(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態による表示入力装置を備えた画像形成装置について、コピージョブや送信(スキャン)ジョブなどの複数種のジョブの実行が可能な画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
【0015】
(画像形成装置の全体構成)
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、操作パネル101、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105、定着部106および後処理部107を備える。なお、操作パネル101は、本発明の「表示入力装置」に相当する。
【0016】
操作パネル101は、たとえば、装置正面側に配置される。この操作パネル101は、
図2に示すように、表示面上にタッチパネル部11が設けられた液晶表示部12(本発明の「表示部」に相当)を含む。タッチパネル部11は、ユーザーがタッチした複数のタッチ位置を同時に検知可能なマルチタッチパネルであり、1点をタッチするタッチ操作である1点タッチ操作だけでなく、2点を略同時にタッチするタッチ操作である2点タッチ操作も受け付ける。
【0017】
液晶表示部12は、たとえば、各種設定をユーザーから受け付けるためのソフトキーやメッセージなどを表示する。そして、液晶表示部12に表示されたソフトキーをユーザーがタッチすると、タッチパネル部11の出力に基づき、ユーザーがタッチしたソフトキー(すなわち、タッチ位置の座標)が検知される。
【0018】
なお、操作パネル101には、数値入力を受け付けるためのテンキー13や各種ジョブの実行指示を受け付けるためのスタートキー14などのハードキーが設けられていてもよい。
【0019】
図1に戻って、原稿搬送部102Aは、画像読取部102Bの装置背面側に設けられた回転軸(図示せず)を支点として開閉可能に取り付けられている。この原稿搬送部102Aは、原稿セットトレイ21にセットされた原稿Dを引き出し、搬送読取用コンタクトガラス20aの上方に送って原稿排出トレイ22に排出する。また、原稿搬送部102Aは、載置読取用コンタクトガラス20bに載置された原稿Dを押える機能も有する。
【0020】
画像読取部102Bは、原稿Dを読み取って画像データを生成する。この画像読取部102Bには、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102Bは、搬送読取用コンタクトガラス20aを通過する原稿Dまたは載置読取用コンタクトガラス20bに載置される原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することによって、画像データを生成する。これにより、画像読取部102Bによる原稿Dの読み取り動作(スキャン)によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる。また、スキャンによって得られた画像データを蓄積することもできる。
【0021】
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを用紙搬送部104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33が設けられている。
【0022】
用紙搬送部104は、装置内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、用紙搬送部104が搬送することによって、画像形成部105および定着部106をこの順番で通過する。この用紙搬送部104には、用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラー対41が設けられている。さらに、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出すレジストローラー対42も設けられている。
【0023】
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。
【0024】
トナー像の形成プロセスおよびトナー像の転写プロセスとしては、まず、感光体ドラム51を回転駆動させ、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52で所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
【0025】
転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接して回転可能となっている。さらに、転写ローラー55には所定の電圧が印加されている。この状態で、レジストローラー対42がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。そして、トナー像の転写プロセスが終わると、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
【0026】
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含む。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。
【0027】
後処理部107は、定着部106から印刷済みの用紙Pを受け取り、仕分け処理、ステープル処理およびパンチ処理などの後処理を行う。そして、後処理部107は、印刷済みの用紙Pに対して後処理を施した後、用紙Pを排出トレイ71に排出する。
