(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術では、ユーザーは、原稿の文字サイズよりも大きな文字サイズを集約印刷後の文字サイズとして指定することが考えられる。その場合、集約印刷後の文字サイズを指定した文字サイズよりも大きくするために、印刷画像が拡大されてしまうことが考えられる。しかしながら、集約印刷を行おうとしているユーザーは、画像が拡大されることは望んでいないと考えられるので、このような場合は、ユーザーが文字サイズの指定を誤っている可能性が高い。このような誤って指定された文字サイズに基づいて集約印刷を行うと、ユーザーの所望の印刷結果が得られないため、ユーザーは、文字サイズの指定をやり直して集約印刷を行う手間が必要であった。また、集約印刷をやり直すことによって用紙やトナーを無駄に消費する虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、意図した集約印刷を効率よく行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、
情報を表示するための表示部と、画像を用紙に形成する画像形成部と、文字を含む画像を受け付ける画像受付部と、前記画像受付部によって受け付けられた画像である受付文字画像を1枚の用紙毎に複数枚分ずつ集約して前記画像形成部に形成させる集約印刷処理を実行する集約印刷処理部と、
前記受付文字画像の枚数を検出する枚数検出部と、前記受付文字画像に含まれる最小の文字の大きさを抽出するサイズ抽出部と、
前記サイズ抽出部によって抽出された前記最小の文字の大きさである抽出最小サイズと、前記集約印刷処理を実行した場合に用紙に形成される画像である集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力を案内する第一メッセージと、前記集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力部である第一入力部と、を含む第一操作画面を前記表示部に表示させることにより、前記集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力をユーザーに案内するサイズ入力案内部と、前記第一入力部に入力された、前記集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値を受け付けるサイズ受付部と、前記サイズ受付部によって受け付けられた前記文字の大きさの下限値である下限サイズが前
記抽出最小サイズよりも小さく、且つ、前記集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさである集約最小サイズが前記下限サイズ以上となるように前記集約印刷処理を実行可能である場合、前記集約印刷処理が実行可能と判定するサイズ判定部と、前記サイズ判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定された場合、前記集約最小サイズが前記下限サイズ以上となるように前記集約印刷処理における1枚の用紙に集約させる画像の枚数である集約枚数を決定する集約枚数決定処理を行う集約枚数決定部と、
前記サイズ判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定され、且つ、前記枚数検出部によって検出された前記受付文字画像の枚数が複数枚であり、且つ、前記枚数の上限値を指定することが選択された場合、前記枚数検出部によって検出された前記受付文字画像の枚数と、前記集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値の入力を案内する第二メッセージと、前記枚数の上限値の入力部である第二入力部と、を含む第二操作画面を前記表示部に表示させ、前記第二入力部に入力された、前記枚数の上限値を受け付ける枚数受付部と、前記枚数受付部によって前記枚数の上限値が受け付けられた場合、前記集約枚数決定部により決定された前記集約枚数を用いて前記集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、前記枚数受付部によって受け付けられた前記枚数の上限値である上限用紙枚数以下であるとき、前記集約印刷処理が実行可能と判定する枚数判定部と、前記枚数判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定されない場合、前記下限サイズを優先する指示と、前記枚数の上限値を優先する指示と、を択一的に受け付ける選択指示受付部と、前記サイズ判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定され
、且つ、前記枚数検出部によって検出された前記受付文字画像の枚数が複数枚であり、且つ、前記枚数の上限値を指定しないことが選択された場合、前記集約枚数決定部により決定された前記集約枚数を用いて前記集約印刷処理を前記集約印刷処理部に実行させる集約印刷制御部と、を備え
、前記サイズ入力案内部は、前記サイズ判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定されない場合、前記集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の再入力を案内し、前記集約印刷制御部は、更に、前記枚数判定部によって前記集約印刷処理が実行可能と判定された場合、前記集約枚数決定部により決定された前記集約枚数を用いて前記集約印刷処理を前記集約印刷処理部に実行させ、前記集約枚数決定部は、前記選択指示受付部によって前記枚数の上限値を優先する指示が受け付けられた場合、前記集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が前記上限用紙枚数以下となるように前記集約枚数を再決定し、前記集約印刷制御部は、更に、前記選択指示受付部によって前記下限サイズを優先する指示が受け付けられた場合、前記集約枚数決定部により決定された前記集約枚数を用いて前記集約印刷処理を前記集約印刷処理部に実行させ、前記選択指示受付部によって前記枚数の上限値を優先する指示が受け付けられた場合、前記集約枚数決定部により再決定された前記集約枚数を用いて前記集約印刷処理を前記集約印刷処理部に実行させる。
【0007】
この構成によれば、サイズ受付部によって受け付けられた、集約印刷処理を実行した場合に用紙に形成される画像(集約印刷画像)に含まれ
る文字の大きさの下限値(下限サイズ)が、サイズ抽出部によって抽出された、画像受付部によって受け付けられた画像(受付文字画像)に含まれる最小の文字の大きさ(抽出最小サイズ)よりも小さく、且つ、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさ(集約最小サイズ)が下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能である場合に、サイズ判定部によって集約印刷処理が実行可能と判定される。そして、サイズ判定部によって集約印刷処理が実行可能と判定され
