【0060】
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
【0061】
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
【0062】
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
【0063】
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
【0064】
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
【0065】
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
【0066】
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
【0067】
演出図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の可変表示動作などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、演出図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
【0068】
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部の演出図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、演出図柄の可変表示が開始されてから全部または一部の演出図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄が再変動する回数(再変動回数)である。初回変動が開始されてから全部または一部の演出図柄が一旦仮停止表示された後、最終停止図柄となる確定演出図柄が導出されるまでの期間にて、1回目に実行される擬似連変動は第1擬似連変動とも称され、2回目に実行される擬似連変動は第2擬似連変動とも称され、3回目に実行される擬似連変動は第3擬似連変動とも称される。
【0069】
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる演出図柄が仮停止表示される。擬似連チャンス目には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる演出図柄の組合せが含まれていてもよい。また、擬似連チャンス目には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる演出図柄の組合せが含まれてもよい。すなわち、この実施の形態では、一旦リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出が行われても、リーチ状態となる前に「擬似連」の可変表示演出が行われてもよい。また、例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される演出図柄(中図柄)を、通常時における演出図柄の可変表示では使用されない特殊な演出図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における演出図柄の可変表示でも使用される演出図柄のうちに、「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
【0070】
擬似連チャンス図柄を含む擬似連チャンス目を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示などの所定演出は、再変動演出という。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上(例えば「中」の演出図柄表示エリア5C)にて画像表示(例えば擬似連チャンス図柄の仮停止表示)を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
【0071】
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
【0072】
再変動演出として、擬似連チャンス図柄といった特殊な演出図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な演出図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる演出図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
【0073】
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、演出図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
【0074】
こうした演出図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を変動させてから、単一または複数の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)にて演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した演出図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の演出図柄表示エリア(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lと「右」の演出図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。
【0075】
「発展チャンス目」の可変表示演出では、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する演出図柄を仮停止表示させた後、演出図柄の可変表示態様をリーチ態様として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、演出図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの演出図柄を、確定演出図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の演出図柄を一旦仮停止表示させた後、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて演出図柄を再び変動させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。
【0076】
また、演出図柄の変動表示中には、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
【0077】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
【0078】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
【0079】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「9」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
【0080】
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、所定の変動回数の範囲(例えば100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0081】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「9」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
【0082】
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、当該大当り前の遊技状態に応じた変動回数の範囲(例えば100回)において上述した時短制御が実施されるとともに、確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。
【0083】
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
【0084】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
【0085】
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
【0086】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定演出図柄)が停止表示されることもある。
【0087】
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御が行われればよい。
【0088】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
【0089】
演出図柄の変動表示結果として開放チャンス目を構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、演出図柄の変動表示結果としてリーチ組合せを構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定演出図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定演出図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
【0090】
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
【0091】
通常大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
【0092】
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
【0093】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0094】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
【0095】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0096】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0097】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0098】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0099】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
【0100】
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0101】
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0102】
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別判定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
【0103】
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
【0104】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0105】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0106】
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0107】
コマンドC1XXHは、第1保留記憶数表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶数表示エリア5Uにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
【0108】
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立して第1特図保留記憶数が増加したときや、新たな変動表示が開始されて第1特図保留記憶数が減少したときに第1特図保留記憶数の変化を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立して第2特図保留記憶数が増加したときや、新たな変動表示が開始されて第2特図保留記憶数が減少したときに第2特図保留記憶数の変化を通知するものとして送信される。
【0109】
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
【0110】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに加えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0111】
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
【0112】
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図20(A)参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に判定されるか否かや「小当り」に判定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用の乱数値MR3がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
【0113】
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、変動表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
【0114】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0115】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0116】
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0117】
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
【0118】
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
【0119】
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、変動パターンの変動表示における態様を判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
【0120】
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
【0121】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
【0122】
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「2」〜「4」、「5」〜「8」または「2」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。また、図5に示す変動パターンは、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンを含んでおり、この変動パターンが選択されることで、「擬似連」の可変表示演出が行われる。
【0123】
尚、図5に示す変動パターンは、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して実行される、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−7を含んでいるが、本発明はこれに限定されず、変動パターンPA1−7を、例えば、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が2〜5個であることに対応して実行され、変動パターン1−7よりも特別図柄や演出図柄の特図変動時間が長く設定されている変動パターンPA1−8と、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、変動パターンPA1−7よりも特別図柄や演出図柄の変動表示時間が更に短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が6〜8個であることに対応して実行される変動パターンPA1−9と、に分割してもよい。このように変動パターンPA1−7をPA1−8とPA1−9とに分割することで、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、第2始動入賞口への始動入賞が少ない状況において、第1始動入賞口への始動入賞に基づく第1保留記憶が高速で消化されてしまうことを回避できるようにしても良い。
【0124】
尚、図5に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにすればよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
【0125】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0126】
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果判定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
【0127】
第1特図表示結果判定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
【0128】
第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる判定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなるように判定用データが割り当てられている。
【0129】
本実施の形態では、第1特図表示結果判定テーブル130Aにおいて、通常状態または時短状態では、乱数値MR1の8000〜8189の範囲が大当りに割り当てられており、乱数値MR1の30000〜30350の範囲が小当りに割り当てられており、乱数MR1のそれ以外の範囲がはずれに割り当てられている。第1特図表示結果判定テーブル130Aにおいて、確変状態では、乱数値MR1の8000〜9899の範囲が大当りに割り当てられており、乱数値MR1の30000〜30350の範囲が小当りに割り当てられており、乱数MR1のそれ以外の範囲がはずれに割り当てられている。
