(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記適正位置を示す基準情報は、フィルムの蛇行によって前記フィルム幅方向へ移動した前記マークを検出し得る範囲を示す情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製袋充填機におけるマーク検知装置。
前記制御部は、前記設定部において前記評価情報と前記基準情報との前記フィルム幅方向に対応する方向における位置の関係を修正する設定操作がなされた際に、新たな設定操作がなされるまで、前記フィルム幅方向へ移動したマークを検出し得る範囲を維持することを特徴とする請求項3に記載の製袋充填機におけるマーク検知装置。
前記表示部は、前記評価情報を表示する際に前記ラインセンサで得た直近から過去複数回分の前記評価情報を表示可能とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の製袋充填機におけるマーク検知装置。
前記設定部は、前記表示部における前記基準情報に対する前記評価情報の位置の変化に対応するよう、前記評価データと前記基準データとの前記フィルム幅方向における相対的な位置の関係を一時的に修正する設定操作が可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の製袋充填機におけるマーク検知装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、原反ロールの中には、フィルムを巻きつける製造過程で蛇行を招くようにフィルムが巻かれてしまったものがあり、このような原反ロールを製袋充填機で使用する際にはフィルムはフィルム幅方向の一端側にある程度蛇行すると蛇行した位置を維持するかのようにフィルム幅方向にずれることなく安定し供給される。また、フィルム終了に伴い新旧原反ロールのフィルムをスプライスした際にはフィルムのスプライス箇所が幾つかのガイドロールを通過することにより、フィルムは一時的に蛇行するが、比較的速やかに元の位置に復帰する。このように、フィルムの蛇行の性質に違いがあることから、上記特許文献1の技術のように、フィルムの蛇行に追従するように、フィルムのフィルム幅方向における位置ずれを自動的に修正することは修正頻度が増す等の逆の結果を招くことがある。このようなことはラインセンサからなるマーク検知手段で、帯状フィルムに一定間隔で付されたマークを検知する製袋充填機において、フィルム幅方向におけるマークとマーク検知位置との関係をフィルムの蛇行に追従するように自動修正する際にも同様の結果を招いてしまう。
【0005】
本発明は、ラインセンサがマークを検知するフィルム幅方向における位置とマークとの関係をフィルムの蛇行の性質などに応じて効率よく設定し得る製袋充填機におけるマーク検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の製袋充填機におけるマーク検知装置は次の手段をとる。
先ず、請求項1に係る発明は、マーク(17)が一定の間隔で付された帯状のフィルム(5)をフィルム(5)の搬送方向に交差するフィルム幅方向に順次走査するラインセンサ(11)と、前記フィルム幅方向におけるマーク(17)の適正位置に関する情報を有した基準データを記憶する記憶部(14)と、前記記憶部(14)に記憶された前記基準データと該基準データより後に前記ラインセンサ(11)で得たフィルム幅方向の一部のデータであって前記フィルム幅方向における前記マーク(17)の位置に関する情報を有した評価データを用いた比較によってフィルム(5)搬送中にマーク(17)の有無に関する信号を生成する処理部(16)とを有する制御部(13)と、前記基準データから得られた適正位置を示す基準情報と前記評価データから得られたフィルム幅方向におけるマークの位置を示す評価情報を共通の画面に表示する表示部(15)と、該表示部(15)において前記基準情報に対する前記評価情報の前記フィルム幅方向における相対的な位置ずれが生じた際に前記評価情報と前記基準情報との前記フィルム幅方向に対応する方向における位置の関係を修正して前記表示部(15)に表示させる設定操作が可能な設定部(12)を備え、前記制御部(13)は設定操作により生じた前記基準情報と前記評価情報との相対的な位置の変化に対応するよう基準データに対する前記フィルム幅方向における評価データの位置の関係を修正し、前記マーク(17)の有無に関する信号を生成することを特徴とする。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、制御部(13)における表示部(15)は、基準データから得られた適正位置を示す基準情報と評価データから得られたフィルム幅方向におけるマークの位置を示す評価情報を共通の画面に表示するためフィルム(5)の蛇行状況の確認ができる。