、且つ、枚数検出部によって検出された受付文字画像の枚数が複数枚であり、且つ、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を指定しないことが選択された場合、集約枚数決定部によって集約最小サイズが下限サイズ以上となるように決定された集約枚数を用いて、集約印刷処理が実行される。
【0008】
つまり、集約印刷処理が実行された場合には、集約印刷画像に含まれる最小の.文字の大きさは、サイズ受付部によって受け付けられた下限値以上となっている。このため、ユーザーは、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさが意図した下限値以上になっているか否かを確認するために、集約印刷処理を繰り返し試行して、集約印刷処理によって出力された用紙に形成された集約印刷画像を視認する手間が省かれる。
【0009】
また、サイズ受付部によって受け付けられた下限値が受付文字画像に含まれる最小の文字の大きさよりも大きい場合には集約印刷処理が実行されないので、誤った下限値設定で集約印刷処理が行われる虞が低減される。その結果、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うために無駄な操作を行うことや、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うことによって用紙が無駄に出力されることを抑止することができる。
【0010】
このように、この構成によれば、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさが意図した下限値以上になっているか否かを確認するために、集約印刷処理を繰り返し試行して、集約印刷処理によって出力された用紙に形成された集約印刷画像を視認する手間が省かれ、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うために無駄な操作を行うことや、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うことによって用紙が無駄に出力されることを抑止することができ、意図した集約印刷処理を効率よく行うことができる。
【0012】
また、この構成によれば、サイズ判定部によって集約印刷処理が実行可能と判定されない場合、サイズ入力案内部によって集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力が案内されるので、ユーザーは、集約印刷処理を実行することができない下限値が受け付けられていたことに気付くことが容易となり、集約印刷処理を実行することができる下限値の入力を迅速に行うことができる。
また、この構成によれば、集約印刷処理が実行された場合に得られる用紙の枚数は、枚数受付部で受け付けられた上限値(上限用紙枚数)以下になっているので、上限値を超える枚数の用紙が出力されるような、意図しない枚数の用紙を出力する集約印刷処理が実行されることを回避することができる。
また、この構成によれば、枚数判定部によって集約印刷処理が実行可能と判定されない場合であっても、選択指示受付部によって枚数の上限値を優先する指示が受け付けられたときには、集約枚数決定部により、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数(枚数受付部で受け付けられた上限値)以下となるように集約枚数が再決定される。そして、この再決定された集約枚数を用いて集約印刷処理が実行されるので、当該集約印刷処理によって得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数以下になる。つまり、枚数の上限値を優先する意図に応じて、上限用紙枚数を超えない枚数の用紙を適切に得ることができる。
【0013】
また、前記集約枚数として決定され得る複数の集約候補枚数が予め定められ、前記集約枚数決定部は、前記集約枚数決定処理において、各前記集約候補枚数を用いて前記集約印刷処理をそれぞれ実行した場合に、前記集約最小サイズが前記下限サイズ以上となり且つ前記集約最小サイズが最も前記下限サイズに近くなるときの前記集約候補枚数を、前記集約枚数として決定することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、集約印刷処理が実行された場合には、集約最小サイズ(用紙に形成された集約印刷画像に含まれる最小の.文字の大きさ)が、下限サイズ(サイズ受付部によって受け付けられた下限値)以上であり且つ当該下限サイズに近くなっているので、ユーザーは、意図したものに近い集約印刷処理が実行されたことによって出力された用紙を得ることができる。
【0019】
また、前記集約枚数として決定され得る複数の集約候補枚数が予め定められ、前記集約枚数決定部は、前記選択指示受付部によって前記枚数の上限値を優先する指示が受け付けられた場合、各前記集約候補枚数を用いて前記集約印刷処理をそれぞれ実行したときに得られる用紙の枚数が、前記上限用紙枚数以下となり且つ最も前記上限用紙枚数に近くなるときの前記集約候補枚数を前記集約枚数として再決定することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、選択指示受付部によって枚数の上限値を優先する指示が受け付けられることによって集約印刷処理が実行された場合、当該集約印刷処理によって得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数以下であり且つ当該上限用紙枚数に近くなっている。
【0021】
このため、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下であり且つ上限用紙枚数よりも顕著に少なくなるような集約枚数が再決定され、上限用紙枚数よりも顕著に少ない枚数の用紙が得られる集約印刷処理が実行される場合に比して、集約印刷処理によって得られる用紙の枚数が多くなるので、つまり、1枚の用紙に集約される画像の枚数が少なくなるので、用紙に形成された画像に含まれる文字の大きさが大きくなる。これによって、枚数の上限値を優先する意図に応じて、上限用紙枚数を超えない枚数の用紙を適切に得つつ、用紙に形成された文字が視認しやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、意図した集約印刷を効率よく行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例である複合機1の概略構造図である。
図2は、複合機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。具体的には、複合機1は、
図1に示すように、操作部3と、原稿読取部5と、原稿給送部6と、本体部100と、を備えている。
【0025】
操作部3は、情報を表示するための表示部31と、ユーザーによって各種指示の操作を行わせるための操作キー部32とを備えている。表示部31は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等によって構成されている。操作キー部32は、例えば、コピー機能やファクシミリ機能等、複合機1に備えられた各機能を切り替えるためのハードキーや、ユーザーが各機能の動作の開始を入力するためのスタートキーや、印刷部数、後述する集約印刷処理時の最小の文字サイズ、及び後述する集約印刷処理時の出力用紙枚数等の数値を入力するためのテンキー等の各種キースイッチを備えている。