【0130】
また、第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、通常状態または時短状態では、乱数値MR1の8000〜8189の範囲が大当りに割り当てられており、乱数値MR1の30000〜30350の範囲が小当りに割り当てられており、乱数MR1のそれ以外の範囲がはずれに割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、確変状態では、乱数値MR1の8000〜9899の範囲が大当りに割り当てられており、乱数値MR1の30000〜30350の範囲が小当りに割り当てられており、乱数MR1のそれ以外の範囲がはずれに割り当てられている。
【0131】
このように、本実施の形態では、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bとにおいて、小当りが割り当てられている判定値の範囲が同一となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおける小当りが割り当てられている判定値の範囲と、第1特図表示結果判定テーブル130Aにおける小当りが割り当てられている判定値の範囲とを異ならせる、つまり、第1特図表示結果判定テーブルAと第2特図表示結果決定テーブル130Bとで小当りの決定割合が異なる様に設定してもよい。特に、第2特図表示結果判定テーブル130Bにおける小当りの決定割合を第1特図表示結果判定テーブル130Aにおける小当りの決定割合よりも少なくすることで、高ベース中における複数の第2保留記憶が消化され続けているときに、小当りの発生により遊技者が煩わしさを感じることを抑えることができるようにしても良い。
【0132】
図7は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図7に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチA〜スーパーリーチD)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。この実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターン種別は、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターン(スーパーリーチのみ)が含まれる変動パターンとに分けられている。
【0133】
図7に示す例では、変動表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−6が、予め用意されている。また、変動表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「非確変」又は「確変」の変動表示態様(大当り種別)に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)であ
る場合や変動表示結果が「小当り」である場合に対応して、変動パターン種別CA4−1が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)である場合のみに対応して、変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。
【0134】
変動パターン種別CA1−1は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が2〜4個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜4個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される保留5〜8個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3を含んでいる。
【0135】
変動パターン種別CA1−4は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−6を含んでいる。変動パターン種別CA1−5は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−7を含んでいる。変動パターン種別CA1−6は、遊技状態に関わらず、「滑り」や「擬似連」の可変表示演出が実行される「滑り、擬似連」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−4及びPA1−5を含んでいる。
【0136】
変動パターン種別CA2−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA2−1及びPA2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、「擬似連」の可変表示演出を含み、かつ、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチA〜スーパーリーチDのうちのいずれか)演出を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)擬似連あり」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−4、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4を含んでいる。変動パターン種別CA2−3は、「擬似連」の可変表示演出を含まず、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチA〜スーパーリーチDのうちのいずれか)演出を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)擬似連なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4を含んでいる。
【0137】
変動パターン種別CA3−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA4−1及びPA4−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、「擬似連」の可変表示演出を含み、かつ、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチA〜スーパーリーチDのうちのいずれか)を伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)擬似連あり」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB4−1〜変動パターンPB4−4、変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4、変動パターンPB6−1〜変動パターンPB6−4を含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチA〜スーパーリーチDのうちのいずれか)を伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)擬似連なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4を含んでいる。
【0138】
変動パターン種別CA4−1は、2回開放チャンス目のいずれかとなる確定演出図柄を導出表示する「2回開放チャンス目停止」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3を含んでいる。変動パターン種別CA4−2は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合に演出図柄の変動表示状態をリーチ状態としてからリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「2回開放時リーチハズレ」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−4及び変動パターンPC1−5を含んでいる。
【0139】
また、図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、特図表示結果の判定結果や、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照される変動パターン種別判定テーブルが記憶される。
【0140】
図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、ROM101に記憶される変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別判定テーブルとして、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルと、図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルと、図8(C)に示す突確動パターン種別判定テーブルと、が、予め用意されている。
【0141】
図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」にすると判定(事前決定)されたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別の判定結果が「非確変」または「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。
【0142】
大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に判定される割合が異なるように、判定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する判定値の割当てが異なっている。
【0143】
具体的には、大当り種別が「非確変」である場合、乱数値MR3の1〜50までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の51〜150までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられており、乱数値MR3の151〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−3に割り当てられている。
【0144】
一方、大当り種別が「確変」である場合、乱数値MR3の1〜30までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の31〜170までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられており、乱数値MR3の171〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの判定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「確変」である場合、「すーパーリーチ(大当り)擬似連あり」の変動パターン種別に決定される割合が、大当り種別が「非確変」である場合よりも高く設定されているため、「擬似連」の可変表示演出が実行された場合には、大当り種別が「確変」である可能性が高くなる。したがって、「擬似連」の可変表示に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0145】
なお、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に判定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定することができる。
【0146】
上記したように、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせており、これによって、いずれの変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が実行されるかに応じて、変動表示結果が「15R確変大当り」となる期待度を異ならせることができる。例えば、大当り種別が「確変」の場合に多くの判定値が割り当てられる一方、大当り種別が「非確変」の場合に少ない判定値が割り当てられる変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が行われたときには、変動表示結果が「15R確変大当り」となる期待度が高められる。
【0147】
図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「小当り」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターン種別CA4−1に対して割り当てられている。
【0148】
また、図8(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「突確」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。突確変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA4−1に割り当てられており、乱数値MR3の151〜251までの範囲が変動パターン種別CA4−2に割り当てられている。
【0149】
ここで、変動パターン種別CA4−1は、小当り変動パターン種別判定テーブルと突確変動パターン種別判定テーブルの双方において判定値が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1は、特図表示結果が「小当り」となる場合と「突確」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと、突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
【0150】
尚、小当り変動パターン種別判定テーブルは、突確変動パターン種別判定テーブルとは異なる変動パターン種別に対しても、判定値が割り当てられるように設定されてもよい。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるとともに、それぞれに固有の変動パターン種別が含まれるように設定されてもよい。
【0151】
図9(A)〜図9(E)は、ROM101に記憶されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。これらのはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eは、変動表示結果をハズレ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。
【0152】
この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルとして、図9(A)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が判定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA(通常用)と、図9(B)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が2〜4個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が判定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(通常用)と、図9(C)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数が5〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が判定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルCと、図9(D)に示す遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が0〜1個であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が判定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルDと、図9(E)に示す遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)であり、合計保留記憶数が2〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が判定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルEと、が、予め用意されている。
【0153】
このうち、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAにおいては、乱数値MR3の1〜70までの範囲が変動パターン種別CA1−1に割り当てられており、乱数値MR3の71〜90までの範囲が変動パターン種別CA1−6に割り当てられており、乱数値MR3の91〜160までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の161〜190までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられており、乱数値MR3の191〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルAでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2及び変動パターン種別CA1−3に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
【0154】
はずれ用変動パターン種別判定テーブルBにおいては、乱数値MR3の1〜7
0までの範囲が変動パターン種別CA1−2に割り当てられており、乱数値MR3の71〜90までの範囲が変動パターン種別CA1−6に割り当てられており、乱数値MR3の91〜160までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の161〜190までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられており、乱数値MR3の191〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルBでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2が乱数値MR3の1〜70までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
【0155】