【0028】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図3に示すように、画像形成装置100は、主制御部110を備える。主制御部110は、CPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICやメモリーなどからなっており、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROM、RAMおよびHDDなどからなり、たとえば、ジョブの実行に必要なプログラムおよびデータがROMに記憶され、それらプログラムおよびデータがRAMに展開される。
【0029】
この主制御部110には、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105、定着部106および後処理部107が接続される。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶されたプログラムおよびデータに基づき、全体制御、画像処理制御、および、各種モーターの駆動制御などを行う。
【0030】
また、主制御部110には、操作パネル101も接続される。そして、操作パネル101は、主制御部110と接続される表示制御部15(本発明の「検知部」に相当)を含む。表示制御部15は、主制御部110から指示を受け、操作パネル101の表示動作を制御する。たとえば、表示制御部15は、液晶表示部12に表示させたソフトキーがユーザーによってタッチされると、タッチパネル部11の出力に基づきタッチ位置(座標)を検知する。すなわち、表示制御部15は、ユーザーがタッチしたソフトキーを検知する。この表示制御部15には記憶部16が接続され、たとえば、タッチパネル部11の出力とタッチ位置(座標)との対応を示すデータが記憶部16に記憶される。
【0031】
また、主制御部110には、通信部120が接続される。通信部120は、たとえば、外部のコンピューター200(ユーザー端末やサーバーなど)とネットワークを介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができ、スキャンによって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる。さらに、通信部120にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる。
【0032】
(画像データに基づく画像の表示)
操作パネル101は、ユーザーが指定した画像データに基づく画像を表示するプレビュー機能を有する。たとえば、操作パネル101は、ユーザーの指示に従い、スキャンによって得られた画像データに基づく画像や、コンピューター200から送信された画像データに基づく画像などを表示する。これにより、ユーザーは、印刷ジョブの実行に際して、印刷結果を前以て確認することができるようになる。
【0033】
たとえば、表示制御部15は、プレビュー機能を実行するための操作をユーザーから受け付けると、
図4に示すように、プレビュー画像P(ユーザーが指定した画像データに基づく画像)を配したプレビュー画面PSを液晶表示部12に表示させる。このとき、液晶表示部12は、予め定められた表示倍率でプレビュー画像Pを表示する。
【0034】
(表示倍率の変更)
従来では、プレビュー画像Pの表示倍率の変更指示を受け付けるための表示倍率変更キー(ソフトキー)をプレビュー画像Pと共にプレビュー画面PSに配するのが一般的であった。しかし、本実施形態では、表示倍率変更キーをプレビュー画面PSには配さない。その代わり、タッチパネル部11の2点が略同時にタッチされたとき、そのタッチされた2点のタッチ位置の間隔(タッチパネル部11をタッチした2本の指の間隔)に応じて、プレビュー画像Pの表示倍率を変更する。なお、以下の説明では、プレビュー画像Pの表示倍率を変更するためのタッチ操作(タッチパネル部11の2点を略同時にタッチする操作)を表示倍率変更操作と称し、2点のタッチ位置の間隔を2点間距離と称する。
【0035】
具体的には、表示制御部15は、タッチパネル部11の所定の1点がタッチされ、その所定の1点をタッチするのと同時にまたは所定の1点をタッチしたまま予め定められた時間内に、所定の1点とは別の1点がタッチされたとき、表示倍率変更操作が行われたと判断する。タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われると、表示倍率変更操作時の2点間距離が表示制御部15によって算出される。たとえば、表示制御部15は、タッチパネル部11の出力に基づき最初にタッチされた2点のタッチ位置(座標)を検知し、その検知結果から2点間距離を算出する。
【0036】
その後、表示制御部15は、算出した2点間距離に対応する表示倍率を判別する。このとき、表示制御部15は、記憶部16に予め記憶された表示倍率判別情報を参照し、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率を判別する。たとえば、表示倍率判別情報というのは、複数に分類された表示倍率のそれぞれに、互いに異なる大きさの2点間距離を対応付けた情報である。一例として、2点間距離が大きいほど表示倍率が高くなるように、複数に分類された表示倍率が互いに異なる大きさの2点間距離に対応付けられる。
【0037】
そして、表示制御部15は、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率を判別すると、液晶表示部12に指示し、算出した2点間距離に対応する表示倍率でプレビュー画像Pを表示させる。すなわち、液晶表示部12は、プレビュー画像Pを表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われたとき、複数に分類された表示倍率のうち、表示倍率変更操作時に最初に検知された2点間距離に対応する表示倍率でプレビュー画像Pを表示する。
