(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を有するポリイソブチレン系ポリマーからなる群から選択される1種または2種以上のポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
マイクロバルーン(B)は、チタネート系カップリング剤またはアルミネート系カップリング剤で処理された無機微粉末で被覆された樹脂バルーンである、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の硬化性組成物は、主成分として、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含んでなる。本発明においては、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)から構成される。
前記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)においては、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の重量比は、1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲から選択される。本発明の硬化性組成物は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)との重量比が上記範囲内である場合、硬化後に優れた物性、特に接着性や伸縮耐久性を有する。
【0009】
本発明では、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーとは、主鎖骨格が直鎖状であり、側鎖を有さず、および末端平均加水分解性シリル基数が2以下である加水分解性シリル基含有ポリマーのことである。また、分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーとは、主鎖骨格が直鎖状であり、加水分解性シリル基を有する1以上の側鎖を持ち、および末端及び側鎖の平均加水分解性シリル基数が2より大きい加水分解性シリル基含有ポリマーのことである。
【0010】
上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、硬化性の点から、75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上のシリル化率を有し得る。また、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、硬化物の伸縮耐久性等の点から、100%以下、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下のシリル化率を有し得る。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上のシリル化率を有し得る。また、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)は、好ましくは100%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下のシリル化率を有し得る。
シリル化率は、核磁気共鳴分析法(NMR)を用いて、加水分解性シリル基の導入された末端と導入されていない末端の比率を算出することによってシリル化率を求めることができる。
本発明においては、上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)のシリル化率は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の混合物のシリル化率を測定した値である。
【0011】
本発明では、加水分解性シリル基とは、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、および硬化触媒によって触媒される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうちでは、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ基が、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいという点から好ましく、ジアルコキシ基がより好ましい。
【0012】
本発明に用いる上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は、硬化後の物性、特に伸び等の物性の点で、好適には3,000以上、より好適には5,000以上である。加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は、物性、粘度および作業性の点で、好適には60,000以下、より好適には45,000以下である。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上である。直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは60,000以下、より好ましくは45,000以下である。
【0013】
本発明に用いる上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、硬化物の物性の点で、1.0以上、好適には1.1以上、より好適には1.3以上である。一方、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、硬化物の物性の点で、2.0以下、好適には1.8以下、より好適には1.6以下である。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上である。また、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0以下、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下である。
ここで、本発明における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
本発明においては、上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の混合物の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した値である。
【0014】