はずれ用変動パターン種別判定テーブルCにおいては、乱数値MR3の1〜70までの範囲が変動パターン種別CA1−3に割り当てられており、乱数値MR3の71〜90までの範囲が変動パターン種別CA1−6に割り当てられており、乱数値MR3の91〜160までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の161〜190までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられており、乱数値MR3の191〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルCでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−3が乱数値MR3の1〜70までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
【0156】
はずれ用変動パターン種別判定テーブルDにおいては、乱数値MR3の1〜70までの範囲が変動パターン種別CA1−4に割り当てられており、乱数値MR3の71〜90までの範囲が変動パターン種別CA1−6に割り当てられており、乱数値MR3の91〜160までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の161〜190までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられており、乱数値MR3の191〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルDでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−5に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
【0157】
はずれ用変動パターン種別判定テーブルEにおいては、乱数値MR3の1〜70までの範囲が変動パターン種別CA1−5に割り当てられており、乱数値MR3の71〜90までの範囲が変動パターン種別CA1−6に割り当てられており、乱数値MR3の91〜160までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の161〜190までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられており、乱数値MR3の191〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルEでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−5が乱数値MR3の1〜70までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
【0158】
このように、保留記憶数の合計保留記憶数が多い(例えば3個以上)の場合には、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別が設けられたはずれ用変動パターン種別テーブルが選択されることで、変動表示が短縮されて実行されやすくなり、保留記憶数が上限値に達することによる無駄な始動入賞を抑えることができるようになっている。
【0159】
図10図12は、ROM101に記憶される変動パターン判定テーブルの構成例を示している。これらの変動パターン判定テーブルのうち、図10に示すハズレ変動パターン判定テーブルは、図9(A)〜図9(E)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eにて判定された変動パターン種別CA1−1〜変動パターンCA1−6、変動パターンCA2−1〜変動パターンCA2−3に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
【0160】
このハズレ変動パターン判定テーブルでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(判定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。この実施の形態では、変動パターン種別がCA2−2である場合、「擬似連」の可変表示演出を伴う、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−4、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4といった複数の変動パターンに判定値が割り当てられている。そして、変動パターン種別がCA2−2である場合、例えば、再変動を1回行う変動パターンPB1−1〜変動パターン1−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も広く、次いで、再変動を2回行う変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4が、割り当てられている判定値の範囲が広く、再変動を3回行う変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も狭い、といったように、再変動回数が少ない変動パターンほど、割り当てられる判定値の範囲が広くなるように(割り当てられる判定値の数が多くなるように)、各変動パターンに判定値が割り当てられている。
【0161】
図11(A)に示す大当り変動パターン判定テーブルAは、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が確変大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターンCA3−3に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、変動パターン種別がCA3−2である場合、「擬似連」の可変表示演出を伴う、変動パターンPB4−1〜変動パターンPB4−4、変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4、変動パターンPB6−1〜変動パターンPB6−4といった複数の変動パターンに判定値が割り当てられている。そして、変動パターン種別がCA3−2である場合、図10のハズレ変動パターン判定テーブルと異なり、例えば、再変動を1回行う変動パターンPB4−1〜変動パターン4−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も狭く、次いで、再変動を2回行う変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4が、割り当てられている判定値の範囲が狭く、再変動を3回行う変動パターンPB6−1〜変動パターンPB6−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も広い、といったように、再変動回数が多い変動パターンほど、割り当てられる判定値の範囲が広くなるように(割り当てられる判定値の数が多くなるように)、各変動パターンに判定値が割り当てられている。
【0162】
図11(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルBは、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターンCA3−3に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、変動パターン種別がCA3−2である場合、「擬似連」の可変表示演出を伴う、変動パターンPB4−1〜変動パターンPB4−4、変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4、変動パターンPB6−1〜変動パターンPB6−4といった複数の変動パターンに判定値が割り当てられている。そして、変動パターン種別がCA3−2である場合、図10のハズレ変動パターン判定テーブルと異なり、例えば、再変動を1回行う変動パターンPB4−1〜変動パターン4−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も狭く、次いで、再変動を2回行う変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4が、割り当てられている判定値の範囲が狭く、再変動を3回行う変動パターンPB6−1〜変動パターンPB6−4が、割り当てられている判定値の範囲が最も広い、といったように、再変動回数が多い変動パターンほど、割り当てられる判定値の範囲が広くなるように(割り当てられる判定値の数が多くなるように)、各変動パターンに判定値が割り当てられている。
【0163】
このように、ハズレ変動パターン判定テーブルと、大当り変動パターン判定テーブルA〜Bを設定することにより、この実施の形態においては、最終的にハズレとなる場合にあってはスーパーリーチA>スーパーリーチB>スーパーリーチC>スーパーリーチDの順で実行され易いとともに、最終的に大当りとなる場合にはスーパーリーチA<スーパーリーチB<スーパーリーチC<スーパーリーチDの順で実行され易くなっている。よって、この実施の形態においては、最終的に大当りとなる信頼度としては、スーパーリーチA<スーパーリーチB<スーパーリーチC<スーパーリーチDとなるように設定されている。したがって、実行されるスーパーリーチの種類によって、大当りになるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
【0164】
また、図11に示すように、大当り変動パターン判定テーブルAは、変動パターン種別が変動パターン種別CA3−2に判定される場合に、スーパーリーチDが実行されて大当りとなる変動パターン(PB4−4、PB5−4、PB6−4)に判定される割合と、スーパーリーチCが実行されて大当りとなる変動パターン(PB4−4、PB5−4、PB6−4)に判定される割合とが、大当り変動パターン判定テーブルBよりも高くなるように、判定値が割り当てられている。
【0165】
よって、大当り種別が確変大当りである場合は、大当たり種別が通常(非確変)大当りである場合よりもスーパーリーチDやスーパーリーチCが出現しやすく、逆に、スーパーリーチBやスーパーリーチAが出現し難くなっている。このため、スーパーリーチDやスーパーリーチCが出現した場合には、確変大当りになるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
【0166】
図12に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルは、図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1に判定されたとき、及び図8(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−2に判定されたときに、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
【0167】
図13は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
【0168】
ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機1において発生する大当りの種別「非確変」、「確変」及び「突確」について説明する。「非確変」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が低い低確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「非確変」の場合は、大当り遊技終了後に低確高ベース状態に制御する。この高ベース状態は、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
【0169】
また、「確変」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「確変」の場合は、大当り遊技終了後に高確高ベース状態に制御する。この高ベース状態は、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。尚、本実施の形態の高ベース状態は、前述のように特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲーム実行中に大当りに当選するまで継続しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態は、特図ゲームの回数に拘らず、大当りに当選するまで継続するようにしてもよい。
【0170】
尚、「突確」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態となるが、高開放制御は行われない。すなわち、大当り種別が「突確」の場合は、大当り遊技終了後に高確低ベース状態に制御される。
【0171】
この大当り種別判定テーブル131においては、図13に示すように、特図表示結果が「大当り」となる特図が第1特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜82が「確変」に割り当てられており、乱数値MR2の83〜100が「突確」に割り当てられている。また、特図表示結果が「大当り」となる特図が第2特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜100が「確変」に割り当てられている。
【0172】
このように、本実施の形態では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「突確」に判定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると判定されることがないので、例えば時短状態(低確状態や時短付確変状態といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2ラウンド大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
【0173】
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
【0174】
また、この実施の形態では、時短制御の回数を一定回数である100回としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当りが発生した遊技状態が高ベース状態であれば100回とする一方、大当りが発生した遊技状態が低ベース状態である場合には10回とするように、大当りが発生した遊技状態に応じて時短制御とする期間を異なる期間とするようにしても良い。
【0175】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0176】
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図14に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図14に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
【0177】
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0178】
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0179】
尚、本実施の形態では、遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1、MR2、MR3、MR4を示す数値データを保留データとして第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、乱数値MR4を示す数値データは、第1始動条件または第2始動条件の成立時ではなく、該始動条件成立による保留記憶の変動表示開始時に抽出するようにすることで、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bには、MR4の記憶領域を設けない構成としても良い。
【0180】
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0181】
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0182】
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0183】
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0184】
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
【0185】
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
【0186】
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0187】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0188】
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0189】
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0190】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
【0191】
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
【0192】
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0193】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
【0194】
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
【0195】
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
【0196】
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
【0197】
図15(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0198】
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
【0199】
図15(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や予告演出画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0200】
図15(B)に示す演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが個別に設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
【0201】
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
【0202】
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