また、設定部(12)は、フィルム(5)の蛇行により表示部(15)において基準情報に対する評価情報のフィルム幅方向における相対的な位置ずれが生じた際に評価情報と基準情報とのフィルム幅方向に対応する方向における位置の関係を修正して表示させる設定操作が可能となっており、この設定部(12)の設定操作による基準情報と評価情報との相対的な位置の変化に対応するよう、制御部(13)における処理部が基準データに対するフィルム幅方向における評価データの位置の関係を修正し、マーク(17)の有無に関する信号を生成する。よって、フィルムの蛇行などにより生じたフィルム幅方向におおけるマーク(17)とラインセンサ(11)との位置の関係を表示部(15)を確認しながら、効率よく修正することができる。
【0008】
次に、請求項1に従属する請求項2に係る発明は、前記フィルム幅方向におけるマーク(17)の前記適正位置を示す前記基準情報は画像であることを特徴とする。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、フィルム幅方向におけるマーク(17)の前記適正位置を示す基準情報は画像であるため、ラインセンサ(11)で得たラインごとの画像の一部分のみでフィルム(5)の蛇行状況を確認しうる。
【0010】
次に、請求項1又は請求項2に従属する請求項3に係る発明は、前記適正位置を示す基準情報は、フィルムの蛇行によって前記フィルム幅方向へ移動した前記マーク(17)を検出し得る範囲を示す情報であることを特徴とする。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、適正位置を示す基準情報は、フィルムの蛇行によって前記フィルム幅方向へ移動した前記マーク(17)を検出し得る範囲を示す情報とすることで、フィルム(5)の蛇行量を把握し得る表示部(15)となるためフィルム(5)の蛇行確認がしやすくなる。
【0012】
次に、請求項3に従属する請求項4に係る発明は、前記制御部(13)は、前記設定部(12)において前記評価情報と前記基準情報との前記フィルム幅方向に対応する方向における位置の関係を修正する設定操作がなされた際に、新たな設定操作がなされるまで、前記フィルム幅方向へ移動したマーク(17)を検出し得る範囲を
維持することを特徴とする。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、設定部(12)における設定操作の手間を省くことができる。
【0014】
次に、請求項1から請求項4のいずれかに従属する請求項5に係る発明は、前記表示部(15)は、前記評価情報を表示する際に前記ラインセンサで得た直近から過去複数回分の前記評価情報を表示可能とすることを特徴とする。
【0015】
この請求項5に係る発明によれば、表示部(15)は、評価情報を表示する際に前記ラインセンサで得た直近から過去複数回分の前記評価情報を表示可能とすることでフィルム(5)の蛇行の傾向を把握しやすくなる。これにより、設定部(12)における評価データと基準データとのフィルム幅方向における相対位置をシフトさせる補正作業を容易とすることができる。
【0016】
次に、請求項1から請求項5のいずれかに従属する請求項6に係る発明は、前記設定部(12)は、前記表示部(15)における前記基準情報に対する前記評価情報の位置の変化に対応するよう、前記評価データと前記基準データとの前記フィルム幅方向における相対的な位置の関係を一時的に修正する設定操作が可能であることを特徴とする。
【0017】
この請求項6に係る発明によれば、例えば、旧原反ロールと新原反ロールを貼り合せたスプライス箇所を有するフィルム(5)の場合には、フィルム(5)が一時的に蛇行した後に復帰することが事前に予想される。設定部(12)は、評価データと基準データとのフィルム幅方向における相対的な位置の関係を一時的に修正する設定操作が可能であるため継続的なマーク(17)の検知が可能になる。よって、簡易な設定変更によって例えばマーク検知不可能による運転停止を回避することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、表示部を介してフィルムの蛇行状況を確認しながらラインセンサでマークを検知する設定を効率よく行うことが可能な製袋充填機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