【0038】
以下に、表示倍率変更操作についてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、最小倍率(標準倍率)、最小倍率よりも高い中間倍率(最小倍率の2倍)、および、中間倍率よりも高い最大倍率(最小倍率の4倍)、の3段階に表示倍率が分類されているとする。そして、
図5に示すように、2点間距離(表示倍率変更操作時の2本の指の間隔)が大きいほど対応する表示倍率が高くなるように設定されているとする。すなわち、2点間距離L1、L2およびL3の関係がL1<L2<L3となっていれば、2点間距離L1が最小倍率に対応付けられるとともに、2点間距離L2が中間倍率に対応付けられ、2点間距離L3が最大倍率に対応付けられる。
【0039】
まず、液晶表示部12は、プレビュー機能の実行指示をユーザーから受け付けると、
図4に示したように、ユーザーが指定した画像データに基づくプレビュー画像Pを最小倍率で表示する(プレビュー画像Pを最小サイズで表示する)。
【0040】
そして、液晶表示部12がプレビュー画像Pを最小倍率で表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われ、そのときの2点間距離に対応する表示倍率が最小倍率よりも高ければ、液晶表示部12は、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行う。たとえば、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時の2点間距離が中間倍率に対応する2点間距離L2であれば、
図6に示すように、プレビュー画像Pを中間倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(最小サイズ)の2倍に拡大される。一方で、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時の2点間距離が最大倍率に対応する2点間距離L3であれば、
図7に示すように、プレビュー画像Pを最大倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(最小サイズ)の4倍に拡大される。
【0041】
次に、液晶表示部12がプレビュー画像Pを最大倍率で表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われたとする。この場合、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率が最大倍率よりも低ければ、液晶表示部12は、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行う。たとえば、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時の2点間距離が中間倍率に対応する2点間距離L2であれば、
図8に示すように、プレビュー画像Pを中間倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(最大サイズ)の1/2倍に縮小される。一方で、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時の2点間距離が最小倍率に対応する2点間距離L1であれば、
図9に示すように、プレビュー画像Pを最小倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(最大サイズ)の1/4倍に縮小される。
【0042】
次に、液晶表示部12がプレビュー画像Pを中間倍率で表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われたとする。この場合、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率が中間倍率よりも低い最小倍率(2点間距離L1に対応する倍率)であれば、
図10に示すように、液晶表示部12はプレビュー画像Pを最小倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(中間サイズ)の1/2倍に縮小される。一方で、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率が中間倍率よりも高い最大倍率(2点間距離L3に対応する倍率)であれば、
図11に示すように、液晶表示部12はプレビュー画像Pを最大倍率で表示する。すなわち、プレビュー画像Pの表示サイズが現時点のサイズ(中間サイズ)の2倍に拡大される。
【0043】
なお、液晶表示部12は、プレビュー画像Pを表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われたとしても、そのときの2点間距離に対応する表示倍率が現時点で表示しているプレビュー画像Pの表示倍率と同じであれば、プレビュー画像Pの表示倍率を変更せずに現時点の表示倍率のまま保持する(プレビュー画像Pの表示サイズを変更しない)。たとえば、
図12に示すように、液晶表示部12がプレビュー画像Pを中間倍率で表示している最中に、タッチパネル部11に対して表示倍率変更操作が行われたとする。この場合、表示倍率変更操作時の2点間距離が中間倍率に対応する2点間距離L2であれば、液晶表示部12は、プレビュー画像Pの表示サイズを拡大もしないし、縮小もしない。また、図示しないが、プレビュー画像Pを最小倍率で表示している場合あるいはプレビュー画像Pを最大倍率で表示している場合も同様である。