【0203】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図16(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図16(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
【0204】
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0205】
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0206】
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
【0207】
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0208】
この実施の形態では、図16(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
【0209】
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図16(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図16(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
【0210】
図16(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図16(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図16(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図16(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
【0211】
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、連続演出を実行するか否が決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、該コマンドに対応する未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされることにより先読み予告制限フラグがセットされ、保留記憶の表示態様を変化させる等によって実施される先読み予告演出の実行が制限される。
【0212】
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0213】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0214】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図17フローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0215】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0216】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0217】
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0218】
図18は、特別図柄プロセス処理として、図17に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図19は、始動入賞判定処理として、図18のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0219】
図19示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
【0220】
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
【0221】
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0222】
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる。
【0223】
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、変動パターンの変動表示の態様を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄の変動表示時間や演出図柄の変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値を示す数値データを全て抽出する。
【0224】
尚、この実施の形態では、ステップS209において乱数値MR1〜MR4を抽出するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、乱数値MR1〜MR4の全てまたは一部を、当該始動入賞に対応した変動表示の開示時に抽出するようにしても良い。
【0225】
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0226】
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0227】
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0228】
図20(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図19のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図18のステップS110)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図18のステップS111)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると判定される乱数値MR1であるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、演出図柄の変動表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
【0229】
図20(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
【0230】
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果判定テーブル130Aまたは第2特図表示結果判定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の判定に用いられる特図表示結果判定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図19のステップS209にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果判定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
【0231】
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果判定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた判定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
【0232】
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
【0233】
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照する
ことにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
【0234】
ステップS405、S407、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される各変動パターン種別判定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
【0235】
ステップS412では、例えば、変動パターン種別判定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターン種別がCA1−1〜CA1−6のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA2−1である場合には、ノーマルリーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA2−2である場合には、スーパーリーチハズレ(擬似連あり)の変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA2−3である場合には、スーパーリーチハズレ(擬似連なし)の変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA3−1である場合にはノーマルリーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA3−2である場合にはスーパーリーチ大当り(擬似連あり)の変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA3−32である場合にはスーパーリーチ大当り(擬似連なし)の変動カテゴリであると判定する。また、変動パターン種別がCA4−1、CA4−2のいずれかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパールリーチハズレ、突確・小当り、ノーマルリーチ大当り、スーパーリーチ大当りのいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。
【0236】
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図20(B)に示す変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0237】
図19に示す始動入賞判定処理や図20(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図19におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図20(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図20(A)におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図19におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図17に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
【0238】
図18のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
【0239】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に判定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
【0240】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前判定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに判定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
【0241】
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが判定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を判定する処理を含んでいる。
【0242】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0243】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0244】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
【0245】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
【0246】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
【0247】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0248】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
【0249】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
【0250】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0251】
図21は、特別図柄通常処理として、図18のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0252】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0253】
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
【0254】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることになる。
【0255】
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
【0256】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0257】
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
【0258】
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果判定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果判定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。続いて、CPU103は、現在の遊技状態と、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定する(ステップS240)。
【0259】
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果判定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる判定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが判定される。例えば、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。これに対して、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。
【0260】
ステップS240にて特図表示結果を判定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを判定する(ステップS244)。
【0261】
ステップS244の処理にて大当り種別を判定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に判定されることになる。こうして判定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、判定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
【0262】
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
【0263】
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前判定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の判定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前判定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の判定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする判定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
【0264】
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0265】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
【0266】
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図22のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図22に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0267】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0268】
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0269】
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
【0270】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
【0271】
図23は、演出制御基板12の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、演出制御基板12の側において、乱数回路124から抽出される予告演出実行決定用の乱数値SR1、予告演出において表示されるパネルの種別決定用の乱数値SR2、予告演出において表示される特定パネルの表示数決定用の乱数値SR3、予告演出が実施される変動表示において移行するリーパーリーチの種類と演出図柄の組合せパターンを、予告演出において表示されるパネル内の特別位置に表示するか否かを決定する表示位置決定用の乱数値SR4、後述する予告演出において非移行の組合せパターンを決定するための非移行組合せ決定1用の乱数値SR5並びに非移行組合せ決定2用の乱数値SR6のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これらSR1〜SR6以外の乱数を用いてもよい。