本発明に用い得る直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーおよび分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーとしては、例えば、変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を有するポリイソブチレン系ポリマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。中でも、変成シリコーンポリマーおよび/またはアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーは、硬化性組成物の物性を低モジュラス、高伸長に調整することができ、および耐候性に優れ、シーリング材に適した硬化性組成物が得られるため好ましい。
【0015】
上記変成シリコーンポリマーとは、ポリオキシアルキレンエーテルを主鎖骨格とし、かつ末端もしくは側鎖に上記の加水分解性シリル基を持つ液状ポリマーのことである。中でも、ポリ
オキシアルキレンエーテル(例えば、ポリオキシプロピレンエーテル)を主鎖とする、数平均分子量(Mn)が8,000〜45,000である変成シリコーンポリマーが好ましい。
【0016】
直鎖状の変成シリコーンポリマーの代表的市販品としては、例えば、(株)カネカ製MSポリマー「MSポリマーS−203」等が挙げられる。
また、分枝状の変成シリコーンポリマーの代表的市販品としては(株)カネカ製MSポリマー「MSポリマーS−810」等が挙げられる。
また、本発明による硬化性組成物において、変成シリコーンポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記変成シリコーンポリマーは、例えば特開2002−155201に従って、以下の(I)〜(IV)のいずれかの方法により得ることができる。
(I)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を不飽和基に変換した後、該不飽和基とヒドロシリル化合物とを反応させる方法。
(II)水酸基末端オキシアルキレン重合体とイソシアネート基含有ケイ素化合物とを反応させる方法。
(III)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を不飽和基に変化した後、該不飽和基とメルカプト基含有ケイ素化合物とを反応させる方法。
(IV)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基をイソシアネート基に変換した後、該イソシアネート基と活性水素含有ケイ素化合物を反応させる方法。
【0018】
上記アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単位で構成され[要すれば、(メタ)アクリル酸エステル単位以外に、(メタ)アクリル酸エステルと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子中にアルコキシシリル基を含有するポリマーのことである。
本発明に用い得るアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる:
(i)特公平3−80829号公報に開示の、通常、数平均分子量(Mn)3,000〜100,000を有し、1分子中に平均アルコキシシリル基数1.2〜3個を有するポリマー。該ポリマーは、(a)アクリル酸アルキルエステル(アルキル炭素数は好ましくは2〜4)(例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等)と、(b)ビニルアルコキシシラン(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等)および(メタ)アクリロキシアルコキシシラン(例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)の群から選ばれる1種またはこれらの2種以上の混合物とを、連鎖移動剤として(c)メルカプトアルコキシラン(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)の存在下で、ラジカル共重合[通常、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、α,α’−アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシドなど重合開始剤を用いて公知の塊状重合、溶液重合などの手法、またはレドックス触媒、例えば、遷移金属塩、アミン等と過酸化物系開始剤を組合せたレドックス重合法により]させることによって製造することができる;
(ii)特公平4−69667号公報に開示のポリマー。該ポリマーは、ビニル系モノマー[例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート;スチレンもしくはその誘導体(α−メチルスチレン、クロルメチルスチレンなど);ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジプロピルフマレートなどのフマル酸ジエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなどのハロゲン化ビニル類等]100重量部に、アルコキシシリル基含有ジスルフィド化合物[例えばビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(メチルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(ジメチルメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメチルエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等]0.05〜50重量部を加え、必要に応じて有機溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチル、ジオクチルフタレート等)中で光重合(常温(23℃)〜60℃で、4〜30時間の光照射)に付すことによって製造することができる。
【0019】
本発明においては、上記変成シリコーンポリマーとアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとの混合物に加え、上記変成シリコーンポリマーとアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとの反応物も使用することができる。
直鎖状の変成シリコーンポリマーとアルコキシシリル基を有する直鎖状のアクリル系ポリマーとの混合物または反応物の代表的市販品としては、例えば、(株)カネカ製のMA903、MSX908、MSX911、MSX943等の、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン重合体とアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体との混合物または反応物が挙げられる。