フィルム包装する包装機として例示する横形製袋充填機は、
図1に概略的に示すように、エンコーダなどのフィルム送り量に関連した信号を発信する発信手段1が付設されたサーボモータなどの駆動手段2などにより駆動ローラ3aなどのフィルム繰出し機構3を駆動して、原反ロール4から引き出した帯状のフィルム5を、製袋手段6で筒状に成形して該筒状フィルム7に縦シール手段6’で縦シールを施すと共に、筒状フィルム7中に所定間隔毎に供給された搬送方向における前後の物品8間で上下一対のシール体などの横シール手段9により筒状フィルム7に横シールを施すと共に筒状フィルム7を切断してピロー包装体を得る包装機である。
【0021】
原反ロール4から製袋手段6に至るまでの帯状のフィルム5の搬送経路には、帯状のフィルム5に商品の製造日や消費期限などの日付19a(
図3参照)を印刷する日付印字装置や帯状のフィルム5に対してラベル19b(
図3参照)を所定間隔毎に貼付けるラベラなどの処理手段10(
図2参照)が設置され、その日付印字装置やラベラなどの処理手段10の下流側でマーク検知装置におけるラインセンサ11が、この搬送路で張られた帯状のフィルム5に対向するように帯状のフィルム5の搬送方向に交差するフィルム5の幅方向(フィルム幅方向)に向けて設置されている。このことによって、ラインセンサ11により、搬送中の帯状のフィルム5の幅方向全域が直線ラインごとにスキャンされる。
【0022】
マーク検知装置は、
図2に示すように、制御部13に発信手段1とラインセンサ11と設定部12が接続されている。制御部13は、記憶部14と処理部16などを有し、処理部16が、表示部15などを有する設定部12からの情報及び(/又は)記憶部14の情報によって、横シール手段9(
図1参照)、縦シール手段、フィルム搬送、物品搬送などの製袋充填機における各処理手段10に向けた駆動指令やラベラや日付印字装置を動作させたりラベラの動作によるラベル19b(
図3参照)が適正位置にあるか否か或は印字等が適正か否か等の検査など所定の処理を行うための様々な情報を生成すると共に必要に応じて出力する。
【0023】
本実施形態では、各種の処理手段10による所定の処理は、マーク検知装置におけるラインセンサ11により得られたマーク情報に基づき行われるようになっている。
本実施形態のマーク検知装置においては、フィルム包装による生産開始前の段階に包装に使用する画像データとして取り込むために、
図1及び
図3に示すように、フィルム繰出し機構3に配設されたサーボモータなどの駆動手段2を駆動して搬送中の帯状のフィルム5が、ラインセンサ11によりフィルム5の搬送方向に直交するフィルム5の幅方向に1ラインあたり数千画素分にわたり、一定間隔(コンマ数msecから数msec)でライン毎にスキャンされる。具体的には、発信手段1から出力されるパルス間隔毎に、1包装分のフィルム5の始端5aと終端5bとなる印刷位置合わせ用のマーク17が取り込まれるよう、ラインセンサ11によって1包装長さLを超える長さ分のフィルム5がスキャンされ、そのスキャンにより得られたラインごとのフィルム5の幅方向におけるマーク17の位置を含んだフィルムの1画素ごとの画素データがエンコーダなどの発信手段1から出力されるパルス(信号)に関連付けて
図2に示される制御部13における記憶部14に一時的に格納される。
【0024】
上記により記憶部14に一時的に格納される各画素データを用いて画像処理をして略1包装長さL(
図3参照)を超えるフィルム画像5’を生成して表示部15のエリア15Aに表示する。その状態が
図4(A)に示されている。
図4(A)に示されるように、表示部15はタッチパネル方式となっており、この表示部15が制御部13へのデータの取り入れ等の設定を変更可能とする設定部12の一部として機能する。表示エリア15Aにおけるフィルム画像5’は、実際のフィルム5に相当するフィルム部5’fと、フィルム5の両端縁に相当する上下2本の端縁5’e、5’eと、端縁5’e、5’eより外側に位置し、ラインセンサ11によりスキャンされる際にラインセンサ11と対向した位置でフィルム5を支持する不図示の支持台に相当する周辺部5’gと、マーク17に対応して上側の端縁5’eの近傍2箇所に位置するマーク17’を示す画像からなる。
図4(A)においてマーク17’を囲むように表示部15に触れることにより枠Cが設定可能とされており枠Cがフィルム画像5’に重ねて表示されている。
【0025】
そして、