【0272】
尚、本実施の形態の予告演出は、図37(C1)並びに図37(C2)、図38(C1)並びに図38(C2)に示すように、スーパーリーチとなる変動表示において実行される演出であって、本実施の形態において出現可能なスーパーリーチの種別であるスーパーリーチA〜Dと、本実施の形態において演出表示装置5の変動表示に使用される演出図柄「1」〜「9」とを組合せた組合せパターンであって、該変動表示において実際にリーチ状態となる演出図柄と、該リーチ状態となった後に実行されるスーパーリーチの種別との組合せである移行組合せパターンと、該移行組合せパターン以外の組合せパターン(非移行組合せパターン)とが表示されたパネルを提示して大当りとなる可能性を示唆する演出である。よって、予告演出のパネルにおいて提示した組合せパターンの内から選択された1の組合せパターン(移行組合せパターン)に含まれる演出図柄によるリーチ状態とスーパーリーチ種別が発生することになる。また、この実施の形態における予告演出は、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かに関わらず実行されるため、遊技者は「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを、予告演出が実行されることによっては認識することができず、「擬似連」の可変表示演出が実行されることが事前に認識されることによる遊技興趣の低下を防止することができる。
【0273】
予告演出実行決定用の乱数値SR1は、予告演出の対象となるスーパーリーチの変動パターンが開始されたときに、予告演出を実行するか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「10」の範囲の値をとる。SR2は、予告演出を実行することが決定されたときに、該実行が決定された予告演出において使用するパネルの種別を決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。SR3は、予告演出を実行することが決定されたときに、該実行が決定された予告演出において特定の組合せパターン(例えば、スーパーリーチDと演出図柄「7」の組合せパターン)を表示する数を決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。SR4は、予告演出を実行することが決定されたときに、該実行が決定された予告演出が実施される変動表示において移行する組合せパターンを、SR2に基づいて決定されたパネル内の特別位置に表示するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。SR5は、非移行の組合せパターンを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「4」の範囲の値をとる。SR6は、非移行の組合せパターンを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「9」の範囲の値をとる。
【0274】
図24は、演出制御基板12におけるROM121に記憶されているパネル種別決定用テーブルを示す図である。このパネル種別決定用テーブルは、パネル種別決定用の乱数値SR2に基づいてパネル種別を決定するために使用されるテーブルである。
【0275】
パネル種別決定用テーブルには、スーパーリーチ大当りの変動パターンであるときに使用される図24(a)のパネル種別決定用テーブル(Sリーチ当り)と、スーパーリーチハズレの変動パターンであるときに使用される図24(b)のパネル種別決定用テーブル(Sリーチハズレ)とが設けられている。
【0276】
パネル種別決定用テーブル(Sリーチ当り)には、パネルの種別である「横分割パネル」と「縦分割パネル」のそれぞれに、乱数値SR2の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P1」、「P2」となるように、パネル種別決定用の乱数値SR2の乱数値範囲として「1〜X1」と、「X1+1〜100」が設定されている。
【0277】
尚、この実施の形態では、P2>P1となるX1が設定されており、スーパーリーチ大当りとなる場合には、「縦分割パネル」による予告演出が、「横分割パネル」による予告演出よりも高い割合にて実行される。
【0278】
これらスーパーリーチ大当りとなる場合において「横分割パネル」による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図24(a)に示すように、「QSA×P0×P1」であり、「縦分割パネル」による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図24(a)に示すように、「QSA×P0×P2」である。尚、QSAは、予告演出の対象となる変動パターンであるスーパーリーチ大当りの変動パターンの出現率であり、P0は、予告演出の実行が決定される確率(本実施の形態では後述するように1/2)である。
【0279】
また、パネル種別決定用テーブル(Sリーチハズレ)には、パネルの種別である「横分割パネル」と「縦分割パネル」のそれぞれに、乱数値SR2の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P3」、「P4」となるように、パネル種別決定用の乱数値SR2の乱数値範囲として「1〜X2」と、「X2+1〜100」が設定されている。
【0280】
尚、この実施の形態では、P3>P4となるとともに、P3≒P2、P4≒P1となるX2が設定されており、スーパーリーチハズレとなる場合には、「横分割パネル」による予告演出が、「縦分割パネル」による予告演出よりも高い割合にて実行される。
【0281】
これらスーパーリーチハズレとなる場合において「横分割パネル」による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図24(b)に示すように、「QSH×P0×P3」であり、「縦分割パネル」による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図24(b)に示すように、「QSH×P0×P4」である。尚、QSHは、予告演出の対象となる変動パターンであるスーパーリーチハズレの変動パターンの出現率である。これらQSHやQSAは、前述した表示結果判定テーブルにおける大当り当選確率やハズレの当選確率、大当り種別判定テーブルにおける突確大当りを除く大当りに決定される確率や、大当り変動パターン種別判定テーブルにおいてCA3−2またはCA3−3が決定される確率やハズレ変動パターン種別判定テーブルにおいてCA2−2またはCA2−3が決定される確率に基づいて算出することができる。
【0282】
これら予告演出において表示される各パネルの信頼度(SD)は、各パネルの出現確率の総和(ハズレとときと大当りのときの出現率の合計)に占める当該パネルの大当りとなるときの出現率であるから、「縦分割パネル」の信頼度「SD1」と、「横分割パネル」の信頼度「SD2」とを、図22に示すように、上記したスーパーリーチ大当りとなる場合における各パネルの出現率とスーパーリーチハズレとなる場合における各パネルの出現率とに基づいて算出することができ、この実施の形態においては、「SD1」>「SD2」となるように「X1」と「X2」とが設定されている。つまり、この実施の形態においては、「縦分割パネル」の予告演出の方が「横分割パネル」の予告演出よりも大当りとなる信頼度が高くなるように設定されており、「縦分割パネル」の予告演出が実施されることで、大当りなる可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
【0283】
図25は、演出制御基板12におけるROM121に記憶されている特定パネル表示数決定用テーブルを示す図である。この特定パネル表示数決定用テーブルは、特定パネル表示数決定用の乱数値SR3に基づいて、特定の組合せパターン(スーパーリーチDと「7」との組合せ)の特定パネルの表示数を決定するために使用されるテーブルである。
【0284】
尚、本実施の形態では、特定の組合せパターンをスーパーリーチDと「7」との組合せとした形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄に関係なく特定のスーパーリーチ種別(例えばスーパーリーチC)を含む組合せパターンを特定の組合せパターンとしても良いし、逆に、スーパーリーチ種別に関係なく特定の演出図柄(例えば「1」)を含む組合せパターンを特定の組合せパターンとしても良い。
【0285】
特定パネル表示数決定用テーブルにも、スーパーリーチ大当りの変動パターンであるときに使用される図25(a)の特定パネル表示数決定用テーブル(Sリーチ当り)と、スーパーリーチハズレの変動パターンであるときに使用される図25(b)の特定パネル表示数決定用テーブル(Sリーチハズレ)とが設けられている。
【0286】
特定パネル表示数決定用テーブル(Sリーチ当り)には、特定パネルの表示数である「0」、「1」、「2」、「3」のそれぞれに、乱数値SR3の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P11」、「P12」、「P13」、「P14」となるように、特定パネル表示数決定用の乱数値SR3の乱数値範囲として「1〜Y1」と、「Y1+1〜Y2」、「Y2+1〜Y3」、「Y3+1〜100」が設定されている。
【0287】
尚、この実施の形態では、P13>P12>P11となる「Y1」、「Y2」、「Y3」が設定されており、スーパーリーチ大当りとなる場合には、特定パネルの表示数「2」の予告演出が決定され易く、特定パネルの表示数「0」の予告演出が決定され難くなっている。
【0288】
これらスーパーリーチ大当りとなる場合において各特定パネルの表示数による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図25(a)に示すように、表示数「0」については「QSA×P0×P11」であり、表示数「1」については「QSA×P0×P12」であり、表示数「2」については「QSA×P0×P13」であり、表示数「3」については「QSA×P0×P14」である。
【0289】
特定パネル表示数決定用テーブル(Sリーチハズレ)にも、特定パネルの表示数である「0」、「1」、「2」、「3」のそれぞれに、乱数値SR3の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P15」、「P16」、「P17」、「0」となるように、特定パネル表示数決定用の乱数値SR3の乱数値範囲として「1〜Y4」と、「Y4+1〜Y5」、「Y5+1〜100」、「−」が設定されている。
【0290】
尚、この実施の形態において表示数「3」については、乱数値SR3の乱数値範囲を割り当てないことで、Sリーチハズレとなる場合に特定パネルの表示数「3」が決定されないようになっている。つまり、表示数「3」については、スーパーリーチ大当りのときのみに決定されるので、特定パネルの表示数「3」の予告演出が実施された場合には、必ず「大当り」となることから、該特定パネルの表示数「3」の信頼度は最も高い「100%=1」である。
【0291】
また、この実施の形態では、P15>P16>P17となるとともに、P12≒P16、P15>P11、P13>P17となる「Y4」、「Y5」が設定されており、スーパーリーチハズレとなる場合には、特定パネルの表示数「0」の予告演出が決定され易く、特定パネルの表示数「2」の予告演出が決定され難くなっている。尚、P12≒P16であることで、表示数「1」の予告演出が決定される割合は、スーパーリーチ大当りの場合とスーパーリーチハズレの場合とでほぼ同一とされているとともに、P15>P11並びにP13>P17であることで、スーパーリーチ大当りにおいて表示数「2」や表示数「0」が決定される傾向と、スーパーリーチハズレにおいて表示数「2」や表示数「0」が決定される傾向とが逆転するようになっている。
【0292】
これらスーパーリーチハズレとなる場合において各特定パネルの表示数による予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図25(b)に示すように、表示数「0」については「QSH×P0×P15」であり、表示数「1」については「QSH×P0×P16」であり、表示数「2」については「QSH×P0×P17」であり、表示数「3」については上述したように「100%=1」である。
【0293】
これら予告演出において表示される特定パネルの各表示数の信頼度(SP)は、各表示数の出現確率の総和(ハズレとときと大当りのときの出現率の合計)に占める当該表示数が大当りとなるときに出現する出現率であるから、表示数「0」の信頼度「Sp0」と、表示数「1」の信頼度「Sp1」と、表示数「2」の信頼度「Sp2」と、表示数「3」の信頼度「Sp3」とを、図23に示すように、上記したスーパーリーチ大当りとなる場合における各表示数の予告演出の出現率とスーパーリーチハズレとなる場合における各表示数の予告演出の出現率とに基づいて算出することができ、この実施の形態においては、「SP3」>「SP2」>「SP1」>「SP0」となるように「Y1」〜「Y5」が設定されている。つまり、この実施の形態においては、特定パネルの表示数が多い予告演出の方が特定パネルの表示数が少ない予告演出よりも大当りとなる信頼度が高くなるように設定されており、特定パネルの表示数が多い予告演出が実施されることで、大当りなる可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
【0294】
図26は、演出制御基板12におけるROM121に記憶されている表示位置決定用テーブルを示す図である。この表示位置決定用テーブルは、表示位置決定用の乱数値SR4に基づいて表示位置を特別位置とするか否かを決定するために使用されるテーブルである。
【0295】
表示位置決定用テーブルには、スーパーリーチ大当りの変動パターンであるときに使用される図26(a)の表示位置決定用テーブル(Sリーチ当り)と、スーパーリーチハズレの変動パターンであるときに使用される図26(b)の表示位置決定用テーブル(Sリーチハズレ)とが設けられている。
【0296】
表示位置決定用テーブル(Sリーチ当り)には、表示位置の種別である「特別位置以外」と「特別位置」のそれぞれに、乱数値SR4の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P21」、「P22」となるように、表示位置決定用の乱数値SR4の乱数値範囲として「1〜Z1」と、「Z1+1〜100」が設定されている。
【0297】
尚、この実施の形態では、P22>P21となるZ1が設定されており、スーパーリーチ大当りとなる場合には、「特別位置」による予告演出が、「特別位置以外」による予告演出よりも高い割合にて実行される。
【0298】
これらスーパーリーチ大当りとなる場合において、「特別位置以外」に該スーパーリーチの種別と停止演出図柄の組合せパターンが表示される予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図26(a)に示すように、「QSA×P0×P21」であり、「特別位置」に該スーパーリーチの種別と停止演出図柄の組合せパターンが表示される予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図26(a)に示すように、「QSA×P0×P22」である。
【0299】
また、表示位置決定用テーブル(Sリーチハズレ)には、表示位置の種別である「特別位置以外」と「特別位置」のそれぞれに、乱数値SR4の乱数値範囲数である「100」に占める判定値数に基づく決定割合が、それぞれ「P23」、「P24」となるように、表示位置決定用の乱数値SR4の乱数値範囲として「1〜Z2」と、「Z2+1〜100」が設定されている。
【0300】
尚、この実施の形態では、P23>P24となるとともに、P23≒P22、P24≒P21となるZ2が設定されており、スーパーリーチハズレとなる場合には、「特別位置以外」による予告演出が、「特別位置」による予告演出よりも高い割合にて実行される。
【0301】
これらスーパーリーチハズレとなる場合において、「特別位置以外」に該スーパーリーチの種別と停止演出図柄の組合せパターンが表示される予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図26(b)に示すように、「QSH×P0×P23」であり、「特別位置」に該スーパーリーチの種別と停止演出図柄の組合せパターンが表示される予告演出が出現する出現率(出現確率)は、図24(b)に示すように、「QSH×P0×P24」である。
【0302】
これら予告演出において、該予告演出後に移行する組合せパターンの表示位置の信頼度(SH)は、各表示位置の出現確率の総和(ハズレとときと大当りのときの出現率の合計)に占める当該表示位置の大当りとなるときの出現率であるから、「特別位置」の信頼度「SH1」と、「特別位置以外」の信頼度「SH2」とを、図26に示すように、上記したスーパーリーチ大当りとなる場合における各表示位置の出現率とスーパーリーチハズレとなる場合における各表示位置の出現率とに基づいて算出することができ、この実施の形態においては、「SH1」>「SH2」となるように「Z1」と「Z2」とが設定されている。つまり、この実施の形態においては、「特別位置」の予告演出の方が「特別位置以外」の予告演出よりも大当りとなる信頼度が高くなるように設定されており、予告演出後に「特別位置」に表示された組合せパターンのスーパーリーチに移行することで、大当りなる可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
【0303】
図27は、コマンド解析処理として、図22のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
【0304】
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
【0305】
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
【0306】
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
【0307】
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
【0308】
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
【0309】
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
【0310】
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、ステップS515に進んで、変動開始コマンド第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。このとき、演出制御用CPU120は、変動開始コマンドを受信したと判定すれば(ステップS515;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた変動開始コマンド受信フラグをオン状態にセットした後に(ステップS516)、ステップS501に移行する。
【0311】