【0020】
上記アルコキシシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくともイソブチレン単位で構成され[要すれば、イソブチレン単位以外に、イソブチレンと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子両末端または側鎖にアルコキシシリル基を含有するポリマーのことである。該アルコキシシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーは、通常、1,000〜40,000の数平均分子量(Mn)を有し、および常温でワックス状ないし高粘度液状である。また、該アルコキシシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーは、一般に、イニファー法と呼ばれるカチオン重合法で得られる全末端官能型イソブチレン系ポリマーを用いることにより製造することができる(特開平8−231758号公報参照)。
【0021】
直鎖状のアルコキシシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーの代表的市販品としては、
【化1】
[式中、nは5〜400、およびmは5〜400である]
で示される化学構造を有する、(株)カネカ製の「エピオン」(登録商標)シリーズ(例えば、「エピオン(登録商標)EP−505S」等)が挙げられる。
【0022】
本発明においては、高温・高圧で連続塊状重合によって得られる、常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを、加水分解性シリル基含有ポリマーと共に本発明の硬化性組成物に配合することができる。このような常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを使用することにより、硬化性組成物の物性を低モジュラス、高伸長に調整することができ、作業性にも優れた硬化性組成物を得ることができる。
前記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、官能基を有さないアクリル系モノマー[例えば前記アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(ii)の重合に用いるようなアクリレートやメタクリレート]を用いて、例えば400℃付近の高温・高圧での連続塊状重合(開始剤は極少量もしくは不要、連鎖移動剤は不要)により、極めて短い反応時間、例えば約5分程度で製造することができる。
また、前記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、狭い組成分布及び分子量分布を有するため、100%ポリマーおよび低Tg常温液状を呈し、かつ変成シリコーン系ポリマーとの相溶性が良好であり得る。該常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを用いる場合、硬化性組成物の粘度粘性を調整することができ、また、作業性及び耐候性を向上させ得る。常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーの市販品として、例えば東亞合成(株)製「ARUFON(登録商標)UP−1000」等が挙げられる。
本発明においては、好ましくは、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーを、高温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーと併用する。変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーと常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーとを併用した場合、可塑剤代替効果が得られ、硬化後の組成物の物性を低モジュラス及び高伸長とすることが可能であり、また、硬化性組成物の作業性と耐候性を向上させ得る。
【0023】
本発明の硬化性組成物は、組成物全量に対して、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上の加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含有する。また、本発明の硬化性組成物は、組成物全量に対して、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下の加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含有する。本発明の硬化性組成物が加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を上記範囲で含有することは、物性、硬化性、作業性、コストの点から有利である。
【0024】
本発明の硬化性組成物は、上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)に加えて、マイクロバルーン(B)を含有する。マイクロバルーン(B)としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン系共重合体、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリルージビニルベンゼン共重合体などのいずれかから形成される樹脂バルーンまたはガラスバルーンのような無機バルーンを挙げることができる。樹脂バルーンとしては、松本油脂製薬製熱膨張性マイクロカプセル「マツモトマイクロスフェアーMFL100SCA」が好ましい。また、樹脂バルーンの表面の一部または全部を無機微粉末で被覆したものは好ましい。無機微粉末として、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレー、カーボンブラックなどの少なくとも1種または2種以上が使用可能である。マイクロバルーンを無機微粉末で表面被覆することは生産性、硬化後物性の点で有利である。
また、上記の無機微粉末を、チタネート系カップリング剤やアルミネート系カップリング剤などで処理することもできる。チタネート系カップリング剤で処理された無機微粉末で表面被覆されたマイクロバルーンは、硬化後物性の点で好ましい。
【0025】