【0044】
ところで、本実施形態では、複数に分類された表示倍率(最小倍率、中間倍率および最大倍率)にそれぞれ対応付ける2点間距離の設定変更をユーザーから受け付ける。この設定変更をユーザーから受け付けるとき、たとえば、液晶表示部12は、
図13に示すような設定変更画面SSを表示する。また、タッチパネル部11は、液晶表示部12が表示した設定変更画面SSでの設定変更操作を受け付ける。そして、記憶部16は、タッチパネル部11が受け付けた設定変更操作に基づき、表示倍率判別情報の更新を行う。
【0045】
設定変更画面SSには、複数に分類された表示倍率と同数の2点間距離入力欄C1〜C3が配される。これら2点間距離入力欄C1〜C3は、それぞれ、最小倍率、中間倍率および最大倍率に対応する。そして、2点間距離入力欄C1〜C3には、現時点の設定値を示すテキストが表示される。
【0046】
たとえば、タッチパネル部11は、2点間距離入力欄C1〜C3のうちいずれかの入力欄がタッチされることで、その入力欄に対応する設定値を変更対象として確定する旨を受け付け、続けて、プラスキーK1またはマイナスキーK2がタッチされることで、変更対象の設定値を変更(増減)する旨を受け付ける。このとき、液晶表示部12は、プラスキーK1またはマイナスキーK2に対するタッチ回数に応じて、変更対象の設定値を示すテキストの表示を順次切り替える。この後、記憶部16は、OKキーがタッチされることで、現時点の設定値を変更後の設定値に書き換える。
【0047】
(プレビュー画像の表示倍率を変更するときの流れ)
以下に、
図14を参照して、プレビュー画像Pの表示倍率を変更するときの流れについて説明する。
【0048】
まず、
図14のフローチャートのスタート時点では、液晶表示部12がプレビュー画像Pを配したプレビュー画面PSを表示しているとする。そして、液晶表示部12がプレビュー画像Pを表示している最中に、タッチパネル部11の所定の1点をタッチし、その所定の1点をタッチするのと同時にまたは所定の1点をタッチしたまま予め定められた時間内に、所定の1点とは別の1点をタッチする操作(表示倍率変更操作)が行われたとき、
図14のフローチャートがスタートする。
【0049】
ステップS1において、表示制御部15は、表示倍率変更操作時に最初にタッチされた2点のタッチ位置(座標)を検知し、その検知結果から2点間距離を算出する。続いて、ステップS2において、表示制御部15は、記憶部16に記憶された表示倍率判別情報を参照し、表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率を判別する。
【0050】
ステップS3において、表示制御部15は、判別した表示倍率(表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率)が現時点の表示倍率と同じであるか否かを判断する。判断の結果、判別した表示倍率が現時点の表示倍率と同じでなければ、ステップS4に移行する。
【0051】
ステップS4に移行すると、表示制御部15は、判別した表示倍率(表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率)が現時点の表示倍率よりも高いか否かを判断する。判断の結果、判別した表示倍率(表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率)が現時点の表示倍率よりも高ければ、ステップS5に移行し、判別した表示倍率(表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率)が現時点の表示倍率よりも高くはなく低ければ、ステップS6に移行する。
【0052】
ステップS4からステップS5に移行した場合には、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行わせる(ただし、このときの表示倍率は判別した表示倍率とする)。一方で、ステップS4からステップS6に移行した場合には、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行わせる(ただし、このときの表示倍率は判別した表示倍率とする)。
【0053】
なお、ステップS3において、判別した表示倍率(表示倍率変更操作時の2点間距離に対応する表示倍率)が現時点の表示倍率と同じで合った場合には、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大または縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行わず、そのまま終了する。
【0054】
本実施形態の操作パネル101(表示入力装置)は、上記のように、プレビュー画像P(画像)を表示する液晶表示部12(表示部)と、液晶表示部12に対して設けられ、ユーザーがタッチしている複数のタッチ位置を検知するためのタッチパネル部11と、タッチパネル部11の出力に基づき、タッチパネル部11の2点がタッチされたときの2点のタッチ位置の間隔である2点間距離を検知する表示制御部15(検知部)と、複数に分類された表示倍率のそれぞれに、互いに異なる大きさの2点間距離を対応付けた表示倍率判別情報を予め記憶する記憶部16と、を備える。そして、液晶表示部12は、プレビュー画像Pを表示している最中に、タッチパネル部11の所定の1点をタッチし、その所定の1点をタッチするのと同時にまたは所定の1点をタッチしたまま予め定められた時間内に、所定の1点とは別の1点をタッチする操作である表示倍率変更操作が行われたとき、複数に分類された表示倍率のうち、表示倍率変更操作時に最初に検知された2点間距離に対応する表示倍率でプレビュー画像Pを表示する。