ステップS515にて変動開始コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS515;No)、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS519)。このとき、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したと判定すると(ステップS519;Yes)、変動パターン指定コマンドからEXTデータを抽出した後に、抽出されたEXTデータを変動パターン変数に保存した後に(ステップS520)、ステップS501に移行する。
【0312】
ステップS515にて変動パターン指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS519;No)、主基板11から中継基板15を介して受信した他のコマンドに応じた設定を行ってから(ステップS521)、ステップS501に移行し、受信コマンドが無ければコマンド解析処理を終了する。
【0313】
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR4などを示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
【0314】
具体的な一例として、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過しているか否かを判定する。このとき、これらの待ち時間が経過していなければ、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信コマンドを格納する。一方、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときに、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過していれば、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、あるいは、正常な受信期間内に受信できなかったとして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信コマンドを格納すればよく、この場合には、該バッファ番号に対応する未判定情報を「1」に更新する。
【0315】
尚、本実施の形態では、1の始動入賞に応じて送信される一連の始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの受信が正常に受信できなかったことを判定するために、最初に送信される始動口入賞指定コマンドの受信に応じて保留記憶数通知待ち時間をセットして、該セットされた時間内に図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの受信がなかったときに始動入賞時のコマンドの受信が正常に受信できなかったと判定して未判定情報を「1」に更新するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、これら送信されるコマンドの順番を確認することで、コマンドの受信が正常に受信できなかったか否かを判定するようにしても良い。
【0316】
図28は、演出制御プロセス処理として、図22のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS160)。
【0317】
図28に示すステップS160にて保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0318】
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
【0319】
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
【0320】
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0321】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0322】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
【0323】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0324】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
【0325】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0326】
図29は、変動表示開始設定処理として、図28のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す変動表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、最終停止図柄決定処理(ステップS541)、予告演出設定処理(ステップS542)を実施した後、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS546)。そして、画像表示装置5における演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS547)。このときには、例えば図27のステップ520で設定された変動パターン変数の値に対応した変動パターンに対応した図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を変動表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS548)、変動表示開始設定処理を終了する。
【0327】
図30は、図29におけるステップS541にて実施される最終停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す最終停止図柄決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS751)。
【0328】
ステップS751にて特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(YES)、例えば変動パターン変数に保存されたEXTデータ(つまり、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータ)を読み取ることなどにより、指定された変動パターンが演出図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS752)。
【0329】
ステップS752にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(YES)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定してから(ステップS753)、最終停止図柄決定処理を終了する。一例として、ステップS753の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。
【0330】
前記ステップS751にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(NO)、更に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS760)。そして、「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS760;YES)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS761)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−5のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定演出図柄の組合せを決定すればよい。
【0331】
ステップS760にて「突確」または「小当り」以外の「非確変大当り」または「確大当り」であると判定されたときには(ステップS760;NO)、図40(a)に示す大当り用のリーチ図柄決定テーブルで設定されている決定率に従って、リーチ図柄を決定する(ステップS764)。このテーブルでは、リーチ図柄として、「7」図柄が40%,「3」図柄が30%,「5」「6」「8」「9」図柄が20%,「1」「2」「4」図柄が10%の割合で決定されるように設定されている。即ち「7」図柄のリーチは、他の図柄のリーチよりも大当りの発生割合が高く「激熱図柄」であり、また「3」図柄のリーチは、「1」「2」「4」「5」「6「「8」「9」図柄のリーチよりも大当りの発生割合が高い「チャンス図柄」である。
【0332】
前記ステップS752にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(NO)、図40(b)に示すハズレ用のリーチ図柄決定テーブルで設定されている決定率に従って、リーチ図柄を決定する(ステップS755)。このテーブルでは、リーチ図柄として、「7」図柄が10%,「3」図柄が20%,「5」「6」「8」「9」図柄が30%,「1」「2」「4」図柄が40%の割合で決定されるように設定されている。
【0333】
前記ステップS755又はステップS764でリーチ図柄を決定したら、図41に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルで設定されている実行割合に従って、図43に示す特別演出A(リーチ図柄を含むトリプルリーチへの変化)を実行するか否かを決定し(ステップS766)、特別演出Aを実行すると決定したならば(YES)、図42に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルに従って、トリプルリーチの図柄と最終停止図柄を決定し(ステップS767)、特別演出実行フラグをONにして(ステップS770)、最終停止図柄決定処理を終了する。
【0334】
この特別演出実行フラグがONされることにより、後述する図34に示すS573の特別演出処理で、図43に示す特別演出Aが実行される。例えば当初リーチ図柄が「6」の場合には(B)、大当りならば50%の割合で「6」「7」「8」のトリプルリーチ(即ち激熱図柄の「7」を含むトリプルリーチ)に変化して、いずれかのリーチ図柄が中図柄に停止して大当りとなる。なお激熱図柄の「7」を含むトリプルリーチに変化しても、該「7」で大当りになるとは限らない。一方、ハズレならば20%の割合で「4」「5」「6」のトリプルリーチ(即ち激熱図柄の「7」を含まないトリプルリーチ)に変化して、該リーチ図柄以外が中図柄に停止してハズレとなる。
【0335】
これによれば、大当りに制御される割合がリーチ図柄によって異なる遊技機において(図40)、該リーチ図柄の数を増加させる特別演出を実行する際に、増加させる図柄に対してもリーチ状態となった際の大当り信頼度を担保できるので、遊技者が混乱するおそれを低減できる。
【0336】
また、ステップS766で特別演出Aを実行しないと決定したならば(NO)、図41に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルで設定されている実行割合に従って、図44に示す特別演出B(リーチ図柄を含まないトリプルリーチへの変化)を実行するか否かを決定し(ステップS768)、特別演出Bを実行すると決定したならば(YES)、図42に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルに従って、トリプルリーチの図柄と最終停止図柄を決定し(ステップS769)、特別演出実行フラグをONにして(ステップS770)、最終停止図柄決定処理を終了する。
【0337】
この特別演出実行フラグがONされることにより、後述する図34に示すS573の特別演出処理で、図44に示す特別演出Bが実行される。例えば当初リーチ図柄が「6」の場合には(B)、「3」「4」「5」のトリプルリーチに変化して、大当りならばいずれかのリーチ図柄が中図柄に停止して大当りとなる一方、ハズレならばリーチ図柄及び当初リーチ図柄以外(本例では「7」)が中図柄に停止してハズレとなる。
【0338】
これによれば、大当りに制御される割合がリーチ図柄によって異なる遊技機において(図40)、該リーチ図柄の数を増加させる特別演出を実行する際に、増加させる図柄に対してもリーチ状態となった際の大当り信頼度を担保できるので、遊技者が混乱するおそれを低減できる。
【0339】
また、ステップS766で特別演出Aを実行しないと決定したならば(NO)、図41に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルで設定されている実行割合に従って、図44に示す特別演出B(リーチ図柄を含まないトリプルリーチへの変化)を実行するか否かを決定し(ステップS768)、特別演出Bを実行すると決定したならば(YES)、図42に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルに従って、トリプルリーチの図柄と最終停止図柄を決定し(ステップS769)、特別演出実行フラグをONにして(ステップS770)、最終停止図柄決定処理を終了する。
【0340】
この特別演出実行フラグがONされることにより、後述する図34に示すS573の特別演出処理で、図44に示す特別演出Bが実行される。例えば当初リーチ図柄が「6」の場合には(B)、「3」「4」「5」のトリプルリーチに変化して、大当りならばいずれかのリーチ図柄が中図柄に停止して大当りとなる一方、ハズレならばリーチ図柄及び当初リーチ図柄以外(本例では「7」)が中図柄に停止してハズレとなる。
【0341】
このようにするために、ステップS769では、ハズレの場合において、特別演出Bを実行した後に最終停止する中図柄が消去した当初リーチ図柄以外となるような禁則処理を行う。これによれば、特別数(ここでは3)の図柄を増加させると共に当初リーチ図柄を消去する特別演出Bを実行した場合には、最終停止する中図柄が前記消去した当初リーチ図柄以外となるような禁則処理を実行するので、大当りにならなくても、該特別演出Bが実行されたことによって大当りに制御されなかったという残念感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
【0342】
図31は、図29におけるステップS542にて実施される予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、擬似連の可変表示演出を実行するか否かに関わらず、変動パターンが予告演出の対象となるスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップS900)。
【0343】
スーパーリーチの変動パターンでない場合(ステップS900でNO)には、当該処理を終了する一方、スーパーリーチの変動パターンである場合(ステップS900でYES)には、予告演出実行決定用の乱数値SR1を抽出し(ステップS901)、該抽出した乱数値SR1が奇数であるか否かを判定する(ステップS902)。
【0344】
抽出した乱数値SR1が奇数でない場合には、予告演出の実行を決定することなく当該処理を終了する一方、抽出した乱数値SR1が奇数である場合には、ステップS903に進んで、表示結果が特定表示結果である「大当り」とすることが決定されているか否か、つまり、当該変動表示における変動パターンがスーパーリーチ大当りの変動パターンであるか否かを判定する。
【0345】
スーパーリーチ大当りの変動パターンである場合には、ステップS904に進み、パネルの種別決定用の乱数値SR2を抽出して、図24(a)に示すパネル種別決定テーブル(Sリーチ当り)を用いて該抽出した乱数値SR2に該当する判定値に対応するパネル種別を、該予告演出にて使用するパネル種別として決定する。
【0346】
そして、ステップS905に進み、特定パネルの表示数決定用の乱数値SR3を抽出して、図25(a)に示す特定パネル表示数決定テーブル(Sリーチ当り)を用いて該抽出した乱数値SR3に該当する判定値に対応する表示数を、該予告演出における特定パネルの表示数として決定する。
【0347】
次に、ステップS906に進み、表示位置決定用の乱数値SR4を抽出して、図26(a)に示す表示位置決定テーブル(Sリーチ当り)を用いて該抽出した乱数値SR4に該当する判定値に対応する表示位置を、当該変動において実施されるスーパーリーチの種別(A〜D)と、ステップS551の最終停止図柄決定処理にて決定した最終停止図柄と、の組合せパターン(移行組合せパターンという)を表示する表示位置として決定する。
【0348】
一方、スーパーリーチ大当りの変動パターンではない場合、つまり、変動パターンがスーパーリーチハズレの変動パターンである場合には、ステップS910に進み、パネルの種別決定用の乱数値SR2を抽出して、図24(b)に示すパネル種別決定テーブル(Sリーチハズレ)を用いて該抽出した乱数値SR2に該当する判定値に対応するパネル種別を、該予告演出にて使用するパネル種別として決定する。
【0349】
そして、ステップS911に進み、特定パネルの表示数決定用の乱数値SR3を抽出して、図25(b)に示す特定パネル表示数決定テーブル(Sリーチハズレ)を用いて該抽出した乱数値SR3に該当する判定値に対応する表示数を、該予告演出における特定パネルの表示数として決定する。
【0350】
次に、ステップS912に進み、表示位置決定用の乱数値SR4を抽出して、図26(b)に示す表示位置決定テーブル(Sリーチハズレ)を用いて該抽出した乱数値SR4に該当する判定値に対応する表示位置を、当該変動において実施されるスーパーリーチの種別(A〜D)と、ステップS551の最終停止図柄決定処理にて決定した最終停止図柄と、の組合せパターン(移行組合せパターンという)を表示する表示位置として決定する。
【0351】
ステップS906の処理またはステップS912の処理を実施した後、ステップS907に進んで、移行組合せパターンとともに予告演出にて表示する組合せパターン(非移行組合せパターンという)を決定する。
【0352】
これら非移行組合せパターンとしては、ステップS905またはステップS911にて決定した特定パネルの表示数に基づいて特定される未決定の組合せパターン表示数を特定し、該特定した未決定表示数の組合せパターンを、ROM121に記憶されている図45に示す非移行組合せパターン決定用テーブルに基づいて決定する。
【0353】
本実施の形態の非移行組合せパターン決定用テーブルには、図45に示すように、一次元方向に、スーパーリーチA〜Dに対応するSR5の乱数値である「1」〜「4」が配列されるとともに、二次元方向に演出図柄「1」〜「9」に対応するSR6の乱数値である「1」〜「9」が配列されたマトリックステーブルとされていて、同一のSR5とSR6を抽出しないように、特定した未決定表示数に応じた回数分のSR5とSR6を抽出し、該抽出したSR5とSR6とに基づいて、未決定表示数分の非移行組合せパターンを決定する。
【0354】
尚、抽出したSR5とSR6とに基づいて決定した非移行組合せパターンが、移行組合せパターンや特定パネルの組合せパターンと同一である場合には、該決定を無効として、移行組合せパターンや特定パネルの組合せパターンと同一ではない組合せパターンを決定するまでやり直す。
【0355】