本発明に用い得る表面被覆されたマイクロバルーンは、被覆材脱落率が好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。また、本発明に用い得る表面被覆されたマイクロバルーンの被覆材脱落率の下限は、特に限定されないが、通常10%以上である。被覆材脱落率が上記範囲にあるとマイクロバルーン配合による硬化後の物性低下の抑制の点からで有利である。本発明における被覆材脱落率は、例えば以下の手順で求めることができる。
【0026】
分液ロート中に100mlのメタノールを投入し、その中へ無機微粉末で表面被覆されたマイクロバルーン約0.5gを秤量し投入する。次いで、分液ロートを振盪機にセットし、30秒間振盪した後、20分間静置させる。次いで、分液ロートから沈殿物を分取した後、該沈殿物を吸引濾過し、100℃×20分間乾燥させる。次いで、濾紙(ガラスフィルター)を100℃×20分間乾燥させた後、該沈殿物を秤量する。該沈殿物の重量(脱落量)と投入したマイクロバルーンの重量(投入量)に基づいて、被覆材脱落率(脱落量/投入量)を算出することができる。
【0027】
本発明に用いるマイクロバルーン(B)は、平均粒径が好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。また、本発明に用いるマイクロバルーン(B)は、平均粒径が好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。平均粒径が上記範囲内にあると、本発明の硬化性組成物の製造コスト、ならびにマイクロバルーンのコストと耐圧性のバランスおよび外観の点で有利である。平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器において測定された重量累積粒度分布の50%径のことである。
また、本発明に用いるマイクロバルーン(B)は、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜200℃のガラス転移温度(Tg)を有する。本発明に用いるマイクロバルーン(B)のガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることは、物性とバルーンの耐圧性の点から有利である。
本発明の硬化性組成物は、組成物全量に対して、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは2重量%以上のマイクロバルーン(B)を含有する。また、本発明の硬化性組成物は、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下のマイクロバルーン(B)を含有する。マイクロバルーン(B)が2重量%以上であると、組成物全体の比重を十分に低下させ得る点で有利である。また、マイクロバルーン(B)が20重量%以下であると、良好な硬化後物性が得られる点で有利である。
【0028】
本発明では、上記成分(A)および(B)に加えて、エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)を、硬化物の伸縮耐久性等を向上させるために、本発明の硬化性組成物に含ませ得る。
上記エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)としては、エポキシ化オレフィン系可塑剤が挙げられる。該エポキシ化オレフィン系可塑剤の炭素数は、好ましくは12〜22である。炭素数が12未満の場合、臭気、耐久性低下が問題となる。一方、炭素数が22を超えると、被着体への接着性低下、ブリード汚染、低温時の析出による外観不良を起こす原因となる。
【0029】
上記エポキシ化オレフィン系可塑剤として具体的には、例えばα―オレフィンオキサイド等が挙げられる。また、本発明では、これらの化合物は、上記エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)として、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明の硬化性組成物は、耐久性の点から、硬化性組成物全量に対して、好ましくは少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%、さらに好ましくは少なくとも3.0重量%のエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)を含有し得る。本発明の硬化性組成物は、接着性の低下、ブリード汚染、低温時外観の点から、通常、20重量%以下のエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)を含有し得る。
【0031】
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、上記成分(A)および(B)に加えて、モジュラス調整剤、表面処理炭酸カルシウム、表面未処理炭酸カルシウム、硬化触媒、充填剤、可塑剤ならびに従来既知の着色剤、有機溶剤、老化防止剤、接着付与剤等の添加剤を含有していてよい。
【0032】
上記モジュラス調整剤として、加水分解性モノシリル基を含有するトリメチルメトキシシラン、トリフェニルシラノールが挙げられる。これらの中でも、トリフェニルシラノールが硬化物のモジュラスを良好に調整できるため好ましい。これらのモジュラス調整剤として、東レ・ダウコーニングから市販されているトリメチルメトキシシラン及びトリフェニルシラノールを用いることができる。
本発明においては、上記モジュラス調整剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、上記モジュラス調整剤は、本発明の硬化性組成物の調製前に予め上記成分(A)および/または(B)に添加してもよく、または調製中に上記成分(A)および/または(B)と共に添加してもよく、または調製後の硬化性組成物に添加してもよい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上のモジュラス調整剤を含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下のモジュラス調整剤を含有し得る。本発明の硬化性組成物がモジュラス調整剤を上記範囲で含有することは、硬化物のモジュラスを低減することができる点から有利である。
【0033】
上記表面処理炭酸カルシウムとして、炭素数16以下の脂肪酸が40重量%以上である表面処理剤、好ましくは炭素数16以下の脂肪酸が50重量%以上である表面処理剤、より好ましくは、炭素数14以下の脂肪酸が50重量%以上である表面処理剤、さらに好ましくは、炭素数14以下の脂肪酸が50重量%以上と炭素数16以上の不飽和脂肪酸が15%以上である処理剤で処理され、該表面処理剤量が3.5重量%以上であり、およびBET比表面積が12〜25m2/gである表面処理炭酸カルシウムが挙げられる。
【0034】