【0026】
原稿読取部5(画像受付部)は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)等からなるスキャナー部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53と、を備えている。
【0027】
スキャナー部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿を走査しつつ原稿の画像を表す画像データを取得する(受け付ける)。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を表す画像データを取得する(受け付ける)。
【0028】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出する原稿搬送機構63と、を備えている。
【0029】
本体部100は、手差トレイ460と、複数の給紙カセット461と、複数の給紙ローラー462と、画像形成部4と、排出トレイ8と、を備えている。
【0030】
給紙ローラー462は、用紙が載置された手差トレイ460や用紙が収納された給紙カセット461から用紙を引き出して、画像形成部4に向けて用紙を搬送する。
【0031】
画像形成部4は、用紙搬送部41と、光走査装置42と、感光体ドラム43と、現像部44と、転写部45と、定着部46と、排出ローラー47と、を備えている。
【0032】
用紙搬送部41は、画像形成部4内の用紙搬送路中に設けられ、複数の搬送ローラー413を備えている。各搬送ローラー413は、各給紙ローラー462によって搬送されてきた用紙を感光体ドラム43に供給する。
【0033】
光走査装置42は、制御部10による制御のもと、制御部10に入力された画像データに基づいてレーザー光を出力し、このレーザー光によって感光体ドラム43を走査することで、感光体ドラム43上に静電潜像を形成する。
【0034】
現像部44は、感光体ドラム43上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。転写部45は、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写する。定着部46は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる。
【0035】
排出ローラー47は、画像形成部4によって画像が形成された用紙を排出トレイ8に排出する。
【0036】
複合機1は、
図2に示すように、通信部7(画像受付部)と、制御部10と、を更に備えている。
【0037】
通信部7は、ファクシミリ通信部701及びネットワーク通信部703を備えている。ファクシミリ通信部701は、相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及び画像信号等のファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備えている。ファクシミリ通信部701は、電話回線網705に接続されたファクシミリ装置から出力された画像信号を受信して復調することによって、ファクシミリ機能等での印刷処理の対象となる画像を表す画像データを取得する(受け付ける)。
【0038】
ネットワーク通信部703は、LAN(Local Area Network)707に接続されている。ネットワーク通信部703は、LAN707に接続されたパソコン等の外部装置との間で通信を行うための通信インターフェイス回路である。ネットワーク通信部703は、外部装置から出力されたプリンター機能の実行指示や、プリンター機能等での印刷処理の対象となる画像を表す画像データを受信する(受け付ける)。
【0039】
制御部10は、複合機1全体の動作を司る。制御部10は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。
【0040】
制御部10は、不揮発性メモリーに記憶された制御プログラムを実行することによって、印刷指示受付部11、印刷処理部12(集約印刷処理部)、印刷制御部13(集約印刷制御部)、サイズ抽出部14、サイズ受付部15、サイズ判定部16、集約枚数決定部17、サイズ入力案内部18、枚数検出部19、枚数受付部20、枚数判定部21、及び選択指示受付部22として機能する。
【0041】
印刷指示受付部11は、ユーザーによる操作部3の操作によって入力されたコピー機能の実行指示を受け付ける。コピー機能とは、原稿台52に載置された原稿や原稿給送部6により給送された原稿を原稿読取部5によって読み取らせ、取得した画像データを用いて印刷処理を実行させる機能である。ここで印刷処理とは、画像形成部4によって画像を用紙に形成させる処理を示す。コピー機能の実行指示には、例えば、用紙のサイズの指定や、形成対象の画像を縮小又は拡大させる指示や、形成対象の画像の濃度を調整する指示や、画像を1枚の用紙毎に複数枚分ずつ集約して形成させる集約印刷処理の実行指示等の印刷条件が含まれている。
【0042】
印刷処理部12は、印刷指示受付部11によって受け付けられたコピー機能の実行指示に含まれる印刷条件に基づいて印刷処理を実行する。具体的には、印刷処理部12は、印刷条件に基づいて、原稿読取部5によって取得された画像データに対して、例えば縮小/拡大処理や濃度調整処理等の編集処理を施す。そして、印刷処理部12は、画像形成部4によって、当該編集処理後の画像データによって表される画像を、印刷条件によって指定されたサイズの用紙に形成させる。
【0043】
また、印刷条件に集約印刷の実行指示が含まれていた場合には、印刷処理部12は、原稿読取部5によって取得された画像データによって表される画像を1枚の用紙毎に複数枚分ずつ集約して画像形成部4に形成させる集約印刷処理を実行する。以下、集約印刷処理における1枚の用紙に集約させる画像の枚数を「集約枚数」と示す。
【0044】
尚、印刷処理部12が集約印刷処理を実行する場合に用いることができる集約枚数は、集約候補枚数として予め定められ、不揮発性メモリーに記憶されている。以下では、具体例として、2、4、8の3つの集約候補枚数が予め定められているものとして説明する。つまり、印刷処理部12は、印刷処理によって用紙に形成させる対象の画像を1枚の用紙毎に2枚、4枚、又は8枚分ずつ集約して画像形成部4に形成させる、所謂2in1、4in1、又は8in1のページレイアウトとして知られている集約印刷処理を実行することができる。
【0045】
印刷制御部13は、印刷指示受付部11によって実行指示が受け付けられたコピー機能の実行を制御する。印刷制御部13の詳細については後述する。
【0046】
サイズ抽出部14は、OCR(Optical Character Recognition)等の公知の文字認識処理を実行することによって、原稿読取部5によって取得された画像データによって表される画像に含まれる文字の大きさを抽出する。
【0047】
以下では、制御部10によるコピー機能の実行制御の動作について
図3乃至