図4(A)に示す右側位置のタッチボタン表示領域30に表示されている所謂ボタン操作によって
図4(B)のように枠C箇所が拡大表示可能とされており、オペレータによって検査枠20と一体の画像からなる十字形の位置決め画像21の交差位置21Aをマーク17’の角部に合わせることによってマーク17’内に検査枠20が位置するように設定可能とされている。この設定がなされるとマーク17’に対する検査枠20と一緒に移動する位置決め画像21の十字形の交点位置21Aが登録位置として制御部13の記憶部14に記憶される。なお、検査枠20のエリアの大きさはフィルム5の搬送方向及び幅方向共にマーク17’のエリアの大きさより小さいものとなっており、該フィルム5の幅方向におけるマーク17’の両端縁17’a、17’bから内方に離れた位置となっているので、搬送中のフィルム5に仮に幅方向の多少のズレが生じたとしてもマーク17’の範囲が外れることがなく、マーク17’を確実に検出することができる。
【0026】
運転(生産)開始においては、フィルム5を搬送しながらラインセンサ11によりフィルム5の幅方向に1ラインごとに順次スキャンしたラインごとの画素データを制御部13における記憶部14が、一時的に記憶しながら、ラインごとに一次的に記憶した画素データの中から、
図5〜7に示すように交点位置21A(登録位置)をフィルム搬送方向に通過するラインL1とし、そのラインL1から上側端縁5e’側に所定幅α離間したラインL2と、ラインL1から下側端縁5e’側に所定幅β(フィルム5の幅方向におけるマーク17’長さと所定幅αの和に等しい)離間したラインL3との間の領域に対応したフィルム幅方向における一部の範囲の画素データ(評価データ)をラインごとに順次取り出し、検査枠20に含まれるライン数と同数ライン分の画素データをラインごとに並べて二次元化した画素データ(評価データ)の範囲を作成し、順次ラインをフィルム幅方向にシフトさせつつ順次二次元化した画素データ範囲を更新すると共に各二次元化した画素データの範囲内で前記検査枠20と同じ大きさの仮想の枠をフィルム5の幅方向にシフトしながら、各シフト位置における仮想の枠内の画素データ(評価データ)と、予め記憶されたマーク17’を示す検査枠20内の画素データ(基準データ)とを比較してマーク17’か否かを判定する。
【0027】
マーク17’と判定した際には、その判定に至った仮想の枠の位置を基準に仮想の枠をフィルム5の幅方向にシフトさせると共に順次、各仮想の枠内の画素データ(評価データ)と、予め記憶されたマーク17’を示す検査枠20内の画素データ(基準データ)とを比較して、そのマーク17’の角部(登録位置)となる十字形の交点位置21Aとマーク17’全体の位置を特定し判定時のマーク17’の位置を現在位置情報として一時的に記憶部14に記憶する。また運転が開始されマーク17’が検知されると表示部15には
図5(A)に示すように、運転中に判断した新たなマーク17’と設定時のマーク17’とのフィルム5の幅方向(フィルム幅方向)における位置関係を新たなマーク17’とラインL1、L2、L3(基準情報)を用いて表示部15に表示するために、新たなマーク17’(評価情報)の角部(登録位置)となる十字形の交点位置21Aを基点にフィルム5の搬送における前後に一定幅分であり、且つ、フィルム5の幅方向に一定幅分からなる範囲の画素データを記憶し、その他周辺の不要な画素データを消去していく。
【0028】
このように記憶された画素データは、十字形の交点位置21Aなどに対するマーク17’の位置のずれなどを目視判断し得る表示データとして利用される。具体的には、
図5(A)に示すように、表示部15の左下のマーク表示部18にフィルム5の幅方向において設定時のラインL1(又はL2、L3)の位置を基準に新たなマーク17’がどの位置にいるか判るように対応させて表示される。表示用として記憶された画素データは、フィルム5の搬送方向に数十ミリのフィルム長さ(1包装長さ未満)とフィルム5の幅方向に数十ミリのフィルム長さ(フィルム5の幅より小さく、所定幅α+βの和より長い)のフィルム5の範囲に対応した画素データであり、消去する周辺の画素データはフィルム送り量との関係から、前後のマーク17’の表示などに支障がない箇所のデータである。マーク17’の角部(登録位置)となる十字形の交点位置21Aが記憶部14に記憶されていれば、運転中や運転開始前のセット運転中や運転停止中などの何れのタイミングにおいても表示可能とされており、直近に判別されたマーク17’(評価情報)の位置と、運転開始前の設定時におけるラインL1、ラインL2、L3(基準情報)との位置関係が理解できるように示されるようになっている。