これら非移行組合せパターンが決定される流れとしては、例えば、ステップS906またはステップS912にて抽出したSR4を未決定の組合せパターン表示数、例えば、未決定の組合せパターン表示数が「2」であればSR4を「2」で除して、横分割パネルであって余りがない場合には、未決定の表示位置の上方側から配列し、余りがある場合には未決定の表示位置の下方側から配列し、縦分割パネルであって余りがない場合には、未決定の表示位置の向かって左側から配列し、余りがある場合には未決定の表示位置の向かって右側から配列して表示位置を決定していくようにすれば良い。
【0356】
そして、ステップS908に進み、予告演出の実行を決定したことを示す予告演出決定フラグをセットするとともに、ステップS904〜S906またはステップS910〜S912とステップS907において決定した予告演出の内容に合致した予告演出制御パターンや該予告演出を開始するための予告演出開始待ちタイマ等をセット(設定)する。ステップS908の処理を実行した後は、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを煽る再変動煽り演出を開始するためのタイマ等をセットする。具体的には、図32に示す再変動煽り演出決定テーブルを参照し、変動カテゴリに応じて、図示する決定割合にしたがって、再変動煽り演出の演出態様を決定する。再変動煽り演出は、演出図柄の可変表示が開始されてから全部または一部の演出図柄が一旦仮停止した後、演出表示装置5に決定した演出態様の図柄等を表示することで、「擬似連」の可変表示が実行されるか否かを煽る演出である。再変動煽り演出の演出態様は、例えば、図32に示すように、遊技者にプッシュボタン31Bを押下することを促す「ボタン演出」と、遊技者に、「擬似連」の可変表示が行われることを示す「メッセージ表示演出」と、キャラクタなどを表示する「画像表示演出」とが予め用意されている。なお、図示するように、「メッセージ表示演出」は、「擬似連」の可変表示演出が実行されることを示す演出であることから、変動カテゴリが「スーパーリーチ(擬似連なし)」である場合には、割り当てられていない。これにより、図37(E)や図38(E)に示すような(図37(E)および図38(E)に示す例は、「ボタン演出」の再変動煽り演出)、再変動煽り演出が実行されることとなる。これによれば、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かに関わらず、再変動煽り演出が実行されるため、遊技者は「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを、再変動煽り演出が実行されることによっては認識することができず、「擬似連」の可変表示演出が実行されることが事前に認識されることによる遊技興趣の低下を防止することができる。なお、再変動煽り演出は、変動カテゴリが「スーパーリーチ」のリーチ演出を含むものに限られず、「ノーマルリーチ」のリーチ演出の変動カテゴリの場合にも実行されてもよい。これによれば、リーチ演出が実行される場合には、再変動煽り演出が実行されるため、演出が多様化し、遊技興趣を向上させることができる。
【0357】
尚、本実施の形態においては、上記したように、図45に示す非移行組合せパターン決定用テーブルを用いて非移行組合せパターンを乱数によって任意に決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動表示結果がハズレの表示結果となる場合には、非確変に対応する偶数の演出図柄を含む組合せパターンが高い割合で決定されるとともに、確変に対応する奇数の演出図柄を含む組合せパターンが低い割合で決定されるようにしても良く、逆に、変動表示結果が大当りの表示結果となる場合には、非確変に対応する偶数の演出図柄を含む組合せパターンが低い割合で決定されるとともに、確変に対応する奇数の演出図柄を含む組合せパターンが高い割合で決定されるようにしても良い。
【0358】
また、例えば、変動表示結果が非確変の表示結果となる場合には、非確変に対応する偶数の演出図柄を含む組合せパターンが高い割合で決定されるとともに、確変に対応する奇数の演出図柄を含む組合せパターンが低い割合で決定されるようにしても良く、逆に、変動表示結果が確変大当りの表示結果となる場合には、非確変に対応する偶数の演出図柄を含む組合せパターンが低い割合で決定されるとともに、確変に対応する奇数の演出図柄を含む組合せパターンが高い割合で決定されるようにしても良い。
【0359】
また、本実施の形態では、非移行組合せパターンとして、移行組合せパターンと同一の組合せパターンを決定しないようにしていが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、最終的に大当りとなるときには、最終的に大当りとならないときに比較して高い割合にて移行組合せパターンと同一の組合せパターンを決定するようにしても良いし、同様に、最終的に大当りとなるときには、最終的に大当りとならないときに比較して移行組合せパターン以外の非移行組合せパターンの数が一定数以上(例えば3以上)とならないように決定するようにしても良い。
【0360】
また、本実施の形態では、スーパーリーチが決定されている場合に行われる演出なので、組合せパターンをスーパーリーチとの組合せとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ノーマルリーチや非リーチが決定されている場合に行うのであれば、これら組合せとしては、ノーマルリーチとの組合せや非リーチとの組合せを含むものであっても良く、この場合にあっては、最終的にハズレとなる場合には、ノーマルリーチや非リーチとの組合せが多く決定されるとともにスーパーリーチとの組合せが少なく決定される一方、最終的に大当りとなる場合には、ノーマルリーチや非リーチとの組合せが少なく決定されるとともにスーパーリーチとの組合せが多く決定されるようにしても良い。
【0361】
図33は、変動表示中演出処理として、図28のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマ値を更新し(ステップS551)、この更新した演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致しているか否かを判定する(ステップS552)。更新した演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致していない場合には(ステップS552;No)、変動表示中演出処理を終了し、更新した演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致している場合には(ステップS552;Yes)、図15(A)に示す演出制御パターンから、演出制御プロセスタイマ値と合致した演出制御プロセスタイマ判定値に対応する表示制御データを含む演出制御実行データまたは終了コードを読み出し(ステップS553)、ステップS553において終了コードが読み出されたか否かを判定する(ステップS554)。
【0362】
ステップS553において終了コードが読み出されていない場合には(ステップS554;No)、ステップS555に進んで、演出制御実行データに含まれる表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データに基づいて、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して送出するための設定、音声制御データが指定する音番号データに応じた効果音信号を音声制御基板13に対して送出するための設定、ランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して送出するための設定、操作検出制御データに基づいて、遊技者のスティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bに対する所定の指示操作(例えば押下操作など)を有効に検出して、検出結果に応じて演出動作を切換可能とするための設定を行う演出制御指令処理を実行して変動表示中演出処理を終了する。
【0363】
ステップS553において終了コードが読み出されている場合には(ステップS554;Yes)、ステップS556に進み、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に当り開始指定コマンド受信待ち時間を設定する。その後、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS5570)、変動表示中演出処理を終了する。
【0364】
図34は、図33のステップS555にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動中フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS561)。このとき、演出制御用CPU120は、変動中フラグがセットされていないと判別すると(ステップS561;NO)、演出図柄の変動表示を開始させる(ステップS562)。次に、演出制御用CPU120は、変動中フラグをセットした後に(ステップS563)、演出制御指令処理を終了する。
【0365】
一方、ステップS561において変動中フラグがセットされていると判別すると(ステップS561;YES)、演出制御プロセスタイマ値が、リーチ状態タイミング値であるか否かを判別する(ステップS5643)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値であると判別すると(ステップS564;YES)、「左」の演出図柄表示エリア5Lにおいて図30のステップS769で決定された第1左仮停止図柄で演出図柄を仮停止させた後に、「右」の演出図柄表示エリア5RにおいてステップS769で決定された第1右仮停止図柄で演出図柄を仮停止させることでリーチ状態とする(ステップS565)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
【0366】
演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値でないと判別すると(ステップS564;NO)、ステップS570に進んで、予告演出が設定されているか否か(予告演出決定フラグがセットされているか否か)を判別する(ステップS570)。
【0367】
そして、予告演出が設定されている場合には、ステップS571に進んで図32に示す予告演出処理を実行した後、ステップS572に進む一方、予告演出が設定されていない場合には、予告演出処理を経由せずにステップS572に進む。
【0368】
ステップS572においては、特別演出が設定されているか否かを判定し、特別演出が設定されている場合にはステップS573の特別演出処理を実行してステップS574に進み、特別演出が設定されていない場合には、特別演出処理を経由せずにステップS574に進む。
【0369】
ステップS574においては、再変動煽り演出が設定されているか否かを判定し、再変動煽り演出が設定されている場合にはステップS575の再変動煽り演出処理を実行してステップS576に進み、再変動煽り演出が設定されていない場合には、再変動煽り演出処理を経由せずにステップS576に進む。
【0370】
ステップS576においては、リーチ演出の開始タイミングであるか否かを判別する(ステップS576)。リーチ演出の開始タイミングは、リーチ変動パターンに対応した最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、これらの最終制御パターンに従って最終変動表示動作を実行することで、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L及び5Rの双方において同じ最終停止図柄を確定停止させることでリーチ状態とし、リーチ演出が開始される(ステップS577)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
【0371】
演出制御用CPU120は、ステップS576においてリーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS576;NO)、リーチ演出の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS578)。リーチ演出の終了タイミングは、最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、最終制御パターンに従って最終変動表示動作を実行することで、リーチ演出を終了させる(ステップS579)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
【0372】
演出制御用CPU120は、 ステップS578において、リーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS578;NO)、演出制御プロセスタイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であるか否かを判別する(ステップS580)。このとき、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値でないと判別すると(ステップS580;NO)、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であると判別すると(ステップS580;YES)、ステップS753、ステップS767、ステップS769、ステップS7771のいずれかで決定された最終停止図柄で完全停止させる(ステップS581)。その後、演出制御用CPU120は、変動中フラグをリセットしてから(ステップS582)、演出制御指令処理の実行を終了する。
【0373】
図35は、ステップS571にて実施される予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出が開始されている場合には(ステップS801でYes)、ステップS830に移行する。予告演出が開始されているか否かは、予告演出の開始時にセットされる予告実行中フラグによって確認できる。
【0374】
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS802)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図31におけるステップS908参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS803;NO)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告演出決定フラグをリセットして(ステップS804)、ステップS811に移行する。
【0375】
ステップS811では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、ステップS907にて設定された予告演出制御パターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS813)。
【0376】
次いで、演出制御用CPU120は、記憶されている予告演出の種別に対応する予告演出演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(ステップS815)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS817)。
【0377】
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出表示装置5や、各種ランプおよびスピーカ8L、8Rの制御を開始する(ステップS818)。
【0378】
また、予告演出が開始された後においては、ステップS801にて「YES」と判定されてステップS830に進む。このステップS830において演出制御用CPU120は、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS831でYES)、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS832)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS833)。
【0379】
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS835)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS836)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS837)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS838)。
【0380】
また、予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS836〜ステップS838を経由することなく処理を終了する。
【0381】
図36は、図34のステップS573にて実行される特別演出処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まずステップS601で、特別演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで特別演出実行中フラグは、後述するステップS606で特別演出の実行が開始されるとセットされるフラグである。このステップS601で特別演出実行中フラグがセットされている状態である(YES)と判定した場合には、ステップS602で、特別演出の終了タイミングであるか否かを判定する。このステップS602で特別演出の終了タイミングである(YES)と判定した場合には、ステップS603で、特別演出実行中フラグをリセットして、特別演出処理を終了する。
【0382】
一方、ステップS601で特別演出実行中フラグがセットされていない(NO)と判定した場合には、ステップS604で、特別演出実行フラグがセットされているか否かを判定する。ここで特別演出実行フラグは、特別演出を実行すると決定した際に、前述した図30のステップS770でセットされるフラグである。このステップS604で特別演出実行フラグがセットされていない(NO)と判定した場合には、特別演出処理を終了する。一方、ステップS604で特別演出実行フラグがセットされている(YES)と判定した場合には、ステップS605で、特別演出の実行タイミングであるか否かを判定する。ここで特別演出の実行タイミングは、変化前演出図柄でリーチ状態となってから所定期間経過後の、予め定められた任意のタイミングである。このステップS605で特別演出の実行タイミングでない(NO)と判定した場合には、特別演出処理を終了する。
【0383】
一方、ステップS605で特別演出の実行タイミングである(YES)と判定した場合には、ステップS606で、特別演出の実行を開始して、変化前演出図柄を変化後演出図柄に変化させ、ステップS607で、特別演出実行フラグをリセットし、ステップS608で、特別演出実行中フラグをセットして、特別演出処理を終了する。
【0384】
ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機1において実行される予告演出の態様について、図37図39を参照して説明する。まず、図37(A)及び図38(A)には、演出表示装置5の表示画面において、スーパーリーチの変動表示が開始される前の変動表示が終了した状態を示す。
【0385】