図12を用いて説明する。そして、当該説明の中で、印刷制御部13、サイズ受付部15、サイズ判定部16、集約枚数決定部17、サイズ入力案内部18、枚数検出部19、枚数受付部20、枚数判定部21、及び選択指示受付部22の詳細について説明する。
【0048】
先ず、コピー機能の実行指示を入力する操作について説明する。操作キー部32に備えられたコピー機能に切り替えるハードキーが押下操作されると、制御部10は、コピー機能の操作画面を表示部31に表示させる。コピー機能の操作画面には、コピー機能の実行によって行われる印刷処理で用いる各種印刷条件を設定するための操作ボタンが設けられている。
【0049】
図3は、コピー機能の操作画面W0の一例を示す説明図である。
図3に示すように、コピー機能の操作画面W0には、例えば、印刷条件を設定するための操作ボタンとして、部数設定ボタンB0、用紙選択設定ボタンB1、縮小/拡大設定ボタンB2、濃度設定ボタンB3、両面/分割設定ボタンB4、集約印刷設定ボタンB5、ステープル/パンチ設定ボタンB6が設けられている。
【0050】
これらの操作ボタンを代表して集約印刷設定ボタンB5について説明する。集約印刷設定ボタンB5は、印刷条件に集約印刷の実行指示を含めるか含めないかを設定するための操作ボタンである。集約印刷設定ボタンB5がタッチ操作されると、制御部10は、タッチ操作可能な「設定する」を示すソフトキーと、タッチ操作可能な「設定しない」を示すソフトキーを当該操作画面に重ねるようにして表示部31に表示させる。そして、当該ソフトキーがタッチ操作されると、制御部10は、表示部31の垂直方向における集約印刷設定ボタンB5の上部にタッチ操作されたソフトキーに対応する内容を表示させる。例えば
図3は、集約印刷設定ボタンB5がタッチ操作された後、「設定する」を示すソフトキーがタッチ操作され、当該タッチ操作されたソフトキーに対応する内容である「設定する」が集約印刷設定ボタンB5の上部に表示された例を示している。つまり、集約印刷設定ボタンB5がタッチ操作され、「設定する」を示すソフトキーがタッチ操作された場合には、集約印刷の実行指示が印刷条件に含まれ、「設定しない」を示すソフトキーがタッチ操作された場合には、集約印刷の実行指示が印刷条件に含まれないようになる。尚、印刷条件の設定方法を、これに限定する趣旨ではない。
【0051】
このようにして、コピー機能の操作画面において各印刷条件が設定された後、操作キー部32に備えられたスタートキーが押下されることによって、コピー機能の実行指示が入力される。
【0052】
図4及び
図5は、制御部10によるコピー機能の実行制御の動作を示すフローチャートである。コピー機能の実行指示が入力されると、
図4に示すように、印刷指示受付部11は、操作画面W0(
図3)の操作によって設定された印刷条件を含むコピー機能の実行指示を受け付ける(S1)。以下、説明の便宜上、印刷指示受付部11によって受け付けられたコピー機能の実行指示に含まれる印刷条件を「印刷条件」と省略して示す。
【0053】
印刷条件に集約印刷の実行指示が含まれていない場合(S2;NO)、印刷制御部13は、原稿台52に載置された原稿や原稿給送部6により給送された原稿の画像を原稿読取部5によって読み取らせ、読み取らせた画像データをRAMへ記憶させる(S11)。これによって、印刷処理によって用紙に形成させる対象の画像を表す画像データが受け付けられる。そして、印刷制御部13は、印刷条件に基づく印刷処理を印刷処理部12に実行させる(S12)。
【0054】
一方、印刷条件に集約印刷の実行指示が含まれていた場合(S2;YES)、印刷制御部13は、ステップS11と同様、原稿台52に載置された原稿や原稿給送部6により給送された原稿の画像を原稿読取部5によって読み取らせ、読み取らせた画像データをRAMへ記憶させる(S3)。これによって、印刷処理によって用紙に形成させる対象の画像を表す画像データが受け付けられる。
【0055】
そして、枚数検出部19は、原稿読取部5によって読み取られた画像データによって表される画像の枚数をカウントし、カウントした画像の枚数をRAMに記憶する(S4)。
【0056】
次に、サイズ抽出部14は、OCR等の公知の文字認識処理を実行することによって、原稿読取部5によって読み取られた画像データによって表される画像に含まれる文字の大きさを抽出する(S5)。以下、原稿読取部5によって読み取られた画像データによって表される画像を「受付文字画像」と示す。
【0057】
次に、印刷制御部13は、サイズ抽出部14によって抽出された文字の大きさのうちの最小の文字の大きさを表示部31に表示させる(S6)。以下、サイズ抽出部14によって抽出された文字の大きさのうちの最小の文字の大きさを「抽出最小サイズ」と示す。
【0058】
これに合わせて、サイズ入力案内部18は、印刷処理部12に集約印刷処理を実行させた場合に用紙に形成される画像に含まれる文字の大きさの下限値をユーザーに入力させるよう案内表示する(S7)。以下、印刷処理部12に集約印刷処理を実行させた場合に用紙に形成される画像を「集約印刷画像」と示す。
【0059】
図6は、集約印刷処理を実行した場合に用紙に形成される画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力操作を行うための操作画面W1の一例を示す説明図である。具体的には、印刷制御部13は、例えば
図6に示すように、ステップS6において、抽出最小サイズC1(図中の「10pt」)を含む操作画面W1を表示部31に表示させる。これに合わせて、サイズ入力案内部18は、ステップS7において、操作画面W1内に、集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力を案内するメッセージM1と、当該下限値の入力部A1を表示する。これによって、サイズ入力案内部18は、集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値をユーザーに入力させるよう案内表示している。
【0060】
そして、ユーザーによる操作キー部32に備えられたテンキーの操作等によって、操作画面W1に表示された入力部A1に集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値が入力され、操作画面W1に設けられたソフトキーSK1がタッチ操作されると、サイズ受付部15は、入力部A1に入力された集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値を受け付ける。以下、サイズ受付部15によって受け付けられた集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値を「下限サイズ」と示す。
【0061】
サイズ受付部15によって集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値が受け付けられると(S8;YES)、サイズ判定部16は、下限サイズが抽出最小サイズよりも小さいか否かを判定する(S9)。
【0062】
集約印刷処理を実行した場合、1枚の用紙毎に受付文字画像が複数枚分集約して形成されるので、抽出最小サイズに対応する受付文字画像に含まれる最小の文字は、集約印刷処理の実行前よりも小さくなって用紙に形成されることになる。つまり、集約印刷処理が実行された場合に用紙に形成される画像である集約印刷画像に含まれる最小の文字のサイズは、抽出最小サイズよりも小さくなる。