炭素数16以下の脂肪酸としては酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトイル酸が挙げられ、中でも硬化性組成物の熱劣化後の物性維持の点で飽和脂肪酸が好適である。このような飽和脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸が挙げられ、中でもラウリン酸、ミリスチン酸が好適である。
炭素数16以上の不飽和脂肪酸としてはパルミトイル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などが挙げられ、これらは処理剤に含まれると作業性の向上などの点で有利である。
表面処理剤量とは、熱重量分析(TG)計を用いて、有機物量を測定することによって算出される値であり、表面処理炭酸カルシウムにおける有機物の量のことである。上記表面処理剤量は、好ましくは4.5重量%以上である。また、上記表面処理剤量は、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下である。上記表面処理剤量が、上記範囲にあると、十分なチキソ性を得ることができる。
BET比表面積は、従来既知の方法、例えば、吸着ガスとして窒素を使用し、BET比表面積計を用いて測定する方法によって得ることができる。BET比表面積は、好ましくは12〜18m2/gである。BET比表面積が12m2/g未満の場合、十分なチキソ性が得られない。一方、25m2/gを超える場合には、混合不良や混合時に空気を巻き込み易くやすくなる。
【0035】
本発明においては、上記表面処理炭酸カルシウムは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上の表面処理炭酸カルシウムを含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下の表面処理炭酸カルシウムを含有し得る。本発明の硬化性組成物が表面処理炭酸カルシウムを上記範囲で含有することは、チキソ性付与によるスランプ防止、作業性向上や作業可能時間の点から有利である。
【0036】
上記表面未処理炭酸カルシウムとしては、風化貝殻、粗晶質石灰石、大理石などを乾式粉砕法または湿式粉砕法によって物理的に粉砕分級して製造した重質炭酸カルシウムが挙げられる。
表面未処理炭酸カルシウムの平均粒径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上である。また、上記表面未処理炭酸カルシウムの平均粒径は、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下、さらに好ましくは4.0μm以下である。平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器において測定された重量累積粒度分布の50%径である。平均粒径が小さい場合には、炭酸カルシウム粒子間での凝集を防止するため粒子表面の処理が必要となるため望ましくない。一方、平均粒径が大きい場合には、硬化後ゴム物性の低下、チキソ性低下の点から望ましくない。
【0037】
本発明においては、上記表面未処理炭酸カルシウムは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは15重量%以上の表面未処理炭酸カルシウムを含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下の表面未処理炭酸カルシウムを含有し得る。本発明の硬化性組成物が表面未処理炭酸カルシウムを上記範囲で含有することは作業性、硬化後の物性、特に伸び性の点から有利である。
【0038】
硬化触媒としては、有機錫化合物、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジオレイルマレート、ジブチル錫ジアセテート、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシカルボニル−ジスタノキサン、ジブチル錫オキシビスエトキシシリケート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチル錫オキサイドとマレイン酸ジエステルとの反応物、ジブチル錫ジアセチルアセトナートなどが挙げられる。その他の有機金属化合物としては、ビスマス、バリウム、カルシウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、カルシウム、亜鉛、鉄、コバルト、鉛のカルボン酸(例えば、オクチル酸)塩など、例えば、オクチル酸ビスマス、オクチル酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記表面処理炭酸カルシウムおよび表面未処理炭酸カルシウム以外の充填剤としては、例えば、脂肪酸処理炭酸カルシウム(上記表面処理炭酸カルシウムに該当しないもの)、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、タルク、マイカ、クレーや、ガラスビーズ、シラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、プラスチックバルーン、有機粉体コーティングプラスチックバルーンなどのバルーン類、プラスチック粒子、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、グラファイト、針状結晶性炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、クリソタイル、ワラストナイト等の針状結晶性フィラー、アルミフレーク、アルミ粉、鉄粉などが挙げられ、それぞれ単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0040】
上記のエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)以外の可塑剤(減粘剤、粘度調整剤)として、の公知のパラフィン系、ナフテン系、ポリブテンなどの炭化水素を、引火点、粘度、塗料付着性などに支障のない範囲で使用することができる。また、フタル酸ジエステル類(ジイソノニルフタレート(DINP)など)、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジエステル類、アルキレンジカルボン酸ジエステル類、アルキルベンゼン類なども塗料付着性、粘度などに支障のない範囲で使用することができる。
【0041】