【0029】
表示部15の左下のマーク表示部18に触れると、
図5(B)に示すように新たに表示されたマーク17’の検知時刻Tと表示部15の左側に操作キーが出現する。
図6に示すように、この状態でマーク表示部18’の特定箇所に触れる毎に、直近から過去に遡り過去N回分のマーク17’(評価情報)と設定時に登録したラインL1、L2、L3(基準情報)との位置関係が確認できるようになっている。直近から過去に遡り過去N回分のマーク17’(評価情報)を含む表示用画素データは制御部13によって順次更新されると共に過去N+1回分の画素データは消去される。また、表示部15には包装する製品種類を切替える設定スイッチ(不図示)が設けられており、その設定スイッチによる設定変更がなされた際には、表示用画素データは直近を含めて全て消去されるようになっている。
図6、7に示すように操作キー40U、40Dを操作するとラインL1、L2、L3が表示されているマーク17’又は、フィルム端縁5e’(
図4(A)参照)に対して実際のフィルム幅方向に対応した対向方向(画面上下方向)に移動するようになっており、ラインL1、L2、L3を移動させてから、一時登録キー42又は登録キー44を操作すると、ラインL1又はL2、L3が表示画面上で移動した見かけの量に対応して、実際のフィルム5に対しマーク17を探し出すためのフィルム5の幅方向におけるラインL2とラインL3間の範囲が運転開始前に設定したマーク17’の角部(登録位置)となる十字形の交点位置21Aに対してフィルム5の幅方向にシフトしてマーク17を探すように設定が可能とされている。そして、一時登録キー42又は登録キー44による設定後は、
図7(B)のようにシフトさせたラインL1’、L2’、L3’に対する最新のマーク17’の位置との関係が示される。なお、上述のようにラインL1、L2、L3を移動させてから一時登録キー42が操作された際には、フィルム5を一定量(例えば、1m)搬送すると、ラインL1、L2、L3は一時登録する前の設定状態(ラインL1、L2、L3を移動させる前の位置)に戻り、登録キー44が操作された際には、フィルム5の搬送量に関係なくラインL1、L2、L3が移動させた位置に維持される。
【0030】
本実施形態では、フィルム5が蛇行してもマーク17’がラインL2又はラインL3を超えることなく、ラインL2とラインL3との間の領域に収束する際には、マーク17’が到来したことを判定することは可能である。しかし、マーク17’がラインL2又はラインL3を超える際には、マーク17’が到来したことを判定することができず『マーク17’が検知できない』旨のメッセージが表示部15の画面に表示され、所定回数、マーク17’が検知されない際には運転が停止される。
【0031】
例えば、旧原反ロールと新原反ロールのフィルム5を貼り合せたスプライス箇所が幾つかのガイドロール3a〜3e(
図1参照)を通過すると、マーク17’がラインL2、又はL3の一方から一時的に外れてしまう程フィルム5が蛇行し、スプライス箇所が複数のガイドロール3a〜3eなどを通過して所定時間経過すると、マーク17’がラインL2とL3の範囲内に戻るようにフィルム5が逆方向に蛇行する場合がある。
このようにスプライス箇所がガイドロール3a〜3eを通過することで一時的にフィルム5が蛇行することと蛇行したフィルム5が元に戻り始めるタイミングが判っている場合には、表示部15に更新されながら表示されるマーク17’とラインL1〜L3との位置関係でフィルム5が蛇行していることを確認しつつ、マーク17’がラインL2又はL3の一方から一時的に外れる前に、ラインL1〜L3とマーク17’との相対位置が蛇行前の関係に近づくように画面上で操作キー40U、40Dを操作しL1〜L3をシフトさせて一時登録キー42を操作すると、先ず、画面上でシフトさせた量に対応して、実際のフィルム5の幅に対しマーク17’を探し出す範囲をフィルム5の幅方向にシフトさせてマーク17’を探し続けると共に、そのシフトさせたラインL1’、L2’、L3’(基準情報)に対し最新のマーク17’(評価情報)を表示する。そして、フィルム5が逆方向に蛇行しマーク17’が戻る際にシフトさせた設定が自動的に解除され、実際のフィルム5の幅に対しマーク17’を探し出す範囲が初期の設定に戻り、初期設定時のラインL1、L2、L3(基準情報)に対し最新のマーク17’(評価情報)を表示する。なお、一時登録による設定を解除するタイミングは、フィルム5が元の位置に向けて戻るタイミングで適切なタイミングが不図示の設定画面で設定できるようになっている。