【0063】
つまり、サイズ判定部16は、下限サイズが抽出最小サイズよりも小さくないと判定することによって(S9;NO)、集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値を抽出最小サイズ以上にするような集約印刷処理を実行することはできないと判定する。この場合(S9;NO)、サイズ入力案内部18は、集約印刷処理を実行するためには不適切な下限値が入力されたものとして、当該下限値の再入力を案内表示した後(S13)、再びステップS7を実行する。
【0064】
図7は、文字の大きさの下限値の再入力を案内表示する操作画面W2の一例を示す説明図である。具体的には、ステップS9において、サイズ判定部16によって、下限サイズが抽出最小サイズよりも小さくないと判定されることによって、集約印刷処理を実行することはできないと判定された場合(S9;NO)、サイズ入力案内部18は、
図7に示すように、集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の再入力を案内するメッセージM2を含む操作画面W2を表示部31に表示させる(S13)。そして、操作画面W2に設けられたソフトキーSK2がタッチ操作されると、サイズ入力案内部18は、操作画面W2の表示を終了させ、再びステップS7を実行する。
【0065】
一方、サイズ判定部16は、ステップS9において、下限サイズが抽出最小サイズよりも小さいと判定した場合(S9;YES)、更に、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能であるか否かを判定する(S10)。以下、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさを「集約最小サイズ」と示す。
【0066】
具体的に、
図8を用いて、ステップS10におけるサイズ判定部16による判定動作について説明する。
図8は、サイズ判定部16による判定動作、及び、後述の集約枚数決定部17による集約枚数の決定動作を説明するための説明図である。
図8には、用紙のサイズが「A4サイズ」であり、受付文字画像のサイズが「A4サイズ」である場合に、3つの集約候補枚数(2、4、8)のそれぞれを集約枚数とする集約印刷処理を実行したときの受付文字画像の縮小率が示されている。
【0067】
例えば、集約枚数を2とする集約印刷処理を実行した場合、つまり、受付文字画像を1枚の用紙毎に2枚分ずつ集約して画像形成部4に形成させる集約印刷処理を実行した場合には、受付文字画像が71%の縮小率で縮小される。また、集約枚数を4とする集約印刷処理を実行した場合、つまり、受付文字画像を1枚の用紙毎に4枚分ずつ集約して画像形成部4に形成させる集約印刷処理を実行した場合には、受付文字画像が50%の縮小率で縮小される。また、集約枚数を8とする集約印刷処理を実行した場合、つまり、受付文字画像を1枚の用紙毎に8枚分ずつ集約して画像形成部4に形成させる集約印刷処理を実行した場合には、受付文字画像が35%の縮小率で縮小される。
【0068】
具体例として、例えば、抽出最小サイズが10ptであり、下限サイズが4ptである場合、集約枚数を2とする集約印刷処理を実行すると、受付文字画像に含まれる抽出最小サイズに対応する10ptの大きさの文字は縮小率71%で縮小され、集約最小サイズは、下限サイズである4pt以上の7ptになる。このため、サイズ判定部16は、ステップS10において、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能であると判定する。
【0069】
尚、集約枚数を4とする集約印刷処理を実行した場合にも、受付文字画像に含まれる抽出最小サイズに対応する10ptの大きさの文字は縮小率50%で縮小され、集約最小サイズは、下限サイズである4pt以上の5ptになる。これによって、サイズ判定部16は、ステップS10において、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能であると判定してもよい。
【0070】
一方、別の具体例として、抽出最小サイズが10ptであり、下限サイズが8ptである場合、集約枚数を2、4、又は8とする集約印刷処理の何れを実行したとしても、集約最小サイズは、下限サイズである8pt以上にならないので、サイズ判定部16は、ステップS10において、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能ではないと判定する。
【0071】
図4に戻り、ステップS10において、サイズ判定部16によって、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能ではないと判定された場合も(S10;NO)、サイズ入力案内部18は、集約印刷処理を実行するためには不適切な下限値が入力されたものとして、当該下限値の再入力を案内表示した後(S13)、再びステップS7を実行する。
【0072】
一方、ステップS10において、サイズ判定部16によって、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能であると判定された場合(S10;YES)、
図5に示すように、集約枚数決定部17は、集約最小サイズが下限サイズ以上となり、且つ、集約最小サイズが下限サイズに最も近くなるように、集約枚数を決定する(S14)。
【0073】
具体的には、抽出最小サイズが10ptであり、下限サイズが4ptである場合、
図8に示すように、集約枚数を2とする集約印刷処理を実行すると、受付文字画像に含まれる抽出最小サイズに対応する10ptの大きさの文字は縮小率71%で縮小され、集約最小サイズは7ptになる。また、集約枚数を4とする集約印刷処理を実行すると、受付文字画像に含まれる抽出最小サイズに対応する10ptの大きさの文字は縮小率50%で縮小され、集約最小サイズは5ptになる。この場合、集約枚数決定部17は、ステップS14において、集約最小サイズが下限サイズである4pt以上となり、且つ、集約最小サイズが下限サイズである4ptに最も近くなるように、つまり、集約最小サイズが5ptになるように、集約枚数を4に決定する。
【0074】
そして、ステップS4において枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が1枚である場合(S15;NO)、印刷制御部13は、印刷処理部12によって、ステップS14で集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行させる(S24)。
【0075】
一方、ステップS4において枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が複数枚である場合(S15;YES)、印刷制御部13は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を指定するか否かの選択操作を行わせる。
【0076】