そして、図37(B)及び図38(B)に示すように、スーパーリーチとなる変動表示が開始される。尚、この際、変動表示の実行に1の保留記憶が消費されるので、第1保留記憶数表示エリア5Dの保留表示が1つ減少する。
【0386】
変動表示が開始されてからリーチ状態となる前の変動中において、予告演出の開始タイミングとなった時点で、スーパーリーチの種別(A〜D)と最終停止図柄「1」〜「9」との組合せパターンを5つ含むパネルが表示される予告演出が実行される。尚、該予告演出中においては、演出表示装置5の表示画面の下方隅部において、演出図柄の変動表示が縮小表示される。
【0387】
この実施の形態においては、図37(C1)及び図38(C1)に示すように、個々の組合せパターンが横方向の短冊状表示部に横組みに表示され、各短冊が縦方向に積み上げられた横分割パネルによる表示態様と、図37(C2)及び図38(C2)に示すように、個々の組合せパターンが縦方向の短冊状表示部に縦組みに表示され、各短冊が横方向に並べられた縦分割パネルによる表示態様にて表示される。
【0388】
尚、この実施の形態では、表示パネルとして「横分割パネル」と「縦分割パネル」の2種類のパネルを使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示パネルとして、各短冊が例えば、放射状に配置されたものや短冊の色や形状が異なる3種類以上の表示パネルを使用するようにしても良い。
【0389】
また、この実施の形態では、各パネルにおいて表示される組合せパターンの数を5つと一定とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示される組合せパターンの数が、5より少ない例えば2つのものや、5よりも多い例えば7つのものであっても良い。
【0390】
尚、図37(C1)や図37(C2)、図38(C1)や図38(C2)においては、説明上、スーパーリーチの種別を「SリーチA」や「SリーチC」と表示しているが、実際には、これら「SリーチA」や「SリーチC」の表示に代えて、各種別のスーパーリーチにおいて登場するキャラクタや背景の画像が表示されることで、どの種別のスーパーリーチであるかを、遊技者は視覚的に把握できるようになっている。
【0391】
これら「横分割パネル」と「縦分割パネル」のいずれの種類のパネルが使用されるかは、前述したように、ステップS542の予告演出設定処理において、図24のパネル種別決定用テーブルとパネル種別決定用の乱数値SR2に基づいて、スーパーリーチ大当りとなる場合には、「縦分割パネル」の方が「横分割パネル」よりも出現する確率が高くなるように決定されることで、表示パネルについての信頼度としては、「縦分割パネル」の方が「横分割パネル」よりも高くなるように設定されている。
【0392】
これら各パネルには、図39に示すように、「スーパーリーチD」と演出図柄「7」の組合せから成る特定パネルが「0」〜「3」の表示数の範囲で表示される。
【0393】
つまり、この実施の形態では、前述したように、スーパーリーチの種類の中でスーパーリーチDが最も信頼度が高いとともに、最終停止図柄として演出図柄「7」が最も信頼度が高いことから、最も信頼度が高くなる組合せである「スーパーリーチD」と「7」の組合せを特定組合せである特定パネルに設定し、該特定パネルを表示する表示数によって大当りとなる可能性が示唆される。
【0394】
つまり、いずれの表示数にて特定パネルが表示されるかは、前述したように、ステップS542の予告演出設定処理において、図25の特定パネル表示数決定用テーブルと特定パネル表示数決定用の乱数値SR3に基づいて、大当りとなる場合にのみ表示数「3」が決定され、表示数「2」の方が表示数「1」よりも信頼度が高く、表示数「1」の方が表示数「0」よりも信頼度が高くなるように決定されることで、図39に示すように、特定パネルの表示数が多いと大当りとなる期待度が高くなるように設定されている。
【0395】
また、「横分割パネル」と「縦分割パネル」のいずれにも、特別表示位置が設定されている。具体的には、「横分割パネル」の場合には、図37(C1)や図38(C1)に示すように、最上段の短冊表示部が特別表示位置に設定されているともに、「縦分割パネル」の場合には、図37(C2)や図38(C2)に示すように、中央位置の短冊表示部が特別表示位置に設定されている。
【0396】
これら特別表示位置に表示された組合せパターンによるリーチが発生する場合、つまり、移行組合せパターンが特別表示位置に表示される場合は、特別表示位置に表示された組合せパターンによるリーチが発生しない場合、つまり、非移行組合せパターンが特別表示位置に表示される場合よりも大当りとなる信頼度が高くなるように設定されている。
【0397】
すなわち、ステップS542の予告演出設定処理において、図26の表示位置決定用テーブルと表示位置決定用の乱数値SR4に基づいて、スーパーリーチ大当りとなる場合には「特別表示位置」が決定され易いとともに「特別表示位置以外」が決定され難く、スーパーリーチハズレとなる場合には「特別表示位置」が決定されて難いとともに「特別表示位置以外」が決定され易いことで、表示位置についての信頼度としては、「特別表示位置」に移行組合せパターンが表示された場合の方が、「特別表示位置」に非移行組合せパターンが表示された場合よりも高くなるように設定されている。
【0398】
具体的には、図37(C1)並びに図37(C2)、図38(C1)並びに図38(C2)に示す例のように、特別表示位置に「SリーチA」と「7」の組合せパターンが予告演出にて表示されたときに、該予告演出の終了後に、演出図柄「7」によるリーチ状態となってスーパーリーチAに移行した場合には、例えば、演出図柄「7」とは異なる演出図柄によるリーチ状態となってスーパーリーチに移行した場合と比較して、大当りとなる信頼度が高くなるように設定されている。尚、演出図柄もスーパーリーチの種別も異なる場合に関わらず、特別表示位置に表示された組合せパターンとスーパーリーチの種別または演出図柄の一方のみが異なる場合も同様に、信頼度は低くなる。
【0399】
そして、図37(C1)並びに図37(C2)、図38(C1)並びに図38(C2)に示す予告演出が実行された後は、図37(D)や図38(D)に示すように、一旦リーチ状態となり、図37(E)や図38(E)に示すように、再変動煽り演出が実行される。図37(E)や図38(E)に示す例では、再変動煽り演出として「ボタン演出」が実行される例を示しており、遊技者がプッシュボタン31Bを押下することで、図37(F)に示すように、「擬似連」の可変表示演出が実行されたり、図38(F)に示すように、「擬似連」の可変表示演出が行われず、最終停止図柄を確定停止させることでリーチ状態とし、スーパーリーチのリーチ演出が行われる。なお、図37(F)に示す「擬似連」の可変表示演出が実行された後は、設定されている擬似連の回数に応じて、図37(B)〜図37(F)を繰り返し、最終的に図38(F)に示すように、最終停止図柄を確定停止させることでリーチ状態となり、スーパーリーチのリーチ演出が行われる。なお、図37に示す例では、「擬似連」の可変表示演出の回数に関わらず、演出図柄の変動の度に予告演出が実行される例を示したが、予告演出は、「擬似連」の可変表示演出の最終の再変動時にのみ実行されてもよい。また、「擬似連」の可変表示演出の最終の再変動時にさえ実行されれば、その他の変動時には実行されてもされなくてもよい。
【0400】
このように、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かに関わらず予告演出および再変動煽り演出が実行されることから、「擬似連」の可変表示演出が実行されることを遊技者に事前に認識されることによる遊技興趣の低下を防止することができる。
【0401】
以上、本実施の形態によれば、予告演出において提示される組合せパターンにおけるスーパーリーチの種別のみならず、これらスーパーリーチの種別と演出図柄との組合せパターンや組合せパターンが提示されるパネル種別にも遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0402】
また、本実施の形態によれば、特定の組合せパターンとなるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンである特定パネルの数にも遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0403】
また、本実施の形態によれば、移行組合せパターンが表示される表示位置が、特別位置であるか否かを遊技者に注目させることができ、遊技機の興趣を向上することができる。
【0404】
また、本実施の形態によれば、表示された組合せパターンに含まれるスーパーリーチの種別だけではなく、演出図柄が特定の演出図柄である、例えば「7」であるか否かについても遊技者に注目させることができるようになるので、遊技機の興趣を向上できる。
【0405】
また、本実施の形態によれば、最終的に大当り状態に制御される割合がリーチ状態となる演出図柄によって異なるパチンコ機1において、該リーチ状態の演出図柄の数を増加させる特別演出を実行する際に、増加させる演出図柄に対してもリーチ状態となった際の大当り状態に制御される割合を加味することができるので、遊技者が混乱するおそれを低減できる。
【0406】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0407】
(1)例えば、前記実施の形態では予告演出において、複数の異なる表示態様となる横分割パネルや縦分割パネルにて予告演出を実施することで、大当りとなる可能性を示唆する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記実施の形態において、パネル種別決定用テーブルを用いてパネル種別を決定するステップS904やステップS910の処理を実施しないことで、図42に示すように、表示態様を横分割パネルの1態様のみとして、特定パネルであるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンの表示の有無や表示数によって大当りとなる可能性を示唆するようにしても良い。
【0408】
つまり、図46に示すように、図25に示す特定パネル表示数決定用テーブルに基づいて、最終的に変動表示結果が大当り図柄となる場合には、ハズレとなる場合よりも高い割合で特定パネルであるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンが表示されるようにすれば良い。尚、この場合にあっては、最終的に変動表示結果が大当り図柄となる場合には、ハズレとなる場合よりも特定パネルの表示数が多い予告演出が実施され易くなるようにしても良い。
【0409】
すなわち、上記変形例では、本発明の予告演出実行手段である演出制御用CPU120は、特定の組合せパターンであるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンの表示を含む予告演出を、大当り図柄の表示結果とすることが決定されているときには、ハズレの表示結果とすることが決定されているときとは異なる割合にて実行することになる。
【0410】
尚、特定の組合せパターンは、スーパーリーチDと「7」との組合せパターンに限定されるものではなく、これら特定の組合せパターンは任意に決定することができる。
【0411】
(2)また、前記実施の形態では、予告演出の実施・非実施を演出制御基板12側において決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出は、組合せパターンを表示するための一定時間を必要とする演出であるので、これら一定時間を確保できない変動パターンにおいて予告演出の実施が、演出制御用CPU120側において決定されることがないように、これら予告演出の実施・非実施を主基板11側で決定して、変動パターンコマンドによって予告演出の実施・非実施を演出制御基板12に指示するようにしても良い。
【0412】
(3)また、前記実施の形態では、図40に示すように、いずれのスーパーリーチについても、等しく「7」の演出図柄の信頼度が高くなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スーパーリーチの種類毎に信頼度の高い演出図柄が異なるようにしても良い。例えば、スーパーリーチAでは「1」が最も信頼度が高く、スーパーリーチBでは「3」が最も信頼度が高く、スーパーリーチCでは「5」が最も信頼度が高く、スーパーリーチDでは「7」が最も信頼度が高くなるように、各スーパーリーチの種類に応じて図40に示すリーチ図柄決定テーブルを設定するようにしても良い。
【0413】
(4)また、前記実施の形態では、特別位置の表示対象を移行組合せパターンとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特別位置の表示対象を移行組合せパターンではなく、非移行組合せパターン、例えば、特定パネルの組合せパターンであるスーパーリーチDと「7」との組合せパターンとするようにしても良い。
【0414】
(5)また、前記実施の形態では、移行組合せパターンがスーパーリーチDと「7」との組合せパターンである場合においても、特定パネルの表示数を決定することにより、スーパーリーチDと「7」との組合せパターンが最大4つ表示される予告演出が実施される場合がある形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら移行組合せパターンがスーパーリーチDと「7」との組合せパターンである場合には、特定パネルの表示数の決定を実施しないようにして、スーパーリーチDと「7」との同一の組合せパターンの表示が過度に多くなってしまうことを防止するようにしても良い。
【0415】
(6)また、前記実施の形態では、各パネル毎に特別位置が設定されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スーパーリーチの種別毎や図柄の種別毎に異なる特別位置が設定されものであっても良い。
【0416】
(7)また、前記実施の形態では、予告演出の実行タイミングを、リーチ状態が発生する前の所定タイミングとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出をリーチ状態が発生した後、リーチ演出が実行される前の所定のタイミングにて実行しても良いし、リーチ状態となった後に例えばハズレの状態となる演出が実施された後に、再度、リーチ状態となって再びリーチ演出が実施される場合には、これら再びリーチ状態となる前や、再びリーチ状態となってから再びリーチ演出が実施されるまでの間において予告演出を実施するようにしても良い。また、演出図柄の特定の組合せである、いわゆるチャンス目が表示された後に予告演出を実施するようにしても良い。
【0417】
(8)また、前記実施の形態では、図37(D)〜図37(F)に示すように、一旦リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出が実行される例を示したが、これは一例である。「擬似連」の可変表示演出は、リーチ状態となる前に実行してもよい。具体的には、一旦擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる演出図柄を仮停止表示させ、「擬似連」の可変表示演出の終了後にリーチ状態としてもよい。この場合、リーチ状態となる前に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンと、リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンとをそれぞれ用意しておけばよい。また、予告演出は、最終の変動時(最終の「擬似連」の可変表示演出時)に実行すればよい。なお、「擬似連」の可変表示演出は、リーチ状態となる前となった後の両期間において実行しても(リーチ状態の前後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンを用意しても)よい。
【0418】
(9)また、前記実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを煽る再可変表示演出を実行する例を示したが、これは一例である。例えば、再可変表示演出に加えて、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを、演出図柄の可変表示の開始時に予告する擬似連予告演出を実行してもよい。この場合には、図31に示す予告演出設定処理におけるステップS909の処理を実行した後に、擬似連予告演出の実行有無と演出態様を決定して設定する処理(擬似連予告演出設定処理)を実行すればよい。また、リーチ後に「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、当該擬似連予告演出の実行を制限するようにしてもよい。具体的には、設定されている変動パターンが、リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンであるか否かを判定し、リーチ状態となった後に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンである場合には、擬似連予告演出設定処理を実行しないようにしてもよい。これによれば、リーチ後に「擬似連」の可変表示演出が実行されることの意外性を高めることができる。なお、擬似連予告演出の実行有無は、例えば、RAM122に設けられた擬似連予告演出決定用の乱数値を示す数値データを用いて決定すればよい。また、擬似連予告演出の演出態様は、例えば、キャラクタやメッセージを表示するなど、「擬似連」の可変表示演出が実行される可能性に応じて(擬似連の期待度に応じて)複数の態様が用意されていればよい。複数の演出態様のうち、「擬似連」の可変表示演出が実行されることを示す擬似連予告演出を、「再可変表示確定演出」という。ここで、図31のステップS909にて、再変動煽り演出の演出態様が、「ボタン演出」である場合には、再可変表示演出が実行されないようにしてもよい。具体的には、図31のステップS909において、「ボタン演出」の再変動煽り演出が決定された場合、複数の演出態様のうち、「再可変表示確定演出」を除く演出態様の中から、擬似連予告演出の演出態様を決定するようにすればよい。これによれば、「擬似連」の予告演出が実行されることが事前に遊技者に認識されてしまうことで、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作意欲が低減してしまうことを抑制することができる。
【0419】
(10)上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0420】
(11)その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
【0421】
(12)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0422】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【符号の説明】
【0423】
1 パチンコ遊技機
4A 第1特別図柄表示装置
4B 第2特別図柄表示装置
6A 普通入賞球装置
6B 普通可変入賞球装置
103 CPU
120 演出制御用CPU
151A 第1特図保留記憶部
151B 第2特図保留記憶部
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