このように、フィルム5が一時的に蛇行した後に復帰することが事前に予想される際には、一時登録キー42による設定で、フィルム5がラインL2とラインL3を超えるように蛇行しても、簡易な設定変更によって実際にマーク17’を探し出すためのフィルム5の幅方向におけるラインL2とラインL3間の範囲を一時的にシフトさせることができ、継続的なマーク17’の検知が可能になる。よって、簡易な設定変更によって例えばマーク17’検知不可能による運転停止を回避することができる。
【0032】
更には、例えば、フィルム5が蛇行するように巻かれた原反ロールを使用する際など、マーク17’がラインL2、L3の一方を超える寸前まで一方のラインL2、L3に接近した後、フィルム5の幅方向にずれたフィルム5の位置を維持するようにフィルム5の蛇行が落ち着くことが知られている。このような場合は、操作キー40U、40Dを操作しラインL1〜L3をシフトさせて登録キー44を操作するとよい。画面上でシフトさせたラインL1’、L2’、L3’に対するマーク17’の位置に対応して、実際のフィルム5の幅に対しマーク17’を探し出す範囲をフィルム5の幅方向にシフトさせた状態で新たな設定がなされるまで維持するので、設定の手間を省くことができる。
【0033】
また、製袋充填機におけるマーク検知装置は、表示部15を介してフィルム5の蛇行状況を確認しながらラインセンサ11でマーク17’を検知する設定を効率よく行うことができる。また、ラインセンサ11で得たラインごとの画素データの一部分のみでフィルム5の蛇行状況を表示部15を介して確認することができる。また、表示部15は、評価画像を表示する際に直近から過去N回分を表示可能とすることでフィルム5の蛇行の傾向を把握しやすくなり、設定部(12)における設定操作において、仮想の枠内の画素データ(評価データ)と、予め記憶されたマーク17’を示す検査枠20内の画素データ(基準データ)の一方を他方に対してどの程度フィルム幅方向にシフトさせるかといった補正作業を容易にすることができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の製袋充填機におけるマーク検知装置は、本実施形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。
【0035】
・例えば、本実施形態では、フィルム5を包装する包装機として横形製袋充填機を例示したが縦形製袋充填機などであってもよい。
・包材の種類については、マーク17が付されているものであれば特定されない。
・設定部は、キーボードやスイッチ素子などを介して設定操作し得るものでもよい。また表示部と設定部とを、別に配設してもよい。
・ラインセンサ11でスキャンした画素データを処理する制御部と、包装機における各処理手段など装置全般を制御する制御部とに分割した制御部とを別構成として、両制御部を交信させる構造にしてもよい。
・フィルム5の位置が幅方向にずれた際に、表示部に表示されている操作キー40U、40Dでマーク17’を移動させるようにして、ラインL1、L2、L3に対するマーク17’の位置を幅方向にシフトさせるようにしてもよい。
・ラインL1に対するL1’の位置関係が確認できるように、ラインL1’、L2’、L3’と一緒に初期設定時の登録位置を示すラインL1を表示してもよい。
・ラインL2、L3に対するマークの位置変化に応じて音や光などを変えて報知するようにしてもよい。
・ラインL1とラインL2の幅とラインL1とラインL3の幅は同じであっても異なっていてもよい。
・予め記憶されたマーク17’を示す検査枠20内の画素データは、製袋充填機の運転開始前に実際のフィルム5をラインセンサ11でスキャンして得られるデータに類似するパソコンなどで作成したデータをマーク検知装置に用いてもよい。
・マーク表示部18においては、マーク17’がラインL2又はラインL3に対してどの程度近づいているか判ればよく、ラインL1を必ず表示する必要はない。またラインL1を表示し、ラインL2、L3を非表示にしてマーク17’がラインL2とラインL3の範囲から外れる際に音などで報知するようにしてもよい。
・ラインL1、L2、L3の線種や色を異ならせて表示するようにしてもよい。
・またマーク表示部18’においては、ラインL2とラインL3の間の色相、彩度、明度やハッチングの種類などを変えるなどしてラインL2とラインL3との間の範囲を示すようにしてもよい。この場合にはラインL2、ラインL3上の線は省略してよい。
・また、マーク17’がラインL1からフィルム幅方向にどの程度ずれているかを数字などで表示部に示すようにしてもよい。