図9は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値の指定するか否かの選択操作を行うための操作画面W3の一例を示す説明図である。具体的には、ステップS4において枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が複数枚である場合(S15;YES)、印刷制御部13は、例えば
図9に示すように、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を指定するか否かの選択操作を行うための操作画面W3を表示部31に表示させる。
【0077】
そして、操作画面W3に設けられた「いいえ」を示すソフトキーSK4がタッチ操作されると、印刷制御部13は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を指定しないことが選択されたと判定し(S16;NO)、印刷処理部12によって、ステップS14で集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行させる(S24)。
【0078】
一方、操作画面W3に設けられた「はい」を示すソフトキーSK3がタッチ操作されると、印刷制御部13は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を指定することが選択されたと判定する(S16;YES)。この場合(S16;YES)、枚数受付部20は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値をユーザーに入力させるよう案内表示する(S17)。
【0079】
図10は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値の入力操作を行うための操作画面W4の一例を示す説明図である。具体的には、枚数受付部20は、例えば
図10に示すように、ステップS17において、枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数C2(図中の「10枚」)と、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値の入力を案内するメッセージM2と、当該上限値の入力部A2と、を含む操作画面W4を表示部31に表示させる。これによって、枚数受付部20は、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値をユーザーに入力させるよう案内表示している。
【0080】
そして、ユーザーによる操作キー部32に備えられたテンキーの操作等によって、操作画面W4に表示された入力部A2に、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値が入力され、操作画面W1に設けられたソフトキーSK1がタッチ操作されると、枚数受付部20は、入力部A2に入力された集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を受け付ける。
【0081】
図5に戻り、枚数受付部20によって、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値が受け付けられると(S18;YES)、枚数判定部21は、ステップS14において集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、枚数受付部20によって受け付けられた上限値以下であるか否かを判定する(S19)。以下、枚数受付部20によって受け付けられた、集約印刷処理を実行した場合に画像が形成される用紙の枚数の上限値を「上限用紙枚数」と示す。
【0082】
具体的に、
図11を用いて、枚数判定部21によるステップS19の判定動作について説明する。
図11は、枚数判定部21による判定動作を説明するための説明図である。
図11に示すように、具体例として、例えば、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数が4であり、枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が10枚であり、上限用紙枚数が3枚である場合、集約枚数を4にして集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数と同じ3枚になる。このため、枚数判定部21は、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、枚数受付部20によって受け付けられた上限値(上限用紙枚数)以下であると判定する。
【0083】
一方、別の具体例として、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数が4であり、枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が10枚であり、上限用紙枚数が2枚である場合、集約枚数を4にして集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数である2枚よりも大きい3枚になる。このため、枚数判定部21は、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、枚数受付部20によって受け付けられた上限値(上限用紙枚数)以下ではないと判定する。
【0084】
図5に戻り、枚数判定部21は、ステップS19において、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下であると判定した場合(S19;YES)、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行可能であると判定し、処理をステップS24に移行する。これによって、印刷制御部13は、印刷処理部12によって、集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行させる(S24)。
【0085】
一方、枚数判定部21は、ステップS19において、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下ではないと判定した場合(S19;NO)、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行可能ではないと判定する。この場合(S19;NO)、選択指示受付部22は、サイズ受付部15によって受け付けられた集約印刷処理後の文字の大きさの下限値又は枚数受付部20によって受け付けられた集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値の何れの指示を優先するかをユーザーに選択させるよう案内表示する(S20)。
【0086】
図12は、集約印刷処理後の文字の大きさの下限値を優先する指示と集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値を優先する指示とを択一的に選択する選択操作を行うための操作画面W5の一例を示す説明図である。具体的には、選択指示受付部22は、例えば