その他の添加剤として、必要に応じて、着色剤(ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック、他の着色顔料、染料など)、有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、リグロイン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ヘプタンなど)、密着剤(アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤、エポキシ化合物など)、紫外線吸収剤・光安定剤(ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類など)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール類など)、揺変剤(コロイダルシリカ、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油など)、溶剤(脂環族炭化水素、芳香族炭化水素など)等を適量範囲で使用できる。これらは、基剤および/または硬化剤に必要に応じて含ませることができる。
【0042】
本発明の硬化性組成物は、組成物全体の比重が1.15未満である。また、本発明の硬化性組成物は、組成物全体の比重が通常0.8以上である。
本発明の硬化性組成物は、硬化後の伸び率が400%以上、50%引張応力は0.25N/mm
2以下である。かかる比重、伸び率およびモジュラス等を有することにより本発明の硬化性組成物は、シーリング材として好適に用いることができる。
【0043】
上記成分から構成される本発明の硬化性組成物は、前記配合成分を一括混合した一液型、あるいは前記加水分解性シリル基含有ポリマーを含有する基剤と、硬化触媒を含有する硬化剤の二液型、またはさらに着色剤と可塑剤等からなるトナーを別の一成分とした三液型として使用し得る。
本発明の硬化性組成物は、二液型シーリング材とした場合、上記基剤と上記硬化剤を、好ましくは100:0.5〜20、より好ましくは100:1〜15、さらに好ましくは100:5〜10の範囲から選択される少なくとも1つの重量比で計量混合し、硬化させて使用することができる。
【0044】
本発明の硬化性組成物は、好ましくはシーリング材、より好ましくは中高層ビル建築用シーリング材として用いることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、自動車、電器、土木用のシーリング材、その他接着剤、塗料、コーティング材、ポッティング材、成形物などに適用することができる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0046】
〔実施例および比較例〕
基剤
表1に示す重量の配合資材を、加熱および減圧装置付の混合攪拌機に仕込み30分間撹拌した。次いで60℃で30分混合撹拌し、真空減圧下20分間撹拌混合し、基剤を得た。
硬化剤
表1に示す重量の硬化触媒、炭酸カルシウムを、室温にて混合し、10分間混合撹拌し、硬化剤を得た。
【0047】
上記のように調製した基剤と硬化剤を100:10(重量比)で混合して、硬化性組成物を得た。
【0048】
【表1】
【0049】
(注1)シリル化率90〜100%、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注2)シリル化率80〜90%、分岐状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注3)シリル化率70〜80%、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注4)シリル化率60〜70%、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注5)新日本理化株式会社製「サンソサイザーE−PS」、脂環式エポキシ系可塑剤
(注6)新日本理化株式会社製「リカレジンEX68」、エポキシ化オレフィン系可塑剤、α−オレフィンオキサイド(C16およびC18の混合物)
(注7)新日本理化株式会社製「DINP」
(注8)新日本石油化学株式会社製「アルケン200P」
(注9)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」
(注10)楠本化成株式会社製「ディスパロン308」
(注11)チタネート系カップリング剤処理樹脂バルーン
(注12)白石工業株式会社製「ビスコライトOS」
(注13)ラウリン酸60%、オレイン酸20%処理炭酸カルシウム
(注14)備北粉化工業株式会社製「ホワイトンSB」
(注15)日東化成株式会社製「ネオスタンU−28」
(注16)日油株式会社「ニッサンアミンBB」
【0050】
上記のように調製した各硬化性組成物について以下の性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0051】
[性能試験方法]
1.比重測定
JIS K 6833 5.2.1「比重カップ法」に準拠して測定した。
【0052】
2.引張接着性評価
JIS H 4000に規定されるA5052Pアルミニウム板(50×50×5mm)にプライマー(商品名:プライマーUM−2:サンスター技研(株)製)を塗布し、上記のように調製した硬化性組成物を打設する。養生後(条件:23±2℃×7日+50±2℃×7日)、加熱後(条件:養生後+90±2℃×7日)または水浸漬後(条件:養生後+23±2℃×水中7日)に、JISA1439に従い50%引張応力[N/mm2]、最大引張応力[N/mm2]および最大荷重時の伸び率[%]を測定した。
【0053】
3.耐久性評価
JIS A 1439 5.17「耐久性試験」(2004)に従い、耐久性区分9030において試験を行った。合格、不合格の判定も、上記規格に準じて実施した。
○:合格、×:不合格
【0054】
【表2】
【0055】
以上の結果から、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーと分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーとの重量比が1:9〜9:1の範囲にあり、75%以上のシリル化率を有する加水分解性シリル基含有ポリマーを用いて製造した硬化性組成物、および直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーと分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーとの重量比が1:9〜9:1の範囲にある加水分解性シリル基含有ポリマーとエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤とを用いて製造した硬化性組成物は、硬化後に優れた物性、とりわけ優れた接着性、伸縮耐久性、伸び率及びモジュラスを有し、かつ、1.15未満の組成物全体の比重を有する。
比較例3における硬化性組成物は、耐久性に優れているが、50%引張応力は0.25N/mm
2以上となり、実際の使用用途に適していない。