【0055】
この構成によると、現時点の表示倍率を所望の表示倍率に変更する(現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大または縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行う)とき、2点のタッチ位置の間隔が所望の表示倍率に対応付けられた2点間距離となるように、タッチパネル部11の所定の1点をタッチし、その所定の1点をタッチするのと同時にまたは所定の1点をタッチしたまま予め定められた時間内に、所定の1点とは別の1点をタッチする操作(すなわち、2点タッチ操作)を行うだけでよくなる。すなわち、現時点の表示倍率が所望の表示倍率になるまでタッチパネル部11に対するタッチを繰り返し行ったり、タッチパネル部11に対するタッチ後に何らかのジェスチャーを行ったりする必要がない(たとえば、タッチ位置をスライドさせたり、2点のタッチ位置の間隔を変動させたりする必要がない)。これにより、プレビュー画像Pの表示倍率を変更する操作において、ユーザーの手指の動きを減らすことができるので、ユーザーの操作性が向上する。
【0056】
また、プレビュー画像Pの表示倍率の変更を受け付けるためのハードキーを設ける必要がないので、コストダウンを図ることができる。さらに、プレビュー画像Pの表示倍率の変更を受け付けるためのソフトキーを画面上に表示する必要もなくなるので、画面上のスペースを有効利用することができる(たとえば、表示倍率の変更対象となるプレビュー画像Pの表示スペースを大きくとることができる)。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時に最初に検知された2点間距離に対応する表示倍率が現時点の表示倍率よりも高ければ、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行い、表示倍率変更操作時に最初に検知された2点間距離に対応する表示倍率が現時点の表示倍率よりも低ければ、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行う。すなわち、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行いたい場合には、タッチパネル部11の2点(所定の1点および所定の1点とは別の1点)をタッチするときの2本の指の間隔を現時点の表示倍率に対応付けられた2点間距離よりも大きくすればよく、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行いたい場合には、タッチパネル部11の2点をタッチするときの2本の指の間隔を現時点の表示倍率に対応付けられた2点間距離よりも小さくすればよい。これにより、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大または縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行う操作が直感的で分かり易い。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、表示倍率変更操作時に最初に検知された2点間距離に対応する表示倍率が現時点の表示倍率と同じであれば、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大または縮小したプレビュー画像Pへの表示切り換えを行わない(現時点の表示倍率を変更せずにそのまま保持する)。すなわち、現時点の表示倍率が既に所望の表示倍率になっていれば、所望の表示倍率に対応する2点間距離となるよう表示倍率変更操作を行ったとしても、現時点のプレビュー画像Pから現時点のプレビュー画像Pを拡大または縮小したプレビュー画像Pに表示が切り替えられることはない。これにより、所望の表示倍率からかけ離れた表示倍率でプレビュー画像Pが表示されるのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、複数に分類された表示倍率にそれぞれ対応付ける2点間距離の変更を受け付けるための設定変更画面SSを表示し、タッチパネル部11は、液晶表示部12が表示した設定変更画面SSでの設定変更操作を受け付け、記憶部16は、タッチパネル部11が受け付けた設定変更操作に基づき、表示倍率判別情報の更新を行う。ここで、手指の大きさはユーザーによって様々である。このため、ユーザーによっては、予め定められた2点間距離(指の間隔)での表示倍率変更操作を行い難いと感じる場合がある。このため、複数に分類された表示倍率にそれぞれ対応付ける2点間距離の変更が可能となっていれば、ユーザーの利便性が向上する。
【0060】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態の構成では、表示倍率を3段階に分類するようにしたが、本発明はこれに限らず、表示倍率を2段階に分類してもよいし、表示倍率を4段階以上に分類してもよい。
【0062】
また、上記実施形態の構成において、
図15に示すように、プレビュー画像Pを配したプレビュー画面PS内に、3段階に分類された表示倍率(最小倍率、中間倍率および最大倍率)にそれぞれ対応付けられた2点間距離の大きさを視覚的に識別可能に示すガイド情報Gを表示させてもよい。これにより、ユーザーからすると、表示倍率変更操作時に、どのような間隔で2点タッチを行えばよいかが分かり易くなり、利便性が良い。なお、
図15に示したガイド情報Gでは、各表示倍率に対応付けられた2点間距離の大きさを線分の長さで示している。