図12に示すように、ステップS20において、集約印刷処理後の文字の大きさの下限値又は集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値のどちらを優先するかを案内するメッセージM3と、集約印刷処理後の文字の大きさの下限値を優先する指示を入力するためのソフトキーSK7と、集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値を優先する指示を入力するためのソフトキーSK8と、を含む操作画面W5を表示部31に表示させる。これによって、選択指示受付部22は、サイズ受付部15によって受け付けられた集約印刷処理後の文字の大きさの下限値又は枚数受付部20によって受け付けられた集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値のどちらを優先するかをユーザーに選択させるよう案内表示している。
【0087】
そして、操作画面W5に設けられたソフトキーSK7がタッチ操作されると、選択指示受付部22は、サイズ受付部15によって受け付けられた集約印刷処理後の文字の大きさの下限値を優先する指示を受け付ける。サイズ受付部15によって受け付けられた集約印刷処理後の文字の大きさの下限値を優先する指示が選択指示受付部22によって受け付けられると(S21;NO)、印刷制御部13は、印刷処理部12によって、ステップS14で決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行させる(S24)。
【0088】
一方、操作画面W5に設けられたソフトキーSK8がタッチ操作されると、選択指示受付部22は、枚数受付部20によって受け付けられた集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値を優先する指示を受け付ける。枚数受付部20によって受け付けられた集約印刷処理後の用紙の出力枚数の上限値(上限用紙枚数)を優先する指示が選択指示受付部22によって受け付けられると(S21;YES)、集約枚数決定部17は、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、上限用紙枚数以下となり且つ最も上限用紙枚数に近くなるように、集約枚数を再決定する(S22)。
【0089】
具体的には、
図11に示すように、具体例として、例えば、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数が4であり、枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が10枚であり、上限用紙枚数が2枚である場合、集約枚数を8にして集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数である2枚以下の2枚になる。この場合、集約枚数決定部17は、ステップS22において、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、上限用紙枚数である2枚以下となり且つ最も上限用紙枚数2枚に近くなるように、つまり、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が2枚になるように、集約枚数を8に再決定する。
【0090】
別の具体例として、例えば、集約枚数決定部17によって決定された集約枚数が2であり、枚数検出部19によってRAMに記憶された受付文字画像の枚数が10枚であり、上限用紙枚数が3枚である場合、集約枚数を4にして集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数である3枚以下の3枚になり、集約枚数を8にして集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数である3枚以下の2枚になる。この場合、集約枚数決定部17は、ステップS22において、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、上限用紙枚数である3枚以下となり且つ最も上限用紙枚数3枚に近くなるように、つまり、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が3枚になるように、集約枚数を4に再決定する。
【0091】
集約枚数決定部17によって集約枚数が再決定されると(S22)、印刷制御部13は、印刷処理部12によって、ステップS22で集約枚数決定部17によって再決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行させる(S23)。
【0092】
このように、上記実施形態の構成によれば、サイズ判定部16によって集約印刷処理が実行可能と判定されない場合(S9;NO、及び、S10;NO)、サイズ入力案内部18によって集約印刷画像に含まれる文字の大きさの下限値の入力が案内されるので、ユーザーは、集約印刷処理を実行することができない下限値が受け付けられていたことに気付くことが容易となり、集約印刷処理を実行することができる下限値の入力を迅速に行うことができる。
【0093】
また、ステップS14において、集約枚数決定部17は、集約最小サイズが下限サイズ以上となり、且つ、集約最小サイズが下限サイズに最も近くなるように、集約枚数を決定するため、ステップS14において集約枚数決定部17によって集約最小サイズが下限サイズ以上となるように決定された集約枚数を用いて集約印刷処理が実行された場合に(S24)、集約最小サイズ(用紙に形成された集約印刷画像に含まれる最小の.文字の大きさ)が、下限サイズ(サイズ受付部によって受け付けられた下限値)以上であり且つ当該下限サイズに近くなっており、ユーザーは、意図したものに近い集約印刷処理が実行されたことによって出力された用紙を得ることができる。
【0094】
また、ステップS19において、枚数判定部21によって、集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下であると判定された場合(S19;YES)、集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理が実行される。これによって、集約印刷処理が実行されたときに得られる用紙の枚数は、枚数受付部20で受け付けられた上限値(上限用紙枚数)以下になっているので、上限値を超える枚数の用紙が出力されるような、意図しない枚数の用紙を出力する集約印刷処理が実行されることを回避することができる。
【0095】
また、枚数判定部21によって集約印刷処理が実行可能と判定されない場合であっても(S19;NO)、選択指示受付部22によって枚数の上限値を優先する指示が受け付けられたときには、ステップS22において、集約枚数決定部17は、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、上限用紙枚数以下となり且つ最も上限用紙枚数に近くなるように、集約枚数を再決定する。このため、選択指示受付部22によって枚数の上限値を優先する指示が受け付けられることによって集約印刷処理が実行された場合(S23)、当該集約印刷処理によって得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数以下であり且つ当該上限用紙枚数に近くなっている。
【0096】
このため、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下であり且つ上限用紙枚数よりも顕著に少なくなるような集約枚数が再決定され、上限用紙枚数よりも顕著に少ない枚数の用紙が得られる集約印刷処理が実行される場合に比して、集約印刷処理によって得られる用紙の枚数が多くなるので、つまり、1枚の用紙に集約される画像の枚数が少なくなるので、用紙に形成された画像に含まれる文字の大きさが大きくなる。これによって、枚数の上限値を優先する意図に応じて、上限用紙枚数を超えない枚数の用紙を適切に得つつ、用紙に形成された文字が視認しやすくなる。
【0097】
尚、上記実施形態において
図1乃至
図12に示した構成は単なる一例に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
【0098】
例えば、上記実施形態では、集約枚数決定部17は、ステップS22(
図5)において、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が、上限用紙枚数以下となり且つ最も上限用紙枚数に近くなるように、集約枚数を再決定するよう構成していた。しかし、これに代えて、集約枚数決定部17は、ステップS22において、集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下になるように集約枚数を再決定するようにし、このような集約枚数が複数ある場合には、例えば、最も小さいもの、或いは、最も大きいもの等、予め定めた規則に従って複数ある集約枚数のうちの一つを集約枚数として再決定するように構成してもよい。
【0099】
この構成によれば、ステップS23において、この再決定された集約枚数を用いて集約印刷処理が実行された場合に、当該集約印刷処理によって得られる用紙の枚数は、上限用紙枚数以下になる。つまり、枚数の上限値を優先する意図に応じて、上限用紙枚数を超えない枚数の用紙を適切に得ることができる。
【0100】
また、制御部10が選択指示受付部22として機能しないように構成し、これに合わせて、ステップS20〜S23(
図5)を行わないように簡素化して構成してもよい。そして、ステップS19(
図5)において、枚数判定部21によって、ステップS14(
図5)で集約枚数決定部17により決定された集約枚数を用いて集約印刷処理を実行したときに得られる用紙の枚数が上限用紙枚数以下ではないと判定された場合には(S19;NO)、例えば、ステップS17(
図5)に戻る、或いは、ステップS24(
図5)を実行するように構成してもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、集約枚数決定部17は、ステップS14(
図5)において、集約最小サイズが下限サイズ以上となり、且つ、集約最小サイズが下限サイズに最も近くなるように、集約枚数を決定するよう構成していた。しかし、これに代えて、集約枚数決定部17は、ステップS14(
図5)において、集約最小サイズが下限サイズ以上になるように集約枚数を決定するようにし、このような集約枚数が複数ある場合には、例えば、最も小さいもの、或いは、最も大きいもの等、予め定めた規則に従って複数ある集約枚数のうちの一つを集約枚数として決定するように構成してもよい。
【0102】
また、ステップS13(
図4)を行わないように簡素化して構成してもよい。これに合わせて、ステップS9(
図4)において、サイズ判定部16によって、下限サイズが抽出最小サイズよりも小さくないと判定された場合(S9;NO)、及び、ステップS10(
図4)において、サイズ判定部16によって、集約最小サイズが下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能ではないと判定された場合(S10;NO)には、例えば、ステップS8(
図4)で入力された下限値が不適切である旨を示す警告メッセージを表示部31に表示後、コピー機能の実行動作を終了するように構成してもよい。
【0103】
また、制御部10が枚数検出部19と枚数受付部20として機能しないように構成し、これに合わせて、ステップS4(
図4)、ステップS15〜S23(
図5)を行わないようにし、ステップS14の実行後、ステップS24を行うように簡素化して構成してもよい。
【0104】
この場合、サイズ受付部15によって受け付けられた、集約印刷処理を実行した場合に用紙に形成される画像(集約印刷画像)に含まれる.文字の大きさの下限値(下限サイズ)が、サイズ抽出部14によって抽出された、原稿読取部5によって取得された画像(受付文字画像)に含まれる最小の文字の大きさ(抽出最小サイズ)よりも小さく(S9;YES)、且つ、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさ(集約最小サイズ)が下限サイズ以上となるように集約印刷処理を実行可能である場合に(S10;YES)、サイズ判定部16によって集約印刷処理が実行可能と判定される。
【0105】
そして、ステップS14において集約枚数決定部17によって集約最小サイズが下限サイズ以上となるように決定された集約枚数を用いて集約印刷処理が実行された場合(S24)には、集約印刷画像に含まれる最小の.文字の大きさは、サイズ受付部15によって受け付けられた下限値以上となっている。このため、ユーザーは、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさが意図した下限値以上になっているか否かを確認するために、集約印刷処理を繰り返し試行して、集約印刷処理によって出力された用紙に形成された集約印刷画像を視認する手間が省かれる。
【0106】
また、サイズ受付部15によって受け付けられた下限値が受付文字画像に含まれる最小の文字の大きさよりも大きい場合には集約印刷処理が実行されないので、ユーザーによって誤った下限値が設定された状態で集約印刷処理が行われる虞が低減される。その結果、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うために無駄な操作を行うことや、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うことによって用紙が無駄に出力されることを抑止することができる。
【0107】
このように、集約印刷画像に含まれる最小の文字の大きさが意図した下限値以上になっているか否かを確認するために、集約印刷処理を繰り返し試行して、集約印刷処理によって出力された用紙に形成された集約印刷画像を視認する手間が省かれ、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うために無駄な操作を行うことや、誤った下限値設定で集約印刷処理を行うことによって用紙が無駄に出力されることを抑止することができ、意図した集約印刷処理を効率よく行うことができる。
【0108】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の複合機1に適用される場合の他、プリンター装置、及びファクシミリ装置等の画像形成装置に適用することが可能である。